JP6498885B2 - チップ抵抗器およびチップ抵抗器のトリミング方法 - Google Patents

チップ抵抗器およびチップ抵抗器のトリミング方法 Download PDF

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Description

本発明は、絶縁基板上に異なる抵抗値を有する複数の抵抗体が直列に形成されているチップ抵抗器と、そのようなチップ抵抗器のトリミング方法に関するものである。
図5は特許文献1に開示された従来例に係るチップ抵抗器の平面図であり、このチップ抵抗器は、直方体形状の絶縁基板20と、絶縁基板20の長手方向両端部に形成された一対の表電極21,22と、これら表電極21,22間に直列に接続された第1および第2抵抗体23,24等によって主に構成されている。第1抵抗体23と第2抵抗体24は抵抗値の異なる抵抗材料を印刷・焼成して形成されたものであり、図示の例の場合、第1抵抗体23の抵抗値に比べて第2抵抗体24の抵抗値が高いものとなっている。
第1および第2抵抗体23,24にはそれぞれトリミング溝25,26が形成されており、これらトリミング溝25,26を形成することでチップ抵抗器の抵抗値が調整されるようになっている。その際、抵抗値が高い方の第2抵抗体24から1本目のトリミング溝26を形成することにより、測定抵抗値が目標抵抗値よりも僅かに下回るまで抵抗値を増大させた(抵抗値の粗調整)後、抵抗値が低い方の第1抵抗体23に2本目のトリミング溝25を形成することにより、測定抵抗値を目標抵抗値に対して一致させるようにしている(抵抗値の微調整)。
特開2004−200424号公報
前述した従来のチップ抵抗器では、異なる抵抗値の第1および第2抵抗体23,24を一対の表電極21,22間に直列に接続し、これら両抵抗体23,24のうち抵抗値が高い方(例えば第2抵抗体24)から先にトリミングを行うようにしたので、1種類の抵抗体のみにトリミングを行うようにしたチップ抵抗器に比べると、高精度の抵抗値調整を行うことができる。しかしながら、抵抗値の微調整が第1抵抗体23に2本目のトリミング溝25を形成することだけで行われるため、第1および第2抵抗体23,24の初期抵抗値に大きなバラツキが生じると、目標抵抗値に切り上げるまでのトリミング溝25の全長を長くしなければならないことがあり、その結果、トリミング溝25の形成後の抵抗体残部が減少して過負荷特性の悪いチップ抵抗器になってしまったり、場合によっては第2抵抗体24に1本目のトリミング溝26を形成した時点で目標抵抗値に達してしまい、その後に第1抵抗体23に2本目のトリミング溝25を形成できなくなることもあった。
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、初期抵抗値のバラツキに関わらず抵抗値を極めて高精度に調整することができるチップ抵抗器を提供することにあり、第2の目的は、そのようなチップ抵抗器のトリミング方法を提供することにある。
上記第1の目的を達成するために、本発明は、絶縁基板の表面に一対の表電極が配設されており、これら一対の表電極間に抵抗値の異なる材料で形成された2つの抵抗体が両者の重なり部分を介して直列に接続されているチップ抵抗器において、抵抗値の高い方の前記抵抗体の単体部分を第1領域、抵抗値の低い方の前記抵抗体の単体部分を第2領域、2つの前記抵抗体が重なって2種類の抵抗材料の混合された部分を第3領域とすると、これら各領域の抵抗値は、前記第1領域の抵抗値>前記第3領域の抵抗値>前記第2領域の抵抗値であり、前記第1領域に第1トリミング溝が形成されていると共に、前記第3領域に第2トリミング溝が形成されている構成とした。
このように構成されたチップ抵抗器では、一対の表電極間に抵抗値の低い抵抗体と抵抗値の高い抵抗体とが両者の重なり部分を介して直列に接続されているが、この重なり部分の抵抗値は高低2種類の抵抗材料を混合したものとなるため、高い方の抵抗体の単体部分よりは低くなるが、低い方の抵抗体の単体部分よりは高くなる。つまり、高い方の抵抗体の単体部分(第1領域)の抵抗値>両抵抗体の重なり部分(第3領域)の抵抗値>低い方の抵抗体の単体部分(第2領域)の抵抗値という関係になる。これにより、抵抗値が高い方の抵抗体から先にトリミングを行った後、2つの抵抗体の重なり部分にトリミング溝を形成して両表電極間の抵抗値を微調整すれば、極めて高精度の抵抗値調整を簡単に行うことができる。
上記の構成において、抵抗値の低い方の抵抗体に第3トリミング溝が形成されていると、重なり部分に第2トリミング溝を形成して測定抵抗値を目標抵抗値にある程度近付けた後、抵抗値が最も低い領域である抵抗体に第3トリミング溝を形成することにより、抵抗値の微調整を段階的に行うことができる。
この場合、第2トリミング溝と第3トリミング溝は互いに分離した状態で別々に形成されていても良いが、第3トリミング溝が第2トリミング溝の先端に連続していると、2つの抵抗体の重なり部分に第2トリミング溝を形成して目標抵抗値にある程度近付けるという初段の微調整を行った後、そのまま第2トリミング溝を抵抗値が低い方の抵抗体に延長して第3トリミング溝を形成することにより、測定抵抗値を目標抵抗値に対して一致させるという最終段の微調整を行うことができるため、抵抗値の高精度な微調整を簡単に行うことができる。
また、上記の構成において、第2トリミング溝が第1トリミング溝の先端に連続していると、つまり、第1トリミング溝の先端に第2トリミング溝と第3トリミング溝が連続していると、抵抗値が高い方の抵抗体に第1トリミング溝を形成して抵抗値の粗調整を行った後、そのまま第1トリミング溝を重なり部分を通過して抵抗値が低い方の抵抗体まで延長して第2および第3トリミング溝を形成することにより、抵抗値の粗調整から高精度な微調整に至るトリミング動作を連続的に行うことができる。
また、上記第2の目的を達成するために、本発明によるチップ抵抗器のトリミング方法は、絶縁基板と、この絶縁基板の表面に設けられた一対の表電極と、これら一対の表電極間に抵抗値の異なる材料で形成された2つの抵抗体が直列にされていると共に、抵抗値の高い方の前記抵抗体の単体部分を第1領域、抵抗値の低い方の前記抵抗体の単体部分を第2領域、2つの前記抵抗体の重なり部分を第3領域としたとき、前記第3領域を2種類の抵抗材料が混合された領域となすことにより、これら各領域の抵抗値が前記第1領域の抵抗値>前記第3領域の抵抗値>前記第2領域の抵抗値の関係に設定されており、前記第1領域にトリミング溝を形成した後、前記第3領域に別のトリミング溝を形成するようにした。
一対の表電極間に抵抗値の低い抵抗体と抵抗値の高い抵抗体とが両者の重なり部分を介して直列に接続されていると、この重なり部分の抵抗値は高低2種類の抵抗材料を混合したものとなるため、高い方の抵抗体の単体部分よりは低くなるが、低い方の抵抗体の単体部分よりは高くなる。つまり、高い方の抵抗体の単体部分(第1領域)の抵抗値>両抵抗体の重なり部分(第3領域)の抵抗値>低い方の抵抗体の単体部分(第2領域)という関係になる。そして、抵抗値が高い方の抵抗体にトリミング溝を形成して測定抵抗値を目標抵抗値に近付けた後、2つの抵抗体の重なり部分にトリミング溝を形成して両表電極間の抵抗値を微調整すれば、極めて高精度の抵抗値調整を行うことができる。
また、上記のトリミング方法において、2つの抵抗体の重なり部分にトリミング溝を形成した後に、抵抗値の低い方の抵抗体にトリミング溝を形成すると、重なり部分にトリミング溝を形成して測定抵抗値を目標抵抗値にある程度近付けた後、抵抗値が最も低い方の抵抗体にトリミング溝を形成することにより、抵抗値の微調整を段階的に行うことができる。
この場合において、2つの抵抗体の重なり部分にL字状またはレ字状のトリミング溝を形成した後、このトリミング溝を抵抗値の低い方の抵抗体まで延長すると、重なり部分にトリミング溝を形成して目標抵抗値にある程度近付けるという初段の微調整を行った後、そのトリミング溝の終端を抵抗値が低い方の抵抗体に延長することにより、測定抵抗値を目標抵抗値に対して一致させるという最終段の微調整を行うことができるため、抵抗値の高精度な微調整を簡単に行うことができる。
あるいは、抵抗値の高い方の抵抗体にL字状またはレ字状のトリミング溝を形成した後、このトリミング溝を2つの抵抗体の重なり部分を通過して抵抗値の低い方の抵抗体まで延長しても良く、すなわち、抵抗値が高い方の抵抗体にトリミング溝を形成して抵抗値の粗調整を行った後、そのトリミング溝の終端を重なり部分を通過して抵抗値が低い方の抵抗体まで延長することにより、抵抗値の段階的な微調整を行うようにすると、抵抗値の粗調整から高精度な微調整に至るトリミング動作を連続的に行うことができる。
本発明のチップ抵抗器は、一対の表電極間に抵抗値の低い抵抗体と抵抗値の高い抵抗体とが両者の重なり部分を介して直列に接続されており、この重なり部分の抵抗値は高低2種類の抵抗材料を混合したものとなるため、高い方の抵抗体の単体部分より低くなるが、低い方の抵抗体の単体部分より高くなっている。これにより、抵抗値が高い方の抵抗体から先にトリミングを行った後、2つの抵抗体の重なり部分にトリミング溝を形成して両表電極間の抵抗値を微調整すれば、極めて高精度の抵抗値調整を簡単に行うことができる。
また、本発明によるチップ抵抗器のトリミング方法は、一対の表電極間に直列に接続された2種類の抵抗体に対し、抵抗値の大きい方の抵抗体にトリミング溝を形成して測定抵抗値を目標抵抗値に近付けた後、2つの抵抗体の重なり部分にトリミング溝を形成して両表電極間の抵抗値を微調整するようにしたので、2つの抵抗体の中間の抵抗値を有する重なり部分を微調整用のトリミング領域として利用することにより、極めて高精度の抵抗値調整を簡単に行うことができる。
本発明の第1実施形態例に係るチップ抵抗器の平面図である。 該チップ抵抗器の製造方法を示す工程図である。 本発明の第2実施形態例に係るチップ抵抗器の平面図である。 本発明の第3実施形態例に係るチップ抵抗器の平面図である。 従来例に係るチップ抵抗器の平面図である。
発明の実施の形態について図面を参照して説明すると、図1に示すように、本発明の第1実施形態例に係るチップ抵抗器は、直方体形状の絶縁基板1と、絶縁基板1の表面の長手方向両端部に設けられた一対の表電極2,3と、これら一対の表電極2,3間に直列に接続された第1抵抗体4および第2抵抗体5と、これら第1および第2抵抗体4,5を被覆する保護層6等によって主に構成されており、第1抵抗体4と第2抵抗体5および両抵抗体4,5の重なり部分7にはそれぞれトリミング溝8,9,10が形成されている。なお、図示省略されているが、絶縁基板1の裏面には表電極2,3に対応するように一対の裏電極が設けられており、絶縁基板1の長手方向の両端面には対応する表電極と裏電極を橋絡する端面電極が設けられている。
絶縁基板1はセラミック等からなり、この絶縁基板1は大判の集合基板を縦横の分割溝に沿って分割して多数個取りしたものである。一対の表電極2,3はAgペースト等をスクリーン印刷して乾燥・焼成させたものであり、これら表電極2,3は一定の間隔を存して対向している。
第1抵抗体4と第2抵抗体5は酸化ルテニウム等の抵抗体ペーストをスクリーン印刷して乾燥・焼成させたものであるが、第1抵抗体4が抵抗値の低い抵抗材料(例えば10Ω材)を用いて形成されているのに対し、第2抵抗体5は抵抗値の高い抵抗材料(例えば100Ω材)を用いて形成されている。なお、これとは逆に第1抵抗体4を抵抗値の高い抵抗材料で形成し、第2抵抗体5を抵抗値の低い抵抗材料で形成しても良く、要は、第1抵抗体4と第2抵抗体5とが抵抗値の異なる抵抗材料を用いて形成されていれば良い。
第1抵抗体4の一端部は図示左側の表電極2に接続され、第2抵抗体5の一端部は図示右側の表電極3に接続されており、これら第1および第2抵抗体4,5の他端部は両者の重なり部分7で接続されている。ここで、重なり部分7の抵抗値は高低2種類の抵抗材料を混合したものとなるため、重なり部分7の抵抗値は、抵抗値の高い抵抗材料からなる第2抵抗体5の単体部分よりは低くなっているが、抵抗値の低い抵抗材料からなる第1抵抗体4の単体部分よりは高くなっている。つまり、抵抗値の高い方の第2抵抗体5の単体部分を第1領域、抵抗値の低い方の第1抵抗体4の単体部分を第2領域、第1および第2抵抗体4,5の重なり部分7を第3領域としたとき、これら各領域の抵抗値は、第1領域(第2抵抗体5の単体部分の抵抗値>第3領域(重なり部分7の抵抗値>第2領域(第1抵抗体4の単体部分の抵抗値という関係になり、このような関係の第1抵抗体4と第2抵抗体5が重なり部分7を介して両表電極2,3間に直列に接続されている。
第1抵抗体4と第2抵抗体5および重なり部分7にはそれぞれLカット形状のトリミング溝8,9,10が形成されており、これらトリミング溝8,9,10によって両表電極2,3間の合成抵抗値が所望の値に調整されるようになっている。その際、抵抗値が高い第2抵抗体5に対してトリミング溝10を形成した後、それよりも抵抗値が低い重なり部分7に対してトリミング溝9を形成し、最後に抵抗値が最も低い第1抵抗体4に対してトリミング溝8を形成するようになっている。なお、以下の説明では便宜上、第2抵抗体5に形成されるトリミング溝10を第1トリミング溝、重なり部分7に形成されるトリミング溝9を第2トリミング溝、第1抵抗体4に形成されるトリミング溝8を第3トリミング溝と呼ぶこととする。
保護層6はアンダーコート層とオーバーコート層の2層構造からなり、アンダーコート層はトリミング溝8,9,10を形成する前に第1抵抗体4と第2抵抗体5および重なり部分7を覆うように形成され、オーバーコート層は第1乃至第3トリミング溝8,9,10を形成した後にアンダーコート層を覆うように形成されている。なお、アンダーコート層はガラスペーストをスクリーン印刷して焼成させたものであり、オーバーコート層6はエポキシ系樹脂ペーストをスクリーン印刷して加熱硬化させたものである。
次に、このように構成されたチップ抵抗器の製造工程について、図2を参照しながら説明する。
まず、図2(a)に示すように、絶縁基板1が多数個取りされる集合基板1Aを準備する。この集合基板1Aには予め1次分割溝と2次分割溝(いずれも図示省略)が格子状に設けられており、両分割溝によって区切られたマス目の1つ1つが1個分のチップ領域となる。なお、図2では1個分のチップ領域に相当する集合基板1Aが代表的に示されているが、実際は多数個分のチップ領域に相当する集合基板1Aに対して以下に説明する各工程が一括して行われる。
まず、集合基板1Aの表面にAgペーストをスクリーン印刷した後、これを乾燥・焼成することにより、図2(b)に示すように、集合基板1Aの長手方向両端部に一対の表電極2,3を形成する。
図示省略されているが、この工程に前後して集合基板1Aの裏面にAgペーストをスクリーン印刷し、これを乾燥・焼成することにより、集合基板1Aの裏面に図示せぬ一対の裏電極を形成する。
次に、集合基板1Aの表面に抵抗値が高い酸化ルテニウム等の抵抗体ペーストをスクリーン印刷した後、これを乾燥・焼成することにより、図2(c)に示すように、右端部を表電極3に重ね合わせた第2抵抗体5を形成する。
次に、抵抗値が低い酸化ルテニウム等の抵抗体ペーストをスクリーン印刷した後、これを乾燥・焼成することにより、図2(d)に示すように、両端部を表電極2と第2抵抗体5に重ね合わせた第1抵抗体4を形成する。ここで、第1および第2抵抗体4,5の重なり部分7は高低2種類の抵抗材料が焼結して混ざり合ったものとなるため、重なり部分7の抵抗値は第2抵抗体5の単体部分よりは低くなるが、第1抵抗体4の単体部分よりは低くなる。
しかる後、第1抵抗体4と第2抵抗体5および重なり部分7を覆う領域にガラスペーストをスクリーン印刷して焼成することにより、図2(e)に示すように、保護層6の下層となるアンダーコート層6Aを形成する。
次いで、一対の表電極2,3に図示せぬプローブを当てながらアンダーコート層6Aの上からレーザ光を照射することにより、両表電極2,3間に直接続された第1抵抗体4と第2抵抗体5の合成抵抗値を調整する。
この場合、図2(f)に示すように、まず初めに第2抵抗体5に第1トリミング溝10を形成することにより、測定抵抗値が目標抵抗値よりも僅かに下回るまで抵抗値を増大させる(抵抗値の粗調整)。この第2抵抗体5は抵抗値が最も高い領域であって、第1トリミング溝10の切り込み量増分に対する抵抗値増分の割合は大きいものとなっている。
次いで、図2(g)に示すように、第1および第2抵抗体4,5の重なり部分7に第2トリミング溝9を形成することにより、測定抵抗値が目標抵抗値に近付くように抵抗値を増大させる(抵抗値の微調整)。この重なり部分7は抵抗値が比較的低い領域であり、第2トリミング溝9の切り込み量増分に対する抵抗値増分の割合が小さいため、測定抵抗値を精度良く目標抵抗値に近付けることができる。
しかる後、図2(h)に示すように、第1抵抗体4に第3トリミング溝8を形成することにより、測定抵抗値が目標抵抗値に一致するように抵抗値を増大させる(抵抗値の極微調整)。この第1抵抗体4は抵抗値が最も低い領域であり、第3トリミング溝8の切り込み量増分に対する抵抗値増分の割合は極めて小さいものとなるため、測定抵抗値を目標抵抗値に対し極めて高精度に一致させることができる。
なお、これら第1乃至第3トリミング溝8,9,10の形状は特に限定されるものではなく、例えば、第1乃至第3トリミング溝8,9,10の1つまたは全部をLカット形状の代わりにストレートカット形状にしても良い。また、重なり部分7に第2トリミング溝9を形成することで測定抵抗値を目標抵抗値に一致させることも可能であり、その場合は、第1抵抗体4に対する第3トリミング溝8の形成工程を省略すれば良い。
次に、アンダーコート層6Aを覆うようにエポキシ系等の樹脂ペーストをスクリーン印刷した後、これを加熱硬化することにより、保護層6の上層となるオーバーコート層を形成する。このオーバーコート層は第1乃至第3トリミング溝8,9,10を覆って外部環境から保護するためのものであり、このように第1抵抗体4と第2抵抗体5を2層構造の保護層6(アンダーコート層とオーバーコート層)で覆うことにより、湿度に影響されないチップ抵抗器が実現されるようになっている。
ここまでの各工程は多数個取り用の集合基板1Aに対する一括処理であるが、次なる工程では、集合基板1Aを1次分割溝に沿って短冊状に分割するという1次ブレーク加工を行うことより、複数個分のチップ領域が設けられた図示せぬ短冊状基板を得る。しかる後、短冊状基板の分割面に表電極2,3と裏電極を橋絡する図示せぬ端面電極を形成した後、短冊状基板を2次分割溝に沿って分割するという2次ブレーク加工を行うことにより、チップ抵抗器と同等の大きさの個片(チップ単体)を得る。
最後に、個片化された各チップ単体の絶縁基板1の長手方向両端部に電解メッキを施すことにより、端面電極を覆う外部メッキを形成することにより、図1に示すようなチップ抵抗器が得られる。
以上説明したように、本実施形態例に係るチップ抵抗器は、一対の表電極2,3間に抵抗値の低い第1抵抗体4と抵抗値の高い第2抵抗体5とが両者の重なり部分7を介して直列に接続されており、抵抗値の最も高い第2抵抗体5に第1トリミング溝10を形成して抵抗値の粗調整を行った後、第1および第2抵抗体4,5の中間の抵抗値を有する重なり部分7に第2トリミング溝9を形成して抵抗値の微調整を行い、しかる後に抵抗値の最も低い第1抵抗体4に第3トリミング溝8を形成して抵抗値の極微調整を行うようにしたので、第1および第2抵抗体4,5の初期抵抗値にバラツキが生じたとしても、そのバラツキの範囲内で抵抗値の微調整を段階的に且つ高精度に行うことができる。
図3は本発明の第2実施形態例に係るチップ抵抗器の平面図であり、図1に対応する部分には同一符号を付してある。
図3に示す第2実施形態例が前述した第1実施形態例と相違する点は、抵抗値が最も高い第2抵抗体5に第1トリミング溝10を形成して抵抗値の粗調整を行った後、重なり部分7と第1抵抗体4の両方に跨るようにLカット形状のトリミング溝11を形成して、測定抵抗値を目標抵抗値に一致させるという抵抗値の微調整を行うようにしたことにあり、それ以外の構成は基本的に同じである。
すなわち、抵抗値の粗調整後に行われる微調整用トリミングに際し、まず第1および第2抵抗体4,5の重なり部分7にLカット形状の第2トリミング溝11aを形成することにより、測定抵抗値が目標抵抗値より下回る程度まで抵抗値を増大させた後、この第2トリミング溝11aの終端をそのまま隣接する第1抵抗体4まで延ばし、抵抗値が最も低い第1抵抗体4に第3トリミング溝11bを形成することにより、測定抵抗値が目標抵抗値に一致するように抵抗値をさらに増大させるようにした。
以上説明したように、第2実施形態例に係るチップ抵抗器では、第1および第2抵抗体4,5の重なり部分7にレーザ光を照射することにより、この重なり部分7に第2トリミング溝11aを形成して目標抵抗値にある程度近付けるという初段の微調整を行った後、そのレーザ光をそのまま抵抗値が低い第1抵抗体4まで延長することにより、第1抵抗体4に第3トリミング溝11bを形成して目標抵抗値に一致させるという最終段の微調整を行うことができるため、抵抗値の高精度な微調整を簡単に行うことができる。
なお、上記第2実施形態例では、重なり部分7から第1抵抗体4にかけて形成されるトリミング溝11のパターン形状を、2つのトリミング溝11a,11bが直交するLカット形状とした場合について説明したが、これらトリミング溝11a,11bが鋭角に交差するレ字状のトリミング溝11とすることも可能である。
図4は本発明の第3実施形態例に係るチップ抵抗器の平面図であり、図1に対応する部分には同一符号を付してある。
図4に示す第3実施形態例が前述した第1実施形態例と相違する点は、第2抵抗体5を始端に形成したトリミング溝12が重なり部分7を通過して第1抵抗体4まで連続的に延びていることにあり、それ以外の構成は基本的に同じである。
すなわち、抵抗値が最も高い第2抵抗体5にLカット形状の第1トリミング溝12aを形成して抵抗値の粗調整を行った後、この第1トリミング溝12aの終端を隣接する重なり部分7に延ばすことにより、抵抗値が比較的低い重なり部分7に直線状の第2トリミング溝12bを形成して抵抗値を増大させ、さらに第2トリミング溝12bの終端を隣接する第1抵抗体4まで延ばすことにより、抵抗値が最も低い第1抵抗体4に第3トリミング溝12cを形成して抵抗値の最終的な微調整を行うようにしてある。このように、レーザ光を第2抵抗体5の一側辺を始端として第1抵抗体4の終端位置まで照射することにより、抵抗値の粗調整から高精度な微調整に至るトリミング動作を連続的に行うことができるため、第1および第2抵抗体4,5と重なり部分7に個別にトリミング溝を形成する場合に比べると、抵抗値の高精度な微調整を極めて簡単に行うことができる。
なお、上記第3実施形態例では、第2抵抗体5から重なり部分7を通って第1抵抗体4にかけて形成されるトリミング溝12のパターン形状を、第1トリミング溝12aの直線部分に対して第2および第3トリミング溝12b,12cが直交するLカット形状とした場合について説明したが、これら第2および第3トリミング溝12b,12cが第1トリミング溝12aの直線部分と鋭角に交差するレ字状のトリミング溝12とすることも可能である。
1 絶縁基板
1A 集合基板
2,3 表電極
4 第1抵抗体(第2領域)
5 第2抵抗体(第1領域)
6 保護層
7 第1抵抗体と第2抵抗体の重なり部分(第3領域)
8,9,10,11,12 トリミング溝

Claims (8)

  1. 絶縁基板の表面に一対の表電極が配設されており、これら一対の表電極間に抵抗値の異なる材料で形成された2つの抵抗体が両者の重なり部分を介して直列に接続されているチップ抵抗器において、
    抵抗値の高い方の前記抵抗体の単体部分を第1領域、抵抗値の低い方の前記抵抗体の単体部分を第2領域、2つの前記抵抗体が重なって2種類の抵抗材料の混合された部分を第3領域とすると、これら各領域の抵抗値は、前記第1領域の抵抗値>前記第3領域の抵抗値>前記第2領域の抵抗値であり、
    前記第1領域に第1トリミング溝が形成されていると共に、前記第3領域に第2トリミング溝が形成されていることを特徴とするチップ抵抗器。
  2. 請求項1の記載において、前記第2領域に第3トリミング溝が形成されていることを特徴とするチップ抵抗器。
  3. 請求項2の記載において、前記第3トリミング溝が前記第2トリミング溝の先端に連続していることを特徴とするチップ抵抗器。
  4. 請求項3の記載において、前記第2トリミング溝が前記第1トリミング溝の先端に連続していることを特徴とするチップ抵抗器。
  5. 絶縁基板と、この絶縁基板の表面に設けられた一対の表電極と、これら一対の表電極間に抵抗値の異なる材料で形成された2つの抵抗体が直列にされていると共に、抵抗値の高い方の前記抵抗体の単体部分を第1領域、抵抗値の低い方の前記抵抗体の単体部分を第2領域、2つの前記抵抗体の重なり部分を第3領域としたとき、前記第3領域を2種類の抵抗材料が混合された領域となすことにより、これら各領域の抵抗値が前記第1領域の抵抗値>前記第3領域の抵抗値>前記第2領域の抵抗値の関係に設定されており、前記第1領域にトリミング溝を形成した後、前記第3領域に別のトリミング溝を形成したことを特徴とするチップ抵抗器のトリミング方法。
  6. 請求項5の記載において、前記第3領域にトリミング溝を形成した後に、前記第2領域にもトリミング溝を形成したことを特徴とするチップ抵抗器のトリミング方法。
  7. 請求項6の記載において、前記第3領域にL字状またはレ字状のトリミング溝を形成した後、このトリミング溝を前記第2領域まで延長したことを特徴とするチップ抵抗器のトリミング方法。
  8. 請求項6の記載において、前記第1領域にL字状またはレ字状のトリミング溝を形成した後、このトリミング溝を前記第3領域を通過して前記第2領域まで延長したことを特徴とするチップ抵抗器のトリミング方法。
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