JP2018188720A - 水系金属表面処理剤、並びに下地処理層を有する金属材料およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
そこで、本発明は、塗膜を形成させた場合に、金属材料に対して、優れた加工密着性、耐薬品性および耐食性を付与することが可能な表面処理皮膜を、金属材料と塗膜との間に形成することができる水系金属表面処理剤、ならびに該表面処理皮膜(以下、「下地処理層」と称する。)を有する金属材料およびその製造方法を提供することを目的とする。
[1]ウレタン樹脂(A)を10g/L超と、
ホウ素、ケイ素、チタンおよびジルコニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含有するフッ素含有化合物(B)と、を含有し、
前記ウレタン樹脂(A)は、以下の式(1)で表される、シクロヘキサン環構造を有するポリイソシアネート由来の構造単位、以下の式(2)で表されるポリオール由来の構造単位、以下の式(3)で表される重量平均分子量が600超であるジオール由来の構造単位、以下の式(4)で表される重量平均分子量が500以下であるジオール由来の構造単位、並びに以下の式(5)で表される第3級アミン化合物及び/又はその塩由来の構造単位、を含む、水系金属表面処理剤。
式(1):O=C=N−R1−N=C=O
(式(1)中R1は、−R2−R3−R4−で表され、R2は単結合又はアルキレン基であり、R3は
R4は
式(2):
R9は
R10は
R11は、
R14は、
式(3):HO−R19−H (3)
(式(3)中R19は、
式(4):HO−R22−OH
(式(4)中R22は、
式(5):
[3]水分散性シリカおよびシランカップリング剤からなる群から選択される少なくとも1種の珪素化合物(C)をさらに含有する、上記[1]又は[2]に記載の水系金属表面処理剤。
[4]Ni、Mn、Co、Mo、V、W、Ce、Mg、Al、Zn、Fe、Bi、Nb、Sn、Crから選ばれる少なくとも1種の金属化合物(D)をさらに含む、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の水系金属表面処理剤。
[5]前記ウレタン樹脂以外のウレタン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂およびポリアミド樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性または水分散性の樹脂(E)をさらに含有する、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の水系金属表面処理剤。
[6]オキサゾリン系樹脂、ブロックイソシアネート系樹脂、カルボジイミド系樹脂、アジリジン系樹脂およびエポキシ系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の架橋剤(F)をさらに含有する、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の水系金属表面処理剤。
[7]下地処理層を有する金属材料の製造方法であって、
金属材料の表面に、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の水系金属表面処理剤を接触することにより下地処理層を形成する下地処理工程を含む製造方法。
[8]前記下地処理工程を経た後の金属材料に、塗料を塗装する塗装工程を含む、上記[7]に記載の金属材料の製造方法。
[9]下地処理層、及び該下地処理層上に形成された塗膜を有する金属材料であって、
前記下地処理層は、上記[1]〜[6]のいずれかの水系金属表面処理剤によって形成された層である、金属材料。
本発明の一形態は水系金属表面処理剤である。水系金属表面処理剤は、後述のウレタン樹脂(A)10g/L超と、ホウ素、ケイ素、チタンおよびジルコニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含有するフッ素含有化合物(B)と、を含有する。この水系金属表面処理剤を用いて金属材料の表面上に下地処理層を形成させた後、該下地処理層の上に塗膜を形成させることにより、優れた、加工密着性、耐薬品性及び耐食性を発揮することができる。
別の観点から示すと、ウレタンプレポリマーは、以下の式(1)で表される、シクロヘキサン環構造を有するポリイソシアネート由来の構造単位、以下の式(2)で表されるポリオール由来の構造単位、以下の式(3)で表される重量平均分子量が600超であるジオール由来の構造単位、以下の式(4)で表される重量平均分子量が500以下であるジオール由来の構造単位、並びに以下の式(5)で表される第3級アミン化合物及び/又はその塩由来の構造単位、を含む。
また、本実施形態で用いられるウレタンプレポリマーは、上述したように水や第3級アミン化合物を含まないポリアミン化合物と反応させるために、シクロヘキサン環構造を有するポリイソシアネートに由来するイソシアネート基を有するものである。
式(1):O=C=N−R1−N=C=O
本実施形態においてウレタンプレポリマーの製造に、後述する「ベンゼン環および窒素原子を含まないトリオール以上のポリオール」を使用する場合には、ベンゼン環および窒素原子を含まないトリオール以上のポリオールの仕込み量を上記合計量に算入する。
式(1)に含まれないポリイソシアネートであるウレトジオン構造のような2量体、イソシアヌレート構造のような3量体、多官能ポリオールを用いたアダクト体として1分子中に3個以上のイソシアネート基を持つポリイソシアネートなどを、式(1)で表されるポリイソシアネートと併用してもよい。
ポリイソシアネートは、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
式(2):
R10は
R11は、
R14は、
本実施形態においてウレタンプレポリマーの製造に後述する「ベンゼン環および窒素原子を含まないトリオール以上のポリオール」を使用する場合には、ベンゼン環および窒素
原子を含まないトリオール以上のポリオールの仕込み量を上記合計量に算入する。
ポリオールは、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
本実施形態においてウレタンプレポリマーの製造に後述する「ベンゼン環および窒素原
子を含まないトリオール以上のポリオール」を使用する場合には、ベンゼン環および窒素原子を含まないトリオール以上のポリオールの仕込み量を上記合計量に算入する。
本実施形態における各成分の重量平均分子量は、特に断りのない限り、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)により測定し、ポリスチレンで換算した値である。
上記ポリエーテルジオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール(ポリテトラメチレンエーテルグリコール)等が挙げられる。ポリエーテルジオールは、例えば、塩基性触媒下でエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加重合させて製造される。
上記ポリエステルジオールは、例えば、酸種としてマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸等の脂肪族ジカルボン酸、セバシン酸等の不飽和カルボン酸等と、アルコール種としてエチレングリコール、プロピレングリコール、テトラエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、シクロヘキシルジメタノール、1,3−アダマンタンジオール等と、のエステル化反応によって製造されたものが挙げられる。
上記ポリカーボネートジオールとしては、例えば、ε−カプロラクトン等の環状エステルをグリコールによって開環重合して製造されたものが挙げられ、具体的には、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート等と、上記のポリエステルジオールで挙げたアルコール種と、を反応させて製造されたものが挙げられる。
高分子ジオールは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ましく、3〜10質量%であることがさらに好ましい。すなわち、本実施形態で用いられるウレタン樹脂(A)中において、式(4)の低分子ジオール由来の構造単位の存在量(質量換算)は、ウレタン樹脂(A)中に、通常1〜25%であり、1〜20%であることが好ましく、2〜15%であることがより好ましく、3〜10%であることがさらに好ましい。
本実施形態においてウレタンプレポリマーの製造に後述する「ベンゼン環および窒素原子を含まないトリオール以上のポリオール」を使用する場合には、ベンゼン環および窒素原子を含まないトリオール以上のポリオールの仕込み量を上記合計量に算入する。
式(5):
なお、第3級アミン及びその塩には活性水素が2個以上含まれており、例えば、アミノ基、ヒドロキシ基、N−アルキルアミノ基等の活性水素を有する置換基が2個以上含まれていることが好ましい。また、N−アルキルアミノ基としては、2−メチルアミノ基が好ましい。
本実施形態においてウレタンプレポリマーの製造に後述する「ベンゼン環および窒素原子を含まないトリオール以上のポリオール」を使用する場合には、ベンゼン環および窒素原子を含まないトリオール以上のポリオールの仕込み量を上記合計量に算入する。
また、ウレタン樹脂(A)は、第3級アミン化合物に由来する構造部分(第3級アミン)の一部または全部は4級化されていてもよい。4級化する場合に使用される4級化剤としては、具体的には、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル等の硫酸エステル、メチルクロライド、ベンジルクロライド、メチルブロマイド、ベンジルブロマイド、メチルアイオダイド等のアルキルハライド、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル等の炭酸エステルが挙げられる。これらの4級化剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、中和剤としての酸と4級化剤を併用してもよい。
なお、本明細書において、これらの酸および4級化剤をイオン化剤という場合がある。
ル基、3−メチルペンチル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基などが挙げられる。
また、「アルキレン基」も特に限定されないが、通常炭素数20以下のアルキレン基であり、炭素数12以下のアルキレン基であってよく、炭素数6以下のアルキレン基であってよい。典型的には、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、tert-
ブチレン基、sec-ブチレン基、ペンチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、ヘキシレン基、イソへキシレン基、3−メチルペンチレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基などが挙げられる。
なお、ハロゲン化アルキル基は、上記アルキル基における1以上の水素原子が、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子に置換されたものが挙げられる。
m−またはp−フェニレンジイソシアネート、トリレン−2,4−または2,6−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,3−ビス(2−イソシアネート−2−プロピル)ベンゼン、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、ジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジイソシアネート−3,3’−ジメチルジフェニル、3−メチル−ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−4,4’−ジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート;
1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、2−イソシアネートエチル(2,6−ジイソシアネート)ヘキサノエートなどの脂肪族トリイソシアネート;
トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェートなどの芳香族トリイソシアネート;
等が挙げられる。上記ポリイソシアネート以外のポリイソシアネートは、ウレトジオン構造のような2量体、イソシアヌレート構造のような3量体等であってもよく、多官能ポリオールを用いたアダクト体として1分子中に3個以上のイソシアネート基を持つポリイソシアネートを使用することができる。
これらの中でも、芳香族ジイソシアネート、芳香族トリイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネートを用いることが好ましく、芳香族ジイソシアネートを用いることが好ましい。その他の成分の含有量、及びウレタン樹脂(A)におけるその他の成分由来の構造の存在量としては、本発明の効果を阻害しない範囲で、当業者が適宜設定できる。
ベンゼン環および窒素原子を含まないトリオール以上のポリオールをウレタンプレポリマーの製造に使用する場合には、その仕込み量は、ウレタンプレポリマーの製造に使用されるポリイソシアネート、ポリオール、高分子量ジオール、低分子量ジオール、第3級アミン及び/又はその塩ならびにベンゼン環および窒素原子を含まないトリオール以上のポリオールの合計量に対して、0.5〜18質量%であることが好ましく、3〜10質量%であることがより好ましい。すなわち、本実施形態で用いられるウレタン樹脂(A)中において、ベンゼン環および窒素原子を含まないトリオール以上のポリオール由来の構造単位の存在量(質量換算)は、ウレタン樹脂(A)中に、通常0.5〜18%であり、3〜10%であることが好ましい。
また、本実施形態のウレタン樹脂は、上記のようにして得られたウレタンプレポリマーと、水と、を反応させて得られる。この際、必要に応じ鎖伸長剤であるポリアミン化合物を添加させてもよく、この際のポリアミン化合物は第3級アミンではない。
(製造方法1)
ポリイソシアネート、ポリオール、高分子量ジオール、低分子量ジオール、第3級アミン等を有機溶剤に溶解させて反応させることによってウレタンプレポリマーを調製し、必要に応じてウレタンプレポリマー中の第3級アミンの一部または全てをイオン化剤によってイオン化し、水を加えることによって乳化する方法
(製造方法2)
ポリイソシアネート、ポリオール、高分子量ジオール、低分子量ジオール、第3級アミ
ン等を有機溶剤に溶解させて反応させることによってウレタンプレポリマーを調製し、必要に応じてウレタンプレポリマー中の第3級アミンの一部または全てをイオン化剤によってイオン化し、ポリアミン化合物等の鎖伸長剤によって鎖伸長させながら水を加えることによって乳化する方法
ポリイソシアネート、ポリオール、高分子量ジオール、低分子量ジオール、第3級アミン等を、有機溶媒を使用することなく、反応させること(バルク重合法)によってウレタンプレポリマーを調製し、必要に応じてウレタンプレポリマー中の第3級アミンの一部または全てをイオン化剤によって4級化し、水を加えることによって乳化する方法
(製造方法4)
第3級アミンを酸或いはアルキル化剤でイオン化した後に、ポリイソシアネート、ポリオール、高分子量ジオール、低分子量ジオール等を加えて反応させることによってウレタンプレポリマーを調製し、必要に応じてウレタンプレポリマー中の第三級アミンの一部または全てをイオン化剤によってイオン化し、水を加えることによって乳化する方法
ポリイソシアネート、ポリオール、高分子量ジオール、低分子量ジオール等を有機溶剤に加え反応させた後、さらに第3級アミンを加え、末端部位に第3級アミン構造を持つウレタンプレポリマーを調製し、必要に応じてウレタンプレポリマー中の第3級アミンの一部または全てをイオン化剤によってイオン化し、水を加えることによって乳化する方法
(製造方法6)
ポリイソシアネート、ポリオール、高分子量ジオール、低分子量ジオール等を有機溶剤に加え反応させた後、さらに第3級アミンを加え、末端部位に第3級アミン構造を持つウレタンプレポリマーを調製し、必要に応じてウレタンプレポリマー中の第3級アミンの一部または全てをイオン化剤によってイオン化し、ポリアミン化合物等の鎖伸長剤によって鎖伸長させながら水を加えることによって乳化する方法
なお、上記製造方法1〜6において、公知の乳化剤を用いてもよい。
理層を形成する目的で好適に用いられる。水系金属表面処理剤中のウレタン樹脂(A)の含有量は12g/L以上であることが好ましい。上限は限定されないが、通常120g/L以下である。
W7622、AERODISP W7520N(いずれもdegussa社製)、CAB
−O−SPERSE 2017A、CAB−O−SPERSE GP32/12、CAB−O−SIL M5(CABOT CORPRATION社製)、NIPGELAY200、
NIPGEL AY220、NIPGEL AY420、NIPGEL AY451、NI
PGEL AY460、NIPGEL AY401、NIPGELAY601、NIPGEL AY603、NIPGEL AZ200、NIPGEL AZ201、NIPGEL AZ204、NIPGEL AZ260、NIPGEL AZ360、NIPGEL AZ4
00、NIPGEL AZ410、NIPGEL AZ600、NIPGEL BY200
、NIPGEL BY400(いずれも日本シリカ工業社製)等が挙げられる。これらの
水分散性シリカのうち1種のみを用いてもよいし、複数組み合わせて使用してもよい。
シランカップリング剤の具体例としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−プロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−プロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−ブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリエトキシシラン、γ−アニリノプロピルメチルジエトキシシラン、イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、ウレイドプロピルトリエトキシシラン、ビス(トリメトキシシリル)アミノビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、オクタデシルジメチル[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロライド、オクタデシルジメチル[3−(メチルジメトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロライド、オクタデシルジメチル[3−(トリエトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロライド、オクタデシルジメチル[3−(メチルジエトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロライド、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン等、が挙げられる。これらのうち1種のみを用いてもよいし、複数組み合わせて使用してもよい。
を使用してもよい。酸としては、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸、フッ酸、臭酸等の無機酸;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、マロン酸、アジピン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の有機酸;等が挙げられる。塩基としては、例えば、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム等が挙げられる。これらのうち1成分のみ、または複数を組み合わせて使用することができる。
具体的には、酸化ニッケル、水酸化ニッケル、炭酸ニッケル、硝酸ニッケル、硫酸ニッケル、リン酸ニッケル、塩化ニッケル、ニッケルアセチルアセトナート;
過マンガン酸、過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウム、リン酸二水素マンガン、硝酸マンガン、硫酸マンガン(II)、(III) もしくは(IV)、フッ化マンガン(II) もしくは (III)、炭酸マンガン、酢酸マンガン(II) もしくは (III)、硫酸
アンモニウムマンガン、マンガンアセチルアセトネート、ヨウ化マンガン、酸化マンガン、水酸化マンガン;
塩化コバルト、クロロペンタアンミンコバルト塩化物、ヘキサアンミンコバルト塩化物、クロム酸コバルト、硫酸コバルト、硫酸アンモニウムコバルト、硝酸コバルト、酸化コバルト2アルミニウム、水酸化コバルト、リン酸コバルト;
リンバナドモリブデン酸、酸化モリブデン、モリブデン酸、モリブデン酸アンモニウム、パラモリブデン酸アンモニウム、モリブデン酸ナトリウム、モリブドリン酸化合物(例えば、モリブリン酸アンモニウム、モリブドリン酸ナトリウムなど);
バナジン酸ビスマス、メタバナジン酸、メタバナジン酸ナトリウム、メタバナジン酸カリウム、メタバナジン酸アンモニウム、バナジウムビスアセチルアセトナト、バナジルジアセチルアセトナト、五酸化バナジウム、三酸化バナジウム、フッ化バナジウム、リン酸バナジウム、硫酸バナジウム、シュウ酸バナジウム、バナジウムオキシトリイソプロポキシド、バナジウムオキシトリブトキシド、バナジウムオキシトリエトキシド、バナジウムオキシトリイソブトキシド、バナジウムオキシトリエタノールアミネート、バナジウムオキシクエン酸アンモニウム、バナジウムトリブトキシステアレート、バナジウムオキシトリイソプロポキシド、バナジウムオキシトリブトキシド、酸化バナジウム、メタバナジン酸、メタバナジン酸アンモニウム、メタバナジン酸ナトリウム、三酸化バナジウム、フッ化バナジウム、リン酸バナジル、硫酸バナジル、シュウ酸バナジウム、バナジルアセチルアセトナト、バナジウムオキシアセチルアセトネート、バナジウムアセチルアセトネート、テトラプロポキシバナジウム、テトラブトキシバナジウム、バナジウムトリブトキシステアレート;
メタタングステン酸、メタタングステン酸アンモニウム、メタタングステン酸ナトリウム、パラタングステン酸、パラタングステン酸アンモニウム、パラタングステン酸ナトリウム;
酸化セリウム、酢酸セリウム、硝酸セリウム(III) もしくは(IV)、硝酸セリウム
アンモニウム、硫酸セリウム、塩化セリウム;
硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、フッ化マグネシウム、リン酸アンモニウムマグネシウム、リン酸水素マグネシウム、酸化マグネシウム;
硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸カリウムアルミニウム、硫酸ナトリウムアルミニウム、硫酸アンモニウムアルミニウム、リン酸アルミニウム、炭酸アルミニウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、ヨウ化アルミニウム;
硫酸亜鉛、炭酸亜鉛、塩化亜鉛、ヨウ化亜鉛、亜鉛アセチルアセトネート、酸化亜鉛、ヨウ化亜鉛、リン酸二水素亜鉛、亜鉛アセチルアセトナート、リン酸二水素亜鉛;
水酸化鉄(II)もしくは(III)、硝酸鉄(II)もしくは(III)、鉄(III)アセチルアセトナート、塩化鉄(II)もしくは(III)、クエン酸鉄(III)、酸化鉄(II)もしくは(III)、ヘキサシアノ鉄(II)もしくは(III)、ヘキサシアノ鉄(II)酸、ヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム、硫酸アンモニウム鉄(II)もしくは(III)、リン酸鉄(II);
酸化ビスマス硫酸ビスマス、硝酸ビスマス、水酸化ビスマス、クエン酸ビスマス;
塩化ニオブ(III)、(IV)もしくは(V)、フッ化ニオブ(III)、(IV)もしくは(V)、酸化ニオブ(II)、(IV)もしくは(V);
酸化スズ(II)もしくは(IV)、塩化スズ(II)もしくは(IV)、フッ化スズ(II)もしくは(IV)、硝酸スズ(II)もしくは(IV)、水酸化スズ(II)もしくは(IV)、硫酸スズ(II)もしくは(IV);
酸化クロム(II)、(III)、(IV)もしくは(VI)、塩化クロム(II)、(III)もしくは(IV)、フッ化クロム(II)、(III)、(IV)、(V)あるいは(VI)、水酸化クロム(II)もしくは(III)、硫酸クロム(III)、酢酸クロム(III)、硝酸クロム(III)、ヨウ化クロム(II)もしくは(III)、臭化クロム(II)もしくは(III);等が挙げられる。
これらは無水物であってもよいし、水和物であってもよい。これらの化合物は単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、イソオクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、デシルメタクリレート、2−ヒドロキシルエチルメタクリレート等が挙げられる。更にビニルトリメトキシシラン等を適宜組み込むことによって構造中にアルコキシシリル基を導入することも可能である。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
多塩基酸としては、特に限定されないが、例えば、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、フマル酸、無水マレイン酸等の二塩基酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等の三価以上の多塩基酸が用いられる。
多価アルコールとしては、特に限定されないが、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、3-メチルペンタジオール
、ネオペンチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂肪族または脂環族の二価アルコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシルフェニ
ル)エタン等の三価以上の多価アルコールを用いることができる。これらのうち1成分の
み、または複数を組み合わせて使用することができる。
その構造中にアルコキシシリル基を有していないものを使用することができる。
多塩基酸としては、特に限定されないが、例えば、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、フマル酸、無水マレイン酸等の二塩基酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等の三価以上の多塩基酸が用いられ、多価アルコールとしては特に限定されないが、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチルトリアミン、へキシレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、イソホロンジアミン、ピペラジン、ジフェニルメタンジアミン、ヒドラジン、テトラメチルエチレンジアミン等の二価アミン等を用いることができる。これらのうち1成分のみ、または複数を組み合わせて使用することができる。
樹脂(E)の含有量は、樹脂(E)の固形分質量(EM)と、ウレタン樹脂(A)の固形分質量(AM)との比[(EM)/(AM)]が1/50以上5以下の範囲内となるように調整することが好ましく、1/25以上3以下の範囲内となるように調整することがより好ましく、1/10以上1以下の範囲内となるように調整することが更に好ましい。
架橋剤(F)の含有量は、樹脂(F)の固形分質量(FM)と、ウレタン樹脂(A)の固形分質量(AM)との比[(FM)/(AM)]が1/50以上5以下の範囲内となるように調整することが好ましく、1/25以上3以下の範囲内となるように調整することがより好ましく、1/10以上1以下の範囲内となるように調整することが更に好ましい。
有してもよい。
本実施形態の下地処理層は、金属材料の表面に、上述した本実施形態の水系金属表面処理剤を塗布などにより接触させることで形成される。その後、水洗することなく乾燥させてもよい。
前処理方法としては、金属材料に付着した油分、汚れを取り除くために、アルカリ脱脂剤または酸性脱脂剤で洗浄する脱脂工程、湯洗工程、溶剤洗浄工程等を挙げることができる。なお、これらの工程後に必要に応じて公知の表面調整剤を用いた表面調整工程や公知の化成処理剤を用いた化成処理工程を行ってもよい。また、脱脂工程、溶剤洗浄工程、表面調整工程、化成処理工程等においては、工程後に水洗してもよい。
理剤の温度についても特に制限はないが、本実施形態の水系表面処理剤の溶媒は水が主体であるため、水系金属表面処理剤の温度は0〜60℃の範囲内であることが好ましく、5〜40℃の範囲内であることがより好ましい。
本実施形態のプレコート金属材料の製造方法は、金属材料の表面に、本実施形態に係る水系金属表面処理剤を接触させ下地処理層を形成する下地処理工程と、前記下地処理層の上に、塗料を塗装する工程と、を具備するプレコート金属材料の製造方法である。
なお、上記樹脂にクロム顔料を配合したクロムプライマーを使用してもよい。クロムプライマーの場合も必要に応じ着色顔料を配合してもよい。
樹脂、着色顔料、防錆顔料およびその他の添加物としては、プライマーで使用したものと同様のものを用いることができる。
トップコートの塗装方法や焼き付け(乾燥)条件はプライマーの場合と同様でよい。トップコートによって形成される塗膜厚は、乾燥膜厚として、3〜50μmの範囲内であることが好ましく、5〜40μmの範囲内であることがより好ましい。
(合成例1)
ビスフェノールA−ポリオキシエチレン2モル付加体(ニューポールBPE−20T、三洋化成工業社製)(後述のb1)63g、ポリエチレングリコール(PEG2000、第一工業製薬社製)(後述のc1)67g、N−メチルジエタノールアミン(アミノアルコールMDA、日本乳化剤社製)(後述のe1)30g、ジエチレングリコール(ジエチレングリコール、日本触媒社製)(後述のd1)30g、イソホロンジイソシアネート(デスモジュールI、バイエル社製)(後述のa1)230g、をメチルエチルケトン400gに加え、十分に溶解させた。この混合溶液を80℃で約5時間反応させた後、3質量%以下のイソシアネート基が含まれることを確認し、硫酸ジメチル(後述のイオン化剤g1)25gを加えた。なお、イソシアネート基の含有率は、JIS K7301:1995に則り、反応溶液2gをジメチルホルムアミドに溶解させ、n−ジブチルアミン−トルエン溶液10mlを加えた後、ブロモフェノールブルーを指示薬に用いて、0.5mol/Lの塩酸液で滴定し、以下の式を用いて算出することができる。
次いで、脱イオン水を1000g加えウレタンエマルションを調製した。得られたウレタンエマルションから減圧蒸留法によってメチルエチルケトンを除去し、ウレタン樹脂の濃度が25質量%の合成例1に係るウレタン樹脂を調製した。
<ポリイソシアネート(a;以下の一部が、シクロヘキサン環構造を有するポリイソシアネートである)>
a1:イソホロンジイソシアネート(デスモジュールI、バイエル社製)
a2:ジシクロヘキシルメタン4,4’−ジイソシアネート(デスモジュールW、バイエル社製)
a3:トリレンジイソシアネート(コスモネートT80、三井化学社製)
a4:ヘキサメチレンジイソシアネート(50M−HDI、旭化成社製)
<ポリオール(b)>
b1:ビスフェノールA−ポリオキシエチレン2モル付加体(ニューポールBPE20T、三洋化成工業社製)
b2:芳香族二塩基酸ポリエステルポリオール(テスラック2508−70、日立化成社製)
b3:ポリカーボネートジオール(ニッポラン981、東ソー社製)
c1:ポリエチレングリコール(PEG2000、Mw2000、第一工業製薬社製)
c2:ポリエステルポリオール(ニッポラン4040、Mw2000、東ソー社製)
c3:ポリブチレングリコール(PTMG2000、Mw2000、三菱化学社製)
c4:ポリエステルグリコール(K−FLEX XM360、Mw520、KING社製)
<ジオール(d;以下の一部が、ベンゼン環および窒素原子を含まない重量平均分子量が500以下であるジオールである)>
d1:ジエチレングリコール(ジエチレングリコール、Mw106、日本触媒社製)
d2:1,5−ペンタンジオール(1,5−ペンタンジオール、Mw104、宇部興産社製)
d3:1,6−ヘキサンジオール(1,6−ヘキサンジオール、Mw106、宇部興産社製)
d4:ポリエステルポリオール(プラクセル205、Mw530、ダイセル化学社製)
<第3級アミン(e)>
e1:N−メチルジエタノールアミン(アミノアルコールMDA、日本乳化剤社製)
<その他(ベンゼン環および窒素原子を含まないトリオール以上のポリオール)(f)>f1:トリメチロールプロパン(TMP、Perstorp社製)
<イオン化剤>
イオン化剤g1:硫酸ジメチル(ジメチル硫酸、辻本化学社製)
イオン化剤g2:85%リン酸(日本化学工業社製)
イオン化剤g3:ギ酸(純正化学社製)
イオン化剤g4:メタンスルホン酸(東ソー社製)
表2に示すように、ウレタン樹脂(A)、化合物(B)、珪素化合物(C)、金属化合物(D)、樹脂(E)、架橋剤(F)をこの順序で水に所定量混合し、実施例1〜50及び比較例1〜11の水系金属表面処理剤を調製した。表2に記載の各成分は、次の通りである。
(B1)ヘキサフルオロチタン酸(森田化学工業社製)
(B2)ヘキサフルオロケイ酸(森田化学工業社製)
(B3)ヘキサフルオロジルコニウム酸(森田化学工業社製)
(B4)テトラフルオロホウ酸(和光純薬工業社製)
珪素化合物(C)
(C1)3−アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学社製)
(C2)コロイダルシリカ(日産化学社製)
金属化合物(D)
(D1)酸化マグネシウム(協和化学工業社製)
(D2)酢酸マンガン(II)四水和物(ナカライテスク社製)
(D3)バナジルアセチルアセトネート(新興化学工業社製)
実施例28で使用したD1とD3との質量割合は、D1:D3=1:1であった。
樹脂(E)
(E1)アクリル樹脂(A−655 楠本化成社製)
(E2)ウレタン樹脂(スーパーフレックス650 第一工業製薬社製)
(E3)フェノール樹脂(IG−1002 DIC社製)
架橋剤(F)
(F1)カルボジイミド樹脂(カルボジライト SV−02 日清紡ケミカル社製)
(F2)ブロックイソシアネート樹脂(TRIXENE AQUA BI 220、Baxenden Chemicals Limited社製)
3.1 供試材
(i)溶融亜鉛めっき鋼板(以下記号:GI)板厚0.45mm
(ii)55%アルミ−亜鉛合金めっき鋼板(以下記号:GL)板厚0.35mm
各種供試材をアルカリ脱脂剤[ファインクリーナーE6406(日本パーカライジング(株)製)を20g/Lとなるように水に混合した溶液]に60℃で10秒間浸漬し、純水で水洗した後乾燥した。GI材については、アルカリ脱脂後、表面調整剤[PL−4015(日本パーカライジング(株)製)を100g/Lとなるように水に混合した溶液]に50℃で浸漬し、純水で水洗した後乾燥した。なお、表面調整剤への浸漬時間は、Ni付着量が5mg/m2となるように調整した。
前処理後の供試材の表面(片面)に、各種実施例又は比較例の水系金属表面処理剤を、バーコーターにて塗布した後、水洗を行わないで、80℃(PMT:乾燥時の供試材の最高温度)で乾燥することにより、乾燥皮膜における、ホウ素、ケイ素、チタン又はジルコニウム等の元素換算質量で、100mg/m2の下地処理層を形成した。
3.3で作製した皮膜上に、エポキシ樹脂をベースとするプライマーを塗布し、210℃で乾燥・焼付けを行うことにより、乾燥膜厚5μmのプライマー層を形成した。
次いで、ポリエステル樹脂をベースとする上塗り塗料をプライマー層上に塗布し、220℃で乾燥・焼付けを行うことにより、乾燥膜厚15μmのトップコート層を形成し、各種プレコート鋼板(No.1〜64)を得た。
各種プレコート鋼板において、下地処理層、プライマー層及びトップコート層を有する面に対して、以下の加工密着性試験、耐食性試験及び耐薬品性試験を行った。
結果を表3に示す。
JIS−G3312:2012の試験方法に準じて各種プレコート鋼板を180度に折り曲げた。折り曲げ部にセロハンテープを貼り付けた後、セロハンテープを剥がし、塗膜の剥離状態を肉眼で観察し、下記の評価基準に従って加工密着性を評価した。尚、本試験は、20℃の室温にて行った。また、本評価においては、B以上を合格とした。
<評価基準>
A:剥離なし
B:剥離面積が10%未満
C:剥離面積が10%以上25%未満
D:剥離面積が25%以上50%未満
E:剥離面積が50%以上
各種プレコート鋼板を沸騰水に2時間浸漬した後、乾燥した。乾燥後、1日間放置し、一次加工密着性試験と同様に、各種プレコート鋼板を180度に折り曲げた。折り曲げ部にセロハンテープを貼り付けた後、セロハンテープを剥がして加工密着性を評価した。なお、本評価においては、B以上を合格とした。
<評価基準>
AA:剥離なし
A:剥離面積が10%未満
B:剥離面積が10%以上25%未満
C:剥離面積が25%以上50%未満
D:剥離面積が50%以上
各種プレコート鋼板を5%硫酸水溶液に室温で72時間浸漬した後、水洗し、乾燥した。乾燥後、ブリスターの発生数と発生密度を肉眼で確認し、ASTM D714−56に規定された判定基準に従って判定を行った後、以下の評価基準に従って耐酸性を評価した。なお、本評価においては、B以上を合格とした。
<評価基準>
A:10であるもの。
B:9Fであるもの。
C:8Fまたは、9Mであるもの。
D:7Fまたは、8Mであるもの。
E:6F、7Mまたは9MDであるもの。
各種プレコート鋼板を5%水酸化ナトリウム水溶液に室温(20℃)で72時間浸漬した後、水洗し、乾燥した。乾燥後、ブリスターの発生数と発生密度を肉眼で確認し、耐酸性試験と同様の判定基準に従って判定を行った後、以下の評価基準に従って耐アルカリ性を評価した。なお、本評価においては、B以上を合格とした。
各種プレコート鋼板の塗膜面に、金属素地に達する傷を×状にカッターナイフでいれ、JIS H8502:1999に従って中性塩水噴霧を360時間実施した。その後、クロス(×)カットからの塗膜膨れ幅(片側最大膨れ幅)を測定した。また、プレコート鋼板の端部からの塗膜膨れ幅(最大膨れ幅)も測定した。なお、本評価においては、B以上を合格とした。
<評価基準−×カット>
A:1mm未満
B:1mm以上3mm未満
C:3mm以上5mm未満
D:5mm以上8mm未満
E:8mm以上
<評価基準−端部>
A:2mm未満
B:2mm以上4mm未満
C:4mm以上6mm未満
D:6mm以上8mm未満
E:8mm以上
Claims (9)
- ウレタン樹脂(A)を10g/L超と、
ホウ素、ケイ素、チタンおよびジルコニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含有するフッ素含有化合物(B)と、
を含有し、
前記ウレタン樹脂(A)は、以下の式(1)で表される、シクロヘキサン環構造を有するポリイソシアネート由来の構造単位、以下の式(2)で表されるポリオール由来の構造単位、以下の式(3)で表される重量平均分子量が600超であるジオール由来の構造単位、以下の式(4)で表される重量平均分子量が500以下であるジオール由来の構造単位、並びに以下の式(5)で表される第3級アミン化合物及び/又はその塩由来の構造単位、を含む、水系金属表面処理剤。
式(1):O=C=N−R1−N=C=O
(式(1)中R1は、−R2−R3−R4−で表され、R2は単結合又はアルキレン基であり、R3は
R4は
式(2):
R9は
R10は
R11は、
R14は、
式(3):HO−R19−H (3)
(式(3)中R19は、
式(4):HO−R22−OH
(式(4)中R22は、
式(5):
- 前記フッ素含有化合物(B)が、テトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロチタン酸、ヘキサフルオロジルコニウム酸、ヘキサフルオロケイ酸およびそれらの金属酸塩又は無機酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1に記載の水系金属表面処理剤。
- 水分散性シリカおよびシランカップリング剤からなる群から選択される少なくとも1種の珪素化合物(C)をさらに含有する、請求項1又は2に記載の水系金属表面処理剤。
- Ni、Mn、Co、Mo、V、W、Ce、Mg、Al、Zn、Fe、Bi、Nb、Sn、Crから選ばれる少なくとも1種の金属化合物(D)をさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の水系金属表面処理剤。
- 前記ウレタン樹脂以外のウレタン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂およびポリアミド樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性または水分散性の樹脂(E)をさらに含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の水系金属表面処理剤。
- オキサゾリン系樹脂、ブロックイソシアネート系樹脂、カルボジイミド系樹脂、アジリジン系樹脂およびエポキシ系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の架橋剤(F)を含有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の水系金属表面処理剤。
- 下地処理層を有する金属材料の製造方法であって、金属材料の表面に、請求項1〜6のいずれか1項に記載の水系金属表面処理剤を接触することにより下地処理層を形成する下地処理工程を含む製造方法。
- 前記下地処理工程を経た後の金属材料に、塗料を塗装する塗装工程を含む、請求項7に記載の金属材料の製造方法。
- 下地処理層、及び該下地処理層上に形成された塗膜を有する金属材料であって、前記下地処理層は、請求項1〜6のいずれか1項の水系金属表面処理剤によって形成された層である、金属材料。
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