JP4151359B2 - 定着部材、及びそれを用いた画像形成装置 - Google Patents

定着部材、及びそれを用いた画像形成装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンター、ファクシミリなどの電子写真方式を利用した画像形成装置に用いる定着部材、及びそれを用いた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、複写機等の画像形成装置においては、未定着トナー像を定着するために定着装置が用いられる。従来この種の定着装置としては、互いに圧接しながら回転する定着ロールと加圧ロールやベルトとを備え、未定着トナー像が担持された用紙等の記録材をこれらの圧接部に挿通させて未定着トナー像を定着する所謂加熱定着方式が広く用いられている。
また、記録材上の未定着トナー像が前記定着ロールや前記加圧ロール又はベルトに付着するのを防止するという観点からすれば、これらの表面にはトナーが付着しにくい、すなわちトナーの離型性の高い材質のものを用いることが好ましく、このような観点から、フッ素樹脂を用いた表面層やシリコーンゴムを用いた表面層をこれらの表面に被覆したものが用いられている。
【0003】
しかしながら、前記フッ素樹脂を用いた表面層を被覆した場合は、フッ素樹脂が硬いために、その表面が微少な凹凸に追従できず、得られる画像の画質が悪くなるいという問題点がある。
また、シリコーンゴムを用いた表面層を被覆した場合は、トナー中に含まれる色材等の成分の付着や沈着が起こり易いために、長期の使用に耐えられないという問題点がある。
以上の観点から、表面が微少な凹凸に追従し、かつ、トナー中の成分の付着や沈着が起こりにくい表面層として、フルオロカーボンシロキサンゴム組成物を用いたロールやベルト等が知られているが、前記フルオロカーボンシロキサンゴム組成物をそのまま用いた場合、プリント枚数が増えるに従い、加熱・放電等のストレスを受け、離型性が悪化し、オフセット等の画像欠陥が発生してしまう(例えば、特許文献1及び2参照。)。
【0004】
また、離型性の悪化を防ぐために、定着部材表面にシリコーンオイル等の離型剤を塗布する方法が知られているが、フルオロカーボンシロキサンゴムはシリコーンオイルとの親和性が悪いために、少量の離型剤を供給してもはじいてしまい、有効に効果が得られず、初期の数百枚から数千枚の間に、オフセット等の画質欠陥が発生してしまう。
【0005】
【特許文献1】
特許第2784141号公報
【特許文献2】
特許第2903972号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明は前記の問題を解決するためになされたものであり、高画質で、かつ良好な剥離性を維持することができる定着部材、及びそれを用いた画像形成装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的は以下の本発明により達成された。
即ち、本発明は、
<1> 担体上に層を有し、少なくとも該層の最外層がフルオロカーボンシロキサンゴム組成物からなる層である定着部材であって、
前記最外層の表面を活性化処理して、前記フルオロカーボンシロキサンゴム組成物に活性基を導入した後に、変性シリコーンオイルを塗布し、前記活性基と変性シリコーンオイルの活性基とが反応することにより、変性シリコーンオイルを前記最外層の表面に固定化して得られることを特徴とする定着部材である。
【0008】
<2> 前記変性シリコーンオイルを塗布した後に、更に該変性シリコーンオイルが変性しない温度で加熱することを特徴とする<1>に記載の定着部材である。
<3> 前記加熱する温度が、100℃以上であることを特徴とする<2>に記載の定着部材である。
【0009】
<4> 前記活性化処理が、紫外線照射処理、コロナ放電処理、ケミカルエッチング処理から選択される何れかであることを特徴とする<1>〜<3>の何れか1つに記載の定着部材である。
<5> 前記変性シリコーンオイルが、アミン変性シリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイルから選択される少なくとも1種であることを特徴とする<1>〜<4>の何れか1つに記載の定着部材である。
【0010】
<6> 前記定着部材の形状が、ロール状もしくはベルト状であることを特徴とする<1>〜<5>の何れか1つに記載の定着部材である。
<7> 潜像保持体上に潜像を形成する潜像形成手段と、該潜像をトナーにより現像する現像手段と、得られたトナー像を転写体上に転写する転写手段と、転写された転写体上のトナー像を定着する定着手段とを有する画像形成装置であって、
前記定着手段が、<1>〜<6>の何れか1つに記載の定着部材を用いて転写体上のトナー像を定着させる手段であることを特徴とする画像形成装置である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の定着部材について説明する。
本発明の定着部材は、担体上に層を有し、少なくとも該層の最外層がフルオロカーボンシロキサンゴム組成物からなる層であり、前記最外層の表面を活性化処理して、前記フルオロカーボンシロキサンゴム組成物に活性基を導入した後に、変性シリコーンオイルを塗布し、前記活性基と変性シリコーンオイルの活性基とが反応することにより、変性シリコーンオイルを前記最外層の表面に固定化して得られることを特徴とする。
【0012】
定着部材の担体の材料としては、無機基材としては熱伝導性の良好なアルミニウムや銅、ニッケル等の金属、ステンレスやニッケル合金等の合金、あるいはセラミックス等が挙げられる。また、耐熱性樹脂基材としては、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリアリーレンスルフィド、ポリエーテル等の耐熱性樹脂が挙げられる。該耐熱性樹脂には、充填剤としてカーボン、金属、金属酸化物、炭化珪素、窒化ホウ素のような無機粒子を添加してもよい。
【0013】
これらの担体は、例えば、無機基材の場合、金属では中空芯金等のロールやNi電鋳シート等のベルトであり、前記耐熱性樹脂としてはポリイミドフイルム等のベルトといった形態で提供されるが、これらに限定されるものではない。また、担体表面は接着層を強固に接着させるために表面処理を行ってもよい。例えば、金属表面の場合、有機溶媒を用いた脱脂処理およびサンドブラスト等による粗面化処理を行うことができる。
【0014】
次に担体上に形成される層のうち、その最外層に形成されるフルオロカーボンシロキサンゴム組成物について説明する。
前記フルオロカーボンシロキサンゴム組成物は、主鎖にパーフルオロアルキルエーテル基及び/又はパーフルオロアルキル基を有するものが好ましい。また特に、このフルオロカーボンシロキサンゴム組成物としては、(A)下記式(1)のフルオロカーボンシロキサンを主成分とし、脂肪族不飽和基を有するフルオロカーボンポリマー、(B)1分子中に2個以上のシリル基を含有し、前記フルオロカーボンシロキサンゴム組成物中の脂肪族不飽和基量に対して前記シリル基の含有量が1〜4倍モル量であるオルガノポリシロキサン及び/又はフルオロカーボンシロキサン、(C)充填剤、及び(D)有効量の触媒を含有するフルオロカーボンシロキサンゴム組成物の硬化物であることが好ましい。
【0015】
【化1】
Figure 0004151359
【0016】
前記式(1)において、R10は非置換又は置換の一価の炭化水素基を表す。a,eはそれぞれ独立に0又は1を表し、b,dはそれぞれ独立に1〜4の整数を表し、cは0〜8の整数を表す。また、xは1以上の整数を表す。
【0017】
前記(A)成分について説明する。
前記(A)成分における式(1)においてR10で表される非置換又は置換の一価の炭化水素基は、好ましくは炭素数1〜8の一価炭化水素基であり、より好ましくは炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数2〜3のアルケニル基であり、特に好ましくはメチル基である。また、xは10〜30であることが好ましい。
一方、前記(A)成分における脂肪族不飽和基は、一価の脂肪族不飽和炭化水素基を少なくとも含む。該一価の脂肪族不飽和炭化水素基の炭素数は2〜3であることが好ましく、具体的にはビニル基、アリル基、エチニル基等の炭素数2〜3のアルケニル基が挙げられ、特にビニル基が好ましい。前記脂肪族不飽和基は分子鎖末端にあることが好ましく、例えばビニルジアルキルシリル基、ジビニルアルキルシリル基、トリビニルシリル基を主鎖に有することが好ましい。この場合、前記脂肪族不飽和基の主鎖に含まれるアルキル基は、炭素数1〜8アルキル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。このような(A)成分としては下記式(2)で表される化合物を挙げることができる。
【0018】
【化2】
Figure 0004151359
【0019】
(B)成分は、1分子中に2個以上のシリル基を含有し、このシリル基がフルオロカーボンシロキサンゴム組成物中の脂肪族不飽和基量の1〜4倍モル量であるオルガノポリシロキサン及び/又はフルオロカーボンである。
前記シリル基は、更に置換基を有していてもよく、該シリル基が有する置換基としては、アルキル基が好ましく、中でもメチル基がより好ましい。
ここで、シリル基を有するオルガノポリシロキサンとしては、ケイ素原子に結合した水素原子を分子中に少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを挙げることができる。
【0020】
また、本発明で用いるフルオロカーボンシロキサンゴム組成物においては、(A)成分のフルオロカーボンポリマーが脂肪族不飽和基を有するものであり、硬化剤として前述のオルガノハイドロジェンポリシロキサンを使用することができる。即ち、この場合には、フルオロカーボンシロキサン中の脂肪族不飽和基と、オルガノハイドロジェンポリシロキサン中のケイ素原子に結合した水素原子との間で生ずる付加反応によって硬化物が形成されるものである。このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、付加硬化型のシリコーン系ゴム組成物に使用される種々のオルガノハイドロジェンポリシロキサンを使用することができるが、本発明においては特に下記式(3)〜(5)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンが好適に使用される。
【0021】
【化3】
Figure 0004151359
【0022】
式(3)及び(4)において、s及びtは0以上の整数を表し、uは2以上の整数を表す。R2は脂肪族不飽和結合を有しない非置換又は置換の一価炭化水素基を表す。
また、式(3)〜(5)において、Rfは含フッ素有機基を表し、R4はケイ素原子と含フッ素有機基Rfとの間に介在する二価の基を表す。
【0023】
前記R2としては、炭素数が1〜12が好ましく、炭素数が1〜8がより好ましい。前記R2の具体例としてはメチル基、エチル基、イソプロピル基、ブチル基等のアルキル基;シクロヘキシル基、シクロペンチル基等のシクロアルキル基;フェニル基,トリル基,キシリル基等のアリール基;ベンジル基,フェニルエチル基等のアラルキル基;クロロメチル基、クロロプロピル基、クロロシクロヘキシル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン化炭化水素基;2−シアノエチル基等のシアノ炭化水素基等が挙げられ、このうちメチル基、エチル基、フェニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基が好ましい。
【0024】
4はケイ素原子と含フッ素有機基Rfとの間に介在する二価の基であり、脂肪族不飽和結合を有しない二価の炭化水素基、又は、一般式−R5−O−R6−(但し、R5及びR6は脂肪族不飽和結合を有しない二価の炭化水素基である)で表されるエーテル基を有する二価の炭化水素基が挙げられる。前記R4としては炭素数1〜8が好ましく、具体的には下記に示すものが挙げられる。
【0025】
【化4】
Figure 0004151359
【0026】
なお、R4のうちで特に好適な基は、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−CH2CH2CH2−O−CH2−である。
【0027】
fとしてはパーフルオロアルキル基又はパーフルオロアルキルエーテル基が挙げられる。パーフルオロアルキル基としては式Cp2p+1(但し、pは4〜10の整数である)で表されるものが挙げられ、この中でもC613−,C817−,C1021−が好ましい。パーフルオロアルキルエーテル基としては特に炭素数が5〜15のものが好ましく、具体的には下記のものが例示される。
【0028】
【化5】
Figure 0004151359
【0029】
また、本発明におけるオルガノハイドロジェンポリシロキサンとして(CH32HSiO0.5単位とSiO2単位とからなる共重合体も好適に用いられる。該共重合体としては下記式(6)で表される化合物がより好ましい。
【0030】
【化6】
Figure 0004151359
【0031】
なお、これらのオルガノハイドロジェンポリシロキサンの25℃における粘度は、通常、1,000cSt以下であることが好ましい。上述したオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、一般にそのシリル基の数が、(A)成分のフルオロカーボンシロキサン中の脂肪族不飽和炭化水素基1個に対して、少なくとも1個、特に1〜5個となるような割合で配合することが好適である。
【0032】
また、シリル基を有するフルオロカーボンとしては、前記式(1)の単位又は式(1)においてR10がジアルキルハイドロジェンシロキシ基であり、かつ末端がジアルキルハイドロジェンシロキシ基又はシリル基等であるものが好ましく、下記式(7)で示すものを挙げることができる。
【0033】
【化7】
Figure 0004151359
【0034】
(C)成分の充填剤としては、一般的なシリコーン系ゴム組成物に使用されている種々の充填剤を用いることができる。例えば、煙霧質シリカ、沈降性シリカ、カーボン粉末、二酸化チタン、酸化アルミニウム、石英粉末、タルク、セリサイト及びベントナイト等の補強性充填剤、アスベスト、ガラス繊維、有機繊維等の繊維質充填剤などを例示することができる。
【0035】
これらの充填剤は、(A)成分100部(質量部、以下同じ)に対して0.1〜300部、特に1〜200部の割合で配合されることが好適である。この充填剤の配合量が0.1部未満の場合には、十分な補強効果を得ることができない場合があり、また300部を超える割合で配合された場合には、硬化物の機械的強度が低下するという不都合を生じる場合がある。
【0036】
(D)成分の触媒としては、付加反応用触媒として公知とされている塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸とオレフィンとの錯体、白金又はパラジウムをアルミナ、シリカ、カーボンなどの担体に担持したもの、ロジウムとオレフィンとの錯体、クロロトリス(トリフェニルフォスフィン)ロジウム(ウィルキンソン触媒)、ロジウム(III)アセチルアセトネートなどのような周期律表第VIII族元素又はその化合物が例示されるが、これらの錯体はアルコール系、エーテル系、炭化水素などの溶剤に溶解して用いることが好ましい。
これらの白金族金属系触媒の配合量は、触媒の有効量であればよいが、通常、(A)成分100部に対して、白金族金属換算で1〜500ppm、特に5〜20ppmの割合で使用することが好ましい。
【0037】
本発明で用いるフルオロカーボンシロキサンゴム組成物においては、耐溶剤性を向上させるという本発明の目的を損なわない範囲において、種々の配合剤を添加することができる。例えば、ジフェニルシランジオール、低重合度の分子鎖末端水酸基封鎖ジメチルポリシロキサン、ヘキサメチルジシラザン等の分散剤、酸化第一鉄、酸化第二鉄、酸化セリウム、オクチル酸鉄等の耐熱性向上剤、顔料等の着色剤等を必要に応じて配合することができる。
【0038】
本発明の定着部材は、耐熱性樹脂製及び金属製のチューブ状ベルト本体の外表面を前記フルオロカーボンシロキサンゴム前駆体で塗布し、硬化することによって得られるが、必要に応じてm−キシレンヘキサフロライド、ベンゾトリフロライド等の溶剤で希釈して適当な粘度の塗工液とし、塗布することができる。
【0039】
前記最外層の厚さは、1〜5000μmの範囲が好ましく、より好ましくは1〜3000μmの範囲であり、更に好ましくは5〜300μmの範囲、特に好ましくは10〜100μmの範囲である。前記最外層の厚さが1μmより薄いと、弾性が不足してゴム層を加える効果がなくなり、耐久性が不足したりする場合がある。一方、前記最外層の厚さが3000μmを越えると、定着部材の比熱が増大して熱移動量が低下し、サイクルタイムの低下につながる場合がある。
【0040】
前記ゴム層を構成する材料の硬度(JIS K6301「加流ゴム物性試験方法」で測定)は、10〜80の範囲が好ましく、より好ましくは20〜70の範囲、さらに好ましくは30〜60の範囲である。前記硬度が10未満であると、強度が低下し耐久性に問題が発生する場合がある。また、前記硬度が80を超えると、表面層の膜厚に係らず剛性が大きくなり、定着部材と記録媒体との密着性が低下して、定着が不完全になったり、画質が悪くなるという問題が生ずる場合がある。
【0041】
本発明の定着部材は、最外層であるフルオロカーボンシロキサンゴム組成物からなる層の表面を活性化処理することにより、活性基を持たないフルオロカーボンシロキサンゴム組成物に活性基を導入させる。次に活性基を導入させたフルオロカーボンシロキサンゴム組成物からなる最外層の表面に変性シリコーンオイルを塗布することにより、前記フルオロカーボンシロキサンゴム組成物の活性基と変性シリコーンオイルの活性基とが反応し、シリコーンオイル成分が定着部材の表面に固定化される。
【0042】
前記活性化処理の程度は、特に制限はないが、後に塗布される変性シリコーンオイルが表面に固定化された際に、表面を覆うことができる量の活性基の導入が行われる程度でよく、未処理のフルオロカーボンシロキサンゴム組成物の機械的特性を失わない程度の処理に留めるのが好ましい。
また、前記活性化処理の方法としては、紫外線照射処理、コロナ放電処理、ケミカルエッチング処理から選択される方法が挙げられ、簡便性の観点から、紫外線照射処理が好ましい。
【0043】
前記紫外線照射処理は、代表的な波長として、184.9nm、253.7nmの短波長紫外線を出す低圧紫外線ランプを用いるのが好ましい。また、照射処理の程度は、253.7nmの積算光量が40mJ/cm2〜4000mJ/cm2であることが好ましく、400mJ/cm2〜1500mJ/cm2であることがより好ましい。
【0044】
前記変性シリコーンオイルとしては、官能基を持つシリコーンオイルであれば特に限定されないが、アミン変性シリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイルから選択される変性シリコーンオイルが好ましく、この中でもアミン変性シリコーンオイルがより好ましい。
一方、官能基を持たないシリコーンオイルを既述の活性基を導入させたフルオロカーボンシロキサンゴム組成物からなる最外層の表面に塗布する場合は、定着部材の表面へのシリコーンオイル成分の固定化が不十分になり、通紙等により簡単に除去されてしまう。
また、変性シリコーンオイル分子が持つ、官能基の量は特に制限を受けないが、1分子当り、1つの官能基が有ればよい。また、前記の各種変性シリコーンオイルにジメチルシリコーンオイル等の官能基を持たないシリコーンオイルを混合して用いてもよい。
【0045】
本発明の定着部材は、既述の活性化処理し変性シリコーンオイルを塗布したフルオロカーボンシロキサンゴム組成物からなる最外層の表面を、更に変性シリコーンオイルが変性しない温度で加熱することが好ましい。変性シリコーンオイルが変性しない温度で加熱することにより、変性シリコーンオイルの定着部材表面への固定化が速やかに行うことができる上、より強固に固定化することができる。
また、前述の変性シリコーンオイルが変性しない温度であることが好ましい加熱温度は、用いる変性シリコーンオイル、及び加熱時間によって異なるが、50℃以上であることがより好ましく、100℃以上であることが更に好ましい。
一方、加熱時間は10min〜120minが好ましく、30min〜60minがより好ましい。
【0046】
本発明の定着部材は、ロール状或いはベルト状の何れの形状で用いてもよい。
本発明の定着部材を定着ベルトとして用いた場合の画像形成装置を図1を用いて説明する。図1は、本発明の定着部材を定着ベルトとして用いた画像形成装置の構成図を示したものである。この画像形成装置には、トナー像形成手段12と、押圧ローラ10と、矢印A方向に移動するエンドレスの定着ベルト1と、駆動ローラを兼ねる加熱ローラ2と、テンションローラ3と、定着ベルトを介して加熱ローラ2と対向して配置された加圧ローラ4と、未定着のトナー像Tが表面に形成された被転写材5を、定着ベルト上の不純物を取り除くためのクリーニングローラ6が備えられている。
【0047】
転写領域T1において、被転写材5上に形成された未定着トナー像Tは、定着位置Fに搬送され、ここで、定着ベルト1と加圧ローラ4の間に供給され、そこで定着ベルト1と共に加熱ローラ2と加圧ローラ4により加熱加圧されて、被転写材5上に定着される。 定着後に残留した未定着トナーを含む残留物は定着ベルト1の循環移動によりクリーニング位置Cに搬送され、クリーニングローラ6により定着ベルト1から除去される。
【0048】
図1に示す画像形成装置は、高画質で、かつ良好な剥離性を維持することができる本発明の定着部材を用いているので、オフセット等の画質欠陥が生じることなく、高画質な画像が得られる。
また、本発明の定着部材を定着ロールとして用いた場合においても同様の効果が得られる。
【0049】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。尚、本発明は以下の内容に何ら限定されるものではない。また、本実施例は、ベルト状の定着部材について説明したものであるが、本発明の効果はロール状の定着部材においても、勿論、有効である。
【0050】
[実施例1]
厚さ50μmのポリイミドからなるベルト上に、厚さ30μmのパーフルオロカーボンシロキサンゴム組成物(SHIN−ETSU SIFEL、信越化学工業社製)からなる最外層を形成し、該最外層に紫外線照射(処理としてセン特殊光源(株)製の低圧水銀ランプEUV200NS−7(出力200W)を用いて、積算光量が1000mJ/cm2となるような照射処理)を行い活性化処理した。この後、活性化処理したベルトは、アミン変性シリコーンオイル(カラーフューザーオイル、富士ゼロックス社製)に浸漬させ、1時間後に取り出し、余分なアミン変性シリコーンオイルをふき取ることにより、活性化処理したパーフルオロカーボンシロキサンゴム組成物からなる最外層にアミン変性シリコーンオイルを塗布したポリイミドからなるベルトを得た。
【0051】
得られたベルトは、実機により評価した。具体的には、A4の用紙1枚当り0.15μlのシリコーンオイルをベルト表面に供給しながら、50万枚の未定着トナー画像の定着を行い、トナー離型性、および定着画像の状態を調べた。その結果、トナー離型性は初期に僅かに悪化するものの、定着画像は欠陥が生じることがなく良好であった。
【0052】
[実施例2]
実施例1において、活性化処理したポリイミドからなるベルトをアミン変性シリコーンオイルに浸漬させ、1時間後に取り出し、余分なアミン変性シリコーンオイルをふき取った後、120℃にて1時間加熱を行った以外は、実施例1と同様にして活性化処理したパーフルオロカーボンシロキサンゴム組成物からなる最外層にアミン変性シリコーンオイルを塗布したポリイミドからなるベルトを作製し、実施例1と同様の評価を実施した。
その結果、50万枚の定着ではトナー離型性の悪化、および定着画像の欠陥が生じることがなく良好であった。
【0053】
[実施例3]
実施例2において、紫外線照射処理の代りにコロナ放電処理を行い活性化処理した以外は実施例2と同様にして、活性化処理したパーフルオロカーボンシロキサンゴム組成物からなる最外層にアミン変性シリコーンオイルを塗布したポリイミドからなるベルトを作製し、実施例1と同様の評価を実施した。
その結果、50万枚の定着では、トナー離型性の悪化および、定着画像の欠陥が生じることがなく良好であった。
【0054】
[実施例4]
実施例2において、アミン変性シリコーンオイルの代りに、メチルハイドロジェンシリコーンオイル(SH1107、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)を用いた以外は実施例2と同様にして、活性化処理したパーフルオロカーボンシロキサンゴム組成物からなる最外層にメチルハイドロジェンシリコーンオイルを塗布したポリイミドからなるベルトを作製し、実施例1と同様の評価を実施した。
その結果、50万枚の定着では、トナー離型性の悪化および、定着画像の欠陥が生じることがなく良好であった。
【0055】
[実施例5]
実施例2において、アミン変性シリコーンオイルの代りに、エポキシ変性シリコーンオイル(SF8411、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)を用いた以外は実施例2と同様にして、活性化処理したパーフルオロカーボンシロキサンゴム組成物からなる最外層にエポキシ変性シリコーンオイルを塗布したポリイミドからなるベルトを作製し、実施例1と同様の評価を実施した。
その結果、50万枚の定着では、トナー離型性の悪化および、定着画像の欠陥が生じることがなく良好であった。
【0056】
[実施例6]
実施例2において、アミン変性シリコーンオイルの代りに、カルボキシル変性シリコーンオイル(SF8418、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)を用いた以外は実施例2と同様にして、活性化処理したパーフルオロカーボンシロキサンゴム組成物からなる最外層にカルボキシル変性シリコーンオイルを塗布したポリイミドからなるベルトを作製し、実施例1と同様の評価を実施した。
その結果、50万枚の定着では、トナー離型性の悪化および、定着画像の欠陥が生じることがなく良好であった。
【0057】
[実施例7]
実施例2において、アミン変性シリコーンオイルの代りに、メルカプト変性シリコーンオイル(BY16−838、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)を用いた以外は実施例2と同様にして、活性化処理したパーフルオロカーボンシロキサンゴム組成物からなる最外層にメルカプト変性シリコーンオイルを塗布したポリイミドからなるベルトを作製し、実施例1と同様の評価を実施した。
その結果、50万枚の定着では、トナー離型性の悪化および、定着画像の欠陥が生じることがなく良好であった。
【0058】
[実施例8]
実施例2において、アミン変性シリコーンオイルの代りに、アルコール変性シリコーンオイル(BY16−848、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)を用いた以外は実施例2と同様にして、活性化処理したパーフルオロカーボンシロキサンゴム組成物からなる最外層にアルコール変性シリコーンオイルを塗布したポリイミドからなるベルトを作製し、実施例1と同様の評価を実施した。
その結果、50万枚の定着では、トナー離型性の悪化および、定着画像の欠陥が生じることがなく良好であった。
【0059】
[比較例1]
厚さ50μmのポリイミドからなるベルト上に、厚さ30μmのパーフルオロカーボンシロキサンゴム組成物(SHIN−ETSU SIFEL、信越化学工業社製)からなる最外層を形成し、該最外層に、活性化処理を行わずに、実施例2と同様の方法により、アミン変性シリコーンオイルを塗布し、最外層にアミン変性シリコーンオイルを塗布したポリイミドからなるベルトを作製し、実施例1と同様の評価を実施した。
その結果、初期に離型性の悪化が見られ、約1000枚定着した時点で、オフセットによる画像欠陥が発生した。
【0060】
[比較例2]
実施例2において、アミン変性シリコーンオイルの代りに、官能基を持たないジメチルシリコーン(SH200、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)を用いた以外は実施例2と同様にして、活性化処理したパーフルオロカーボンシロキサンゴム組成物からなる最外層にジメチルシリコーンオイルを塗布したポリイミドからなるベルトを作製し、実施例1と同様の評価を実施した。
その結果、初期に離型性の悪化が見られ、約1000枚定着した時点で、オフセットによる画像欠陥が発生した。
【0061】
【発明の効果】
本発明は、高画質で、かつ良好な剥離性を維持することができる定着部材、及びそれを用いた画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の定着部材を定着ベルトとして用いた場合の画像形成装置の構成図である。
【符号の説明】
1 定着ベルト
2 加熱ローラ
3 テンションローラ
4 加圧ローラ
5 被転写材
6 クリーニングローラ
10 押圧ローラ
12 トナー像形成手段
T1 転写領域

Claims (7)

  1. 担体上に層を有し、少なくとも該層の最外層がフルオロカーボンシロキサンゴム組成物からなる層である定着部材であって、
    前記最外層の表面を活性化処理して、前記フルオロカーボンシロキサンゴム組成物に活性基を導入した後に、変性シリコーンオイルを塗布し、前記活性基と変性シリコーンオイルの活性基とが反応することにより、変性シリコーンオイルを前記最外層の表面に固定化して得られることを特徴とする定着部材。
  2. 前記変性シリコーンオイルを塗布した後に、更に該変性シリコーンオイルが変性しない温度で加熱することを特徴とする請求項1に記載の定着部材。
  3. 前記加熱する温度が、100℃以上であることを特徴とする請求項2に記載の定着部材。
  4. 前記活性化処理が、紫外線照射処理、コロナ放電処理、ケミカルエッチング処理から選択される何れかであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の定着部材。
  5. 前記変性シリコーンオイルが、アミン変性シリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイルから選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の定着部材。
  6. 前記定着部材の形状が、ロール状もしくはベルト状であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の定着部材。
  7. 潜像保持体上に潜像を形成する潜像形成手段と、該潜像をトナーにより現像する現像手段と、得られたトナー像を転写体上に転写する転写手段と、転写された転写体上のトナー像を定着する定着手段とを有する画像形成装置であって、
    前記定着手段が、請求項1〜6の何れか1項に記載の定着部材を用いて転写体上のトナー像を定着させる手段であることを特徴とする画像形成装置。
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