JP2017093365A - 可塑性油脂組成物、その製造方法、及び、その可塑性油脂組成物を用いた食品 - Google Patents

可塑性油脂組成物、その製造方法、及び、その可塑性油脂組成物を用いた食品 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、良好な可塑性と口溶けを示し、且つファットポンプの強力な圧力にも耐えうる、コシのある可塑性油脂組成物を提供すること。
【解決手段】パーム中部油1質量部に対し、ラードを1.0〜5.0質量部の比率で含有し、且つ、油相中に極度硬化油を0.5〜12質量%含有することを特徴とする可塑性油脂組成物。該油脂組成物の油相のSFC(固体脂含量)は、10℃で20〜60%、20℃で10〜40%であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、良好な可塑性と口溶けを示し、且つファットポンプの強力な圧力にも耐えうる、コシのある可塑性油脂組成物、その可塑性油脂組成物の製造方法、及び、その可塑性油脂組成物を使用して得られる食品に関する。
パーム油やパームステアリン、パーム中融点部などのパーム系油脂は天然の油脂でありながら固形脂である点で、可塑性油脂組成物の原料油脂としてよく使用される。
しかし、これらのパーム系油脂は対称型トリグリセリドを比較的多く含有するため、このパーム系油脂を使用した可塑性油脂組成物は口溶けが大変良好であるが、反面、低融点では硬くて使用しづらいため、パイやデニッシュ製造の際のロールイン油脂として使用した場合に伸展性に乏しい、という問題があった。
また、これらのパーム系油脂を使用したロールイン油脂は比較的コシが弱いという問題もあった。
特に、パイやデニッシュの製造の際に、連続製造ラインを使用する場合、ロールイン油脂はファットポンプを使用することとなるが、ファットポンプでは強力な圧力がかかることから、コシの弱いロールイン油脂であると簡単にコシが抜けてしまい、ひどい場合は乳化破壊が発生してしまう。そのような油脂を使用して得られたパイやデニッシュは浮きも悪く不均等で、また、内相も不均一でパン目になってしまう。
このように、可塑性油脂、特にロールイン油脂に用いるには不適であるとされていたパーム系油脂を使用しながら、良好な可塑性を示し、且つコシのあるロールイン油脂を得るために各種の検討が行われてきた。
例えば、豚脂とパーム系油脂を、1,3−位特異性を有するリパーゼでエステル交換して得られたエステル交換油を使用する方法(例えば特許文献1参照)や、パームステアリンとラードを特定比で使用する方法(例えば特許文献2参照)、豚脂系油脂とパーム系油脂を配合してコンパウンド結晶を生成させる方法(例えば特許文献3参照)等が試みられてきた。
しかし、特許文献1や特許文献2に記載の方法においては、ある程度のコシはあるもののファットポンプの強力な圧力の前ではそのコシも不十分なものであり、また、口溶けの悪い非対称型トリグリセリドが比較的多く含まれるため、使用量によっては口溶けが悪化してしまう問題があった。また特許文献3に記載の方法は、融点が低い割には十分な硬さの油脂組成物とすることができるが、反面、ロールイン油脂に使用する際は融点相応のコシしかなく、ファットポンプの強力な圧力の前ではそのコシも全く不十分なものであった。
特開2008−161176号公報 特開2005−320445号公報 特開2003−213289号公報
従って、本発明の目的は、パーム系油脂を使用しながら、良好な可塑性と口溶けを示し、且つファットポンプの強力な圧力にも耐えうる、コシのある可塑性油脂組成物、その可塑性油脂組成物の製造方法、及びその可塑性油脂組成物を使用して得られる食品を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成すべく種々検討した結果、パーム中部油とラードを油相中で1.0〜5.0質量部の比率で含有し、且つ、油相中に一定の比率で配合し、さらに極度硬化油を特定量配合することで上記問題を解決可能であることを見出した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、パーム中部油1質量部に対し、ラードを1.0〜5.0質量部の比率で含有し、且つ、油相中に極度硬化油を0.5〜12質量%含有することを特徴とする可塑性油脂組成物を提供するものである。
また本発明は、パーム中部油1質量部に対し、ラードを1.0〜5.0質量部の比率で含有し、且つ、極度硬化油を0.5〜12質量%含有する油相を融解し、冷却、結晶化することを特徴とする可塑性油脂組成物の製造方法を提供するものである。
さらに本発明は、上記可塑性油脂組成物を用いて得られる食品を提供するものである。
本発明によれば、パーム系油脂を使用しながら、良好な可塑性と口溶けを示し、且つファットポンプの強力な圧力にも耐えうる、コシのある可塑性油脂組成物を容易に得ることができる。また、上記可塑性油脂組成物を用いて食品、特にパイやデニッシュをファットポンプを使用した連続生産ラインで製造した場合であっても、浮きが良好且つ均質で、内相も良好なものとすることができる。
以下、本発明の可塑性油脂組成物について詳述する。
本発明で使用するパーム中部油とは、パーム油から2段分別で得られる中融点画分であり、上昇融点が26〜37℃、ヨウ素価が32〜48のものである。本発明では、上記上昇融点が30〜33℃、ヨウ素価が34〜45のものを使用することが好ましい。
また、上記パーム中部油は、該中融点画分を、更に分別及び/又はエステル交換処理を施したものであってもよい。
本発明で使用するラードとしては、豚脂、豚脂分別軟部油及び豚脂分別中部油が挙げられる。本発明では、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。本発明では、最も良好な香味と口溶けを有し、且つ良好なコシのある可塑性油脂組成物を得ることができる点で、豚脂を用いるのが好ましい。
本発明の可塑性油脂組成物は、油相中において、パーム中部油1質量部に対し、ラードを1.0〜5.0質量部、好ましくは1.3〜4.0質量部、より好ましくは1.5〜3.0質量部となるように配合する。そして、好ましくは油相中のパーム中部油及びラードの含有量が合計で50〜99.5質量%、より好ましくは70〜99.5質量%、さらに好ましくは80〜99.5質量%となるように配合する。
パーム中部油1質量部に対し、ラードの配合量が1.0質量部未満である場合、可塑性油脂組成物が硬くなりすぎて可塑性、特にロールイン油脂とした場合の伸展性が悪化する上に、パーム中部油特有の風味が可塑性油脂組成物に残ってしまう問題があり、5.0質量部を超えると、可塑性油脂組成物が軟らかくなりすぎて可塑性が不十分になり、特にロールイン油脂とした場合にコシが抜けてしまい、ファットポンプを使用した場合のコシの抜け方が激しくなってしまうという問題がある。
本発明で使用する極度硬化油脂は、原料油脂に対しヨウ素価が好ましくは10以下、さらに好ましくは5以下、最も好ましくは1未満となるまで水素添加し、実質的に構成成分である不飽和脂肪酸をほぼ完全に飽和することによって得られる油脂である。なお、その融点は好ましくは50℃以上、より好ましくは55℃以上である。
また、上記極度硬化油脂は、上記極度硬化油脂を更に分別した硬部油、あるいは1種又は2種以上の極度硬化油脂をエステル交換したものであってもよく、また、極度硬化油脂と、飽和脂肪酸や、飽和脂肪酸を主体とする部分グリセリド等とをエステル交換したものであってもよい。本発明では、これら全てを極度硬化油脂として扱う。
本発明では、極度硬化油脂の原料油脂は特に制限なく、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、ナタネ油、ハイエルシンナタネ油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、牛脂、乳脂、カカオ脂、魚油、鯨油等の各種植物油脂や動物油脂を使用することができるが、ファットポンプを通過した後のコシの強さが良好である点でナタネ油、ハイエルシンナタネ油、大豆油、パーム油のうちのの1種又は2種以上を使用することが好ましい。
すなわち、本発明では極度硬化油として、ナタネ極度硬化油、ハイエルシン酸ナタネ極度硬化油、大豆極度硬化油、パーム極度硬化油のうちの一種又は2種以上を使用することが好ましい。
なお、本発明の可塑性油脂組成物における上記極度硬化油の配合量は、油相中に、極度硬化油脂を油相基準で0.5〜12質量%、好ましくは1〜5質量%である。該極度硬化油脂の含有量が0.5質量%未満であると、良好なコシのある油脂が得られず、また、該極度硬化油脂の含有量が12質量%を超えると、可塑性、特にロールイン油脂に使用した場合の伸展性が悪くなってしまうことに加え、得られる食品の食感がワキシーなものとなってしまう。
本発明の可塑性油脂組成物には、必要に応じ、パーム中部油、ラード及び極度硬化油以外のその他の油脂を使用することができる。その他の油脂の使用量は、本発明の可塑性油脂組成物に使用する全油脂分中、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下、最も好ましくは5質量%以下とする。
ここで用いられるその他の油脂としては、特に限定されないが、例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、菜種油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、牛脂、乳脂、カカオ脂、魚油、鯨油等の各種植物油脂、動物油脂並びにこれらを水素添加、分別及びエステル交換から選択される一又は二以上の処理を施した加工油脂が挙げられる。本発明においては、これらの油脂を単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明の可塑性油脂組成物においては、油相のSFC(固体脂含量)を、10℃で好ましくは20〜60%、より好ましくは20〜50%、且つ、20℃で好ましくは10〜40%、より好ましくは10〜30%とする。SFCが10℃で20%未満又は20℃で10%未満であると、十分な硬さが得られず、広い温度範囲での良好な可塑性が得られ難い。一方、SFCが10℃で60%を超える又は20℃で40%を超えると、油脂組成物が硬すぎて、広い温度範囲での良好な可塑性を得難い。
上記のSFCは、次のようにして測定する。即ち、油相を60℃に30分保持して完全に融解した後、0℃に30分保持して固化させる。次いで、25℃に30分保持し、テンパリングを行い、その後、0℃に30分保持する。これをSFCの各測定温度に順次30分保持後、SFCを測定する。
また、本発明の可塑性油脂組成物は、実質的にトランス脂肪酸を含まないことが好ましい。水素添加は、油脂の融点を上昇させる典型的な方法であるが、水素添加油脂は、完全水素添加油脂を除いて、通常構成脂肪酸中にトランス脂肪酸が10〜50質量%程度含まれている。一方、天然油脂中にはトランス脂肪酸が殆ど存在せず、反芻動物由来の油脂に10質量%未満含まれているにすぎない。近年、化学的な処理、特に水素添加に付されていない油脂組成物、即ち実質的にトランス脂肪酸を含まない油脂組成物であって、適切なコンシステンシーを有するものも要求されている。本発明の可塑性油脂組成物は、パーム中部油にもラードにも極度硬化油にも実質的にトランス脂肪酸を含まないため、必要に応じて加えるその他の油脂として水素添加油脂を使用しないことにより、トランス脂肪酸を含まずとも適切なコンステンシーを得ることができる。なお、ここでいう「実質的にトランス脂肪酸を含まない」とは、トランス脂肪酸の含有量が、本発明の可塑性油脂組成物の全構成脂肪酸中、好ましくは10質量%未満、さらに好ましくは5質量%以下、最も好ましくは2質量%以下であることを意味する。
その他、本発明の可塑性油脂組成物には、油脂以外の成分を含有させることができる。油脂以外の成分としては、例えば、水、乳化剤、増粘安定剤、食塩や塩化カリウム等の塩味剤、酢酸、乳酸、グルコン酸等の酸味料、糖類や糖アルコール類、ステビア、アスパルテーム等の甘味料、β−カロチン、カラメル、紅麹色素等の着色料、トコフェロール、茶抽出物等の酸化防止剤、小麦蛋白や大豆蛋白といった植物蛋白、卵及び各種卵加工品、水、着香料、乳製品、アミノ酸、調味料、pH調整剤、食品保存料、日持ち向上剤、果実、果汁、コーヒー、ナッツペースト、香辛料、カカオマス、ココアパウダー、穀類、豆類、野菜類、肉類、魚介類等の食品素材や食品添加物が挙げられる。
本発明の可塑性油脂組成物において、油脂以外の成分の使用量は、それらの成分の使用目的等に応じて適宜選択することができ、特に制限されるものではないが、油相中において、油脂以外の成分の使用量は、好ましくは合計で50質量%以下とし、また、本発明の可塑性油脂組成物を乳化物とする場合、油相と水相との比率(前者:後者)は、好ましくは50〜50:95〜5であり、水相中において、水以外の成分の使用量は、好ましくは合計で25質量%以下とする。
上記乳化剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン有機酸脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、レシチン、サポニン類等が挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。上記乳化剤の配合量は、特に制限はないが、本発明の可塑性油脂組成物中、好ましくは0.05〜3質量%、さらに好ましくは0.1〜1質量%である。また、本発明の可塑性油脂組成物において、上記乳化剤が必要でなければ、乳化剤を用いなくてもよい。
上記増粘安定剤としては、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、アラビアガム、アルギン酸類、ペクチン、キサンタンガム、プルラン、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、寒天、グルコマンナン、ゼラチン、澱粉、化工澱粉等が挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。上記増粘安定剤の配合量は、特に制限はないが、本発明の可塑性油脂組成物中、好ましくは0〜10質量%、さらに好ましくは0〜5質量%である。また、本発明の可塑性油脂組成物において、上記増粘安定剤が必要でなければ、増粘安定剤を用いなくてもよい。
次に、本発明の可塑性油脂組成物の好ましい製造方法を説明する。本発明の可塑性油脂組成物は、パーム中部油1質量部に対し、ラードを1.0〜5.0質量部の比率で含有し、且つ、極度硬化油を0.5〜12質量%含有する油相を融解し、冷却、結晶化することにより得ることができる。
詳しくは、本発明の可塑性油脂組成物は、パーム中部油1質量部に対し、ラードを1.0〜5.0質量部の比率で含有し、且つ、極度硬化油を0.5〜12質量%含有する油相を溶解し、必要によりその他の成分を混合し、溶解する。そして、次に殺菌処理するのが望ましい。殺菌方法はタンクでのバッチ式でも、プレート型熱交換機や掻き取り式熱交換機を用いた連続式でも構わない。次に、冷却、結晶化する。本発明において、冷却条件は好ましくは−0.5℃/分以上、さらに好ましくは−5℃/分以上である。この際、徐冷却より急速冷却の方が好ましいが、本発明では徐冷却であっても、可塑性範囲が広く、低温での伸展性に優れ、経日的にも硬さが変化せず安定した油脂組成物を得ることができる。冷却する機器としては、密閉型連続式チューブ冷却機、例えばボテーター、コンビネーター、パーフェクター等のマーガリン製造機やプレート型熱交換機等が挙げられ、また、開放型のダイアクーラーとコンプレクターの組み合わせ等が挙げられる。
また、本発明の可塑性油脂組成物を製造する際のいずれかの製造工程で、窒素、空気等を含気させても、させなくても構わない。
本発明の可塑性油脂組成物は、水分を含有するマーガリンタイプでも水分を含有しないショートニングタイプでもよい。また、乳化物とする場合、その乳化形態は、油中水型、水中油型及び二重乳化型のいずれでも構わない。
また、本発明の可塑性油脂組成物の用途としては、練り込み用油脂組成物、ロールイン用油脂組成物、フィリング用油脂組成物、サンド用油脂組成物、トッピング用油脂組成物、スプレッド用油脂組成物、スプレー用油脂組成物、コーティング用油脂組成物、フライ用油脂組成物、クリーム用油脂組成物等が挙げられ、これらの中でも、本発明の可塑性油脂組成物は広い温度域で可塑性が良好(伸展性が良好)であり、また加工軟化性が低い(コシが強い)点から、ロールイン用油脂組成物として好ましく使用することができ、さらには、ファットポンプを使用するロールイン用油脂組成物として特に好ましく使用できる。
本発明の可塑性油脂組成物は、ロールイン用油脂組成物として使用する場合、シート状、ブロック状、円柱状等の形状として使用することができる。各々の形状についての好ましいサイズは、シート状:縦50〜1000mm、横50〜1000mm、厚さ1〜50mm、ブロック状:縦50〜1000mm、横50〜1000mm、厚さ50〜500mm、円柱状:直径1〜25mm、長さ5〜100mmである。
なお、ファットポンプを使用するロールイン用油脂としては、上記の形状の中でもブロック状に成形することが好ましい。
また、本発明の可塑性油脂組成物を利用して、食パン、菓子パン、デニッシュ、パイ、シュー、ドーナツ、バターケーキ、スポンジケーキ、クッキー、ハードビスケット、ワッフル、スコーン等のベーカリー製品を得ることができる。また、本発明の可塑性油脂組成物の上記用途における使用量は、使用用途により異なるものであり、特に限定されるものではない。
〔実施例1〕
パーム中部油(融点=33℃、ヨウ素価=40、トランス脂肪酸=2質量%以下)30質量部、豚脂(ヨウ素価=65、トランス脂肪酸=2質量%以下)67.5質量部及びパーム極度硬化油(ヨウ素価=1、トランス脂肪酸=0質量%)2質量部、並びに乳化剤としてステアリン酸モノグリセリド0.4質量部及びレシチン0.1質量部を混合溶解した油相81質量%と、水16質量%、食塩1質量%及び脱脂粉乳2質量%を混合溶解した水相とを、常法により油中水型の乳化物とし、急冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分以上)にかけ、油相中にパーム中部油1質量部に対しラードを2.3質量部含有し、油相中のSFCが10℃で46%、20℃で29%であり、油相中のパーム中部油及びラードの含有量が合計で97.5質量%であり、トランス脂肪酸含量が2質量%以下であり、マーガリンタイプのロールイン用である本発明の可塑性油脂組成物を得た。なお、得られたロールイン用油脂組成物は縦450mm、横300mm、厚さ80mmのブロック状に成形した。
〔実施例2〕
パーム中部油(融点=33℃、ヨウ素価=40、トランス脂肪酸=2質量%以下)45質量部、豚脂(ヨウ素価=65、トランス脂肪酸=2質量%以下)52.5質量部及びパーム極度硬化油(ヨウ素価=1、トランス脂肪酸=0質量%)2質量部、並びに乳化剤としてステアリン酸モノグリセリド0.4質量部及びレシチン0.1質量部を混合溶解した油相81質量%と、水16質量%、食塩1質量%及び脱脂粉乳2質量%を混合溶解した水相とを、常法により油中水型の乳化物とし、急冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分以上)にかけ、油相中にパーム中部油1質量部に対しラードを1.2質量部含有し、油相中のSFCが10℃で51%、20℃で32%であり、油相中のパーム中部油及びラードの含有量が合計で97.5質量%であり、トランス脂肪酸含量が2質量%以下であり、マーガリンタイプのロールイン用である本発明の可塑性油脂組成物を得た。なお、得られたロールイン用油脂組成物は縦450mm、横300mm、厚さ80mmのブロック状に成形した。
〔実施例3〕
パーム中部油(融点=33℃、ヨウ素価=40、トランス脂肪酸=2質量%以下)18質量部、豚脂(ヨウ素価=65、トランス脂肪酸=2質量%以下)79.5質量部及びパーム極度硬化油(ヨウ素価=1、トランス脂肪酸=0質量%)2質量部、並びに乳化剤としてステアリン酸モノグリセリド0.4質量部及びレシチン0.1質量部を混合溶解した油相81質量%と、水16質量%、食塩1質量%及び脱脂粉乳2質量%を混合溶解した水相とを、常法により油中水型の乳化物とし、急冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分以上)にかけ、油相中にパーム中部油1質量部に対しラードを4.4質量部含有し、油相中のSFCが10℃で41%、20℃で26%であり、油相中のパーム中部油及びラードの含有量が合計で97.5質量%であり、トランス脂肪酸含量が2質量%以下であり、マーガリンタイプのロールイン用である本発明の可塑性油脂組成物を得た。なお、得られたロールイン用油脂組成物は縦450mm、横300mm、厚さ80mmのブロック状に成形した。
〔実施例4〕
パーム中部油(融点=33℃、ヨウ素価=40、トランス脂肪酸=2質量%以下)28質量部、豚脂(ヨウ素価=65、トランス脂肪酸=2質量%以下)65.5質量部及びパーム極度硬化油(ヨウ素価=1、トランス脂肪酸=0質量%)6質量部、並びに乳化剤としてステアリン酸モノグリセリド0.4質量部及びレシチン0.1質量部を混合溶解した油相81質量%と、水16質量%、食塩1質量%及び脱脂粉乳2質量%を混合溶解した水相とを、常法により油中水型の乳化物とし、急冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分以上)にかけ、油相中にパーム中部油1質量部に対しラードを2.3質量部含有し、油相中のSFCが10℃で47%、20℃で31%であり、油相中のパーム中部油及びラードの含有量が合計で93.5質量%であり、トランス脂肪酸含量が2質量%以下であり、マーガリンタイプのロールイン用である本発明の可塑性油脂組成物を得た。なお、得られたロールイン用油脂組成物は縦450mm、横300mm、厚さ80mmのブロック状に成形した。
〔比較例1〕
パーム中部油(融点=33℃、ヨウ素価=40、トランス脂肪酸=2質量%以下)80質量部、豚脂(ヨウ素価=65、トランス脂肪酸=2質量%以下)17.5質量部及びパーム極度硬化油(ヨウ素価=1、トランス脂肪酸=0質量%)2質量部、並びに乳化剤としてステアリン酸モノグリセリド0.4質量部及びレシチン0.1質量部を混合溶解した油相81質量%と、水16質量%、食塩1質量%及び脱脂粉乳2質量%を混合溶解した水相とを、常法により油中水型の乳化物とし、急冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分以上)にかけ、油相中にパーム中部油1質量部に対しラードを0.2質量部含有し、油相中のSFCが10℃で65%、20℃で40%であり、油相中のパーム中部油及びラードの含有量が合計で97.5質量%であり、トランス脂肪酸含量が2質量%以下であり、マーガリンタイプのロールイン用である本発明の可塑性油脂組成物を得た。なお、得られたロールイン用油脂組成物は縦450mm、横300mm、厚さ80mmのブロック状に成形した。
〔比較例2〕
パーム中部油(融点=33℃、ヨウ素価=40、トランス脂肪酸=2質量%以下)10質量部、豚脂(ヨウ素価=65、トランス脂肪酸=2質量%以下)87.5質量部及びパーム極度硬化油(ヨウ素価=1、トランス脂肪酸=0質量%)2質量部、並びに乳化剤としてステアリン酸モノグリセリド0.4質量部及びレシチン0.1質量部を混合溶解した油相81質量%と、水16質量%、食塩1質量%及び脱脂粉乳2質量%を混合溶解した水相とを、常法により油中水型の乳化物とし、急冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分以上)にかけ、油相中にパーム中部油1質量部に対しラードを8.8質量部含有し、油相中のSFCが10℃で38%、20℃で24%であり、油相中のパーム中部油及びラードの含有量が合計で97.5質量%であり、トランス脂肪酸含量が2質量%以下であり、マーガリンタイプのロールイン用である本発明の可塑性油脂組成物を得た。なお、得られたロールイン用油脂組成物は縦450mm、横300mm、厚さ80mmのブロック状に成形した。
〔比較例3〕
パーム中部油(融点=33℃、ヨウ素価=40、トランス脂肪酸=2質量%以下)25質量部、豚脂(ヨウ素価=65、トランス脂肪酸=2質量%以下)59.5質量部及びパーム極度硬化油(ヨウ素価=1、トランス脂肪酸=0質量%)15質量部、並びに乳化剤としてステアリン酸モノグリセリド0.4質量部及びレシチン0.1質量部を混合溶解した油相81質量%と、水16質量%、食塩1質量%及び脱脂粉乳2質量%を混合溶解した水相とを、常法により油中水型の乳化物とし、急冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分以上)にかけ、油相中にパーム中部油1質量部に対しラードを2.4質量部含有し、油相中のSFCが10℃で52%、20℃で38%であり、油相中のパーム中部油及びラードの含有量が合計で84.5質量%であり、トランス脂肪酸含量が2質量%以下であり、マーガリンタイプのロールイン用である本発明の可塑性油脂組成物を得た。なお、得られたロールイン用油脂組成物は縦450mm、横300mm、厚さ80mmのブロック状に成形した。
<ベーカリー試験>
ファットポンプ使用自動製パンライン(CWCライン:レオン自動機(株))において、上記実施例1〜4及び比較例1〜3で得られたロールイン用の可塑性油脂組成物を用いて、下記の配合・製法でデニッシュを製造し、ファットポンプ吐出時の油脂の状態、得られた焼成品(デニッシュ)の浮き及び内相の状態について、下記評価基準に従って4段階で評価し、結果を表1に記載した。
(生地配合)
強力粉100質量部、上白糖8質量部、全卵(正味)5質量部、食塩1.5質量部、練り込み油脂(ショートニング)10質量部、イースト4質量部、イーストフード0.1質量部、水54質量部。
(生地製法)
練り込み油脂(ショートニング)以外の原料をたて型ミキサーにて低速で3分、中速で2分ミキシングした後、練り込み油脂を投入して、低速で3分、中速で3分ミキシングした後、フロアタイムを30分とった。
(ファットポンプ)
ロールイン量が対生地23%となるように設定した。
(成形)
ターンオーバー成形を行った。
(評価基準)
・ファットポンプ吐出時の油脂の状態
◎:良好なコシがある
○:コシがある
△:コシが抜け、だれている。
×:乳化破壊が起きている。
・焼成品浮き
◎:良好で且つ均質である。
○:良好であるが高さにやや不均一性がみられる。
△:浮きがやや悪く、不均質である。
×:浮きが悪く、不均質である。
・焼成品内相
◎:きわめて良好
○:良好
△:ややパン目である
×:パン目である。
Figure 2017093365

Claims (8)

  1. パーム中部油1質量部に対し、ラードを1.0〜5.0質量部の比率で含有し、且つ、油相中に極度硬化油を0.5〜12質量%含有することを特徴とする可塑性油脂組成物。
  2. 油相のSFC(固体脂含量)が、10℃で20〜60%、20℃で10〜40%であることを特徴とする請求項1記載の可塑性油脂組成物。
  3. 上記油相中のパーム中部油及びラードの含有量が、合計で50〜99.5質量%である請求項1又は2記載の可塑性油脂組成物。
  4. 実質的にトランス脂肪酸を含まない請求項1〜3のいずれか1項に記載の可塑性油脂組成物。
  5. ロールイン用である請求項1〜4のいずれか1項に記載の可塑性油脂組成物。
  6. ファットポンプ用であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の可塑性油脂組成物。
  7. パーム中部油1質量部に対し、ラードを1.0〜5.0質量部の比率で含有し、且つ、極度硬化油を0.5〜12質量%含有する油相を融解し、冷却、結晶化することを特徴とする可塑性油脂組成物の製造方法。
  8. 請求項1〜6の何れか1項に記載の可塑性油脂組成物を用いたことを特徴とする食品。
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