JP2017503518A - 脂肪ブレンドおよびその使用 - Google Patents

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Abstract

脂肪ブレンドは、脂肪ブレンド中のグリセリドにおいてアシル基として存在するC8〜C24の全脂肪酸を基準として、5重量%より多いリノレン酸、10重量%〜50重量%であるステアリン酸、および7重量%未満であるパルミチン酸と、脂肪ブレンド中に存在する全トリグリセリドを基準として、15重量%〜50重量%であるSOSトリグリセリド(SはC8〜C24の飽和脂肪酸を表し、Oはオレイン酸を表す)とを含んでいる。

Description

発明の詳細な説明
本発明は、脂肪ブレンド、脂肪ブレンドを製造するための工程、マーガリンまたはスプレッドを調製するための脂肪ブレンドの使用、ショートニングとしての脂肪ブレンドの使用、マーガリンまたはスプレッドを製造する方法、脂肪ブレンドを含んでいるマーガリンまたはスプレッド、ならびに脂肪ブレンドを含んでいる生地および当該生地から調製される焼成物に関する。
トリグリセリド脂肪は、多くの食用製品の重要な成分である。食品産業において用いられる脂肪は、ヒマワリおよびヤシなどの植物性原料からしばしば用意される。
マーガリンおよびスプレッドは、脂肪を含んでいる食品の例である。マーガリンおよびスプレッドは、脂肪相および水相の乳濁液であり、通常、乳化剤を含む。脂肪の性質は、硬度および食感など、マーガリンまたはスプレッドの全体構造に非常に貢献している。マーガリンおよびスプレッドは、例えば、ベーキングにおいて、および食パンまたはトーストに塗られる層として、多くの応用において用いられ得る。
ショートニングは、脂肪に基づく食品材料の別の例である。ショートニングは、ベーキングにおいて用いられる脂肪であり、典型的には、室温で成形性を有する脂肪である。
パフペーストリーなどのベーカリー製品において得られる積層の望ましい効果は、ショートニング、マーガリンまたはスプレッドを用いて達成することができる。この背景において、脂肪は、時に積層用脂肪と称される。パフペーストリーは、脂肪の層を含んでいる生地から作られる軽い、薄片状ペーストリーである。脂肪の層は、生地に脂肪を塗り、当該生地を折り重ね、それを伸ばすことによって通常得られる。パフペーストリーの層構造は、少なくとも部分的には、脂肪の層によるものである。このタイプの構造が望まれる製品としては、クロワッサン、デニッシュ、およびパイが挙げられる。
米国特許第8586122号は、約20重量%〜約80重量%のエステル交換ヤシ油オレインと、約5重量%〜約25重量%の液体油と、ヤシ油ステアリン、エステル交換ヤシ油ステアリン、ヤシ油オレイン、完全水素化油およびそれらの混合物から成る群から選択される約15重量%〜約75重量%の脂肪と、を含んでいる積層用脂肪を開示している。
欧州特許出願公開第0719091号は、ショートニングおよびマーガリンの製造に適しており、精製シア油とヒマワリ油とのブレンドであり得る脂肪を記載している。この文献において開示されている脂肪は、5重量%またはそれより少ないリノレン酸を有する。
本発明は、マーガリン、スプレッドおよびショートニングにおける使用のための、ヤシ油およびその留分の代替物である組成物を提供することを試みるものである。特に、本発明は、後硬化(すなわち時間の経過によるマーガリンの硬化)を示す傾向が減少し、マーガリンにおいて良好な食感を見せる脂肪ブレンドの提供を目的とする。本発明はまた、生地加工にとってバランスの良い性質(硬すぎず且つダマが少ないが、依然としてペーストリーなどの焼成物において良好な高さおよび構造を提供することが挙げられる)を有する脂肪ブレンドの提供を目的とする。
本発明に従えば、脂肪ブレンド中のグリセリドにおいてアシル基として存在するC8〜C24の全脂肪酸を基準として、5重量%より多いリノレン酸(すなわち全シスおよびトランスC18:3)、10重量%〜50重量%であるステアリン酸、および7重量%未満であるパルミチン酸と、脂肪ブレンド中に存在する全トリグリセリドを基準として、15重量%〜50重量%であるSOSトリグリセリド(SはC8〜C24の飽和脂肪酸を表し、Oはオレイン酸を表す)とを含んでいる脂肪ブレンドが提供される。
本発明はまた、シアステアリンとナタネ油とを混合することを含んでいる、本発明の脂肪ブレンドを作るための工程を提供する。
別の態様において、本発明は、マーガリンまたはスプレッドを製造するための本発明の脂肪ブレンドの使用を提供する。
さらなる態様において、本発明は、ショートニングとしての本発明の脂肪ブレンドの使用を提供する。
本発明はまた、本発明の脂肪ブレンドと水性液体とを混合することを含んでいる、マーガリンまたはスプレッドを製造する方法を提供する。
さらに別の態様において、本発明は、本発明の脂肪ブレンドを含む1〜99重量%の脂肪相と、1〜99重量%の水相とを含んでいる、マーガリンまたはスプレッドを提供する。
本発明の別の態様は、マーガリンまたはスプレッドの後硬化を減少させるための、本発明の脂肪ブレンドの使用である。
本発明はまた、本発明の脂肪ブレンドと小麦粉および水などの1つ以上の他の生地成分とを混合することを含んでいる、生地を製造する方法を提供する。
本発明はまた、本発明の脂肪ブレンドを含む生地、および当該生地から調製される焼成物を提供する。
本発明はさらに、生地製品の構造(例えばパフペーストリーの高さ)を改良するための本発明の脂肪ブレンドの使用を提供する。
本書で使用される場合、脂肪酸という用語は、炭素原子数8〜24の直鎖の飽和または不飽和(モノ、ジおよびポリ不飽和を包含する)カルボン酸を指す。脂肪という用語は、脂肪酸グリセリドの混合物を含んでいる組成物を概して指す。本発明の脂肪ブレンドにおけるグリセリドは、トリグリセリドを主に(例えば全グリセリドを基準として95重量%より多い)含み得るが、例えば全グリセリドを基準として5重量%未満、典型的には2重量%未満の量において、ジグリセリドおよび/またはモノグリセリドを含み得る。
他に記載がない限り、本書で用いられている脂肪酸の全てのパーセンテージは、グリセリドにおけるアシル基として結合している脂肪酸を指し、グリセリドにおけるアシル基として脂肪ブレンドおよび組成物中に存在するC8〜C24の全脂肪酸を基準とする重量による。本発明の組成物中に存在する脂肪酸のレベルは、GC−FAME(ISO15304またはAOCS Ce 1f−96など)など、当業者によく知られている方法によって測定され得る。
SOS、SLSおよびOOOなどのトリグリセリド組成物(SはC8〜C24の飽和脂肪酸を表し、Lはリノール酸を表し、Oはオレイン酸を表す)は、Ag−HPLC分析によって測定され得る。この分析において、硝酸銀含浸シリカカラムが用いられ、検出は蒸発光散乱検出器(ELSD)を用いて行われる。
トリグリセリド脂肪は、しばしば、その脂肪酸含量およびトリグリセリドにおける脂肪酸の位置の観点から特徴付けられる。典型的には、略語Sは、飽和脂肪酸残基を表すために用いられ、Uは、不飽和脂肪酸残基を表す。そのため、例えば、3つの飽和脂肪酸残基を含んでいる純粋なトリグリセリドは、SSS(S3またはSと同じ意味を有している)と表され、1位および3位において飽和脂肪酸を有しており且つ2位において不飽和脂肪酸を有しているトリグリセリドは、SUSと表される。S2U(またはその同等の用語SU)は、SSUおよびSUSを合わせたものを指し、SU2(またはSU)は、SUUおよびUSUを合わせたものを指す。U3(またはU)は、UUUを指す。
本発明の脂肪ブレンドは、好ましくは脂肪ブレンド中のグリセリドにおいてアシル基として存在するC8〜C24の全脂肪酸を基準として、5.1重量%〜8.0重量%、より好ましくは5.2重量%〜7.0重量%(5.3重量%〜6.5重量%など)のリノレン酸を含んでいる。本書において用いられる“リノレン酸”という用語は、全シスおよびトランスC18:3を指す。
好ましくは、脂肪ブレンドは、脂肪ブレンド中に存在する全トリグリセリドを基準として3重量%未満であるSSSトリグリセリド(SはC8〜C24の飽和脂肪酸を表す)を含む。より好ましくは、脂肪ブレンドは、脂肪ブレンド中に存在する全トリグリセリドを基準として2重量%未満、さらに好ましくは1.5重量%未満であるSSSトリグリセリド(SはC8〜C24の飽和脂肪酸を表す)を含む。
本発明の脂肪ブレンドは、典型的には、植物油の1つ以上のステアリン留分と、1つ以上の液体油との混合物である。本発明の脂肪ブレンドは、好ましくは、シアステアリンとナタネ油とのブレンドを含む、またはシアステアリンとナタネ油とのブレンドから実質的に成る、またはシアステアリンとナタネ油とのブレンドから成る。シアステアリンおよびナタネ油は、市販の原料である。シアステアリンは、シアナッツ油の湿式分画または乾式分画、より好ましくは乾式分画によって製造され得る。
好ましくは、脂肪ブレンドは、脂肪ブレンド中に存在する全トリグリセリドを基準として6重量%未満、より好ましくは5重量%未満(4.5重量%未満など)のSLSトリグリセリド(SはC8〜C24の飽和脂肪酸を表し、Lはリノール酸である)を含んでいる。
好ましい本発明の脂肪ブレンドは、30重量%〜70重量%のシアステアリンおよび70重量%〜30重量%のナタネ油を含んでいる。より好ましい脂肪ブレンドは、30重量%〜60重量%のシアステアリンおよび70重量%〜40重量%のナタネ油を含んでいる。より好ましくは、脂肪ブレンドは、35重量%〜55重量%のシアステアリンおよび65重量%〜45重量%のナタネ油を含んでいる。脂肪ブレンドは、唯一の成分として、シアステアリンおよびナタネ油を含み得る。あるいは、例えば脂肪ブレンドの10重量%の量まで、または20重量%の量まで、他の脂肪成分も存在し得る。
本発明の脂肪ブレンドには、典型的には、遺伝子組み換えの原料由来の成分が存在しない。本発明の脂肪ブレンドは、植物性原料由来である。脂肪ブレンドには、通常、トランス脂肪酸が存在せず、例えば脂肪ブレンドは、存在する全脂肪酸を基準として、1重量%未満、より典型的には0.5重量%未満のトランス脂肪酸を含み得る。
本発明の脂肪ブレンドは、好ましくはグリセリド中に存在する全脂肪酸を基準として、少なくとも70重量%、より好ましくは少なくとも80重量%または少なくとも85重量%(例えば少なくとも90重量%など)の量においてC18脂肪酸(オレイン酸、ステアリン酸、 リノール酸およびリノレン酸を包含する)を含む。
好ましくは、脂肪ブレンドは、脂肪ブレンド中のグリセリドにおいてアシル基として存在するC8〜C24の全脂肪酸を基準として、20重量%〜40重量%であるステアリン酸を含む。
本発明の脂肪ブレンドは、好ましくはグリセリド中に存在する全脂肪酸を基準として、10重量%未満、より好ましくは8重量%未満、さらに好ましくは5重量%未満の含量のC8〜C16の脂肪酸を含む。
好ましくは、脂肪ブレンドは、脂肪ブレンド中のグリセリドにおいてアシル基として存在するC8〜C24の全脂肪酸を基準として、6重量%未満、より好ましくは5重量%未満のパルミチン酸を含む。
好ましくは、本発明の脂肪ブレンドは、脂肪ブレンド中のグリセリドにおいてアシル基として存在するC8〜C24の全脂肪酸を基準として、20重量%未満、より好ましくは18重量%未満(5〜15重量%など)の含量のリノール酸を含む。
好ましくは、本発明の脂肪ブレンドは、脂肪ブレンド中に存在する全トリグリセリドを基準として、30重量%〜45重量%であるSOSトリグリセリド(SはC8〜C24の飽和脂肪酸を表し、Oはオレイン酸を表す)を含む。
本発明の脂肪ブレンドは、好ましくは5:1より大きい、より好ましくは7:1より大きい、さらに好ましくは10:1より大きいSO(すなわちSSOおよびSOS)トリグリセリドとSL(すなわちSSLおよびSLS)トリグリセリドとの重量比を有する(SはC8〜C24の飽和脂肪酸を表し、Oはオレイン酸を表し、Lはリノール酸を表す)。
本発明の脂肪ブレンドは、好ましくは、全トリグリセリドを基準として、10重量%〜30重量%、より好ましくは10重量%〜25重量%の含量のOOOトリグリセリド(トリオレイン)を含む。
好ましい実施形態において、本発明の脂肪ブレンドは、
脂肪ブレンド中のグリセリドにおいてアシル基として存在するC8〜C24の全脂肪酸を基準として、5.1重量%〜8.0重量%であるリノレン酸、20重量%〜40重量%であるステアリン酸、6重量%未満であるパルミチン酸および20重量%未満であるリノール酸と、
脂肪ブレンド中に存在する全トリグリセリドを基準として、15重量%〜50重量%であるSOSトリグリセリド(SはC8〜C24の飽和脂肪酸を表し、Oはオレイン酸を表す)とを含んでいる。
別の好ましい実施形態において、本発明の脂肪ブレンドは、
シアステアリンおよびナタネ油と、
脂肪ブレンド中のグリセリドにおいてアシル基として存在するC8〜C24の全脂肪酸を基準として、5.2重量%〜8.0重量%であるリノレン酸、20重量%〜40重量%であるステアリン酸、5重量%未満であるパルミチン酸および5〜15重量%であるリノール酸と、
脂肪ブレンド中に存在する全トリグリセリドを基準として、15重量%〜50重量%であるSOSトリグリセリド(SはC8〜C24の飽和脂肪酸を表し、Oはオレイン酸を表す)と、
重量比が7:1より大きいSOトリグリセリドおよびSLトリグリセリド(SはC8〜C24の飽和脂肪酸を表し、Oはオレイン酸を表し、Lはリノール酸を表す)を含んでいる。
本発明の脂肪ブレンドは、マーガリンおよびスプレッド(タブマーガリン、ラッパーマーガリン、およびベーカリーマーガリンを包含する)において使用され得る。
本発明のマーガリンまたはスプレッドは、好ましくは、1重量%〜99重量%の本発明の脂肪ブレンド、および1重量%〜99重量%の水相を含んでいる。
マーガリンは、典型的には、油中水型乳濁液として約80重量%〜90重量%の脂肪を含む。スプレッドは、通常、より低い脂肪含量を有しており、脂肪連続相スプレッドもしくは水連続相スプレッド、または共連続相スプレッドおよび減脂スプレッドを包含する。
スプレッドおよびマーガリンは、本発明の脂肪ブレンドと水相、および典型的には乳化剤を混合することによって形成され得る。植物性脂肪および水相の量は、典型的には、10重量%〜90重量%の植物性脂肪および90重量%〜10重量%の水相(20重量%〜80重量%の植物性脂肪および80重量%〜20重量%の水相、または30重量%〜70重量%の植物性脂肪および70重量%〜30重量%の水相など)にわたる。マーガリンおよびスプレッドのさらなる成分としては、1つ以上の着色料(ベータカロチンなど)、調味料(例えば、食塩および/またはクエン酸)、防腐剤(例えばソルビン酸カリウム)および乳化剤(レシチンまたは完全硬化植物油など)が挙げられ;典型的には、これらの成分は、スプレッドまたはマーガリンの5重量%未満(0.1〜3重量%など)の量において存在する。植物性脂肪および水相からのスプレッドおよびマーガリンの調製は、当業者によく知られている。
本発明の脂肪ブレンドを用いて形成され得るスプレッドまたはマーガリンの例は、10重量%〜90重量%の脂肪と、10重量%〜90重量%の水と、0.1重量%〜10重量%の添加剤(1つ以上の着色料、調味料および乳化剤が挙げられる)とを含んでいる。成分の総量が合計100%になることは理解されるであろう。
本発明の脂肪ブレンドを用いて形成されるマーガリンおよびスプレッドは、良好な食感(相対的な低硬度を包含する)を示すことが見出された。本発明の脂肪ブレンドを用いて形成されるマーガリンおよびスプレッドは、後硬化の減少を示すことが同様に見出された。
マーガリンおよびスプレッドは、例えばタブまたはラッパーに包装され得る。
本発明の脂肪ブレンドは、ベーカリー脂肪としての使用のために典型的には好適であり、ベーカリー脂肪として用いられ得る。脂肪ブレンドは、ショートニング、マーガリンまたはスプレッドの形態においてベーカリー脂肪として用いられ得る。ショートニングは、典型的には、機械的処理および/または1つ以上の乳化剤の添加によって塑性となった脂肪ブレンドを塑性形態において含む。
そのため、本発明のショートニングは、本発明の脂肪ブレンドと、任意で1つ以上の乳化剤(モノグリセリド、ジグリセリド、PGPRおよびそれらの混合物など)とを含む。ショートニングは、通常、少なくとも95重量%(例えば96重量%〜100重量%)の本発明の脂肪ブレンドを含み得る。
本発明の脂肪ブレンドは、ベーカリー製品の製造において用いられ得る。ベーカリー製品は、薄層状構造を好ましくは有する。例えば、脂肪ブレンドは、ショートニング、マーガリンまたはスプレッドの形態において、パフペーストリー、パイまたはクロワッサンのための積層用脂肪として用いられ得る(または当該積層用脂肪として使用のために好適であり得る)。
本発明の脂肪ブレンドは、ショートニング、マーガリンまたはスプレッドの形態において、生地を形成するために用いられ得る。生地は、少なくとも小麦粉と水とを含み、好ましくは、生地の重量を基準として、30重量%〜60重量%の量の小麦粉と、10重量%〜40重量%の量の水と、10重量%〜50重量%の量における本発明の脂肪ブレンドとを含む。任意で、1つ以上のさらなる原料(食塩、小麦粉改質剤および乳化剤など)が生地中に含まれ得る。
本発明のベーカリー製品は、生地から作られる。生地は、好ましくは薄層状構造を有する。ベーカリー製品としては、例えば、パフペーストリー、クロワッサン、デニッシュペーストリーおよびパイが挙げられる。
本発明に従い作られるベーカリー製品は、好ましくは積層用脂肪として、本発明の脂肪ブレンドを含む。本発明のベーカリー製品を製造するために用いられる生地は、ショートニングおよび積層用脂肪として、脂肪ブレンド(ショートニング、マーガリンまたはスプレッドの形態において)を含み得る。あるいは、生地は、生地におけるショートニングとして本発明の脂肪ブレンド以外の脂肪を用いて調製されたものであり得るが、本発明の脂肪ブレンドは、積層用脂肪(ショートニング、マーガリンまたはスプレッドの形態において)として用いられ得る。薄層状の生地は、例えば、生地の層が本発明の脂肪ブレンドの層と交互になっている製品を形成するために、生地の複数の層に本発明の脂肪ブレンド(ショートニング、マーガリンまたはスプレッドの形態において)を適用することを含む方法によって、調製され得る。典型的には、当該方法は、ショートニング、マーガリンまたはスプレッドの形態において本発明の脂肪ブレンドを生地に適用すること、当該生地を折り重ねること、および当該折り重ねた生地を伸ばすことを含んでいる。
本発明の脂肪ブレンドを含んでいる生地は、積層用脂肪および/またはショートニングとして、使用前に冷やされるか、冷凍されるか、またはそうでなければ貯蔵され得る。冷凍生地は、包装され消費者へ販売され得る。
本発明のベーカリー製品を形成するために、薄層状生地は、好ましくはオーブンにおいて焼かれる。特定のベーカリー製品を焼くための好適な時間および温度は、当業者によく知られている。
本発明の脂肪ブレンドを用いて製造される焼成物は、ペーストリーに良好な構造を与えることが見出されている。例えば、本発明の脂肪ブレンドは、薄層状製品(パフペーストリーなど)の高さを増加し得、および/または、ひだの部分におけるペーストリーの構造を改善し得る。
本発明の脂肪ブレンド、マーガリン、スプレッド、ショートニング、生地およびベーカリー製品において、種々の成分のパーセンテージの値が、明示的には記載されていない他の任意の成分(存在する場合)と合わせて、合計100%となることは、理解されるであろう。
本明細書における先行して公知となったと思われる文献の列挙または議論は、当該文献が最新技術の一部または共通の一般知識であるとして、必ずしも認定されるべきではない。
他に記載がない限り、本発明の所定の態様、実施形態、特徴、またはパラメータについての(好適な)選択および(任意の)選択は、本発明の他の全ての態様、実施形態、特徴、およびパラメータについての何れかおよび全ての(好適な)選択および(任意の)選択との組み合わせにおいて開示されているとみなされるべきである。例えば、脂肪ブレンドの好ましい特徴は、脂肪ブレンドが本発明のマーガリン、スプレッドおよびショートニングにおいて用いられるときに、適用され得る。
以下の非制限的な実施例は本発明を説明するものであり、如何なる場合にもその範囲を制限することはない。実施例および本明細書中において、全てのパーセンテージ、割合および比率は、他に示唆がない限り、重量による。
[実施例]
(実施例1)
脂肪ブレンドを、50重量%シアステアリン(SHs)と50重量%ナタネ油(RP)とを混合することによって調製した(実施例1−1)。別の脂肪ブレンドを、40重量%SHsと60重量%RPとを混合することによって調製した(実施例1−2)。当該ブレンドを分析し、その結果を、60%SHsと40%ヒマワリ油(SF)とのブレンド(比較実施例1−3)、および50%SHsと50%SFとのブレンド(比較実施例1−4)と比較した。当該結果を、以下の表に提示する。
Figure 2017503518
Figure 2017503518
上記の表において、IVFAMEは、計算されたヨウ素価を指し、Cx:yは、x個の炭素原子およびy個の二重結合を有している脂肪酸を指す。cはシス脂肪酸を指し、tはトランス脂肪酸を指す。Tトランスは、全トランス脂肪酸を意味する。脂肪酸の略語であるM(ミリスチン)、P(パルミチン酸)、St(ステアリン酸)、O(オレイン酸)、L(リノール酸)およびA(アラキン酸)等は、本技術分野において通常用いられる通りである。Sは、上記で定義されている通りである。SAFA、MUFAおよびPUFAは、飽和、モノ不飽和およびポリ不飽和脂肪酸含量をそれぞれ指す。
(実施例2)
マーガリン(80%脂肪)を、実施例1−1〜1−4の脂肪ブレンドと、ヤシ油(PO)およびヤシ油ステアリン(POs)を含んでいるヤシベース脂肪(比較実施例2−5)とを用いて調製した。配合は、以下の通りである。
Figure 2017503518
マーガリンを、従来のA,Cシークエンス(スループット8.4kg/h、A−ユニット(1400rpm)における出口温度20℃、C−ユニット(100rpm)における出口温度24℃)を用いて加工した。ライン圧は、2〜6.3バールまで変動した。マーガリンは、製造後、18℃において貯蔵する。以下の表は、工程の条件を提示する。
Figure 2017503518
(実施例3)
実施例2において製造したマーガリンを、相対的な硬度について試験した。結果を、以下の表に示す。
Figure 2017503518
硬度を、Brookfield TexturePro CT TA40 V1.5を用いて以下のように測定した。
Figure 2017503518
結果は、本発明のマーガリンが、比較実施例2−5において見られる後硬化の影響なしに、比較実施例2−2〜2−4と比較して良好な柔らかさを見せることを示している。
(実施例4)
375gの脂肪ブレンド(実施例1−1〜1−5の脂肪ブレンド)を、500gの極上小麦粉、260gの水、5gの食塩と混合することによって、パフペーストリーを調製した。混練を、200rpmの低速および1400rpmの高速において行った。
伸ばしを、mm30−25−22−20−18−16−14−12−0において減少させた。200℃で32分間焼いた。
Figure 2017503518
結果は、本発明の脂肪ブレンドが、非ヤシである比較実施例と比較して、良好な高さおよび幅のひだを有するパフペーストリーを生み出すことを示している。

Claims (15)

  1. 脂肪ブレンド中のグリセリドにおいてアシル基として存在するC8〜C24の全脂肪酸を基準として、5重量%より多いリノレン酸、10重量%〜50重量%であるステアリン酸、および7重量%未満であるパルミチン酸と、
    脂肪ブレンド中に存在する全トリグリセリドを基準として、15重量%〜50重量%であるSOSトリグリセリド(SはC8〜C24の飽和脂肪酸を表し、Oはオレイン酸を表す)とを含んでいる、脂肪ブレンド。
  2. 上記脂肪ブレンド中のグリセリドにおいてアシル基として存在するC8〜C24の全脂肪酸を基準として、5.1重量%〜8.0重量%であるリノレン酸を含んでいる、請求項1に記載の脂肪ブレンド。
  3. シアステアリンとナタネ油とのブレンドを含んでいる、またはシアステアリンとナタネ油とのブレンドから成る、請求項1または2に記載の脂肪ブレンド。
  4. 上記脂肪ブレンド中に存在する全トリグリセリドを基準として、6重量%未満であるSLSトリグリセリド(Sは請求項1において規定されているものと同様であり、Lはリノール酸である)を含んでいる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の脂肪ブレンド。
  5. 遺伝子組み換えの原料由来の成分が存在しない、請求項1〜4のいずれか1項に記載の脂肪ブレンド。
  6. 30重量%〜70重量%のシアステアリンと、70重量%〜30重量%のナタネ油とを含んでいる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の脂肪ブレンド。
  7. グリセリドにおいてアシル基として存在する全脂肪酸を基準として、5重量%〜15重量%の量においてリノール酸を含んでいる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の脂肪ブレンド。
  8. 上記脂肪ブレンド中に存在する全トリグリセリドを基準として、10重量%〜30重量%であるOOOトリグリセリド(トリオレイン)を含んでいる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の脂肪ブレンド。
  9. シアステアリンとナタネ油とを混合することを含んでいる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の脂肪ブレンドを製造するための工程。
  10. マーガリンまたはスプレッドを調製するための、請求項1〜8のいずれか1項に記載の脂肪ブレンドの使用。
  11. ショートニングとしての、請求項1〜8のいずれか1項に記載の脂肪ブレンドの使用。
  12. 水性液体と、請求項1〜8のいずれか1項に記載の脂肪ブレンドとを混合することを含んでいる、マーガリンまたはスプレッドを製造する方法。
  13. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の脂肪ブレンドを含む1重量%〜99重量%の脂肪相と、1重量%〜99重量%の水相とを含んでいる、マーガリンまたはスプレッド。
  14. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の脂肪ブレンドを含んでいる生地。
  15. 請求項14に記載の生地から調製される焼成物。
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