JP2018178298A - 紡績機 - Google Patents
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Abstract
【課題】添加剤供給装置の異常によって糸の品質が低下することを防止する。【解決手段】ドラフト装置11の出口と紡績装置12の出口との間の所定箇所に供給される添加剤を供給する添加剤供給装置9に、添加剤供給装置9による添加剤の供給状態に関する情報を検出する第1検出部96を設ける。制御装置6は、第1検出部96の検出信号に基づいて、添加剤供給装置9の異常の有無を判断する。【選択図】図6
Description
本発明は、添加剤供給装置を備える紡績機に関する。
例えば、特許文献1に記載の紡績機には、添加剤を紡績装置に供給するための添加剤供給装置が設けられている。この紡績機では、紡績装置の稼動台数に応じて、添加剤供給装置による添加剤の供給量を調整することで、紡績装置への添加剤の供給量が過多となったり、過少となったりすることを防止している。
添加剤供給装置に何らかの異常が生じ、添加剤を供給できなくなった場合、紡績装置で生成される糸には、添加剤が供給された部分と、添加剤が供給されていない部分とが混ざってしまう。しかしながら、特許文献1では、添加剤供給装置の異常を検出することについて特に言及はなく、上述のように、添加剤が供給された部分と供給されていない部分とが混ざった、低品質の糸が生成されるおそれがあった。
本発明は、添加剤供給装置の異常によって糸の品質が低下することを防止することを目的とする。
本発明の紡績機は、繊維束をドラフトするドラフト装置と、前記ドラフト装置でドラフトされた前記繊維束に空気流にて撚りを与える紡績動作によって糸を生成する紡績装置と、前記紡績装置で生成された前記糸を巻き取る巻取装置と、前記ドラフト装置の出口と前記紡績装置の出口との間の所定箇所に供給される添加剤を供給する添加剤供給装置と、前記添加剤供給装置に設けられ、前記添加剤供給装置による添加剤の供給状態に関する情報を検出する第1検出部と、前記第1検出部の検出信号に基づいて、前記添加剤供給装置の異常の有無を判断する制御装置と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、添加剤供給装置に異常がある場合、制御装置が、第1検出部の検出信号に基づいてその異常を把握し、適切な処理を行うことできるので、添加剤供給装置の異常によって糸の品質が低下することを防止することができる。
本発明において、前記制御装置は、前記添加剤供給装置に異常があると判断した場合に、前記紡績装置が紡績動作を開始する前であれば前記紡績装置の紡績動作を禁止し、前記紡績装置が紡績動作中であれば前記紡績装置の紡績動作を停止させるとよい。
これにより、添加剤が供給されない状態で不良糸が生成されるのを防止することができる。
本発明において、前記制御装置は、前記添加剤供給装置が正常に添加剤を供給していると判断した場合に、前記紡績装置に紡績動作を開始させるとよい。
これにより、紡績機は安定した品質の糸を生成することができる。
本発明において、紡績機は、前記紡績装置と前記巻取装置との間で分断している糸を糸継ぎする糸継装置をさらに備え、前記制御装置は、前記紡績装置に紡績動作を開始させた後、前記糸継装置に糸継ぎを行わせ、前記巻取装置に糸の巻き取りを開始させるとよい。
本発明では、上述のように、添加剤供給装置に異常が発生した場合でも不良糸が生成されない。したがって、糸継ぎを行う際に不良糸を除去する必要がなく、速やかに巻き取りを開始することができる。
本発明において、前記第1検出部は出力部を有し、前記制御装置と前記出力部とは電気回線を介して接続されるとよい。
これにより、第1検出部の検出信号を、出力部及び電気回線を介して制御装置に安定的に送信することが可能となる。
本発明において、前記添加剤供給装置は、添加剤を貯留する貯留槽と、前記貯留槽の内圧を調整する圧力調整装置と、を有し、前記第1検出部として、前記圧力調整装置の2次圧を検出する圧力センサが設けられているとよい。
添加剤供給装置による添加剤の供給量は、貯留槽の内圧に応じて決まる。したがって、貯留槽の内圧と略等しい圧力調整装置の2次圧を検出することで、制御装置は、添加剤の供給状態を精度よく取得することができ、ひいては、添加剤供給装置の異常の有無を精度よく判断することができる。また、圧力調整装置の2次圧を検出しているため、添加剤供給装置の異常の有無を早い段階で判断することができる。
本発明において、前記添加剤供給装置は、添加剤を貯留する貯留槽と、前記貯留槽の内圧を調整するための増圧弁を有する圧力調整装置と、を有し、前記第1検出部は、前記圧力調整装置の前記増圧弁の動きを監視するとよい。
これにより、増圧弁が動いていないと貯留槽の内圧が適切に増圧されておらず、増圧弁が動いていると貯留槽の内圧が適切に増圧されていることを直接的に検出することができる。その結果、添加剤供給装置の異常の有無を精度よく判断することができる。また、増圧弁を直接的に検出しているため、添加剤供給装置の異常の有無を早い段階で判断することができる。
前記添加剤供給装置は、添加剤を貯留する貯留槽と、前記貯留槽から添加剤を供給するための添加剤供給配管と、前記貯留槽に空気を供給する空気供給配管と、前記空気供給配管に配置された、前記貯留槽の内圧を調整する圧力調整装置と、を有し、前記第1検出部は、前記空気供給配管の前記圧力調整装置よりも空気の流れ方向において下流側の部分、及び、前記添加剤供給配管の少なくとも何れかに設けられた流量センサであるとよい。
空気供給配管の上記部分に流量センサを設け、貯留槽に供給される空気の異常の有無を判断することにより、添加剤供給装置の異常の有無を判断することができる。添加剤供給配管に流量センサを設け、添加剤供給装置から供給される添加剤の量自体の異常の有無を判断することにより、添加剤供給装置の異常の有無を判断することができる。流量センサは空気供給配管と添加剤供給配管の両方に1つずつ配置してもよい。
前記添加剤供給装置は、添加剤を貯留する貯留槽を有しており、前記第1検出部は、前記貯留槽に貯留されている添加剤の量を検出するレベルセンサであり、前記制御部は、前記レベルセンサの検出信号に基づいて、前記添加剤の量が減らない場合、前記添加剤供給装置に異常が発生していると判断するとよい。
これにより、添加剤の量が減っている場合は添加剤供給装置が正常に動作しており、添加剤の量が減っていない場合は添加剤供給装置に異常が発生していると判断することができる。
本発明において、紡績機は、糸走行方向において前記所定箇所よりも下流側で糸の状態を検出する第2検出部をさらに備えるとよい。
第2検出部で糸の不良が検出された場合に、不良の原因が添加剤供給装置の異常(添加剤が供給されない状態)に起因するか、その他の原因によるかを、従来は区別することが困難であった。しかしながら、本発明では、上述のように、添加剤供給装置の異常の有無を、第1検出部の検出信号に基づいて判断することができるので、不良の原因を特定しやすく、適切な対処を迅速に行うことが可能となる。
本発明において、前記添加剤供給装置は、添加剤の貯留量が所定量以下となったことを検出する第3検出部をさらに有するとよい。
これにより、第1検出部で添加剤の貯留量を検出する必要はなく、第1検出部を添加剤供給装置の異常の検出に集中させることができる。
本発明において、紡績機は、前記制御装置が前記添加剤供給装置に異常があると判断した場合に、前記添加剤供給装置の異常を表示する表示部をさらに備えるとよい。
これにより、オペレータが添加剤供給装置の異常を速やかに認識することができる。
本発明において、紡績機は、前記ドラフト装置、前記紡績装置及び前記巻取装置をそれぞれが有する複数の紡績ユニットを備え、前記添加剤供給装置から前記複数の紡績ユニットの前記所定箇所に添加剤を案内する案内管が設けられているとよい。
これにより、添加剤供給装置は、複数の紡績ユニットに対して1つだけ設ければよい。さらに、添加剤供給装置の異常により添加剤が供給されなくなってからも、しばらくは案内管に残っている添加剤が所定箇所に供給されるので、添加剤が供給されない状態で不良糸が生成されるのをより確実に防止することができる。
[本実施形態]
(精紡機の全体構成)
本発明の一実施形態に係る紡績機について、図面を参照しつつ説明する。図1に示す紡績機1は、所定の配列方向(図1の左右方向)に並べられた複数の紡績ユニット2と、配列方向に移動可能な糸継台車3と、配列方向の一端側に配置されたブロアボックス4と、配列方向の他端側に配置された原動機ボックス5と、を備えている。さらに、図1では図示していないが、紡績機1には、空気分配装置8及び添加剤供給装置9(図6参照)が設けられている。
(精紡機の全体構成)
本発明の一実施形態に係る紡績機について、図面を参照しつつ説明する。図1に示す紡績機1は、所定の配列方向(図1の左右方向)に並べられた複数の紡績ユニット2と、配列方向に移動可能な糸継台車3と、配列方向の一端側に配置されたブロアボックス4と、配列方向の他端側に配置された原動機ボックス5と、を備えている。さらに、図1では図示していないが、紡績機1には、空気分配装置8及び添加剤供給装置9(図6参照)が設けられている。
紡績ユニット2は、ドラフト装置11から送られてくる繊維束Tを紡績装置12で紡績して糸Yを生成し、この糸Yを巻取装置13でボビンBに巻き取ってパッケージPを形成する。糸継台車3は、何れかの紡績ユニット2において糸切れ又は糸切断が生じた場合に、その紡績ユニット2に移動して糸継ぎを行う。ブロアボックス4には、紡績ユニット2及び糸継台車3に負圧を供給するための吸引装置(図示省略)等が収容されている。原動機ボックス5には、制御装置6及び各紡績ユニット2に共通の駆動源(図示省略)等が収容されている。各紡績ユニット2は、専用の駆動源を備えていてもよい。原動機ボックス5の前面には、紡績機1の稼動状況等を表示する表示部7と、紡績機1の各種設定を行うための操作部(図示省略)と、が設けられている。
(紡績ユニット)
図2に示すように、紡績ユニット2は、繊維束T又は糸Yの走行方向(以下、「糸走行方向」と称する)の上流側から下流側へ向かって順に配置された、ドラフト装置11と、紡績装置12と、糸貯留装置14と、巻取装置13と、を主要な構成として備えている。
図2に示すように、紡績ユニット2は、繊維束T又は糸Yの走行方向(以下、「糸走行方向」と称する)の上流側から下流側へ向かって順に配置された、ドラフト装置11と、紡績装置12と、糸貯留装置14と、巻取装置13と、を主要な構成として備えている。
ドラフト装置11は、紡績機1のフレーム15の上端近傍に設けられている。ドラフト装置11は、上流側から順に、バックローラ対16、サードローラ対17、ミドルローラ対18、及び、フロントローラ対19の、4つのドラフトローラ対16〜19を有する。ミドルローラ対18の各ローラには、ゴム製のエプロンベルト20が巻き架けられている。4つのドラフトローラ対16〜19は、それぞれ、不図示の駆動装置によって回転駆動されるボトムローラ16a〜19aと、従動回転するトップローラ16b〜19bと、で構成される。ドラフトローラ対16〜19の回転速度は、スライバSの送り方向に沿って順次速くなるように設定されている。これによって、ドラフト装置11は、繊維束Tの原料であるスライバSを、ドラフトローラ対16〜19で挟み込んで搬送し、所定の太さとなるまで引き伸ばして(ドラフトして)繊維束Tを形成する。
紡績装置12は、フロントローラ対19のすぐ下流側に配置されている。紡績装置12は、ドラフト装置11でドラフトされた繊維束Tに撚りを加える紡績動作によって、糸Yを生成する。本実施形態では、紡績装置12として、旋回空気流を利用して繊維束Tに撚りを加える空気紡績装置が採用されているが、他のタイプの紡績装置を採用することももちろん可能である。紡績装置12については、後で詳細に説明する。
糸貯留装置14は、糸走行方向において紡績装置12と巻取装置13との間に配置されている。糸貯留装置14は、貯留ローラ21と、糸掛け部材22と、モータ23と、を有する。貯留ローラ21は、その外周面に一定量の糸Yを巻き付けて一時的に貯留できるように構成されており、モータ23によって回転駆動される。このとき、糸掛け部材22が糸Yを引っ掛けた状態で貯留ローラ21と一体回転することにより、貯留ローラ21に糸Yが貯留される。糸貯留装置14は、糸Yに張力を付与することによって、紡績装置12から糸Yを引き出す。ただし、紡績装置12と糸貯留装置14の間に、デリベリローラ等の引出ローラ対を設けて、引出ローラ対により紡績装置12から糸Yを引き出してもよい。この場合、糸貯留装置14は省略してもよい。
糸走行方向において紡績装置12と糸貯留装置14との間には、糸Yの状態を監視する糸監視装置24が設けられている。糸監視装置24は、走行する糸Yの太さ及び/又は異物の有無を不図示の光学式のセンサによって監視するように構成されている。これにより、糸監視装置24は、糸Yの太さに異常があること、及び/又は、糸Yに異物が含まれること等の糸欠陥を検出することができる。糸監視装置24は、光学式のセンサに限らず、例えば静電容量式のセンサであってもよい。
糸監視装置24で糸Yの糸欠陥が検出された場合、紡績ユニット2は、紡績装置12への空気の供給を停止して、糸Yの生成を中断することにより糸Yを切断する。これに代わって、糸監視装置24の近傍にカッターを配置し、当該カッターにより糸Yを切断するようにしてもよい。あるいは、ドラフト装置11のバックローラ対16の回転を停止することにより、糸Yが切断されるようにしてもよい。
巻取装置13は、糸貯留装置14の下流側に配置されており、糸Yを綾振りしながらボビンBに巻き取ってパッケージPを形成する。巻取装置13は、クレードルアーム25と、巻取ドラム26と、トラバース装置27と、を有する。
クレードルアーム25は、支軸25aを軸にして回動可能に支持されている。クレードルアーム25は、糸Yを巻き取るためのボビンB(パッケージP)を回転可能に支持することができる。巻取ドラム26は、所定の方向に一定の回転速度で回転駆動されている。クレードルアーム25は、支軸25aを軸にして回動することにより、ボビンB(パッケージP)の外周面を巻取ドラム26に対して接触又は離間させることができる。ボビンB(パッケージP)の外周面を、回転駆動される巻取ドラム26に接触させることにより、ボビンB(パッケージP)を巻取方向に従動回転させ、糸YをボビンB(パッケージP)の外周面に巻き取ることができる。
トラバース装置27は、糸Yを案内可能なトラバースガイド28を有する。トラバースガイド28は、不図示の駆動装置によって、巻取ドラム26の軸方向と平行な方向に往復移動されるように構成されている(図1参照)。巻取ドラム26を回転駆動させながら、トラバースガイド28を往復駆動することにより、糸YをトラバースしながらパッケージPに巻き取ることができる。トラバース装置27を設ける代わりに、巻取ドラム26にトラバース溝を形成し、巻取ドラム26で糸Yをトラバースするようにしてもよい。
(糸継台車)
次に、糸継台車3について説明する。糸継台車3は、複数の紡績ユニット2の配列方向に沿って自在に走行することができる。糸継台車3は、ある紡績ユニット2において糸切れ又は糸切断が発生した場合に、その紡績ユニット2まで移動し、分断している糸Yの糸継ぎを行う。図2〜図4に示すように、糸継台車3は、糸継装置30と、サクションパイプ31と、サクションマウス32と、逆回転ローラ33と、を有する。
次に、糸継台車3について説明する。糸継台車3は、複数の紡績ユニット2の配列方向に沿って自在に走行することができる。糸継台車3は、ある紡績ユニット2において糸切れ又は糸切断が発生した場合に、その紡績ユニット2まで移動し、分断している糸Yの糸継ぎを行う。図2〜図4に示すように、糸継台車3は、糸継装置30と、サクションパイプ31と、サクションマウス32と、逆回転ローラ33と、を有する。
サクションパイプ31は、軸31aを中心に上下方向に回動可能に構成されている。サクションパイプ31は、図3に示すように、上方に回動することによって、サクションパイプ31の先端が紡績装置12の下流側近傍に位置し、紡績装置12から紡出される糸(上糸)Yを吸い込んで吸引保持することができる。さらに、サクションパイプ31は、図4に示すように、紡績装置12から紡出される上糸Yを吸引保持した状態で下方に回動することで、上糸Yを糸継装置30に案内することができる。
サクションマウス32は、軸32aを中心に上下方向に回動可能に構成されている。サクションマウス32は、図3に示すように、下方に回動することによって、サクションマウス32の先端がパッケージPの外周面近傍に位置し、パッケージPから引き出される糸(下糸)Yを吸い込んで吸引保持することができる。さらに、サクションマウス32は、図4に示すように、パッケージPから引き出される下糸Yを吸引保持した状態で上方に回動することで、下糸Yを糸継装置30に案内することができる。
逆回転ローラ33は、巻取ドラム26に対して逆方向に回転駆動される。図3に示すように、巻取ドラム26から離間したパッケージPに逆回転ローラ33を接触させることで、パッケージPを巻取方向とは逆方向の引出方向に回転させることができる。パッケージPを引出方向に回転させることで、サクションマウス32でパッケージPに巻き付いている下糸Yの糸端を吸引し、糸継装置30に案内することができる。
糸継装置30は、糸Yが分断している場合に、図4に示すように、サクションパイプ31によって案内される紡績装置12側の上糸Yと、サクションマウス32によって案内される巻取装置13側の下糸Yと、を糸継ぎする。本実施形態では、糸継装置30として、旋回空気流によって上糸Yと下糸Yの糸端同士に撚りを加えて継ぎ目を形成するスプライサーが用いられている。糸継装置30はスプライサーに限らず、例えば、上糸Yと下糸Yとを結ぶノッター、又は、下糸Yを紡績装置12に案内し、紡績装置12の紡績を再開することにより上糸Yと下糸Yとをつなぐピーサーでもよい。
(紡績装置)
図5に示すように、紡績装置12は、繊維ガイド41と、スピンドル(中空ガイド軸体)42と、ノズルブロック43と、紡績室44と、を有する。図5の上下方向が糸走行方向(黒塗りの矢印参照)であり、上側が糸走行方向の上流側、下側が糸走行方向の下流側である。
図5に示すように、紡績装置12は、繊維ガイド41と、スピンドル(中空ガイド軸体)42と、ノズルブロック43と、紡績室44と、を有する。図5の上下方向が糸走行方向(黒塗りの矢印参照)であり、上側が糸走行方向の上流側、下側が糸走行方向の下流側である。
繊維ガイド41は、ドラフト装置11でドラフトされた繊維束Tを紡績室44へ導く。繊維ガイド41には、糸走行方向に沿って繊維導入路41aが形成されており、繊維導入路41aによって繊維束Tが紡績室44へと案内される。繊維ガイド41には、繊維束Tを沿わせて案内するガイドニードル41bが、紡績室44の内部に突出するように設けられている。
スピンドル42は、紡績室44で撚られた繊維束T、すなわち、紡績糸Yを糸監視装置24へと案内する。スピンドル42には、糸走行方向に沿って繊維通路42aが形成されており、繊維通路42aによって紡績糸Yが糸監視装置24へと案内される。
ノズルブロック43は、後述の空気分配装置8から送られる空気を紡績室44へ導く。ノズルブロック43には、略円錐形状の収容空間43aが形成されており、収容空間43aに略円錐形状のスピンドル42の先端部が収容される。ノズルブロック43には、紡績室44の周りに複数のノズル43bが形成されている。複数のノズル43bから紡績室44に空気が噴射されることにより、紡績室44に旋回空気流を発生させることができる(図5の白塗り矢印参照)。
紡績室44は、繊維ガイド41と、スピンドル42と、ノズルブロック43と、によって囲まれた空間である。詳細には、紡績室44は、繊維ガイド41とスピンドル42との間に形成される空間44aと、スピンドル42とノズルブロック43との間に形成される空間44bと、に分けられる。空間44aでは、繊維束Tを構成する各繊維の後端部が、旋回空気流によって反転される(図5の二点鎖線参照)。空間44bでは、反転された各繊維の後端部が、旋回空気流によって旋回される(図5の二点鎖線参照)。
紡績装置12では、ガイドニードル41bに沿って導かれた繊維束Tを構成する各繊維の後端部が、紡績室44で旋回されて、次々と中心部の繊維に巻き付いていく。このように、紡績装置12は、旋回空気流を利用して繊維束Tを撚ることで、紡績糸Yを生成する(紡績動作)。紡績装置12には、繊維ガイド41にガイドニードル41bが設けられていなくてもよい。この場合、繊維ガイド41の下流端のエッジが、ガイドニードル41bの機能を果たす。
(空気分配装置)
次に、図6を参照しつつ、紡績機1が備える空気分配装置8及び添加剤供給装置9の構成について説明する。図6に示す矢印は、空気の流れ方向を示している。
次に、図6を参照しつつ、紡績機1が備える空気分配装置8及び添加剤供給装置9の構成について説明する。図6に示す矢印は、空気の流れ方向を示している。
空気分配装置8は、第1空気配管81と、複数の第1分配管82と、第2空気配管83と、複数の第2分配管84と、を有する。紡績機1が設置された紡績設備には、空気を加圧して送り出す空気圧送装置80が設けられており、空気圧送装置80から空気分配装置8に空気が圧送される。空気圧送装置80が圧送した空気の圧力は、圧力調整弁85によって調整される。
第1空気配管81は、複数の紡績ユニット2の配列方向に沿って延びており、空気圧送装置80が圧送した空気を各紡績ユニット2に案内する。第1空気配管81の上流側の端部には、開閉弁86が設けられている。第1分配管82は、第1空気配管81に流れる空気を分岐させて各紡績ユニット2の紡績装置12に案内する。第1分配管82の上流側の端部は、第1空気配管81の途中部に接続されており、第1分配管82の下流側の端部は、紡績装置12のノズル43bに接続されている。第1分配管82によって紡績装置12へ送られる空気の流量は、第1分配管82の途中部に配置された流量調整弁87によって調整される。
第2空気配管83は、複数の紡績ユニット2の配列方向に沿って延びており、空気圧送装置80が圧送した空気を各紡績ユニット2に案内する。第2空気配管83の上流側の端部には、開閉弁88が設けられている。第2分配管84は、第2空気配管83に流れる空気を分岐させて各紡績ユニット2の紡績装置12に案内する。第2分配管84の上流側の端部は、第2空気配管83の途中部に接続されており、第2分配管84の下流側の端部は、紡績装置12のノズル43bに接続されている。第2分配管84によって紡績装置12へ送られる空気の流量は、第2分配管84の途中部に配置された流量調整弁89によって調整される。
このように、空気分配装置8は、空気圧送装置80から圧送された空気を、第1空気配管81又は第2空気配管83を介して紡績装置12へ供給することができる。空気分配装置8において、第2空気配管83を省略してもよいし、3つ以上の空気配管を設けるようにしてもよい。
(添加剤供給装置)
添加剤供給装置9は、分岐配管(空気供給配管)91と、圧力調整装置92と、貯留槽93と、供給配管(添加剤供給配管)94と、圧力センサ96と、を有する。
添加剤供給装置9は、分岐配管(空気供給配管)91と、圧力調整装置92と、貯留槽93と、供給配管(添加剤供給配管)94と、圧力センサ96と、を有する。
分岐配管91は、第1空気配管81に流れる空気を分岐させて貯留槽93へ案内する。分岐配管91の上流側の端部は、第1空気配管81の途中部に接続されており、分岐配管91の下流側の端部は、貯留槽93に接続されている。分岐配管91によって貯留槽93に送られる空気の流量は、分岐配管91の途中部に配置された流量調整弁95によって調整される。
圧力調整装置92は、分岐配管91の途中部に配置されており、貯留槽93に送られる空気の圧力を調整する。すなわち、圧力調整装置92によって、貯留槽93の内圧が調整される。圧力調整装置92は、摺動ピストンを駆動させることで空気を加圧する増圧弁等から構成される。あるいは、圧力調整装置92は、モータを駆動させることで空気を加圧する電動コンプレッサでもよい。圧力調整装置92の動作は、制御装置6によって制御される。
圧力センサ96は、分岐配管91の途中部に配置されており、具体的には、圧力調整装置92よりも空気の流れ方向において下流側に配置されている。圧力センサ96は、圧力調整装置92の2次圧を検出するように構成されている。圧力センサ96は、電気回線97を接続するための出力部96aを有する。電気回線97の一端部は出力部96aに接続され、電気回線97の他端部は制御装置6と接続される。制御装置6は、出力部96a及び電気回線97を介して圧力センサ96からの検出信号を受信することによって、添加剤供給装置9による添加剤の供給状態を取得し、添加剤供給装置9の異常の有無を判断することができる。
貯留槽93は、液状の添加剤を貯留する容器である。貯留槽93では、液状の添加剤がミスト化される。貯留槽93の内圧に応じて、ミスト化された添加剤が供給配管94を介して第1空気配管81に供給される。貯留槽93には、添加剤の貯留量を検出するレベルセンサ98が設けられている。制御装置6は、レベルセンサ98からの検出信号を受信することによって、添加剤の貯留量を取得する。
供給配管94は、貯留槽93でミスト化された添加剤を第1空気配管81に案内する。供給配管94の上流側の端部は、貯留槽93に接続されている。供給配管94の下流側の端部は、第1空気配管81に接続されている。具体的には、第1空気配管81の空気の流れ方向において、分岐配管91との接続部、供給配管94との接続部、最も上流側の第1分配管82との接続部が順に配置されている。
このように、添加剤供給装置9は、貯留槽93に貯留された添加剤を、空気分配装置8を介して各紡績装置12に供給することができる。本実施形態では、開閉弁86を開弁し、開閉弁88を閉弁することで、第1空気配管81のみを用いて各紡績装置12へ空気を供給することができる。これにより、添加剤を含む空気のみを各紡績装置12に供給することが可能となる。一方、開閉弁86を閉弁し、開閉弁88を開弁することで、第2空気配管83のみを用いて各紡績装置12へ空気を供給することができる。これにより、添加剤を含まない空気のみを各紡績装置12に供給することが可能となる。この場合、制御装置6は、後述する添加剤供給装置9の異常の有無の判断は行わない。
本実施形態では、添加剤供給装置9により供給される添加剤として、油剤の堆積を防止する堆積防止剤を用いている。繊維束Tに含まれている油剤が、紡績装置12のスピンドル42の先端部に付着して堆積すると、繊維束Tの繊維の旋回が阻害されて撚りが弱くなり、紡績糸Yの品質を低下させるおそれがある。堆積防止剤をノズル43bを介して紡績室44に供給することで、スピンドル42の先端部に堆積防止剤の被膜を形成することができ、スピンドル42の先端部に油剤が堆積することを防止することができる。
(添加剤供給装置の異常時の制御)
上述のように、本実施形態の紡績機1では、添加剤供給装置9に、圧力調整装置92の2次圧、すなわち、貯留槽93の内圧を検出する圧力センサ96が設けられている。貯留槽93でミスト化された添加剤は、貯留槽93の内圧に応じて供給される。添加剤供給装置9に何らかの異常が生じて、添加剤を適切に供給できていない場合には、貯留槽93の内圧が異常値を示す。したがって、制御装置6は、圧力センサ96の検出信号を受信することで、添加剤供給装置9の異常の有無(添加剤の供給の有無)を判断することができる。具体的には、制御装置6は、圧力センサ96による検出圧力が所定の閾値未満の場合に、添加剤供給装置9に異常が発生している(添加剤が供給されていない又は添加剤の供給量が過少)と判断し、検出圧力が閾値以上の場合に、添加剤供給装置9に異常は発生していない(添加剤が適切に供給されている)と判断する。当該閾値として、例えば、紡績機1が紡績する繊維束Tの種類に応じて異なる値が設定されるようになっていてもよい。
上述のように、本実施形態の紡績機1では、添加剤供給装置9に、圧力調整装置92の2次圧、すなわち、貯留槽93の内圧を検出する圧力センサ96が設けられている。貯留槽93でミスト化された添加剤は、貯留槽93の内圧に応じて供給される。添加剤供給装置9に何らかの異常が生じて、添加剤を適切に供給できていない場合には、貯留槽93の内圧が異常値を示す。したがって、制御装置6は、圧力センサ96の検出信号を受信することで、添加剤供給装置9の異常の有無(添加剤の供給の有無)を判断することができる。具体的には、制御装置6は、圧力センサ96による検出圧力が所定の閾値未満の場合に、添加剤供給装置9に異常が発生している(添加剤が供給されていない又は添加剤の供給量が過少)と判断し、検出圧力が閾値以上の場合に、添加剤供給装置9に異常は発生していない(添加剤が適切に供給されている)と判断する。当該閾値として、例えば、紡績機1が紡績する繊維束Tの種類に応じて異なる値が設定されるようになっていてもよい。
図7を参照しつつ、複数の紡績ユニット2の紡績動作中に、添加剤供給装置9に異常が発生した場合の制御について説明する。制御装置6は、圧力センサ96による検出圧力が閾値未満であると、添加剤供給装置9に異常が発生したと判断し(ステップS101でYES)、複数の紡績ユニット2の紡績動作を停止させるとともに、添加剤供給装置9の異常を表示部7に表示する(ステップS102)。添加剤供給装置9の異常を表示部7に表示することで、オペレータに添加剤供給装置9の異常を知らせるとともに、適切な処置を促す。紡績動作が停止している状態では、パッケージPの巻取動作も停止している。
制御装置6は、添加剤供給装置9に異常が発生したと判断してからも、継続的に圧力センサ96の検出信号を受信する。制御装置6は、圧力センサ96による検出圧力が閾値以上になると、添加剤供給装置9の異常が解消されたと判断し(ステップS103でYES)、複数の紡績ユニット2を起動して紡績動作を再開させる(ステップS104)。各紡績ユニット2では、ステップS102において紡績動作を停止させた際に、糸Yが分断された状態となっているので、続いて、制御装置6は、糸継台車3に糸継ぎを行わせてから(ステップS105)、巻取装置13に糸Yの巻き取りを開始させる(ステップS106)。
制御装置6は、紡績機1の稼動中ではなく、紡績機1が起動される前(複数の紡績ユニット2が紡績動作を開始する前)であれば、添加剤供給装置9に異常が発生していると判断した場合に、複数の紡績ユニット2の紡績動作を禁止する。
(効果)
本実施形態の紡績機1では、添加剤供給装置9による添加剤の供給状態に関する情報(本実施形態では貯留槽93の内圧)を検出する第1検出部(本実施形態では圧力センサ96)が設けられている。したがって、添加剤供給装置9に異常がある場合、制御装置6が、第1検出部96の検出信号に基づいてその異常を取得し、適切な処理を行うことできるので、添加剤供給装置9の異常によって糸Yの品質が低下することを防止することができる。
本実施形態の紡績機1では、添加剤供給装置9による添加剤の供給状態に関する情報(本実施形態では貯留槽93の内圧)を検出する第1検出部(本実施形態では圧力センサ96)が設けられている。したがって、添加剤供給装置9に異常がある場合、制御装置6が、第1検出部96の検出信号に基づいてその異常を取得し、適切な処理を行うことできるので、添加剤供給装置9の異常によって糸Yの品質が低下することを防止することができる。
本実施形態では、制御装置6は、添加剤供給装置9に異常があると判断した場合に、紡績装置12が紡績動作を開始する前であれば紡績装置12の紡績動作を禁止し、紡績装置12が紡績動作中であれば紡績装置12の紡績動作を停止させる。これにより、添加剤が供給されない状態で不良糸が生成されるのを防止することができる。
本実施形態では、制御装置6は、添加剤供給装置9が正常に添加剤を供給していると判断した場合に、紡績装置12に紡績動作を開始させる。これにより、紡績機1は安定した品質の糸Yを生成することができる。
本実施形態では、制御装置6は、紡績装置12に紡績動作を開始させた後、糸継装置30に糸継ぎを行わせ、巻取装置13に糸Yの巻き取りを開始させる。上述のように、添加剤供給装置9に異常が発生した場合でも不良糸が生成されないので、糸継ぎを行う際に不良糸を除去する必要がなく、速やかに巻き取りを開始することができる。
本実施形態では、第1検出部96は出力部96aを有し、制御装置6と出力部96aとは電気回線97を介して接続されている。したがって、第1検出部96の検出信号を、出力部96a及び電気回線97を介して制御装置6に安定的に送信することが可能となる。
本実施形態では、添加剤供給装置9は、添加剤を貯留する貯留槽93と、貯留槽93の内圧を調整する圧力調整装置92と、を有し、第1検出部として、圧力調整装置92の2次圧を検出する圧力センサ96が設けられている。添加剤供給装置9による添加剤の供給量は、貯留槽93の内圧に応じて決まる。したがって、貯留槽93の内圧と略等しい圧力調整装置92の2次圧を検出することで、制御装置6は、添加剤の供給状態を精度よく取得することができ、ひいては、添加剤供給装置9の異常の有無を精度よく判断することができる。また、圧力調整装置92の2次圧を検出しているため、添加剤供給装置9の異常の有無を早い段階で判断することができる。
本実施形態では、紡績機1(各紡績ユニット2)は、添加剤が供給される所定箇所(本実施形態ではノズル43b)よりも糸走行方向の下流側で糸Yの状態を検出する第2検出部(本実施形態では糸監視装置24)を備えている。第2検出部24で糸Yの不良が検出された場合に、不良の原因が添加剤供給装置9の異常(添加剤が供給されない状態)に起因するか、その他の原因によるかを、従来は区別することが困難であった。しかしながら、本実施形態では、上述のように、添加剤供給装置9の異常の有無を、第1検出部96の検出信号に基づいて判断することができるので、不良の原因を特定しやすく、適切な対処を迅速に行うことが可能となる。
本実施形態では、添加剤供給装置9は、第1検出部96とは別に、添加剤の貯留量が所定量以下となったことを検出する第3検出部(本実施形態ではレベルセンサ98)を備えている。これにより、第1検出部96で添加剤の貯留量を検出する必要はなく、第1検出部96を添加剤供給装置9の異常の検出に集中させることができる。
本実施形態では、制御装置6が添加剤供給装置9に異常があると判断した場合に、添加剤供給装置9の異常を表示する表示部7が設けられている。これにより、オペレータが添加剤供給装置9の異常を速やかに認識することができる。
本実施形態では、添加剤供給装置9から複数の紡績ユニット2の所定箇所に添加剤を案内する案内管(本実施形態では第1空気配管81及び複数の第1分配管82)が設けられているので、添加剤供給装置9は、複数の紡績ユニット2に対して1つだけ設ければよい。さらに、添加剤供給装置9の異常により添加剤が供給されなくなってからも、しばらくは案内管81、82に残っている添加剤が所定箇所に供給されるので、添加剤が供給されない状態で不良糸が生成されるのをより確実に防止することができる。
[他の実施形態]
上記実施形態に種々の変更を加えた変形例について説明する。
上記実施形態に種々の変更を加えた変形例について説明する。
上記実施形態では、第1検出部としての圧力センサ96が、分岐配管91に配置されているが、この配置に限定されない。圧力センサ96を貯留槽93に配置してもよい。また、圧力センサ96により、圧力調整装置92の1次圧と2次圧との差圧を検出するようにしてもよい。
上記実施形態では、添加剤供給装置9による添加剤の供給状態に関する情報を検出する第1検出部として圧力センサ96が設けられている。しかしながら、第1検出部の具体的な構成は、上記圧力センサ96に限定されない。例えば、第1検出部は、圧力調整装置92の増圧弁の動き(摺動ピストンの動き)を直接監視することで、添加剤の供給状態に関する情報を検出してもよい。この場合、増圧弁が動いていないと貯留槽93の内圧が適切に増圧されておらず、増圧弁が動いていると貯留槽93の内圧が適切に増圧されていることを直接的に検出することができる。その結果、添加剤供給装置9の異常の有無を精度よく判断することができる。また、増圧弁を直接的に検出しているため、添加剤供給装置9の異常の有無を早い段階で判断することができる。
あるいは、分岐配管(空気供給配管)91(具体的には圧力調整装置92よりも空気の流れ方向において下流側の部分)又は供給配管(添加剤供給配管)94に流量センサを配置し、この流量センサを第1検出部として利用してもよい。分岐配管91の上記部分に流量センサを設け、貯留槽93に供給される空気の異常の有無を判断することにより、添加剤供給装置9の異常の有無を判断することができる。供給配管94に流量センサを設け、添加剤供給装置9から供給される添加剤の量自体の異常の有無を判断することにより、添加剤供給装置9の異常の有無を判断することができる。流量センサは分岐配管91と供給配管94の両方に1つずつ配置してもよい。
あるいは、レベルセンサ98を第1検出部として利用し、レベルセンサ98の検出信号が、添加剤が消費されていないことを示している場合に、添加剤供給装置9に異常が発生していると判断してもよい。これにより、添加剤の量が減っている場合は添加剤供給装置9が正常に動作しており、添加剤の量が減っていない場合は添加剤供給装置9に異常が発生していると判断することができる。
上記実施形態では、添加剤供給装置9により供給される添加剤に堆積防止剤を用いたが、添加剤は堆積防止剤に限定されない。例えば、添加剤として、抗菌機能、防臭機能及び/又は消臭機能を糸Yに付与する薬剤、ワックス、あるいは、水等を用いてもよい。
上記実施形態では、添加剤を紡績装置12のノズル43bに供給しているが、添加剤が供給される所定箇所は、ドラフト装置11の出口と紡績装置12の出口との間の他の箇所でも構わない。例えば、ドラフト装置11のフロントローラ対19の出口と紡績装置12の入口との間で添加剤を繊維束Tに供給するようにしてもよいし、スピンドル42にノズルが形成されている場合には、このノズルに添加剤を供給するようにしてもよい。
上記実施形態では、紡績装置12が紡績動作中のときのみ添加剤が供給されているが、紡績動作中以外のときにも、添加剤が供給されるようにしてもよい。例えば、紡績装置12のクリーニングに用いられる薬剤を添加剤として使用する場合には、クリーニング中のみ添加剤を供給し、紡績動作が開始されたら添加剤の供給を停止してもよい。あるいは、紡績動作の中断時には紡績室44が外気に開放される(ノズルブロック43とスピンドル42が離間する)ようにし、この状態で添加剤の供給を継続してもよい。
上記実施形態では、制御装置6は、圧力センサ96による検出圧力が閾値未満の場合に、添加剤供給装置9に異常が発生していると判断している。複数の紡績ユニット2の起動時には、各紡績ユニット2が順番に起動され、起動済みの紡績ユニット2の数に応じて、添加剤の供給量を変化させる場合がある。この場合、圧力調整装置92を間欠動作させ、起動済みの紡績ユニット2の数に応じてデューティー比を調整することで、添加剤の供給量を調整することがある。このとき、圧力センサ96の検出圧力が閾値を1回下回っただけで異常と判定するのではなく、検出圧力が所定時間連続で閾値未満の場合に異常と判定するようにしてもよい。
上記実施形態では、第1検出部96と制御装置6とが、電気回線97で接続されている。しかしながら、第1検出部96と制御装置6とが、無線によって通信可能に接続されていてもよい。
上記実施形態では、添加剤供給装置9が複数の紡績ユニット2に対して1つだけ設けられている。しかしながら、添加剤供給装置9を各紡績ユニット2に対して設けてもよいし、所定数の紡績ユニット2ごとに1つずつ設けるようにしてもよい。
上記実施形態では、原動機ボックス5に収容された制御装置6によって各処理が行われている。しかしながら、各処理又は一部の処理を、他の制御装置(例えば、紡績ユニット2を制御するユニット制御装置)に行わせるようにしてもよい。
上記実施形態では、添加剤供給装置9の異常を表示部7に表示した。しかし、表示部7に代えて、紡績機1に設けられた表示ランプを点灯又は点滅させることにより、添加剤供給装置9の異常を表示してもよい。あるいは、各紡績ユニット2に設けられた表示部に添加剤供給装置9の異常を表示してもよい。
上記実施形態では、紡績機1が1つの糸継台車3を備えているが、紡績ユニット2の数に応じて複数の糸継台車3を備えていてもよい。あるいは、各紡績ユニット2が、糸継装置30と、サクションパイプ31と、サクションマウス32と、を備えていてもよい。
上記実施形態では、糸走行方向が紡績機1の上から下に向かっている。しかし、糸走行方向が紡績機1の下から上に向かうように各装置を配置してもよい。
1:紡績機
2:紡績ユニット
6:制御装置
7:表示部
9:添加剤供給装置
11:ドラフト装置
12:紡績装置
13:巻取装置
24:糸監視装置(第2検出部)
30:糸継装置
81:第1空気配管(案内管)
82:第1分配管(案内管)
92:圧力調整装置
93:貯留槽
96:圧力センサ(第1検出部)
96a:出力部
97:電気回線
98:レベルセンサ(第3検出部)
T:繊維束
Y:糸
2:紡績ユニット
6:制御装置
7:表示部
9:添加剤供給装置
11:ドラフト装置
12:紡績装置
13:巻取装置
24:糸監視装置(第2検出部)
30:糸継装置
81:第1空気配管(案内管)
82:第1分配管(案内管)
92:圧力調整装置
93:貯留槽
96:圧力センサ(第1検出部)
96a:出力部
97:電気回線
98:レベルセンサ(第3検出部)
T:繊維束
Y:糸
Claims (13)
- 繊維束をドラフトするドラフト装置と、
前記ドラフト装置でドラフトされた前記繊維束に空気流にて撚りを与える紡績動作によって糸を生成する紡績装置と、
前記紡績装置で生成された前記糸を巻き取る巻取装置と、
前記ドラフト装置の出口と前記紡績装置の出口との間の所定箇所に供給される添加剤を供給する添加剤供給装置と、
前記添加剤供給装置に設けられ、前記添加剤供給装置による添加剤の供給状態に関する情報を検出する第1検出部と、
前記第1検出部の検出信号に基づいて、前記添加剤供給装置の異常の有無を判断する制御装置と、
を備えることを特徴とする紡績機。 - 前記制御装置は、前記添加剤供給装置に異常があると判断した場合に、前記紡績装置が紡績動作を開始する前であれば前記紡績装置の紡績動作を禁止し、前記紡績装置が紡績動作中であれば前記紡績装置の紡績動作を停止させることを特徴とする請求項1に記載の紡績機。
- 前記制御装置は、前記添加剤供給装置が正常に添加剤を供給していると判断した場合に、前記紡績装置に紡績動作を開始させることを特徴とする請求項1又は2に記載の紡績機。
- 前記紡績装置と前記巻取装置との間で分断している糸を糸継ぎする糸継装置をさらに備え、
前記制御装置は、前記紡績装置に紡績動作を開始させた後、前記糸継装置に糸継ぎを行わせ、前記巻取装置に糸の巻き取りを開始させることを特徴とする請求項3に記載の紡績機。 - 前記第1検出部は出力部を有し、前記制御装置と前記出力部とは電気回線を介して接続されることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の紡績機。
- 前記添加剤供給装置は、
添加剤を貯留する貯留槽と、
前記貯留槽の内圧を調整する圧力調整装置と、を有し、
前記第1検出部として、前記圧力調整装置の2次圧を検出する圧力センサが設けられていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の紡績機。 - 前記添加剤供給装置は、
添加剤を貯留する貯留槽と、
前記貯留槽の内圧を調整するための増圧弁を有する圧力調整装置と、を有し、
前記第1検出部は、前記圧力調整装置の前記増圧弁の動きを監視することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の紡績機。 - 前記添加剤供給装置は、
添加剤を貯留する貯留槽と、
前記貯留槽から添加剤を供給するための添加剤供給配管と、
前記貯留槽に空気を供給する空気供給配管と、
前記空気供給配管に配置された、前記貯留槽の内圧を調整する圧力調整装置と、を有し、
前記第1検出部は、前記空気供給配管の前記圧力調整装置よりも空気の流れ方向において下流側の部分、及び、前記添加剤供給配管の少なくとも何れかに設けられた流量センサであることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の紡績機。 - 前記添加剤供給装置は、添加剤を貯留する貯留槽を有しており、
前記第1検出部は、前記貯留槽に貯留されている添加剤の量を検出するレベルセンサであり、
前記制御部は、前記レベルセンサの検出信号に基づいて、前記添加剤の量が減らない場合、前記添加剤供給装置に異常が発生していると判断することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の紡績機。 - 糸走行方向において前記所定箇所よりも下流側で糸の状態を検出する第2検出部をさらに備えることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の紡績機。
- 前記添加剤供給装置は、添加剤の貯留量が所定量以下となったことを検出する第3検出部をさらに有することを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の紡績機。
- 前記制御装置が前記添加剤供給装置に異常があると判断した場合に、前記添加剤供給装置の異常を表示する表示部をさらに備えることを特徴とする請求項1〜11の何れか1項に記載の紡績機。
- 前記ドラフト装置、前記紡績装置及び前記巻取装置をそれぞれが有する複数の紡績ユニットを備え、
前記添加剤供給装置から前記複数の紡績ユニットの前記所定箇所に添加剤を案内する案内管が設けられていることを特徴とする請求項1〜12の何れか1項に記載の紡績機。
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2018
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- 2018-04-06 EP EP18166108.3A patent/EP3388563B1/en active Active
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7471915B2 (ja) | 2019-05-24 | 2024-04-22 | ザウラー スピニング ソリューションズ ゲー・エム・ベー・ハー ウント コー. カー・ゲー | 糸および/またはスライバを取り扱うために必要な空気流を監視するための方法、および紡績機ユニット |
Also Published As
Publication number | Publication date |
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CN108691046B (zh) | 2022-05-31 |
EP3388563A1 (en) | 2018-10-17 |
EP3388563B1 (en) | 2021-12-29 |
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