JP2018178311A - 紡績機、空気紡績方法、及び紡績糸 - Google Patents

紡績機、空気紡績方法、及び紡績糸 Download PDF

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成利 太田
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Abstract

【課題】空気紡績装置を備える紡績機において、見掛けヤング率が低い原料をドラフト及び紡績する場合においても、紡績性の低下を抑えるとともに、紡績糸の糸物性の低下を抑制可能な構成を提供する。
【解決手段】精紡機は、ドラフト装置と、空気紡績装置と、を備える。ドラフト装置は、スライバをドラフトして繊維束とする。空気紡績装置は、ドラフト装置でドラフトされた繊維束に空気流によって撚りを加えて紡績糸を生成する。ドラフト装置は、繊維走行方向の最も下流側に配置されるフロントローラ対と、次に下流側に配置されるミドルローラ対と、を備える。ドラフト装置は、第1ドラフト比が12以下となるようにドラフトを行う。
【選択図】図3

Description

本発明は、主として、紡績機に関する。詳細には、見掛けヤング率が低い原料を空気流によって紡績する場合に特に適した構成に関する。
従来から、ドラフト装置と、空気紡績装置と、を備える紡績機が知られている。ドラフト装置は、供給されたスライバ(原料)をドラフトして生成した繊維束を空気紡績装置へ供給する。空気紡績装置は、ドラフト装置から供給された繊維束に空気流を作用させて撚りを与えて紡績糸を生成する。特許文献1は、この種の紡績機を開示する。
特許文献1のドラフト装置は、複数のドラフトローラ対によりスライバをドラフトする。このドラフトローラ対の1つであるミドルローラ対の各ローラには、エプロンベルトがそれぞれ巻き掛けられている。ミドルローラ対の近傍には、エプロンベルトの張りと位置を調整するテンサバーが配置されている。
特開2013−67896号公報
見掛けヤング率が低い原料のスライバをドラフト装置でドラフトする場合、原料に伸びが生じ易いため、当該スライバを適切にドラフトすることが困難であった。その結果、紡績性が低下したり、生成した紡績糸の糸物性が低下したりすることがあった。紡績性が低下すると、例えば、適切にドラフトされなかったスライバから紡績糸を生成しても、紡績糸が切れ易く、張り切れ回数が多かったり、適切にドラフトされなかったスライバが太過ぎて空気紡績装置に導入できなかったりすることがあった。紡績糸の糸物性が低下すると、例えば、生成した紡績糸に糸斑及び/又は糸欠陥が多く含まれることがあった。特に、空気紡績装置では、リング紡績装置等と比較して繊維走行速度が速く、かつドラフト比が高いため、上記のようなスライバをドラフトすることが困難であった。特許文献1には、原料の特性を考慮したドラフト方法については記載されていない。
本発明の主要な目的は、空気紡績装置を備える紡績機において、見掛けヤング率が低い原料をドラフト及び紡績する場合においても、紡績性の低下を抑えるとともに、紡績糸の糸物性の低下を抑制可能な構成を提供することにある。
課題を解決するための手段及び効果
本発明の第1の観点によれば、以下の構成の紡績機が提供される。即ち、この紡績機は、ドラフト装置と、空気紡績装置と、を備える。前記ドラフト装置は、スライバをドラフトして繊維束とする。前記空気紡績装置は、前記ドラフト装置でドラフトされた前記繊維束に空気流によって撚りを加えて紡績糸を生成する。前記ドラフト装置は、繊維走行方向の最も下流側に配置される第1ドラフトローラ対と、次に下流側に配置される第2ドラフトローラ対と、を備える。前記第1ドラフトローラ対によってドラフトされた後の繊維の量若しくは本数に対する、前記第2ドラフトローラ対に導入される前の繊維の量又は本数の比率、又は、前記第2ドラフトローラ対の速度に対する前記第1ドラフトローラ対の速度である第1ドラフト比が12以下である。
これにより、リング紡績機等と比較して高ドラフト及び高速で紡績を行う紡績機を用いて、例えば見掛けヤング率が低い原料をドラフト及び紡績する場合においても、紡績性の低下を抑えるとともに、紡績糸の糸物性の低下を抑えることができる。
本発明の第2の観点によれば、以下の構成の紡績機が提供される。即ち、この紡績機は、上記のドラフト装置と、上記の空気紡績装置と、を備える。このドラフト装置は、前記ドラフト装置は、第1ベルト案内部材と、第2ベルト案内部材と、第1接触ベルトと、第2接触ベルトと、を更に備える。前記第1ベルト案内部材及び前記第2ベルト案内部材は、前記第1ドラフトローラ対と前記第2ドラフトローラ対の間に配置される。前記第1接触ベルトは、前記第2ドラフトローラ対の第1ローラに巻き掛けられるとともに、前記第1ベルト案内部材に巻き掛けられ、前記繊維束に接触する。前記第2接触ベルトは、前記第2ドラフトローラ対の第2ローラに巻き掛けられるとともに、前記第2ベルト案内部材に巻き掛けられ、前記繊維束に接触する。前記第2ドラフトローラ対の軸方向で見たときに、前記第1ベルト案内部材と前記第2ベルト案内部材の間隔を示す第1長さが2.7mm以上3.5mm以下である。前記第2ドラフトローラ対の軸方向で見たときに、前記第1ベルト案内部材は前記第1ドラフトローラ対の接触点を通る接線と交差するように設けられており、前記第1ベルト案内部材の下流側の端部のうち前記第2ベルト案内部材を向く面と、前記接線と、の間隔を示す第2長さが2.0mm以上2.8mm以下である。前記第1ドラフトローラ対によってドラフトされた後の繊維の量若しくは本数に対する、前記第2ドラフトローラ対に導入される前の繊維の量又は本数の比率、又は、前記第2ドラフトローラ対の速度に対する前記第1ドラフトローラ対の速度である第1ドラフト比が20以下である。
これにより、接触ベルトが繊維束に及ぼす影響を軽減できるので、例えば見掛けヤング率が低い原料をドラフト及び紡績する場合においても、紡績性の低下を抑えるとともに、紡績糸の糸物性の低下を抑えることができる。
前記の紡績機においては、前記第1ベルト案内部材に接触するとともに、更に、前記第2ベルト案内部材又は当該第2ベルト案内部材と一体的に移動する部材に接触する接触部材を備え、当該接触部材の厚みが前記第1長さであることが好ましい。
これにより、簡単な構成で第1長さを設定できる。
前記の紡績機においては、前記第1ベルト案内部材には、前記第2ベルト案内部材の位置を規制する前記接触部材としてのスペーサが配置されており、当該スペーサの厚みが前記第1長さであることが好ましい。
これにより、第1長さを精度良く設定できる。
前記の紡績機においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記ドラフト装置は、第3ドラフトローラ対と、第4ドラフトローラ対と、第3ドラフトローラ駆動部と、第4ドラフトローラ駆動部と、を備える。前記第3ドラフトローラ対は、前記第2ドラフトローラ対の繊維走行方向の上流側に配置される。前記第4ドラフトローラ対は、前記第3ドラフトローラ対の繊維走行方向の上流側に配置される。前記第3ドラフトローラ駆動部は、前記第3ドラフトローラ対の一方のローラを他のドラフトローラ対とは独立して駆動する。前記第4ドラフトローラ駆動部は、前記第4ドラフトローラ対の一方のローラを他のドラフトローラ対とは独立して駆動する。
これにより、第3ドラフトローラ対の回転速度と、第4ドラフトローラ対の回転速度と、を個別に変更することで、第3ドラフトローラ対と第4ドラフトローラ対で行われるドラフトのドラフト比を大きく変化させることができる。そのため、第1ドラフト比を上記の値に設定しつつ、トータルドラフト比を所望の値に設定して、スライバをドラフトすることができる。
前記の紡績機においては、前記ドラフト装置は、見掛けヤング率が3000N/mm2以下の原料の短繊維を含むスライバをドラフトして繊維束にすることが好ましい。
本発明を用いることにより、上記のような見掛けヤング率が低いスライバをドラフトして紡績する場合であっても、紡績性の低下を抑えるとともに、紡績糸の糸物性の低下を抑えることができる。
前記の紡績機においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、この紡績機は、見掛けヤング率が3000N/mm2以下の原料の長繊維を含む芯糸を供給する芯糸供給装置を備える。前記空気紡績装置は、前記芯糸を芯側として前記繊維束の繊維を鞘側として紡績を行うことで紡績糸を生成する。
これにより、見掛けヤング率が低い原料を組み合わせて、糸物性が非常に良好な紡績糸を生成することができる。
本発明の第3の観点によれば、以下の空気紡績方法が提供される。即ち、この空気紡績方法は、スライバ供給工程と、ドラフト工程と、空気紡績工程と、を含む。前記スライバ供給工程では、見掛けヤング率が3000N/mm2以下の原料の短繊維を含むスライバを供給する。前記ドラフト工程では、前記スライバ供給工程で供給されたスライバをドラフトして繊維束とする。前記空気紡績工程では、前記ドラフト工程でドラフトされた前記繊維束に空気流によって撚りを加えて紡績糸を生成する。
これにより、リング紡績法等と比較して高ドラフト及び高速で紡績を行う空気紡績方法において、上記のように見掛けヤング率が低い原料をドラフト及び紡績することができる。
前記の空気紡績方法においては、以下のようにすることが好ましい。即ち、前記ドラフト工程では、繊維走行方向の最も下流側に配置される第1ドラフトローラ対と、次に下流側に配置される第2ドラフトローラ対と、を含むドラフト装置でドラフトを行う。前記第1ドラフトローラ対によってドラフトされた後の繊維の量若しくは本数に対する、前記第2ドラフトローラ対に導入される前の繊維の量又は本数の比率、又は、前記第2ドラフトローラ対の速度に対する前記第1ドラフトローラ対の速度である第1ドラフト比が12以下である。
これにより、見掛けヤング率が低い原料をドラフト及び紡績する場合においても、紡績性の低下を抑えるとともに、紡績糸の糸物性の低下を抑えることができる。
前記の空気紡績方法においては、以下のようにすることが好ましい。即ち、見掛けヤング率が3000N/mm2以下の原料の長繊維を含む芯糸を供給する芯糸供給工程を含む。前記空気紡績工程では、前記芯糸が芯側となるように、かつ、前記繊維束の繊維から構成される巻付き繊維が鞘側となるように紡績を行うことで紡績糸を生成する。
これにより、見掛けヤング率が低い原料を組み合わせて、糸物性が非常に良好な紡績糸を生成することができる。
前記の空気紡績方法においては、以下のようにすることが好ましい。即ち、前記スライバ供給工程で供給する前記スライバの原料は、ナイロン、アクリル、ポリ乳酸、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、及びメタ系アラミドの少なくとも何れかを含んでいる。前記芯糸供給工程で供給する前記芯糸の原料は、ナイロン、アクリル、ポリ乳酸、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、及びメタ系アラミドの少なくとも何れかを含んでいる。
これにより、一般的に用いられる原料を用いて、糸物性が良好な紡績糸を生成することができる。
前記の空気紡績方法においては、前記スライバ供給工程で供給する前記スライバの原料と、前記芯糸供給工程で供給する前記芯糸の原料と、が同じであることが好ましい。
これにより、芯側と鞘側に同じ原料を用いて、糸物性が良好な紡績糸を生成することができる。
本発明の第4の観点によれば、見掛けヤング率が3000N/mm2以下の原料の繊維から構成されており、径方向外側に向かうに従って繊維の撚りが強くなる撚り変化領域を含む紡績糸が提供される。
これにより、見掛けヤング率が3000N/mm2以下の原料を用いて、毛羽が少なく、抗ピリング性及び耐摩耗性が良好な紡績糸が実現できる。
前記の紡績糸においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、この紡績糸は、芯糸と、巻付き繊維と、を有する。前記芯糸は、見掛けヤング率が3000N/mm2以下の原料の繊維から構成される。前記巻付き繊維は、前記芯糸に巻き付いており、見掛けヤング率が3000N/mm2以下の原料の繊維から構成されており、前記撚り変化領域が形成されている。
これにより、見掛けヤング率が低い原料を組み合わせた、糸物性が非常に良好な紡績糸が実現できる。
前記の紡績糸においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記芯糸の原料は、ナイロン、アクリル、ポリ乳酸、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、及びメタ系アラミドの少なくとも何れかを含んでいる。前記巻付き繊維の原料は、ナイロン、アクリル、ポリ乳酸、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、及びメタ系アラミドの少なくとも何れかを含んでいる。
これにより、一般的に用いられる原料を用いて、糸物性が良好な紡績糸を実現できる。
本発明の一実施形態に係る精紡機の構成を示す正面図。 紡績ユニットの側面図。 ドラフト装置及びその周辺の機器の構成を示す側面図。 スペーサによりボトムテンサバーの位置が調整されている様子を示す斜視図。 空気紡績装置及びその周辺の機器の構成を示す側面断面図。 空気紡績装置で生成された一層紡績糸及び二層紡績糸の断面図。 空気紡績装置で生成された一層紡績糸の撚りについて説明する図。 一層紡績糸と二層紡績糸の糸直径の平均偏差を比較するグラフ。 一層紡績糸と二層紡績糸の欠点検出頻度を比較するグラフ。
次に、本発明の実施形態に係る精紡機について、図面を参照して説明する。図1に示す精紡機1は、並設された多数の紡績ユニット2と、糸継台車3と、原動機ボックス4と、機台制御装置90と、を備えている。
機台制御装置90は、精紡機1が備える各構成を集中的に管理する装置であって、モニタ91と入力キー92とを備える。オペレータが入力キー92を用いて適宜の操作を行うことにより、特定の紡績ユニット2又は全ての紡績ユニット2の設定を行ったり、特定の紡績ユニット2又は全ての紡績ユニット2の設定及び状態等をモニタ91に表示したりすることができる。
図2に示すように、各紡績ユニット2は、上流から下流へ向かって順に配置された、ドラフト装置7と、芯糸供給装置40と、空気紡績装置9と、糸貯留装置14と、巻取装置96と、を備えている。なお、本明細書において「上流」及び「下流」とは、紡績時でのスライバ51、繊維束52、芯糸53、及び紡績糸54の走行(搬送)方向における上流及び下流を意味する。各紡績ユニット2は、ドラフト装置7が供給する繊維束52と、芯糸供給装置40が供給する芯糸53と、を空気紡績装置9で紡績して紡績糸54を生成し、この紡績糸54を巻取装置96で巻き取ってパッケージ28を形成する。
ドラフト装置7は精紡機1の筐体5の上端近傍に設けられている。ドラフト装置7は、図略のスライバケースからスライバガイド(トランペットガイド)20を介して供給されるスライバ51を、所定の太さになるまでドラフトする(引き伸ばす)。ドラフト装置7でドラフトされた繊維束52は、空気紡績装置9へ供給される。なお、ドラフト装置7の詳細については後述する。
芯糸供給装置40は、芯糸パッケージ保持部41と、芯糸ガイドユニット43と、を備える。芯糸パッケージ保持部41は、芯糸53が巻かれた芯糸パッケージ42を保持する。芯糸ガイドユニット43は、芯糸パッケージ42から解舒された芯糸53を案内するとともに、芯糸53を空気紡績装置9に向けて送出する。詳細には、芯糸ガイドユニット43は、ドラフト装置7を介して(更に詳細には後述のトップエプロンベルト33からフロントトップローラ35に向かう繊維走行通路を介して)、空気紡績装置9に芯糸53を供給する。芯糸ガイドユニット43は、圧縮空気を噴射することで芯糸53を空気紡績装置9に向けて送出する。
空気紡績装置9は、芯糸供給装置40から供給された芯糸53を芯側とし、ドラフト装置7から供給された繊維束52の繊維を鞘側として紡績を行って紡績糸54を生成する。具体的には、空気紡績装置9は、繊維束52に旋回空気流を作用させて、繊維束52の繊維を芯糸53の周囲に巻き付かせつつ撚りを加えることで、紡績糸54を生成する。空気紡績装置9は、芯糸53が供給されずに、繊維束52のみが供給される場合であっても、紡績糸54を生成可能である。空気紡績装置9の詳細については後述する。
空気紡績装置9の下流には、糸品質測定器12と、スピニングセンサ13と、が設けられている。空気紡績装置9で紡出された紡績糸54は、糸品質測定器12及びスピニングセンサ13を通過する。
糸品質測定器12は、走行する紡績糸54の太さを、図略の光学式センサによって監視する。糸品質測定器12は、紡績糸54の糸欠陥(紡績糸54の太さなどに異常がある箇所)を検出した場合に、糸欠陥検出信号を図略のユニットコントローラへ送信する。糸品質測定器12は光学式のセンサに限らず、例えば静電容量式のセンサで紡績糸54の太さを監視する構成であっても良い。糸品質測定器12は、紡績糸54に含まれる異物を糸欠陥として検出しても良い。
スピニングセンサ13は、糸品質測定器12のすぐ下流側に配置されている。スピニングセンサ13は、空気紡績装置9と糸貯留装置14との間における紡績糸54のテンションを検出することができる。スピニングセンサ13は、この検出したテンションの検出信号を前記ユニットコントローラへと送信する。ユニットコントローラは、スピニングセンサ13が検出したテンションを監視することにより、弱糸などの異常箇所を検出する。スピニングセンサ13は省略しても良い。
糸品質測定器12及びスピニングセンサ13の下流には、糸貯留装置14が設けられている。糸貯留装置14は、図2に示すように、糸貯留ローラ15と、当該糸貯留ローラ15を回転駆動するモータ16と、を備えている。
糸貯留ローラ15は、その外周面に一定量の紡績糸54を巻き付けて一時的に貯留することができる。糸貯留ローラ15の外周面に紡績糸54を巻き付けた状態で当該糸貯留ローラ15を所定の回転速度で回転させることにより、空気紡績装置9から紡績糸54を所定の速度で引き出して下流側に搬送することができる。糸貯留ローラ15の外周面に紡績糸54を一時的に貯留することができるので、糸貯留装置14を一種のバッファとして機能させることができる。これにより、空気紡績装置9における紡績速度と、巻取速度(パッケージ28へ巻き取られる紡績糸54の速度)と、が何らかの理由により一致しない不具合(例えば紡績糸54の弛み等)を解消することができる。なお、糸貯留装置14の代わりに、デリベリローラとニップローラを設けて、当該ローラ対にて紡績糸54を空気紡績装置9から引き出すようにしても良い。あるいは、空気紡績装置9と糸貯留装置14の間にデリベリローラとニップローラを設けてもよい。
糸貯留装置14の下流には、糸ガイド17及び巻取装置96が配置されている。糸ガイド17と巻取装置96の間にワキシング装置を設け、紡績糸54にワックスを付与してもよい。巻取装置96は、紡績糸54を巻き取るためのボビンを回転可能に支持するクレードルアーム97を備える。
巻取装置96は、巻取ドラム98と、トラバースガイド99と、図略の巻取ドラム駆動モータと、を備えている。巻取ドラム98は、巻取ドラム駆動モータの駆動力が伝達されることにより、前記ボビン又はパッケージ28の外周面に接触した状態で回転する。トラバースガイド99は、紡績糸54に係合可能である。巻取装置96は、トラバースガイド99を図略の駆動手段によって往復動させながら巻取ドラム98を巻取ドラム駆動モータによって駆動する。これにより、巻取装置96は、巻取ドラム98に接触するパッケージ28を回転させ、紡績糸54を綾振りしつつ、紡績糸54をパッケージ28に巻き取る。
糸継台車3は、図1及び図2に示すように、糸継装置93と、サクションパイプ94と、サクションマウス95と、を備えている。糸継台車3は、ある紡績ユニット2で糸切れ又は糸切断が発生すると、図略のレール上を走行して当該紡績ユニット2又はその近傍で停止する。サクションパイプ94は、軸を中心に上方向に回動して、空気紡績装置9から送出される紡績糸54を捕捉し、軸を中心に下方向に回動することによって当該紡績糸54を糸継装置93へ案内する。サクションマウス95は、軸を中心に下方向に回動して、パッケージ28から紡績糸54を捕捉し、軸を中心に上方向に回動することによって当該紡績糸54を糸継装置93へ案内する。糸継装置93は、案内された紡績糸54同士の糸継ぎを行う。これにより、巻取装置96は、紡績糸54の巻き取りを再開できる。
次に、図3及び図4を参照して、ドラフト装置7について詳細に説明する。初めにドラフト装置7が備えるドラフトローラについて説明する
図3に示すように、ドラフト装置7は、互いに対向するボトムローラ(ドラフトローラ)とトップローラ(対向ローラ)から構成されるドラフトローラ対を備える。ボトムローラは、精紡機1の背面側(下側)に位置しており、トップローラは、精紡機1の正面側(上側)に位置している。本実施形態のドラフト装置7は、上流側から順に、バックローラ対(第4ドラフトローラ対)、サードローラ対(第3ドラフトローラ対)、ミドルローラ対(第2ドラフトローラ対)、フロントローラ対(第1ドラフトローラ対)を備えた、いわゆる4線式のドラフト装置として構成されている。ドラフト装置7は、トップローラとして、上流側から順に、バックトップローラ31、サードトップローラ32、ミドルトップローラ(第2ローラ)34、及びフロントトップローラ35を備える。ミドルトップローラ34には、トップエプロンベルト(第2接触ベルト)33が巻き掛けられている。ドラフト装置7は、ボトムローラとして、上流側から順に、バックボトムローラ(第4ドラフトローラ)21、サードボトムローラ(第3ドラフトローラ)22、ミドルボトムローラ(第1ローラ)24、及びフロントボトムローラ25を備える。ミドルボトムローラ24には、ボトムエプロンベルト(第1接触ベルト)23が巻き掛けられている。
各トップローラ31,32,35及びエプロンベルト23,33は、その外周面がゴム等の弾性部材から構成されている。各トップローラ31,32,34,35は、図略の軸受等を介して、その軸線を中心に回転可能に支持されている。各ボトムローラ21,22,24,25は、軸線を中心に回転駆動されるように構成されている。ドラフト装置7は、ボトムローラ21,22,24,25毎に駆動部(電動モータ等)を備え、各ボトムローラ21,22,24,25を個別に駆動する。具体的には、図3に示すように、ドラフト装置7は、バックボトムローラ21を駆動する第4駆動部(第4ドラフトローラ駆動部)104と、サードボトムローラ22を駆動する第3駆動部(第3ドラフトローラ駆動部)103と、ミドルボトムローラ24を駆動する第2駆動部102と、フロントボトムローラ25を駆動する第1駆動部101と、を備える。各駆動部101〜104は、ユニットコントローラの制御により回転速度を個別に変更可能である。本実施形態では、第1駆動部101と第2駆動部102のそれぞれは複数の紡績ユニット2に共通で設けられており、第3駆動部103と第3駆動部104は各紡績ユニット2に設けられている。
ドラフト装置7は、各トップローラ31,32,34,35を、それに対向するボトムローラ21,22,24,25に向かって付勢する付勢手段(図示略)を有している。これにより、トップローラ31,32,34,35の外周面が,ボトムローラ21,22,24,25の外周面にそれぞれ弾性的に接触する。この構成で、ボトムローラ21,22,24,25を回転駆動することにより、トップローラ31,32,34,35も従動回転する。
ドラフト装置7は、回転するトップローラ31,32,34,35とボトムローラ21,22,24,25の間で繊維束52をニップする(挟み込む)ことにより、当該繊維束52を下流側に向けて搬送する。ドラフト装置7においては、下流側のドラフトローラ対ほど回転速度が速くなるように構成されている。従って、繊維束52は、ドラフトローラ対とドラフトローラ対との間で搬送される間にドラフトされる。その結果、下流側にいくほど繊維束52の太さが細くなっていく。
各ボトムローラ21,22,24,25の回転速度を適宜設定することにより、繊維束52が引き伸ばされる比率を変更できるので、所望の太さになるようにドラフトした繊維束52を空気紡績装置9に対して供給することができる。この引き伸ばされる比率を「ドラフト比」と称する。
以下、ドラフト比について説明する。本実施形態のような4線式のドラフト装置は、以下の式(1)〜式(4)で算出される複数のドラフト比を有する。
(ミドルローラ対に導入される前の繊維の量又は本数)/(フロントローラ対によってドラフトされた後の繊維の量又は本数)=第1ドラフト比(1DR、メインドラフト比、MDR)・・・(1)
(サードローラ対に導入される前の繊維の量又は本数)/(ミドルローラ対によってドラフトされた後の繊維の量又は本数)=第2ドラフト比(2DR、インターミディエートドラフト比、IDR)・・・(2)
(バックローラ対に導入される前の繊維の量又は本数)/(サードローラ対によってドラフトされた後の繊維の量又は本数)=第3ドラフト比(3DR、ブレイクドラフト比、BDR)・・・(3)
(バックローラ対に導入される前の繊維の量又は本数)/(フロントローラ対によってドラフトされた後の繊維の量又は本数)=トータルドラフト比(TDR)・・・(4)
第1ドラフト比、第2ドラフト比、第3ドラフト比、トータルドラフト比は、以下の式(5)〜式(8)によっても算出可能である。
(フロントローラ対の速度)/(ミドルローラ対の速度)=第1ドラフト比・・・(5)
(ミドルローラ対の速度)/(サードローラ対の速度)=第2ドラフト比・・・(6)
(サードトローラ対の速度)/(バックローラ対の速度)=第3ドラフト比・・・(7)
トータルドラフト比=第1ドラフト比(MDR)×第2ドラフト比(IDR)×第3ドラフト比(BDR)・・・(8)
式(5)〜式(7)の「速度」とは、接線速度(角速度×半径)を指すが、2組のドラフトローラ対で半径が同じであれば角速度の比を用いることもできる。
ドラフト装置7は、図3及び図4に示すように、ボトムテンサバー(第1ベルト案内部材)81と、エプロンテンショナー(第2ベルト案内部材)85と、を備える。
ボトムテンサバー81は、フロントボトムローラ25と、ミドルボトムローラ24と、の間であって、ボトムエプロンベルト23の内側に配置されている。ボトムテンサバー81は、ボトムエプロンベルト23に接触することで、ボトムエプロンベルト23に張りを与えつつ、ボトムエプロンベルト23を案内する。言い換えれば、ボトムテンサバー81は、ボトムエプロンベルト23の位置を規制する。
ボトムテンサバー81は、図3及び図4に示すように、ベース部81aと、突出部81bと、を含んで構成されている。ベース部81aは、ボトムテンサバー81の下流側の端部を含んで構成されている部分である。ボトムテンサバー81は図略の取付部材に取り付けられており、この取付部材の位置を変化させることで、ボトムテンサバー81の位置を変更できる。この構成により、ベース部81aは、ボトムエプロンベルト23の下流側の端部において、ミドルボトムローラ24等の軸方向で見たときにおける、繊維走行方向の位置を規制するとともに、繊維走行方向に垂直な方向の位置(繊維束52に対して接離する方向の位置)を規制する。
図3(ミドルボトムローラ24等の軸方向で見た図)において、ボトムテンサバー81は、フロントローラ対の接触点(ニップ点)を通る接線(図3に示す接線111)と交差する。本実施形態では、ミドルローラ対を除いた3つのドラフトローラ対は一直線上に配置されているため、この接線111は、サードローラ対及びバックローラ対の接触点も通る。なお、各ドラフトローラの配置は一例であり、異なっていても良い。また、ベース部81aのうちエプロンテンショナー85側(トップエプロンベルト33側)を向く面と、接線111と、の間隔を第2長さL2(図3)とする。この第2長さL2を長くすることで、エプロンベルト23,33が繊維束52を強く押圧することになり、ドラフト時の抵抗が大きくなる。この第2長さL2を短くすることで、エプロンベルト23,33が繊維束52を弱く押圧することになり、ドラフト時の抵抗が小さくなる。
突出部81bは、ボトムテンサバー81の上流側の端部を含んで構成されている部分である。突出部81bは、ベース部81aよりも、トップエプロンベルト33側(繊維束52側)に突出している。
エプロンテンショナー85は、フロントトップローラ35と、ミドルトップローラ34と、の間であって、トップエプロンベルト33の内側に配置されている。エプロンテンショナー85は、トップエプロンベルト33に接触することで、トップエプロンベルト33に張りを与えつつ、トップエプロンベルト33を案内する。言い換えれば、エプロンテンショナー85は、トップエプロンベルト33の位置を規制する。エプロンテンショナー85は、トップエプロンベルト33の下流端の近傍かつ下端の近傍に配置されている。このため、エプロンテンショナー85は、ミドルトップローラ34等の軸方向で見たときにおける、繊維束52の走行方向の位置を規制可能であるとともに、繊維束52の走行方向に垂直な方向の位置(繊維束52に対して接離する方向の位置)を規制する。
ミドルローラ対等の軸方向で見たときに、対向するボトムテンサバー81とエプロンテンショナー85との間隔を第1長さL1(図3)と称する。この第1長さL1を短くすることで、エプロンベルト23,33が繊維束52を強く押圧することになり、ドラフト時の抵抗が大きくなる。この第1長さL1を長くすることで、エプロンベルト23,33が繊維束52を弱く押圧することになり、ドラフト時の抵抗が小さくなる。
この第1長さL1は、ボトムテンサバー81に形成されたスペーサ(接触部材)82により調整される。具体的には、図4に示すように、ベース部81aのトップエプロンベルト33側を向く面には、図略のネジ孔が形成されている。このネジ孔には、ボルト状のスペーサ82が挿入されている。この構成により、スペーサ82を回転させること(高さの異なる部材に交換すること)で、ボトムテンサバー81からの突出高さを調整できる。ボトムテンサバー81及びエプロンテンショナー85は、図4に示すように、トップエプロンベルト33よりも軸方向に長くなるように形成されている。これにより、トップエプロンベルト33よりも軸方向の外側において、エプロンテンショナー85がスペーサ82に当たることで、エプロンテンショナー85の位置が調整(規制)される。エプロンテンショナー85の位置を調整する構成は他の構成であってもよく、エプロンテンショナー85に取り付けられた別の部材を介して位置を調整しても良い。スペーサ82の高さは可変でなくても良い。また、紡績ユニット2のドラフト装置7のドラフトローラ対は、2錘1組で設けられ、1組の紡績ユニット2のドラフトローラ対のトップローラの軸同士は連結されている。スペーサ82は、ボトムテンサバー81のうち1組の紡績ユニット2の外側にそれぞれ設けられている。即ち、正面視において、左側の紡績ユニット2のボトムエプロンベルト23よりも左側にスペーサ82が設けられるとともに、右側の紡績ユニット2のボトムエプロンベルト23よりも右側にスペーサ82が設けられている。スペーサ82は、ボトムテンサバー81のうちボトムエプロンベルト23よりも1組の紡績ユニット2の内側にそれぞれ設けられていても良いし、1組の紡績ユニット2の内側と外側の両方にそれぞれ設けられていても良い。
上記実施形態では、スペーサ82はボトムテンサバー81に設けられているが、エプロンテンショナー85に設けられていても良い。スペーサ82は、ボトムテンサバー81(エプロンテンショナー85)と一体的に形成されていても良いし、別体であっても良い。スペーサ82は、ボトムテンサバー81と一体的に移動する部材(例えばボトムテンサバー81の支持又は取付けのための部材)に接触する構成であっても良い。同様に、スペーサ82は、エプロンテンショナー85と一体的に移動する部材(例えばエプロンテンショナー85の支持又は取付けのための部材)に接触する構成であっても良い。スペーサ82に、第1長さを識別するための識別部を設けても良い。識別部の例としては、第1長さを示す、文字、記号、色、及び表面処理がある。
次に、図5から図7を参照して、空気紡績装置9の構成について説明する。
図5に示すように、空気紡績装置9は、第1ホルダ(ノズルブロック)60と、第2ホルダ70と、を備える。第1ホルダ60は、空気紡績装置9の上流側の端部に配置される。第1ホルダ60は、繊維ガイド61と、紡績室62と、ノズル63と、を備える。
繊維ガイド61は、芯糸供給装置40から供給された芯糸53と、ドラフト装置7から供給された繊維束52と、を空気紡績装置9の内部に向けて案内する。繊維ガイド61には、繊維導入口61aと、ガイドニードル61bと、が形成されている。芯糸53及び繊維束52は、繊維導入口61aから導入され、ガイドニードル61bに巻きかかるようにして紡績室62内に案内される。空気紡績装置9は、ノズル63から紡績室62内に空気を噴出して、紡績室62内に旋回空気流を発生させる。この旋回空気流によって、繊維束52を構成する各繊維が旋回させられる。ガイドニードル61bを省略し、繊維ガイド61の下流側端部にガイドニードル61bの機能を持たせても良い。
第2ホルダ70は、中空ガイド軸体71と、糸通路72と、を備える。糸通路72は、中空ガイド軸体71の軸中心に形成されている。ノズル63から噴射された空気によって、繊維束52の繊維の後端は中空ガイド軸体71の先端の周囲を振り回される。これにより、繊維束52に撚りが加えられるとともに繊維束52が芯糸53に巻き付いた構成の紡績糸54が生成される。紡績糸54は、糸通路72を通って下流側の糸出口(図略)から空気紡績装置9の外部へ送出される。
上述のように、空気紡績装置9は、繊維束52及び芯糸53が供給される場合、繊維束52のみが供給される場合の何れであっても紡績糸54を生成可能である。図6(a)には、繊維束52及び芯糸53が空気紡績装置9に供給された場合に生成される二層紡績糸54aの断面図(長手方向に垂直な平面で切った断面図)が示されている。二層紡績糸54aは、内側(芯側)に芯糸53が存在するとともに、その外側(鞘側)には、撚りが形成された繊維束52が存在する(芯糸53に繊維束52が巻き付いている)。また、芯糸53はフィラメント状であり(長繊維で構成されており)、繊維束52はステープル状である(短繊維で構成されている)。従って、二層紡績糸54aは、長短複合紡績糸と表現することもできる。なお、図6(a)では、内側(芯側)と、外側(鞘側)と、の境界が明確に表れている図が記載されているが、この境界はもう少し曖昧であっても、図6(a)に示される糸は二層紡績糸(長短複合糸)に相当する。つまり、内側(芯側)と外側(鞘側)の間に、芯糸53と繊維束52の繊維が混在している領域があっても良い。また、例えば外側(鞘側)の領域に、芯糸53が若干含まれていても良い。
図6(b)には、繊維束52のみが空気紡績装置9に供給された場合に生成される一層紡績糸54bの断面図が示されている。一層紡績糸54bは、撚りが形成された繊維束52のみから構成されている。紡績糸54は、リング紡績等で生成された紡績糸と比較して、毛羽が少なく抗ピリング性及び耐摩耗性が良好である。
空気紡績装置9で紡績を行うことにより、リング紡績等と異なった特性を有する紡績糸54(二層紡績糸54a又は一層紡績糸54b)が生成される。以下、一層紡績糸54bを例として説明する。図7(a)は、一層紡績糸54bを長手方向で見たときの撚りを概念的に示す図である。図7(b)は、一層紡績糸54bを径方向で見たときの撚りを概念的に示す図である。図7(a)及び図7(b)に示すように、一層紡績糸54bは、多くの(略全ての)繊維の一端が一層紡績糸54bの中心にあり、図7(a)に示すように弧を描きながら外側に広がっている。従って、紡績糸54の外側と内側とが同じ繊維で構成されている。リング紡績の場合は、紡績糸の外側と内側とが違う繊維で構成されている。
図7(c)は、一層紡績糸54bの中心から外表面における、撚りの方向及び強さを示すグラフである。図7(c)に示すように、一層紡績糸54bは、径方向外側に向かうに従って繊維の撚り(Z撚り)が強くなる撚り変化領域を含んで構成されている。撚り変化領域の径方向内側には撚りの強さが略一定(=0)の領域が形成されており、撚り変化領域の径方向外側には撚りの強さが略一定(≠0)の領域が形成されている。リング紡績の場合は、紡績糸の径方向の位置を問わず撚りの強さが略一定である。
図7では、一層紡績糸54bについて説明したが、二層紡績糸54aも同様の特徴を有する。具体的には、二層紡績糸54aの巻付き繊維は、繊維の一端が芯糸53の表面近傍にあり、弧を描きながら外側に広がっている。二層紡績糸54aの巻付き繊維も、径方向外側に向かうに従って繊維の撚り(Z撚り)が強くなる撚り変化領域を有している。
次に、見掛けヤング率が低い原料をドラフトして紡績糸54を生成する際に、紡績性の低下及び糸物性の低下を抑制するための条件について説明する。二層紡績糸54aを生成する場合、本実施形態では芯糸53及びスライバ51の両方に見掛けヤング率が低い原料を用いているが、芯糸53に見掛けヤング率が高い原料を用いることもできる。一層紡績糸54bを生成する場合、本実施形態ではスライバ51に見掛けヤング率が低い原料を用いている。
見掛けヤング率とは、繊維に引張りを掛けた当初の繊維の伸び易さ(硬さ)を示す尺度である。見掛けヤング率は、1Nの引張り力を与えた場合の伸びを繊維の断面積で除した値である。本実施形態で説明する条件は、見掛けヤング率が3000N/mm2以下(更に好ましくは1000N/mm2以下)において、特に好適である。見掛けヤング率がこのような範囲にある場合において、従来の空気紡績方法では、スライバ51を構成する原料に伸びが生じ易いため、適切にドラフトすることが困難であった。
見掛けヤング率が3000N/mm2以下の原料としては、例えば、ナイロン、アクリル、ポリ乳酸、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、メタ系アラミドの少なくとも何れか、及びこれらの素材の少なくとも何れかを含む混合物を挙げることができる。化学繊維には、短繊維(ステープル)から構成される糸と、長繊維(フィラメント)から構成される糸と、が存在する。本明細書では、短繊維から構成される糸の見掛けヤング率を各原料の「見掛けヤング率」として取り扱う。本明細書では、一般的な実験条件(例えば温度は20度前後の常温であり、相対湿度は50%前後〜65%前後である条件)における見掛けヤング率を、各原料の「見掛けヤング率」として取り扱う。これらの条件では、ナイロンの見掛けヤング率は784〜2940N/mm2であり、アクリルの見掛けヤング率は2550〜6370N/mm2である。
見掛けヤング率と同義の尺度として、初期引張り抵抗度も知られている。初期引張り抵抗度とは、cNの引張り力を与えた場合の伸びを、太さの単位であるdtex(10,000mあたりのグラム数)で除した値である。本実施形態で説明する条件は、初期引張り抵抗度が22cN/dtex以下(更に好ましくは8cN/dtex以下)において好適である。
見掛けヤング率に関連する概念の尺度として、伸び率も知られている。伸び率とは、繊維を引っ張り、切断したときの伸びを元の長さで除した値(%)である。本実施形態で説明する条件は、伸び率が35%以上(更に好ましくは45%以上)において好適である。
空気紡績機では、高ドラフト(トータルドラフト比が50以上)かつ紡績速度が高速(具体的には300m/分以上650m/分以下)で紡績を行うことが多いため、従来は、見掛けヤング率が3000N/mm2以下の原料を用いて適切にドラフト及び空気紡績を行うことは困難であった。しかし、以下の条件を設定することで、見掛けヤング率が3000N/mm2以下の原料を用いた場合であっても適切にドラフト及び空気紡績を行うことが可能であることが確かめられた。
TDR(トータルドラフト比):70以上300以下、好ましくは80以上150以下
MDR(第1ドラフト比):5以上又は7以上、かつ、7以下、8以下、10以下、12以下、又は20以下
IDR(第2ドラフト比):1.8以上6以下、好ましくは2以上4以下
BDR(第3ドラフト比):1.8以上6以下、好ましくは2以上4以下
第1長さ(スペーサの厚み):2.7mm以上3.5mm以下、好ましくは3.0mm
第2長さ(ボトムテンサバーの高さ):2.0mm以上2.8m以下、好ましくは2.2mm以上2.5mm以下、更に好ましくは2.4mm
上記の条件のうち、MDR、第1長さ、及び第2長さのうち何れか1つのみが成立していることである程度の効果が発揮できるが、2つ又は3つ全部の条件が成立していることが好ましい。これらの条件が満たされることで、繊維同士の拘束、抵抗を小さくすることができるので、見掛けヤング率が低い原料のスライバ51であっても、繊維に過度な伸び及び収縮が発生しにくくなるため、ドラフト斑が生じにくい。その結果、ドラフトを均一に行うことができるので、紡績性の低下を抑制しつつ、糸物性の低下を抑制できる。
上記の条件を満たしつつ、繊維束52及び芯糸53を用いて二層紡績糸54aを生成することで、一層紡績糸54bと比較して糸物性が大幅に向上することが確かめられた。以下、図8及び図9を参照して説明する。
図8(a)は、30番手のナイロンの一層紡績糸について、糸直径の平均偏差を百分率で示した値(即ち、糸直径の平均値で除した値)を所定の条件毎に示すグラフである。この値が大きいほど、糸斑の程度が大きいこととなる。図8(b)は、30番手のナイロンの二層紡績糸(長繊維のナイロンの芯糸、及び、短繊維のナイロンの巻付き繊維で構成される紡績糸)について、同様の値を示すグラフである。この2つのグラフを比較することで、二層紡績糸の方が一層紡績糸よりも糸物性が優れていることが分かる。
図9(a)は、30番手のナイロンの一層紡績糸について、欠点の検出頻度(所定の長さあたりの個数)を所定の条件毎に示すグラフである。この値が大きいほど、糸斑の程度が大きいこととなる。また、各グラフに示すように、欠点としては、糸の平均直径よりも大幅に大きいもの、糸の平均直径よりもある程度大きいもの、糸の平均直径よりもある程度小さいものの3種類を検出対象とした。図9(b)は、30番手のナイロンの二層紡績糸について、同様の値を示すグラフである。この2つのグラフを比較することで、二層紡績糸の方が一層紡績糸よりも糸物性が優れていることが分かる。
以上に説明したように、本実施形態の精紡機1は、ドラフト装置7と、空気紡績装置9と、巻取装置96と、を備え、以下の空気紡績方法を行う。ドラフト装置7は、スライバ51をドラフトして繊維束52とする(ドラフト工程)。空気紡績装置9は、ドラフト装置7でドラフトされた繊維束52に空気流によって撚りを加えて紡績糸54を生成する(空気紡績工程)。巻取装置96は、空気紡績装置9が生成した紡績糸54を巻き取る(巻取工程)。ドラフト装置7は、繊維走行方向の最も下流側に配置されるフロントローラ対と、次に下流側に配置されるミドルローラ対と、を備える。フロントローラ対によってドラフトされた後の繊維の量若しくは本数に対する、ミドルローラ対に導入される前の繊維の量又は本数の比率、又は、ミドルローラ対の速度に対するフロントローラ対の速度である第1ドラフト比が12以下である。
これにより、リング紡績機等と比較して高ドラフト及び高速で紡績を行う精紡機1を用いて、例えば見掛けヤング率が低い原料をドラフト及び紡績する場合においても、紡績性の低下を抑えるとともに、紡績糸54の糸物性の低下を抑えることができる。また、本実施形態では、ドラフト装置7に供給するスライバ51の太さに制約がなく、非常に細いスライバ51でなくてもドラフトすることができる。生成する紡績糸54の太さも太番手に限定されない。
本実施形態では、ドラフト装置7は、ボトムテンサバー81と、エプロンテンショナー85と、エプロンベルト23,33と、を更に備える。ボトムテンサバー81及びエプロンテンショナー85は、ミドルローラ対とフロントローラ対の間に配置される。エプロンベルト23は、ミドルボトムローラ24に巻き掛けられるとともに、ボトムテンサバー81に巻き掛けられ、繊維束52に接触する。エプロンベルト33は、ミドルトップローラ34に巻き掛けられるとともに、エプロンテンショナー85に巻き掛けられ、繊維束52に接触する。ミドルローラ対の軸方向で見たときに、ボトムテンサバー81及びエプロンテンショナー85の間隔を示す第1長さL1が2.7mm以上3.5mm以下である。ミドルローラ対の軸方向で見たときに、ボトムテンサバー81はフロントローラ対の接触点を通る接線111と交差するように設けられており、ボトムテンサバー81の下流側の端部(ベース部81a)のうちエプロンテンショナー85を向く面と、接線111と、の間隔を示す第2長さL2が2.0mm以上2.8mm以下である。フロントローラ対によってドラフトされた後の繊維の量若しくは本数に対する、ミドルローラ対に導入される前の繊維の量又は本数の比率、又は、ミドルローラ対の速度に対するフロントローラ対の速度である第1ドラフト比が20以下である。
これにより、第1長さL1及び第2長さL2を上記のようにすることで、エプロンベルト23,33が繊維束52に及ぼす影響を軽減できるので、例えば見掛けヤング率が低い原料をドラフト及び紡績する場合においても、紡績性の低下を抑えるとともに、紡績糸54の糸物性の低下を抑えることができる。
本実施形態の精紡機1は、ボトムテンサバー81に接触するとともに、更に、エプロンテンショナー85又は当該エプロンテンショナー85と一体的に移動する部材に接触するスペーサ82を備え、当該スペーサ82の厚みが第1長さである。
これにより、簡単な構成で第1長さを設定できる。
本実施形態の精紡機1においては、ボトムテンサバー81には、エプロンテンショナー85の位置を規制するスペーサ82が配置されており、当該スペーサ82の厚みが第1長さである。
これにより、第1長さを精度良く設定できる。
本実施形態の精紡機1において、ドラフト装置7は、サードローラ対と、バックローラ対と、第3駆動部103と、第4駆動部104と、を備える。サードローラ対は、ミドルローラ対の繊維走行方向の上流側に配置される。バックローラ対は、サードローラ対の繊維走行方向の上流側に配置される。サードローラ駆動部は、サードローラ対の一方のローラ(サードボトムローラ22)を他のドラフトローラ対とは独立して駆動する。第4駆動部104は、バックローラ対の一方のローラ(バックボトムローラ21)を他のドラフトローラ対とは独立して駆動する。
これにより、サードローラ対の回転速度と、バックローラ対の回転速度と、を個別に変更することで、サードローラ対とバックローラ対で行われるドラフトのドラフト比を大きく変化させることができる。そのため、第1ドラフト比を上記の値に設定して、スライバ51をドラフトすることができる。
本実施形態の精紡機1において、ドラフト装置7には、見掛けヤング率が3000N/mm2以下の原料の短繊維を含むスライバ51が供給され(スライバ供給工程)、ドラフト装置7は、このスライバ51をドラフトして繊維束52にする。
上記のような見掛けヤング率が低いスライバ51をドラフトして紡績する場合であっても、紡績性の低下を抑えるとともに、紡績糸54の糸物性の低下を抑えることができる。
本実施形態の精紡機1は、見掛けヤング率が3000N/mm2以下の原料の長繊維を含む芯糸53を供給する(芯糸供給工程を行う)芯糸供給装置40を備える。空気紡績装置9は、芯糸53を芯側として繊維束52の繊維を鞘側として紡績を行うことで紡績糸54(二層紡績糸54a)を生成する。
これにより、見掛けヤング率が低い原料を組み合わせて、糸物性が非常に良好な紡績糸54を生成することができる。
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
上記実施形態では、ボトムローラ21,22,24,25は、それぞれ異なる駆動部で駆動されている。しかし、減速機等を用いることで、上記のうち少なくとも2つを同じ駆動部で駆動することができる。
上記実施形態では、紡績ユニット2のドラフト装置7のドラフトローラ対は2錘1組で設けられているが、各紡績ユニット2のドラフト装置7において、各ドラフトローラを独立して設けても良い。
各紡績ユニット2は、他の紡績ユニット2とは独立した駆動部により、各装置が駆動されるように構成されていても良い。
上記実施形態では、精紡機1は芯糸供給装置40を備えるが、芯糸供給装置40を備えない構成(即ち一層紡績糸54bのみを生成する構成)であっても良い。
上記実施形態では、二層紡績糸54aの芯糸と巻付き繊維は同じ原料であるが、異なる原料であっても良い。供給する芯糸は2種類以上の組み合わせでも良い。鞘側の巻付き繊維も2種類以上の混紡でも良い。
上記実施形態では、空気紡績装置9よりも下側でパッケージ28が形成されるレイアウトであるが、空気紡績装置9よりも上側でパッケージ28が形成されても良い。
1 精紡機(紡績機)
7 ドラフト装置
9 空気紡績装置
21 バックボトムローラ
22 サードボトムローラ
23 ボトムエプロンベルト(第1接触ベルト)
24 ミドルボトムローラ(第1ローラ)
25 フロントボトムローラ
40 芯糸供給装置
31 バックトップローラ
32 サードトップローラ
33 トップエプロンベルト(第2接触ベルト)
34 ミドルトップローラ(第2ローラ)
35 フロントトップローラ
51 スライバ
52 繊維束
53 芯糸
54 紡績糸
54a 二層紡績糸
54b 一層紡績糸
81 ボトムテンサバー(第1ベルト案内部材)
82 スペーサ(接触部材)
85 エプロンテンショナー(第2ベルト案内部材)
96 巻取装置
101 第1駆動部
102 第2駆動部
103 第3駆動部(第3ドラフトローラ駆動部)
104 第4駆動部(第4ドラフトローラ駆動部)

Claims (15)

  1. スライバをドラフトして繊維束とするドラフト装置と、
    前記ドラフト装置でドラフトされた前記繊維束に空気流によって撚りを加えて紡績糸を生成する空気紡績装置と、
    を備え、
    前記ドラフト装置は、繊維走行方向の最も下流側に配置される第1ドラフトローラ対と、次に下流側に配置される第2ドラフトローラ対と、を備え、
    前記第1ドラフトローラ対によってドラフトされた後の繊維の量若しくは本数に対する、前記第2ドラフトローラ対に導入される前の繊維の量又は本数の比率、又は、前記第2ドラフトローラ対の速度に対する前記第1ドラフトローラ対の速度である第1ドラフト比が12以下であることを特徴とする紡績機。
  2. スライバをドラフトして繊維束とするドラフト装置と、
    前記ドラフト装置でドラフトされた前記繊維束に空気流によって撚りを加えて紡績糸を生成する空気紡績装置と、
    を備え、
    前記ドラフト装置は、
    繊維走行方向の最も下流側に配置される第1ドラフトローラ対と、
    次に下流側に配置される第2ドラフトローラ対と、
    前記第1ドラフトローラ対と前記第2ドラフトローラ対の間に配置される第1ベルト案内部材と第2ベルト案内部材と、
    前記第2ドラフトローラ対の第1ローラに巻き掛けられるとともに、前記第1ベルト案内部材に巻き掛けられ、前記繊維束に接触する第1接触ベルトと、
    前記第2ドラフトローラ対の第2ローラに巻き掛けられるとともに、前記第2ベルト案内部材に巻き掛けられ、前記繊維束に接触する第2接触ベルトと、
    を備え、
    前記第2ドラフトローラ対の軸方向で見たときに、前記第1ベルト案内部材と前記第2ベルト案内部材の間隔を示す第1長さが2.7mm以上3.5mm以下であり、
    前記第2ドラフトローラ対の軸方向で見たときに、前記第1ベルト案内部材は前記第1ドラフトローラ対の接触点を通る接線と交差するように設けられており、前記第1ベルト案内部材の下流側の端部のうち前記第2ベルト案内部材を向く面と、前記接線と、の間隔を示す第2長さが2.0mm以上2.8mm以下であり、
    前記第1ドラフトローラ対によってドラフトされた後の繊維の量若しくは本数に対する、前記第2ドラフトローラ対に導入される前の繊維の量又は本数の比率、又は、前記第2ドラフトローラ対の速度に対する前記第1ドラフトローラ対の速度である第1ドラフト比が20以下であることを特徴とする紡績機。
  3. 請求項2に記載の紡績機であって、
    前記第1ベルト案内部材に接触するとともに、更に、前記第2ベルト案内部材又は当該第2ベルト案内部材と一体的に移動する部材に接触する接触部材を備え、当該接触部材の厚みが前記第1長さであることを特徴とする紡績機。
  4. 請求項3に記載の紡績機であって、
    前記第1ベルト案内部材には、前記第2ベルト案内部材の位置を規制する前記接触部材としてのスペーサが配置されており、当該スペーサの厚みが前記第1長さであることを特徴とする紡績機。
  5. 請求項1から4までの何れか一項に記載の紡績機であって、
    前記ドラフト装置は、
    前記第2ドラフトローラ対の繊維走行方向の上流側に配置される第3ドラフトローラ対と、
    前記第3ドラフトローラ対の繊維走行方向の上流側に配置される第4ドラフトローラ対と、
    前記第3ドラフトローラ対の一方のローラを他のドラフトローラ対とは独立して駆動する第3ドラフトローラ駆動部と、
    前記第4ドラフトローラ対の一方のローラを他のドラフトローラ対とは独立して駆動する第4ドラフトローラ駆動部と、
    を備えることを特徴とする紡績機。
  6. 請求項1から5までの何れか一項に記載の紡績機であって、
    前記ドラフト装置は、見掛けヤング率が3000N/mm2以下の原料の短繊維を含むスライバをドラフトして繊維束にすることを特徴とする紡績機。
  7. 請求項6に記載の紡績機であって、
    見掛けヤング率が3000N/mm2以下の原料の長繊維を含む芯糸を供給する芯糸供給装置を備え、
    前記空気紡績装置は、前記芯糸を芯側として前記繊維束の繊維を鞘側として紡績を行うことで紡績糸を生成することを特徴とする紡績機。
  8. 見掛けヤング率が3000N/mm2以下の原料の短繊維を含むスライバを供給するスライバ供給工程と、
    前記スライバ供給工程で供給されたスライバをドラフトして繊維束とするドラフト工程と、
    前記ドラフト工程でドラフトされた前記繊維束に空気流によって撚りを加えて紡績糸を生成する空気紡績工程と、
    を含むことを特徴とする空気紡績方法。
  9. 請求項8に記載の空気紡績方法であって、
    前記ドラフト工程では、繊維走行方向の最も下流側に配置される第1ドラフトローラ対と、次に下流側に配置される第2ドラフトローラ対と、を含むドラフト装置でドラフトを行い、
    前記第1ドラフトローラ対によってドラフトされた後の繊維の量若しくは本数に対する、前記第2ドラフトローラ対に導入される前の繊維の量又は本数の比率、又は、前記第2ドラフトローラ対の速度に対する前記第1ドラフトローラ対の速度である第1ドラフト比が12以下であることを特徴とする空気紡績方法。
  10. 請求項8又は9に記載の空気紡績方法であって、
    見掛けヤング率が3000N/mm2以下の原料の長繊維を含む芯糸を供給する芯糸供給工程を含み、
    前記空気紡績工程では、前記芯糸が芯側となるように、かつ、前記繊維束の繊維から構成される巻付き繊維が鞘側となるように紡績を行うことで紡績糸を生成することを特徴とする空気紡績方法。
  11. 請求項10に記載の空気紡績方法であって、
    前記スライバ供給工程で供給する前記スライバの原料は、ナイロン、アクリル、ポリ乳酸、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、及びメタ系アラミドの少なくとも何れかを含んでおり、
    前記芯糸供給工程で供給する前記芯糸の原料は、ナイロン、アクリル、ポリ乳酸、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、及びメタ系アラミドの少なくとも何れかを含んでいることを特徴とする空気紡績方法。
  12. 請求項10又は11に記載の空気紡績方法であって、
    前記スライバ供給工程で供給する前記スライバの原料と、前記芯糸供給工程で供給する前記芯糸の原料と、が同じであることを特徴とする空気紡績方法。
  13. 見掛けヤング率が3000N/mm2以下の原料の繊維から構成されており、径方向外側に向かうに従って繊維の撚りが強くなる撚り変化領域を含むことを特徴とする紡績糸。
  14. 請求項13に記載の紡績糸であって、
    見掛けヤング率が3000N/mm2以下の原料の繊維から構成された芯糸と、
    前記芯糸に巻き付いており、見掛けヤング率が3000N/mm2以下の原料の繊維から構成されており、前記撚り変化領域が形成された巻付き繊維と、
    を有することを特徴とする紡績糸。
  15. 請求項14に記載の紡績糸であって、
    前記芯糸の原料は、ナイロン、アクリル、ポリ乳酸、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、及びメタ系アラミドの少なくとも何れかを含んでおり、
    前記巻付き繊維の原料は、ナイロン、アクリル、ポリ乳酸、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、及びメタ系アラミドの少なくとも何れかを含んでいることを特徴とする紡績糸。
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