JP2008156454A - 光及び熱硬化性コーティング剤組成物、その硬化皮膜を有する物品 - Google Patents
光及び熱硬化性コーティング剤組成物、その硬化皮膜を有する物品 Download PDFInfo
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Abstract
Description
〔1〕[A]下記シロキサン単位式(1)
CH2=C(R7)COOCH2− (2)
(式中、R7は水素原子又はメチル基である。)
で表される基を1個以上含み、総シロキサン単位に対して前記式(2)で表される有機基が置換しているシロキサン単位が20〜99.9mol%であり、更にR1〜R6のいずれかに、置換基としてパーフルオロアルキル基又はポリ(ヘキサフルオロプロピレンオキサイド)構造含有基を有する炭素数1〜6の一価脂肪族炭化水素基を1個以上含み、総シロキサン単位に対して該炭化水素基が置換しているシロキサン単位が0.1〜50mol%である。aは平均0≦a<0.4であり、bは平均0≦b<0.5であり、cは平均0<c≦1であり、dは平均0≦d<0.4であり、eは平均0≦e<0.2であり、a+b+c+d=1である。]
で表されるオルガノポリシロキサン化合物:
[A]成分と[B]成分の合計100質量部に対して20〜100質量部、
[B][A]成分以外の(メタ)アクリル基含有化合物:
[A]成分と[B]成分の合計100質量部に対して0〜80質量部、
[C](CF3(CF2)mSO2)2NLi(但し、m=0〜7である。):
[A]成分と[B]成分の合計100質量部に対して0.5〜15質量部、
[D]ラジカル系光重合開始剤及び/又は熱縮合触媒:
[A]成分と[B]成分の合計100質量部に対して0.1〜20質量部
を含有してなる無溶剤かつ室温にて液状であることを特徴とする光及び熱硬化性コーティング剤組成物。
〔2〕シロキサン単位式(1)のR1〜R6において、式(2)で表される有機基含有シロキサン単位の含有率をAmol%、下記式(3)
CH2=C(R8)COOC3H6− (3)
(式中、R8は水素原子又はメチル基である。)
で表される有機基含有シロキサン単位の含有率をBmol%とすると、
0.5<A/(A+B)≦1
であることを特徴とする〔1〕記載のコーティング剤組成物。
〔3〕オルガノポリシロキサン化合物の重量平均分子量が1,000〜5,000である〔1〕又は〔2〕記載のコーティング剤組成物。
〔4〕オルガノポリシロキサン化合物のシラノール基含有量が0〜2質量%である〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のコーティング剤組成物。
〔5〕オルガノポリシロキサン化合物中に含まれる不揮発分が99質量%以上である〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のコーティング剤組成物。
〔6〕オルガノポリシロキサン化合物が、総シロキサン単位に対し、ポリ(ヘキサフルオロプロピレンオキサイド)構造含有基が置換しているシロキサン単位が0.1〜20mol%である〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載のコーティング剤組成物。
〔7〕オルガノポリシロキサン化合物が、総シロキサン単位に対し、ジメチルシロキサン単位が1〜10mol%である〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載のコーティング剤組成物。
〔8〕[C]成分が、(CF3SO2)2NLiである〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載のコーティング剤組成物。
〔9〕〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載のコーティング剤組成物の硬化皮膜が形成されてなる物品。
なお、本発明において、無溶剤とは、本発明の硬化条件で硬化することのない非反応性で、本発明のシリコーン樹脂を溶解する溶剤を含まないことを意味する。
[A]後述する光反応性基含有オルガノポリシロキサン化合物、
[C](CF3(CF2)mSO2)2NLi(但し、m=0〜7である)、
[D]ラジカル系光重合開始剤及び/又は熱縮合触媒、
及び必要に応じて
[B][A]成分以外の(メタ)アクリル基含有化合物
を含有してなり、無溶剤かつ室温にて液状であることを特徴とするものである。
本発明における光反応性基含有オルガノポリシロキサン化合物は、無溶剤の光及び熱硬化性コーティング剤組成物の主成分として用いられるものであり、下記シロキサン単位式(1)で表される。
CH2=C(R7)COOCH2− (2)
(式中、R7は水素原子又はメチル基である。)
で表される基を1個以上含み、総シロキサン単位に対して前記式(2)で表される有機基が置換しているシロキサン単位が20〜99.9mol%であり、更にR1〜R6のいずれかに、置換基としてパーフルオロアルキル基又はポリ(ヘキサフルオロプロピレンオキサイド)構造含有基を有する炭素数1〜6の一価脂肪族炭化水素基を1個以上含み、総シロキサン単位に対して該炭化水素基が置換しているシロキサン単位が0.1〜50mol%である。aは平均0≦a<0.4であり、bは平均0≦b<0.5であり、cは平均0<c≦1であり、dは平均0≦d<0.4であり、eは平均0≦e<0.2であり、a+b+c+d=1である。]
(R6SiO3/2)c(OX)e、
(R6SiO3/2)c(SiO4/2)d(OX)e、
(R1R2R3SiO1/2)a(R6SiO3/2)c(OX)e、
(R4R5SiO2/2)b(R6SiO3/2)c(OX)e、
(R4R5SiO2/2)b(R6SiO3/2)c(SiO4/2)d(OX)e、
(R1R2R3SiO1/2)a(R6SiO3/2)c(SiO4/2)d(OX)e、
(R1R2R3SiO1/2)a(R4R5SiO2/2)b(R6SiO3/2)c(OX)e
がある。なお、eは0又は0.2未満の正数であるので、e=0の場合は上記式から(OX)eを削除したものとなり、e>0の場合は上記式の通りである。
このシリコーン樹脂は、これらのシロキサン単位からなる分岐状、網状、3次元状などのオルガノポリシロキサン樹脂であり、(メタ)アクリロキシ基及びシラノール基を有するので、光及び熱重合開始剤共存下で紫外線などの高エネルギー線照射あるいは熱により迅速に硬化する。
CH2=C(R7)COOCH2− (2)
(式中、R7は水素原子又はメチル基である。)
で表される有機基は、R1〜R6のうちに少なくとも一つは含まれる(即ち、シリコーン樹脂のケイ素原子に結合する有機基の少なくとも一つは上記式(2)の基である。)。また、R7については紫外線等の高エネルギー線照射時の硬化性を考慮すると水素原子であることが好ましい。総シロキサン単位に対して、式(2)で表される有機基が置換しているシロキサン単位は20〜99.9mol%であることが好ましく、より好ましくは50〜99.9mol%である。
CH2=C(R8)COOC3H6− (3)
(式中、R8は水素原子又はメチル基である。)
で表される有機基が挙げられる。なお、R8については紫外線等の高エネルギー線照射時の硬化性を考慮すると水素原子であることが好ましい。
なお、上記式(3)で表される有機基が置換しているシロキサン単位は、総シロキサン単位に対して0〜35mol%が好ましく、より好ましくは0〜23mol%である。
また、上記オルガノポリシロキサン化合物は、室温(25℃)で液状の場合には、回転粘度計により測定される粘度が1,500〜3,000mPa・sであることが好ましい。
本発明のコーティング剤組成物は、[A]成分のオルガノポリシロキサン化合物以外に、必要に応じて、反応性がある希釈剤として多官能(メタ)アクリレートを含むことができる。多官能(メタ)アクリレートを含まず、無溶媒の場合、該オルガノポリシロキサン化合物が固体(結晶)化したり、高粘度化したりするため、安定した製造が困難になる他、基板への塗工が非常に困難になるおそれがある。
本発明においては、(CF3(CF2)mSO2)2NLi(但し、m=0〜7である)が、相溶性及び溶解性が良好な帯電防止剤として使用される。硬化物の表面抵抗率が初期及び高温高湿時ともに1016Ω/□以下となり、十分な埃付着防止効果が得られる。mが7を超える場合、相溶性、溶解性が悪くなる。好ましいものとしては、m=0の(CF3SO2)2NLiである。
本発明に使用される硬化触媒としては、ラジカル系光重合開始剤及び/又は熱縮合触媒を用いることができる。
ラジカル系光重合開始剤としては、アセトフェノン系、ベンゾイン系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系等の通常のものから選択することができる。例えば、ダロキュアー1173、イルガキュア651、イルガキュア184、イルガキュア907(いずれもチバスペシャルティケミカルズ社製)等が挙げられる。
前記シリカ微粒子の中でも、活性エネルギー線反応性基を有する加水分解性シラン化合物によって表面修飾されたものが好ましく用いられる。このような反応性シリカ微粒子は、ハードコートを硬化させる際の活性エネルギー線照射によって、架橋反応を起こし、ポリマーマトリックス中に固定される。なお、金属酸化物微粒子の配合量は、[A]成分と[B]成分の合計100質量部に対して0.1〜50質量部であることが好ましい。
形成された被膜の膜厚は、0.1〜50μm、特に0.5〜30μmの範囲にあることが好ましい。膜厚が薄すぎると耐摩耗性が低下する場合があり、また厚すぎると耐クラック性が低下する場合がある。
なお、下記の例において、揮発分はJIS C 2133に、屈折率はJIS K 0062に、OH量はJIS K 0070に準じてそれぞれ測定した値であり、重量平均分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー、HLC−8220東ソ社製)を用いてTHF(テトラヒドロフラン)を展開溶媒として測定した値である。
防汚性は、水接触角とオレイン酸接触角を接触角計(CA−X150型、協和界面科学製)を用いて測定した(接触角が大きいものほど防汚性に優れる)。
耐擦傷性、耐磨耗性は、ASTMD 1044に準拠し、テーバー磨耗試験機(磨耗輪CS−10F使用)を用いて硬化被膜の磨耗試験を行い、磨耗試験前後の硬化被膜の濁度を濁度計(NHD2000、日本電色工業製)を用いて測定し、〔磨耗試験後の濁度−磨耗試験前の濁度〕の値をΔHazeとした(ΔHazeは15以下の場合に耐擦傷性、耐磨耗性は良好である)。
表面抵抗率は、高抵抗 抵抗率計(ハイレスタUP MCP−HT450型、ダイアインスツルメント社製)、半減期は、帯電電荷減衰度測定器(スタチックオネストメーター、シシド静電気社製)を用い、いずれも25℃、50%RHの雰囲気下で測定した。
アクリロキシメチル基及びフッ素含有オルガノポリシロキサン化合物の合成
出発原料として、アクリロキシメチルトリメトキシシランを199.6質量部(0.96mol)、C8F17C2H4Si(OCH3)3を17.0質量部(0.03mol)、パーメチルドデカシロキサン(以下MD−10と表記)を0.9質量部(0.0008mol)、イソプロピルアルコールを612.7質量部反応器中に配合し、均一になったところで20質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキサイドメタノール溶液13.9質量部、アルコキシ基に対して2倍molの水97.0質量部(水6.04mol)を添加し、25℃で12時間撹拌した。トルエンを投入して水洗し、中性化した後、アルコール、トルエン等を留去した。
得られた反応物は25℃で液体、揮発分0.3%、屈折率1.4732、OH量0.5質量%、重量平均分子量1,800であった。この反応物は、赤外吸収光分析、核磁気共鳴分析の結果から加水分解縮合が理想どおり進行し、下記シロキサン単位式
を有する光反応性基含有オルガノポリシロキサン化合物であることを確認した。
合成例1にて得られた化合物80質量部、二官能アクリレートである1,6−ヘキサンジオールジアクリレート20質量部、(CF3SO2)2NLi 7.5質量部及びダロキュアー1173(ラジカル開始剤、チバスペシャリティケミカルズ社製、商品名)5質量部を混合し、得られた溶媒を含まず、25℃で液体の組成物をポリカーボネートに厚さ5μmとなるように塗布し、80W高圧水銀灯で光を2秒間照射し(積算照射量200mJ/cm2)、硬化させた。
得られた被膜のテーバー磨耗性試験(500g荷重、100回転)では、ΔHazeは6と良好な耐磨耗性を示した。更に耐マジックインキ性は合格であり、水接触角は95°、オレイン酸接触角は64°と優れた防汚性を示した。また、表面抵抗率は5×1013Ω/□と低く、半減期も1minと短かった。
アクリロキシメチル基及びフッ素含有オルガノポリシロキサン化合物の合成
出発原料として、アクリロキシメチルトリメトキシシランを199.6質量部(0.96mol)、HFPO3Si(OMe)3[HFPO3:C3F7OC(CF3)FCF2OC(CF3)FCH2OC3H6−、Me:メチル]を19.3質量部(0.03mol)、MD−10を0.9質量部(0.0008mol)、イソプロピルアルコールを612.7質量部反応器中に配合し、均一になったところで、20質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキサイドメタノール溶液13.9質量部、アルコキシ基に対して2倍molの水97.0質量部(水6.04mol)を添加し、25℃で12時間撹拌した。トルエンを投入して水洗し、中性化した後、アルコール、トルエン等を留去した。
得られた反応物は25℃で液体、揮発分0.2%、屈折率1.4715、OH量0.3質量%、重量平均分子量1,700であった。この反応物は、赤外吸収光分析、核磁気共鳴分析の結果から加水分解縮合が理想どおり進行し、下記シロキサン単位式
を有する光反応性基含有オルガノポリシロキサン樹脂であることを確認した。
合成例2にて得られた化合物80質量部、二官能アクリレートである1,6−ヘキサンジオールジアクリレート20質量部、(CF3SO2)2NLi 7.5質量部及びダロキュアー1173(ラジカル開始剤、チバスペシャリティケミカルズ社製、商品名)5質量部を混合し、得られた溶媒を含まず、25℃で液体の組成物をポリカーボネートに厚さ5μmとなるように塗布し、80W高圧水銀灯で光を2秒間照射し(積算照射量200mJ/cm2)、硬化させた。
得られた被膜のテーバー磨耗性試験(500g荷重、100回転)では、ΔHazeは7と良好な耐磨耗性を示した。更に耐マジックインキ性は合格であり、水接触角は96°、オレイン酸接触角は61°と優れた防汚性を示した。また、表面抵抗率は5×1012Ω/□と低く、半減期も1minと短かった。
アクリロキシメチル基及びフッ素含有オルガノポリシロキサン化合物の合成
出発原料として、アクリロキシメチルトリメトキシシランを199.8質量部(0.97mol)、HFPO3Si(OMe)3[HFPO3:C3F7OC(CF3)FCF2OC(CF3)FCH2OC3H6−、Me:メチル]を19.3質量部(0.03mol)、イソプロピルアルコールを608.5質量部反応器中に配合し、均一になったところで、20質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキサイドメタノール溶液13.8質量部、アルコキシ基に対して2倍molの水97.0質量部(水6.04mol)を添加し、25℃で12時間撹拌した。トルエンを投入して水洗し、中性化した後、アルコール、トルエン等を留去した。
得られた反応物は25℃で液体、揮発分0.3%、屈折率1.4722、OH量1.1質量%、重量平均分子量1,600であった。この反応物は、赤外吸収光分析、核磁気共鳴分析の結果から加水分解縮合が理想どおり進行し、下記シロキサン単位式
を有する光反応性基含有オルガノポリシロキサン樹脂であることを確認した。
合成例3にて得られた化合物80質量部、二官能アクリレートである1,6−ヘキサンジオールジアクリレート20質量部、(CF3SO2)2NLi 7.5質量部及びダロキュアー1173(ラジカル開始剤、チバスペシャリティケミカルズ社製、商品名)5質量部を混合し、得られた溶媒を含まず、25℃で液体の組成物をポリカーボネートに厚さ5μmとなるように塗布し、80W高圧水銀灯で光を2秒間照射し(積算照射量200mJ/cm2)、硬化させた。
得られた被膜のテーバー磨耗性試験(500g荷重、100回転)では、ΔHazeは9と良好な耐磨耗性を示し、耐マジックインキ性は合格であった。また、水接触角は94°、オレイン酸接触角は54°であり、良好な防汚性を示した。また、表面抵抗率は5×1013Ω/□と低く、半減期も2minと短かった。
合成例2にて得られた化合物80質量部、二官能アクリレートである1,6−ヘキサンジオールジアクリレート20質量部及びダロキュアー1173(ラジカル開始剤、チバスペシャリティケミカルズ社製、商品名)5質量部を混合し、得られた溶媒を含まず、25℃で液体の組成物をポリカーボネートに厚さ5μmとなるように塗布し、80W高圧水銀灯で光を2秒間照射し(積算照射量200mJ/cm2)、硬化させた。
得られた被膜のテーバー磨耗性試験(500g荷重、100回転)では、ΔHazeは7と良好な耐磨耗性を示した。更に耐マジックインキ性は合格であり、水接触角は96°、オレイン酸接触角は61°と優れた防汚性を示した。しかし、表面抵抗率は1×1015Ω/□以上と高く、半減期も60min以上であった。
アクリロキシメチル基含有オルガノポリシロキサン化合物の合成
出発原料として、アクリロキシメチルトリメトキシシランを206.0質量部(1.00mol)、イソプロピルアルコールを539.7質量部反応器中に配合し、均一になったところで、20質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキサイドメタノール溶液12.6質量部、アルコキシ基に対して2倍molの水108.8質量部(水6.04mol)を添加し、25℃で12時間撹拌した。トルエンを投入して水洗し、中性化した後、アルコール、トルエン等を留去した。
得られた反応物は、揮発分0.7%、屈折率1.4882、OH量1.0質量%、重量平均分子量1,500であった。この反応物は25℃において固体であり、赤外吸収光分析、核磁気共鳴分析の結果から加水分解縮合が理想どおり進行し、下記シロキサン単位式
[Ac1SiO3/2]1.0[OH]0.07
[Ac1:アクリロキシメチル]
を有する光反応性基含有オルガノポリシロキサン樹脂であることを確認した。
比較合成例1にて得られた化合物50質量部、二官能アクリレートである1,6−ヘキサンジオールジアクリレート50質量部、(CF3SO2)2NLi 7.5質量部及びダロキュアー1173(ラジカル開始剤、チバスペシャリティケミカルズ社製、商品名)5質量部を混合し、得られた溶媒を含まず、25℃で液体の組成物をポリカーボネートに厚さ5μmとなるように塗布し、80W高圧水銀灯で光を2秒間照射し(積算照射量200mJ/cm2)、硬化させた。
得られた被膜のテーバー磨耗性試験(500g荷重、100回転)では、ΔHazeは5と優れた耐磨耗性を示し、表面抵抗率は1×1014Ω/□と低く、半減期も1minと短かった。しかし、水接触角は77°、オレイン酸接触角は測定不能、耐マジックインキ性は不合格と防汚性は得られなかった。
3−アクリロキシプロピル基及びフッ素含有オルガノポリシロキサン化合物の合成
出発原料として、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランを224.6質量部(0.96mol)、HFPO3Si(OMe)3[HFPO3:C3F7OC(CF3)FCF2OC(CF3)FCH2OC3H6−]を19.3質量部(0.03mol)、MD−10を0.9質量部(0.0008mol)、イソプロピルアルコールを612.7質量部反応器中に配合し、均一になったところで、20質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキサイドメタノール溶液13.9質量部、アルコキシ基に対して2倍molの水97.0質量部(水6.04mol)を添加し、25℃で12時間撹拌した。トルエンを投入して水洗し、中性化した後、アルコール、トルエン等を留去した。
得られた反応物は25℃で液体、揮発分0.5%、屈折率1.4829、OH量0.6質量%、重量平均分子量3,000であった。この反応物は、赤外吸収光分析、核磁気共鳴分析の結果から加水分解縮合が理想どおり進行し、下記シロキサン単位式
を有する光反応性基含有オルガノポリシロキサン樹脂であることを確認した。
比較合成例2で得られた化合物80質量部、二官能アクリレートである1,6−ヘキサンジオールジアクリレート20質量部、(CF3SO2)2NLi 7.5質量部及びダロキュアー1173(ラジカル開始剤、チバスペシャリティケミカルズ社製、商品名)5質量部と混合し、得られた溶媒を含まず、25℃で液体の組成物をポリカーボネートに厚さ5μmとなるように塗布し、80W高圧水銀灯で光を2秒間照射し(積算照射量200mJ/cm2)、硬化させた。
得られた被膜の耐マジックインキ性は合格であり、水接触角は101°、オレイン酸接触角は64°と十分な防汚性を示した。また、表面抵抗率は1×1014Ω/□と低く、半減期も2minと短かった。しかしながら、テーバー磨耗性試験(500g荷重、100回転)では、ΔHazeは18と耐磨耗性は不十分であった。
Claims (9)
- [A]下記シロキサン単位式(1)
CH2=C(R7)COOCH2− (2)
(式中、R7は水素原子又はメチル基である。)
で表される基を1個以上含み、総シロキサン単位に対して前記式(2)で表される有機基が置換しているシロキサン単位が20〜99.9mol%であり、更にR1〜R6のいずれかに、置換基としてパーフルオロアルキル基又はポリ(ヘキサフルオロプロピレンオキサイド)構造含有基を有する炭素数1〜6の一価脂肪族炭化水素基を1個以上含み、総シロキサン単位に対して該炭化水素基が置換しているシロキサン単位が0.1〜50mol%である。aは平均0≦a<0.4であり、bは平均0≦b<0.5であり、cは平均0<c≦1であり、dは平均0≦d<0.4であり、eは平均0≦e<0.2であり、a+b+c+d=1である。]
で表されるオルガノポリシロキサン化合物:
[A]成分と[B]成分の合計100質量部に対して20〜100質量部、
[B][A]成分以外の(メタ)アクリル基含有化合物:
[A]成分と[B]成分の合計100質量部に対して0〜80質量部、
[C](CF3(CF2)mSO2)2NLi(但し、m=0〜7である):
[A]成分と[B]成分の合計100質量部に対して0.5〜15質量部、
[D]ラジカル系光重合開始剤及び/又は熱縮合触媒:
[A]成分と[B]成分の合計100質量部に対して0.1〜20質量部
を含有してなる無溶剤かつ室温にて液状であることを特徴とする光及び熱硬化性コーティング剤組成物。 - シロキサン単位式(1)のR1〜R6において、式(2)で表される有機基含有シロキサン単位の含有率をAmol%、下記式(3)
CH2=C(R8)COOC3H6− (3)
(式中、R8は水素原子又はメチル基である。)
で表される有機基含有シロキサン単位の含有率をBmol%とすると、
0.5<A/(A+B)≦1
であることを特徴とする請求項1記載のコーティング剤組成物。 - オルガノポリシロキサン化合物の重量平均分子量が1,000〜5,000である請求項1又は2記載のコーティング剤組成物。
- オルガノポリシロキサン化合物のシラノール基含有量が2質量%以下である請求項1〜3のいずれか1項記載のコーティング剤組成物。
- オルガノポリシロキサン化合物中に含まれる不揮発分が99質量%以上である請求項1〜4のいずれか1項記載のコーティング剤組成物。
- オルガノポリシロキサン化合物が、総シロキサン単位に対し、ポリ(ヘキサフルオロプロピレンオキサイド)構造含有基が置換しているシロキサン単位が0.1〜20mol%である請求項1〜5のいずれか1項記載のコーティング剤組成物。
- オルガノポリシロキサン化合物が、総シロキサン単位に対し、ジメチルシロキサン単位が1〜10mol%である請求項1〜6のいずれか1項記載のコーティング剤組成物。
- [C]成分が、(CF3SO2)2NLiである請求項1〜7のいずれか1項記載のコーティング剤組成物。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載のコーティング剤組成物の硬化皮膜が形成されてなる物品。
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