JP2018186723A - ベーカリー用小片状油脂組成物 - Google Patents

ベーカリー用小片状油脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】保管中の相互結着性が抑制され、更にはベーカリー生地に添加混合した際にベーカリー生地に練り込まれにくく、また、ベーカリー生地のべたつきが抑えられ、得られるベーカリー製品の口溶けがいい、ベーカリー用小片状油脂組成物を提供すること。【解決手段】トリグリセリド組成が下記の条件(1)及び(2)を満たすベーカリー用小片状油脂組成物。(1)S3、S2m、S2d及びSm2を合計した含有量が50〜80質量%である。(2)(StStSt+PPP+StOSt+POSt+POP)/(StStSt+PPP+S2m+S2d+Sm2)=0.50〜0.90【選択図】 なし

Description

本発明は、ベーカリー生地に添加混合した場合に練り込まれにくく、また、添加したベーカリー生地のべたつきが抑えることのできるベーカリー用小片状油脂組成物に関する。
ベーカリー生地製造における、マーガリンやショートニングを立方体、直方体、円柱状、アレイ型、薄片などの小片状に加工したベーカリー用小片状油脂組成物の使用方法としては、練りパイ生地やタルト生地のように、ベーカリー用小片状油脂組成物を小麦粉や水と共に混合後、ロールインしたり視認不可能なまで練り込んだりする方法が基本である。また、包餡機用の生地、あるいは食パン生地や菓子パン生地のような高水分の生地の場合は、練り上げた生地にベーカリー用小片状油脂組成物を分散させて油脂を生地中に視認可能な程度の粒を残す方法も行われる。
そして、ベーカリー用小片状油脂組成物を包餡機用の生地に使用した場合、包餡機内のアジテータ等により生地中の油脂粒の消失が防止され、食パン生地や菓子パン生地のような高水分の生地に使用した場合は、内相中に油脂粒に由来する油脂の局在化部分が分散した特異的なベーカリー製品が得られる(例えば特許文献1参照)。
そして、この2種の使用方法に共通する小片状油脂組成物の必要特性は、ロールインあるいは分散時に生地中に容易に練り込まれて均質化しない程度の硬さを有することである。
そのため、これらの用途に適したものとするために、ベーカリー用小片状油脂組成物に高融点油脂を使用することが基本である。そのため、ベーカリー用小片状油脂組成物を使用して得られたベーカリー製品は口溶けが悪いものとなってしまう。
このような問題を避けるため、前者の使用方法の場合は、生地製造時に小麦粉や水などのベーカリー生地の原材料をあらかじめ冷却して用いる方法や、ベーカリー用小片状油脂組成物を冷凍して用いる方法により、高融点油脂を使用することなく、良好な口溶けのベーカリー製品を得ることが行われている。
ただし、この方法は後者の使用方法の場合は適用できない。これは、特に食パン生地や菓子パン生地は捏ね上げ時点の温度が25〜38℃と高温であることから、ここに冷凍状態の小片状油脂組成物を添加しても練り込まれ防止効果は殆ど期待できないし、パン生地の温度が下がってしまって、その後のホイロ工程での生地の伸びが悪くなり、得られるパンの品質が大きく低下してしまうためである。
また、前者の使用方法の場合でも、連続生産等の理由で冷却不可能な場合もある。
このため、生地温度が高い場合であっても、添加したベーカリー用小片状油脂組成物が練り込まれることが防止され、且つ、口溶けのいいベーカリー製品を得ることができるベーカリー用小片状油脂組成物が求められていた。
この視点から、例えば、ハードバターとして一般的に使用されるパーム中融点部を主体としパーム油のエステル交換油脂で可塑性を出した配合の油脂組成物(たとえば特許文献2参照)が提案されている。しかしながら、この方法を用いると、得られるベーカリー用小片状油脂組成物は口溶けが悪く、また、該ベーカリー用小片状油脂組成物を用いた生地がべたつきやすいという問題があった。
また、別の方法として、ベーカリー用小片状油脂組成物を水中油型乳化物とする方法(たとえば特許文献3参照)も提案されている。しかしながら、この方法を採用すると、水相に使用する増粘安定剤の食感によって、得られるベーカリー製品の食感が低下しやすく、また、油脂の機能、例えばジューシー感の付与などの効果が感じられないという問題もあった。
一方、ベーカリー用小片状油脂組成物に関する別の問題として、保管中に、自重又は溶解などにより、ベーカリー用小片状油脂組成物が相互結着を起こしてしまう問題もある。
この問題の解消のために、例えば、ベーカリー用小片状油脂組成物の表面に加熱により油脂膜を生成させる方法(例えば特許文献4参照)、ベーカリー用小片状油脂組成物の表面に焙焼小麦粉を付着させる方法(例えば特許文献5、6参照)、水相に糖液を使用したベーカリー用小片状油脂組成物(例えば特許文献7参照)が提案されている。
しかし、特許文献4の方法は液状油配合量の多いベーカリー用小片状油脂組成物でないと逆に結着が強まってしまうことから、高融点の油脂組成物には適用できないという問題があった。特許文献5及び6に記載の方法であると、得られるベーカリー製品の食感がぱさつくなど、食感に影響が出てしまう問題があった。特許文献7に記載の方法は、ベーカリー用小片状油脂組成物に十分な硬さが得られず、また、得られるベーカリー製品に甘味が付与されてしまい、更には浮きが悪くなってしまうという問題があった。更にこれらのベーカリー用小片状油脂組成物を添加した生地はべとつきやすく、ミキサーやラウンダーでの付着が激しいという問題があった。
このように、保管中の相互結着性が抑制され、更には食パン生地や菓子パン生地に添加混合した際に練り込まれにくく、また、添加したベーカリー生地のべたつきが抑えることのできる、ベーカリー用小片状油脂組成物が求められていた。
特開平06−233649号公報 特開2009―207444号公報 特開2002―262760号公報 特公昭46―013264号公報 特開平11―318318号公報 特開平11―318319号公報 特開平07―039301号公報
従って、本発明の課題は、保管中の相互結着性が抑制され、更にはベーカリー生地に添加混合した際にベーカリー生地に練り込まれにくく、また、ベーカリー生地のべたつきが抑えられ、得られるベーカリー製品の口溶けがいい、ベーカリー用小片状油脂組成物を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決すべく種々検討した結果、ベーカリー生地の捏ね上げ温度である30〜36℃程度での固形脂含量が高く、該油温度域でのトリグリセリド組成において対称型トリグリセリドとトリ飽和トリグリセリドの比が高いといった、特定のトリグリセリド組成の油脂組成物により上記課題が解決可能であることを見出した。
すなわち本発明は、トリグリセリド組成が下記の条件(1)及び(2)を満たすベーカリー用小片状油脂組成物を提供するものである。
(1)S3、S2m、S2d及びSm2を合計した含有量が50〜80質量%である。
(2)(StStSt+PPP+StOSt+POSt+POP)/(StStSt+PPP+S2m+S2d+Sm2)=0.50〜0.90
ただし、
S:炭素数16〜18の飽和脂肪酸
m:炭素数16〜18のモノ不飽和脂肪酸
d:炭素数16〜18のポリ不飽和脂肪酸
S3:炭素数16〜18の飽和脂肪酸が3個結合したトリグリセリド
S2m:炭素数16〜18の飽和脂肪酸が2個、炭素数16〜18のモノ不飽和脂肪酸が1個結合したトリグリセリド
S2d:炭素数16〜18の飽和脂肪酸が2個、炭素数16〜18のポリ不飽和脂肪酸が1個結合したトリグリセリド
Sm2:炭素数16〜18の飽和脂肪酸が1個、炭素数16〜18のモノ不飽和脂肪酸が2個結合したトリグリセリド
PPP:パルミチン酸が3個結合したトリグリセリド
StStSt:ステアリン酸が3個結合したトリグリセリド
StOSt:1、3位にステアリン酸、2位にオレイン酸が結合したトリグリセリド
POSt:1、3位にステアリン酸及びパルミチン酸、2位にオレイン酸が結合したトリグリセリド
POP:1、3位にパルミチン酸、2位にオレイン酸が結合したトリグリセリド
である。
本発明のベーカリー用小片状油脂組成物は、保管中の相互結着性が抑制され、更にはベーカリー生地に添加混合した際にベーカリー生地に練り込まれにくい。また、本発明のベーカリー用小片状油脂組成物を添加したベーカリー生地はべたつきが抑えられている。更に、本発明のベーカリー用小片状油脂組成物を用いて得られるベーカリー製品は口溶けが良好となる。
以下、本発明のベーカリー用小片状油脂組成物について詳述する。
本発明のベーカリー用小片状油脂組成物は油相のトリグリセリド組成が下記の条件(1)及び(2)を満たすものである。
(1)S3、S2m、S2d及びSm2を合計した含有量が50〜80質量%である。
(2)(StStSt+PPP+StOSt+POSt+POP)/(StStSt+PPP+S2m+S2d+Sm2)=0.50〜0.80
ただし、
S:炭素数16〜18の飽和脂肪酸
m:炭素数16〜18のモノ不飽和脂肪酸
d:炭素数16〜18のポリ不飽和脂肪酸
S3:炭素数16〜18の飽和脂肪酸が3個結合したトリグリセリド
S2m:炭素数16〜18の飽和脂肪酸が2個、炭素数16〜18のモノ不飽和脂肪酸が1個結合したトリグリセリド
S2d:炭素数16〜18の飽和脂肪酸が2個、炭素数16〜18のポリ不飽和脂肪酸が1個結合したトリグリセリド
Sm2:炭素数16〜18の飽和脂肪酸が1個、炭素数16〜18のモノ不飽和脂肪酸が2個結合したトリグリセリド
PPP:パルミチン酸が3個結合したトリグリセリド
StStSt:ステアリン酸が3個結合したトリグリセリド
StOSt:1、3位にステアリン酸、2位にオレイン酸が結合したトリグリセリド
POSt:1、3位にステアリン酸及びパルミチン酸、2位にオレイン酸が結合したトリグリセリド
POP:1、3位にパルミチン酸、2位にオレイン酸が結合したトリグリセリド
である。
まず上記条件(1)について述べる。
本発明のベーカリー用小片状油脂組成物は、油相のトリグリセリド組成におけるS3、S2m、S2d及びSm2を合計した含有量が50〜80質量%、好ましくは55〜75質量%である。合計含有量が50質量%未満であると、ベーカリー用小片状油脂組成物をベーカリー生地に添加混合する際に油脂固形分含量が不足するため、ベーカリー用小片状油脂組成物が練り込まれやすくなってしまう。また、ベーカリー用小片状油脂組成物を用いたベーカリー生地のべたつきが激しくなってしまう。一方、合計含有量が80質量%超であると、ベーカリー用小片状油脂組成物をベーカリー生地に添加混合する際に油脂固形分含量が高すぎるため、ベーカリー用小片状油脂組成物とベーカリー生地とのなじみが悪く、生地に入っていきにくいことに加え、油脂組成物を小片状に成形加工する際に調温を厳格に行わないと割れを生じてしまう問題も発生してしまう。
次に上記条件(2)について述べる。
本発明のベーカリー用小片状油脂組成物は油相のトリグリセリド組成において、(2)(StStSt+PPP+StOSt+POSt+POP)/(StStSt+PPP+S2m+S2d+Sm2)の値が0.50〜0.90、好ましくは0.55〜0.90である。上記比の値が0.50未満であると、ベーカリー用小片状油脂組成物をベーカリー生地に添加混合する際に粘りが出やすく、ベーカリー生地のべたつきが激しくなってしまう。一方、上記比の値が0.90超であると、ベーカリー用小片状油脂組成物が脆い物性になりやすく、ベーカリー生地に添加混合する際に割れて細かい油脂片になってしまい、ベーカリー生地中の油脂部分が小さくなりすぎ、その後の製パン工程中に完全に練りこまれてしまうという問題を生じる。
本発明のベーカリー用小片状油脂組成物は上記条件(1)及び(2)に加え、下記の条件(3)を満たすことが好ましい。
以下、上記条件(3)について述べる。
本発明のベーカリー用小片状油脂組成物は油相のトリグリセリド組成における(StStSt+PPP)/(StStSt+PPP+StOSt+POSt+POP)の値が0.5以下であることが好ましく、より好ましくは0.25以下、最も好ましくは0.05以下である。上記比の値が0.5超であると、得られるベーカリー製品の口溶けが悪化してしまう。なお、(StStSt+PPP)/(StStSt+PPP+StOSt+POSt+POP)の値の下限は0である。
本発明のベーカリー用小片状油脂組成物は油相におけるS3、S2m、S2d、Sm2、PPP、StStSt、StOSt、POSt、POP等のトリグリセリドの含有量は、例えば、基準油脂分析試験法(2、4、6、2−2013トリアシルグリセリン組成(高速液体クロマトグラフ法)と銀イオン−高速液体クロマトグラフ法の併用により測定することができる。
ここで、本発明のベーカリー用小片状油脂組成物の油相が上記条件(1)及び(2)、好ましくは上記条件(1)、(2)及び(3)を満たすためには、ベーカリー用小片状油脂組成物が下記の油脂Aと下記の油脂Bとを含有することが好ましい。油脂Aと油脂Bとの配合比は、油脂A:油脂Bが質量比で、50〜90:50〜10であることが好ましく、60〜80:40〜20であることがより好ましい。また、本発明のベーカリー用小片状油脂組成物における油相中の油脂における油脂A及び油脂Bの合計含有量は、70〜100質量%であることが好ましく、80〜100質量%であることがより好ましく、80〜100質量%であることが更に好ましく、油相が油脂A及び油脂Bのみからなることが特に好ましい。更に、前記の配合比及び合計含有量を満たすことを条件として、本発明における油脂Aの含有量は30〜90質量%であることが好ましく、45〜80質量%であることがより好ましく、最も好ましくは60〜80質量%である。同様に、本発明における油脂Bの含有量は6〜50質量%であることが好ましく、15〜40質量%であることがより好ましく、最も好ましくは20〜40質量%である。
油脂A:SUSを多く含有する油脂
油脂B:30℃で液状である油脂
ここで、SUS:1、3位に炭素数16〜18の飽和脂肪酸、2位に炭素数16〜18の不飽和脂肪酸が結合したトリグリセリドである。
上記油脂Aについて述べる。
上記「SUSを多く含有する油脂」とは、SUSを15質量%以上、好ましくは30質量%以上含有する油脂である。「SUSを多く含有する油脂」としては、例えば、パーム油、カカオ脂、シア脂、マンゴー核脂、サル脂、イリッペ脂、コクム脂、デュパー脂、モーラー脂、フルクラ脂及びチャイニーズタロー等の各種植物油脂、これらの各種植物油脂を分別した加工油脂、並びに下記に記載するエステル交換油脂、該エステル交換油脂を分別した加工油脂を用いることができる。本発明では、これらの油脂の中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
上記エステル交換油脂としては、例えば、パーム油、コーン油、オリーブ油、綿実油、大豆油、ナタネ油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、牛脂、乳脂、豚脂、カカオバター、シア脂、マンゴー核脂、サル脂、イリッペ脂、魚油及び鯨油等の各種動植物油脂、これらの各種動植物油脂を必要に応じて水素添加及び/又は分別した後に得られる加工油脂、脂肪酸、脂肪酸低級アルコールエステルを用いて製造したエステル交換油脂であって、SUSが15質量%以上、好ましくは30質量%以上である油脂である。エステル交換の方法としては、酵素を用いても、化学触媒を用いてもよく、またランダムエステル交換でも、1,3位置選択性のあるエステル交換でもよい。
本発明のベーカリー用小片状油脂組成物においては、上記「SUSを多く含有する油脂」として、パーム油、カカオ脂、シア脂、マンゴー核脂、サル脂及びイリッペ脂等の各種植物油脂の分別中部油や分別硬部油を使用することが好ましく、カカオ脂分別硬部油、パーム油分別硬部油、パーム油分別中部油、シア脂分別硬部油及びコクム脂分別硬部油から選択される油脂のうちの1種又は2種以上を使用することがより好ましく、より口溶けの良好であるベーカリー用小片状油脂組成物が得られる点で、パーム油分別硬部油、パーム油分別中部油及びシア脂分別硬部油から選択される油脂のうちの1種又は2種以上を使用することがより好ましく、特に好ましくはシア脂分別硬部油を少なくとも使用する。
次いで上記油脂Bについて述べる。
上記「30℃で液状である油脂」としては、大豆油、菜種油(キャノーラ油)、コーン油、綿実油、オリーブ油、落花生油、米油、べに花油、ハイオレイックサフラワー油、ひまわり油及びハイオレイックひまわり油等の、常温(30℃)で液状の油脂が挙げられる。また、これらの油脂の他に、パーム油、パーム核油、ヤシ油、シア脂、サル脂、マンゴー核脂、乳脂、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、魚油及び鯨油等の、常温(30℃)で固体の油脂を分別することで得られた軟部油であって、常温(30℃)で液状である油脂も使用することもできる。また、これらの油脂に対し、水素添加、分別、エステル交換等の物理的又は化学的処理の1種又は2種以上の処理を施した油脂についても、得られる加工油脂が30℃で液状である範囲内において使用することもできる。本発明においては、これらの油脂を単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明では、得られる油脂組成物の口溶けを良好なものとすることが可能な点から、上記「30℃で液状である油脂」として、大豆油、菜種油(キャノーラ油)、コーン油、綿実油、オリーブ油、落花生油、米油、べに花油、ハイオレイックサフラワー油、ひまわり油及びハイオレイックひまわり油のうちから選択される1種又は2種以上を使用することが好ましい。
本発明のベーカリー用小片状油脂組成物は、上記油脂A及び上記油脂Bに加え、その他の油脂を使用することができる。上記その他の油脂の含有量は、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは10質量%以下である。その他の油脂の含有量が30質量%を超えると、良好な物性(生地への練り込まれ耐性)が得られないおそれがある。
本発明のベーカリー用小片状油脂組成物は、エステル交換油脂の含有量が、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは10質量%以下であり、エステル交換油脂を含まないことが特に好ましい。エステル交換油脂はトリグリセリド組成が複雑であることから、これを含有すると、油脂組成物が硬くなってしまいやすく、得られるベーカリー製品の口溶けが悪くなるという問題や、油脂組成物を小片状に加工する際の作業性が悪化し、均質な小片状に加工することが困難となってしまうという問題がある。
本発明のベーカリー用小片状油脂組成物は、極度硬化油の含有量が、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは10質量%以下であり、極度硬化油を含まないことが特に好ましい。極度硬化油はトリグリセリド組成においてそのほぼ全部がS3であることから、これを含有すると油脂組成物が硬くなってしまいやすく、得られるベーカリー製品の口溶けが極度に悪化する問題や、油脂組成物を小片状に加工する際の作業性が悪化し、均質な小片状に加工することが困難となってしまうという問題がある。
また、本発明のベーカリー用小片状油脂組成物は、トランス酸を実質的に含有しないことが好ましい。水素添加は油脂の融点を上昇させる典型的な方法であるが、これによって得られる水素添加油脂は、完全水素添加油脂を除いて、通常構成脂肪酸中にトランス酸が10〜50重量%程度含まれている。一方、天然油脂中にはトランス酸が殆ど存在せず、反芻動物由来の油脂に10重量%未満含まれているにすぎない。近年、化学的な処理、特に水素添加に付されていない油脂組成物、即ち実質的にトランス酸を含まない油脂組成物であって、適切なコンシステンシーを有するものが要求されている。
ここでいう「実質的に」とは、トランス酸含量が、本発明のベーカリー用小片状油脂組成物の全構成脂肪酸中、好ましくは10重量%未満、更に好ましくは5重量%未満、最も好ましくは2重量%未満であることを意味する。
本発明では、ベーカリー用小片状油脂組成物が水素添加油脂を使用せずとも良好なコンステンシーを有するため、トランス酸を実質的に含有しないベーカリー用小片状油脂組成物を得ることができる。
本発明のベーカリー用小片状油脂組成物は、油脂の含量が、好ましくは35〜100重量%、更に好ましくは40〜95重量%、最も好ましくは45〜87重量%である。また、本発明のベーカリー用小片状油脂組成物は、水の含量が、好ましくは65〜0重量%、更に好ましくは60〜10重量%、最も好ましくは55〜13重量%である。なお上記油脂含量及び水の含量には、下記のその他の成分に含まれる油分や水分を加算して算出するものとする。
なお、本発明のベーカリー用小片状油脂組成物が水分を含む場合、その乳化形態は、油中水型、水中油型、及び二重乳化型のいずれでも構わないが、油中水型であることが好ましい。
なお、本発明のベーカリー用小片状油脂組成物はマーガリンあるいはショートニングに代表される可塑性油脂組成物であることが好ましい。油脂組成物に可塑性を付与するには、下で述べるように、油脂組成物製造時に急冷可塑化すればよい。
また、本発明のベーカリー用小片状油脂組成物は、ベーカリー用小片状油脂組成物が乳化剤を1種又は2種以上含有する場合がある。しかしながら、本発明のベーカリー用小片状油脂組成物は、乳化剤無添加であっても良好なロールイン性や生地への練り込まれ耐性を示し、更には水相を含有する場合でも、保存時やロールイン作業時に離水のない安定な乳化形態のものである。
上記の乳化剤としては、例えばグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリン酒石酸脂肪酸エステル、グリセリンクエン酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタンモノグリセリド等の合成乳化剤や、例えば大豆レシチン、卵黄レシチン、大豆リゾレシチン、卵黄リゾレシチン、酵素処理卵黄、サポニン、植物ステロール類、乳脂肪球皮膜等の、合成乳化剤でない乳化剤が挙げられる。
本発明のベーカリー用小片状油脂組成物は、上記成分以外のその他の成分を含有する場合がある。該その他の成分としては、例えば、増粘安定剤、食塩、塩化カリウム等の塩味剤、酢酸、乳酸、グルコン酸等の酸味料、糖類や糖アルコール類、ステビア、アスパルテーム等の甘味料、β−カロチン、カラメル、紅麹色素等の着色料、トコフェロール、茶抽出物等の酸化防止剤、小麦蛋白や大豆蛋白といった植物蛋白、卵及び各種卵加工品、着香料、乳製品、調味料、pH調整剤、食品保存料、日持ち向上剤、果実、果汁、コーヒー、ナッツペースト、香辛料、ココアマス、ココアパウダー、穀類、豆類、野菜類、肉類及び魚介類等の食品素材や食品添加物が挙げられる。
上記増粘安定剤としては、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、アラビアガム、アルギン酸類、ペクチン、キサンタンガム、プルラン、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、寒天、グルコマンナン、ゼラチン、澱粉及び化工澱粉等が挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。上記増粘安定剤の含量は、特に制限はないが、本発明のベーカリー用小片状油脂組成物中、好ましくは0〜10重量%、更に好ましくは0〜5重量%である。なお、本発明のベーカリー用小片状油脂組成物において、上記増粘安定剤が必要でなければ、増粘安定剤を用いなくてもよい。
次に、本発明のベーカリー用小片状油脂組成物の製造方法を説明する。
本発明のベーカリー用小片状油脂組成物は、その製造方法が特に制限されるものではなく、上記条件(1)及び(2)、好ましくは条件(1)、(2)及び(3)を満たす油相を溶解し、冷却し、結晶化して油脂組成物とする際に、小片状に成形する工程を含むことによって得ることができる。
具体的には、まず、条件(1)及び(2)、好ましくは条件(1)、(2)及び(3)の条件を満たす油相を溶解し、必要により水相を混合乳化する。そして次に、殺菌処理するのが望ましい。殺菌方法はタンクでのバッチ式でも、プレート型熱交換機や掻き取り式熱交換機を用いた連続式でも構わない。
次に、油相を冷却し、結晶化させる。好ましくは冷却可塑化する。冷却条件は、好ましくは−0.5℃/分以上、更に好ましくは−5℃/分以上とする。この際、徐冷却より急速冷却の方が好ましい。
冷却する機器としては、密閉型連続式チューブ冷却機、例えばボテーター、コンピネーター、パーフェクター等のマーガリン製造機やプレート型熱交換機等が挙げられ、また、開放型のダイアクーラーとコンプレクターの組み合わせが挙げられる。
また、本発明のベーカリー用小片状油脂組成物を製造する際のいずれかの製造工程で、窒素、空気等を含気させても、含気させなくても構わない。
次に、結晶化した油相を小片状に成形する。ここで、上記小片状に成形する方法としては、特に限定されるものではないが、上記条件(1)及び(2)、好ましくは条件(1)、(2)及び(3)の条件を満たす油脂組成物の製造時に、小片状の型に流しこみ冷却固化させる方法や、いったん冷却した上記条件(1)及び(2)、好ましくは条件(1)、(2)及び(3)の条件を満たす油脂組成物を、包丁や自動ラインで小片状にカットする方法や、小穴をあけた口金を通す押し出し成形で吐出させた後にカットして小片状とする方法等が挙げられる。
本発明において小片状とは、立方体状、直方体状、角柱状、円柱状、半円柱状、球状、薄片状、そぼろ状、塊状等の形状で、その大きさが、立方体状又は直方体状のものは一辺の長さが2mm以上30mm以下程度、角柱状のものは断面となる多角形の一辺が2mm以上30mm以下で長さが2mm以上100mm以下程度、円柱状又は半円柱状のものは直径が2mm以上30mm以下で長さが2mm以上100mm以下程度、球状のものは直径が2mm以上30mm以下程度、薄片状のものは厚さが0.5mm以上5mm以下程度、そぼろ状や塊状の場合はその平均粒径が2mm以上30mm程度のものである。ベーカリー用小片状油脂組成物の寸法が上記範囲外であると、ベースとなるパン生地への分散性が悪化するおそれがある。
次に、本発明のベーカリー生地について述べる。
本発明のベーカリー生地は、本発明のベーカリー用小片状油脂組成物を含有する。本発明のベーカリー生地は、本発明のベーカリー用小片状油脂組成物を、ベースとなるベーカリー生地100質量部に対して、本発明のベーカリー用小片状油脂組成物を好ましくは5〜80質量部、更に好ましくは10〜50質量部、最も好ましくは10〜30質量部含有する。
ベースとなるベーカリー生地としては、食パン生地、菓子パン生地、パイ生地、デニッシュ生地、クロワッサン生地、フランスパン生地、セミハードロール生地、ワッフル生地及びスコーン生地等のパン生地である場合があり、クッキー生地、バターケーキ生地及びマフィン生地等の菓子生地である場合があるが、パン生地が好ましい。
上記パン生地は、従来から使用されているものを特に制限なく用いることができる。本発明のベーカリー生地では、ベースとなるパン生地が油脂含量及び糖類含量の高いリッチな配合の生地であることが、本発明の高い効果が得られる点、及び、良好な食感のベーカリー製品とすることが可能な点で好ましい。なお、この場合、ベースとなるパン生地に使用する澱粉類100質量部に対して油脂の配合量が好ましくは5〜30質量部、より好ましくは5〜20質量部であり、パン生地に使用する澱粉類100質量部に対して糖類の配合量が固形分として好ましくは5〜30質量部、より好ましくは9〜20質量部であるパン生地を用いることが好ましい。
次に、本発明のベーカリー生地の製造方法について述べる。
本発明のベーカリー生地は、上記本発明のベーカリー用小片状油脂組成物を、ベースとなるベーカリー生地に分散させることによって得ることができる。その具体的な方法としては、ベースとなるベーカリー生地がパン生地である場合は、パン生地のミキシング時、好ましくはミキシングの最終段階で本発明のベーカリー用小片状油脂組成物を添加し、軽く混合する方法や、パン生地上に本発明のベーカリー用小片状油脂組成物を散布し、巻き込む方法等が挙げられる。また、ベースとなるベーカリー生地が菓子生地の場合は、菓子生地に本発明のベーカリー用小片状油脂組成物を添加し、軽く混合する方法が挙げられる。
なお、上記製造方法で用いる本発明のベーカリー用小片状油脂組成物は、1種でもよいが、2種以上を同時に、又は、別々に添加してもよい。
なお、本発明のベーカリー生地は、ホイロをとらずに冷凍又は冷蔵してもよいし、ホイロをとった後に冷凍又は冷蔵してもよい。
次に本発明のベーカリー製品について述べる。
本発明のベーカリー製品は、上記のベーカリー生地の加熱品である。加熱品の種類としては、焼成品、フライ品、蒸し品及び電子レンジ加熱品が挙げられるが、焼成品であることが好ましい。なお、本発明のベーカリー製品の具体的な製法としては、上記のベーカリー生地を通常のベーカリー生地と同様に、必要に応じ、分割し、丸めたり、延展したり、更に打抜く等の成形、型入れ、ホイロ等を行なった後、焼成、フライ、蒸す、電子レンジ加熱等の加熱工程に供することにより、得ることができる。
また、本発明のベーカリー生地が冷凍生地である場合は、解凍後、あるいは解凍することなく常法に従い、加熱してベーカリー製品とすることができる。
また、本発明のベーカリー生地を焼成等の加熱工程に供して得られたベーカリー製品は、冷凍保存することが可能であり、冷凍保存した該ベーカリー製品は、電子レンジで解凍調理することが可能である。
油脂Aとして、パーム油分別硬部油、パーム油分別中部油、及びシア脂分別硬部油を使用した。油脂Bとして菜種油を使用した。その他の油脂として、パーム油分別軟部油のランダムエステル交換油脂、パーム油分別硬部油のランダムエステル交換油脂、及び、パーム油:パーム極度硬化油=65:35の混合油脂のランダムエステル交換油脂を使用した。これらの油脂を表1に記載の配合し、下に記載の製造方法で、実施例1〜12及び比較例1〜9のベーカリー用小片状油脂組成物A〜Uを得た。なお、表1中の数値は質量部である。
実施例1〜12及び比較例1〜9のベーカリー用小片状油脂組成物A〜Uの
(1)S3、S2m、S2d及びSm2を合計した含有量
(2)(StStSt+PPP+StOSt+POSt+POP)/(StStSt+PPP+S2m+S2d+Sm2)
(3)(StStSt+PPP)/(S3+StOSt+POSt+POP)
の値について、表2に記載した。
<ベーカリー用小片状油脂組成物の製造方法>
表1に記載の油相原料を70℃で加温溶解し、表1に記載水相原料を70℃で加温溶解し、油相に水相を添加して油中水型に乳化し、これを急冷可塑化し、水分18質量%の可塑性油脂組成物を得た。この可塑性油脂組成物を20℃で24時間調温し、カッターで10mm角の立方体に細断し、実施例1〜12及び比較例1〜9のベーカリー用小片状油脂組成物A〜Uを得た。
<ベーカリー試験>
上記ベーカリー用小片状油脂組成物A〜Uを使用し、下記の配合及び製法でパン生地、及びパンを得た。ここで、製パン工程における、(i)ベーカリー用小片状油脂組成物添加混合状態、及び、(ii)パン生地の状態を下記の評価基準に従って目視で確認した。結果を表2に記載する。また、(iii)得られたベーカリー製品の油脂粒部分の食感について下記の評価基準に従って評価を行い、評価結果を併せて表3に記載した。
(ベーカリー生地配合・製法)
強力粉70質量部、生イースト4質量部、イーストフード0.1質量部、上白糖3質量部及び水40質量部をミキサーボウルに投入し、フックを使用し、低速で3分、中速で2分混合し、中種生地を得た。捏ね上げ温度は26℃であった。この中種生地を生地ボックスに入れ、温度28℃、相対湿度85%の恒温室で2時間、中種醗酵を行なった。終点温度は29℃であった。この中種醗酵の終了した生地を再びミキサーボウルに投入し、更に、薄力粉30質量部、異性化液糖(固形分70質量%)18質量部、脱脂粉乳3質量部、食塩1.5質量部及び全卵(正味)5質量部、水15質量部を添加し、低速で3分、中速で3分ミキシングした。ここで、練込油脂(マーガリン:油分80質量%)8質量部を投入し、フックを使用し、低速で3分、中速で4分ミキシングを行ない、菓子パン生地を得た。この時点での生地温度は31℃であった。
該菓子パン生地の油分含量は該菓子パン生地に含まれる澱粉類100質量部に対して、6.4質量部、糖類含量は該菓子パン生地に含まれる澱粉類100質量部に対して固形分として15.6質量部であった。
得られた菓子パン生地100質量部に、ベーカリー用小片状油脂組成物15質量部(対粉添加量は30質量部)を添加し、更に低速で1分混合し、パン生地を得た。ここで、フロアタイムを30分とった後、60gに分割・丸目を行ない、次いでベンチタイムを30分とった後、丸め成形し、38℃、相対湿度80%で50分ホイロをとった後、190℃に設定した固定オーブンに入れ、12分焼成して、パンを得た。
<評価基準>
・(i)ベーカリー用小片状油脂組成物添加混合状態
◎:割れながら生地中に均質に分散した。
○:割れることなく伸びた形で生地中に均質に分散した。
△:硬すぎて生地に均質に入っていかなかった。
×:軟らかすぎて生地に練りこまれてしまう、又は、脆いため油脂粒が細かくなりすぎてしまう
・(ii)パン生地の状態
◎:ボウルへの付着が全くなく、べたつきのない生地であった。
○:ややボウルへの付着はあるものの、べたつきの殆ど感じられない生地であった。
△:ボウルに大部分が張り付き、べたつきが強い生地だった。
×:ボウルに張り付いて剥がれない状態であり、激しいべたつきのある生地であった。
・(iii)得られたベーカリー製品の油脂粒部分の食感
◎:良好な口溶けを有していた。
○:やや油性感はあるが良好な口溶けを有していた。
△:油性感が強く、口溶けがやや悪いものであった。
×:ねっとりとした油性感が強く口溶けが不良であった。
N:油脂粒部分が確認できなかった。

Claims (6)

  1. 油相のトリグリセリド組成が下記の条件(1)及び(2)を満たすベーカリー用小片状油脂組成物。
    (1)S3、S2m、S2d及びSm2を合計した含有量が50〜80質量%である。
    (2)(StStSt+PPP+StOSt+POSt+POP)/(StStSt+PPP+S2m+S2d+Sm2)=0.50〜0.90
    ただし、
    S:炭素数16〜18の飽和脂肪酸
    m:炭素数16〜18のモノ不飽和脂肪酸
    d:炭素数16〜18のポリ不飽和脂肪酸
    S3:炭素数16〜18の飽和脂肪酸が3個結合したトリグリセリド
    S2m:炭素数16〜18の飽和脂肪酸が2個、炭素数16〜18のモノ不飽和脂肪酸が1個結合したトリグリセリド
    S2d:炭素数16〜18の飽和脂肪酸が2個、炭素数16〜18のポリ不飽和脂肪酸が1個結合したトリグリセリド
    Sm2:炭素数16〜18の飽和脂肪酸が1個、炭素数16〜18のモノ不飽和脂肪酸が2個結合したトリグリセリド
    PPP:パルミチン酸が3個結合したトリグリセリド
    StStSt:ステアリン酸が3個結合したトリグリセリド
    StOSt:1、3位にステアリン酸、2位にオレイン酸が結合したトリグリセリド
    POSt:1、3位にステアリン酸及びパルミチン酸、2位にオレイン酸が結合したトリグリセリド
    POP:1、3位にパルミチン酸、2位にオレイン酸が結合したトリグリセリド
    である。
  2. 更に油相のトリグリセリド組成が下記の(3)を満たす請求項1記載のベーカリー用小片状油脂組成物。
    (3)(StStSt+PPP)/(StStSt+PPP+StOSt+POSt+POP)≦0.5
  3. 請求項1又は2記載のベーカリー用小片状油脂組成物を含有するベーカリー生地。
  4. パン生地である請求項3記載のベーカリー生地。
  5. 請求項3又は4に記載のベーカリー生地の加熱品であるベーカリー製品。
  6. ベースとなるベーカリー生地に請求項1又は2記載のベーカリー用小片状油脂組成物を分散させるベーカリー生地の製造方法。
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