JP2008046363A - 定着部材、定着装置、画像形成装置、及び画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】離型剤としてのシリコーンオイルを塗布した場合に良好に使用することができ、トナー材が付着し難く、しかも安価な定着部材等を提供する。
【解決手段】トナーの離型性維持を目的としたシリコーンオイルを離型剤として利用可能な表面層141の製造方法であって、表面層にフルオロカーボンシロキサンゴムを使用して得られる性能を低価格で実現する。即ち、フルオロカーボンシロキサンゴムの前駆体とシリコーンゴムの前駆体との混合物を塗布、硬化して構成されるゴム層を表面層として用いることにより、優れたベルト状定着部材を実現する。
【選択図】図2
【解決手段】トナーの離型性維持を目的としたシリコーンオイルを離型剤として利用可能な表面層141の製造方法であって、表面層にフルオロカーボンシロキサンゴムを使用して得られる性能を低価格で実現する。即ち、フルオロカーボンシロキサンゴムの前駆体とシリコーンゴムの前駆体との混合物を塗布、硬化して構成されるゴム層を表面層として用いることにより、優れたベルト状定着部材を実現する。
【選択図】図2
Description
本発明は、定着部材等に関し、より詳しくは、画像形成装置に用いられる定着部材等に関する。
未定着トナー像を所定の記録材上に定着する定着方式としては、トナー像が転写された記録材に接触して、記録材上のトナー像に熱と圧力とを加える接触型加熱加圧方式や、トナー像が転写された記録材から離れた位置にオーブンを設け、そのオーブンからの熱を利用する非接触型加熱方式など、様々な方式が知られている。
そして、信頼性や安全性の観点から、中でも接触型加熱加圧方式が主に使用されている。定着方式として接触型加熱加圧方式を採用した定着装置を例示すると、定着部材としてベルト状の定着部材(以下、定着ベルトと略記することがある。)を備え、記録材上の未定着トナー像に定着ベルトの表面を接触させることで、未定着トナー像に熱と圧力とを加え、最終的に定着ベルト表面から記録材を剥離させる定着装置が挙げられる。
そして、信頼性や安全性の観点から、中でも接触型加熱加圧方式が主に使用されている。定着方式として接触型加熱加圧方式を採用した定着装置を例示すると、定着部材としてベルト状の定着部材(以下、定着ベルトと略記することがある。)を備え、記録材上の未定着トナー像に定着ベルトの表面を接触させることで、未定着トナー像に熱と圧力とを加え、最終的に定着ベルト表面から記録材を剥離させる定着装置が挙げられる。
ここで、定着ベルトを備える定着装置においては、定着ベルト表面から記録材を剥離する際に定着ベルト表面とトナー像との離型性が不良であると、記録材上に定着するトナー像が不完全なものとなる。また、定着ベルト表面にトナーが残留すると、以降の画像形成にも悪影響を与える原因となる。
従って、このような事情のもと、定着ベルト表面とトナー像との離型性を向上させるべく、表面をシリコーンゴムで形成した定着ベルトを用いる方法や、そのような定着ベルト表面に離型剤としてのシリコーンオイルを供給する方法、或いは、表面をフルオロカーボンシロキサンゴムで形成した定着ベルトを用いる方法が知られている(いずれも、特許文献1参照)。
従って、このような事情のもと、定着ベルト表面とトナー像との離型性を向上させるべく、表面をシリコーンゴムで形成した定着ベルトを用いる方法や、そのような定着ベルト表面に離型剤としてのシリコーンオイルを供給する方法、或いは、表面をフルオロカーボンシロキサンゴムで形成した定着ベルトを用いる方法が知られている(いずれも、特許文献1参照)。
ところで、接触型加熱加圧方式を採用した定着装置において、記録材上に定着したトナー像の表面性は、トナー像が記録材に伴われて定着部材から剥離する剥離点でのトナー温度と、定着部材の表面形状に依存する。即ち、剥離点においてトナー温度がトナーの融点以上である場合には、定着トナー像の表面性はトナーの粘弾性に依存する。一方、剥離点においてトナー温度がトナーの融点未満である場合には、定着トナー像の表面は定着部材表面の型をとるように、定着部材の表面形状の概略を写し取ることになる。つまり、剥離点においてトナー温度がトナーの融点未満である場合、定着部材の表面が平滑であれば定着トナー像は非常に高光沢、即ち、グロスが高い状態となる。これに対し、長年の使用により定着部材表面にトナー(特に、トナーに含まれるワックス成分等)が残留していたり、紙粉が付着していたり、定着部材表面が熱履歴によって改質されていたりする場合には、定着トナー像のグロスは低下する傾向となる。
そして、表面をシリコーンゴムで形成した定着ベルトを定着装置に用いた場合には、トナーの残留性、紙粉等の付着性、熱履歴による改質の点でなお改善の余地があり、使用を重ねる度に定着トナー像の画質は低下する傾向となっていた。また、シリコーンゴム表面の離型性を向上させるべく、シリコーンゴム表面にシリコーンオイルを塗布すると、シリコーンゴムが膨潤軟化するため、実用上問題があった。
一方、表面をフルオロカーボンシロキサンゴムで形成した定着ベルトを定着装置に用いた場合には、比較的長期の使用に亘ってトナーの付着が抑えられ、定着トナー像の画質を維持することが可能である。
しかしながら、上記剥離点においてトナーが融点以上の温度に加熱されている場合には、なおフルオロカーボンシロキサンゴム表面にシリコーンオイルを塗布することが望まれる。フルオロカーボンシロキサンゴム表面にシリコーンオイルを塗布すると、フルオロカーボンシロキサンゴムとシリコーンオイルとは親和性に劣るため、有効なシリコーン塗膜を形成することができない。その結果、初期の数百枚から数千枚の間に、オフセット等の画質欠陥が発生してしまう場合がある。
しかも、フルオロカーボンシロキサンゴム等のフッ素系化合物は、素材の単価が著しく高価な場合が多く、プリンター等の画像形成装置の小型化、低コスト化が進展する中にあってはその使用量を低減し、部品単価を低減させることが重要な課題である。
しかしながら、上記剥離点においてトナーが融点以上の温度に加熱されている場合には、なおフルオロカーボンシロキサンゴム表面にシリコーンオイルを塗布することが望まれる。フルオロカーボンシロキサンゴム表面にシリコーンオイルを塗布すると、フルオロカーボンシロキサンゴムとシリコーンオイルとは親和性に劣るため、有効なシリコーン塗膜を形成することができない。その結果、初期の数百枚から数千枚の間に、オフセット等の画質欠陥が発生してしまう場合がある。
しかも、フルオロカーボンシロキサンゴム等のフッ素系化合物は、素材の単価が著しく高価な場合が多く、プリンター等の画像形成装置の小型化、低コスト化が進展する中にあってはその使用量を低減し、部品単価を低減させることが重要な課題である。
従って、本発明の第一の目的は、離型剤としてのシリコーンオイルを塗布した場合に良好に使用することができ、トナー材が付着し難く、しかも安価な定着部材を提供することにある。
又、本発明の第二の目的は、離型性に優れる定着装置を提供することにある。
更に、本発明の第三の目的は、高画質な画像を与える画像形成装置を提供することにある。
また更に、本発明の第四の目的は、高画質な画像を形成可能な画像形成方法を提供することにある。
又、本発明の第二の目的は、離型性に優れる定着装置を提供することにある。
更に、本発明の第三の目的は、高画質な画像を与える画像形成装置を提供することにある。
また更に、本発明の第四の目的は、高画質な画像を形成可能な画像形成方法を提供することにある。
本発明者は、ベルト状定着部材を用いて定着を行なうシステムについて鋭意研究した結果、トナーの離型性維持を目的としたシリコーンオイルを離型剤として利用可能な表面層の製造方法であって、表面層にフルオロカーボンシロキサンゴムを使用して得られる性能を低価格で実現する製造方法を見出した。即ち、フルオロカーボンシロキサンゴムの前駆体とシリコーンゴムの前駆体との混合物を塗布、硬化して構成されるゴム層を表面層として用いることにより、優れたベルト状定着部材を実現し得ることを知見し、本発明に至った。
即ち、本発明の定着部材は、表面層が、フルオロカーボンシロキサンゴムとシリコーンゴムとの海島構造を有するゴム層であることを特徴としている。
また、本発明は定着装置と捉えることができ、本発明の定着装置は、記録材の表面に形成されたトナー像を加熱する加熱部材と、加熱部材に圧接配置される加圧部材とを備え、加圧部材は、トナー像を記録材に向けて押圧する表面層を備え、表面層は、フルオロカーボンシロキサンゴムとシリコーンゴムとの海島構造を有するゴム層であることを特徴としている。
更に、本発明は画像形成装置と捉えることができ、本発明の画像形成装置は、像担持体と、像担持体の表面を帯電させる帯電手段と、帯電手段により帯電した像担持体の表面を露光して静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録材上に転写する転写手段と、記録材上に転写されたトナー像を記録材上に加熱定着させる定着手段とを備え、定着手段は、記録材の表面に形成されたトナー像を加熱する加熱部材と、加熱部材に圧接配置される加圧部材とを備え、加圧部材は、トナー像を記録材に向けて押圧する表面層を備え、表面層は、フルオロカーボンシロキサンゴムとシリコーンゴムとを含むゴム層であることを特徴としている。
また更に、本発明は画像形成方法と捉えることができ、本発明の画像形成方法は、像担持体表面を帯電する帯電工程と、帯電した像担持体表面を露光して静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、静電潜像を現像してトナー像を形成する現像工程と、トナー像を記録材上に転写する転写工程と、記録材上に転写されたトナー像を記録材上に加熱定着する定着工程とを有し、定着工程は、記録材の表面に形成されたトナー像を加熱する加熱部材と、加熱部材に圧接配置される加圧部材との圧接部に記録材を通過させ、加圧部材の表面層は、フルオロカーボンシロキサンゴムとシリコーンゴムとを含むゴム層であることを特徴としている。
本発明によれば、シリコーンオイル(離型剤)を表面に塗布した場合に良好に使用することができ、トナー材が付着し難く、しかも安価な定着部材が得られる。
以下、適宜図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態の画像形成装置1についての概略構成図である。
図1に示す画像形成装置1は、本実施の形態の一例としての定着装置10を備える。定着装置10は、加熱ロール11と、剥離ロール12と、ウォーク制御ロール13と、からなる3つのロールにより循環可能に張架された無端状の定着ベルト14、及び、定着ベルト14を介して加熱ロール11に圧接する加圧ロール15とを備えている。定着ベルト14は、裏面側の、加熱ロール11と剥離ロール12とが配備された間に、この定着ベルト14を強制的に冷却する冷却用ヒートシンク16を備えている。
なお、定着装置10の構成要素となっている定着ベルト14が、本実施の形態の定着部材の一例である。また、冷却用ヒートシンク16については、適宜、省略が可能である。
図1は、本実施の形態の画像形成装置1についての概略構成図である。
図1に示す画像形成装置1は、本実施の形態の一例としての定着装置10を備える。定着装置10は、加熱ロール11と、剥離ロール12と、ウォーク制御ロール13と、からなる3つのロールにより循環可能に張架された無端状の定着ベルト14、及び、定着ベルト14を介して加熱ロール11に圧接する加圧ロール15とを備えている。定着ベルト14は、裏面側の、加熱ロール11と剥離ロール12とが配備された間に、この定着ベルト14を強制的に冷却する冷却用ヒートシンク16を備えている。
なお、定着装置10の構成要素となっている定着ベルト14が、本実施の形態の定着部材の一例である。また、冷却用ヒートシンク16については、適宜、省略が可能である。
定着ベルト14の表面は、冷却用ヒートシンク16によって、剥離ロール12付近で50℃〜80℃の範囲まで冷却される。また、定着装置10には、ウォーク制御ロール13と加熱ロール11との間に、定着ベルト14に一定のテンションを付与する小径のテンションロールが配設されてもよい。
加熱ロール11には、弾性体層が設けられる。この弾性体層は、JIS K 6253に基づき測定されるタイプAデュロメータによるデュロメータ硬さが、通常、A20〜A60の範囲であるシリコーンゴム等からなる層である。この弾性体層は、例えば、アルミニウムやステンレス等からなる金属製コアの表面に被覆して設けられる。上記弾性体層の厚みとしては、通常、1mm〜3mmである。
更に、上記弾性体層の表面には、PFAチューブ等からなる離型層が被覆される。そして、加熱ロール11は所定の外径に形成される。
加熱ロール11の内部には、ハロゲンランプ(図示せず)が、加熱源として配設されている。ハロゲンランプの発熱量としては、通常、300W〜350Wの範囲である。このハロゲンランプにより、加熱ロール11の表面は、所定の温度(好ましくは130℃〜195℃の範囲)となるように内部から加熱される。
更に、上記弾性体層の表面には、PFAチューブ等からなる離型層が被覆される。そして、加熱ロール11は所定の外径に形成される。
加熱ロール11の内部には、ハロゲンランプ(図示せず)が、加熱源として配設されている。ハロゲンランプの発熱量としては、通常、300W〜350Wの範囲である。このハロゲンランプにより、加熱ロール11の表面は、所定の温度(好ましくは130℃〜195℃の範囲)となるように内部から加熱される。
また、加圧ロール15としては、例えば、加熱ロール11と同様に構成したものが用いられる。即ち、加圧ロール15としては、アルミニウムやステンレス等からなる金属製コアの表面に、シリコーンゴム等からなる弾性体層を被覆し、更に、弾性体層の表面にPFAチューブ等からなる離型層を被覆して、所定の外径に形成したものが用いられる。
ここで、上記弾性体層の硬度としては、JIS K 6253に基づき測定されるタイプAデュロメータによるデュロメータ硬さとして、通常、A20〜A60の範囲である。また、上記離型層の厚さとしては、通常、1mm〜3mmの範囲である。
加圧ロール15の内部にも、ハロゲンランプ(図示せず)が、加熱源として配設されている。ハロゲンランプの発熱量としては、通常、300W〜350Wの範囲である。このハロゲンランプにより、加圧ロール15の表面は、所定の温度(好ましくは85℃〜155℃の範囲)となるように内部から加熱される。尚、この加圧ロール15においては、加熱源を省略してもよい。
ここで、上記弾性体層の硬度としては、JIS K 6253に基づき測定されるタイプAデュロメータによるデュロメータ硬さとして、通常、A20〜A60の範囲である。また、上記離型層の厚さとしては、通常、1mm〜3mmの範囲である。
加圧ロール15の内部にも、ハロゲンランプ(図示せず)が、加熱源として配設されている。ハロゲンランプの発熱量としては、通常、300W〜350Wの範囲である。このハロゲンランプにより、加圧ロール15の表面は、所定の温度(好ましくは85℃〜155℃の範囲)となるように内部から加熱される。尚、この加圧ロール15においては、加熱源を省略してもよい。
定着ベルト14は、既述の如く、加熱ロール11と、剥離ロール12と、ウォーク制御ロール13と、からなる3つのロールにより循環可能に張架されている。そして、定着ベルト14は、図示しない駆動源により回転駆動される加熱ロール11により、所定の移動速度で、図1においては時計回りに循環する。なお、定着ベルト14に近接する位置には、定着ベルト14の表面に離型剤(ジメチルシリコーンオイル)を供給する離型剤供給装置が設けられていてもよい。
また、画像形成装置1は、その他に、4つの電子写真感光体21a〜21d(例えば、電子写真感光体21aがイエロー、電子写真感光体21bがマゼンタ、電子写真感光体21cがシアン、電子写真感光体21dがブラックの色からなる画像をそれぞれ形成可能である)が、中間転写ベルト22に沿って相互に並列に配置されている。
電子写真感光体21a〜21dのそれぞれは所定の方向(図1においては反時計回り)に回転可能であり、その回転方向に沿って帯電ロール23a〜23d、現像装置24a〜24d、1次転写ロール25a〜25d、クリーニングブレード26a〜26dが配置されている。現像装置24a〜24dのそれぞれにはトナーカートリッジ241a〜241dに収容されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーが供給可能である。また、1次転写ロール25a〜25dはそれぞれ中間転写ベルト22を介して電子写真感光体21a〜21dに当接している。
更に、ハウジング内の所定の位置には露光装置30が配置されており、露光装置30から出射されたレーザー光を帯電後の電子写真感光体21a〜21dの表面に照射することが可能となっている。これにより、電子写真感光体21a〜21dの回転工程において帯電、露光、現像、1次転写、クリーニングの各工程が順次行われ、各色のトナー像が中間転写ベルト22上に重ねて転写される。
中間転写ベルト22は駆動ロール27、バックアップロール28及びテンションロール29により所定の張力をもって支持されており、これらのロールの回転によりたわみを生じることなく回転可能となっている。また、2次転写ロール41は、中間転写ベルト22を介してバックアップロール28と当接するように配置されている。バックアップロール28と2次転写ロール41との間を通った中間転写ベルト22は、例えば駆動ロール27の近傍に配置されたクリーニングブレードにより清浄面化された後、次の画像形成プロセスに繰り返し供される。
また、ハウジング内の所定の位置にはトレイ42が設けられている。そして、トレイ42内の紙等の記録材43は、移送ロール44により中間転写ベルト22と2次転写ロール41との間、更には相互に接する2個のロールを有する1次の定着装置50に順次移送される。更に、記録材43は、定着ベルト14を有する2次の定着装置10に移送される。その後、記録材43は、装置外に排出される。
ここで、画像形成装置1のトナー像形成部における、記録材43に未定着トナー像を担持させる方法について述べる。
図1において、画像形成装置1には、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの4色の各画像信号が入力されている。これらの画像信号が入力されると、まず、この画像形成装置1では、感光体ドラムとして作用する電子写真感光体21a〜21dの表面を、帯電ロール23a〜23dにより一様に帯電した後、入力された画像情報に応じたレーザ光を露光装置30から電子写真感光体21a〜21dに向けて照射することで電子写真感光体21a〜21dの表面に静電潜像を形成する。
続いて、各電子写真感光体21a〜21dの表面に形成された静電潜像を、各現像装置24a〜24dにおいてトナーにより現像し、電子写真感光体21a〜21dの表面にトナー像を形成する。なお、上記トナーは、トナーカートリッジ241a〜241dから供給されたトナーである。
続いて、それぞれの1次転写位置において電子写真感光体21a〜21d上のトナー像を中間転写ベルト22に1次転写する。なお、トナー像が中間転写ベルト22に1次転写された後の各電子写真感光体21a〜21dの表面からは、クリーニング装置のクリーニングブレード26a〜26dによって残存トナーが除去され、除電装置によって残存電荷が除去される。
図1において、画像形成装置1には、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの4色の各画像信号が入力されている。これらの画像信号が入力されると、まず、この画像形成装置1では、感光体ドラムとして作用する電子写真感光体21a〜21dの表面を、帯電ロール23a〜23dにより一様に帯電した後、入力された画像情報に応じたレーザ光を露光装置30から電子写真感光体21a〜21dに向けて照射することで電子写真感光体21a〜21dの表面に静電潜像を形成する。
続いて、各電子写真感光体21a〜21dの表面に形成された静電潜像を、各現像装置24a〜24dにおいてトナーにより現像し、電子写真感光体21a〜21dの表面にトナー像を形成する。なお、上記トナーは、トナーカートリッジ241a〜241dから供給されたトナーである。
続いて、それぞれの1次転写位置において電子写真感光体21a〜21d上のトナー像を中間転写ベルト22に1次転写する。なお、トナー像が中間転写ベルト22に1次転写された後の各電子写真感光体21a〜21dの表面からは、クリーニング装置のクリーニングブレード26a〜26dによって残存トナーが除去され、除電装置によって残存電荷が除去される。
各電子写真感光体21a〜21dと1次転写ロール25a〜25dとのニップ位置である1次転写位置においては、中間転写ベルト22に先に1次転写されたトナー像と重なるように順次1次転写する。こうすることにより、中間転写ベルト22表面には、各色のトナー像が1つに重なり合ったトナー像が形成される。そして、この1つに重なり合ったトナー像を、バックアップロール28と2次転写ロール41とで挟まれた2次転写位置において記録材43に2次転写する。こうして、未定着トナー像が記録材43に担持される。
未定着トナー像が担持された記録材43は、1次の定着装置50に送られる。定着装置50では、未定着トナー像を担持した記録材43を、相互に接する2個のロール間を通過させることでその未定着トナー像に熱を加えると共に圧力も加え、未定着トナー像を記録材43に定着させる。
トナー像が定着した記録材43は、次いで2次の定着装置10に送られる。定着装置10においては、まず、1次定着されたトナー像を担持した記録材43を所定のニップ領域(加熱ロール11と加圧ロール15とが圧接する部位)に通過させ、その定着済トナー像に再度熱を加えると共に圧力も加えて、定着ベルト14を画像面に密着させる。
次いで、冷却用ヒートシンク16により記録材43を冷却し、定着した画像面の温度を低下させる。
そして、剥離ロール12の位置において、記録材43を定着ベルト14から剥離させる。その後、記録材43を、画像形成装置1に備えられた排出トレイに排出する。
このようにして、所望の画像が記録材43上に形成される。
次いで、冷却用ヒートシンク16により記録材43を冷却し、定着した画像面の温度を低下させる。
そして、剥離ロール12の位置において、記録材43を定着ベルト14から剥離させる。その後、記録材43を、画像形成装置1に備えられた排出トレイに排出する。
このようにして、所望の画像が記録材43上に形成される。
次に、本実施の形態の一例としての定着ベルト14について詳述する。図2は、定着ベルト14の種々の層構成を例示する断面概略図である。
図2(a)において定着ベルト14は、フルオロカーボンシロキサンゴムと、シリコーンゴムとを含むゴム組成物にて形成された表面層141のみから形成されている。
図2(b)において定着ベルト14は、表面層141がベース層142上に積層されて形成されている。両者は、互いに接着し易い素材の組み合わせであることが好ましい。
図2(c)において定着ベルト14は、表面層141とベース層142とが、接着層143を介して積層されている。
図2(a)において定着ベルト14は、フルオロカーボンシロキサンゴムと、シリコーンゴムとを含むゴム組成物にて形成された表面層141のみから形成されている。
図2(b)において定着ベルト14は、表面層141がベース層142上に積層されて形成されている。両者は、互いに接着し易い素材の組み合わせであることが好ましい。
図2(c)において定着ベルト14は、表面層141とベース層142とが、接着層143を介して積層されている。
本実施の形態において、ベース層142としては、耐熱性や機械的強度に優れた素材で形成されたものであることが好ましい。そのような素材としては、例えば、ニッケル、アルミニウム、ステンレス等の金属シートや、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリイミド、ポリイミドアミド等の樹脂フィルムを用いることができる。
ここで、ベース層142の体積抵抗率は、ベース層142に導電性粉体等を添加分散させることにより、制御することができる。このような導電性粉体等としては、例えば、カーボンブラック等を挙げることができる。
なお、無端ベルト状のベース層142を形成する方法としては、公知の方法を使用することができる。このような方法としてより具体的には、例えば、上記素材を用いて長尺のフィルム又はシートを形成し、その両端部をパズル状に組合せ、熱圧着部材を用いて熱圧着して無端ベルト状に仕立てる方法が挙げられる。
ここで、ベース層142の体積抵抗率は、ベース層142に導電性粉体等を添加分散させることにより、制御することができる。このような導電性粉体等としては、例えば、カーボンブラック等を挙げることができる。
なお、無端ベルト状のベース層142を形成する方法としては、公知の方法を使用することができる。このような方法としてより具体的には、例えば、上記素材を用いて長尺のフィルム又はシートを形成し、その両端部をパズル状に組合せ、熱圧着部材を用いて熱圧着して無端ベルト状に仕立てる方法が挙げられる。
ベース層142の厚みとしては、通常20μm〜200μm、好ましくは30μm〜150μm、より好ましくは40μm〜130μmである。ベース層142の厚みが過度に小さいと、加熱冷却時の寸法安定性や、強度が不足する場合がある。一方、過度に大きいと、ベルト状定着部材の比熱が増大して熱移動量が低下し、転写速度やサイクルタイムの低下につながる場合がある。
ベース層142と表面層141との間に介在することがある接着層143の素材としては、シリコーンゴムの接着に通常使用されるプライマー類などを適用できる。
このようなプライマー類としては、例えば、アミノシラン系カップリング剤、クロロシラン系カップリング剤、クロロメチルシラン系カップリング剤、シアノシラン系カップリング剤、チタン酸エステル系カップリング剤などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。中でも、アミノシラン系カップリング剤及びチタン酸エステル系カップリング剤が好ましく用いられる。更には、フルオロカーボンシロキサンゴム用に設計されたプライマーも好ましく用いられる。
このようなプライマー類としては、例えば、アミノシラン系カップリング剤、クロロシラン系カップリング剤、クロロメチルシラン系カップリング剤、シアノシラン系カップリング剤、チタン酸エステル系カップリング剤などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。中でも、アミノシラン系カップリング剤及びチタン酸エステル系カップリング剤が好ましく用いられる。更には、フルオロカーボンシロキサンゴム用に設計されたプライマーも好ましく用いられる。
接着層143の厚みとしては、通常0.1μm〜10μm、好ましくは0.3μm〜5μm、より好ましくは0.5μm〜5μmである。接着層143の厚みが過度に小さいと、成膜性が劣り、接着機能にムラが生じる場合があり、一方、過度に大きいと、接着層自体が層内で破壊し易くなり接着性が低下する場合がある。
本実施の形態の定着部材において、表面層141は、フルオロカーボンシロキサンゴムとシリコーンゴムとの海島構造を有するゴム層である。
なお、本実施の形態において「海島構造」とは、一方が連続相(海相)をなし、他方が閉空間相(島相)をなし、海相中に島相が分散している構造をいう。かかる海島構造は、顕微鏡観察による目視により確認可能である。
また、顕微鏡観察の条件としては、測定装置としてニコン株式会社製メジャーリングマイクロスコープMM−60/L−3Vを用い、測定条件を200倍前後として観察することができる。
なお、本実施の形態において「海島構造」とは、一方が連続相(海相)をなし、他方が閉空間相(島相)をなし、海相中に島相が分散している構造をいう。かかる海島構造は、顕微鏡観察による目視により確認可能である。
また、顕微鏡観察の条件としては、測定装置としてニコン株式会社製メジャーリングマイクロスコープMM−60/L−3Vを用い、測定条件を200倍前後として観察することができる。
本実施の形態において、上記海島構造は、表面層141の一部として含まれるものであっても良いし、表面層141の全部として含まれるものであっても良い。海島構造が表面層141中に占める割合としては、通常、10質量%〜100質量%、好ましくは30質量%〜80質量%である。
フルオロカーボンシロキサンゴムと、シリコーンゴムとの配合比としては、(フルオロカーボンシロキサンゴム)/(シリコーンゴム)(質量比)として、通常、99/1〜1/99、好ましくは10/1〜1/10、より好ましくは5/1〜1/5である。フルオロカーボンシロキサンゴム、又はシリコーンゴムのいずれか一方のみであると、シリコーンオイルを表面に塗布した場合に過度に変形するといった不都合や、トナーが付着し易いといった不都合が改善された定着部材が実現されない。
ここで、上記配合比において、(フルオロカーボンシロキサンゴム)/(シリコーンゴム)(質量比)の比が、10/1〜3/2、特に5/1〜1/1であると、フルオロカーボンシロキサンゴムが海相を形成し、シリコーンゴムが島相を形成する「海島構造」のモルフォロジーが観察される傾向となり、シリコーンオイルを表面に塗布した場合の低い膨潤性と、トナーに含有されるワックス成分の低い付着性とが高度な次元で両立された表面層を得ることが容易となるため好適である。
一方、(フルオロカーボンシロキサンゴム)/(シリコーンゴム)の比が2/3〜1/10、特に1/1〜1/5であると、シリコーンゴムが海相を形成し、フルオロカーボンシロキサンゴムが島相を形成する「海島構造」のモルフォロジーが観察される傾向となり、離形材としてシリコーンオイルを用いないシステムで使用する安価な表面層を得ることが容易となるため好適である。
一方、(フルオロカーボンシロキサンゴム)/(シリコーンゴム)の比が2/3〜1/10、特に1/1〜1/5であると、シリコーンゴムが海相を形成し、フルオロカーボンシロキサンゴムが島相を形成する「海島構造」のモルフォロジーが観察される傾向となり、離形材としてシリコーンオイルを用いないシステムで使用する安価な表面層を得ることが容易となるため好適である。
なお、上記海島構造において、島相の分散粒径としては、通常、1μm〜100μm、好ましくは10μm〜50μmである。なお、上記島相の分散粒径とは、顕微鏡観察により色の濃淡として目視される島相の径である。
更に、表面層141を深さ方向に観察した場合、上記島相を形成する成分が表面側に偏析していることが好ましい。
ここで、表面層141の表面地点において、フルオロカーボンシロキサンゴム、及びシリコーンゴムが形成する全領域の面積に対して、島相を形成する成分が形成する領域の面積が占める割合(面積%)としては、通常25%〜75%、好ましくは40%〜60%である。当該比が過度に大きいと、海島構造を持つモルフォロジーが形成されない場合があり、一方、過度に小さいと、本特許の目的とした特性を達成できない場合がある。
ここで、表面層141の表面地点において、フルオロカーボンシロキサンゴム、及びシリコーンゴムが形成する全領域の面積に対して、島相を形成する成分が形成する領域の面積が占める割合(面積%)としては、通常25%〜75%、好ましくは40%〜60%である。当該比が過度に大きいと、海島構造を持つモルフォロジーが形成されない場合があり、一方、過度に小さいと、本特許の目的とした特性を達成できない場合がある。
上記ゴム組成物を形成する方法としては、ポリマーとしてのフルオロカーボンシロキサンゴムと、ポリマーとしてのシリコーンゴムとを配合しても良いが、より良好な海島構造(海相中に分散する島相の粒径がより小さな構造)を実現する観点から、フルオロカーボンシロキサンゴムの前駆体を含むフルオロカーボンシロキサンゴム前駆体組成物と、シリコーンゴムの前駆体を含むシリコーンゴム前駆体組成物とを配合し、一度に重合を行ってゴム組成物を形成するのが好適である。
なお、これら各前駆体組成物の供給形態としては、一液型、二液型、その他、三液以上で供給されてもよい。各前駆体を混合した混合液中の重合形態としては、付加型、縮合型のいずれであってもよい。
なお、これら各前駆体組成物の供給形態としては、一液型、二液型、その他、三液以上で供給されてもよい。各前駆体を混合した混合液中の重合形態としては、付加型、縮合型のいずれであってもよい。
上記フルオロカーボンシロキサンゴム前駆体組成物としては、
(A)直鎖状フルオロポリエーテル
(B)有機ケイ素化合物
(C)充填剤
(D)触媒
(E)オルガノシロキサン
の各成分を含む組成物であることが好適である。
(A)直鎖状フルオロポリエーテル
(B)有機ケイ素化合物
(C)充填剤
(D)触媒
(E)オルガノシロキサン
の各成分を含む組成物であることが好適である。
上記(A)成分としては、分子鎖末端に脂肪族不飽和基を有すると共に、主鎖にパーフルオロアルキルエーテル基、及び/又はパーフルオロアルキル基を有するものであることが好ましい。中でも、下記一般式(1)又は(2)で示される直鎖状フルオロポリエーテルを用いることが好適である。
なお、上記脂肪族不飽和基としては、特に限定されるものではないが、例えば、炭素数2〜3の一価の脂肪族不飽和炭化水素基を挙げることができる。より具体的にはビニル基、アリル基、エチニル基等の炭素数2〜3のアルケニル基が例示され、特にビニル基が好適である。
なお、上記脂肪族不飽和基としては、特に限定されるものではないが、例えば、炭素数2〜3の一価の脂肪族不飽和炭化水素基を挙げることができる。より具体的にはビニル基、アリル基、エチニル基等の炭素数2〜3のアルケニル基が例示され、特にビニル基が好適である。
ここで、上記一般式(1)において、R10は非置換又は置換の好ましくは炭素数1〜8の一価炭化水素基であり、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数2〜3のアルケニル基であり、特にメチル基であることが好ましい。a,eはそれぞれ0又は1、b,dはそれぞれ1〜4の整数、cは0〜8の整数である。また、xは1以上の整数、好ましくは10〜30である。
ここで、上記一般式(2)中、Xは、−CH2−、−CH2O−、−CH2OCH2−、又は、−Y−NR1−CO−(ここで、Yは−CH2−、又は下記構造式(Z)で示されるo,m又はp−ジメチルシリルフェニレン基で表される基、R1は水素原子、置換若しくは非置換の一価炭化水素基)である。
また、上記一般式(2)中、X’は、−CH2−、−OCH2−、−CH2OCH2−、又は−CO−NR1−Y’−(ここで、Y’は−CH2−、又は下記構造式(Z’)で示されるo,m又はp−ジメチルシリルフェニレン基であり、R1は上記と同じ基)である。
更に、上記一般式(2)中、Rf1は、下記構造式(i)、(ii)で表される二価のパーフルオロポリエーテル構造である。
また更に、上記一般式(2)中、gは独立に0又は1である。
なお、上記一般式(1)の化合物として、より具体的には、下記一般式(3)で示す化合物を挙げることができる。
なお、上記一般式(1)の化合物として、より具体的には、下記一般式(3)で示す化合物を挙げることができる。
上記(B)成分としては、例えば、一分子中に一個以上の一価のパーフルオロオキシアルキル基、一価のパーフルオロアルキル基、二価のパーフルオロオキシアルキレン基または二価のパーフルオロアルキレン基を有し、かつケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)を二個以上有する有機ケイ素化合物を用いることができる。(B)成分の配合量としては、フルオロカーボンシロキサンゴム前駆体組成物中の脂肪族不飽和基量に対して上記SiH基の含有量が1倍モル量〜4倍モル量となることが好適である。
なお、このような(B)成分としては、付加硬化型のシリコーンゴム組成物に使用される種々のオルガノハイドロジェンポリシロキサンを使用することができる。
上記(C)成分としては、一般的なシリコーンゴム組成物に使用されている種々の充填剤を用いることができる。より具体的には、例えば、酸化アルミニウム、石英粉末、タルク、セリサイト、ベントナイト、煙霧質シリカ、沈降性シリカ、カーボン粉末、二酸化チタン、等の補強性充填剤、アスベスト、ガラス繊維、有機繊維等の繊維質充填剤などを例示することができる。
(C)成分の配合量としては、(A)成分100部(質量部、以下同じ)に対して通常0.1部〜300部、好ましくは1部〜200部である。充填剤の配合量が過度に小さいと、十分な補強効果を得ることができない場合がある。一方、過度に大きいと、硬化物の機械的強度が低下するという不都合を生じるおそれがある。
上記(D)成分としては、例えば、付加反応用触媒として公知の塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸とオレフィンとの錯体、白金黒又はパラジウムをアルミナ、シリカ、カーボンなどの担体に担持したもの、ロジウムとオレフィンとの錯体、クロロトリス(トリフェニルフォスフィン)ロジウム(ウィルキンソン触媒)、ロジウム(III)アセチルアセトネートなどのような周期律表第VIII族元素又はその化合物を挙げることができる。これらの化合物はアルコール系、エーテル系、炭化水素などの溶剤に溶解して用いることが好ましい。
ここで、触媒の配合量(質量)としては、触媒の有効量であればよいが、(A)成分100部に対して、白金族金属換算で通常1ppm〜500ppm、好ましくは5ppm〜20ppmである。
上記(E)成分としては、公知のオルガノシロキサンを用いることができる。そのようなオルガノシロキサンとしては、例えば、シロキサンユニットに、更に炭素原子を介してケイ素原子に結合したパーフルオロアルキル基またはパーフルオロオキシアルキル基を一個以上有するものであることが好適である。
上記フルオロカーボンシロキサンゴム前駆体組成物には、更に、種々の配合剤を添加することができる。このような配合剤としては、例えば、ジフェニルシランジオール、低重合度の分子鎖末端水酸基封鎖ジメチルポリシロキサン、ヘキサメチルジシラザン等の分散剤;酸化第一鉄、酸化第二鉄、酸化セリウム、オクチル酸鉄等の耐熱性向上剤;顔料等の着色剤等を挙げることができる。
一方、上記シリコーンゴム前駆体組成物としては、公知の組成物を用いることができ、例えば、ジメチルシリコーンゴム、メチルビニルシリコーンゴム、メチルフェニルシリコーンゴム、フルオロシリコーンゴム、等を形成可能な前駆体組成物を挙げることができる。これらのシリコーンゴムは、加熱加硫(HTV)タイプのものであってもよいし、室温硬化(RTV)タイプのものであってもよい。また、重合形態は付加型、縮合型のどちらであっても良い。
ここで、上記フルオロカーボンシロキサンゴム中に上記シリコーンゴムを良好に分散させる観点から、上記シリコーンゴム前駆体組成物内には、上記フルオロカーボンシロキサンゴム前駆体組成物の硬化に寄与する官能基と同様の官能基が含まれていることも好適である。そして、フルオロカーボンシロキサンゴムを構成するポリマー鎖と、シリコーンゴムを構成するポリマー鎖とが化学的に結合することがあっても良い。上記化学結合は、必要に応じて他の分子を介して行われるものであっても良い。
上記フルオロカーボンシロキサンゴム前駆体組成物と、上記シリコーンゴム前駆体組成物とを配合する際には、両組成物に対して適宜、希釈溶媒を予め添加し、各々の粘度を調整しておくことが好ましい。このように粘度を調整することは、両組成物を良好に配合する観点、及び、良好な分散状態を長期に亘り維持する観点から好適である。
ここで、両者を配合する際の、各前駆体組成物の粘度としては、フルオロカーボンシロキサンゴム前駆体組成物の粘度として、通常500mPa・s〜20000mPa・s、好ましくは1000mPa・s〜15000mPa・sである。一方、シリコーンゴム前駆体組成物の粘度としては、通常同程度の粘度が好ましく用いられる。
ここで、両者を配合する際の、各前駆体組成物の粘度としては、フルオロカーボンシロキサンゴム前駆体組成物の粘度として、通常500mPa・s〜20000mPa・s、好ましくは1000mPa・s〜15000mPa・sである。一方、シリコーンゴム前駆体組成物の粘度としては、通常同程度の粘度が好ましく用いられる。
上記希釈溶媒としては、特に限定されるものではないが、フルオロカーボンシロキサンゴム前駆体組成物に対しては、例えば、m−キシレンヘキサフロライド、パーフロロアルカン、パーフロロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)、ベンゾトリフロライド等を挙げることができる。一方、シリコーンゴム前駆体組成物に対しては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン等を挙げることができる。
上記フルオロカーボンシロキサンゴム前駆体組成物と上記シリコーンゴム前駆体組成物と混合する際には、両者を十分に混合させる観点から、ウルトラディスパーザーや、ホモジナイザーを用いて両者を混合し、乳化させることが可能である。
また、両者を混合した後、重合を開始するまでの時間としては、通常、2日以内、好ましくは36時間以内、より好ましくは300分以内である。
また、両者を混合した後、重合を開始するまでの時間としては、通常、2日以内、好ましくは36時間以内、より好ましくは300分以内である。
本実施の形態において、定着ベルト14を図2(b)に示す態様で製造する場合の製造方法としては、例えば、耐熱性樹脂製、又は金属製のチューブ状ベルト本体(ベース層142)の外表面に、フルオロカーボンシロキサンゴム前駆体組成物と、シリコーンゴム前駆体組成物とを配合した配合物を塗布、硬化させて表面層141を形成する方法を挙げることができる。
ここで、塗布方法としては、例えば、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、リングコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、フローコーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができ、複数回の塗布を行う場合には、複数種の塗布方法を併用することも可能である。これらの中でも、浸漬コーティング法が、表面層のシームレス塗布、量産性、コスト、膜厚の均一性等の点で有利であり、特に好ましい。
また、硬化条件として、硬化温度としては、通常、70℃〜250℃、好ましくは100℃〜200℃であり、硬化湿度としては、通常、40%RH〜85%RH、好ましくは50%RH〜80%RHである。硬化時間については、硬化反応が十分に進行する時間が適宜設定される。
ここで、塗布方法としては、例えば、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、リングコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、フローコーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができ、複数回の塗布を行う場合には、複数種の塗布方法を併用することも可能である。これらの中でも、浸漬コーティング法が、表面層のシームレス塗布、量産性、コスト、膜厚の均一性等の点で有利であり、特に好ましい。
また、硬化条件として、硬化温度としては、通常、70℃〜250℃、好ましくは100℃〜200℃であり、硬化湿度としては、通常、40%RH〜85%RH、好ましくは50%RH〜80%RHである。硬化時間については、硬化反応が十分に進行する時間が適宜設定される。
表面層141の厚さ(複数層で構成される場合総厚)としては、通常300μm以下、好ましくは1〜300μm、より好ましくは5〜200μm、更に好ましくは10〜100μmである。厚さが過度に小さいと、弾性が不足してゴム層を加える効果がなくなり、定着性に問題が生じたり、耐久性が不足したりする場合がある。一方、過度に大きいと、ベルト状定着部材の比熱が増大して熱移動量が低下し、転写速度やサイクルタイムの低下につながる場合がある。
表面層141の硬度(JIS K 6253「加流ゴム及び熱可塑性ゴムの硬さ試験方法」で測定したタイプAデュロメータによるデュロメータ硬さ)としては、通常A5〜A80、好ましくはA10〜A70、より好ましくはA20〜A60である。硬度が過度に小さいと、強度が低下し耐久性に問題がある場合がある。一方、過度に大きいと、表面層の膜厚に係らず剛性が大きくなり、定着ベルト14と記録材43との密着性が低下して、冷却が不完全な時に剥離が起こるようになり、画質上の欠陥となって顕れる問題が生ずる場合がある。なお測定は定着ベルト表面に直接タイプAデュロメータを押し当てて行うことができる。
本実施の形態における画像形成方法は像担持体表面を帯電する帯電工程と、帯電した像担持体表面を露光して静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、静電潜像を現像してトナー像を形成する現像工程と、トナー像を記録材上に転写する転写工程と、記録材上に転写されたトナー像を記録材上に加熱定着する定着工程とを有し、定着工程は、記録材の表面に形成されたトナー像を加熱する加熱部材と、加熱部材に圧接配置される加圧部材との圧接部に記録材を通過させ、加圧部材の表面層は、フルオロカーボンシロキサンゴムとシリコーンゴムとを含むゴム層であることを特徴とするものである。このようなゴム層としては、フルオロカーボンシロキサンゴムとシリコーンゴムとの海島構造を有するゴム層であることが好適である。
上記定着工程において、トナー像が形成された記録材が圧接部を通過した後に定着部材から剥離されるに際し、定着部材からトナーの融点以上で剥離する場合には、離型剤としてシリコーンオイルの塗布が可能で、しかも、シリコーンオイルによる膨潤によって性能の劣化が起こらない定着部材表面層を獲得することが望まれる。しかし、フルオロカーボンシロキサンゴム、又はシリコーンゴムの単独で、そのような定着部材表面層を実現することは困難である。
そこで、本実施の形態においては、フルオロカーボンシロキサンゴムとシリコーンゴムとを配合したゴム組成物を用いて表面層を形成することで、定着部材表面に好ましい特性を与えることができる。
そこで、本実施の形態においては、フルオロカーボンシロキサンゴムとシリコーンゴムとを配合したゴム組成物を用いて表面層を形成することで、定着部材表面に好ましい特性を与えることができる。
一方、定着ベルトからトナーの融点以下で剥離する場合には、トナーにワックス成分が含まれている場合、当該ワックス成分が加熱され、トナーの結着樹脂よりも先に溶融して定着部材表面に付着し易い。ワックス成分が濡れ性よく定着部材表面に付着すると、ワックス成分が定着部材表面に残留し、画像不良の原因となる。フルオロカーボンシロキサンゴムを定着部材の表面材として用いると、ワックス成分が溶融しても定着部材表面に残存し難く有効であるが、フルオロカーボンシロキサンゴムは素材コストが高く、低価格な部品として製造することが極めて困難である。
そこで、フルオロカーボンシロキサンゴムとシリコーンゴムとを配合したゴム組成物を用いることで、素材コストを低減可能なばかりか、得られる定着部材の表面離型性はフルオロカーボンシロキサンゴムに匹敵し、長期に渡り、紙粉、トナーの配合剤等が定着部材表面に付着し難く、加熱による劣化も生じ難い。
即ち、本実施の形態の定着部材を用いれば、低価格であり、長期間に亘って高画質を実現可能な画像形成装置、並びに画像形成方法を実現可能である。
そこで、フルオロカーボンシロキサンゴムとシリコーンゴムとを配合したゴム組成物を用いることで、素材コストを低減可能なばかりか、得られる定着部材の表面離型性はフルオロカーボンシロキサンゴムに匹敵し、長期に渡り、紙粉、トナーの配合剤等が定着部材表面に付着し難く、加熱による劣化も生じ難い。
即ち、本実施の形態の定着部材を用いれば、低価格であり、長期間に亘って高画質を実現可能な画像形成装置、並びに画像形成方法を実現可能である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1,2、比較例1〜3]
まず、ベルト状基材として周長527.8mm×幅140mm×厚さ75μmの大きさであり、カーボンブラックを添加して体積抵抗率をRv=1012Ω・cmに調整したポリイミド製のベースフィルムを形成した。
次に、表1,2に示す原料を用い、表3に示す配合にて、第一成分、第二成分を調製した。実施例1,2においては両者を更に混合して塗布液を得た。なお、混合に際してはウルトラ−タラックスT−25(IKA Japan株式会社製)を用い、12000rpmで攪拌して乳化処理を行った。比較例1〜3においては、第一成分を調製後、そのまま塗布液として用いた。
まず、ベルト状基材として周長527.8mm×幅140mm×厚さ75μmの大きさであり、カーボンブラックを添加して体積抵抗率をRv=1012Ω・cmに調整したポリイミド製のベースフィルムを形成した。
次に、表1,2に示す原料を用い、表3に示す配合にて、第一成分、第二成分を調製した。実施例1,2においては両者を更に混合して塗布液を得た。なお、混合に際してはウルトラ−タラックスT−25(IKA Japan株式会社製)を用い、12000rpmで攪拌して乳化処理を行った。比較例1〜3においては、第一成分を調製後、そのまま塗布液として用いた。
次に、上記塗布液を調製後、60分後に、浸漬塗布法によって上記ベースフィルム上に塗工し、80℃で20分間の加熱により溶媒を揮発させて塗膜を形成後、120℃で10分の一次加硫、更に、200℃で4時間の二次加硫を行って、表面層としてゴム層(40μmの膜厚)を有するベルト状定着部材を得た。
得られたベルト状定着部材の各種特性を評価した。結果を表3に示した。
なお、実施例1のベルトについては、顕微鏡観察による目視により、フルオロカーボンシロキサンゴムが海相を形成し、シリコーンゴムが島相を形成する海島構造が観察された。また、実施例2のベルトについては、顕微鏡観察による目視により、シリコーンゴムが海相を形成し、フルオロカーボンシロキサンゴムが島相を形成する海島構造が観察された。
得られたベルト状定着部材の各種特性を評価した。結果を表3に示した。
なお、実施例1のベルトについては、顕微鏡観察による目視により、フルオロカーボンシロキサンゴムが海相を形成し、シリコーンゴムが島相を形成する海島構造が観察された。また、実施例2のベルトについては、顕微鏡観察による目視により、シリコーンゴムが海相を形成し、フルオロカーボンシロキサンゴムが島相を形成する海島構造が観察された。
次に、得られたベルト状定着部材を、図1に示す画像形成装置とほぼ同様な構成を有する富士ゼロックス株式会社製DocuCentreColor f450MPに装着し、4色の現像剤を使用してフルカラー画像を形成した。画像の評価結果を表3に示した。
[接触角]
定着ベルトの表面の離型剤との濡れ性の評価として、ジメチルシリコーンオイル SH−200(100cs:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)に対する25℃における表面接触角を、接触角計(FACE CA−X型:協和界面科学株式会社製)により、5個所の接触角の平均値を測定後、以下の基準で評価した。
○:接触角が40°未満
×:接触角が40°以上
[寸法変化]
シリコーンオイル(ジメチルシリコーンオイル 東レ・ダウコーニング・シリコーン社製,商品名SH−200(100cs))に2×5cmのサイズに切り出したベルトを5分間浸漬した後、平面に静置し、ベルトサンプルの長手方向の中心が平面より離れる高さを測定し、以下の基準で評価した。
◎:高さ変化が3mm未満
○:高さ変化が3mm以上10mm未満
×:高さ変化が10mm以上
[引張強度]
ベルト状定着部材の表面にシリコーンオイルを供給しつつ、1000枚のカラー印刷を行った。以下の基準で評価した。
○:1000枚の連続運転後にベルトに破損が見られなかった。
×:1000枚の連続運転後にベルトに破損が観察された。
[トナー付着]
トナーを普通紙上に4g/m2で付着させ、このトナーにベルト状定着部材表面が接する状態で、160℃、3kg/cm2の条件下、熱プレスを行った。熱プレス後、普通紙をベルト状定着部材から剥離させた。以下の基準で評価した。
○:ベルト状定着部材の表面に、トナー由来のワックス成分が付着していなかった。
×:ベルト状定着部材の表面に、トナー由来のワックス成分が付着していた。
[画質]
ベルト状定着部材の表面にシリコーンオイルを供給しつつ、1000枚のカラー印刷を行った。以下の基準で評価した。
○:1枚目と1000枚目との間で、画質上の変化が目視で観察されなかった。
×:1枚目と1000枚目との間で、画質上の変化が目視で観察された。
定着ベルトの表面の離型剤との濡れ性の評価として、ジメチルシリコーンオイル SH−200(100cs:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)に対する25℃における表面接触角を、接触角計(FACE CA−X型:協和界面科学株式会社製)により、5個所の接触角の平均値を測定後、以下の基準で評価した。
○:接触角が40°未満
×:接触角が40°以上
[寸法変化]
シリコーンオイル(ジメチルシリコーンオイル 東レ・ダウコーニング・シリコーン社製,商品名SH−200(100cs))に2×5cmのサイズに切り出したベルトを5分間浸漬した後、平面に静置し、ベルトサンプルの長手方向の中心が平面より離れる高さを測定し、以下の基準で評価した。
◎:高さ変化が3mm未満
○:高さ変化が3mm以上10mm未満
×:高さ変化が10mm以上
[引張強度]
ベルト状定着部材の表面にシリコーンオイルを供給しつつ、1000枚のカラー印刷を行った。以下の基準で評価した。
○:1000枚の連続運転後にベルトに破損が見られなかった。
×:1000枚の連続運転後にベルトに破損が観察された。
[トナー付着]
トナーを普通紙上に4g/m2で付着させ、このトナーにベルト状定着部材表面が接する状態で、160℃、3kg/cm2の条件下、熱プレスを行った。熱プレス後、普通紙をベルト状定着部材から剥離させた。以下の基準で評価した。
○:ベルト状定着部材の表面に、トナー由来のワックス成分が付着していなかった。
×:ベルト状定着部材の表面に、トナー由来のワックス成分が付着していた。
[画質]
ベルト状定着部材の表面にシリコーンオイルを供給しつつ、1000枚のカラー印刷を行った。以下の基準で評価した。
○:1枚目と1000枚目との間で、画質上の変化が目視で観察されなかった。
×:1枚目と1000枚目との間で、画質上の変化が目視で観察された。
表3の結果から、以下の事項を読み取ることができる。
(a)フルオロカーボンシロキサンゴムとシリコーンゴムとを含むゴム組成物にて表面層を形成したベルト状定着部材(実施例1,2)は、トナー中に含まれるワックス成分の剥離性に優れるものであった。また、シリコーンオイルを表面に塗布した場合には、均一な塗膜を形成することができた。このベルト状定着部材を用いて形成した画像形成装置は、良好な画質を長期に亘り実現するものであった。
(b)シリコーンゴムのみを含むゴム組成物にて表面層を形成したベルト状定着部材(比較例1)は、シリコーンオイルの塗布性には優れるものの、シリコーンオイルがベルト状定着部材の膨潤を招き、寸法変化が大きく、引張強度にも劣るものであった。また、トナー中に含まれるワックス成分の剥離性にも劣っていた。このベルト状定着部材を用いて形成した画像形成装置は、良好な画質を長期に亘り実現することができなかった。
(c)フルオロカーボンシロキサンゴムのみを含むゴム組成物にて表面層を形成したベルト状定着部材(比較例2,3)は、トナー中に含まれるワックス成分の剥離性には優れるものの、シリコーンオイルを表面に塗布した場合には、均一な塗膜を形成することができなかった。このベルト状定着部材を用いて形成した画像形成装置において、定着ベルトからトナーの融点以上で記録材を剥離する場合には、シリコーンオイルによる有効な塗膜を定着ベルト表面に形成することができず、残留ワックスや紙粉等の付着物による離型性の悪化が観察され、良好な画質を長期に亘り実現することができなかった。
(a)フルオロカーボンシロキサンゴムとシリコーンゴムとを含むゴム組成物にて表面層を形成したベルト状定着部材(実施例1,2)は、トナー中に含まれるワックス成分の剥離性に優れるものであった。また、シリコーンオイルを表面に塗布した場合には、均一な塗膜を形成することができた。このベルト状定着部材を用いて形成した画像形成装置は、良好な画質を長期に亘り実現するものであった。
(b)シリコーンゴムのみを含むゴム組成物にて表面層を形成したベルト状定着部材(比較例1)は、シリコーンオイルの塗布性には優れるものの、シリコーンオイルがベルト状定着部材の膨潤を招き、寸法変化が大きく、引張強度にも劣るものであった。また、トナー中に含まれるワックス成分の剥離性にも劣っていた。このベルト状定着部材を用いて形成した画像形成装置は、良好な画質を長期に亘り実現することができなかった。
(c)フルオロカーボンシロキサンゴムのみを含むゴム組成物にて表面層を形成したベルト状定着部材(比較例2,3)は、トナー中に含まれるワックス成分の剥離性には優れるものの、シリコーンオイルを表面に塗布した場合には、均一な塗膜を形成することができなかった。このベルト状定着部材を用いて形成した画像形成装置において、定着ベルトからトナーの融点以上で記録材を剥離する場合には、シリコーンオイルによる有効な塗膜を定着ベルト表面に形成することができず、残留ワックスや紙粉等の付着物による離型性の悪化が観察され、良好な画質を長期に亘り実現することができなかった。
1…画像形成装置、10…定着装置、14…定着ベルト、43…記録材、141…表面層
Claims (4)
- 表面層が、フルオロカーボンシロキサンゴムとシリコーンゴムとの海島構造を有するゴム層であることを特徴とする定着部材。
- 記録材の表面に形成されたトナー像を加熱する加熱部材と、
前記加熱部材に圧接配置される加圧部材とを備え、
前記加圧部材は、
前記トナー像を記録材に向けて押圧する表面層を備え、
前記表面層は、フルオロカーボンシロキサンゴムとシリコーンゴムとの海島構造を有するゴム層であることを特徴とする定着装置。 - 像担持体と、
前記像担持体の表面を帯電させる帯電手段と、
前記帯電手段により帯電した前記像担持体の表面を露光して静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録材上に転写する転写手段と、
前記記録材上に転写されたトナー像を当該記録材上に加熱定着させる定着手段とを備え、
前記定着手段は、
前記記録材の表面に形成されたトナー像を加熱する加熱部材と、
前記加熱部材に圧接配置される加圧部材とを備え、
前記加圧部材は、
前記トナー像を記録材に向けて押圧する表面層を備え、
前記表面層は、フルオロカーボンシロキサンゴムとシリコーンゴムとの海島構造を有するゴム層であることを特徴とする画像形成装置。 - 像担持体表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像担持体表面を露光して静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、
前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像工程と、
前記トナー像を記録材上に転写する転写工程と、
前記記録材上に転写されたトナー像を記録材上に加熱定着する定着工程とを有し、
前記定着工程は、記録材の表面に形成されたトナー像を加熱する加熱部材と、当該加熱部材に圧接配置される加圧部材との圧接部に記録材を通過させ、当該加圧部材の表面層は、フルオロカーボンシロキサンゴムとシリコーンゴムとの海島構造を有するゴム層であることを特徴とする画像形成方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006221895A JP2008046363A (ja) | 2006-08-16 | 2006-08-16 | 定着部材、定着装置、画像形成装置、及び画像形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2008046363A true JP2008046363A (ja) | 2008-02-28 |
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ID=39180159
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JP2006221895A Pending JP2008046363A (ja) | 2006-08-16 | 2006-08-16 | 定着部材、定着装置、画像形成装置、及び画像形成方法 |
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-
2006
- 2006-08-16 JP JP2006221895A patent/JP2008046363A/ja active Pending
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