JP2018185478A - 定着部材、定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

定着部材、定着装置及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】より高い離型性を、長期に亘って維持し得る定着部材、それを有する定着装置及び画像形成装置を提供する。【解決手段】基体1と表面層3を有する定着部材であって表面層は、下記構造式(1)で表される構造単位と、下記構造式(2)及び下記構造式(3)で表される構造単位群から選択される少なくとも1つの構造単位とを有するオルガノポリシロキサンを含む。構造式(1):R1SiO3/2、構造式(2):R2(SiO3/2)x、構造式(3)【選択図】図1

Description

本発明は、定着部材、該定着部材を用いた定着装置及び画像形成装置に関する。
定着部材には、トナーの付着を抑制するために、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(以下、PFAと称することがある)の如きフッ素樹脂を含む表面層が設けられている。
特許文献1は、より高いトナー離型性を備える定着部材として、主鎖にパーフルオロポリエーテル(以下、PFPEと称することがある)基を有する樹脂を含む薄膜を表面に有する定着部材を開示している。
特開2002−82558号公報
本発明者らの検討によれば、特許文献1に係る定着部材は、長期の使用によって、表面のトナー離型性が低下する場合があった。
本発明の一態様は、より高い離型性を、長期に亘って維持し得る定着部材の提供に向けたものである。また、本発明の他の態様は、高品位な電子写真画像を安定して形成し得る定着装置及び画像形成装置の提供に向けたものである。
本発明の一態様は、基体、および、該基体上の表面層を有する定着部材であって、
該表面層は、下記構造式(1)で表される構造単位と、下記構造式(2)および下記構造式(3)で表される構造単位群から選択される少なくとも1つの構造単位と、を有するオルガノポリシロキサンを含む、ことを特徴とする定着部材である。
構造式(1)
SiO3/2
(構造式(1)中、Rは、下記構造式(4)で示される基を表す:
Figure 2018185478
(構造式(4)中、lおよびnは、各々独立して、0以上3以下の整数を表し、mは、0または1を表し、Xは、エステル結合、アミド結合、または、ウレタン結合を表し、Yは、下記構造式(5−1)および構造式(5−2)から選択される少なくとも一方の基を表す。)、
Figure 2018185478
(構造式(5−1)および構造式(5−2)中、a〜eは、各々独立して、0以上の整数を表し、ただし、a〜eの総和は1以上200以下であり、RおよびRは、各々独立して、フッ素原子またはトリフルオロメチル基を表す。))、
構造式(2)
(SiO3/2
(構造式(2)中、xは1または2を表し、ただしxが1であるときは、Rは以下の(i)および(ii)に記載される基より選択される基を表し、xが2であるときは、Rは以下の(iii)および(iv)に記載される基より選択される基を表す。
(i)炭素数1〜4の未置換のアルキル基、あるいは、
炭素数1〜4の未置換のアルキル基の少なくとも1つの水素原子が、フッ素原子、トリフルオロメチル基、アクリル酸残基、メタクリル酸残基、エテニルエーテル残基、メチルエテニルエーテル残基、エテニル残基、メチルエテニル残基、アクリルアミド残基、メタクリルアミド残基およびイソシアネート残基からなる群から選択される少なくとも1つの原子または基で置換された置換アルキル基;
(ii)炭素数6〜18の未置換のアリール基、あるいは、
炭素数6〜18の未置換のアリール基の少なくとも1つの水素原子が、フッ素原子、トリフルオロメチル基、アクリル酸残基、メタクリル酸残基、エテニルエーテル残基、メチルエテニルエーテル残基、エテニル残基、メチルエテニル残基、アクリルアミド残基、メタクリルアミド残基およびイソシアネート残基からなる群から選択される少なくとも1つの原子または基で置換された置換アリール基;
(iii)炭素数1〜4の未置換のアルキレン基、あるいは、
炭素数1〜4の未置換のアルキレン基の少なくとも1つの水素原子が、フッ素原子およびトリフルオロメチル基からなる群から選択される少なくとも1つの原子または基で置換された置換アルキレン基;
(iv)炭素数6〜18の未置換のアリーレン基、あるいは、
炭素数6〜18の未置換のアリーレン基の少なくとも1つの水素原子が、フッ素原子およびトリフルオロメチル基からなる群から選択される少なくとも1つの原子または基で置換された置換アリーレン基。)。
Figure 2018185478
本発明の他の態様は、上記定着部材を有することを特徴とする定着装置である。
また、本発明の更に他の態様は、感光体と、該感光体を帯電させる帯電装置と、帯電した感光体を露光して静電潜像を形成する露光装置と、該感光体に形成された静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成する現像装置と、該感光体に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写装置と、上記定着装置と、を有することを特徴とする画像形成装置である。
本発明の一態様により、より高い離型性を、長期に亘って維持し得る定着部材が提供される。また、本発明の他の態様により、高品位な電子写真画像を安定して形成し得る定着装置及び画像形成装置が提供される。
本発明に係る定着部材の一例を示す断面模式図である。 本発明に係る定着装置の一例を示す断面模式図である。 本発明に係る画像形成装置の一例を示す断面模式図である。
本発明に係る定着部材では、例えば、高離型性及び耐熱性を有するパーフルオロポリエーテル(PFPE)構造(基)を含むシラン化合物と、高耐久性を発現する他のシラン化合物とを架橋重合することにより得られるオルガノポリシロキサンを表面層に含むことができる。
即ち、本発明における(例えばPFAを超える)高い離型性は、PFPE構造によって発現するものであり、高い耐久性(高強度、高耐熱性等)は上記他のシラン化合物由来の構造及びPFPE構造によって発現するものである。
このように、本発明では、表面層に、本来、液体成分であるPFPE構造を含むシラン化合物と、他のシラン化合物(例えば加水分解性シラン化合物)との架橋構造を含むことができるため、従来よりも表面層の厚みを厚くすることが可能となる。このため、定着部材の最表面のみならず、厚み方向に亘ってPFPE構造が分布した表面層(オルガノポリシロキサン膜)を有することができる。
通常、高温かつ高圧で高せん断を受ける電子写真用定着部材のような使用環境においては、表面層の摩耗を完全になくすことは難しい。しかし、上述したオルガノポリシロキサン膜を表面層に有する本発明の定着部材では、仮に摩耗が発生した場合であっても、有効成分であるPFPE(構造)を常に定着部材の表面に供給し続けることが可能であり、高い離型性を長期に亘って維持することができる。
このように、本発明によれば、(例えばPFAと比べて)機械強度等が優れた表面層を提供できるため、高い離型性(初期離型性及び長期離型性)と、高い耐久性とを両立した定着部材を提供することができる。
なお、本発明における「耐熱性」とは、定着部材がおかれる高温環境(例えば200℃以上に加熱される環境)での機械強度の耐劣化性のみならず、表面自由エネルギーの耐劣化性をも意味するものとする。
以下、本発明について詳細に説明する。
<定着部材>
本発明に係る定着部材は、基体、および、基体上の表面層を有し、基体と表面層との間に他の層(例えば、弾性層)を有することができる。本発明に係る定着部材の形状は特に限定されないが、例えば、ローラ形状、及び、ベルト形状とすることができる。
なお以下では、主にローラ形状の定着部材に着目した説明を行う。
図1は、本発明に係る定着部材の一例として、トナーの定着に用いられる定着部材(定着ローラ)4の断面模式図を示すものである。この定着ローラ4では、基体1である芯金上に、弾性層2、及び、表面層3であるオルガノポリシロキサン膜が積層形成されている。なお、各層間には適宜プライマー層を設けることができる。
以下、本発明に係る定着部材の各層について詳しく説明する。
(基体)
基体(基材)の形状は、作製する定着部材の形状に応じて適宜選択することができ、例えば、ローラ形状、及び、ベルト形状(例えばシームレスベルト形状)とすることができる。
ローラ形状の基体を構成する材料は、特に限定されないが、アルミニウム、ステンレス鋼、真鍮及び銅等の金属、並びに、ガラス、セラミックス等を用いることができる。
ベルト形状の基体を構成する材料は、特に限定されないが、ポリイミド、ポリアミド及びポリアミドイミド等の樹脂、並びに、ニッケル及びステンレス鋼等の金属を用いることができる。
(プライマー層)
各層間に配することができるプライマー層に用いるプライマーとしては、特に限定されないが、付加型液状シリコーンゴム、付加型液状フロロシリコーンゴム、及び、シランカップリング剤等を好適に用いることができる。プライマー層の厚さは、凝集破壊防止の観点から、0.5μm以上10μm以下とすることが好ましい。
(弾性層)
弾性層を構成する材料は適宜設定することができるが、耐熱性を有するゴムであることが好ましく、具体的にはシリコーンゴム、フッ素ゴム、及び、フロロシリコーンゴム等が好適に用いられる。弾性層は、成型のし易さや加熱硬化性を考慮して、液状付加型のシリコーンゴム、フッ素ゴム、及び、フロロシリコーンゴム等を用いて形成されることが好ましい。なお、これらのゴムは、1液型及び2液型のいずれのタイプの原料から形成されたゴムであっても良い。
また、弾性層は、熱伝導性等を向上させる目的から、必要に応じて、無機酸化物、窒化ホウ素、カーボンブラック、及び、炭素繊維等の熱伝導性フィラーを含有することもできる。
弾性層の厚さは、表面硬度への寄与、及び、定着時の未定着トナーへの熱伝導効率の観点から、100μm以上500μm以下であることが好ましく、200μm以上400μm以下であることがより好ましい。
(表面層)
表面層は、後述する構造式(1)で表される構造単位(ポリシロキサン単位)と、後述する構造式(2)及び構造式(3)で表される構造単位群から選択される少なくとも1つの構造単位とを有するオルガノポリシロキサンを含む。
また、上記オルガノポリシロキサンは、さらにSiO4/2構造(後述する構造式(6)に示す構造単位)を含んでいても良い。
以下に、各構造式について詳しく説明する。
・構造式(1)RSiO3/2について
は、後述する構造式(4)で示される基を表す。
本発明者らは、PFPE構造の両端がオルガノポリシロキサン中のケイ素原子に結合し、オルガノポリシロキサンの骨格中に組み込まれてなる場合と、構造式(4)で示されるPFPE構造が、T単位を構成しているケイ素原子に結合し、ケイ素原子との結合部とは反対側の末端が自由端となっている場合とを比較した。その結果、オルガノポリシロキサン膜のフッ素濃度を同程度にした状態で比較すると、後者の方が、表面自由エネルギーが低く、定着部材の表面の離型性を、より向上させ得ることが分かった。その理由は、PFPE構造の運動性が高く、トナー等の相手材に対してフッ素成分が最適な配置を取りやすいためであると考えられる。
本発明では、構造式(1)中のRは、下記構造式(4)、下記構造式(5−1)及び下記構造式(5−2)に示す基である。
以下に、構造式(4)について説明する。
Figure 2018185478
構造式(4)中、l及びnは、各々独立して、0以上3以下の整数を表す。ここで、耐熱性の観点から、l及びnは、l+n≦4の関係を満たすことが好ましく、l+n≦3の関係を満たすことがより好ましい。
Xは、エステル結合(エステル基(−C(=O)O−))、アミド結合(アミド基)、または、ウレタン結合(ウレタン基(−NH−C(=O)O−))を表す。このアミド基としては、2級アミド基(−C(=O)−NH−)及び3級アミド基(−C(=O)−NR’−:R’は置換基(例えば炭素数1以上4以下のアルキル基)を表す)を挙げることができる。mは、0または1とする。
Yは、下記構造式(5−1)及び下記構造式(5−2)から選択される少なくとも一方の基を表す。即ち、構造式(4)に示す構造単位は、1種類を単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
Figure 2018185478
構造式(5−1)及び構造式(5−2)中、a〜e(a、b、c、d及びe)は、各々独立して、0以上の整数を表す。ただし、膜強度の観点から、a〜eの総和は1以上200以下を満たし、即ち、1≦a+b+c+d+e≦200の関係を満たす。
また、a〜eで各々括られた各繰り返し単位の結合順序は構造式(5−1)及び構造式(5−2)中の順序に限定されない。
およびRは、各々独立して、フッ素原子(−F)またはトリフルオロメチル基(−CF)を表す。
構造式(5−1)や構造式(5−2)で表されるPFPE基の数平均分子量は、好ましくは100以上10000未満、より好ましくは500以上5000未満、特に好ましくは900以上4000未満である。数平均分子量が大きい、即ち、PFPE分子鎖(PFPE主鎖構造)が長いと、定着部材表面に配されるオルガノポリシロキサン膜の耐熱性は向上する傾向があるが、硬度は低下する傾向がある。一方、数平均分子量が小さいと、硬度は向上する傾向があるが、耐熱性が低下する傾向がある。このため、作製する定着部材に求められる性質に応じて、PFPE基の数平均分子量は適宜選択することが望ましい。
なお、本明細書における数平均分子量は、19F−NMRにより算出される値のことをいう。
構造式(1)のRSiO3/2で表される構造単位を有するオルガノポリシロキサンは、例えば、以下の構造式(7)で表される加水分解性シラン化合物を原料の少なくとも1つとして用いて、加水分解縮合を行うことで得ることができる。その際、構造式(7)に示すシラン化合物を1種のみ用いても良いし、構造式(7)に示す化学構造の異なる2種類以上のシラン化合物を併用しても良い。
Figure 2018185478
構造式(7)中、R、R及びRは、各々独立して、水素原子(−H)または炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。R〜Rが水素原子または炭素数1以上4以下のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基)であれば、優れた加水分解性を示し、容易に加水分解することができる。このアルキル基は直鎖状及び分岐状のいずれであっても良い。
構造式(7)中の、l、m、n、X及びYは、上記構造式(4)、構造式(5−1)及び構造式(5−2)において説明したものと同じものを表す。
上記構造式(7)で表される加水分解性シラン化合物の具体例としては、以下のものを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。即ち、トリアルコキシシリル基を1つ有する加水分解性シラン化合物としては、オプツールDSX(商品名、ダイキン製)、FG5080(商品名、フロロテクノロジー製)、KDP4966(商品名、Chemours製)などが挙げられる。
また、構造式(7)に示す加水分解性シラン化合物は、例えば、トリアルコキシシリル基を有する化合物と、カルボン酸や水酸基、アミン等の官能基を有するパーフルオロポリエーテルとを縮合することによっても適宜調製することができる。
表面層を構成するオルガノポリシロキサン中の、構造式(1)に示すRSiO3/2構造の含有量は、0.5mol%以上10mol%以下とすることが好ましく、1.0mol%以上5.0mol%以下であることが好ましい。RSiO3/2構造の含有量が0.5mol%以上であれば、十分な離型性が容易に得られ、10mol%以下では、PFPE成分の凝集等を容易に回避し、十分な膜強度が容易に得られる。
なお、オルガノポリシロキサン中の各ポリシロキサン単位(各構造単位)の含有量(mol%)は、各ポリシロキサン単位を構成するのに用いる加水分解性シラン化合物(例えば上記構造式(7)に示すシラン化合物)の使用量に基づくものである。その際、オルガノポリシロキサンが有する全てのポリシロキサン単位(例えば、上記構造式(1)〜構造式(3)の構造、並びに、後述する構造式(6)の構造)をそれぞれ構成するのに用いる加水分解性シラン化合物の合計量を100mol%とする。ここで、各ポリシロキサン単位の含有量は、用いる加水分解性シラン化合物の質量を、この加水分解性シラン化合物の数平均分子量で除したものをmolと定義して、各mol%を算出する。
本発明においては、オルガノポリシロキサン膜において三次元ネットワークを形成することにより、以下のことが可能となる。即ち、柔軟性の高いPFPE成分を高濃度(例えば構造式(7)に示すシラン化合物を3mol%以上)含有しても、定着部材の表面に硬質膜からなる表面層を作製することが可能である。
・構造式(2)R(SiO3/2について
オルガノポリシロキサン中に、R(SiO3/2構造を有することによって、単体では液体であるPFPEを含む膜(表面層)を一層高強度化することができる。また、R(SiO3/2構造は、単体でも、耐熱性及び比較的低い表面自由エネルギーを有する特徴があり重要である。
表面層は、例えば、上記構造式(7)、及び、後述する構造式(8)〜(9)に示すシラン化合物を加水分解縮合させることにより生成する、RSiO3/2構造及びR(SiO3/2構造を含む共重合型オルガノポリシロキサン膜であることができる。このため、定着部材の表面層として、高離型性と耐久性(耐熱性、高強度)の両立を実現することができる。
ここで、構造式(2)中、xは、1または2を表す。また、Rは、耐熱性及び硬度の観点から、xが1の場合は、以下の(i)及び(ii)に記載される基より選択される基を表し、xが2の場合は、以下の(iii)及び(iv)に記載される基より選択される基を表す。なお、オルガノポリシロキサンは、構造式(2)で示される、R(SiO3/2構造を1種のみ含んでいても良いし、化学構造の異なる2種類以上のR(SiO3/2構造を含んでいても良い。
(i)炭素数1以上4以下の未置換のアルキル基、あるいは、炭素数1以上4以下の未置換のアルキル基の少なくとも1つの水素原子が、フッ素原子、トリフルオロメチル基、アクリル酸残基、メタクリル酸残基、エテニルエーテル残基、メチルエテニルエーテル残基、エテニル残基、メチルエテニル残基、アクリルアミド残基、メタクリルアミド残基およびイソシアネート残基らなる群から選択される少なくとも1つの原子または基で置換された置換アルキル基である。上述したように、Rとして、この(i)に記載される基が選択される場合は、xは1となる。
ここで、炭素数1〜4の未置換のアルキル基は、直鎖状であっても良いし、分岐状であっても良い。また、上記未置換のアルキル基が他の原子や基によって置換される位置や数は特に限定されない。未置換のアルキル基の炭素数が1以上4以下であれば、後述するように、熱酸化劣化を抑制することが可能となる。
また、アクリル酸残基(アクリル酸エステル残基)、メタクリル酸残基(メタクリル酸エステル残基)、エテニルエーテル残基(ビニルエーテル残基)、メチルエテニルエーテル残基(メチルビニルエーテル残基)、エテニル残基(ビニル残基)、メチルエテニル残基(メチルビニル残基)、アクリルアミド残基、メタクリルアミド残基およびイソシアネート残基とは、以下のものを含むものである。即ち、オルガノポリシロキサン膜(表面層)において、アクリル酸エステル基(−OC(=O)CH=CH、)、メタクリル酸エステル基(−OC(=O)C(CH)=CH、)、ビニルエーテル基(−O−CH=CH)、メチルエテニルエーテル基(−O−C(CH)=CH)、ビニル基(−HC=CH)、メチルエテニル基(−C(CH)=CH)、アクリルアミド基(−HN−C(=O)CH=CH、)、メタクリルアミド基(−NH−C(=O)C(CH)=CH)およびイソシアネート基(−N=C=O)がそれぞれ、他の基(置換基)と架橋した構造を含むものであり、また、他の基と架橋せずに、これらの基のまま存在している場合も含むものである。
上記(i)に記載された、構造式(2)におけるRの具体例として、以下の基を挙げることができる。なお、上述したように、表面層において、これらの基は、他の基(置換基)と架橋した構造であっても良い。

−CH、−CF、−C、−C、−C、−C、−C、−C、−C(CH、−C(CF、−CHOC(=O)CH=CH、−(CHOC(=O)CH=CH、−(CHOC(=O)CH=CH、−(CHOC(=O)CH=CH、−CHOC(=O)C(CH)=CH、−(CHOC(=O)C(CH)=CH、−(CHOC(=O)C(CH)=CH、−(CHOC(=O)C(CH)=CH、−CHCH=CH、−(CHCH=CH、−(CHCH=CH、−(CHCH=CH、−CHOCH=CH、−(CHOCH=CH、−(CHOCH=CH、−(CHOCH=CH、−CHNHC(=O)CH=CH、−(CHNHC(=O)CH=CH、−(CHNHC(=O)CH=CH、−(CHNHC(=O)CH=CH、−CHNHC(=O)C(CH)=CH、−(CHNHC(=O)C(CH)=CH、−(CHNHC(=O)C(CH)=CH、−(CHNHC(=O)C(CH)=CH、−CH−N=C=O、−(CH−N=C=O、−(CH−N=C=O、−(CH−N=C=O、−CH−O−C(CH)=CH、−(CH−O−C(CH)=CH、−(CH−O−C(CH)=CH、−CH−C(CH)=CH、−(CH−C(CH)=CH、−(CH−C(CH)=CH
(ii)炭素数6以上18以下の未置換のアリール基、あるいは、炭素数6以上18以下の未置換のアリール基の少なくとも1つの水素原子が、フッ素原子、トリフルオロメチル基、アクリル酸残基、メタクリル酸残基、エテニルエーテル残基、メチルエテニルエーテル残基、エテニル残基、メチルエテニル残基、アクリルアミド残基、メタクリルアミド残基およびイソシアネート残基からなる群から選択される少なくとも1つの原子または基で置換された置換アリール基を表す。Rとして、この(ii)に記載される基が選択される場合は、xは1となる。
ここで、上記未置換のアリール基の−SiO3/2基との結合位置(結合部位)は特に限定されない。例えば、ナフチル基であれば、1−ナフチル基であっても良いし、2−ナフチル基であっても良い。また、例えば、アントラセニル基であれば、−SiO3/2基は、1位、2位及び9位のいずれの位置で結合していても良い。さらに、上記未置換のアリール基が他の原子や基によって置換される位置や数は特に限定されない。例えば、フェニル基であれば、これらの置換基は、オルト位、メタ位及びパラ位のいずれの位置に結合しても良い。なお、未置換のアリール基の炭素数が6以上18以下であれば、耐熱性と離型性を両立することができる。
上記(ii)に記載された、構造式(2)におけるRの具体例として、以下の基を挙げることができる。なお、表面層において、これらの基は、他の基(置換基)と架橋した構造であっても良い。

−C(フェニル基:Ph)、−C、−C−CH(トリル基)、−C−CF、−C−CF、−C−C(エチルフェニル基)、−C−C(プロピルフェニル基)、−C−C(ブチルフェニル基)−C10(ナフチル基)、−C14(アントラセニル基)、−C、−C14、−C−OC(=O)CH=CH、−C−CH−OC(=O)CH=CH、−C−(CH−OC(=O)CH=CH2、−C−(CH−OC(=O)CH=CH2、−C−OC(=O)CH=CH、−C−CH−OC(=O)CH=CH、−C−(CH−OC(=O)CH=CH2、−C−(CH−OC(=O)CH=CH2、−C−(CH−OC(=O)CH=CH2、−C−OC(=O)C(CH)=CH、−C−CH−OC(=O)C(CH)=CH、−C−(CH−OC(=O)C(CH)=CH2、−C−(CH−OC(=O)C(CH)=CH2、−C−(CH−OC(=O)C(CH)=CH2、−C−OC(=O)C(CH)=CH、−C−CH−OC(=O)C(CH)=CH、−C−(CH−OC(=O)C(CH)=CH2、−C−(CH−OC(=O)C(CH)=CH2、−C−(CH−OC(=O)C(CH)=CH2、−C−CH=CH、−C−CH−CH=CH、−C−(CH−CH=CH、−C−(CH−CH=CH、−C−(CH−CH=CH、−C−CH=CH、−C−CH−CH=CH、−C−(CH−CH=CH、−C−(CH−CH=CH、−C−(CH−CH=CH、−C−C(CH)=CH、−C−CH−C(CH)=CH、−C−(CH−C(CH)=CH、−C−(CH−C(CH)=CH、−C−(CH−C(CH)=CH、−C−C(CH)=CH、−C−CH−C(CH)=CH、−C−(CH−C(CH)=CH、−C−(CH−C(CH)=CH、−C−(CH−C(CH)=CH、−C−O−CH=CH、−C−CH−O−CH=CH、−C−(CH−O−CH=CH、−C−(CH−O−CH=CH、−C−(CH−O−CH=CH、−C−O−CH=CH、−C−CH−O−CH=CH、−C−(CH−O−CH=CH、−C−(CH−O−CH=CH、−C−(CH−O−CH=CH、−C−O−C(CH)=CH、−C−CH−O−C(CH)=CH、−C−(CH−O−C(CH)=CH、−C−(CH−O−C(CH)=CH、−C−(CH−O−C(CH)=CH、−C−O−C(CH)=CH、−C−CH−O−C(CH)=CH、−C−(CH−O−C(CH)=CH、−C−(CH−O−C(CH)=CH、−C−(CH−O−C(CH)=CH、−C−NHC(=O)CH=CH、−C−CH−NHC(=O)CH=CH、−C−(CH−NHC(=O)CH=CH2、−C−(CH−NHC(=O)CH=CH2、−C−(CH−NHC(=O)CH=CH2、−C−NHC(=O)CH=CH、−C−CH−NHC(=O)CH=CH、−C−(CH−NHC(=O)CH=CH2、−C−(CH−NHC(=O)CH=CH2、−C−(CH−NHC(=O)CH=CH2、−C−NHC(=O)C(CH)=CH、−C−CH−NHC(=O)C(CH)=CH、−C−(CH−NHC(=O)C(CH)=CH2、−C−(CH−NHC(=O)C(CH)=CH2、−C−(CH−NHC(=O)C(CH)=CH2、−C−NHC(=O)C(CH)=CH、−C−CH−NHC(=O)C(CH)=CH、−C−(CH−NHC(=O)C(CH)=CH2、−C−(CH−NHC(=O)C(CH)=CH2、−C−(CH−NHC(=O)C(CH)=CH2、−C−N=C=O、−C−CH−N=C=O、−C−(CH−N=C=O、−C−(CH−N=C=O、−C−(CH−N=C=O、−C−N=C=O、−C−CH−N=C=O、−C−(CH−N=C=O、−C−(CH−N=C=O、−C−(CH−N=C=O。
(iii)炭素数1以上4以下の未置換のアルキレン基、あるいは、炭素数1以上4以下の未置換のアルキレン基の少なくとも1つの水素原子が、フッ素原子およびトリフルオロメチル基からなる群から選択される少なくとも1つの原子または基で置換された置換アルキレン基である。上述したように、Rとして、この(iii)に記載される基が選択される場合は、xは2となる。
ここで、炭素数1〜4の未置換のアルキレン基は、直鎖状であっても良いし、分岐状であっても良い。また、上記未置換のアルキレン基が他の原子や基によって置換される位置や数は特に限定されない。未置換のアルキレン基の炭素数が1以上4以下であれば、後述するように、熱酸化劣化を抑制することが可能となる。
上記(iii)に記載された、構造式(2)におけるRの具体例として、以下の基を挙げることができる。

−CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−CH(CH)CHCH−、−CHCH(CH)CH−、−CHCHCH(CH)−、−CF−、−(CF−、−(CF−、−(CF−、−CH(CF)CHCH−、−CHCH(CF)CH−、−CHCHCH(CF)−、−CF(CF)CFCF−、−CFCF(CF)CF−、−CFCFCF(CF)−。
(iv)炭素数6〜18の未置換のアリーレン基、あるいは、炭素数6〜18の未置換のアリーレン基の少なくとも1つの水素原子が、フッ素原子およびトリフルオロメチル基からなる群から選択される少なくとも1つの原子または基で置換された置換アリーレン基である。Rとして、この(iv)に記載される基が選択される場合は、xは2となる。
ここで、上記未置換のアリーレン基の−SiO3/2基との結合位置(結合部位)は特に限定されない。例えば、フェニレン基であれば、−SiO3/2基は、1位〜4位のいずれの位置に結合していても良い。また、例えば、ナフチレン基であれば、−SiO3/2基は、1位〜8位のいずれの位置に結合していても良い。
さらに、上記未置換のアリーレン基が他の原子や基によって置換される位置や数は特に限定されない。なお、未置換のアリーレン基の炭素数が6以上18以下であれば、耐熱性と離型性を両立することができる。
上記(iv)に記載された、構造式(2)におけるRの具体例として、以下の基を挙げることができる。

−C−(フェニレン基)、−C−、−C(CF)−、−C10−(ナフチレン基)、−C10(CF)−、−C14−(アントラセニレン基、フェナントリレン基)、−C14(CF)−、C16−(ピレニレン基)、−C16(CF)−。
なお、高い離型性と高い耐久性を両立する観点から、Rが有するメチレン基(−CH−)及びメチン基(>CH−、=CH−及び≡CH)の数は合計で4以下が好ましく、3以下がより好ましい。これらの基の合計数が4以下であれば、加熱時に、メチレン基及びメチン基の水素原子を起点として起こり得る定着部材の酸化劣化を容易に防ぐことができる。また、これらの基の合計数が4以下であれば、Rの分子鎖が適度な長さになり、分子鎖が適度な運動性を有することができ、強度が低下することを容易に防ぐことができる。
また、耐熱性の観点から、Rは、フッ素原子もしくはトリフルオロメチル基で置換されている基であることが好ましい。炭素−フッ素結合は結合エネルギーが大きいため、これらの原子や基で置換されることにより、定着部材の耐熱性を一層向上させることができる。
構造式(2)のR(SiO3/2で表される構造単位を有するオルガノポリシロキサンは、例えば、以下の構造式(8)で表わされる加水分解性シラン化合物を原料の少なくとも1つとして用いて、加水分解縮合を行うことで得ることができる。その際、構造式(8)に示すシラン化合物を1種のみ用いても良いし、構造式(8)に示す化学構造の異なる2種類以上のシラン化合物を併用しても良い。
Figure 2018185478
構造式(8)中、R、R及びR10は、各々独立して、水素原子(−H)または炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。R〜R10が水素原子または炭素数1以上4以下のアルキル基であれば、優れた加水分解性を示し、容易に加水分解することができる。このアルキル基は直鎖状及び分岐状のいずれであっても良い。
構造式(8)中の、R及びxは、構造式(2)において説明したものと同じものを表す。
上記構造式(8)で表される加水分解性シラン化合物の具体例としては、以下のものを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。即ち、メチルトリエトキシシラン(MTES)、ブチルトリエトキシシラン(BTES)、トリフルオロメチルトリエトキシシラン(F3TES)、フェニルトリエトキシシラン(PhTES)、ペンタフルオロフェニルトリメトキシシラン(F5PhTMS)、3−(アクリルオキシ)プロピルトリメトキシシラン(APTMS)、及び、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン(MPTMS)などが挙げられる。
・構造式(3)C(SiO3/2構造について
オルガノポリシロキサン中に、下記構造式(3)で表される構造単位を有することにより、膜強度を容易に向上させることができる。
Figure 2018185478
上記構造式(3)で表される構造単位を有するオルガノポリシロキサンは、例えば、以下の構造式(9)で表わされる加水分解性シラン化合物を原料の少なくとも1つとして用いて、加水分解縮合を行うことで得ることができる。その際、構造式(9)に示すシラン化合物を1種のみ用いても良いし、構造式(9)に示す化学構造の異なる2種類以上のシラン化合物を併用しても良い。
Figure 2018185478
構造式(9)中、R11、R12及びR13は、各々独立して、水素原子または炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。R11〜R13が水素原子または炭素数1以上4以下のアルキル基であれば、優れた加水分解性を示し、容易に加水分解することができる。このアルキル基は直鎖状及び分岐状のいずれであっても良い。
上記構造式(9)で表される加水分解性シラン化合物の具体例としては、1、3、5−トリス(トリメトキシシリル)ベンゼン(TTB)、及び、1、3、5−トリス(トリエトキシシリル)ベンゼン等を挙げることができる。
構造式(3)に示す構造は、例えば、これらの加水分解性シラン化合物を加水分解縮合することにより形成することができる。
表面層を構成するオルガノポリシロキサン中の、構造式(2)に示すR(SiO3/2構造及び構造式(3)に示すC(SiO3/2構造の合計含有量は、以下の範囲とすることが好ましい。即ち、これらの構造の合計含有量は、70mol%以上99mol%以下が好ましく、80mol%以上98mol%以下がより好ましい。これらの構造の合計含有量が70mol%以上であれば、十分な膜強度を容易に得ることができ、99mol%以下であれば、十分な離型性を容易に得ることができる。なお、これらの構造の含有比については特に制限されるものではないが、オルガノポリシロキサンにおいて、R(SiO3/2構造よりも、C(SiO3/2構造の含有量を多くすると、膜強度を一層向上させやすくなる。本発明では、作製する定着部材に求められる性質に応じて、両者の比を適宜選択することができる。
・構造式(6)SiO4/2構造について
オルガノポリシロキサンが、構造式(6)のSiO4/2で表される構造単位を有することによって、オルガノポリシロキサン膜(表面層)の単位体積あたりにおける架橋点が増加し、膜強度及び耐熱性を更に向上させることができる。
表面層を構成するオルガノポリシロキサン中の、構造式(6)に示すSiO4/2構造の含有量(含有割合)は、1mol%以上20mol%以下が好ましく、1mol%以上10mol%以下がより好ましい。
表面層中のSiO4/2構造の含有量が20mol%以下であれば、膜が適度な屈曲性を有し易く、クラックの発生を予防し易い。また、SiO4/2構造の含有量が1mol%以上であれば、架橋点が増加し一層膜強度を向上させることができる。
SiO4/2構造は、例えば、テトラメトキシシラン(TMOS)やテトラエトキシシラン(TEOS)等の加水分解性シラン化合物を、加水分解縮合することにより形成することができる。
以上述べたように、本発明における表面層は、以下の構造を有する。即ち、構造式(1)〜(3)及び(6)に示す構造のような、T単位を有し、必要に応じてD単位及びQ単位の少なくとも一方を有するポリシロキサンを含み、該T単位を構成するケイ素原子に、構造式(4)で示されるPFPE構造を有する基が結合している。
そのため、表面層中のオルガノポリシロキサンは三次元構造を有し、より硬質かつ厚い表面層とすることができる。
さらに、本発明では、T単位もしくはQ単位のシロキサン結合を有するポリシロキサン単位を介した架橋ネットワークを形成することにより、以下のことが可能となる。即ち、単分子層もしくはそれに準ずる程度の膜厚しか形成できなかった従来の手法(表面処理等)に比べ、厚膜を形成することができる。表面層の厚さ(膜厚)は、後述する表面層形成用材料における固形分濃度、粘度、架橋度及び繰り返し塗布などを調節することによって調整することができる。本発明では、柔軟なPFPE成分を含むため、厚膜化してもクラック等が発生しにくいのも特徴である。そのため、定着部材のような、屈曲性が求められる積層部材にも用いることができる。
・表面層の厚さ
表面層の厚さ(膜厚)は、100nm以上、30μm以下が好ましく、500nm以上20μm以下がより好ましい。表面層の厚さが100nm以上であれば、耐久中の摩耗等によるPFPE成分の消失を防ぎ易く、離型性を容易に維持することができる。一方、表面層の厚さが30μm以下であれば、膜割れやクラック等の発生を防ぎ易い。
・表面層の表面における硬度
表面層の表面における硬度は、マルテンス硬度で表すことができる。マルテンス硬度は、ISO14577に基づき、「試験荷重Fを、接触ゼロ点から圧子の侵入した表面積As(h)で除した値」と定義され、単位はMPaで表される。
本発明の定着部材においては、表面層の表面の25℃におけるマルテンス硬度が、150MPa以上600MPa以下であることが好ましい。マルテンス硬度が150MPa以上であれば、十分な膜強度を容易に有することができ、通紙時における摩耗の発生による有効成分の消失や、有効成分の凝集破壊などを容易に防ぐことができ、初期離型性を容易に維持できる。また、軟らかさによる定着加圧時の接触面積の増加や、タック性の増加を容易に防ぐことができ、容易に離型性を発現することができる。一方、マルテンス硬度が600MPa以下であれば、適度な柔軟性を有し、定着部材用の表面層としての適度な屈曲性を容易に得ることができ、クラックの発生を容易に防ぐことができる。表面層における上記マルテンス硬度は、さらに好ましくは200MPa以上500MPa以下である。
<定着部材の製造方法>
本発明の定着部材は、例えば、以下の表面層の形成工程を含む定着部材の製造方法により製造することができる。
基体上に、上述した構造式(1)で表される構造単位と、上述した構造式(2)及び構造式(3)で表される構造単位群から選択される少なくとも1つの構造単位とを有するオルガノポリシロキサンを含む表面層を形成する工程。
上記製造方法は、さらに、基体上(例えば、基体と表面層との間)に、他の層(例えば弾性層やプライマー層)を形成する工程を含むこともできる。
(表面層の形成工程)
上記表面層(オルガノポリシロキサン膜)は、例えば、以下の方法により形成することができる。
即ち、基体上(弾性層を有する場合は弾性層上、プライマー層を更に有する場合は弾性層上に形成されたプライマー層上)に、表面層形成用材料(シリカゾル溶液)を塗布し、乾燥硬化させることにより、表面層を形成することができる。なお、表面層形成用材料は、加熱や紫外線照射等により硬化させることができる。
・表面層形成用材料
この表面層形成用材料は、例えば、原料となる加水分解性シラン化合物(例えば上記構造式(7)〜(9)でそれぞれ表わされるシラン化合物)と、溶媒(水を含む)と、触媒とを含むことができる。表面層形成用材料中に含まれる加水分解性シラン化合物はその少なくとも一部が加水分解縮合反応を起こしていても良く、これらのシラン化合物による加水分解縮合物を含んでいても良い。
即ち、表面層形成用材料は、例えば、原料となる加水分解性シラン化合物を、触媒存在下の溶媒(溶液)中で混合し、加水分解縮合反応を促進させることによって得ることができる。加水分解縮合反応の進行度合いは、温度、時間、濃度及びpH等を制御することにより、適宜調整することができる。従って、上記加水分解縮合反応は、室温で数時間撹拌することにより進行させても良いし、適宜、反応系を加熱等して、反応を加速させても良い。また、表面層形成用材料を基体上に塗布した後、硬化(例えば、加熱硬化や紫外線硬化)することにより、加水分解縮合反応をさらに進行させることもできる。
このように、原料となる加水分解性シラン化合物の加水分解縮合反応を進行させて−SiO3/2構造を形成する際、T単位において、T3体を形成することにより、効果的に3次元ネットワーク構造を形成することができる。なお、T単位とはSi原子に有機置換基が1個結合した3官能性のものを言い、T3体とはSi原子が3つのシラン化合物と酸素を介して結合している状態のものを言う。
T3体の割合は29Si−NMRを測定することにより算出することができ、本発明においては全T単位数(全T体数)に対するT3体の割合が20%以上であることが好ましく、30%以上であることがさらに好ましい。
なお、表面層形成用材料を基体上に塗布した後、加熱硬化等により加水分解縮合反応をさらに進行させる場合は、T3体の割合も向上する。
なお、上記構造式(7)で表されるPFPE構造を有するシラン化合物は溶解性が低い傾向があり、溶液中で分離しやすい傾向がある。このため、溶媒中で構造式(7)に示すシラン化合物が、均一に溶解した状態を実現できる溶剤を適宜選択して用いることが望ましい。溶媒中に構造式(7)に示すシラン化合物を均一に溶解することにより、以下のことが可能となる。即ち、PFPE成分の凝集等により、乾燥硬化後にPFPE成分が表面に偏析することや、PFPE成分が分離すること等を容易に防ぐことができ、定着部材の表面に硬質膜を容易に形成することができる。
表面層形成用材料中に添加される水や触媒は、加水分解縮合反応を促進することができるため、好ましく用いられる。触媒としては、例えば、希硝酸、希塩酸、希硫酸等の酸触媒、アルカリ金属の水酸化物、アンモニア水、アミン、炭酸カリウム等の塩基触媒を用いることができる。ここで、反応メカニズム上、酸触媒と塩基触媒では、加水分解縮合反応における反応性が変わってくるため、触媒は適宜選択することが望ましい。
水以外に用いる溶媒としては、水及びフッ素成分のいずれにも親和性も有するものを用いることが好ましい。この溶媒としては、例えば、ハイドロフルオロアルコール、ハイドロフルオロエーテル等を用いることが好ましく、より具体的には、HFIP(ヘキサフルオロイソプロパノ−ル)を用いることが好ましいが、これらに限定されるものではない。また、溶媒としては、溶解性を維持する範囲で、非フッ素系の溶剤を混合して用いてもよい。
表面層形成用材料の塗布方法としては、特に限定されず、例えば、ディッピング、キャスティング、スプレーコート、ロールコート、刷毛塗り等の各種塗布方法を適宜採用することができる。
定着部材が弾性層やプライマー層を有する場合、表面層とこれらの層との間の界面においては、表面層形成用材料中のシリカゾルに含まれる加水分解性縮合性基の一部が、これらの層の表面に存在する水酸基などの極性基と反応することにより、密着性が向上する。
上述したように、表面層形成用材料として、均一な溶液で加水分解縮合反応が進行したシリカゾル溶液を調製し、基体上にこの溶液を乾燥硬化することにより、PFPE成分が表面に偏析することのない表面層を容易に形成できる。また、PFPE成分による増粘効果により、いわゆる表面処理では達成できない厚膜化を実現することができる。なお、表面層形成用材料中の固形分濃度を制御することにより、表面層の厚みは適宜調整することができる。
<定着装置>
本発明の定着装置について説明する。本発明の定着装置は、上述した本発明の定着部材(電子写真用定着部材)を有する。なお、図2に、本発明の定着装置の一例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
図2に示す定着装置10は、定着ローラ4及び加圧ローラ9を有する。この定着ローラ4には、ハロゲンヒータ5が内蔵されており、基体1上に設けられた弾性層2の表面には、本発明における表面層(オルガノポリシロキサン膜)3が積層されている。
加圧ローラ9は、芯金6上に、耐熱性ゴムを含む弾性層7及び離型層8が順次積層されている。加圧ローラ9は、定着ローラ4に圧接されており、ニップ部が形成されている。このニップ部を、トナーTが付着している記録媒体Pが通過する際に、記録媒体Pに付着しているトナーTは、定着ローラ4により加熱されて軟化すると共に、加圧されて、記録媒体Pに定着する。
<画像形成装置>
本発明の画像形成装置(電子写真用画像形成装置)は、感光体と、帯電装置と、露光装置と、現像装置と、転写装置と、本発明の定着装置とを少なくとも有する。
図3に、本発明の画像形成装置の一例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
図3では、感光体として、円筒状の電子写真感光体11が、軸12を中心に矢印方向(時計回り)に所定の周速度で回転駆動される。
この画像形成装置には、この感光体を帯電させる帯電装置として、帯電手段13が設置されており、帯電した感光体を露光して静電潜像を形成する露光装置として、露光手段(不図示)が設置されている。回転駆動される電子写真感光体11の表面(周面)は、この帯電手段13により正または負の電位に帯電される。次いで、帯電された電子写真感光体11は、不図示の露光手段から出力される露光光(画像露光光)14を受ける。こうして電子写真感光体11の表面には、目的の画像に対応した静電潜像が形成されていく。
帯電手段としては、例えば、コロトロン及びスコロトロンなどを用いたコロナ帯電手段や、ローラ、ブラシ及びフィルムなどを用いた接触帯電手段などが挙げられる。また、帯電手段に印加する電圧は、直流電圧のみであっても良いし、交流電圧を重畳した直流電圧であっても良い。露光手段としては、例えば、スリット露光、レーザービーム走査露光などが挙げられる。
また、この画像形成装置には、現像装置として現像手段15が設置されており、電子写真感光体11の表面に形成された静電潜像は、この現像手段15のトナーにより現像されてトナー像(トナー画像)となる。現像方式としては、例えば、磁性または非磁性の一成分または二成分トナーを接触または非接触させて現像する方式が挙げられる。
さらに、この画像形成装置には、転写装置として、転写手段16が設置されており、電子写真感光体11の表面に形成されたトナー像は、この転写手段16によって、記録媒体である、紙などの転写材17に順次転写されていく。転写材17は、転写材供給手段(不図示)から電子写真感光体11と転写手段16との間(当接部)に電子写真感光体11の回転と同期して取り出されて給送される。
また、この画像形成装置には、本発明の定着装置である定着手段18が設置されている。トナー画像が転写された転写材17は、電子写真感光体11の表面から分離されて、この定着手段18へ導入されて像定着を受けることにより、画像形成物(プリント、コピー)として電子写真装置外へプリントアウトされる。
像転写後の電子写真感光体11の表面は、クリーニング手段19によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、更に前露光手段(不図示)からの前露光光20により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、帯電手段13が帯電ローラ等を用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
また、本発明においては、上述の電子写真感光体11、帯電手段13、現像手段15及びクリーニング手段19等の構成要素のうち、複数のものを容器21に納めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構成してもよい。そして、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンター等の電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。例えば、帯電手段13、現像手段15及びクリーニング手段19の少なくとも一つを電子写真感光体11と共に一体に支持してカートリッジ化して、装置本体のレール等の案内手段22を用いて装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジとすることができる。
本発明では、定着部材の表面層として、オルガノポリシロキサン膜を用いることで、電子写真用定着部材のような加熱定着条件においても、長期にわたって、PFAよりも高い離型性を実現することができる。また、本発明により、トナー中にワックスが含有されていない、もしくは、従来よりもワックス量が少ないトナーを記録媒体に繰り返し定着することが可能となる。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
<厚み測定>
表面層の厚み(膜厚)は作製した定着部材の表面層を切り出し、切り出した層断面を走査型電子顕微鏡(SEM)(商品名:S−4800、日立ハイテクノロジーズ製)で観察することにより、算出した。
<耐熱性評価>
定着部材の耐熱性の評価は、以下のように、定着部材(表面層)の表面自由エネルギー及びマルテンス硬度により評価を行った。
〔表面自由エネルギー(γ)〕
作製した定着部材(表面層)の表面自由エネルギーは、3種の液体(純水、ヘキサデカン及びジヨードメタン)に対する接触角を測定し、北崎−畑(kitazaki−hata)の式をベースに算出される値を用いて算出した。具体的に、接触角の測定には、DM−701(商品名、協和界面化学(株)製)を用いて、液滴1.8μl、液滴着弾後1秒後の値を用いた。この値の算出にはθ/2法を用いて、測定は3回行った。また、表面層の表面自由エネルギーは付属のソフト(商品名:FAMAS 3.5.5、協和界面化学(株)製)で上記3種の液体に対する接触角より算出した。作製した定着部材に対して、加熱前(初期)、220℃条件下で100時間加熱した後、並びに、220℃条件下で200時間加熱した後の値をそれぞれ測定した。
〔マルテンス硬度(H)〕
作製した定着部材(表面層)のマルテンス硬度は、超微小押し込み硬さ試験機(商品名:ENT−1100a、ELIONIX製)により測定した。圧子としてバーコビッチ圧子を用いた。荷重をゼロから100μNまで加え、1秒保持する方法により測定した。作製した定着部材に対して、加熱前(初期)、220℃条件下で100時間加熱した後、並びに、220℃条件下で200時間加熱した後の値をそれぞれ測定した。
<耐久離型性評価>
作製した定着部材を、改造したキヤノン製複写機「iRC3200(商品名)」に装着した。別途、A4サイズの紙上に10cm×10cmのトナー未定着画像(トナー量0.6g/cm)を5、000枚分用意し、上記装置において、耐久離型性(剥離性)評価を行った。耐久離型性評価は紙のローラーへの巻きつきで評価した。なお、トナーは離型剤(ワックス、オイル等)成分を含有していないものを用いた。試験条件は以下の通りである。
トナー:iRC3200用Cyトナー(離型成分を含まない)
紙:キヤノン製、商品名:PB PAPER
定着温度:180℃
搬送速度:300mm/sec
この評価において、5、000枚通紙における耐久離型性を評価した。評価基準は以下の通りである。この場合、巻きつきジャムは溶融したトナーと紙に対する離型性が不十分なために発生する。
ランクA:巻きつきジャムの発生が3回未満。
ランクB:巻きつきジャムの発生回数が3回以上5回未満。
ランクC:巻きつきジャムの発生回数が5回以上10回未満。
ランクD:巻きつきジャムの発生回数が10回以上。
(実施例1)
〔表面層形成用材料の調製〕
片末端にトリアルコキシシラン基を有するパーフルオロポリエーテル(商品名:オプツールDSX、(架橋)官能基数1、数平均分子量3900、ダイキン製)1.0g、及び、MTES(メチルトリエトキシシラン)5.7gをHFIP(ヘキサフルオロイソプロパノ−ル)37g中に加えた。なお、用いた全シラン化合物中の上記パーフルオロポリエーテル(商品名:オプツールDSX)の使用量(含有量)は、0.80mol%であった。次に、得られた混合液中に、0.01M塩酸を0.87g加え、室温で5時間撹拌した。得られた溶液は均一で透明性が高かった。この溶液を0.2μmのPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)フィルターでろ過し、表面層形成用材料として、固形分濃度が15質量%のシリカゾル溶液を調製した。なお、このシリカゾル溶液中の全T単位に対するT3体の割合は35%であった。
〔定着部材の作製〕
エンドレスベルト形状を有する、ステンレス鋼(SUS304)製の基体(厚み35μm、内径24mm)の外周面上に、二液反応型の液状シリコーンゴムの塗膜を形成し、温度200℃で4時間加熱して、厚さが300μmの弾性層を形成した。弾性層の表面をUV(紫外線)オゾンで親水処理し、表面処理した弾性層上に調製した上記シリカゾル溶液をディップ塗布した。得られたシリカゾル溶液が付着した部材を、120℃で10時間加熱乾燥した後、更に180℃で2時間加熱乾燥することにより、オルガノポリシロキサン膜を表面層として有する定着部材を作製した。なお、表面層の厚みは4.1μmであった。
〔表面自由エネルギーの測定〕
得られた定着部材の表面層の表面自由エネルギー(γ)を測定したところ、14.4mJ/mであった。また、定着部材を220℃の恒温槽に入れ、100時間経過後のγは14.8mJ/mであり、200時間経過後のγは15.1mJ/mであった。
〔マルテンス硬度〕
得られた定着部材の表面層のマルテンス硬度(H)を測定したところ、435MPaであった。また、定着部材を220℃の恒温槽に入れ、100時間経過後のHを測定したところ440MPaであり、200時間経過後のHは442MPaであった。
(実施例2〜5)
パーフルオロポリエーテル(商品名:「オプツールDSX」)の使用量を、表1に記載したように変更した以外は、実施例1に係るシリカゾル溶液と同様にして実施例2〜5に係るシリカゾル溶液を調製した。各シリカゾル溶液中の全T単位に対するT3体の割合を表1に示す。
また、各シリカゾル溶液を用いた以外は、実施例1の定着部材の作製と同様にして、実施例2〜5に係る定着部材をそれぞれ作製し、実施例1に係る定着部材と同様にしてそれぞれ評価した。評価結果等を表1に示す。
なお、実施例3に係る定着部材に関して、表面層の厚み測定時に、付属のEDX検出器(商品名:PV7747/23ME、EDAX Inc.製)を用いて、厚み方向におけるF原子の分布を観察した。具体的には、表面層の厚み方向において、等間隔にエリアを10等分し、各エリアにおけるF原子の割合を算出した。その結果、最も表面に近いエリアのF原子の割合(Ftop)と、最も弾性層に近いエリアのF原子の割合Fbot.の比(Fbot./Ftop)が0.78であり、PFPE成分が厚み方向に広く分布していることが分かった。
(実施例6)
実施例3において、上記混合液中に、さらにテトラエトキシシラン(TEOS)を、MTES:TEOSが9:1(mol)となるように添加した。また、用いた全シラン化合物中のパーフルオロポリエーテル(商品名:オプツールDSX)の使用量が2.0mol%になるように、このパーフルオロポリエーテルを混合液中に追加した。それら以外は、実施例3と同様にして定着部材を作製し、得られた定着部材に対して同様に評価を行った。評価結果等を表1に示す。
(実施例7及び8)
実施例3及び6において、MTESを、同mol数のトリフルオロメチルトリエトキシシラン(F3TES)にそれぞれ変更した以外は、実施例3及び6と同様にして定着部材を作製し、得られた定着部材に対して同様にそれぞれ評価を行った。評価結果等を表1に示す。
(実施例9、10、13及び18)
実施例9、10、13及び18の各例では、実施例3において、MTESを、同mol数の以下の化合物にそれぞれ変更した以外は、実施例3と同様にして定着部材をそれぞれ作製し、得られた定着部材に対して同様にそれぞれ評価を行った。具体的には、実施例9では、フェニルトリエトキシシラン(PhTES)に、実施例10では、ペンタフルオロフェニルトリメトキシシラン(F5PhTMS)に、実施例13では、ブチルトリエトキシシラン(BTES)に、実施例18では、1、3、5−トリス(トリメトキシシリル)ベンゼン(TTB)にそれぞれ変更した。評価結果等を表1に示す。
(実施例11)
実施例10において、混合液中に、さらにPhTESを、F5PhTMS:PhTESが1:1(mol)となるように添加した。また、用いた全シラン化合物中のパーフルオロポリエーテル(商品名:オプツールDSX)の使用量が2.0mol%になるように、このパーフルオロポリエーテルを追加した。それら以外は、実施例10と同様にして定着部材を作製し、得られた定着部材に対して同様に評価を行った。評価結果等を表1に示す。
(実施例12)
実施例2において、混合液中に、さらに、両末端トリアルコキシシリルパーフルオロポリエーテル(商品名:Fluorolink S10、(架橋)官能基数2、数平均分子量2200、ソルベイ製)を添加した。その際、用いた全シラン化合物中の、このパーフルオロポリエーテル(商品名:Fluorolink S10)の含有量が0.5mol%となり、上述したパーフルオロポリエーテル(商品名:オプツールDSX)の使用量が1.0mol%となるように、これらの化合物量を調整した。なお、MTESの使用量は5.7gのまま変更しなかった。それら以外は実施例2と同様にして定着部材を作製し、得られた定着部材に対してそれぞれ同様に評価を行った。評価結果等を表1に示す。
(実施例14)
実施例4において、上記パーフルオロポリエーテル(商品名:オプツールDSX)を、同mol数の下記構造式(11)で表される公知のPFPE含有加水分解性シラン(数平均分子量960)(特開2001−152050号公報を参考に合成)に変更した。それ以外は、実施例4と同様にして定着部材を作製し、得られた定着部材に対して同様に評価を行った。評価結果等を表1に示す。
Figure 2018185478
(実施例15)
実施例4において、上記パーフルオロポリエーテル(商品名:オプツールDSX)を、同mol数の以下の化合物に変更した以外は、実施例4と同様にして定着部材を作製し、得られた定着部材に対して同様に評価を行った。具体的には、片末端にトリアルコキシシラン基を有するパーフルオロポリエーテル(商品名:KDP4966、(架橋)官能基数1、数平均分子量1750、Chemours製)に変更した。評価結果等を表1に示す。
(実施例16)
片末端にトリアルコキシシラン基を有するパーフルオロポリエーテル(商品名:オプツールDSX、(架橋)官能基数1、数平均分子量3900、ダイキン製)3.1g、及び、3-(アクリルオキシ)プロピルトリメトキシシラン(APTMS)3.5gをHFIP(ヘキサフルオロイソプロパノ−ル)22g中に加えた。得られた混合液中に、0.01M水酸化カリウム水溶液を0.6g加え、室温で5時間撹拌した。得られた溶液は均一で透明性の高い溶液であった。この溶液を0.2μmのPTFEフィルターでろ過し、シリカゾル溶液を調製した。作製したシリカゾル溶液中の全T単位に対するT3体の割合は38%であった。
シリカゾル溶液中のHFIPをエバポレ−ターで除去後、固形分をエタノールで3回洗浄した。洗浄した固形分をフッ素溶剤(商品名:アサヒクリンAK225、AGC製)に溶解し、分液漏斗を用いて水で3回洗浄した。水を除去後、得られた有機溶液に硫酸マグネシウムを加え、1晩撹拌した。フィルターを用いて硫酸マグネシウムを除去し、エバポレーターで溶剤を除去した後、固形分を得た。
得られた固形分を20質量%となるように上記フッ素溶剤(商品名:アサヒクリンAK225)に溶解し、固形分に対して3質量%の開始剤(商品名:IRGACURE369、BASF製)を加えた。この溶液を実施例1で作製した表面処理した弾性層上にディプ塗布し、紫外線硬化装置により硬化させ、表面層を有する定着部材を作製し、得られた定着部材に対して同様に評価を行った。なお、紫外線照射は窒素雰囲気下、高圧水銀灯を用い、100mmJ/cmの光量を照射した。評価結果等を表1に示す。
(実施例17)
実施例16において、APTMSを、同mol数の3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン(MPTMS)に変更した以外は、実施例16と同様にして定着部材を作製し、得られた定着部材に対して同様に評価を行った。評価結果等を表1に示す。
(実施例19)
実施例11において、F5PhTMSを同mol数のMTESに変更し、更に、PhTESを同mol数のTTBに変更した。なお、全シラン化合物中の、MTES:TTBの比は、1:1(mol)であり、パーフルオロポリエーテル(商品名:オプツールDSX)の使用量は2.0mol%であった。それら以外は、実施例11と同様にして定着部材を作製し、得られた定着部材に対して同様に評価を行った。評価結果等を表1に示す。
(実施例20)
実施例12においてMTESを同mоl数のTTBに変更した以外は実施例12と同様にして定着部材を作製し、得られた定着部材に対して同様に評価を行った。評価結果等を表1に示す。
(実施例21〜23)
実施例21〜23の各例では、実施例2においてシリカゾル溶液を作製した後、さらにHFIPを加え、シリカゾル溶液の固形分濃度を、実施例21では0.5質量%、実施例22では1.0質量%、実施例23では3.0質量%とした。それら以外は実施例2と同様にして定着部材をそれぞれ作製し、得られた定着部材に対して同様にそれぞれ評価を行った。評価結果等を表1に示す。
(比較例1)
片末端にトリアルコキシシラン基を有するパーフルオロポリエーテル(商品名:オプツールDSX、(架橋)官能基数1、数平均分子量3900、ダイキン製)をフッ素系溶剤(商品名:Novec7200、3M製)に溶解した。これにより、このパーフルオロポリエーテルの濃度が20質量%の溶液を調製した。この溶液を実施例1で作製した表面処理した弾性層上にディップ塗布し、80℃で2時間加熱した。加熱後、処理面を上記フッ素系溶剤(商品名:Novec7200)で洗浄した後、120℃で2時間加熱乾燥し、表面にPFPE膜を有する定着部材を得た。なお、弾性層の表面に結合したPFPE鎖の膜厚は35nmであった。
作製した定着部材の表面(PFPE膜)のγを測定したところ、13.8mJ/mであり、HはPFPE膜の膜厚が薄いため測定できなかった。この定着部材を220℃の恒温槽に入れ、100時間経過後のγは16.2mJ/mであり、200時間経過後のγは19.4mJ/mであった。評価結果等を表2に示す。
(比較例2)
実施例1において、MTESを用いなかった以外は実施例1と同様に定着部材を作製し、得られた定着部材に対して同様に評価を行った。評価結果等を表2に示す。
(比較例3)
比較例2において、上記パーフルオロポリエーテル(商品名:オプツールDSX)を、下記構造式(12)で表される化合物(ジクロロメチルシランを用い、特開2013−241602号公報を参考に合成)に変更した。それ以外は、比較例2と同様に定着部材を作製し、得られた定着部材に対して同様に評価を行った。評価結果等を表2に示す。
Figure 2018185478
(比較例4及び5)
比較例4及び5の各例では、実施例3において、MTESを、同mol数の以下の化合物に変更した以外は実施例3と同様に定着部材をそれぞれ作製し、得られた定着部材に対して同様にそれぞれ評価を行った。具体的には、比較例4では、ペンチルトリエトキシシラン(PTES)に、比較例5では、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(GPTES)にそれぞれ変更した。評価結果等を表2に示す。
(比較例6)
実施例1において、上記パーフルオロポリエーテル(商品名:オプツールDSX)を用いなかった以外は実施例1と同様に定着部材を作製し、得られた定着部材に対して同様に評価を行った。
(比較例7〜9)
比較例7〜9の各例では、比較例6において、MTESを、同mol数の以下の化合物にそれぞれ変更した以外は比較例6と同様に定着部材をそれぞれ作製し、得られた定着部材に対して同様にそれぞれ評価を行った。具体的には、比較例7では、PhTESに、比較例8では、F5PhTMSに、比較例9では、TEOSに、それぞれ変更した。なお、比較例9では、得られた定着部材を220℃の恒温槽に入れたところ、クラックが発生した。評価結果等を表2に示す。
(比較例10)
両末端メタクリルパーフルオロポリエーテル(商品名:Fomblin MT70、(架橋)官能基数4、数平均分子量2000、ソルベイ製)をメチルエチルケトン(MEK)に溶解し、このパーフルオロポリエーテルの濃度が80質量%の溶液とした。この溶液に、開始剤として、DAROCURE1173(商品名、BASF製)を、このパーフルオロポリエーテルに対して3質量%加えた。得られた溶液を実施例16と同様に表面処理した弾性層上にディップ塗布し、紫外線照射により硬化させ、表面層を有する定着部材を作製し、得られた定着部材に対して同様に評価を行った。評価結果等を表2に示す。
(比較例11)
比較例2において、上記パーフルオロポリエーテル(商品名:オプツールDSX)を、同mol数の両末端トリアルコキシシリルパーフルオロポリエーテル(商品名:Fluorolink S10)に変更した以外は比較例2と同様に定着部材を作製した。得られた定着部材に対して、比較例2と同様に評価を行った。評価結果等を表2に示す。
(比較例12)
実施例3において、上記パーフルオロポリエーテル(商品名:オプツールDSX)を同mol数の両末端トリアルコキシシリルパーフルオロポリエーテル(商品名:Fluorolink S10)に変更した。それ以外は実施例3と同様に定着部材を作製し、得られた定着部材に対して同様に評価を行った。評価結果等を表2に示す。
(比較例13)
表面層にPFAが積層されている定着部材(キヤノン製、商品名:iRC3200付属の定着ローラー、PFA膜厚20μm)を用意し、この定着部材に対して、実施例1と同様に評価を行った。
(比較例14)
比較例6において、混合液中にさらにフッ素オイル(商品名:Fomblin M03、(架橋)官能基数0、数平均分子量3700、ソルベイ製)を、用いた化合物中のフッ素オイルの含有量が2.0mol%となるように加えた。それ以外は比較例6と同様に定着部材を作製し、得られた定着部材に対して同様に評価を行った。なお、比較例14の定着部材では、オイルが表面に偏析し、触れるとタック性が発現していた。評価結果等を表2に示す。
なお、表1及び表2中のポリシロキサン単位または他の繰り返し単位において、符号A〜E(成分)は以下のものを表す。
A:加水分解縮合後、RSiO3/2構造(構造式(1)の構造)を構成するシラン化合物、または、他の構造(構造式(1)と類似の構造等)を構成する化合物。
B:加水分解縮合後、R(SiO3/2構造(構造式(2)の構造)を構成するシラン化合物、または、他の構造(構造式(2)と類似の構造)を構成する化合物。
C:加水分解縮合後、CSiO3/2構造(構造式(3)の構造)を構成するシラン化合物。
D:加水分解縮合後、SiO4/2構造(構造式(6)の構造)を構成するシラン化合物。
E:加水分解縮合後、両末端がSi原子に結合してなる、パーフルオロポリエーテル構造を構成する化合物。
また、表1及び表2中、「オプツールDSX」、「KDP4966」、「Fomblin MT70」、「Fluorolink S10」及び「Fomblin M03」はいずれも商品名を表す。さらに、表1及び表2中、A成分(mol%)は、用いた全化合物(上記A〜E成分)中のA成分の使用割合を表す。
Figure 2018185478
Figure 2018185478
以上より、本発明の定着部材によれば、PFAに比べ離型性がよく、高強度であるため、ワックスを低減した状態であっても、長期間に亘ってトナーの定着が可能である。また、本発明の定着部材によれば、単にPFPEで表面を処理した系、また、フッ素オイルを含有した系よりも格段に耐久離型性が向上することが分かる。
1:基体
2:弾性層
3:表面層(オルガノポリシロキサン膜)
4:定着部材(定着ローラ)
10:定着装置
11:電子写真感光体
13:帯電手段
14:露光光(画像露光光)
15:現像手段
16:転写手段
18:定着手段

Claims (6)

  1. 基体、および、該基体上の表面層を有する定着部材であって、
    該表面層は、
    下記構造式(1)で表される構造単位と、
    下記構造式(2)および下記構造式(3)で表される構造単位群から選択される少なくとも1つの構造単位と、を有するオルガノポリシロキサンを含む、ことを特徴とする定着部材:
    構造式(1)
    SiO3/2
    (構造式(1)中、Rは、下記構造式(4)で示される基を表す:
    Figure 2018185478
    (構造式(4)中、lおよびnは、各々独立して、0以上3以下の整数を表し、mは、0または1を表し、Xは、エステル結合、アミド結合、または、ウレタン結合を表し、Yは、下記構造式(5−1)および構造式(5−2)から選択される少なくとも一方の基を表す。)、
    Figure 2018185478
    (構造式(5−1)および構造式(5−2)中、a〜eは、各々独立して、0以上の整数を表し、ただし、a〜eの総和は1以上200以下であり、RおよびRは、各々独立して、フッ素原子またはトリフルオロメチル基を表す。))、
    構造式(2)
    (SiO3/2
    (構造式(2)中、xは1または2を表し、ただしxが1であるときは、Rは以下の(i)および(ii)に記載される基より選択される基を表し、xが2であるときは、Rは以下の(iii)および(iv)に記載される基より選択される基を表す。
    (i)炭素数1〜4の未置換のアルキル基、あるいは、
    炭素数1〜4の未置換のアルキル基の少なくとも1つの水素原子が、フッ素原子、トリフルオロメチル基、アクリル酸残基、メタクリル酸残基、エテニルエーテル残基、メチルエテニルエーテル残基、エテニル残基、メチルエテニル残基、アクリルアミド残基、メタクリルアミド残基およびイソシアネート残基からなる群から選択される少なくとも1つの原子または基で置換された置換アルキル基;
    (ii)炭素数6〜18の未置換のアリール基、あるいは、
    炭素数6〜18の未置換のアリール基の少なくとも1つの水素原子が、フッ素原子、トリフルオロメチル基、アクリル酸残基、メタクリル酸残基、エテニルエーテル残基、メチルエテニルエーテル残基、エテニル残基、メチルエテニル残基、アクリルアミド残基、メタクリルアミド残基およびイソシアネート残基からなる群から選択される少なくとも1つの原子または基で置換された置換アリール基;
    (iii)炭素数1〜4の未置換のアルキレン基、あるいは、
    炭素数1〜4の未置換のアルキレン基の少なくとも1つの水素原子が、フッ素原子およびトリフルオロメチル基からなる群から選択される少なくとも1つの原子または基で置換された置換アルキレン基;
    (iv)炭素数6〜18の未置換のアリーレン基、あるいは、
    炭素数6〜18の未置換のアリーレン基の少なくとも1つの水素原子が、フッ素原子およびトリフルオロメチル基からなる群から選択される少なくとも1つの原子または基で置換された置換アリーレン基。)。
    Figure 2018185478
  2. 前記オルガノポリシロキサンが、更に、下記構造式(6)で表される構造単位を有する、請求項1に記載の定着部材。
    構造式(6)
    SiO4/2
  3. 前記表面層の厚さが、100nm以上である、請求項1または2に記載の定着部材。
  4. 前記表面層の表面の25℃におけるマルテンス硬度が、150MPa以上600MPa以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の定着部材。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の定着部材を有することを特徴とする定着装置。
  6. 感光体と、
    該感光体を帯電させる帯電装置と、
    帯電した感光体を露光して静電潜像を形成する露光装置と、
    該感光体に形成された静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成する現像装置と、
    該感光体に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写装置と、
    請求項5に記載の定着装置と、
    を有することを特徴とする画像形成装置。
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