JP2023038555A - 基板の分割方法 - Google Patents

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Abstract

Figure 2023038555000001
【課題】分割予定ラインに沿って基板を分割する場合に、チップ側面に加工屑が付着しないようにする。
【解決手段】複数の分割予定ライン901に沿って基板90を分割する基板の分割方法であって、基板90の表面900から複数の分割予定ライン901に沿って、基板90を完全に切断せず、かつ、基板90の外周905まで至らない加工溝99を形成する加工溝形成ステップと、加工溝形成ステップの実施後に、基板90の裏面903から加工溝99が露出しないエッチング前厚みまで基板90を薄化する薄化ステップと、薄化ステップの実施後に、基板90の裏面903側からプラズマエッチングを行い、加工溝99を露出させるとともに基板90を仕上げ厚みまで薄化し、基板90を分割する分割ステップと、を備える事を特徴とする基板の分割方法。
【選択図】図3

Description

本発明は、半導体基板を分割する基板の分割方法に関する。
チップの裏面にできるチッピングを小さくする等の目的で、基板の厚みより小さい切り込み深さで基板のデバイスが形成された表面から分割予定ラインに沿って切削ブレードを切り込ませ、切削ブレードの切削送り方向に基板を移動させ、基板を切断しない所定の深さの切削溝(ハーフカット溝)を形成し、その後、該表面にテープを貼着し、該テープ側を保持して基板の裏面を回転する研削砥石で研削し切削溝の底を露出させることで、所定の厚みのチップを形成する加工方法がある。該加工方法は、Dicing Before Grinding(所謂、DBG)と呼ばれている(例えば、特許文献1参照)。
また、基板に対して透過性を有する波長のレーザー光線を分割予定ラインに沿って照射して、基板内部の所定深さの位置に改質層を形成する。その後、基板の裏面を研削して基板を仕上がり厚みまで薄化するとともに、改質層を分割起点として研削圧力により基板の表面側に亀裂を伸長させることで、基板を個々のチップに分割する方法がある。この加工方法は、SDBG(Stealth Dicing Before Grinding)加工と呼ばれている(例えば、特許文献2参照)。
特開2003-007653号公報 特開2006-012902号公報
従来のDBGプロセスやSDBGプロセスは、上記ダイシング工程後、又は上記改質層形成工程後に研削ホイールを用いた研削工程を実施し基板の薄化を行っていた。しかし研削時に基板が分割され、チップが生成されるため、チップの側面に研削屑が付着してしまう問題があった。
よって、分割予定ラインに沿って基板を分割する場合には、チップ側面に加工屑が付着しないようにするという課題がある。
上記課題を解決するための本発明は、複数の分割予定ラインに沿って基板を分割する基板の分割方法であって、基板の表面から複数の該分割予定ラインに沿って、基板を完全に切断せず、かつ、基板の外周まで至らない加工溝を形成する加工溝形成ステップと、該加工溝形成ステップの実施後に、基板の裏面から該加工溝が露出しないエッチング前厚みまで基板を裏面側から薄化する薄化ステップと、該薄化ステップの実施後に、基板の裏面側からプラズマエッチングを行い、該加工溝を露出させるとともに基板を仕上げ厚みまで薄化し、基板を分割する分割ステップと、を備える事を特徴とする基板の分割方法である。
前記加工溝形成ステップの後、かつ、前記薄化ステップの前に、基板の表面に保護部材を形成する保護部材形成ステップをさらに備えると好ましい。
例えば、前記薄化ステップは、研削ホイールによって基板を研削して、又は研磨パッドによって基板を研磨して、基板を薄化する。
例えば、前記薄化ステップは、基板の前記エッチング前厚みに相当する深さに剥離層を形成する剥離層形成ステップと、該剥離層を起点に基板から該剥離層よりも裏面側の部分を剥離し、該エッチング前厚みの基板を得る剥離ステップと、を有する。
例えば、前記剥離層は、基板に対して透過性を有する波長のレーザー光線の集光点を、基板の内部の前記エッチング前厚みに相当する深さに位置づけて、基板の裏面全面にわたりレーザー光線を照射して形成される。
本発明に係る基板の分割方法は、従来とは異なり基板を裏面側から薄化する薄化ステップにおいて、基板を仕上げ厚みまで薄化せずチップに分割しないため、加工溝形成ステップにおいて形成された加工溝が基板の裏面側に露出せず、加工溝の側面に研削屑が付着することが無い。また、加工溝形成ステップにおいて、基板の外周に至らない加工溝を形成することで、基板の外周に加工溝が露出せず、基板の外周部分がリング状にシールされた状態になるため、薄化ステップにおいて加工屑が加工溝の側面に付着するのを防ぐことができる。
ワークセットの一例を示す斜視図である。 切削ブレードを用いた実施形態1の加工溝形成ステップを説明する断面図である。 加工溝形成ステップが実施されたワークセットの斜視図である。 レーザー加工装置を用いた実施形態2の加工溝形成ステップを説明する断面図である。 プラズマエッチング装置の一例を示す断面図である。 ワークセットの基板の表面に保護膜が形成された状態を示す断面図である。 基板の表面に形成された保護膜を分割予定ラインに沿ってレーザー光線を照射して除去して、デバイスの表面を保護するマスクを形成している状態を説明する断面図である。 プラズマエッチング装置を用いた実施形態3の加工溝形成ステップが実施されたワークセットを示す断面図である。 保護部材形成ステップにおいて、加工溝が形成された表面に保護部材が貼着されリングフレームと共にワークセットとなった基板を示す断面図である。 研削砥石を用いて実施する実施形態1の薄化ステップを説明する断面図である。 図11(A)は、実施形態2の薄化ステップにおいて、基板に剥離層を形成している状態を説明する斜視図である。図11(B)は、実施形態2の薄化ステップにおいて、基板に剥離層を形成している状態を説明する断面図である。 実施形態2の薄化ステップにおいて、基板から剥離層より裏側(上側)の部分を剥離している状態を説明する斜視図である。 基板をチップにプラズマエッチングによって分割する分割ステップを説明する断面図である。 レーザー加工装置を用いた実施形態2の加工溝形成ステップの別例であり、基板に対して透過性を有する波長のレーザー光線を照射して、改質層と改質層から上側に延びるクラックとを形成している状態を説明する断面図である。
図1に示す外形が円形状の基板90は、例えばシリコンウエーハであり、基板90の表面900には複数の分割予定ライン901がそれぞれ直交するように設定されている。分割予定ライン901によって区画された格子状の領域には、デバイス902がそれぞれ形成されている。なお、基板90はシリコンウエーハに限定されるものではなく、シリコン以外にガリウムヒ素、サファイア、窒化ガリウム、樹脂、セラミックス、又はシリコンカーバイド等で構成されていてもよい。基板90の表面900の外周905に近い領域は、デバイス902が形成されていない環状の廃棄領域となる。
基板90は、その裏面903に基板90よりも大径の粘着シート91が貼着されており、粘着シート91の粘着面の外周部は、環状フレーム92に貼着された状態になっている。そして、基板90は、粘着シート91を介して環状フレーム92に支持されることで、環状フレーム92によるハンドリングが可能な状態、即ち、ワークセット9となっている。なお、基板90は、後述する加工溝形成ステップにおいて、基板90を完全に切断しないハーフカット溝が形成されるため、環状フレーム92によって支持されていなくてもよく、基板90と略同径の粘着シートが裏面903に貼着されているだけでもよい。加工溝形成ステップ以降において、基板90が完全に切断されていないことで、環状フレーム92に支持されていなくても搬送が可能なためである。また基板90が最後に行う分割ステップまでチップに個片化されないため基板90に粘着シート91が貼着されていなくてもよい。
以下に、図1に示す複数の分割予定ライン901に沿って基板90を分割する本発明に係る基板の分割方法の各ステップについて説明する。まず、実施形態1の加工溝形成ステップについて説明する。
(1-1)実施形態1の加工溝形成ステップ
図2に示す基板90の表面900から複数の該分割予定ライン901に沿って、基板90を完全に切断せず、かつ、基板90の外周905まで至らない加工溝を形成する。図2に示す基板90を切削するための円形の切削ブレード10は、例えば、基台101と基台101の外周側に形成された切り刃102とを備えるハブタイプのブレードであるが、全形が環状のワッシャー型ブレードであってもよい。切削ブレード10は、軸方向がワークセット9の移動方向(X軸方向)に対し水平面内において直交する方向(Y軸方向)であるスピンドル11に装着されている。そして、図示しないモータによりスピンドル11が回転駆動されることに伴って、切削ブレード10も回転する。
切削ブレード10が切削するべき分割予定ライン901の検出は、図2に示すアライメントユニット12がカメラ120により取得した画像に基づき、パターンマッチング等の画像処理を行うことでなされる。切削ブレード10及びアライメントユニット12は、Y軸方向に移動可能となっている。
図2に示す保持テーブル13は、例えば、その外形が円形状であり、ポーラス部材等からなる平坦な保持面132上で基板90を吸引保持することができる。また、保持テーブル13の周囲には、環状フレーム92を固定する固定クランプ135が例えば4つ周方向に均等間隔を空けて配設されている。保持テーブル13は、X軸方向に往復移動可能であるとともに、軸方向がZ軸方向である回転軸を軸に回転可能となっている。
実施形態1の加工溝形成ステップにおいては、まず、ワークセット9が-X方向(図2においては、紙面奥側)に送られるとともに、カメラ120により分割予定ライン901を含む基板90の上側を向いた表面900についての画像が撮像されて、この画像に基づくアライメントユニット12によるパターンマッチング等の分割予定ライン901の検出が実行され、切削ブレード10を切り込ませるべき狙いの分割予定ライン901のY軸方向における座標位置が認識される。
切削すべき分割予定ライン901が検出されるのに伴って、切削ブレード10がY軸方向にインデックス送りされ、切削すべきX軸方向に延びる分割予定ライン901と切削ブレード10とのY軸方向における位置合わせがなされる。また、ワークセット9の基板90が切削ブレード10の下方に位置付けされる。次いで、切削ブレード10が-Z方向に降下していき、切削ブレード10の切り刃102の最下端が高さ位置Z1になるように、切削ブレード10が位置付けられる。なお、高さ位置Z1は、基板90の表面900から加工溝99の底990までの距離L9が基板90の最終的な仕上げ厚みL1以上となる位置(仕上げ厚みL1よりも深い位置)である。即ち、例えば、図2に示すように、距離L9は、仕上げ厚みL1に数μm程度の余裕厚みを加えた距離となり、これによって、後述する分割ステップにおいて基板90が分割されて形成されるチップに、薄化加工による加工溝99露出時のダメージが残ってしまうことが無いようになる。
ワークセット9がさらに所定の切削送り速度で-X方向に送り出されるとともに、図示しないモータがスピンドル11を+Y方向側から見て反時計回り方向に高速回転させ、スピンドル11に固定された切削ブレード10がスピンドル11の回転に伴って高速回転することで、切削ブレード10が分割予定ライン901に沿って基板90に切り込んでいく。また、切削加工中においては、切削ブレード10と基板90との接触部位に対して、洗浄水を供給して接触部位を冷却・洗浄する。
保持テーブル13のX軸方向における移動量の制御が行われることで、X軸方向に延びる分割予定ライン901に沿って、基板90を完全に切断せず、基板90の外周905まで至らない図2、図3に示す加工溝99が基板90に形成される。
切削ブレード10が、一本の分割予定ライン901を切削し終えるX軸方向の所定の位置までワークセット9が送られると、ワークセット9の切削送りを一度停止し、切削ブレード10を基板90から離間させ、次いで、ワークセット9を+X方向に移動させ原点位置に戻す。そして、隣り合う分割予定ライン901の間隔ずつ切削ブレード10を-Y方向にインデックス送りしながら順次同様の切削を行うことにより、ワークセット9の同方向の全ての分割予定ライン901に沿って基板90を完全に切断せず、かつ、基板90の外周905まで至らないハーフカット溝である加工溝99を形成する。さらに、ワークセット9を90度回転させてから同様の切削加工を行うことで、各分割予定ライン901の全てに沿って加工溝99を形成することができる。図3に示すように、基板90の加工溝99が切り抜けていない外周905は、所定幅のリング状になっている。
(1-2)実施形態2の加工溝形成ステップ
実施形態1の加工溝形成ステップに代えて、以下に説明する実施形態2の加工溝形成ステップを実施してもよい。図4に示すチャックテーブル15は、その外形が円形状であり、ポーラス部材等からなる水平な保持面150上でワークセット9を吸引保持する。チャックテーブル15は、鉛直方向(Z軸方向)の軸心周りに回転可能であるとともに、X軸方向、及びY軸方向に往復移動可能となっている。チャックテーブル15は、図示しないメカニカルクランプでワークセット9の環状フレーム92を挟持固定可能となっていてもよい。
レーザー光線照射ユニット16は、レーザー光線発振器162から発振され基板90に吸収性を有し基板90をアブレーション可能な波長のレーザー光線169を、光ファイバー等の伝送光学系を介して集光器163の内部の集光レンズ165に入光させることで、レーザー光線169をチャックテーブル15で保持された基板90の所定の高さ位置に集光して照射できる。なお、集光器163によって集光されるレーザー光線169の集光点位置は、図示しない集光点位置調整手段によってチャックテーブル15の保持面150に対して垂直な方向(Z軸方向)に調整可能となっている。本実施形態におけるレーザー光線発振器162は、例えば、YAGパルスレーザーや、YVO4パルスレーザーである。
実施形態2の加工溝形成ステップにおいては、まず、図4に示すように、ワークセット9が、基板90の表面900を上側に向けた状態でチャックテーブル15により吸引保持される。次いで、チャックテーブル15に保持された基板90が-X方向(紙面奥側である往方向)に送られるとともに、実施形態1の加工溝形成ステップと同様に、図示しないアライメントユニットによって、レーザー光線169を照射する基準となる分割予定ライン901の位置が検出される。
チャックテーブル15がY軸方向にインデックス送りされ、レーザー光線169を照射する基準となる分割予定ライン901と集光器163とのY軸方向における位置合わせがなされる。次いで、集光レンズ165によって集光されるレーザー光線169の集光点位置を、例えば基板90の表面900の高さ位置に位置付ける。そして、レーザー光線発振器162から基板90に吸収性を有する波長のレーザー光線169を発振させ、レーザー光線169をチャックテーブル15で保持された基板90の表面900に集光し照射する。
レーザー光線169を分割予定ライン901に沿って基板90に照射しつつ、基板90を-X方向に所定の加工送り速度で加工送りし、図4に示すように基板90の表面900から基板90の内部に向かって所定の深さの加工溝99をレーザーアブレーションにより形成する。図4に示す加工溝99の底990の高さ位置Z1を、基板90の表面900から加工溝99の底990までの距離L9が基板90の仕上げ厚みL1以上となる(仕上げ厚みL1よりも深くなる)ように、加工送り速度、及びレーザー出力、及び繰り返し周波数等の諸条件が設定される。即ち、例えば、図4に示すように、距離L9は、仕上げ厚みL1に数μm程度の余裕厚みを加えた距離となり、これによって、後述する分割ステップにおいて基板90が分割されて形成されるチップに、薄化加工による加工溝99露出時のダメージが残ってしまうことが無いようになる。
一本の分割予定ライン901に沿ってレーザー光線169を照射し終えるX軸方向の所定の位置まで基板90が-X方向に進行すると、レーザー光線169の照射を停止するとともに基板90の-X方向への加工送りが停止される。ここで、チャックテーブル15のX軸方向における移動量の制御が行われることで、X軸方向に延びる分割予定ライン901に沿って、基板90を完全に切断せず、基板90の外周905まで至らない図3に示す加工溝99が基板90に形成される。
次いで、チャックテーブル15が+Y方向にインデックス送りされ、-X方向への加工送りにおいてレーザー光線169照射の際に基準となった分割予定ライン901の隣に位置する分割予定ライン901と集光器163とのY軸方向における位置合わせが行われる。位置合わせがされた後、基板90が+X方向(紙面手前側である復方向)へ加工送りされ、往方向でのレーザー光線169の照射と同様に、一本の分割予定ライン901に沿って基板90にレーザー光線169が照射され加工溝99が形成されていく。順次同様のレーザー光線169の照射を行うことにより、X軸方向に延びる全ての分割予定ライン901に沿って加工溝99が形成される。
さらに、チャックテーブル15を90度回転させてから同様のレーザー光線169の照射を基板90に対して行うと、縦横全ての分割予定ライン901に沿って基板90に加工溝99を形成することができる。図3に示すように、基板90の加工溝99が切り抜けていない外周905は、所定幅のリング状になっている。
(1-3)実施形態3の加工溝形成ステップ
実施形態1の加工溝形成ステップに代えて、以下に説明する実施形態3の加工溝形成ステップを実施してもよい。なお、実施形態3の加工溝形成ステップを実施する場合には、例えば、図1に示す環状フレーム92及び粘着シート91は、後述するドライエッチングで使用されるエッチングガス(例えば、SFガスやCガス)に対する耐性を備えていると好ましい。即ち、例えば、環状フレーム92はSUSで形成され、粘着シート91はポリオレフィン等で形成されていると好ましい。
図5に示す基板90に減圧環境下でプラズマエッチング処理を施すプラズマエッチング装置2は、例えば、基板90を保持する保持面200を有する静電チャックテーブル20と、静電チャックテーブル20が配設された室内を減圧する減圧ユニット21が接続された減圧室22と、を備えている。
静電チャックテーブル20は、例えば、減圧室22の下部に軸受け201を介して上下動可能に挿通されている基軸部202と、アルミナ等のセラミック又は酸化チタン等の誘電体で形成されるウェーハ保持部203とを備えており、その縦断面が略T字状になる。例えば円板状に形成されたウェーハ保持部203は、基軸部202の上端側に基軸部202と一体的に形成されており、ウェーハ保持部203の上面が誘電体からなり基板90を保持する保持面200となる。なお、ウェーハ保持部203は、セラミック等から構成された誘電体膜が別の基台上に配置されて構成されているものでもよい。
基軸部202及びウェーハ保持部203の内部には、冷却水が通水する冷却水通水路205が形成されており、冷却水通水路205には、冷却水供給手段206が連通している。冷却水供給手段206は冷却水通水路205へ冷却水を流入させ、この冷却水が、静電チャックテーブル20を内部から冷却する。例えば、本実施形態のように、処理対象の基板90に粘着シート91が貼着されている場合には、プラズマエッチング処理中に、冷却水供給手段206によって、静電チャックテーブル20の保持面200の温度を粘着シート91からガスが発生しない温度以下に保つことができる。
静電チャックテーブル20の内部には、電圧が印加されることにより電荷を誘起する電極として金属板23が埋設されている。金属板23は、円形に形成されており、保持面200と平行に配設されており、バイアス高周波電源25にスイッチ250を介して電気的に接続されている。バイアス高周波電源25から金属板23に高圧の直流電圧が印加されることで、保持面200に分極による電荷(静電気)が発生し、そのクーロン力により基板90は保持面200に静電吸着される。
基軸部202からウェーハ保持部203にかけては、エア流路26が形成されており、エア流路26の一端(上端)はウェーハ保持部203の内部で径方向外側に向かって放射状に分岐している。エア流路26の他端には、コンプレッサー等で構成されるエア供給源262が連通している。
静電チャックテーブル20の保持面200には複数のエア噴出口263が開口しており、各エア噴出口263は金属板23を厚み方向(Z軸方向)に向かって貫通しており、ウェーハ保持部203内においてエア流路26に連通している。エア供給源262から供給されたエアによって、静電チャックテーブル20からワークセット9を搬出する際に、基板90と保持面200との間に残存する真空吸着力を排除する。
減圧室22内の上部側には、反応ガスを噴出するガス噴出ヘッド30が、軸受け31を介して昇降自在に配設されている。ガス噴出ヘッド30の内部には、ガス拡散空間32が設けられており、ガス拡散空間32の上部にはガス導入路320が連通し、ガス拡散空間32の下部にはガス吐出路322が連通している。ガス吐出路322の下端は、ガス噴出ヘッド30の下面において静電チャックテーブル20側に向かって開口している。
ガス噴出ヘッド30には、ガス噴出ヘッド30を上下動させるエアシリンダ33が接続されている。ガス噴出ヘッド30の内部に形成されたガス導入路320には、反応ガス供給源329が連通している。反応ガス供給源329は、例えば、反応ガスであるSF、CF、C、C等のフッ素系ガスを蓄えている。なお、ガス導入路320には、反応ガス供給源329の他に、プラズマエッチング反応を支援するガスが蓄えられた図示しない支援ガス供給源が連通していてもよい。この場合、支援ガス供給源には、支援ガスとして、Ar、He等の希ガスが蓄えられている。
ガス噴出ヘッド30には、整合器340を介して高周波電源34が接続されている。高周波電源34から整合器340を介してガス噴出ヘッド30に高周波電力を供給することにより、ガス吐出路322から吐出されたガスを真空雰囲気となった減圧室22内部でプラズマ化することができる。
減圧室22の側部には、ワークセット9の搬入出を行うための搬入出口27と、この搬入出口27を開閉するシャッター271とが設けられている。例えば、シャッター271は、エアシリンダ等のシャッター可動手段272によって上下動可能になっている。
減圧室22の下部には排気口221が形成されており、この排気口221には減圧ユニット21が接続されている。この減圧ユニット21を作動させることにより、減圧室22の内部を所定の真空度まで減圧することができる。
図1に示すように、プラズマエッチング装置2は、CPU及びメモリ等の記憶素子等から構成される制御部29を備えており、制御部29による制御の下で、エッチングガスの吐出量や時間、高周波電力等の条件がコントロールされる。
実施形態3の加工溝形成ステップにおいては、まず、基板90の表面900全面に図6に示す保護膜97を被覆する。表面900に対する保護膜97の形成は、例えば、液状の保護膜剤のスピンコートによって行われる。保護膜剤は、例えば、水溶性樹脂(ポリビニルピロリドン又はポリビニルアルコール等)からなる水溶性の保護膜剤であるが、これに限定されず、その他のレジスト液などであってもよい。
図6に示す表面900に保護膜97が形成された基板90は、例えば、図7に示すチャックテーブル15に搬送される。基板90が、保護膜97を上側にしてチャックテーブル15の保持面150上で吸引保持される。そして、レーザー光線を保護膜97に照射するための基準となる分割予定ライン901の位置が図示しないアライメントユニットによって検出される。
分割予定ライン901の位置が検出されるのに伴って、チャックテーブル15がY軸方向に移動し、分割予定ライン901と集光器163との位置合わせがなされる。次いで、レーザー光線169の集光点位置が保護膜97の高さ位置に合わせられる。そして、レーザー光線発振器162が保護膜97に吸収性を有する波長のレーザー光線169を発振し、レーザー光線169を保護膜97に集光し照射する。また、基板90がX軸方向に加工送りされて、分割予定ライン901に沿って保護膜97が溶融し除去される。そして、基板90の表面900の分割予定ライン901に対応する領域以外のデバイス902の表面を含む領域にマスク96が形成された状態になる。なお、レーザー加工を基板90の表面900の外周905側の領域に行わず、基板90の表面900の外周905側の領域は、マスク96によってリング状に覆われた状態が維持される。
なお、マスク96の形成は本実施形態に限定されるものではない。一般的には、図1に示す基板90のデバイス902を形成する際に、デバイス902が形成された表面900側の全域には、汚染や不純物等の進入からデバイス902を保護するパシベーション膜(二酸化ケイ素膜等)がプラズマCVD法等で積層されるが、デバイス902の最表層となるパシベーション膜を分割予定ライン901に対応した領域を抜いておくように予め形成して、デバイス902を個々に保護する該パシベーション膜をプラズマエッチング用のマスクにしてもよい。
次いで、図7に示すマスク96が形成された基板90は、まず、図5に示す搬入出口27から減圧室22内に搬入され、マスク96側を上側に向けて静電チャックテーブル20の保持面200上に載置される。そして、シャッター271を閉じ、減圧ユニット21により減圧室22内の空気を排気し、減圧室22内を真空雰囲気の密閉空間とする。
ガス噴出ヘッド30を減圧室22内の所定の高さ位置まで下降させ、反応ガス供給源329から例えばSFを主体とするエッチングガスをガス拡散空間32に供給し、ガス吐出路322から下方に噴出させる。また、高周波電源34からガス噴出ヘッド30に高周波電力を印加して、ガス噴出ヘッド30と静電チャックテーブル20との間に高周波電界を生じさせ、エッチングガスをプラズマ化させる。これに並行して、金属板23にバイアス高周波電源25から電圧を印加して、静電チャックテーブル20の保持面200と基板90との間に誘電分極現象を発生させ、電荷の分極により生じる静電吸着力によってワークセット9となっている基板90を保持面200上で吸着保持する。
図8に示すプラズマ化したエッチングガスG1は、基板90の表面900のマスク96が形成されている領域はほとんどエッチングせず、基板90の分割予定ライン901に沿って基板90を-Z方向に向かって異方性エッチングしていく。そのため、縦横の分割予定ライン901に沿って格子状に基板90がエッチングされて、図3、図8に示す加工溝99が形成されていく。プラズマ化したエッチングガスG1による環状フレーム92に対する熱影響は、例えば減圧室22に配設され環状フレーム92の上方を覆う図示しないフレーム加熱防止ガードによって抑えられる。なお、基板90の表面900の外周905の領域は、マスク96によってリング状に覆われているため、エッチングが進行しない。
図5に示す制御部29によりエッチング時間、エッチングガスG1の送出量等の諸条件が制御されて、図8に示す加工溝99の底990の高さ位置Z1が、基板90の表面900から加工溝99の底990までの距離L9が基板90の仕上げ厚みL1以上となる(仕上げ厚みL1よりも深くなる)までプラズマエッチングを行い、プラズマエッチングを終了させる。即ち、例えば、図8に示すように、距離L9は、仕上げ厚みL1に数μm程度の余裕厚みを加えた距離となり、これによって、後述する分割ステップにおいて基板90が分割されて形成されるチップに、薄化加工による加工溝99露出時のダメージが残ってしまうことが無いようになる。即ち、図5に示す減圧室22内へのエッチングガスG1等の導入及びガス噴出ヘッド30への高周波電力の供給を停止し、また、減圧室22内のエッチングガスG1を排気口221から減圧ユニット21に排気する。
なお、ドライエッチングは、上記のようなSFガス単体によるプラズマエッチングで行われる形態に限定されず、SFガスによるプラズマエッチングとCガスによる溝側壁等に対する保護膜堆積(デポジション)とを交互に繰り返すボッシュ法により行われるとより好ましい。
具体的には、反応ガス供給源329からCガスをガス拡散空間32に供給し、ガス吐出路322から下方に噴出させる。高周波電源34からガス噴出ヘッド30に高周波電力を印加し、さらに、金属板23にバイアス高周波電源25から高周波電力を印加して基板90を静電吸着しつつ、Cガスをプラズマ化させ、プラズマ化したSFガスによる等方性エッチングで形成された加工溝99の側壁と底990とに保護膜(フルオロカーボン膜)を堆積させる。再び、SFガスを減圧室22内に供給しプラズマ化させ、加工溝99の底990の保護膜のみを除去する異方性エッチングを行い、次いで、加工溝99の底990に露出した基板90の等方性エッチングを再び行う。上記等方性エッチングと保護膜堆積と異方性エッチングとを1サイクルとし、例えば数十サイクル実施して、基板90の垂直な深掘りを高速かつ所望のアスペクト比で実現し、分割予定ライン901に沿った格子状の加工溝99を基板90に形成していく。
例えば、実施形態3の加工溝形成ステップが施された基板90は、図5に示すプラズマエッチング装置2から搬出されて、スピンナー洗浄装置等において図8に示すマスク96が洗浄除去される。例えば、マスク96が水溶性樹脂からなるものでない場合(例えば、レジスト膜である場合)には、実施形態3の加工溝形成ステップが完了した後に、プラズマエッチング装置2によるアッシング等によりマスク96を基板90から除去してもよい。
(2)保護部材形成ステップ
上記実施形態1、実施形態2、又は実施形態3の加工溝形成ステップが施されたワークセット9の基板90に対して、以下に説明する基板90の裏面903から加工溝99が裏面903に露出しないエッチング前厚みまで基板90を薄化する後述する実施形態1の薄化ステップが施される。そして、本実施形態においては、加工溝形成ステップの後、かつ、後述する実施形態1の薄化ステップを実施する前に、基板90の表面900に保護部材を形成する保護部材形成ステップを実施する。
図9に示す基板90の表面900には、基板90よりも大径の保護部材95が貼着され、保護部材95の粘着面の外周部が円形の開口を備えるリングフレーム93に貼着されることで、基板90は、裏面903が上方に向いた状態で保護部材95を介してリングフレーム93に支持された状態になる。即ち、保護部材95の基板90に対する貼着等は、例えば、図示しないテープマウンタのテーブルに載置されリングフレーム93に貼着された保護部材95の粘着面に、基板90の表面900が当接し、転動するローラ等により基板90を保護部材95に押し付けてなされる。次いで、基板90の裏面903から粘着シート91(図1参照)が剥離され、環状フレーム92が取り外され、加工溝99が形成された基板90は、保護部材95及びリングフレーム93と共にワークセット98となる。リングフレーム93の開口中心と基板90の中心とは略合致した状態になる。なお、リングフレーム93に支持されず、保護部材95のみが貼着されていてもよい。
例えば、リングフレーム93及び保護部材95は、ドライエッチングで使用されるエッチングガス(例えば、SFガスやCガス)に対する耐性を備えていると好ましい。即ち、例えば、リングフレーム93はSUSで形成され、保護部材95はポリオレフィン等で形成されていると好ましい。
上記のように、保護部材95は、糊層を備える粘着テープであるが、これに限定されるものではなく、保護部材95は、例えば、糊層を備えないが、熱可塑性を有し、基板90やリングフレーム93に熱接着可能なポリオレフィンシートやポリスチレンシートであってもよい。
(3-1)実施形態1の薄化ステップ
実施形態1の薄化ステップでは、例えば、図10に示す研削ホイール714によって基板90を裏面903側から研削して薄化する。保護部材95が表面900に形成された基板90は、図10に示すチャックテーブル70に搬送される。チャックテーブル70は、例えば、その外形が円形状であり、ポーラス部材等からなる保持面700に真空発生装置等の図示しない吸引源が生み出す吸引力が伝達され、保持面700上で基板90を吸引保持する。また、チャックテーブル70は、Z軸方向の回転軸を軸に回転可能であるとともに、Y軸方向に移動可能となっている。チャックテーブル70の周囲には、リングフレーム93を挟持するクランプ703が配設されている。
チャックテーブル70に保持された基板90を研削加工する研削ユニット71は、軸方向が鉛直方向(Z軸方向)である回転軸710と、内部にエアベアリング等を形成し回転軸710を回転可能に支持するハウジング711と、回転軸710を回転駆動するモータ712と、回転軸710の下端に接続された円板状のマウント713と、マウント713の下面に着脱可能に接続された研削ホイール714とを備える。
研削ホイール714は、ホイール基台715と、ホイール基台715の底面に環状に配設された略直方体形状の複数の研削砥石716とを備える。研削砥石716は、例えば、レジンボンドやメタルボンド等でダイヤモンド砥粒等が固着されて成形されている。なお、研削砥石716の形状は、上記のようなセグメントタイプに限定されず、砥石が環状に隙間なく一体に形成されているコンテニュアスタイプのものであってもよい。
回転軸710の内部には、研削水の通り道となり研削水供給源に連通する図示しない流路が、回転軸710の軸方向(Z軸方向)に貫通して形成されており、図示しない流路の下端側は、さらにマウント713を通り、ホイール基台715に形成された図示しない流路に連通している。図示しない流路は、ホイール基台715の内部において回転軸710の軸方向と直交する方向に、ホイール基台715の周方向に一定の間隔をおいて延在しており、ホイール基台715の底面において研削砥石716に向かって研削水を噴出できるように開口している。
実施形態1の薄化ステップにおいては、まず、チャックテーブル70の中心とワークセット98となっている基板90の中心とが略合致するように、基板90が、保護部材95側を下にして保持面700上に載置される。そして、図示しない吸引源により生み出される吸引力が保持面700に伝達されることにより、基板90が、裏面903を上方に向向けた状態でチャックテーブル70によって吸引保持され、また、ワークセット98のリングフレーム93がクランプ703によって挟持固定された状態になる。
次いで、基板90を保持したチャックテーブル70が、研削ユニット71の下までX軸方向へ移動する。そして、研削砥石716の回転中心が基板90の回転中心に対して所定距離だけ水平方向にずれ、研削砥石716の回転軌跡が基板90の回転中心を通るように位置づけされる。
モータ712が回転軸710を所定の回転速度で回転駆動し、これに伴って研削砥石716も回転する。そして、研削ユニット71が-Z方向に下降して、回転する研削砥石716が基板90の裏面903に当接することで研削が行われる。研削中は、チャックテーブル70が所定の回転速度で回転して保持面700上に保持された基板90も回転するので、研削砥石716が基板90の裏面903の全面の研削加工を行う。また、図示しない流路を通る研削水が研削砥石716と基板90との接触部位に対して供給され、接触部位が冷却・洗浄される。
図10に示す基板90が裏面903から加工溝99の底990が露出しないエッチング前厚みL2まで薄化される。エッチング前厚みL2は、例えば、仕上げ厚みL1に20μm程度加えた厚みである。即ち、加工溝99の底990から上方に20μm程度の厚みが残った状態で、研削ユニット71が上方に引き上げられて、研削砥石716が基板90から離間して研削が終了する。したがって、基板90はまだ個々のチップに分割されていない状態が保たれる。基板90はチップに分割されていないため、研削中にチップの側面が露出して研削屑が該側面に付着してしまうことはない。
なお、実施形態1の薄化ステップでは、研削ホイール714に代えて、研磨パッドによって基板90を、CMP研磨又はドライ研磨してエッチング前厚みL2まで薄化してもよい。
(3-2)実施形態2の薄化ステップ
先に説明した保護部材形成ステップを実施した後、実施形態1の薄化ステップに代えて、以下に説明する実施形態2の薄化ステップを実施してもよい。
実施形態2の薄化ステップは、図11(A)、(B)に示す基板90のエッチング前厚みL2に相当する深さに剥離層909を形成する剥離層形成ステップと、剥離層909を起点に基板90から剥離層909よりも裏面903側(上側)の部分を剥離し、エッチング前厚みL2の基板90を得る剥離ステップと、を有する。
本実施形態における剥離層形成ステップでは、剥離層909は、図11(A)、(B)に示す基板90に対して透過性を有する波長のレーザー光線169の集光点を、基板90の内部のエッチング前厚みL2に相当する深さZ2に位置づけて、基板90の裏面903の全面にわたりレーザー光線169を照射して形成される。この加工は、所謂、KABRA加工と呼ばれている。
具体的には、保護部材95が表面900に形成された基板90は、図11(A)、(B)に示し、先に図4を用いて説明したチャックテーブル15に搬送される。図11(A)、(B)に示すように、集光器163から照射されるレーザー光線169の集光点が、チャックテーブル15で保持された基板90の表面900から上方に仕上げ厚みL1にさらに所定厚みを加えたエッチング前厚みL2に対応する深さZ2に位置づけられるとともに、基板90に向けて基板90に透過性を有する波長のパルスレーザー光線169が照射されて、分離の起点となる改質領域が基板90内部に形成される。
例えば、レーザー光線169を基板90に裏面903側から照射しつつ、チャックテーブル15で保持された基板90をX軸方向に所定の加工送り速度で加工送りし、基板90の内部に分離の起点となる改質領域をX軸方向に延びる線状に連続的に形成していく。さらに、基板90を保持するチャックテーブル15が改質領域同士をY軸方向につなげることが可能な距離だけY軸方向にインデックス送りされた後、同様のレーザー光線169の照射が基板90の裏面903の全面にわたってこのように繰り返し行われることで、基板90の内部の深さZ2となる箇所に改質領域同士がつながり分離面方向に沿った剥離層909が形成される。この剥離層909は、例えば、裏面903及び表面900に対して概ね平行に形成され、基板90中の他の領域に比べて強度が低い層である。なお、剥離層909からは、上下方向に微細なクラックが延びていてもよい。
なお、剥離層909の形成においては、レーザー光線169の集光点と基板90とを相対的に移動させればよく、例えば、集光点に対してチャックテーブル15で吸引保持された基板90を上方からみて反時計回り(時計回りでもよい。)に所定の回転速度で回転させながら、基板90に対して透過性を有する波長のパルスレーザー光線169を集光器163から基板90に照射することにより行うこともできる。これによって、基板90のエッチング前厚みL2に対応する深さZ2に、基板90の周方向に沿って連続的に延びる環状の改質領域を形成することができる。その後、集光点に対して基板90をX方向移動又はY方向移動することによって、基板90の径方向に改質領域同士がつながる所定インデックス量だけインデックス送りする。そして、周方向における改質領域形成と径方向におけるインデックス送りと交互に繰り返すことにより、基板90の周方向に沿って連続的に延びる改質領域を基板90の径方向にインデックス量の間隔をおいて複数形成する。これによって、基板90の内部に改質領域同士がつながり分離面方向に沿った剥離層909が形成される。
基板90は、剥離層909が形成された後、剥離層909を起点として、基板90から剥離層909よりも裏面903側の部分が剥離され、エッチング前厚みL2の基板90となる。具体的には、例えば、図11に示す基板90が載置されたチャックテーブル15が、図12に示す基板吸着ユニット19の直下に位置付けされる。
基板吸着ユニット19は、水平に延在するアーム190の先端に剥離用パルスモータ194を介して吸着パッド192が配設されている。吸着パッド192の平坦な下面でありポーラス部材等で構成される吸着面199には、図示しない吸引源が生み出す吸引力が伝達される。例えば、吸着パッド192には、セラミックスの一種であるピエゾ素子等で構成される圧電振動板が超音波付与部193として内蔵されている。超音波付与部193には、図示しない高周波電源が接続されている。また、吸着パッド192は、剥離用パルスモータ194によって、Z軸方向の回転軸を軸にして回転駆動可能となっている。
まず、アーム190を降下させて該基板90の裏面903に吸着パッド192の吸着面199を密着させるとともに、図示しない吸引源を作動させて基板90の裏面903を吸着パッド192に吸着させる。そして、図示しない高周波電源から電圧が印加された超音波付与部193が超音波振動を基板90に付与すると共に、剥離用パルスモータ194を作動することにより吸着パッド192を回転駆動させて基板90の剥離層909に対して捻り力を与え、剥離層909を界面として剥離層909よりも裏面903側の部分908(上側部分)を剥離し、エッチング前厚みL2の基板90を得る。なお、基板90から剥離した円形板状の部分908は、再利用可能となっている。
エッチング前厚みL2の基板90を得る工程は、上記例に限定されるものではない。具体的には、例えば、剥離層909が形成されたワークセット98となっている基板90を液槽内に入れ液体中に浸漬すると共に超音波振動子の上面に載せる。次いで、超音波振動子から超音波を基板90の剥離層909に付与して、剥離層909を界面として剥離層909よりも裏面903側の部分を剥離可能な状態にしてもよい。
(4)分割ステップ
実施形態1の薄化ステップ、又は実施形態2の薄化ステップを実施した後、ワークセット98となっており、加工溝99が形成され、エッチング前厚みL2まで薄化された基板90は、図5に示すプラズマエッチング装置2に搬送される。
ワークセット98が図5に示す減圧室22内に搬入され、裏面903を上側に向けて静電チャックテーブル20の保持面200上に載置される。そして、減圧室22内を真空雰囲気の密閉空間とする。ガス噴出ヘッド30を減圧室22内の所定の高さ位置まで下降させ、反応ガス供給源329から例えばSFを主体とする図13に示すエッチングガスG1をガス拡散空間32に供給し、ガス吐出路322から下方に噴出させる。また、静電吸着力によってワークセット9となっている基板90を静電チャックテーブル20の保持面200上で吸着保持する。
プラズマ化したエッチングガスG1は、基板90の裏面903全面を-Z方向に向かってエッチングしていく。そのため、エッチング前厚みL2であった基板90が薄化されていき、基板90が仕上げ厚みL1になると、プラズマエッチングを終了させる。即ち、加工溝99の底990が基板90の裏面903に露出することで、図13に示すように、基板90は、外周905側は独立してリング状に一体なった状態で、また、デバイス領域がデバイス902を備え仕上げ厚みL1の個々のチップ907に分割される。ここで、除去される分割予定ライン901に対応するシリコンがプラズマエッチングのける化学反応により揮発性生成物に変化するため、加工溝99の側面にシリコン屑が付着してしまうことが無い。なお、プラズマエッチングはボッシュ法を実施してもよい。
上記のように本発明に係る基板の分割方法は、従来とは異なり基板90を裏面903側から薄化する薄化ステップにおいて、基板90を仕上げ厚みL1まで薄化せずチップに分割しないため、加工溝形成ステップにおいて形成された加工溝99が基板90の裏面903側に露出せず、加工溝99の側面に研削屑が付着することが無い。また、加工溝形成ステップにおいて、基板90の外周905に至らない加工溝99を形成することで、基板90の外周905に加工溝99が露出せず、基板90の外周側の領域がリング状にシールされた状態になるため、薄化ステップにおいて加工屑が加工溝99の側面(分割ステップ後のチップの側面)に付着してしまうことを防ぐことができる。なお、加工溝99が形成された基板90に対して、その後、薄化ステップと分割ステップとを裏面903に対するプラズマエッチングのみで行っていく場合には、非常に時間がかかるため、エッチング前厚みL2まで基板90を薄化する薄化ステップを備える事で、加工時間の短縮化を本発明に係る基板の分割方法は達成することもできる。
なお、例えば、シリコンチップ907に分割されたワークセット98が、図示しないエキスパンド装置に搬送される。そして、基板90の外周905側のリング状のデバイス902が形成されていない廃棄部分がワークセット98から取り外された後、エキスパンド装置において、保護部材95の突き上げ拡張等によって、各チップ907同士の間隔が拡張されることで、チップ907のピックアップ時における接触が防がれるようにしてもよい。
なお、実施形態1の加工溝形成ステップのように、切削ブレード10で加工溝99を基板90に形成していた場合は、加工溝99が実施形態2の加工溝形成ステップのようにレーザー光線169の基板90に対する照射で形成された場合よりも、加工溝99の幅が広いため、保護部材95を拡張せずに、チップ907のピックアップが可能となる。また、実施形態3の加工溝形成ステップのように、プラズマエッチングで基板90に加工溝99を形成していた場合は、図6、図7に示す保護膜97の除去する幅を変えることで、加工溝99の幅を制御できるので、基板90をチップ907に分割した後の保護部材95のエキスパンドの必要/不要を選択できる。
本発明に係る基板の分割方法の各ステップは上記実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。また、各ステップにおいてそれぞれ使用する装置の構成も、本発明の効果を発揮できる範囲内で適宜変更可能である。
例えば、実施形態2の加工溝形成ステップの別例として、図14に示すチャックテーブル15に吸引保持された基板90に対して、透過性を有する波長のレーザー光線169を、基板90の最終的な仕上げ厚みL1よりも深い位置Z1に集光点を合わせて照射し、基板90の内部に分割起点となる改質層998を形成し、また、改質層998から上方向にクラック999を延びるように形成させてもよい。そして、改質層998と改質層998から延びるクラック999と、を加工溝99としてもよい。表面900に向かって上方向に延びるクラック999は、表面900に到達していてもよいし、薄化ステップにおいて、研削圧力が改質層998に加わった場合に、クラック999がさらに表面900に向かって延びて、基板90を分割可能な基板90の内部の所定位置まで延びているだけでもよい。改質層998とクラック999とからなる加工溝99は、基板90の外周905側の領域には形成しない。薄化ステップにおいては、該改質層998が例えば研削によって除去され、クラック999によって基板90が仕上げ厚みL1のチップ907に分割される。
10:切削ブレード 11:スピンドル 12:アライメントユニット
13:保持テーブル 135:固定クランプ
15:チャックテーブル
16:レーザー光線照射ユニット 162:レーザー光線発振器 163:集光器
2:プラズマエッチング装置
20:静電チャックテーブル 202:基軸部 203:ウェーハ保持部
205:冷却水通水路 206:冷却水供給手段
21:減圧ユニット 22:減圧室 221:排気口 23:金属板
25:バイアス高周波電源 250:スイッチ
26:エア流路 262:エア供給源 263:エア噴出口
27:搬入出口 271:シャッター 272:シャッター可動手段
29:制御部
30:ガス噴出ヘッド 31:軸受け 32:ガス拡散空間 320:ガス導入路
322:ガス吐出路 329:反応ガス供給源
33:エアシリンダ 34:高周波電源 340:整合器
70:チャックテーブル 700:保持面 703:クランプ
71:研削ユニット 710:回転軸 714:研削ホイール 716:研削砥石
19:基板吸着ユニット 190:アーム 192:吸着パッド 193:超音波付与部
194:剥離用パルスモータ
9:ワークセット 90:基板 900:基板の表面 901:分割予定ライン
902:デバイス 903:基板の裏面 905:基板の外周 907:チップ
91:粘着シート 92:環状フレーム 93:リングフレーム 95:保護部材
96:マスク 97:保護膜 98:ワークセット 99:加工溝
998:改質層 999:クラック

Claims (5)

  1. 複数の分割予定ラインに沿って基板を分割する基板の分割方法であって、
    基板の表面から複数の該分割予定ラインに沿って、基板を完全に切断せず、かつ、基板の外周まで至らない加工溝を形成する加工溝形成ステップと、
    該加工溝形成ステップの実施後に、基板の裏面から該加工溝が露出しないエッチング前厚みまで基板を裏面側から薄化する薄化ステップと、
    該薄化ステップの実施後に、基板の裏面側からプラズマエッチングを行い、該加工溝を露出させるとともに基板を仕上げ厚みまで薄化し、基板を分割する分割ステップと、を備える事を特徴とする基板の分割方法。
  2. 前記加工溝形成ステップの後、かつ、前記薄化ステップの前に、基板の表面に保護部材を形成する保護部材形成ステップをさらに備える事を特徴とする、請求項1記載の基板の分割方法。
  3. 前記薄化ステップは、研削ホイールによって基板を研削して、又は研磨パッドによって基板を研磨して、基板を薄化する事を特徴とする請求項1、又は請求項2記載の基板の分割方法。
  4. 前記薄化ステップは、
    基板の前記エッチング前厚みに相当する深さに剥離層を形成する剥離層形成ステップと、
    該剥離層を起点に基板から該剥離層よりも裏面側の部分を剥離し、該エッチング前厚みの基板を得る剥離ステップと、を有する事を特徴とする請求項1、又は請求項2に記載の基板の分割方法。
  5. 前記剥離層は、基板に対して透過性を有する波長のレーザー光線の集光点を、基板の内部の前記エッチング前厚みに相当する深さに位置づけて、基板の裏面全面にわたりレーザー光線を照射して形成される請求項4に記載の基板の分割方法。
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