JP7128064B2 - 被加工物の加工方法 - Google Patents
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Description
そこで、プラズマダイシング後にウェーハの裏面側(膜側)から二酸化炭素粒子等を噴射して、ダイシングが施された分割予定ラインに対応する領域の膜を除去する方法(例えば、特許文献2参照)が提案されている。
図1に示す被加工物Wは、例えば、シリコンからなる基板W1を備える円形の半導体ウェーハであり、基板W1の表面、即ち、被加工物Wの表面W1aには複数の分割予定ラインSがそれぞれ直交差するように設定されている。分割予定ラインSによって区画された格子状の領域には、デバイスDがそれぞれ形成されている。図1において-Z方向側に向いている基板W1の裏面W1bには、銅及びニッケル等の金属からなる一様な厚さ(例えば、0.5μm程度)の導電性の膜W2が形成されており、膜W2の露出面は、被加工物Wの裏面W2bとなる。なお、被加工物Wの構成は本実施形態の例に限定されるものではない。例えば、基板W1はシリコン以外にガリウムヒ素、サファイア、窒化ガリウム又はシリコンカーバイド等で構成されていてもよく、また、膜W2は、金属膜ではなく、例えばDAF(Die Attach Film)やDBF(Die Backside Film)等の樹脂を母材とする膜であってもよい。
被加工物Wは、図2に示すように裏面W2bにテープTが貼着される。テープTは、例えば、被加工物Wよりも大径の円形のテープであり、図3において拡大して示す例えばポリオレフィン系樹脂等からなる基材Tdと、基材Td上の粘着力のある糊層Tcとからなる。糊層Tcには、例えば、紫外線を照射すると硬化して粘着力が低下するUV硬化糊が用いられていてもよい。
例えば、環状フレームF及びテープTは、後のエッチングステップで使用されるエッチングガス(例えば、SF6ガスやC4F8ガス)に対する耐性を備えていると好ましい。即ち、例えば、環状フレームFはSUSで形成されており、テープTはポリオレフィン等で形成されていると好ましい。
環状フレームFによるハンドリングが可能となった被加工物Wは、例えば、図3に示すスピンコータ4に搬送される。スピンコータ4は、例えば、被加工物Wを保持する保持テーブル40と、保持テーブル40を回転させる回転手段42と、上端側に円形の開口を備え保持テーブル40を収容する有底円筒状のケーシング44とを備えている。
なお、マスク形成ステップはテープ貼着ステップ実施前に行ってもよいが、本ステップにおける被加工物Wのハンドリングを容易にするために、テープ貼着ステップを実施後に行うと好ましい。
表面W1aに保護膜層Jが形成された被加工物Wは、例えば、図4に示すレーザ加工装置1に搬送される。レーザ加工装置1は、被加工物Wを吸引保持するチャックテーブル10と、被加工物Wの保護膜層Jに対して吸収性を有する波長のレーザビームを照射するレーザビーム照射手段11とを少なくとも備えている。
上記マスクJ1を形成した後、例えば、図5に示すプラズマエッチング装置9を用いて、マスクJ1を介して被加工物Wの基板W1にプラズマエッチングを施して分割予定ラインSに沿ったエッチング溝を形成する。
例えば、保持手段90の内部には、図示しない通水路が形成されており、該通水路を循環する冷却水により保持手段90が内部から所定温度に冷却される。また、保持面90aと保持面90aで保持された被加工物Wとの間には、冷却水による被加工物Wの吸熱効率を向上させるために、Heガス等の熱伝達ガスが所定の圧力で流れるようになっている。
なお、例えば、保持手段90は、図例の単極型の静電チャックに限定されるものではなく、双極型の静電チャックであってもよい。
ガス導入口911に接続されたガス供給部93には、例えばSF6、CF4、C2F6、C4F8等のフッ素系ガスが蓄えられている。
プラズマエッチング装置9は、図示しない制御部を備えており、該制御部によりガスの吐出量や時間、高周波電力等の条件が制御される。
本ステップでは、まず、搬入出口920から被加工物Wをチャンバ92内に搬入し、マスクJ1側を上側に向けて被加工物Wを保持手段90の保持面90a上に載置する。そして、ゲートバブル921を閉じ、排気装置97によりチャンバ92内を真空雰囲気とする。被加工物Wを支持する環状フレームFの上方は、フレーム加熱防止ガード98で覆われる。
再び、SF6ガスをチャンバ92内に供給しプラズマ化させ、エッチング溝の底の保護膜のみを除去する異方性エッチングを行い、次いで、エッチング溝の底に露出した基板W1の等方性エッチングを再び行う。上記等方性エッチングと保護膜堆積と異方性エッチングとを1サイクルとし、例えば数十サイクル実施して、基板W1の垂直な深掘りを高速かつ所望のアスペクト比で実現し、図6に示す分割予定ラインSに沿った格子状のエッチング溝Mを基板W1に形成していく。
次いで、例えば図6に示す溝Mが形成された被加工物Wを図8に示す水槽5に搬送する。
例えば、外形が有底円筒状である水槽5は、側壁51と、側壁51の下部に一体的に連接する底板50とから構成され、液体(例えば、水)が溜められている。水槽5は、例えば、図示しない排水機構及び給水機構を側壁51又は底板50に備えていてもよい。また、液体中には直径数ミリの金属粒(ビーズ)が複数混入されていると好ましい。
水槽5の側壁51には、環状フレームFを固定する固定クランプ511が周方向に均等に配設されている。固定クランプ511は、例えば、シリンダー等によって上下動可能となっていてもよい。
図9に示すように、被加工物Wに貼着されたテープTで開口52が閉鎖された水槽5に液体を充填した状態で、高圧エア源59がエア流路59aに高圧エアを送出する。該高圧エアは、開かれた状態のソレノイドバブル59b、エア導入口502、及びエア供給空間500を通り、エア噴射口501から水槽5の液体内に噴出する。液中のエアは、バブルとなって水槽5内を上昇していきテープTに接触する。
また、液中に金属粒が複数混入されている場合には、水槽5内に噴射されたエアによって水槽5内に生まれる水流にのって金属粒もテープTに向かって上昇して、テープTに接触する。
なお、本加工ステップにおいて、膜W2のチップCの外周縁に沿って亀裂や歪みが発生した箇所は、後述するピックアップステップにおいて破断される。
なお、底板441から立ち上がる一本のノズルアームに洗浄水ノズルと保護膜剤を供給するノズルとが配設されているものとしてもよい。
マスクJ1が除去された被加工物Wは、自然乾燥やブロー乾燥、又はスピン乾燥等された後、図12に示すピックアップ装置6に搬送される。なお、テープTの糊層TcにUV硬化糊が用いられている場合には、ピックアップ装置6においてチップCのピックアップを行う前に、テープTに紫外線を照射して糊層Tcを硬化させ粘着力を低下させてもよい。
ピックアップ装置6では、図示しないクランプ等で環状フレームFが固定され、チップCが吸引パッド61で吸引保持されて上方に持ち上げられることで、チップCのピックアップが行われる。ここで、膜W2にチップCの外周縁に沿って亀裂が生成されている箇所は、ピックアップによって膜W2がチップCの外周縁に沿って破断される。なお、ピックアップ時においては、例えば、Z軸方向に昇降可能な図示しないニードルで、チップCを下側からテープTを介して突き上げてもよい。
その結果、図12に示すように、基板W1の裏面W1bに膜W2を有するチップC1を形成することができる。
F:環状フレーム
4:スピンコータ 40:保持テーブル 401:固定クランプ 42:回転手段
44:ケーシング 45:ノズル 47:保護膜剤供給源 J:保護膜層
46:洗浄水ノズル 48:洗浄水供給源
1:レーザ加工装置 10:チャックテーブル 11:レーザビーム照射手段 111:集光器 119:レーザビーム発振器 J1:マスク
9:プラズマエッチング装置
90:保持手段 900:支持部材 901:電極 91:ガス噴出ヘッド 910:ガス拡散空間 911:ガス導入口 912:ガス吐出口 92:チャンバ 920:搬入出口 921:ゲートバブル 93:ガス供給部 94、94a:整合器 95、95a:高周波電源、バイアス高周波電源 96:排気口 97:排気装置 98:フレーム加熱防止ガード
5:水槽 50:底板 500:エア供給空間 501:エア噴射口 502:エア導入口 51:側壁 511:固定クランプ 52:開口
59:高圧エア源 59a:エア流路 59b:ソレノイドバブル
Claims (1)
- 基板と、該基板の裏面に形成された膜と、を備え、表面に交差する複数の分割予定ラインが設定された被加工物の加工方法であって、
被加工物の該裏面に、基材と糊層とを備えたテープを貼着するテープ貼着ステップと、
該テープ貼着ステップを実施する前または後に被加工物の表面に分割予定ラインに沿って該基板が露出したマスクを形成するマスク形成ステップと、
該マスク形成ステップと該テープ貼着ステップとを実施した後、被加工物の該表面側からプラズマエッチングを施して該分割予定ラインに沿って溝を該基板に形成することで該基板を複数のチップに分割するエッチングステップと、
該エッチングステップを実施した後、上部に被加工物より大きいサイズの開口を有した水槽の該開口を、該テープで閉鎖する状態に該水槽上に該テープを介して被加工物を載置する載置ステップと、
被加工物に貼着された該テープで該開口が閉鎖された該水槽に液体を充填した状態で、該水槽内にバブルを発生させることで、該テープを介して該膜に該チップの外周縁に沿って亀裂を生成または該膜を該チップの外周縁に沿って破断する加工ステップと、
該加工ステップを実施した後、該テープから該チップをピックアップすることで該裏面に膜を有するチップを形成するピックアップステップと、を備えた加工方法。
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