JP2021189441A - 電子写真用部材、及び電子写真画像形成装置 - Google Patents

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季夫 田中
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Abstract

【課題】導電性と、外観と、難燃性とを備えた導電性シリコーンゴムを有し、高品位な電子画像を形成することのできる、電子写真用部材を提供する。【解決手段】基材と、該基材上の弾性層とを有する電子写真用部材であって、該弾性層がシリコーンゴムと、イオン導電剤と、無機粒子とを含み、該無機粒子は、下記要件i)〜iii)を満たすことを特徴とする電子写真用部材:i)マグネシウム及びアルミニウムの少なくとも一方の水酸化物を含む;ii)表面にケイ素原子を0.50atm%以上、2.00atm%以下有する;iii)該該無機粒子の5mgを10mlの水に分散させた分散液の濁度が200NTU以上、1200NTU以下である電子写真用部材を用いる。【選択図】図2

Description

本開示は、電子写真画像形成装置に用いられる電子写真用部材に関する。
中間転写ベルトの如き電子写真用ベルトの弾性層に難燃性、耐熱性、機械的強度等を付与するため、該弾性層に無機粒子を含有させる場合がある。このとき、無機粒子を弾性層中に均一に分散させ、該電子写真用ベルトのトナー像担持面に該無機粒子に起因する凸部を生じさせないようにすることは、二次転写性を向上させるうえで有効である。
特許文献1には、シリコーンゴムを含む導電性の弾性層を備えた電子写真装置の転写ベルトが開示されている。また、特許文献2は、該弾性層の導電化のための導電材として、カーボン粉末やイオン導電剤を用いることが好ましいことを開示している。
さらに、特許文献1には、弾性層を構成するゴム層に、難燃性、耐熱性、機械的強度等を付与するため、無機粒子を配合することが好ましいことが開示されている。また、特許文献1には、該無機粒子の表面をシランカップリング剤で処理しておけば、無機粒子はゴムとの親和性が向上し、より均一に混合し易くなることが開示されている。
特開2006−84707
本発明者らの検討によれば、特許文献1に記載されている通り、シランカップリング剤で表面処理した無機粒子の使用は、電子写真用ベルトの外表面への該無機粒子由来の凸部の発生の軽減に有効であった。しかしながら、イオン導電剤を含む弾性層中にシランカップリング剤で表面処理した無機粒子を含有させたところ、弾性層の導電性が低下する場合があった。
本開示の一態様は、無機粒子が均一に分散されてなるとともに、高い導電性を備えた弾性層を具備する電子写真用部材の提供に向けたものである。また、本開示の一態様は、高品位な電子写真画像を形成することのできる電子写真画像形成装置の提供に向けたものである。
本開示の一態様によれば、基材と、該基材上の弾性層とを有する電子写真用部材であって、該弾性層が硬化性シリコーンゴムと、イオン導電剤と、無機粒子とを含み、該無機粒子が、下記要件i)〜iii)を満たす電子写真用部材が提供される。
i)マグネシウム及びアルミニウムの少なくとも一方の水酸化物を含む;
ii)表面にケイ素原子を0.50atm%以上、2.00atm%以下有する;
iii)該無機粒子の5mgを10mlの水に分散させた分散液の濁度が200以上、1200NTU以下である。
また、本開示の他の様態によれば、上記の電子写真用部材を中間転写部材として具備する電子写真画像形成装置が提供される。
本開示の一態様によれば、無機充電剤が均一に分散されてなるとともに、高い導電性を備えた弾性層を具備する電子写真用部材を得ることができる。また、本発明の他の態様によれば、高品位な電子写真画像を形成することのできる電子写真画像形成装置を得ることができる。
本開示の一態様に係る電子写真画像形成装置の概略図である。 本開示の一態様に係るエンドレス形状を有する電子写真用部材の概略図である。
本発明者らによる検討の結果、下記の要件を満たす、無機粒子(以降、単に「処理無機粒子」ともいう)を無機粒子として使用することが、上記の課題の解決に有効であることを見出した。
i)マグネシウム及びアルミニウムの少なくとも一方の水酸化物を含むこと、
ii)表面にケイ素原子を0.50atm%以上、2.00atm%以下有すること、
iii)無機粒子の5mgの10mlの水に分散させたときの分散液の濁度が200以上、1200NTU以下であること。
上記要件ii)及び、上記要件iii)は、上記要件i)に係る、マグネシウム及びアルミニウムの少なくとも一方の水酸化物を含む無機粒子の表面のシランカップリング剤による処理の程度を表す指標である。
上記要件ii)〜iii)を満たす無機粒子は、弾性層中において、イオン導電剤と該無機粒子の表面に存在する親水基との相互作用により、イオン導電剤の移動度が向上し、高い導電性を発現するものと考えられる。イオン導電剤の移動度が向上する理由としては、非極性であるシリコーンゴム中ではイオン導電剤が解離し難いが、極性基である親水基をもった水酸化物粒子を添加することで、イオン導電剤の解離が促されるためと考えられる。
また、該無機粒子は、その表面に所定量存在しているケイ素原子によって、バインダーであるシリコーンゴムとの良好な親和性により、弾性層中に均一に分散され、電子写真用部材の外表面に無機粒子に起因する凸部の発生が有効に防止されていると考えられる。
[硬化性シリコーンゴム混合物]
本開示の一態様に係る電子写真用部材の弾性層は、シリコーンゴム、イオン導電剤、及び上記要件i)〜iii)を満たす無機粒子を含む。そしてこのような弾性層は、硬化性シリコーンゴム、イオン導電剤及び上記要件i)〜iii)を満たす無機粒子を含む硬化性シリコーンゴム混合物の硬化物から構成されることができる。以下、硬化性シリコーンゴム混合物を構成する各成分について説明する。
<硬化性シリコーンゴム>
硬化性シリコーンゴムとしては、付加硬化型液状シリコーンゴムを用いることができる。付加硬化型液状シリコーンゴムは、下記(a)、(b)および(c)成分を含む。
(a)不飽和脂肪族基を有するオルガノポリシロキサン;
(b)ケイ素原子に結合した活性水素を有するオルガノポリシロキサン;
(c)架橋触媒としての白金化合物。
上記(a)成分である、不飽和脂肪族基を有するオルガノポリシロキサンとしては、以下のものが挙げられる。
・分子両末端が(RSiO1/2で表され、中間単位が(RSiOおよびRSiOで表される直鎖状オルガノポリシロキサン;
・中間単位にRSiO3/2またはSiO4/2を含む分岐状オルガノポリシロキサン。
ここで、Rは、上記式中のケイ素原子に結合した、不飽和脂肪族基を含まない非置換または置換の1価の炭化水素基を表す。該炭化水素基としては、具体的に、以下のものが挙げられる。
・アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等);
・アリール基(フェニル基、ナフチル基等)。
該炭化水素基が有していてもよい置換基としては、フッ素原子や塩素原子等のハロゲン原子;メトキシ基やエトキシ基等のアルコキシ基;シアノ基等が挙げられる。置換炭化水素基としては、具体的に、クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、3−シアノプロピル基、3−メトキシプロピル基等が挙げられる。これらの中でも、合成や取扱いが容易で、優れた耐熱性が得られることから、Rの50%以上がメチル基であることが好ましく、すべてのRがメチル基であることがより好ましい。
また、Rは、上記式中のケイ素原子に結合した不飽和脂肪族基を表す。不飽和脂肪族基としては、ビニル基、アリル基、3−ブテニル基、4−ペンテニル基、5−ヘキセニル基が例示される。これらの中でも、合成や取扱いが容易で、シリコーンゴムの架橋反応が進行しやすいことから、ビニル基が好ましい。
上記(b)成分である、ケイ素原子に結合した活性水素を有するオルガノポリシロキサンは、(c)成分である白金化合物の触媒作用により、該(a)成分が有する不飽和脂肪族基と反応して架橋構造を形成する架橋剤である。(b)成分中のケイ素原子に結合した活性水素の数は、1分子中に平均3個を越える数であることが好ましい。
(b)成分であるケイ素に結合した活性水素を有するオルガノポリシロキサン中の、ケイ素原子に結合した有機基としては、(a)成分のRと同じ、不飽和脂肪族基を含まない非置換または置換の1価の炭化水素基が例示される。特に、合成および取扱いが容易であることから、該有機基としてはメチル基が好ましい。ケイ素原子に結合した活性水素を有するオルガノポリシロキサンの分子量は特に限定されない。
また、(b)成分の25℃における粘度は、10mm/s以上100,000mm/s以下が好ましく、15mm/s以上1,000mm/s以下がより好ましい。該オルガノポリシロキサンの25℃における粘度が上記範囲内であれば、保存中に揮発して所望の架橋度や成形品の物性が得られないということがなく、また合成や取扱いが容易となり、系中に均一に分散させやすくなる。
(b)成分のシロキサン骨格は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよく、これらの混合物を用いてもよい。特に合成の容易性の観点から、直鎖状のものが好ましい。また、(b)成分において、Si−H結合は、分子中のどのシロキサン単位に存在してもよいが、少なくともその一部が、(RHSiO1/2単位のような分子末端のシロキサン単位に存在することが好ましい。
付加硬化型液状シリコーンゴムとしては、不飽和脂肪族基の量が、ケイ素原子1モルに対して0.1モル%以上、2.0モル%以下であるものが好ましく、0.2モル%以上、1.0モル%以下であるものがより好ましい。
硬化後のシリコーンゴムの硬さは、タイプA硬さで5度以上80度以下であることが好ましく、15度以上60度以下であることがより好ましい。
上記(c)成分としては、公知の白金化合物を用いることができる。
<無機粒子>
無機粒子は、下記要件i)〜iii)を満たす:
i)マグネシウム及びアルミニウムの少なくとも一方の水酸化物を含む;
ii)表面にケイ素原子を0.50atm%以上、2.00atm%以下有する;
iii)該該無機粒子の5mgを10mlの水に分散させた分散液の濁度が200NTU以上、1200NTU以下である。
このような無機粒子を用いることで、電子写真用部材のトナー担持面に無機粒子に起因する凸部を生じさせることなく、弾性層の体積抵抗率を、イオン導電剤によって中抵抗領域に調整することができる。具体的には、弾性層の体積抵抗率を、例えば、1.0×10Ω・cm〜2.0×1011Ω・cmの範囲に調整することができる。無機粒子が上記要件i)〜iii)を満たすことは、例えば、硬化性シリコーンゴム混合物中から固形分を抽出し、後述するX線光電子分光分析装置による分析と、後述する濁度計による濁度計測とを併用することで確認できる。なお、シリコーンゴム混合物が液状であればトルエン等の溶媒による希釈、硬化物であれば溶解可能な溶剤(たとえば、商品名:eソルブ21RS、株式会社カネコ化学製)による溶解をそれぞれ行い、フィルタにより濾過することで固形分を得ることができる。
上記要件iii)は、無機粒子の表面の親水性の程度を表す指標である。濁度は、例えば、無機粒子5mgに水10mlを加え、撹拌子を用いて1000rpmで10分撹拌した無機粒子分散液の濁度を、濁度計で計測することができる。
ここで、無機粒子は、硬化性シリコーンゴム100質量部に対して、5.0質量部以上、30.0質量部以下含むことが好ましい。
<<水酸化マグネシウム粒子>>
水酸化マグネシウム粒子は、シリコーンゴムとの親和性を高めるために、シランカップリング処理により、表面に適度な疎水性を有する必要があり、かつ、イオン導電剤の移動を補助するために、表面に適度な親水性をも有している必要がある。水酸化マグネシウム粒子表面の疎水性、及び親水性の程度は、シランカップリング処理の程度により制御することができる。
水酸化マグネシウム粒子表面のシランカップリング処理は、湿式処理法、乾式処理法、インテグラルブレンド処理法などの公知の方法で行うことができる。本態様に係る硬化性シリコーンゴム混合物においては、水酸化マグネシウムのシランカップリング処理は、湿式法にて行った。具体的には、市販の水酸化マグネシウム(商品名:KISUMA5、協和化学工業社製)の水性懸濁液に、撹拌下、シランカップリング剤溶液を添加し、濾過したのち加熱乾燥させることで、水酸化マグネシウムのシランカップリング処理を行った。シランカップリング処理の程度は、水酸化マグネシウムの重量に対する、シランカップリング剤の添加量を変えることで制御することができる。ここで用いるシランカップリング剤としては、たとえは、水酸化マグネシウムの表面の疎水化、または親水化の処理に用いることができるものであれば特に制限はない。たとえば、ビニルトリメトリキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
水酸化マグネシウム表面の疎水性、及び親水性の程度は、X線光電子分光分析と、濁度計測とを併用することにより評価できる。具体的には、X線光電子分光分析装置(商品名:QuanteraII、アルバック・ファイ社製)によって、水酸化マグネシウム粒子の表面の元素分析を行い、このスペクトルデータからケイ素原子の原子比率を算出することで、疎水性を評価することができる。本態様に係る硬化性シリコーンゴム混合物においては、表面のケイ素原子の原子比率が、0.50atm%以上、2.00atm%以下有し、0.50atm%以上、1.00atm%以下有することが好ましい。
水酸化マグネシウム粒子表面の親水性の程度は、濁度を計測することで評価できる。具体的には、水酸化マグネシウム5mgに水10mlを加え、撹拌子を用いて1000rpmで10分撹拌した水酸化マグネシウム分散液の濁度を、濁度計(商品名:ラコムテスター濁度計TN100IR、アズワン社製)で計測することで、親水性を評価できる。親水性が高い水酸化マグネシウムは、水への分散性が良いため、濁度が大きくなる。本形態に係る硬化性シリコーンゴム組成物においては、濁度が200NTU以上、1200NTU以下であり、好ましくは290NTU以上、1240NTU以下である。なお、NTUはNephelometric Turbidity Unitの略であり、比濁法濁度の単位を示す。
<<水酸化アルミニウム粒子>>
水酸化アルミニウム粒子も上記水酸化マグネシウム粒子と同様に、適度な疎水性と、適度な親水性とを有する必要があり、疎水性と親水性との程度は、シランカップリング処理の程度により制御することができる。
水酸化アルミニウム粒子表面のシランカップリング処理は、上記水酸化マグネシウム粒子のシランカップリング処理において、水酸化マグネシウム粒子を水酸化アルミニウム粒子に変更する以外は、上記水酸化マグネシウム粒子と同様に行うことができる。
水酸化アルミニウム粒子表面の疎水性、及び親水性の程度は、上記水酸化マグネシウム粒子同様、X線光電子分光分析と、濁度計測とを併用することにより評価できる。具体的には、上記水酸化マグネシウムのX線光電子分光分析と濁度計測において、水酸化マグネシウム粒子を水酸化アルミニウム粒子に変更する以外は、上記水酸化マグネシウム粒子と同様に評価できる。表面のケイ素原子の原子比率としては、ケイ素原子が0.50atm%以上、2.00atm%以下有することが望ましく、0.50atm%以上、1.00atm%以下有することがより望ましい。本形態に係る硬化性シリコーンゴム組成物においては、濁度が200NTU以上、1200NTU以下であり、好ましくは290NTU以上、1240NTU以下である。
<イオン導電剤>
イオン導電剤としては、カチオン(陽イオン)とアニオン(陰イオン)に解離可能な塩であれば特に制限はないが、周囲の湿度による導電性の変動を抑制するため、疎水性の構造を有するカチオンおよびアニオンが好適である。また、室温付近に融点を有するイオン液体であれば、硬化性シリコーンゴムへの添加、混合作業が容易となる。さらに、硬化性シリコーンゴムとの親和性が高いシロキサン構造を有するイオン液体であれば、硬化性シリコーンゴム中にイオン液体が均一に分散するため、より好適である。
イオン液体の具体例としては、例えば、下記の構造式(1)で示されるカチオンと、トリフルオロメタンスルホニルイミドアニオン(以降、「TFSI」とからなるイオン液体が挙げられる。
Figure 2021189441
構造式(1)において、R〜Rは、各々独立に、炭素数1〜10の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、水酸基、ベンジル基、カルボキシル基の如き官能基を表す。これら官能基は、直接、4級アンモニウムの窒素原子に結合していてもよく、アルキレン基などを介して結合していてもよい。R〜Rは、炭素数1〜10の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基であることが好ましい。
〜Rは、各々独立に、炭素数1〜10の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を表す。
は、4級アンモニウム構造とジメチルシロキサン鎖との連結基である。Rとしては、例えば、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキレン基(直鎖状、分岐状のいずれでもよい)が挙げられる。該アルキレン基は、−Ph−(フェニレン)、−O−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、または−C(=O)−NR−(Rは炭素数1〜6のアルキル基を表す)から選択される基を介した構造であってもよい。該アルキレン基の置換基としては、水酸基が挙げられる。また、ジメチルシロキサン鎖の繰り返し数mは、1以上150以下の整数である。
該カチオンの具体例としては、例えば、下記構造式(1−1)で示されるような、シロキサン変性カチオンが挙げられる。
Figure 2021189441
上記構造式(1−1)で示されるカチオンとTFSI−とからなるイオン液体(以降、「イオン液体No.1」ともいう)は、例えば、グリシジル変性4級アンモニウム塩と、片末端カルボキシ変性ジメチルシロキサンをカップリングさせることにより合成することができる。
具体的には、グリシジルトリメチルアンモニウム塩(商品名:モディカチオンGTA−IL、四日市合成(株)製、アニオン:TFSI)3.97質量部、片末端カルボキシ変性ポリジメチルシロキサン(商品名:MBR−B12、分子量=1,500、Gelest社製)18.0質量部、触媒としてトリエチルアミン(アンモニウム塩に対して0.1当量)0.1質量部を用い、溶液の全量が30mLとなるように無水アセトニトリルを加えて、温度80℃で10時間反応させる。反応終了後、エバポレーターにより溶媒を留去して、カラムクロマトグラフィー(商品名:シリカゲル60N、100−210μm、関東化学(株)製)を用いて精製を行う。カラムの展開溶媒は、生成物が可溶で、TLC(薄層クロマトグラフィー)プレート上のR/F値が適切なものであれば特に制限はないが、例えば、酢酸エチルとノルマルヘキサンとの混合液を用い得る。その後、溶媒をエバポレーターで除去して、シロキサン変性イオン液体No.1を得られる。
<添加剤>
弾性層は、上記の他にも充填剤、架橋促進剤、架橋遅延剤、架橋助剤、着色剤、スコーチ防止剤、老化防止剤、軟化剤、熱安定剤、難燃剤、難燃助剤、紫外線吸収剤、防錆剤などの添加剤を含んでいてもよい。ただし、イオン導電剤と水酸化物子表面の水酸基との相互作用を損なわないよう、他の無機粒子を添加する際には、その表面も十分な親水基を有する必要がある。
[電子写真用部材]
次に、電子写真用部材について説明する。図2は、本開示の一態様に係る、エンドレス形状を有する電子写真用部材(以降、「電子写真用ベルト」ともいう。)200の概略図である。電子写真用ベルト200は、エンドレス形状の基材202と、その外周面上に形成された弾性層201とで構成されている。なお、必要に応じて、弾性層201の外周面上に更に不図示の表面層を設けることもできる。
<基材>
基材としては、電子写真用部材の形状に対応して、円筒形状、円柱形状またはエンドレスベルト形状を有するものを用い得る。基材の材質としては、耐熱性および機械的強度に優れる材質であれば特に制限はない。例えば、アルミニウム、鉄、銅、ニッケルの如き金属、ステンレス、真鍮の如き合金、アルミナ、炭化珪素の如きセラミックスが挙げられる。他には、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイドの如き樹脂が挙げられる。
なお、基材の材質として樹脂を用いる場合には、金属粉末、導電性酸化物粉末、導電性カーボンの如き導電性粉体を添加して導電性を付与してもよい。
基材の材質として柔軟性および機械強度に優れる樹脂が特に好適であり、中でも、導電性粉体としてのカーボンブラックを含むポリエーテルエーテルケトン、および、導電性粉体としてのカーボンブラックを含むポリイミドが特に好適に用いられる。また、エンドレス形状の基材の厚さとしては、例えば、10μm以上500μm以下、特には30μm以上150μm以下である。
<弾性層>
弾性層は、前記した硬化性シリコーンゴム混合物の硬化物を含む。
円筒形状、円柱形状またはエンドレスベルト形状を有する上記基材上に硬化性シリコーンゴム混合物を塗布・硬化させることで、基材上に弾性層を形成することができる。弾性層の厚さとして、電子写真用部材としての機能を満たす範囲で適宜調整することができる。特に、中間転写ベルト用の弾性層としては、ニップ時の圧縮変形量や、中間転写ベルト表面のトナー像の色ずれ抑制の観点から、80μmから600μmが好適であり、より好ましくは、150μm以上400μm以下である。
基材および弾性層をより強固に接着するため、基材の外表面に、適宜プライマーを塗布しても良い。ここで用いられるプライマーとは、有機溶剤中に、シランカップリング剤、シリコーンポリマー、水素化メチルシロキサン、アルコキシシラン、反応促進触媒、ベンガラの如き着色剤が、適宜配合分散された塗料である。該プライマーとしては、市販品を用いることができる。プライマー処理は、このプライマーを基材の外表面に塗布し、乾燥又は焼成させることによって行われる。プライマーは、基材の材質、弾性層の種類又は架橋反応の形態によって適宜選択可能である。特に、弾性層が不飽和脂肪族基を多く含む場合には、不飽和脂肪族基との反応により接着性を付与するために、ヒドロシリル基を含有するプライマーが好適に用いられる。このような特徴を持つ市販のプライマーとして、DY39−051A/B(商品名、東レ・ダウコーニング株式会社製)が挙げられる。また、反対に、弾性層がヒドロシリル基を多く含む場合には、不飽和脂肪族基を含有するプライマーが好適に用いられる。このような特徴を持つ市販のプライマーとして、DY39−067(商品名、東レ・ダウコーニング株式会社製)が挙げられる。プライマーとしてはそのほかにも、アルコキシ基を含有するものも挙げられる。また、基材表面に紫外線照射等の表面処理を施すことで、基材と弾性層との架橋反応を補助し、より接着力を強めることができる。また、上記以外のプライマーとしては、X−33−156−20、X−33−173A/B、X−33−183A/B(いずれも商品名、信越化学工業株式会社製)や、DY39−90A/B、DY39−110A/B、DY39−125A/B、DY39−200A/B(いずれも商品名、東レ・ダウコーニング株式会社製)等が挙げられる。
<表面層>
電子写真用部材の表面層は、用紙のような記録媒体や、ドラム等の各種当接部材との摺擦による摩耗に対して耐性があり、かつトナー等が固着せぬように、低付着性を有することが求められる。表面層に用いる樹脂は、低付着性を有するものであれば特に制限はないが、例えば、フッ素樹脂、含フッ素ウレタン樹脂、フッ素ゴム、シロキサン変性ポリイミドが挙げられる。中間転写ベルト用の表層としては、これらの中でも、弾性層の弾性機能を損なわない観点から、含フッ素ウレタン樹脂が好ましい。
表面層の厚さは0.5μm以上20μm以下が好ましく、1μm以上10μm以下がより好ましい。表面層の厚さが0.5μm以上であれば、使用に伴う表面層の摩耗によるトナーの消失を抑制しやすくなる。また、表面層の厚さが20μm以下であれば、弾性層の弾性機能を阻害することがない。
表面層は、必要に応じて、上述の導電性粉体を含んでいてもよい。表面層中の導電性粉体の含有量は、付着性や機械強度の観点から、表面層に対して30質量部以下であることが好ましい。
また、必要に応じて、弾性層と表面層の間にプライマー層を設けてもよい。プライマー層の厚さは、弾性機能を阻害しない観点から、0.1μm以上15μm以下であることが好ましく、0.5μm以上10μm以下であることがより好ましい。
[電子写真画像形成装置]
本開示の一態様に係る電子写真画像形成装置は、上記した本態様に係る電子写真用エンドレスベルトを中間転写部材(中間転写ベルト)として具備する。図1を用いて本開示の一態様に係る電子写真画像形成装置を説明する。本実施形態の画像形成装置は、複数色の画像形成ステーションを電子写真用エンドレスベルト(以下、「中間転写ベルト」と称する。)の回転方向に並べて配置した、所謂タンデム型の構成を有する。なお、以下の説明では、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に関する構成の符号に、それぞれ、Y、M、C、kの添え字を付しているが、同様の構成については添え字を省略する場合もある。
図1中、符号1Y、1M、1C、1kは感光ドラム(感光体、像担持体)で、感光ドラム1の周囲には、帯電装置2Y、2M、2C、2k、露光装置3Y、3M、3C、3k、現像装置4Y、4M、4C、4k、中間転写ベルト(中間転写体)6が配置される。感光ドラム1は、矢印Fの方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動される。帯電装置2は、感光ドラム1の周面を所定の極性、電位に帯電する(1次帯電)。露光装置3としてのレーザビームスキャナーは、不図示のイメージスキャナー、コンピュータ等の外部機器から入力される画像情報に対応してオン/オフ変調したレーザー光を出力して、感光ドラム1上の帯電処理面を走査露光する。この走査露光により感光ドラム1面上に目的の画像情報に応じた静電潜像が形成される。
現像装置4Y,4M,4C,4kは、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(k)の各色成分のトナーを内包する。そして、画像情報に基づいて使用する現像装置4を選択し感光ドラム1面上に現像剤(トナー)が現像され、静電潜像がトナー像として可視化される。本実施形態では、このように静電潜像の露光部にトナーを付着させて現像する反転現像方式が用いられる。また、このような帯電装置、露光装置、現像装置により画像形成手段を構成している。
また、中間転写ベルト6は、本態様に係る電子写真用エンドレスベルトで、感光ドラム1の表面に当接されるよう配設され、複数の張架ローラ20、21、22に張架されている。そして、矢印Gの方向へ回動するようになっている。本実施の形態では、張架ローラ20は中間転写ベルト6の張力を一定に制御するようにしたテンションローラ、張架ローラ22は中間転写ベルト6の駆動ローラ、張架ローラ21は2次転写用の対向ローラである。また、中間転写ベルト6を挟んで感光ドラム1と対向する1次転写位置には、それぞれ、1次転写ローラ5Y、5M、5C、5kが配置されている。感光ドラム1にそれぞれ形成された各色未定着トナー像は、1次転写ローラ5に定電圧源または定電流源によりトナーの帯電極性と逆極性(例えば正極性)の1次転写バイアスを印加することにより、中間転写ベルト6上に順次静電的に1次転写される。そして、中間転写ベルト6上に4色の未定着トナー像が重ね合わされたフルカラー画像を得る。中間転写ベルト6は、このように感光ドラム1から転写されたトナー像を担持しつつ回転する。1次転写後の感光ドラム1の1回転毎に感光ドラム1の表面は、クリーニング装置11で転写残トナーをクリーニングし、繰り返し作像工程に入る。
また、記録材7の搬送経路に面した中間転写ベルト6の2次転写位置には、中間転写ベルト6のトナー像担持面側に2次転写ローラ(転写部)9を圧接配置している。また、2次転写位置の中間転写ベルト6の裏面側には、2次転写ローラ9の対向電極をなし、バイアスが印加される対向ローラ21が配設されている。中間転写ベルト6上のトナー像を記録材7に転写する際、対向ローラ21にはトナーと同極性のバイアスが転写バイアス印加手段28により印加され、例えば−1000〜−3000Vが印加され−10〜−50μAの電流が流れる。このときの転写電圧は転写電圧検知手段29により検知される。更に、2次転写位置の下流側には、2次転写後の中間転写ベルト6上に残留したトナーを除去するクリーニング装置(ベルトクリーナ)12が設けられている。
2次転写位置に導入された記録材7は、2次転写位置で挾持搬送され、その時に、2次転写ローラ9の対向ローラ21に2次転写バイアス印加手段28から所定に制御された定電圧バイアス(転写バイアス)が印加される。対向ローラ21にはトナーと同極性の転写バイアスが印加されることで転写部位にて中間転写ベルト6上に重ね合わされた4色のフルカラー画像(トナー像)を記録材7へ一括転写し、記録材上にフルカラーの未定着トナー像が形成される。トナー像の転写を受けた記録材7は不図示の定着器へ導入され加熱定着される。
<水酸化マグネシウム粒子No.1の調製>
以下のようにしてシランカップリング処理を施した水酸化マグネシウム粒子(以降、「水酸化マグネシウム粒子No.1」ともいう)を調製した。
原料としての水酸化マグネシウム粒子(商品名:KISUMA5、製造会社名:協和化学工業社製)を用意した。この水酸化マグネシウム粒子20質量部に対し、水100質量部を加え、懸濁液を作成した。この懸濁液のpHを酢酸により3.0に調整した。懸濁液100質量部に対し、シランカップリング剤(商品名:KBE−503、信越化学工業社製、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン)0.20質量部を滴下し、室温で24時間撹拌した。その後固形物を濾過し、80℃で24時間乾燥させ、水酸化マグネシウム粒子No.1を得た。
得られた水酸化マグネシウム粒子No.1の表面のケイ素原子量及び濁度を前記した方法により測定した。
<水酸化マグネシウム粒子No.2〜No.5の調製>
シランカップリング剤の量を以下のように変更した以外は、水酸化マグネシウム粒子No.1と同様にして水酸化マグネシウム粒子No.2〜5を調製した。得られた水酸化マグシウムNo.2〜5の各々の、表面のケイ素原子量及び濁度を表1に記載した。
・水酸化マグネシウム粒子No.2:0.25質量部
・水酸化マグネシウム粒子No.3:0.18質量部
・水酸化マグネシウム粒子No.4:0.06質量部
・水酸化マグネシウム粒子No.5:0.60質量部
<水酸化アルミニウム粒子No.1〜2の調製>
原料としての水酸化アルミニウム粒子として、水酸化アルミニウム粒子(商品名:Bf013、日本軽金属社製)を用い、シランカップリング剤の量を以下のように変更した。これらの点以外は水酸化マグネシウム粒子No.1と同様にして水酸化マグネシウム粒子No.1〜2を調製した。水酸化アルミニウム粒子No.1〜2の各々の。表面のケイ素原子量及び濁度を表1に記載した。
・水酸化アルミニウム粒子No.1:0.28質量部
・水酸化アルミニウム粒子No.2:0.42質量部
Figure 2021189441
[実施例1]
(基材の作製)
下記表2の材料を、各々重量フィーダを用いて、2軸混練機(商品名:PCM30、(株)池貝製)に投入し、混練して、これらのペレットを得た。2軸混練機のシリンダ設定温度は、材料投入部を320℃とし、シリンダ下流およびダイは360℃とした。2軸混練機のスクリュ回転数は300rpmとし、材料供給量は8kg/hとした。
Figure 2021189441
次いで、得られたペレットを円筒押出成形することにより、エンドレス形状の基材を作製した。なお、円筒押出成形は、単軸押出機(商品名:GT40、(株)プラスチック工学研究所製)、および直径300mm、隙間1mmの円形開口部を有する円筒ダイを用いて行った。
具体的には、重量フィーダを用いて、ペレットを4kg/hの供給量で単軸押出機に供給した。単軸押出機のシリンダ設定温度は、材料投入部を320℃とし、シリンダ下流および円筒ダイは380℃とした。単軸押出機から吐出された溶融樹脂は、ギアポンプを経て、円筒ダイから押し出され、円筒引取機により、厚さ60μmとなる速度にて引き取られた。熔融樹脂は、引き取られる過程において、円筒ダイと円筒引取機の間に設けられた冷却マンドレルと接触することで冷却・固化された。固化した樹脂を、円筒引取機の下部に設置された円筒切断機にて、幅400mmとなるよう切断して、エンドレス形状の基材を得た。
(弾性層形成用の硬化性シリコーンゴム混合物の調製)
イオン導電剤として、前記したイオン液体No.1を用意した。
イオン液体No.1は、グリシジル変性4級アンモニウム塩と、片末端カルボキシ変性ジメチルシロキサンをカップリングさせることにより合成した。
具体的には、グリシジルトリメチルアンモニウム塩(商品名:モディカチオンGTA−IL、四日市合成(株)製、アニオン:TFSI)3.97g、片末端カルボキシ変性ポリジメチルシロキサン(商品名:MBR−B12、分子量=1,500、Gelest社製)18.0g、触媒としてトリエチルアミン(アンモニウム塩に対して0.1当量)0.1gを用い、溶液の全量が30mLとなるように無水アセトニトリルを加えて、80℃で10時間反応させた。反応終了後、エバポレーターにより溶媒を留去して、カラムクロマトグラフィー(商品名:シリカゲル60N、100−210μm、関東化学(株)製)を用いて精製を行った。
カラムの展開溶媒としては、酢酸エチルとノルマルヘキサンを任意の割合で混合したものを使用した。その後、溶媒をエバポレーターで除去して、シロキサン変性イオン液体であるイオン液体No.1を得た。
次いで、付加硬化型液状シリコーンゴム(商品名:TSE3450 A/B、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)100質量部に対し、上記イオン液体No.1を2.0質量部添加し、混合した。
次いで、水酸化マグネシウム粒子No.1をシリコーンゴム100体積部に対し5体積部添加した。さらに黒色のシリコーン系着色材(商品名:LIMカラー02;信越化学工業社製、カーボンブラックを15〜20質量%含有)を1.0質量部添加し、遊星撹拌脱泡装置(商品名:HM−500、キーエンス社製)を用いて撹拌・脱泡して、付加硬化型液状シリコーンゴム混合液を得た。
続いて、上記基材の外表面に紫外線照射処理を施したのちに、プライマー(商品名:DY39−051、東レ・ダウコーニング社製)を塗布し、加熱乾燥を行った。
プライマー層を外表面に形成した基材を円筒形の中子に取り付け、さらに中子と同軸上にゴム吐出用のリングノズルを取り付けた。送液ポンプを用いて、上記付加硬化型液状シリコーンゴム混合物をリングノズルに供給し、スリットから吐出することで、該基材上に、該付加硬化型液状シリコーンゴム混合物の層を形成した。この際、硬化後の弾性層が厚さ280μmとなるように、相対移動速度および送液ポンプ吐出量を調整した。中子に取り付けた状態で加熱炉に入れて、130℃で15分間、さらに180℃で60分間加熱し、該付加硬化型液状シリコーンゴム混合物の層を硬化して弾性層を形成した。
(表面層の調製)
ポリウレタンディスパージョンにポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子が分散した含フッ素ポリウレタン樹脂液(商品名:Emralon T−861、ヘンケルジャパン社製)を用意した。次いで、弾性層の外表面をエキシマUV照射により親水化処理した後、中子に嵌め合わせ、200rpmで回転させながら、スプレーガン(商品名:W−101、アネスト岩田(株)製)を用いて該ウレタン樹脂液を塗布した。塗布後、130℃の加熱炉に入れて、30分間硬化した。こうして、弾性層上に厚さ3μmの表面層を有する電子写真用ベルトNo.1を得た。
[実施例2〜3]
水酸化マグネシウム粒子No.1の添加量を表3に記載したように変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真用ベルトNo.2〜No.3を作製した。
[実施例4、5及び7]
弾性層中の水酸化マグネシウム粒子及び添加量を表3に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真用ベルトNo.4、5及び7を作製した。
[実施例6、8]
弾性層中の水酸化マグネシウム粒子を水酸化アルミニウム粒子No.1または水酸化アルミニウム粒子No.2に変えた以外は、実施例実施例2と同様にして電子写真用ベルトNo.6、及び8を作製した。
[比較例1〜4]
弾性層中の水酸化マグネシウム粒子及び配合量を表3に記載したように変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真用ベルトNo.9〜12を作製した。
Figure 2021189441
<評価>
電子写真用ベルトNo.1〜12について、以下に示すように、燃焼時間、体積抵抗率の測定、ブツランクの判定を行った。また、各々の電子写真用ベルトを中間転写ベルトとして用いて電子写真画像の形成に供したときの画像評価を行った。結果を表4に示す。
[体積抵抗率の測定]
体積抵抗率の値は、周長1147mmの円筒形状の電子写真用ベルトに対して、周方向に20mm間隔で58点測定したときの平均値と定義した。体積抵抗率は、二重電極法により、高抵抗率計(商品名:ハイレスタMCP−HT450、(株)三菱化学アナリテック製)を用いて測定した。URプローブを用いて、1000V/10秒印加時の値を用いた。なお、体積抵抗率の測定は、25℃、55%RHの環境で行った。
[燃焼時間の測定]
燃焼時間の値は、以下のように測定を行った。電子写真用ベルトより、幅50mm、長さ200mmの短冊状サンプル片を切り出し、表面層が外周面となるよう筒状に丸め、その下端部に、炎の高さを20mmに調整したガスバーナの炎を接炎させた。接炎時間を3秒とし、接炎後のサンプルの有炎燃焼が完了するまでの時間を計測した。5枚のサンプル片に対して同様の計測を行い、もっとも長い時間を燃焼時間と定義した。
[弾性層中の水酸化マグネシウム粒子または水酸化アルミニウム粒子に由来する外表面の凸部の評価]
電子写真用ベルトの外表面の、弾性層中の水酸化マグネシウム粒子または水酸化アルミニウム粒子に由来する凸部の程度を共焦点レーザー顕微鏡を用いて測定した。測定結果を、下記の基準により評価した。なお凸部の高さは、共焦点レーザー顕微鏡により得られた形状プロファイルより、凸部の中心と、凸部の中心から1mm離れた箇所における高度差と定義した。
ランクA:凸部の高さが5μm以下である。
ランクB:凸部の高さが5μmより大きく、20μm以下である。
ランクC:凸部の高さが20μmより大きく、50μm以下である。
ランクD:凸部の高さが50μmより大きい。
[画像評価]
フルカラー電子写真画像形成装置(商品名:imagePRESS C800、キヤノン(株)製)に装着されている中間転写ベルトに代えて、各実施例または比較例に係る電子写真用ベルトを中間転写ベルトとして装着した。そして、A4サイズの普通紙(商品名:CS−680A4、キヤノン(株)製)上に、シアン色のベタ画像を出力した。なお、画像の形成には、上記電子写真画像形成装置のプリントカートリッジに搭載されているシアンおよびマゼンタ現像剤を用いた。また、画像の出力は、常温常湿(温度25℃、相対湿度55%)環境下で行った。なお、該フルカラー電子写真画像形成装置は、1次転写手段が、中間転写ベルトを介して電子写真感光体と対向配置されてなる転写ローラを含むものであり、1次転写電圧は、1000〜3000Vであり、また、2次転写電圧は、1000Vである。A4サイズの画像について、画像ムラが見られるか否か、見られる場合はどの程度かを下記の基準により評価した。
ランクA:全く画像ムラが見られない。
ランクB:一部に軽微なムラが認められる。
ランクC:観察画像の2割程度の領域にムラが認められる。
ランクD:観察画像の半分以上に亘ってムラが認められる。
Figure 2021189441
1Y、1M、1C、1k 感光ドラム
6 中間転写ベルト
7 記録材
20、21、22 張架ローラ
200 電子写真ベルト
201 弾性層
202 基材

Claims (6)

  1. 基材と、該基材上の弾性層とを有する電子写真用部材であって、該弾性層がシリコーンゴムと、イオン導電剤と、無機粒子とを含み、
    該無機粒子は、下記要件i)〜iii)を満たすことを特徴とする電子写真用部材:
    i)マグネシウム及びアルミニウムの少なくとも一方の水酸化物を含む;
    ii)表面にケイ素原子を0.50atm%以上、2.00atm%以下有する;
    iii)該該無機粒子の5mgを10mlの水に分散させた分散液の濁度が200NTU以上、1200NTU以下である。
  2. 前記無機粒子を、前記硬化性シリコーンゴム100質量部に対して、5.0質量部以上、30.0質量部以下、含む請求項1に記載の電子写真用部材。
  3. 前記濁度が290NTU以上、1240NTU以下である、請求項1または2に記載の、電子写真用部材。
  4. 前記電子写真用部材が、円筒形状または円柱形状を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真用部材。
  5. 前記電子写真用部材が、エンドレス形状を有する電子写真用ベルトである請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真用部材。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子写真用部材を中間転写部材として具備することを特徴とする電子写真画像形成装置。
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