JP2022027203A - ドラフト装置及び紡績ユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】周期的なドラフトムラによる影響を抑制でき、高品質の紡績糸を紡績できる繊維束を供給できるドラフト装置を提供する。
【解決手段】ドラフト装置3は、スライバSをドラフトして繊維束Fを生成する。当該ドラフト装置3は、複数のドラフトローラ対を備える。複数のドラフトローラ対は、スライバSをドラフトするために用いられる。ドラフト装置3において、紡績糸Yの通常紡績のために繊維束Fを生成して供給するとき、スライバSをドラフトするトータルドラフト比が所定値に維持される。複数のドラフトローラ対におけるトータルドラフト比に影響しないドラフトローラ対のうち、少なくとも1つのドラフトローラ対の回転速度が周期的に変動する。
【選択図】図2
【解決手段】ドラフト装置3は、スライバSをドラフトして繊維束Fを生成する。当該ドラフト装置3は、複数のドラフトローラ対を備える。複数のドラフトローラ対は、スライバSをドラフトするために用いられる。ドラフト装置3において、紡績糸Yの通常紡績のために繊維束Fを生成して供給するとき、スライバSをドラフトするトータルドラフト比が所定値に維持される。複数のドラフトローラ対におけるトータルドラフト比に影響しないドラフトローラ対のうち、少なくとも1つのドラフトローラ対の回転速度が周期的に変動する。
【選択図】図2
Description
本発明は、主として、スライバをドラフトして繊維束を生成するドラフト装置に関する。
従来から、スライバをドラフトして生成された繊維束を紡績することで糸を生成する紡績機が知られている。特許文献1は、この種の紡績機である繊維機械において、糸の太さの変動を検出するセンサを備える構成を開示する。センサの検出結果に基づいて、糸に生じる周期斑が検出され、異常部位が特定される。
具体的に説明すると、特許文献1の繊維機械は、ドラフト装置におけるドラフト比を変化させることができる。繊維束に現れる周期斑の発生周期は、ドラフト比に応じて変化する。特許文献1の繊維機械で、ドラフト比を変化させて周期斑の発生要因を検査することで、周期斑の発生要因が存在するおそれがある範囲を限定することができる。従って、複数の要因が重なって周期斑が生じている場合であっても、周期斑の発生要因を特定する際の煩わしさを低減することができる。
特許文献1は周期ムラの発生要因の特定について述べているものの、特に部品の異常等がなくても周期ムラが生じる場合もあり得る。この場合に、周期ムラが繊維束の太さに影響して紡績糸の品質を低下させる場合があり、改善の余地が残されていた。
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、周期的なドラフトムラによる影響を抑制しつつ繊維束を供給でき、紡績糸の高品質化に寄与できるドラフト装置を提供することにある。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
本発明の第1の観点によれば、以下の構成のドラフト装置が提供される。即ち、このドラフト装置は、スライバをドラフトして繊維束を生成する。当該ドラフト装置は、複数のドラフトローラ対を備える。前記複数のドラフトローラ対は、前記スライバをドラフトするために用いられる。前記ドラフト装置において、糸の通常紡績のために前記繊維束を生成して供給するとき、前記スライバをドラフトするトータルドラフト比が一定に維持される。前記複数のドラフトローラ対における前記トータルドラフト比に影響しないドラフトローラ対のうち、少なくとも1つの前記ドラフトローラ対の回転速度が周期的に変動する。
これにより、周期的なドラフトムラの発生タイミングを、回転速度の周期的な変動によりズラすことができる。この結果、複数のドラフトローラ対によるドラフトムラの発生を分散させることができ、ドラフトムラによる繊維束の品質への影響を抑制することができる。
前記のドラフト装置は、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記複数のドラフトローラ対は、第1ドラフトローラ対と、第2ドラフトローラ対と、第3ドラフトローラ対と、第4ドラフトローラ対と、を含む。糸の通常紡績のために前記繊維束を生成して供給するとき、前記第1ドラフトローラ対及び前記第4ドラフトローラ対の回転速度が何れも一定に維持されている。前記第2ドラフトローラ対及び前記第3ドラフトローラ対のうち、少なくとも1つのドラフトローラ対の回転速度が周期的に変動する。
このように、繊維束の太さへの影響が相対的に小さいドラフトローラ対の回転速度を周期的に変動させることで、より品質が良い繊維束を生成することができる。
前記のドラフト装置においては、糸の通常紡績のために前記繊維束を生成して供給するとき、前記第2ドラフトローラ対及び前記第3ドラフトローラ対のうち、1つのドラフトローラ対の回転速度のみが周期的に変動することが好ましい。
これにより、ドラフトローラ対の回転速度を周期的に変動させる制御が簡単になる。また、第2ドラフトローラ対の周速度と第3ドラフトローラ対の周速度との比に敏感な性質を有する繊維束を生成する場合に、周期ムラを効果的に抑制できる。
前記のドラフト装置は、以下の構成とすることが好ましい。即ち、糸の通常紡績のために前記繊維束を生成して供給するとき、前記第2ドラフトローラ対及び前記第3ドラフトローラ対のそれぞれの回転速度が周期的に変動し、この結果、前記第2ドラフトローラ対と前記第3ドラフトローラ対との回転速度の比が所定範囲内で変動する。
これにより、複数のドラフトローラ対によるドラフトムラの発生を良好に分散させることができる。また、第2ドラフトローラ対の周速度と第3ドラフトローラ対の周速度との比に敏感な性質を有する繊維束を生成する場合に、周期ムラを効果的に抑制できる。
前記のドラフト装置は、以下の構成とすることが好ましい。即ち、糸の通常紡績のために前記繊維束を生成して供給するとき、前記第2ドラフトローラ対及び前記第3ドラフトローラ対のそれぞれの回転速度が、前記第2ドラフトローラ対と前記第3ドラフトローラ対との回転速度の比を一定に維持しつつ、周期的に変動する。
これにより、複数のドラフトローラ対によるドラフトムラの発生を分散させることができる。また、第2ドラフトローラ対の周速度と第3ドラフトローラ対の周速度に敏感な性質を有する繊維束を生成する場合に、周期ムラを効果的に抑制できる。
前記のドラフト装置は、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記ドラフト装置は、設定部を備える。前記設定部は、前記繊維束を紡績して糸を生成する通常紡績の紡績条件に基づいて、前記ドラフトローラ対の回転速度を変動させるための変動情報を設定する。前記設定部により設定された前記変動情報に従って、前記ドラフトローラ対の回転速度を周期的に変動させる。
これにより、ドラフトローラ対の回転速度の変動情報を、紡績条件に応じて自動的に設定することができる。
前記のドラフト装置において、前記設定部は、前記紡績条件に基づいて、回転速度を変動させる対象の前記ドラフトローラ対を、前記変動情報とともに設定することが好ましい。
これにより、周期ムラの抑制のために回転速度が変動するドラフトローラ対を、紡績条件に応じて自動的に設定することができる。
本発明の第2の観点によれば、以下の構成の紡績ユニットが提供される。即ち、この紡績ユニットは、前記ドラフト装置と、紡績装置と、を備える。前記紡績装置は、前記ドラフト装置から供給された繊維束を紡績して糸を生成する。
これにより、高品質の糸を安定して生成することができる。
前記の紡績ユニットは、以下の構成とすることが好ましい。即ち、この紡績ユニットは、糸監視装置を備える。前記糸監視装置は、前記糸の状態を監視する。前記ドラフト装置は、設定部を備える。前記設定部は、前記糸の通常紡績の紡績条件に基づいて、前記ドラフトローラ対の回転速度を変動させるための変動情報を設定する。前記紡績条件と前記変動情報との対応情報は、前記糸の通常紡績の前に行われる事前紡績時に得られた前記糸監視装置の検出結果に基づいて生成される。
これにより、糸の品質に応じて、変動情報に関する対応情報を自動的に生成することができる。
次に、本発明の一実施形態に係るドラフト装置3を備える空気紡績機1について、図1及び図2を参照して説明する。
図1に示す空気紡績機1は、ブロアボックス11と、原動機ボックス12と、複数の紡績ユニット2と、糸継台車8と、を備える。複数の紡績ユニット2は、所定の方向に並べて配置されている。
ブロアボックス11内には、負圧源として機能するブロア13等が配置されている。
原動機ボックス12には、図略の駆動源と、中央制御装置14と、表示部15と、操作部(設定部)16と、が配置されている。原動機ボックス12に設けられる駆動源には、複数の紡績ユニット2で共通で利用されるモータが含まれる。
中央制御装置14は、空気紡績機1の各部を集中的に管理及び制御する。中央制御装置14は、図2に示すように、各紡績ユニット2が備えるユニット制御部20に、図略の信号線を介して接続されている。本実施形態では、それぞれの紡績ユニット2がユニット制御部20を備えているが、所定数(例えば、2つ又は4つ)の紡績ユニット2が1つのユニット制御部20を共用しても良い。
表示部15は、紡績ユニット2に対する設定内容及び又は紡績ユニット2の状態に関する情報等を表示することができる。
操作部16は、オペレータが操作可能な複数の入力キーを備える。操作部16は、表示部15に表示された情報の選択、及び空気紡績機1の紡績条件等の設定に用いられる。表示部15及び操作部16は、タッチパネルディスプレイにより一体的に構成されても良い。
上記紡績条件は、例えば、巻き取る紡績糸Yの走行速度である糸速、及び/又は紡績ユニット2が備える後述のドラフト装置3のドラフト条件等を含む。紡績条件は、オペレータが選択した糸種類に応じて自動的に設定されても良いし、オペレータが手動で設定しても良い。
各紡績ユニット2は、主として、上流から下流へ向かって順に配置された、ドラフト装置3と、紡績装置4と、糸貯留装置5と、巻取装置6と、を備える。ここでの「上流」及び「下流」とは、紡績糸(糸)Yの巻取時における、スライバS、繊維束F、及び紡績糸Yの走行方向での上流及び下流を意味する。
ドラフト装置3は、空気紡績機1が備えるフレーム10の上端近傍に設けられている。図2に示すように、ドラフト装置3は、4つのドラフトローラ対を備える。4つのドラフトローラ対は、4つのドラフトローラと、4つの対向ローラを含む。4つのドラフトローラは、上流から下流へ向かって順に配置された、バックローラ34、サードローラ33、ミドルローラ32、及びフロントローラ31である。それぞれの対向ローラは、4つのドラフトローラのそれぞれに対向するように設けられている。ミドルローラ32及びその対向ローラには、ゴム製のエプロンベルト35がそれぞれ巻き掛けられている。
各ドラフトローラ対は、ドラフローラとその対向ローラとを含む。バックローラ34を含むドラフトローラ対は、第4ドラフトローラ対に相当する。サードローラ33を含むドラフトローラ対は、第3ドラフトローラ対に相当する。ミドルローラ32を含むドラフトローラ対は、第2ドラフトローラ対に相当する。フロントローラ31を含むドラフトローラ対は、第1ドラフトローラ対に相当する。
ドラフト装置3は、図略のスライバケースから供給されるスライバSを、各ドラフトローラ対のローラ同士の間で挟み込んで搬送することによって、所定の繊維量(又は太さ)となるまで引き伸ばして(ドラフトして)、繊維束Fを生成する。ドラフト装置3で生成された繊維束Fは、紡績装置4に供給され、紡績装置4で紡績される。この結果、紡績糸Yが生成される。
本実施形態では、ドラフト装置3に設けられた各ドラフトローラは、個別の電動モータ(図示しない)によって駆動される。これにより、各ドラフトローラの回転速度を個別に変更することができる。ミドルローラ32及び/又はフロントローラ31は、複数の紡績ユニット2で一斉に駆動されるように構成されても良い。
ドラフト装置3においては、各ドラフトローラの回転速度が、下流側に行くほど高速になるように設定されている。この結果、繊維束Fは、ドラフトローラ及びその対向ローラの間で搬送されながらドラフトされ、下流側に行くほど繊維束Fの太さが細くなっていく。各ドラフトローラの回転速度は、オペレータが操作部16を介して入力した糸速、及び、後述のドラフト条件に基づいて設定される。
各ドラフトローラの回転速度を適宜設定することにより、繊維束Fが引き伸ばされる比率を変更することができ、所望の太さになるようにドラフトした繊維束Fを紡績装置4に供給することができる。以下、この引き伸ばされる比率を「ドラフト比」と称する。
各ドラフトローラを駆動する各電動モータの動作は、ユニット制御部20によって制御される。ユニット制御部20は、設定されたドラフト条件に基づいて、各電動モータの動作を制御することで、ドラフト比を調整する。
ここで、上記ドラフト比を含む、ドラフト装置3のドラフト条件について簡単に説明する。ドラフト条件は、例えば、トータルドラフト比(TDR)、メインドラフト比(MDR)、中間ドラフト比(IDR)、ブレーキドラフト比(BDR)、フィード比、ゲージ幅等を含む。空気紡績機1が生成する紡績糸Yの種類、太さ等に応じて、様々なドラフト条件が設定される。
トータルドラフト比は、図3に示すように、フロントローラ31の周速度と、バックローラ34の周速度と、の比である。即ち、TDR=(フロントローラ31の周速度)/(バックローラ34の周速度)。
メインドラフト比は、図3に示すように、フロントローラ31の周速度と、ミドルローラ32の周速度と、の比である。即ち、MDR=(フロントローラ31の周速度)/(ミドルローラ32の周速度)。
中間ドラフト比は、図3に示すように、ミドルローラ32の周速度と、サードローラ33の周速度と、の比である。即ち、IDR=(ミドルローラ32の周速度)/(サードローラ33の周速度)。
ブレーキドラフト比は、図3に示すように、サードローラ33の周速度と、バックローラ34の周速度と、の比である。即ち、BDR=(サードローラ33の周速度)/(バックローラ34の周速度)。
各ドラフトローラの回転速度(周速度)を調整することで、ドラフト比(ひいては、生成する繊維束F又は紡績糸Yの太さ)を変更することができる。なお、上記各ドラフト比は、上記のように求めることに限定されず、例えば、それぞれのドラフトローラとその対向ローラの間に導入される繊維の量又は本数に基づいて求めることもできる。
ゲージ幅は、繊維束Fの走行方向において、互いに隣接する2つのドラフトローラの間の距離である。このゲージ幅を調整することによって、ドラフトローラによって搬送される繊維束Fの搬送距離を変更することができる。
フィード比は、フロントローラ31の周速度と、後述の糸貯留ローラ51の周速度と、の比である。即ち、フィード比=(フロントローラ31の周速度)/(糸貯留ローラ51の周速度)。
紡績装置4は、例えばエアジェット紡績装置から構成される。紡績装置4は、図略の紡績ノズルを備える。紡績装置4は、紡績ノズルから当該紡績装置4の内部に圧縮空気を噴射することにより、旋回空気流を発生させる。この旋回空気流によって、ドラフト装置3から供給された繊維束Fに撚りが加えられ、紡績糸Yが生成される。
糸貯留装置5には、紡績装置4で生成された紡績糸Yが供給される。糸貯留装置5は、図2に示すように、糸貯留ローラ51と、モータ52と、を備える。
糸貯留ローラ51は、モータ52により回転駆動される。糸貯留ローラ51は、その外周面に紡績糸Yを巻き付けて一時的に貯留する。糸貯留ローラ51は、外周面に紡績糸Yを巻き付けた状態で所定の回転速度で回転することによって、紡績装置4から紡績糸Yを所定の速度で引き出して下流側に搬送する。
このように、糸貯留装置5は、糸貯留ローラ51の外周面に紡績糸Yを一時的に貯留することができるので、紡績糸Yの一種のバッファとして機能する。これにより、紡績装置4における紡績速度と、巻取速度(後述のパッケージ60に巻き取られる紡績糸Yの走行速度)と、が何らかの理由により一致しないことによる不具合(例えば、紡績糸Yの弛み等)を解消することができる。
紡績装置4と糸貯留装置5との間には、糸監視装置50が設けられている。紡績装置4で生成された紡績糸Yは、糸貯留装置5で貯留される前に糸監視装置50を通過する。
糸監視装置50は、走行する紡績糸Yの品質を光センサによって監視し、紡績糸Yに含まれる糸欠陥を検出する。糸欠陥としては、例えば、紡績糸Yの太さの異常、及び、紡績糸Yに含まれる異物等が考えられる。糸監視装置50は、紡績糸Yの糸欠陥を検出した場合、ユニット制御部20へ糸欠陥検出信号を送信する。糸監視装置50は、光センサの代わりに、例えば静電容量式のセンサを用いて紡績糸Yの品質を監視しても良い。これらの例に代えて、あるいはこれらの例に加えて、糸監視装置50は、紡績糸Yの品質として、紡績糸Yのテンションを測定するように構成されても良い。
ユニット制御部20には、糸監視装置50から太さ検出信号が入力される。この太さ検出信号は、糸監視装置50が検出した紡績糸Yの太さを反映している。ユニット制御部20は、この太さ検出信号に基づいて、紡績糸Y(ひいては繊維束F)に周期ムラが存在するか否かを判定することができる。
周期ムラとは、スライバSをドラフトローラでドラフトした場合に、繊維束Fの太さが、例えば数メートル毎に増減を繰り返す現象である。この周期的な太さムラの原因は様々である。例えば、ドラフトされる繊維の長さのバラツキが大きい場合、ドラフト比及びゲージ幅等が特定の条件を満たすと、繊維同士の摩擦力が周期的に増減することがあり、これが周期ムラの一因と考えられる。また、ドラフトローラを駆動する電動モータ、又は伝動機構等が、特定の回転速度で大きく振動することがあり、これも周期ムラの一因と考えられる。
ユニット制御部20は、糸監視装置50から糸欠陥検出信号を受信すると、紡績装置4及び/又はドラフト装置3の駆動を停止させることによって紡績糸Yを切断する。即ち、紡績装置4は、糸監視装置50が糸欠陥を検出したときに紡績糸Yの切断する切断部として機能する。なお、紡績糸Yを切断するためのカッタを紡績ユニット2が備えても良い。
巻取装置6は、クレードルアーム61と、巻取ドラム62と、トラバースガイド63と、を備える。クレードルアーム61は、支軸64まわりに揺動可能に支持されており、紡績糸Yを巻き取るためのボビン65(即ちパッケージ60)を回転可能に支持することができる。巻取ドラム62は、ボビン65又はパッケージ60の外周面に接触した状態で回転することでパッケージ60を巻取方向に回転駆動させる。巻取装置6は、トラバースガイド63を図略の駆動手段によって往復動させながら、巻取ドラム62を図略の電動モータによって駆動する。これにより、巻取装置6は、紡績糸Yを綾振りしつつ、紡績糸Yをパッケージ60に巻き取る。
図1に示すように、空気紡績機1のフレーム10には、複数の紡績ユニット2が並ぶ方向に沿ってレール81が配置されている。糸継台車8は、レール81の上を走行可能に構成されている。これにより、糸継台車8は、複数の紡績ユニット2に対して移動することができる。糸継台車8は、糸切れ又は糸切断が発生した紡績ユニット2まで走行して、当該紡績ユニット2に対する糸継作業を行う。
糸継台車8は、図1に示すように、走行車輪82と、糸継装置83と、サクションパイプ84と、サクションマウス85と、を備える。糸継台車8は更に、図2に示す台車制御部80を備える。
サクションパイプ84は、糸出し紡績時に紡績装置4で生成された紡績糸Yを捕捉可能である。具体的には、サクションパイプ84は、その先端に吸引空気流を発生させることによって、紡績装置4から送り出される紡績糸Yを吸い込んで捕捉することができる。サクションマウス85は、巻取装置6のパッケージ60に巻き取られた紡績糸Yを捕捉可能である。具体的には、サクションパイプ84は、その先端に吸引空気流を発生させることによって、巻取装置6に支持されたパッケージ60から紡績糸Yを吸い込んで捕捉することができる。サクションパイプ84とサクションマウス85とは、紡績糸Yを捕捉した状態で回動することによって、当該紡績糸Yを糸継装置83に導入することができる位置まで案内する。
糸継装置83は、サクションパイプ84によって案内された紡績装置4からの紡績糸Yと、サクションマウス85によって案内されたパッケージ60からの紡績糸Yと、を糸継ぎする。本実施形態において、糸継装置83は、旋回空気流により糸端同士を撚り合わせるスプライサ装置である。糸継装置83は上記スプライサ装置に限定せず、例えば機械式のノッタ等を採用することもできる。
台車制御部80(図2を参照)は、図示しないCPU、ROM、RAM等を有する公知のコンピュータとして構成されている。台車制御部80は、糸継台車8が備える各部の動作を制御することによって、糸継台車8が行う糸継作業を制御する。
続いて、本実施形態のドラフト装置3が備える、繊維束Fの周期ムラを抑制するための構成について説明する。
ドラフト装置3においてスライバSは、図3で示すMDRの区間、IDRの区間、BDRの区間のそれぞれにおいて、互いに隣り合う2つのドラフトローラ対が、スライバSを保持した状態で、互いに異なる周速度で回転することで引き伸ばされる。従って、繊維束Fで発生する周期ムラには、図3で示すMDRの区間、IDRの区間、BDRの区間それぞれの周期ムラ成分が含まれている。以下、これら3つの区間をドラフト区間と呼ぶことがある。
図4に、周期ムラ成分の一例を示す。図4には、ドラフト装置3でドラフトした繊維束Fを紡績装置4で紡績し、紡績糸Yの太さを糸監視装置50で検出する実験を行い、周波数分析したグラフが示されている。ドラフト装置3におけるドラフト比(MDR、IDR、BDR)は、適宜定めた。図4のグラフでは、「ドラフトムラ」の部分で示すように、特定の周期の強度が強くなっている。これは、上記の実験で設定したドラフト比に基づいて計算すると、ミドルローラ32及びフロントローラ31による周期ムラ成分(図3のMDRの区間での周期ムラ成分)であると考えられる。
周期ムラは、紡績糸Yの品質低下の原因となる。そこで、本実施形態の紡績ユニット2では、ユニットの立上げ、メンテナンス等の試運転において、スライバSをドラフト装置3で引き伸ばして繊維束Fとし、更に紡績装置4で紡績し、得られた紡績糸Yを糸監視装置50で検出する作業を行う。紡績ユニット2は、糸監視装置50で得られた情報に基づいて、各紡績条件(スライバSの種類、紡績予定の紡績糸Yの番手等)の下での、ドラフトされた繊維束Fの周期ムラの発生周期等の情報を収集する。このときに紡績装置4で行われる紡績は、事前紡績に相当する。事前紡績は通常紡績と殆ど同様であるが、事前紡績では、ドラフトローラ対の回転速度の周期的な変動制御(詳細は後述)は行われない。この試験的又は準備的な紡績で得られる紡績糸Yは、通常紡績とは異なり、後工程で用いられることはない。
例えば、所定番手(太さ)のレーヨンを紡績する場合、紡績ユニット2のユニット制御部20は、当該レーヨンの紡績に対応するドラフト比(即ち、各ドラフトローラの回転数)で回転するように、各ドラフトローラの回転を制御する。そして、ユニット制御部20は、この紡績条件下での試運転における糸監視装置50からの検出結果に基づいて、発生した周期ムラの周期、長さ等の情報等を記憶する。
ユニット制御部20は、収集した繊維束Fの周期ムラの周期、長さ等の情報と、当該情報を取得したときの紡績条件と、を対応付けて記憶する。そして、ユニット制御部20は、取得した周期ムラの情報に基づいて、回転速度を変動させるべき変動対象のドラフトローラ、及び当該ドラフトローラの回転速度を変動させる周期、変動量等を含む変動情報を決定する。これにより、所定紡績条件下での試運転によって得られた周期ムラによる繊維束Fの太さへの影響を抑制することができ、紡績された紡績糸Yの品質を良好に維持できる。
なお、上記変動情報の決定は、オペレータが操作部16を介して入力した内容に基づいて決定しても良いし、運転履歴等を学習した学習モデルにより自動的に決定しても良い。学習モデルで自動的に決定する場合、当該学習モデルは、変動情報を設定する設定部に相当する。
それぞれのドラフト区間における周期ムラ成分が合成されて、最終的に、ドラフト装置3から紡績装置4へ供給される繊維束Fの太さのムラとなる。この合成の過程で、それぞれの周期ムラ成分は、強め合ったり弱め合ったりする。本実施形態では、ドラフトローラ対が有していた周期ムラの発生周期を増加側へ変更させるように、対象のドラフトローラの回転速度を変動させる周期及び変動量を設定している。このように周期ムラの発生タイミングをばらけさせることで、複数の周期ムラ成分が相互に強め合う状況を減らすことができる。この結果、繊維束Fに生じる周期ムラを抑制することができる。
このように、ドラフトローラの回転速度を変動させる周期は、ドラフトローラ対に生じている周期ムラの周期を変化させるように定められる。上記の制御は、ムラ成分が本来のタイミングぴったりに現れるのを邪魔するという意味で、ディスターブ制御と呼ぶことができる。
以下、変動情報を定める具体例を3つ説明する。
(1)所定番手のレーヨンを紡績する紡績条件が設定された場合、ユニット制御部20は、MDRに関連するフロントローラ31及びミドルローラ32の回転速度を何れも一定値に維持する。フロントローラ31及びミドルローラ32の回転速度が一定であるので、MDRも一定である。この状態で、ユニット制御部20は、ドラフトローラであるサードローラ33の回転速度を周期的に変動させる。また、ユニット制御部20は、その他のドラフトローラの回転速度を維持する。
サードローラ33の回転速度の変動周期は、例えば、ドラフトムラの長さの100倍以上につき1回の周期となるように設定される。具体例としては、上述のようにドラフトムラが数メートル程度の周期で現れる場合、サードローラ33の回転速度の増減を、紡績糸Yの長さが1000m以上につき1回程度で行うことが考えられる。
サードローラ33の回転速度が周期的に変動する結果、当該サードローラ33の周速度に関連するドラフト比、具体的にはIDR及びBDRが変化する。ユニット制御部20は、IDRが2.0~4.0の範囲内で維持されるように、サードローラ33の回転速度の変動量を決定する。
(2)所定番手のポリコットンを紡績する紡績条件が設定された場合、ユニット制御部20は、BDRに関連するバックローラ34及びサードローラ33の回転速度を何れも一定値に維持する。バックローラ34及びサードローラ33の回転速度が一定であるので、BDRも一定である。この状態で、ユニット制御部20は、ドラフトローラであるミドルローラ32の回転速度を周期的に変動させる。また、ユニット制御部20は、その他のドラフトローラの回転速度を維持する。
ミドルローラ32の回転速度の変動周期は、例えば、ドラフトムラの長さの100倍以上につき1回の周期となるように設定される。
ミドルローラ32の回転速度が周期的に変動する結果、当該ミドルローラ32の周速度に関連するドラフト比、具体的にはIDR及びMDRが変化する。ユニット制御部20は、IDRが1.2~2.0の範囲内で維持されるように、ミドルローラ32の回転速度の変動量を決定する。
(3)所定番手の綿100%又は綿リッチブレンドを紡績する紡績条件が設定された場合、ユニット制御部20は、ミドルローラ32とサードローラ33との周速度比(即ちIDR)を一定値に維持しながら、当該ミドルローラ32及びサードローラ33の回転速度を同時に周期的に変動させる。また、ユニット制御部20は、その他のドラフトローラの回転速度を維持する。
ミドルローラ32及びサードローラ33の回転速度の変動周期は、例えば、ドラフトムラの長さの100倍以上につき1回の周期となるように設定される。
サードローラ33の回転速度が周期的に変動する結果、当該サードローラ33の周速度に関連するドラフト比、具体的にはBDRが変化する。ミドルローラ32の回転速度はサードローラ33の回転速度と同期して変動しているため、IDRは一定である。ユニット制御部20は、BDRが1.5~3.5の範囲内で維持されるように、サードローラ33の回転速度の変動量を決定する。IDRが一定であるため、ミドルローラ32の回転速度の変動量は、サードローラ33の回転速度の変動量に応じて定まる。
本実施形態では、上記のように、紡績ユニット2の試運転時に、種々の紡績糸Yの様々な紡績条件において、ドラフトローラの回転速度の変動情報を、高品質の紡績糸Yを紡績できるように設定する。ユニット制御部20は、設定した変動情報と、当該変動情報に対応する紡績条件と、を対応付けて、例えばテーブルの形で記憶する。
紡績ユニット2の試運転が行われた後、紡績糸Yを生成して巻き取ってパッケージ60を生成する通常紡績が行われる。この通常紡績において、本実施形態の紡績ユニット2のユニット制御部20は、オペレータが操作部16を介して設定した紡績条件に対応したTDR、MDR、IDR、BDR、及び糸速に基づいて、各ドラフトローラの回転速度を制御する。
本実施形態の紡績ユニット2では、回転速度がTDRに影響しないドラフトローラ(具体的には、サードローラ33及びミドルローラ32)について、少なくとも何れか一方の回転速度を周期的に変動させている。これにより、ドラフト装置3全体でのドラフト比を一定に保ちつつ、周期ムラを抑制することができる。
具体的には、ユニット制御部20は、バックローラ34及びフロントローラ31の回転速度を何れも所定速度に維持するように、当該バックローラ34及びフロントローラ31を駆動する電動モータを制御する。この結果、TDRが一定に維持される。即ち、ドラフトされる繊維束F(ひいては生成された紡績糸Y)の太さを所定範囲内に維持できるとともに、紡績糸Yの糸速を一定に維持することができる。
ユニット制御部20は、TDRを紡績条件に応じた値に維持しながら、ミドルローラ32及び/又はサードローラ33の回転速度を周期的に変動させる。これにより、図5に示すように、MDRによるドラフトムラの発生時期を、他のBDR、IDRによるドラフトムラの発生時期とズラすことができる。この結果、各ドラフトローラのドラフトムラによる繊維束Fの太さへの影響が、上記周期ムラの発生周期内において、ある時期内で集中して発生せず、分散したタイミングで発生することになり、ある程度安定した太さの繊維束Fを紡績装置4に供給することができる。
以上に説明したように、本実施形態のドラフト装置3は、スライバSをドラフトして繊維束Fを生成する。当該ドラフト装置3は、複数のドラフトローラ対を備える。複数のドラフトローラ対は、スライバSをドラフトするために用いられる。ドラフト装置3において、紡績糸Yの通常紡績のために繊維束Fを生成して供給するとき、スライバSをドラフトするトータルドラフト比が一定に維持される。複数のドラフトローラ対におけるトータルドラフト比に影響しないドラフトローラ対のうち、少なくとも1つのドラフトローラ対の回転速度が周期的に変動する。
これにより、周期的なドラフトムラの発生タイミングを、回転速度の周期的な変動によりズラすことができる。この結果、複数のドラフトローラ対によるドラフトムラの発生を分散させることができ、ドラフトムラによる繊維束Fの品質への影響を抑制することができる。
また、本実施形態のドラフト装置3において、複数のドラフトローラ対は、フロントローラ対と、ミドルローラ対と、サードローラ対と、バックローラ対と、を含む。紡績糸Yの通常紡績のために繊維束Fを生成して供給するとき、フロントローラ対及びバックローラ対の回転速度が何れも一定に維持されている。ミドルローラ対及びサードローラ対のうち、少なくとも1つのドラフトローラ対の回転速度が周期的に変動する。
このように、繊維束Fの太さへの影響が相対的に小さいドラフトローラ対の回転速度を周期的に変動させることで、より品質が良い繊維束Fを生成することができる。
また、本実施形態のドラフト装置3においては、紡績糸Yの通常紡績のために繊維束Fを生成して供給するとき、以下のように制御することができる。即ち、ミドルローラ対及びサードローラ対のうち、1つのドラフトローラ対の回転速度のみが周期的に変動する。
これにより、ドラフトローラ対の回転速度を周期的に変動させる制御が簡単になる。また、ミドルローラ対の周速度とサードローラ対の周速度との比に敏感な材質の繊維束Fを生成する場合に、周期ムラを効果的に抑制できる。
また、本実施形態のドラフト装置3において、紡績糸Yの通常紡績のために繊維束Fを生成して供給するとき、以下のように制御することができる。即ち、ミドルローラ対及びサードローラ対のそれぞれの回転速度が周期的に変動し、この結果、ミドルローラ対とサードローラ対との回転速度の比が所定範囲内で変動する。
これにより、複数のドラフトローラ対によるドラフトムラの発生を良好に分散させることができる。また、ミドルローラ対の周速度とサードローラ対の周速度との比に敏感な材質の繊維束Fを生成する場合に、周期ムラを効果的に抑制できる。
また、本実施形態のドラフト装置3において、紡績糸Yの通常紡績のために繊維束Fを生成して供給するとき、以下のように制御することができる。即ち、ミドルローラ対及びサードローラ対のそれぞれの回転速度が、ミドルローラ対とサードローラ対との回転速度の比を一定に維持しつつ、周期的に変動する。
これにより、複数のドラフトローラ対によるドラフトムラの発生を分散させることができる。また、ミドルローラ対の周速度とサードローラ対の周速度に敏感な材質の繊維束Fを生成する場合に、周期ムラを効果的に抑制できる。
また、本実施形態のドラフト装置3は、操作部16を備える。操作部16は、繊維束Fを紡績して紡績糸Yを生成する通常紡績の紡績条件に基づいて、ドラフトローラ対の回転速度を変動させるための変動情報を設定する。操作部16により設定された変動情報に従って、ドラフトローラ対の回転速度を周期的に変動させる。
これにより、ドラフトローラ対の回転速度の変動情報を、紡績条件に応じて自動的に設定することができる。
また、本実施形態のドラフト装置3において、操作部16は、紡績条件に基づいて、回転速度を変動させる対象のドラフトローラ対を、変動情報とともに設定する。
これにより、周期ムラの抑制のために回転速度が変動するドラフトローラ対を、紡績条件に応じて自動的に設定することができる。
以上に説明したように、本実施形態の紡績ユニット2は、ドラフト装置3と、紡績装置と、を備える。紡績装置は、ドラフト装置3から供給された繊維束Fを紡績して紡績糸Yを生成する。
これにより、高品質の紡績糸Yを安定して生成することができる。
また、本実施形態の紡績ユニット2は、糸監視装置50を備える。糸監視装置50は、紡績糸Yの状態を監視する。ドラフト装置3は、操作部16を備える。操作部16は、紡績糸Yの通常紡績の紡績条件に基づいて、ドラフトローラ対の回転速度を変動させるための変動情報を設定する。紡績条件と変動情報との対応情報は、紡績糸Yの通常紡績の前に行われる事前紡績時に得られた糸監視装置50の検出結果に基づいて生成される。
これにより、紡績糸Yの品質に応じて、変動情報に関する対応情報を自動的に生成することができる。
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
糸貯留装置5に代えてデリベリローラ対を設け、当該デリベリローラ対により紡績糸Yを紡績装置4から引き出しても良い。
上述の実施形態では、ドラフト装置3によるTDRを、フロントローラ31の周速度と、バックローラ34の周速度と、の比として定義している。しかしながら、TDRを、フロントローラ31よりも下流側にある糸引出装置におけるローラの周速度と、バックローラ34の周速度と、の比として把握する余地もある。糸引出装置としては、糸貯留装置5又はデリベリローラ対を挙げることができる。この考え方に従えば、フロントローラ31の回転速度はTDRに影響しないことから、フロントローラ31の回転速度を周期的に変動させる制御が考えられる。しかし、フロントローラ31は、本来的に非常に高速で回転する。また、フロントローラ31の回転速度の変更は、他のドラフトローラの回転速度と比較して、紡績糸Yの品質に与える影響が大きい。従って、上述の実施形態のように、ミドルローラ32及び/又はサードローラ33の回転速度を変動させる方が好ましい。
ミドルローラ32及び/又はサードローラ33の回転速度の変動周期を、一定とせず、時間の経過に応じて変化させても良い。
糸継台車8は、スプライサ装置の代わりに、ノッタ装置、ピーシング等により紡績糸Yを連続状態にしても良い。
糸継台車8の代わりに、各紡績ユニット2において、糸継装置83、サクションパイプ84、及びサクションマウス85が設けられても良い。
ドラフト装置3におけるドラフトローラの数は4つに限定されず、2つ、3つ、及び5つ以上に変更することもできる。
紡績ユニット2では、高さ方向において、下側から供給された紡績糸Yが上側で巻き取られるように各装置が配置されても良い。
ドラフトローラ対の回転速度を周期的に変動させる制御は、上記のように常時実行されても良いし、糸監視装置50によって紡績糸Yの周期ムラを検出したことを条件として実行されても良い。
3 ドラフト装置
F 繊維束
S スライバ
F 繊維束
S スライバ
Claims (9)
- スライバをドラフトして繊維束を生成するドラフト装置であって、
前記スライバをドラフトするための複数のドラフトローラ対を備え、
糸の通常紡績のために前記繊維束を生成して供給するとき、
前記スライバをドラフトするトータルドラフト比が一定に維持され、
前記複数のドラフトローラ対における前記トータルドラフト比に影響しないドラフトローラ対のうち、少なくとも1つの前記ドラフトローラ対の回転速度が周期的に変動することを特徴とするドラフト装置。 - 請求項1に記載のドラフト装置であって、
前記複数のドラフトローラ対は、第1ドラフトローラ対と、第2ドラフトローラ対と、第3ドラフトローラ対と、第4ドラフトローラ対と、を含み、
糸の通常紡績のために前記繊維束を生成して供給するとき、
前記第1ドラフトローラ対及び前記第4ドラフトローラ対の回転速度が何れも一定に維持されており、
前記第2ドラフトローラ対及び前記第3ドラフトローラ対のうち、少なくとも1つのドラフトローラ対の回転速度が周期的に変動することを特徴とするドラフト装置。 - 請求項2に記載のドラフト装置であって、
糸の通常紡績のために前記繊維束を生成して供給するとき、前記第2ドラフトローラ対及び前記第3ドラフトローラ対のうち、1つのドラフトローラ対の回転速度のみが周期的に変動することを特徴とするドラフト装置。 - 請求項2に記載のドラフト装置であって、
糸の通常紡績のために前記繊維束を生成して供給するとき、
前記第2ドラフトローラ対及び前記第3ドラフトローラ対のそれぞれの回転速度が周期的に変動し、この結果、前記第2ドラフトローラ対と前記第3ドラフトローラ対との回転速度の比が所定範囲内で変動することを特徴とするドラフト装置。 - 請求項4に記載のドラフト装置であって、
糸の通常紡績のために前記繊維束を生成して供給するとき、
前記第2ドラフトローラ対及び前記第3ドラフトローラ対のそれぞれの回転速度が、前記第2ドラフトローラ対と前記第3ドラフトローラ対との回転速度の比を一定に維持しつつ、周期的に変動することを特徴とするドラフト装置。 - 請求項1から5までの何れか一項に記載のドラフト装置であって、
前記繊維束を紡績して糸を生成する通常紡績の紡績条件に基づいて、前記ドラフトローラ対の回転速度を変動させるための変動情報を設定する設定部を備え、
前記設定部により設定された前記変動情報に従って、前記ドラフトローラ対の回転速度を周期的に変動させることを特徴とするドラフト装置。 - 請求項6に記載のドラフト装置であって、
前記設定部は、前記紡績条件に基づいて、回転速度を変動させる対象の前記ドラフトローラ対を、前記変動情報とともに設定することを特徴とするドラフト装置。 - 請求項1から7までの何れか一項に記載のドラフト装置と、
前記ドラフト装置から供給された繊維束を紡績して糸を生成する紡績装置と、
を備えることを特徴とする紡績ユニット。 - 請求項8に記載の紡績ユニットであって、
前記糸の状態を監視する糸監視装置を備え、
前記ドラフト装置は、前記糸の通常紡績の紡績条件に基づいて、前記ドラフトローラ対の回転速度を変動させるための変動情報を設定する設定部を備え、
前記紡績条件と前記変動情報との対応情報は、前記糸の通常紡績の前に行われる事前紡績時に得られた前記糸監視装置の検出結果に基づいて生成されることを特徴とする紡績ユニット。
Priority Applications (1)
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JP2020131054A JP2022027203A (ja) | 2020-07-31 | 2020-07-31 | ドラフト装置及び紡績ユニット |
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JP2020131054A JP2022027203A (ja) | 2020-07-31 | 2020-07-31 | ドラフト装置及び紡績ユニット |
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JP2022027203A true JP2022027203A (ja) | 2022-02-10 |
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Family Applications (1)
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JP2020131054A Pending JP2022027203A (ja) | 2020-07-31 | 2020-07-31 | ドラフト装置及び紡績ユニット |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2022027203A (ja) |
-
2020
- 2020-07-31 JP JP2020131054A patent/JP2022027203A/ja active Pending
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