JP2018181930A - 加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】成膜された板状の被加工物を分割する場合に、切削ブレードに目詰まりを発生させることなく、かつ、レーザ加工装置を利用せずとも被加工物を加工できるようにする。【解決手段】板状物W1の裏面W1bに膜W2が成膜されるとともに交差する分断予定ラインSが表面W1aに設定された被加工物Wを分断予定ラインSに沿って分断してチップを形成する加工方法であって、被加工物Wの表面W1aから分断予定ラインSに沿って断面V形状を有した溝M1をドライエッチングで形成するステップと、溝形成ステップを実施する前または後に被加工物Wの裏面W2bにエキスパンドシートT1を貼着するステップと、エキスパンドシート貼着ステップと溝形成ステップとを実施後、シートT1を拡張して溝M1に沿って膜W2に外力を付与する拡張ステップと、拡張ステップを実施後、シートT1からチップをピックアップするステップと、を備えた加工方法である。【選択図】図7

Description

本発明は、板状物の裏面に膜が成膜され、複数の分断予定ラインが設定された被加工物の加工方法に関する。
金属膜や樹脂膜等、特に延性を有する膜を備える板状物を切削ブレードで切削すると、切削ブレードに膜による目詰まりが生じる。そこで、切削加工を施す前に、予め上記膜をレーザビームで除去する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2016−42526号公報
しかし、レーザビームで膜を除去するとデブリが発生する上、一般的に高価なレーザ加工装置を利用して加工することになるため製造コストも嵩むという問題がある。
よって、成膜された板状の被加工物を加工する場合には、切削ブレードに目詰まりを発生させることなく、かつ、レーザ加工装置を利用せずとも被加工物を加工できるようにするという課題がある。
上記課題を解決するための本発明は、板状物の裏面に膜が成膜されるとともに交差する複数の分断予定ラインが表面に設定された被加工物を該分断予定ラインに沿って分断して複数のチップを形成する加工方法であって、被加工物の表面から該分断予定ラインに沿って断面V形状を有した溝をドライエッチングで形成する溝形成ステップと、該溝形成ステップを実施する前または後に被加工物の裏面にエキスパンドシートを貼着するエキスパンドシート貼着ステップと、該エキスパンドシート貼着ステップと該溝形成ステップとを実施した後、該エキスパンドシートを拡張して該溝に沿って該膜に外力を付与する拡張ステップと、該拡張ステップを実施した後、該エキスパンドシートからチップをピックアップするピックアップステップと、を備えた加工方法である。
前記拡張ステップでは前記膜を前記溝に沿って分断してもよい。
または、前記拡張ステップでは前記膜に対して前記溝に沿った分断起点を形成し、前記ピックアップステップで該膜を該溝に沿って分断してもよい。
本発明に係る加工方法は、被加工物の表面から分断予定ラインに沿って断面V形状を有した溝をドライエッチングで形成する溝形成ステップと、溝形成ステップを実施する前または後に被加工物の裏面にエキスパンドシートを貼着するエキスパンドシート貼着ステップと、エキスパンドシート貼着ステップと溝形成ステップとを実施した後、エキスパンドシートを拡張して溝に沿って膜に外力を付与する拡張ステップと、拡張ステップを実施した後、エキスパンドシートからチップをピックアップするピックアップステップと、を備えているため、レーザ加工装置を利用せず、また、切削ブレードに膜による目詰まりを発生させることもなく、エキスパンド又はピックアップによって膜を分断して被加工物からチップを作製することができる。
被加工物の一例を示す断面図である。 被加工物に溝を形成するためのプラズマエッチング装置の一例を示す断面図である。 被加工物に形成された溝の一例を拡大して示す断面図である。 エキスパンド装置に、エキスパンドシートに貼着され環状フレームで支持された被加工物をセットした状態を示す断面図である。 エキスパンド装置によってエキスパンドシートを拡張することで、膜を溝に沿って分断している状態を示す断面図である。 分断された膜とデバイスとを備えるチップを拡大して示す断面図である。 エキスパンドシートからチップをピックアップしている状態を示す断面図である。 エキスパンド装置によってエキスパンドシートを拡張することで、膜に対して溝に沿った分断起点を形成している状態を示す断面図である。 膜に溝に沿った分断起点が形成された被加工物の一部を示す断面図である。 膜を分断しつつエキスパンドシートからチップをピックアップしている状態を示す断面図である。
図1に示す被加工物Wは、例えば、シリコンからなる板状物W1を備える円形状の半導体ウエーハであり、板状物W1の表面、すなわち、被加工物Wの表面W1aには複数の分断予定ラインSがそれぞれ直交するように設定されている。そして、分断予定ラインSによって区画された格子状の領域には、デバイスDがそれぞれ形成されている。図1において−Z方向側に向いている板状物W1の裏面W1bには、銅及びニッケル等の金属からなり電極として働く一様な厚さ(例えば、0.5μm〜10μm)の膜W2が形成されている。膜W2の露出面は、被加工物Wの裏面W2bとなる。なお、被加工物Wの構成は、本実施形態に示す例に限定されるものではない。例えば、板状物W1はシリコン以外にガリウムヒ素、サファイア、窒化ガリウム又はシリコンカーバイド等で構成されていてもよく、また、膜W2は、金属膜ではなく、例えばDAF(Die Attach Film)やDBF(Die Backside Film)等の厚さ5μm〜30μm程度の樹脂膜であってもよい。
以下に、本発明に係る加工方法を実施して図1に示す被加工物WをデバイスDを備えるチップへと分割する場合の、加工方法の各ステップについて説明していく。
(1)エキスパンドシート貼着ステップ
例えば、まず、図1に示す被加工物Wの裏面W2bにエキスパンドシートT1を貼着する。エキスパンドシートT1は、例えば、被加工物Wの外径よりも大きい外径を有する円盤状のシートであり、機械的外力に対する適度な伸縮性を備えている。例えば、図示しない貼り付けテーブル上に載置された被加工物Wの中心と環状フレームF1の開口の中心とが略合致するように、被加工物Wに対して環状フレームF1が位置付けられる。そして、貼り付けテーブル上でプレスローラー等により被加工物Wの裏面W2bにエキスパンドシートT1が押し付けられて貼着される。同時に、エキスパンドシートT1の粘着面T1aの外周部を環状フレームF1にも貼着することで、被加工物Wは、エキスパンドシートT1を介して環状フレームF1に支持された状態となり、環状フレームF1を介したハンドリングが可能な状態になる。なお、被加工物Wだけに先にエキスパンドシートT1をプレスローラー等で貼着した後、環状フレームF1に対して被加工物Wを適切に位置付けて、環状フレームF1にエキスパンドシートT1を貼着してもよい。これによって、被加工物Wは環状フレームF1を介したハンドリングが可能な状態になる。なお、被加工物Wの中心は環状フレームF1の開口の中心に略合致した状態になっている。本エキスパンドシート貼着ステップは、後述する溝形成ステップを実施した後に実施するものとしてもよい。
(2)溝形成ステップ
エキスパンドシートT1が貼着された被加工物Wは、図2に示すプラズマエッチング装置9に搬送される。図2に示すプラズマエッチング装置9は、被加工物Wを保持する静電チャック90と、ガスを噴出するガス噴出ヘッド91と、静電チャック90及びガス噴出ヘッド91を内部に収容したチャンバ92とを備えている。なお、溝形成ステップにおいて使用するプラズマエッチング装置は、誘電コイルにプラズマ発生用の高周波電力を印加し、誘電コイルに形成された磁場との相互作用によりエッチングガスをプラズマ化する誘導結合型プラズマ方式のエッチング装置であってもよい。
例えば、アルミナ等のセラミック又は酸化チタン等の誘電体で形成される静電チャック90は、支持部材900によって下方から支持されている。静電チャック90の内部には、電圧が印加されることにより電荷を発生する電極(金属板)901が静電チャック90の保持面90aと平行に配設されており、この電極901は、整合器94a及びバイアス高周波電源95aに接続されている。なお、例えば、静電チャック90は、本実施形態のような単極型の静電チャックに限定されるものではなく、いわゆる双極型の静電チャックであってもよい。
例えば、静電チャック90の内部には、冷却水が通水し循環する図示しない冷却水通水路が形成されており、冷却水通水路には、冷却水供給手段が連通している。冷却水供給手段は冷却水通水路へ冷却水を流入させ、この冷却水により静電チャック90が内部から所定温度に冷却される。また、静電チャック90の保持面90aと保持面90aで保持された被加工物Wとの間には、冷却水による被加工物Wに対する吸熱効率を向上させるために、Heガスなどの熱伝達ガスが所定の圧力で流れるようになっている。
チャンバ92の上部に軸受け919を介して昇降自在に配設されたガス噴出ヘッド91の内部には、ガス拡散空間910が設けられており、ガス拡散空間910の上部にはガス導入口911が連通し、ガス拡散空間910の下部にはガス吐出口912が複数連通している。各ガス吐出口912の下端は、静電チャック90の保持面90aに向かって開口している。
ガス導入口911には、ガス供給部93が接続されている。ガス供給部93は、例えばSF、CF、C、C4、等のフッ素系ガスをエッチングガスとして蓄えている。
ガス噴出ヘッド91には、整合器94を介して高周波電源95が接続されている。高周波電源95から整合器94を介してガス噴出ヘッド91に高周波電力を供給することにより、ガス吐出口912から吐出されたエッチングガスをプラズマ化することができる。プラズマエッチング装置9は、図示しない制御部を備えており、制御部による制御の下で、ガスの吐出量や時間、高周波電力等の条件がコントロールされる。
チャンバ92の底には排気口96が形成されており、この排気口96には排気装置97が接続されている。この排気装置97を作動させることにより、チャンバ92の内部を所定の真空度まで減圧することができる。
チャンバ92の側部には、被加工物Wの搬入出を行うための搬入出口920と、この搬入出口920を開閉するゲートバルブ921とが設けられている。
被加工物Wはプラズマエッチングが施され溝が形成されるにあたり、各デバイスD(図2においては不図示)がレジスト膜Rによって保護された状態になる。すなわち、例えば、ポジ型レジスト液が被加工物Wの表面W1aに塗布され一様な厚さのレジスト膜が表面W1a上に形成された後、分断予定ラインSにのみ紫外光が照射され、露光後の被加工物Wが現像されることで、分断予定ラインSが露出しかつデバイスDがレジスト膜Rにより保護された状態となる。
なお、上記(1)エキスパンドシート貼着ステップを、本溝形成ステップを実施した後に実施する場合には、プラズマエッチング装置9に搬送される被加工物Wは、その裏面W2bにテープ又はハードプレートが保護部材として貼着され、裏面W2bが保護部材によって保護された状態になる。
溝の形成は、例えば、SFガスによるプラズマエッチングとCによる溝側壁等に対する保護膜堆積(デポジション)とを交互に繰り返すボッシュ法により行われる。
まず、ゲートバルブ921を開け、搬入出口920から被加工物Wをチャンバ92内に搬入し、表面W1a側を上に向けて被加工物Wを静電チャック90の保持面90a上に載置する。ゲートバルブ921を閉じ、排気装置97によってチャンバ92内を排気し、チャンバ92内を所定の圧力の密閉空間とする。
後述するプラズマエッチング時及び保護膜堆積時の共通の加工条件として、プラズマエッチング装置9には、例えば以下の加工条件が設定される。
各高周波電源の高周波電力周波数 :13.56MHz
静電チャック90の維持温度 :10℃
静電チャック90と被加工物Wとの間に流すHeガス圧力:2000Pa
ガス噴出ヘッド91を所定の高さ位置まで下降させ、その状態でガス供給部93からSFを主体とするエッチングガスをでガス拡散空間910に供給し、ガス吐出口912から下方に噴出させる。また、高周波電源95からガス噴出ヘッド91に高周波電力を印加して、ガス噴出ヘッド91と静電チャック90との間に高周波電界を生じさせ、エッチングガス中に放電を起こしてエッチングガスをS又はFのイオン及び不対電子を持つラジカルに解離させてプラズマ化させる。これに並行して、電極901にバイアス高周波電源95aから高周波電力を印加することで、静電チャック90の保持面90aと被加工物Wとの間に誘電分極現象を発生させ、電荷の分極による静電吸着力によって被加工物Wを保持面90a上に吸着保持する。
静電チャック90に印加されたバイアスパワーにより、プラズマ化したエッチングガスが被加工物Wに引き込まれていく。そして、プラズマ化したエッチングガスは、レジスト膜Rで被覆されている各デバイスDはエッチングせずに、分断予定ラインS上を下方に向かってエッチングしていく。そのため、図3に示す分断予定ラインSに沿った格子状の溝M1が板状物W1に形成されていく。
上記エッチング時における加工条件の一例は、例えば以下に示す条件となる。
ガス噴出ヘッド91に対する印加電力:2500W
電極901に対する印加電力 :150W
エッチングガスの種類 :SF
ガス流量 :400sccm
チャンバ92の内部圧力 :25Pa
エッチング時間 :5秒
次に、ガス供給部93からCガスをガス拡散空間910に供給し、ガス吐出口912から下方に噴出させる。また、高周波電源95からガス噴出ヘッド91に高周波電力を印加し、さらに、電極901にバイアス高周波電源95aから高周波電力を印加して、Cガス中に放電を起こしてCガスをプラズマ化させ、図3に示す溝M1の側壁及び底面に保護膜であるフルオロカーボン膜を堆積させる。
上記保護膜堆積時における加工条件の一例は、例えば以下に示す条件となる。
ガス噴出ヘッド91に対する印加電力:2500W
電極901に対する印加電力 :50W
ガスの種類 :C
ガス流量 :400sccm
チャンバ92の内部圧力 :25Pa
エッチング時間 :3秒
次に、エッチングガスSFをチャンバ92内に供給してプラズマ放電を発生させてSFをプラズマ化させ、溝M1の底面の保護膜を除去してシリコンを露出させ、溝M1の底面をエッチングする。そして、エッチングと保護膜堆積との処理時間を切り替えるタイミングを変えていくことによって、形成される溝M1の側壁の傾きを変化させる。例えば、SFによるエッチングの処理時間を徐々に短くしていくことで、溝M1の側壁に堆積した保護膜により溝M1の底面のエッチング領域が狭まり、図3に示すように、断面形状がV形状となる先細りの溝M1が下方に向かって伸長していく。エッチング(5秒間)と保護膜堆積(3秒間)の処理とを1サイクルとし、例えば50サイクル実施する。
プラズマ化したエッチングガスは、金属からなる膜W2をエッチングしない。そのため、図3に示すように、断面V形状の溝M1の底が膜W2内に至らず、かつ、溝M1の底に膜W2の表面W2aが極細の線状に露出するまでプラズマエッチングを行った後、プラズマエッチングを終了させる。すなわち、図2に示すチャンバ92内へのエッチングガス等の導入及びガス噴出ヘッド91への高周波電力の供給を停止し、また、チャンバ92内のエッチングガスを排気口96から排気装置97に排気し、チャンバ92内部にエッチングガスが存在しない状態とする。
なお、図3に示す溝M1の底に板状物W1がエッチング残し部分として僅かな厚みで残存した状態となるまで、プラズマエッチングを行ってもよい。
次いで、被加工物Wの表面W1a上から図2に示すレジスト膜Rを除去する。レジスト膜Rの除去は、例えば、所定薬剤を用いたウェット処理、又はプラズマエッチング装置9によるレジスト膜Rのアッシング(灰化)によって行う。
(3−1)拡張ステップの実施形態1
上記のように溝形成ステップを実施した後、溝M1が形成された被加工物WのエキスパンドシートT1を拡張して溝M1に沿って膜W2に外力を付与する拡張ステップを実施する。そして、本実施形態1の拡張ステップにおいては、膜W2を溝M1に沿って分断するものとする。
図4に示すように、エキスパンドシートT1を介して環状フレームF1によって支持された状態の被加工物Wをエキスパンド装置5に搬送する。エキスパンド装置5は、例えば、エキスパンドシートT1の外径よりも大きな外径を備える環状テーブル50を具備しており、環状テーブル50の開口50cの直径はエキスパンドシートT1の外径よりも小さく形成されている。環状テーブル50の外周部には、例えば4つ(図示の例においては、2つのみ図示している)の固定クランプ52が均等に配設されている。固定クランプ52は、図示しないバネ等によって回転軸52cを軸に回動可能となっており、環状テーブル50の保持面50aと固定クランプ52の下面との間に環状フレームF1及びエキスパンドシートT1を挟み込むことができる。
環状テーブル50の開口50c内には、円筒状の拡張ドラム53が高さ位置を固定して配設されており、環状テーブル50の中心と拡張ドラム53の中心とは略合致している。この拡張ドラム53の外径は、エキスパンドシートT1の外径より小さく、かつ、被加工物Wの外径よりも大きく形成されている。
環状テーブル50は、例えば、環状テーブル昇降手段55によって上下動可能となっている。環状テーブル昇降手段55は、例えばエアシリンダであり、内部に図示しないピストンを備える有底円筒状のシリンダチューブ550と、シリンダチューブ550に挿入され一端がピストンに取り付けられたピストンロッド551とを備える。ピストンロッド551のもう一端は、環状テーブル50の下面に固定されている。シリンダチューブ550にエアが供給(または、排出)されシリンダチューブ550の内部圧力が変化することで、ピストンロッド551がZ軸方向に移動し、環状テーブル50がZ軸方向に移動する。
まず、基準高さ位置に位置付けられた環状テーブル50の保持面50aに、エキスパンドシートT1を介して環状フレームF1が載置される。固定クランプ52が回動し、環状フレームF1及びエキスパンドシートT1が固定クランプ52と環状テーブル50の保持面50aとの間に挟持固定される。この状態においては、環状テーブル50の保持面50aと拡張ドラム53の環状の上端面とは同一の高さ位置にあり、拡張ドラム53の上端面が、エキスパンドシートT1の環状フレームF1の内周縁と被加工物Wの外周縁との間の領域に、エキスパンドシートT1の基材面側(図4における下面側)から当接する。
図5に示すように、環状テーブル昇降手段55が、環状テーブル50を−Z方向に下降させることで、環状テーブル50の保持面50aを拡張ドラム53の上端面より下方のエキスパンドシート拡張位置に位置付ける。その結果、拡張ドラム53は固定クランプ52に対して相対的に上昇し、エキスパンドシートT1は、拡張ドラム53の上端面で押し上げられて径方向外側に向かって拡張される。エキスパンドシートT1が貼着されている膜W2の溝M1に沿った領域は、断面がV形状の溝M1の底に極細の線状に露出しているため、エキスパンドシートT1を介して付与される外力(拡張力)によって分断されやすくなっている。また、例えば異方性エッチングにより被加工物Wに断面が矩形状の溝が形成されている場合に比べて、溝M1が断面V形状であることで溝底に露出している膜W2の幅が狭くなるため、膜W2の分断される箇所がより均一化される。本実施形態1の拡張ステップにおいては、環状テーブル50の保持面50aの下降位置を制御することで、エキスパンドシートT1を介して膜W2に付与する外力の大きさを調整して、図6に示すように、膜W2を溝M1に沿って分断して、被加工物WをデバイスD及び分断された膜W2を備える個々のチップCに分割する。
(4−1)ピックアップステップの実施形態1
上記のように実施形態1の拡張ステップを実施した後、エキスパンドシートT1からチップCをピックアップする。例えば、エキスパンドシートT1が紫外線照射によって粘着力が低下するタイプの場合には、エキスパンドシートT1からチップCをピックアップする前に、図6に示すエキスパンドシートT1に紫外線を照射して粘着面T1aの粘着力を低下させる。次いで、エキスパンドシートT1を介して環状フレームF1に支持された状態のチップCが、例えば、図7に示すピックアップ装置8に搬送される。ピックアップ装置8は、挟持クランプ等で環状フレームF(図7においては不図示)を固定し、Z軸方向に昇降可能なニードル80で、チップCを下側からエキスパンドシートT1を介して突き上げ、チップCがエキスパンドシートT1から浮き上がったところを吸引パッド81で吸引保持してチップCをピックアップする。
(3−2)拡張ステップの実施形態2
(2)溝形成ステップを実施した後に、上記(3−1)実施形態1の拡張ステップではなく、本実施形態2の拡張ステップを実施するものとしてもよい。本実施形態2の拡張ステップにおいては、膜W2に対して溝M1に沿った分断起点を形成する。
まず、図4に示すように、基準高さ位置に位置付けられた環状テーブル50の保持面50aに、エキスパンドシートT1を介して被加工物Wを支持する環状フレームF1が載置される。次いで、環状フレームF1及びエキスパンドシートT1が固定クランプ52と環状テーブル50の保持面50aとの間に挟持固定された状態になる。次いで、図8に示すように、環状テーブル昇降手段55が環状テーブル50を−Z方向に下降させることで、拡張ドラム53は固定クランプ52に対して相対的に上昇し、エキスパンドシートT1が拡張ドラム53の上端面で押し上げられて径方向外側に向かって拡張される。また、エキスパンドシートT1が貼着されている膜W2の溝M1に沿った領域、即ち、断面がV形状の溝M1の底に極細の線状に露出している膜W2に、エキスパンドシートT1を介して拡張力が付与される。そして、環状テーブル50の保持面50aの下降位置を制御することで、エキスパンドシートT1を介して膜W2に付与する外力の大きさを調整して、図9に示すように、膜W2に対して溝M1に沿った分断起点W2dを形成する。
(4−2)ピックアップステップの実施形態2
上記のように実施形態2の拡張ステップを実施した後、膜W2を溝M1に沿って分断起点W2dを起点に分断してエキスパンドシートT1からチップをピックアップする実施形態2のピックアップステップを実施する。
例えば、エキスパンドシートT1が紫外線照射によって粘着力が低下するタイプの場合には、図9に示すエキスパンドシートT1に紫外線を照射して粘着面T1aの粘着力を低下させた後、膜W2に溝M1に沿った分断起点W2dが形成された被加工物Wを、図10に示すピックアップ装置8に搬送する。ピックアップ装置8は、図示しない挟持クランプ等で環状フレームF(図10においては不図示)を固定し、Z軸方向に昇降可能なニードル80で、チップCを下側からエキスパンドシートT1を介して突き上げる。その結果、分断起点W2dに突き上げによる外力が集中的に加わり、溝M1に沿って膜W2が分断される。そして、チップCがエキスパンドシートT1から浮き上がったところを吸引パッド81で吸引保持してチップCをピックアップする。
本発明に係る加工方法は、被加工物Wの表面W1aから分断予定ラインSに沿って断面V形状を有した溝M1をドライエッチングで形成する溝形成ステップと、溝形成ステップを実施する前または後に被加工物Wの裏面W2bにエキスパンドシートT1を貼着するエキスパンドシート貼着ステップと、エキスパンドシート貼着ステップと溝形成ステップとを実施した後、エキスパンドシートT1を拡張して溝M1に沿って膜W2に外力を付与する拡張ステップと、拡張ステップを実施した後、エキスパンドシートT1からチップをピックアップするピックアップステップと、を備えているため、レーザ加工装置を利用せず、また、切削ブレードに膜W2による目詰まりを発生させることもなく、膜W2を分断して被加工物WからチップCを作製することができる。
例えば、被加工物Wがより多くのデバイスが形成されていることで分割により取得できるチップの個数が多くなるウエーハである場合、すなわち、作製できる各チップがより小型のチップとなるウエーハである場合や、エキスパンドシートが伸縮しにくい材料からなる場合には、エキスパンドシートを拡張しただけでは、膜W2を完全に分断できない場合がある。このような場合においても、(3−2)実施形態2の拡張ステップでは膜W2に対して溝M1に沿った分断起点W2dを形成し、(4−2)実施形態2のピックアップステップで膜W2を溝M1に沿って分断するものとすることで、確実に膜W2を分断して被加工物WからチップCを作製することができる。
W:被加工物 W1:板状物 W1a:被加工物の表面 S:分断予定ライン D:デバイス W1b:板状物の裏面 W2:膜 W2a:膜の表面 W2b:被加工物の裏面
T1:エキスパンドシート T1a:エキスパンドシートの粘着面 F1:環状フレーム M1:溝
9:プラズマエッチング装置
90:静電チャック 90a:静電チャックの保持面 900:支持部材 901:電極
91:ガス噴出ヘッド 910:ガス拡散空間 911:ガス導入口
912:ガス吐出口
92:チャンバ 920:搬入出口 921:ゲートバルブ
93:ガス供給部 94,94a:整合器 95,95a:高周波電源,バイアス高周波電源 96:排気口 97:排気装置 R:レジスト膜
5:エキスパンド装置 50:環状テーブル 50a:環状テーブルの保持面 50c:環状テーブルの開口 52:固定クランプ 53:拡張ドラム
55:環状テーブル昇降手段 550:シリンダチューブ 551:ピストンロッド
8:ピックアップ装置 80:ニードル 81:吸引パッド

Claims (3)

  1. 板状物の裏面に膜が成膜されるとともに交差する複数の分断予定ラインが表面に設定された被加工物を該分断予定ラインに沿って分断して複数のチップを形成する加工方法であって、
    被加工物の表面から該分断予定ラインに沿って断面V形状を有した溝をドライエッチングで形成する溝形成ステップと、
    該溝形成ステップを実施する前または後に被加工物の裏面にエキスパンドシートを貼着するエキスパンドシート貼着ステップと、
    該エキスパンドシート貼着ステップと該溝形成ステップとを実施した後、該エキスパンドシートを拡張して該溝に沿って該膜に外力を付与する拡張ステップと、
    該拡張ステップを実施した後、該エキスパンドシートからチップをピックアップするピックアップステップと、を備えた加工方法。
  2. 前記拡張ステップでは前記膜を前記溝に沿って分断する、請求項1に記載の加工方法。
  3. 前記拡張ステップでは前記膜に対して前記溝に沿った分断起点を形成し、
    前記ピックアップステップで該膜を該溝に沿って分断する、請求項1に記載の加工方法。
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