JP7230356B2 - 表面処理鋼板及び表面処理鋼板の製造方法 - Google Patents
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[1] 鋼板と、前記鋼板の表面に配置されたアンチモンを含む溶融亜鉛めっき層と、前記溶融亜鉛めっき層上に形成された皮膜とを有し、
前記溶融亜鉛めっき層は、レギュラスパングルまたはミニマイズドスパングルの表面仕上げとされており、
前記皮膜が、ポリウレタン樹脂からなる樹脂粒子及びSiを含む樹脂成分と、Pとを含み、
更に、Ti、Nb、Taから選ばれる少なくとも1種または2種以上を含み、
前記皮膜中におけるSiは、平均粒子径が5~20nmである酸化ケイ素粒子であり、
平均粒子径が5~20nmの酸化ケイ素粒子は、樹脂成分に対して5~100質量%であり、
更に、平均粒子径が70~200nmである酸化ケイ素粒子が含まれ、
平均粒子径が70~200nmの酸化ケイ素粒子は、樹脂成分に対して1~30質量%であり、
前記皮膜中におけるPの含有率が燐酸換算で0.01~0.5質量%であり、
前記皮膜中におけるTiの含有率がTi換算で0.10~1.5質量%であり、
前記皮膜中におけるNbの含有率がNb2O5換算で1.0~2.0質量%であり、
前記皮膜中におけるTaの含有率がTa2O5換算で1.0~2.0質量%であることを特徴とする表面処理鋼板。
[2] 鋼板と、前記鋼板の表面に配置されたアンチモンを含む溶融亜鉛めっき層と、前記溶融亜鉛めっき層上に形成された皮膜とを有し、
前記溶融亜鉛めっき層は、レギュラスパングルまたはミニマイズドスパングルの表面仕上げとされており、
前記皮膜が、ポリウレタン樹脂からなる樹脂粒子及びSiを含む樹脂成分と、Pとを含み、
更に、Ti、Nb、Taから選ばれる少なくとも1種または2種以上を含む皮膜であり(ただし、水溶性バナジウムイオンが存在する皮膜を除く)、
前記皮膜中におけるSiは、平均粒子径が5~20nmである酸化ケイ素粒子であり、
平均粒子径が5~20nmの酸化ケイ素粒子は、樹脂成分に対して5~100質量%であり、
更に、平均粒子径が70~200nmである酸化ケイ素粒子が含まれ、
平均粒子径が70~200nmの酸化ケイ素粒子は、樹脂成分に対して1~30質量%であり、
前記皮膜中におけるPの含有率が燐酸換算で0.01~0.5質量%であり、
前記皮膜中におけるTiの含有率がTi換算で0.10~1.5質量%であり、
前記皮膜中におけるNbの含有率がNb2O5換算で1.0~2.0質量%であり、
前記皮膜中におけるTaの含有率がTa2O5換算で1.0~2.0質量%であることを特徴とする表面処理鋼板。
[3] 前記皮膜の厚みが0.5~2.0μmであることを特徴とする[1]または[2]に記載の表面処理鋼板。
[4] 前記溶融亜鉛めっき層におけるアンチモンの含有量が、0.05~0.20質量%の範囲である、[1]乃至[3]の何れか一項に記載の表面処理鋼板。
[5] 前記樹脂成分に、エチレン-不飽和カルボン酸共重合樹脂粒子が含まれることを特徴とする[1]乃至[4]の何れか一項に記載の表面処理鋼板。
[6] 前記皮膜に更に、ポリオレフィンワックス粒子が含まれることを特徴とする[1]乃至[5]の何れか一項に記載の表面処理鋼板。
[7] 鋼板と、前記鋼板の表面に配置されたアンチモンを含む溶融亜鉛めっき層とを備え、前記溶融亜鉛めっき層がレギュラスパングルまたはミニマイズドスパングルの表面仕上げとされている溶融亜鉛めっき鋼板に、水系表面処理剤を塗布して焼き付ける工程と、
前記水系表面処理剤を焼き付けた溶融亜鉛めっき鋼板を水冷する工程と、を備え、
前記水系表面処理剤は、少なくとも、ポリウレタン樹脂からなる樹脂粒子を含む樹脂成分原料と、平均粒子径が5~20nmである酸化ケイ素粒子と、平均粒子径が70~200nmである酸化ケイ素粒子と、リン酸化合物と、が水に配合され、更に、有機チタン化合物、ニオブ酸化物またはタンタル酸化物の1種または2種以上が水に配合されてなり、
前記水系表面処理剤の配合比が、前記樹脂成分原料100質量部に対して、前記リン酸化合物がりん酸換算で0.6~2.4質量部、前記有機チタン化合物が0.10質量部超2.1質量部以下、前記酸化ニオブが1.0質量部超2.5質量部以下、前記酸化タンタルが1.0質量部超2.5質量部以下であることを特徴とする表面処理鋼板の製造方法。
[8] 鋼板と、前記鋼板の表面に配置されたアンチモンを含む溶融亜鉛めっき層とを備え、前記溶融亜鉛めっき層がレギュラスパングルまたはミニマイズドスパングルの表面仕上げとされている溶融亜鉛めっき鋼板に、水系表面処理剤を塗布して焼き付ける工程と、
前記水系表面処理剤を焼き付けた溶融亜鉛めっき鋼板を水冷する工程と、を備え、
前記水系表面処理剤は、少なくとも、ポリウレタン樹脂からなる樹脂粒子を含む樹脂成分原料と、平均粒子径が5~20nmである酸化ケイ素粒子と、平均粒子径が70~200nmである酸化ケイ素粒子と、リン酸化合物と、が水に配合され、更に、有機チタン化合物、ニオブ酸化物またはタンタル酸化物の1種または2種以上が水に配合されてなり(ただし、皮膜中に水溶性バナジウムイオンを形成するものを除く)、
前記水系表面処理剤の配合比が、前記樹脂成分原料100質量部に対して、前記リン酸化合物がりん酸換算で0.6~2.4質量部、前記有機チタン化合物が0.10質量部超2.1質量部以下、前記酸化ニオブが1.0質量部超2.5質量部以下、前記酸化タンタルが1.0質量部超2.5質量部以下であることを特徴とする表面処理鋼板の製造方法。
また、耐テープ剥離性は、表面処理鋼板に粘着性の高いテープを貼付し任意の期間放置した後にテープを剥がした際の表面処理鋼板に被覆された皮膜の耐剥離性を示す。
更に、塗装密着性は、表面処理鋼板に塗装を施した場合の塗装の密着性を示す。
また、加工部耐食性は、表面処理鋼板に加工部を形成し、加工部に対して塩水噴霧試験を行った場合の耐腐食性を示す。
更に、耐黒変性は、表面処理鋼板を高温高湿環境下に放置した場合に黒変しにくさを示す。
耐溶剤性は、皮膜に対して各種の溶剤を接触させた後に塩水噴霧試験を行った場合の耐食性を示す。
耐アルカリ性は、皮膜に対してアルカリ脱脂剤を接触させた後に塩水噴霧試験を行った場合の耐食性を示す。
耐アブレージョン性は、鋼板のコイルや加工品を輸送する際の擦れにより発生し得る摩耗傷に対する耐性を示す。
皮膜は、ポリウレタン樹脂からなる樹脂粒子及びSiを含む樹脂成分と、Pとを含み、更に、Nb、Ta、Tiから選ばれる少なくとも1種または2種以上を含む。
また、皮膜の動摩擦係数は、0.20以下となっている。
以下、本実施形態の表面処理鋼板について詳細に説明する。
本実施形態において、表面に溶融亜鉛めっき層の形成される鋼板としては、特に限定されるものではない。例えば、鋼板として、極低C型(フェライト主体組織)、Al-k型(フェライト中にパーライトを含む組織)、2相組織型(例えば、フェライト中にマルテンサイトを含む組織、フェライト中にベイナイトを含む組織)、加工誘起変態型(フェライト中に残留オーステナイトを含む組織)、微細結晶型(フェライト主体組織)等、いずれの型の鋼板を用いてもよい。
溶融亜鉛めっき層は、亜鉛を含み、更に、微量のSbを含むものであり、鋼板の片面または両面の表面に形成されている。Sbは、例えば0.05~0.20質量%の範囲で溶融亜鉛めっき層中に含有されているとよい。Sb以外の残部は亜鉛及び不純物である。Sbを含む溶融亜鉛めっき層では、Sbを含まない場合と比較して、表面処理鋼板の耐食性が低くなる傾向がある。Sbを含みスパングル模様が形成された溶融亜鉛めっき層では、スパングル模様を構成する亜鉛の結晶粒の粒界にSbが濃化し、更にはめっき表面にSbが露出する場合がある。SbはZnに比べて標準電極電位が高いため、局部セル形成により亜鉛の溶出反応が促進され、十分な耐食性が得られない。本実施形態では、溶融亜鉛めっき層がSbを含むものであっても、溶融亜鉛めっき層上に形成された皮膜によって、優れた耐食性及び塗膜密着性が得られる。
溶融亜鉛めっき層のめっき付着量は特に制限されず、通常の範囲内でよい。
皮膜は、溶融亜鉛めっき層上に形成されたものである。
皮膜は、ポリウレタン樹脂からなる樹脂粒子(A-1)及びSiを含む樹脂成分と、P(リン)とを含み、更に、Nb(ニオブ)、Ta(タンタル)、Ti(チタン)から選ばれる少なくとも1種または2種以上を含む。
上記樹脂粒子(A-2)は、中和剤種、水分散条件、アルコキシシラン化合物の種類や量、多官能エポキシ化合物の種類や量等の制御により、平均粒子径を上記範囲内に調整することができる。
上記リン酸化合物としては、オルトリン酸、メタリン酸、ピロリン酸、三リン酸、四リン酸等のリン酸類、リン酸三アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム等のリン酸塩類等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記リン酸化合物(E)を含有させると、リン酸イオンが、溶融亜鉛めっき層の金属素地表面にリン酸塩層を形成して不動態化させ、溶融亜鉛めっき層の防錆性を向上させることができる。
本実施形態の表面処理鋼板は、アンチモンを含む溶融亜鉛めっき層を備えた溶融亜鉛めっき鋼板に、水系表面処理剤を塗布して焼き付ける工程と、水系表面処理剤を焼き付けた溶融亜鉛めっき鋼板を水冷する工程とを順次行うことにより製造される。
なお、上記以外の成分の配合比は、皮膜の説明において述べた配合比でよい。
塗膜を焼き付ける手段としては、例えば、熱風乾燥や高周波誘導加熱が挙げられる。
以上の工程により、本実施形態の表面処理鋼板が得られる。
製造例1
反応容器に4,4-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、分子量2000のポリカーボネートジオール、ネオペンチルグリコール、ジメチロールプロピオン酸、及び溶剤としてN-メチルピロリドンを仕込み、80℃において6時間撹拌後、ジメチルエタノールアミンで中和してポリウレタンプレポリマー溶液を得た。次に、ヒドラジン及びγ-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシランを含有する水中に、上記反応により得られたポリウレタンプレポリマー溶液をホモディスパーを用いて分散させることにより、シラノール基及び/又はエトキシシリル基を含有するポリカーボネート系ポリウレタン樹脂粒子の水分散液を得た。固形分濃度は30質量%、動的光散乱法によって測定した平均粒子径は39nmであった。
製造例2
反応容器にエチレン-メタクリル酸共重合樹脂(メタクリル酸の含有量が20質量%)、樹脂に対して5.6質量%相当の水酸化ナトリウム及び脱イオン水を加え、95℃で6時間攪拌することにより固形分20質量%の水分散樹脂液を得た。この水分散樹脂液に対して、さらにγ-グリシドキシプロピルトリメトキシシランを0.8質量%、グリセロールポリグリシジルエーテルを0.8質量%を加えて、85℃で2時間反応させることによって、シラノール基及び/又はメトキシシリル基を有するエチレン-メタクリル酸共重合樹脂粒子の水分散液を得た。固形分濃度は21質量%、平均粒子径は76nmであった。
反応容器にエチレン-メタクリル酸共重合樹脂(メタクリル酸の含有量が20質量%)、樹脂に対して3.7質量%の水酸化ナトリウム、6.3質量%のアンモニア水(25質量%)、及び脱イオン水を加え、95℃で6時間攪拌することにより固形分20質量%の水分散樹脂液を得た。この水分散樹脂液に対して、さらにγ-グリシドキシプロピルトリエトキシシランを1.2質量%、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテルを0.6質量%を加えて、85℃で2時間反応させることによって、シラノール基及び/又はメトキシシリル基を有するエチレン-メタクリル酸共重合樹脂粒子の水分散液を得た。固形分濃度は21質量%、平均粒子径は84nmであった。
試験板の作製
下記に記載の2種類の溶融亜鉛めっき鋼板(「GI(Sb)レギュラー」、「GI(Sb)ミニマイズド」)を60℃のアルカリ脱脂剤(サーフクリーナー155、日本ペイント社製)2質量%水溶液を用いて30秒間スプレー処理して脱脂した。
このようにして、各種の表面処理鋼板を製造した。
NSシルバージンク(登録商標)、新日鐵住金株式会社製、アンチモン含有溶融亜鉛めっき鋼板、鋼板の板厚0.8mm、片面のめっき付着量60g/m2、表面仕上げ:レギュラースパングル
「GI(Sb)ミニマイズド」
NSシルバージンク(登録商標)、新日鐵住金株式会社製、アンチモン含有溶融亜鉛めっき鋼板、鋼板の板厚0.8mm、片面のめっき付着量60g/m2、表面仕上げ:ミニマイズドスパングル
皮膜中の各成分含有率、基材密着性、耐テープ剥離性、塗装密着性、加工部耐食性、耐溶剤性(エタノール、メチルエチルケトン、ホワイトガソリンの3種)、耐アルカリ性、動摩擦係数、静摩擦係数、及び耐アブレージョン性を評価した。評価は下記の方法で行った。
表面処理鋼板の皮膜中のTi、Nb(Nb2O5換算),Ta(Ta2O5換算)及びP(りん酸換算)の含有率は、Ti、Nb、Ta、Pについて各種含有量の皮膜を形成し、その化学分析結果と蛍光X線強度から検量線を作成した上で、これら成分の皮膜含有率を算出した。
試験板をエリクセンテスターにて8mm押し出し加工したのち、押し出し部にセロハンテープ(ニチバン社製)を貼り、強制剥離した。試験板をメチルバイオレット染色液に浸漬し、皮膜状態を観察し下記基準で評価した。評価基準2または3を合格とした。
2:剥離面積10%未満
1:剥離面積10%以上
試験板にフィラメンテープ(スリオンテック社製)を貼り、40℃、湿度80%の条件で1週間放置したのち、テープを強制剥離した。皮膜状態を観察し下記基準で評価した。評価基準2または3を合格とした。
2:剥離面積50%未満
1:剥離面積50%以上
試験板表面にメラミンアルキッド塗料(スーパーラック100、日本ペイント社製)をバーコーターで乾燥膜厚20μmとなるように塗布し、120℃で25分間焼き付けて塗板を作製した。一昼夜放置後沸騰水中に30分間浸漬し、取り出して1日放置してから、1mm間隔の碁盤目カット疵を100個入れ、その部分にセロハンテープ(ニチバン社製)を貼り、強制剥離した後の皮膜状態を観察し下記基準で評価した。評価基準2または3を合格とした。
2:剥離個数49以下
1:剥離個数50以上
試験板をエリクセンテスターにて7mm押し出し加工し、試験板のエッジと裏面をテープシールし、塩水噴霧試験SST(JIS-Z-2371)を行った。120時間後の白錆発生状況を観察し下記基準で評価した。評価基準2または3を合格とした。
2:白錆面積30%未満
1:白錆面積30%以上
試験板を70℃、相対湿度80%の湿潤箱内に6日間保持した後、取り出して試験板の黒変状況を目視判定した。評価基準2または3を合格とした。
2:黒変した箇所の面積率が10%以上、50%未満
1:黒変した箇所の面積率が50%以上
試験板をラビングテスターに設置後、エタノール、メチルエチルケトン(MEK)又はホワイトガソリンを含浸させた脱脂綿を0.5kgf/cm2の荷重で5回(往復)、擦った後、試験板のエッジと裏面をテープシールし、塩水噴霧試験(JIS-Z-2371)を行った。72時間後の白錆発生状況を観察し下記基準で評価した。評価基準2または3を合格とした。
2:白錆面積30%未満
1:白錆面積30%以上
試験板を55℃のアルカリ脱脂剤(サーフクリーナー53、日本ペイント社製)2質量%水溶液(pH12.5)に攪拌しながら2分間浸漬した後、試験板のエッジと裏面をテープシールし、塩水噴霧試験(JIS-Z-2371)を行った。72時間後の白錆発生状況を観察し下記基準で評価した。評価基準2または3を合格とした。
2:白錆面積30%未満
1:白錆面積30%以上
試験板をHEIDON動摩擦係数測定装置にかけ、10mmφステンレス球摺動、荷重100g、摺動速度150mm/min条件で動摩擦係数を測定した。評価基準としては0.20以下を合格とした。
試験板に、段ボール紙を介して10g/cm2の荷重をかけ、360回/minの楕円運動を加えて摺動部にアブレージョン(摩耗傷)を発生させた。10分間試験を行った後の試験板表面の状態を観察し下記基準で評価した。評価基準2または3を合格とした。
2:摺動部の50%未満の面積が黒化
1:摺動部の50%以上の面積が黒化
比較例3は、皮膜中のTi量が過剰なため、基材密着性、耐テープ剥離性及び塗装密着性が不十分になった。
比較例5は、皮膜中のNb量が過剰なため、基材密着性、耐テープ剥離性及び塗装密着性が不十分になった。
比較例7は、皮膜中のTa量が過剰なため、基材密着性、耐テープ剥離性及び塗装密着性が不十分になった。
Claims (8)
- 鋼板と、前記鋼板の表面に配置されたアンチモンを含む溶融亜鉛めっき層と、前記溶融亜鉛めっき層上に形成された皮膜とを有し、
前記溶融亜鉛めっき層は、レギュラスパングルまたはミニマイズドスパングルの表面仕上げとされており、
前記皮膜が、ポリウレタン樹脂からなる樹脂粒子及びSiを含む樹脂成分と、Pとを含み、
更に、Ti、Nb、Taから選ばれる少なくとも1種または2種以上を含み、
前記皮膜中におけるSiは、平均粒子径が5~20nmである酸化ケイ素粒子であり、
平均粒子径が5~20nmの酸化ケイ素粒子は、樹脂成分に対して5~100質量%であり、
更に、平均粒子径が70~200nmである酸化ケイ素粒子が含まれ、
平均粒子径が70~200nmの酸化ケイ素粒子は、樹脂成分に対して1~30質量%であり、
前記皮膜中におけるPの含有率が燐酸換算で0.01~0.5質量%であり、
前記皮膜中におけるTiの含有率がTi換算で0.10~1.5質量%であり、
前記皮膜中におけるNbの含有率がNb2O5換算で1.0~2.0質量%であり、
前記皮膜中におけるTaの含有率がTa2O5換算で1.0~2.0質量%であることを特徴とする表面処理鋼板。 - 鋼板と、前記鋼板の表面に配置されたアンチモンを含む溶融亜鉛めっき層と、前記溶融亜鉛めっき層上に形成された皮膜とを有し、
前記溶融亜鉛めっき層は、レギュラスパングルまたはミニマイズドスパングルの表面仕上げとされており、
前記皮膜が、ポリウレタン樹脂からなる樹脂粒子及びSiを含む樹脂成分と、Pとを含み、
更に、Ti、Nb、Taから選ばれる少なくとも1種または2種以上を含む皮膜であり(ただし、水溶性バナジウムイオンが存在する皮膜を除く)、
前記皮膜中におけるSiは、平均粒子径が5~20nmである酸化ケイ素粒子であり、
平均粒子径が5~20nmの酸化ケイ素粒子は、樹脂成分に対して5~100質量%であり、
更に、平均粒子径が70~200nmである酸化ケイ素粒子が含まれ、
平均粒子径が70~200nmの酸化ケイ素粒子は、樹脂成分に対して1~30質量%であり、
前記皮膜中におけるPの含有率が燐酸換算で0.01~0.5質量%であり、
前記皮膜中におけるTiの含有率がTi換算で0.10~1.5質量%であり、
前記皮膜中におけるNbの含有率がNb2O5換算で1.0~2.0質量%であり、
前記皮膜中におけるTaの含有率がTa2O5換算で1.0~2.0質量%であることを特徴とする表面処理鋼板。 - 前記皮膜の厚みが0.5~2.0μmであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の表面処理鋼板。
- 前記溶融亜鉛めっき層におけるアンチモンの含有量が、0.05~0.20質量%の範囲である、請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の表面処理鋼板。
- 前記樹脂成分に、エチレン-不飽和カルボン酸共重合樹脂粒子が含まれることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の表面処理鋼板。
- 前記皮膜に更に、ポリオレフィンワックス粒子が含まれることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の表面処理鋼板。
- 鋼板と、前記鋼板の表面に配置されたアンチモンを含む溶融亜鉛めっき層とを備え、前記溶融亜鉛めっき層がレギュラスパングルまたはミニマイズドスパングルの表面仕上げとされている溶融亜鉛めっき鋼板に、水系表面処理剤を塗布して焼き付ける工程と、
前記水系表面処理剤を焼き付けた溶融亜鉛めっき鋼板を水冷する工程と、を備え、
前記水系表面処理剤は、少なくとも、ポリウレタン樹脂からなる樹脂粒子を含む樹脂成分原料と、平均粒子径が5~20nmである酸化ケイ素粒子と、平均粒子径が70~200nmである酸化ケイ素粒子と、リン酸化合物と、が水に配合され、更に、有機チタン化合物、ニオブ酸化物またはタンタル酸化物の1種または2種以上が水に配合されてなり、
前記水系表面処理剤の配合比が、前記樹脂成分原料100質量部に対して、前記リン酸化合物がりん酸換算で0.6~2.4質量部、前記有機チタン化合物が0.10質量部超2.1質量部以下、前記酸化ニオブが1.0質量部超2.5質量部以下、前記酸化タンタルが1.0質量部超2.5質量部以下であることを特徴とする表面処理鋼板の製造方法。 - 鋼板と、前記鋼板の表面に配置されたアンチモンを含む溶融亜鉛めっき層とを備え、前記溶融亜鉛めっき層がレギュラスパングルまたはミニマイズドスパングルの表面仕上げとされている溶融亜鉛めっき鋼板に、水系表面処理剤を塗布して焼き付ける工程と、
前記水系表面処理剤を焼き付けた溶融亜鉛めっき鋼板を水冷する工程と、を備え、
前記水系表面処理剤は、少なくとも、ポリウレタン樹脂からなる樹脂粒子を含む樹脂成分原料と、平均粒子径が5~20nmである酸化ケイ素粒子と、平均粒子径が70~200nmである酸化ケイ素粒子と、リン酸化合物と、が水に配合され、更に、有機チタン化合物、ニオブ酸化物またはタンタル酸化物の1種または2種以上が水に配合されてなり(ただし、皮膜中に水溶性バナジウムイオンを形成するものを除く)、
前記水系表面処理剤の配合比が、前記樹脂成分原料100質量部に対して、前記リン酸化合物がりん酸換算で0.6~2.4質量部、前記有機チタン化合物が0.10質量部超2.1質量部以下、前記酸化ニオブが1.0質量部超2.5質量部以下、前記酸化タンタルが1.0質量部超2.5質量部以下であることを特徴とする表面処理鋼板の製造方法。
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