JP2018178284A - 多孔質炭素繊維シートの製造方法及び多孔質炭素電極の製造方法 - Google Patents

多孔質炭素繊維シートの製造方法及び多孔質炭素電極の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、比較的製造コストが低く、かつ製造効率が高い多孔質炭素繊維シートの製造方法及びこの多孔質炭素繊維シートを用いた多孔質炭素電極の製造方法の提供を目的とする。【解決手段】本発明の多孔質炭素繊維シートの製造方法は、無灰炭が溶存する溶液の電界紡糸により、基板表面に微細繊維をフェルト状に堆積する工程と、上記堆積工程で得られた微細繊維堆積物を加熱する工程とを備える。上記堆積工程として、石炭及び溶媒を混合する工程と、上記混合工程で得られたスラリー中の上記石炭から上記溶媒に可溶な成分を溶出させる工程と、上記溶出工程で溶出後の上記スラリーを、溶媒可溶成分を含む液体分及び溶媒不溶成分に分離する工程とを備えるとよい。本発明の多孔質炭素電極の製造方法は、当該多孔質炭素繊維シートの製造方法により製造された多孔質炭素繊維シートを電極に成形する工程を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、多孔質炭素繊維シートの製造方法及び多孔質炭素電極の製造方法に関する。
気体や液体の流体拡散性を有する多孔質炭素繊維シートの製造方法としては、短い炭素繊維をバインダー物質と混合してフェルト状に固めて作る方法が公知である。この従来の多孔質炭素繊維シートの製造方法では、バインダー物質により成型を行う必要があるため、その製造効率に改善の余地がある。
成型を不要とする多孔質炭素繊維シートの製造方法としては、電界紡糸した繊維を炭素化する方法が提案されている(特開2011−157668号公報、国際公開第2011/070893号公報参照)。この従来の電界紡糸方法では、ピッチ系物質に予熱ガスを供給して紡糸したり、電界紡糸可能な高分子物質と有機化合物及び遷移金属とを含む組成物を紡糸したりする。
このように従来の電界紡糸による多孔質炭素繊維シートの製造方法では、炭素原料に特殊な材料及び炭素以外の物質を必要とする。このため、従来の電界紡糸による多孔質炭素繊維シートの製造方法には、製造コストに改善の余地がある。
特開2011−157668号公報 国際公開第2011/070893号公報
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、比較的製造コストが低く、かつ製造効率が高い多孔質炭素繊維シートの製造方法及びこの多孔質炭素繊維シートを用いた多孔質炭素電極の製造方法の提供を目的とする。
上記課題を解決するためになされた発明は、無灰炭が溶存する溶液の電界紡糸により、基板表面に微細繊維をフェルト状に堆積する工程と、上記堆積工程で得られた微細繊維堆積物を加熱する工程とを備える多孔質炭素繊維シートの製造方法である。
当該多孔質炭素繊維シートの製造方法では、無灰炭を炭素原料として用いる。無灰炭は比較的安価で優れた電界紡糸性を有し、炭素以外の物質を必要としない。また、当該多孔質炭素繊維シートの製造方法では、無灰炭の優れた黒鉛化性に基づいて、成型等の処理を施すことなく電界紡糸により高比表面積で微細繊維状の多孔質炭素繊維を容易に得ることができる。従って、当該多孔質炭素繊維シートの製造方法は、比較的製造コストが低く、かつ製造効率が高い。
上記堆積工程として、石炭及び溶媒を混合する工程と、上記混合工程で得られたスラリー中の上記石炭から上記溶媒に可溶な成分を溶出させる工程と、上記溶出工程で溶出後の上記スラリーを、溶媒可溶成分を含む液体分及び溶媒不溶成分に分離する工程とを備えるとよい。このように無灰炭として溶媒抽出されたものを用いることで、さらに製造効率を高め、かつ製造コストを低減できる。
得られる炭素繊維の平均径が0.5μm以上5μm以下となるように電界紡糸の電圧又は上記溶液における無灰炭の含有量を調整するとよい。このように得られる炭素繊維の平均径を上記範囲内に調整することで電界紡糸時に繊維同士が適度に絡み合い、流体拡散性が高められる。
上記課題を解決するためになされた別の発明は、当該多孔質炭素繊維シートの製造方法により製造された多孔質炭素繊維シートを電極に成形する工程を備える多孔質炭素電極の製造方法である。
当該多孔質炭素電極の製造方法では、当該多孔質炭素繊維シートの製造方法により製造された多孔質炭素繊維シートを成形して電極とするので、流体拡散性を有する電極を比較的低い製造コストで効率よく製造できる。
以上説明したように、本発明の多孔質炭素繊維シートの製造方法及びこの多孔質炭素繊維シートを用いた多孔質炭素電極の製造方法は、比較的製造コストが低く、かつ製造効率が高い。
図1は、本発明の一実施形態に係る多孔質炭素繊維シートの製造方法を示す概略フロー図である。 図1の堆積工程の概略フロー図である。 電界紡糸部を示す模式的概略図である。 実施例1の多孔質炭素繊維シートの光学顕微鏡写真である。 実施例1の多孔質炭素繊維シートの炭素繊維の走査電子顕微鏡写真である。 実施例1の多孔質炭素繊維シートの細孔径分布を示すグラフである。
以下、本発明に係る多孔質炭素繊維シートの製造方法及び多孔質炭素電極の製造方法の一実施形態について説明する。
〔多孔質炭素繊維シートの製造方法〕
当該多孔質炭素繊維シートの製造方法は、図1に示すように、堆積工程S1と、加熱工程S2とを主に備える。当該多孔質炭素繊維シートの製造方法は、例えば石炭供給部と、溶媒供給部と、混合部と、昇温部と、溶出部と、分離部と、電界紡糸部と、加熱部とを主に備える製造装置により行うことができる。
[堆積工程]
堆積工程S1では、無灰炭が溶存する溶液の電界紡糸により、基板表面に微細繊維をフェルト状に堆積する。堆積工程S1は、図2に示すように第1混合工程S11と、溶出工程S12と、固液分離工程S13と、蒸発分離工程S14と、第2混合工程S15と、電界紡糸工程S16とを備える。
<第1混合工程>
第1混合工程S11では、石炭及び溶媒を混合する。この第1混合工程S11は、例えば石炭供給部、溶媒供給部、及び混合部により行える。
(石炭供給部)
石炭供給部は、石炭を混合部へ供給する。石炭供給部としては、常圧状態で使用される常圧ホッパー、常圧状態及び加圧状態で使用される加圧ホッパー等の公知の石炭ホッパーを用いることができる。
石炭供給部から供給する石炭は、無灰炭の原料となる石炭である。上記石炭としては、様々な品質の石炭を用いることができる。例えば無灰炭の抽出率の高い瀝青炭や、より安価な低品位炭(亜瀝青炭や褐炭)が好適に用いられる。また、石炭を粒度で分類すると、細かく粉砕された石炭が好適に用いられる。ここで「細かく粉砕された石炭」とは、石炭全体の質量に対する粒度1mm未満の石炭の質量割合が80%以上である石炭を意味する。また、石炭供給部から供給する石炭として塊炭を用いることもできる。ここで「塊炭」とは、石炭全体の質量に対する粒度5mm以上の石炭の質量割合が50%以上である石炭を意味する。塊炭は、細かく粉砕された石炭に比べて未溶解な固体の石炭の粒度が大きく保たれるため、後述する分離部での分離を効率化することができる。ここで、「粒度(粒径)」とは、JIS−Z8815:1994のふるい分け試験通則に準拠して測定した値をいう。なお、石炭の粒度による仕分けには、例えばJIS−Z8801−1:2006に規定する金属製網ふるいを用いることができる。
上記低品位炭の炭素含有率の下限としては、70質量%が好ましい。一方、上記低品位炭の炭素含有率の上限としては、85質量%が好ましく、82質量%がより好ましい。上記低品位炭の炭素含有率が上記下限未満であると、溶媒可溶成分の溶出率が低下するおそれがある。逆に、上記低品位炭の炭素含有率が上記上限を超えると、供給する石炭のコストが高くなるおそれがある。
なお、石炭供給部から混合部へ供給する石炭として、少量の溶媒を混合してスラリー化した石炭を用いてもよい。石炭供給部からスラリー化した石炭を混合部へ供給することにより、混合部において石炭が溶媒と混合し易くなり、石炭をより早く溶解させることができる。ただし、スラリー化する際に混合する溶媒の量が多いと、後述する昇温部でスラリーを溶出温度まで昇温するための熱量が不必要に大きくなるため、製造コストが増大するおそれがある。
(溶媒供給部)
溶媒供給部は、溶媒を混合部へ供給する。上記溶媒供給部は、溶媒を貯留する溶媒タンクを有し、この溶媒タンクから溶媒を混合部へ供給する。上記溶媒供給部から供給する溶媒は、石炭供給部から供給する石炭と混合部で混合される。
溶媒供給部から供給する溶媒は、石炭を溶解するものであれば特に限定されないが、例えば石炭由来の二環芳香族化合物が好適に用いられる。この二環芳香族化合物は、基本的な構造が石炭の構造分子と類似していることから石炭との親和性が高く、比較的高い抽出率を得ることができる。石炭由来の二環芳香族化合物としては、例えば石炭を乾留してコークスを製造する際の副生油の蒸留油であるメチルナフタレン油、ナフタレン油等を挙げることができる。
上記溶媒の沸点は、特に限定されないが、例えば上記溶媒の沸点の下限としては、180℃が好ましく、230℃がより好ましい。一方、上記溶媒の沸点の上限としては、300℃が好ましく、280℃がより好ましい。上記溶媒の沸点が上記下限未満であると、溶媒が揮発し易くなるため、スラリー中の石炭と溶媒との混合比の調整及び維持が困難となるおそれがある。逆に、上記溶媒の沸点が上記上限を超えると、溶媒可溶成分と溶媒との分離が困難となり、溶媒の回収率が低下するおそれがある。
(混合部)
混合部は、石炭供給部から供給する石炭及び溶媒供給部から供給する溶媒を混合する。
上記混合部としては、調製槽を用いることができる。この調製槽には、供給管を介して上記石炭及び溶媒が供給される。上記調製槽では、この供給された石炭及び溶媒が混合され、スラリーが調製される。また、上記調製槽は、攪拌機を有しており、混合したスラリーを攪拌機で攪拌しながら保持することによりスラリーの混合状態を維持する。
調製槽におけるスラリー中の無水炭基準での石炭濃度は、溶媒の種類等により適宜決定されるが、上記石炭濃度の下限としては、10質量%が好ましく、13質量%がより好ましい。一方、上記石炭濃度の上限としては、25質量%が好ましく、20質量%がより好ましい。上記石炭濃度が上記下限未満であると、溶出工程S12で溶出される溶媒可溶成分の溶出量がスラリー処理量に対して少なくなるため、溶液に含まれる無灰炭の含有量が不十分となるおそれがある。逆に、上記石炭濃度が上記上限を超えると、溶媒中で上記溶媒可溶成分が飽和し易いため、上記溶媒可溶成分の溶出率が低下するおそれがある。
<溶出工程>
溶出工程S12では、上記第1混合工程S11で得られたスラリー中の石炭から溶媒に可溶な石炭成分を溶出させる。溶出工程S12は、例えば昇温部及び溶出部により行うことができる。
(昇温部)
昇温部は、上記第1混合工程S11で得られたスラリーを昇温する。
昇温部としては、内部を通過するスラリーを昇温できるものであれば特に限定されないが、例えば抵抗加熱式ヒーターや誘導加熱コイルが挙げられる。また、昇温部は、熱媒を用いて昇温を行うよう構成されていてもよく、例えば内部を通過するスラリーの流路の周囲に配設される加熱管を有し、この加熱管に蒸気、油等の熱媒を供給することでスラリーを昇温可能に構成されていてもよい。
昇温部による昇温後のスラリーの温度は、使用する溶媒に応じて適宜決定されるが、上記スラリーの温度の下限としては、300℃が好ましく、360℃がより好ましい。一方、上記スラリーの温度の上限としては、420℃が好ましく、400℃がより好ましい。上記スラリーの温度が上記下限未満であると、溶出率が低下するおそれがある。逆に、上記スラリーの温度が上記上限を超えると、溶媒が気化し過ぎるためスラリーの濃度を制御することが困難となるおそれがある。
また、昇温部の圧力としては、特に限定されないが、常圧(0.1MPa)とできる。
(溶出部)
溶出部は、上記混合部で得られ、上記昇温部で昇温されたスラリー中の石炭から溶媒に可溶な石炭成分を溶出させる。
溶出部としては、抽出槽を用いることができ、この抽出槽に上記昇温後のスラリーが供給される。上記抽出槽では、このスラリーの温度及び圧力を保持しながら溶媒に可溶な石炭成分を石炭から溶出させる。また、上記抽出槽は、攪拌機を有している。この攪拌機によりスラリーを攪拌することで上記溶出を促進できる。
なお、溶出部での溶出時間としては、特に限定されないが、溶媒可溶成分の抽出量と抽出効率との観点から10分以上70分以下が好ましい。
<固液分離工程>
固液分離工程S13では、上記溶出工程S12で溶出後の上記スラリーを、溶媒可溶成分を含む液体分及び溶媒不溶成分に分離する。この固液分離工程S13は、分離部により行うことができる。なお、溶媒不溶成分は、抽出用溶媒に不溶な灰分と不溶石炭とを主として含み、これらに加え抽出用溶媒をさらに含む抽出残分をいう。
(分離部)
分離部における上記液体分及び溶媒不溶成分を分離する方法としては、例えば重力沈降法、濾過法、遠心分離法を用いることができ、それぞれ沈降槽、濾過器、遠心分離器が使用される。
以下、重力沈降法を例にとり分離方法について説明する。重力沈降法とは、沈降槽内で重力を利用して溶媒不溶成分を沈降させて固液分離する分離方法である。重力沈降法により分離を行う場合、溶媒可溶成分を含む液体分は、沈降槽の上部に溜まる。この液体分は必要に応じてフィルターユニットを用いて濾過した後、後述する噴霧部に排出される。一方、溶媒不溶成分は、分離部の下部から排出される。
また、重力沈降法により分離を行う場合、スラリーを分離部内に連続的に供給しながら溶媒可溶成分を含む液体分及び溶媒不溶成分を沈降槽から排出することができる。これにより連続的な固液分離処理が可能となる。
分離部内でスラリーを維持する時間は、特に限定されないが、例えば30分以上120分以下とでき、この時間内で分離部内の沈降分離が行われる。なお、石炭として塊炭を使用する場合には、沈降分離が効率化されるので、分離部内でスラリーを維持する時間を短縮できる。
なお、分離部内の温度及び圧力としては、昇温部による昇温後のスラリーの温度及び圧力と同様とできる。
<蒸発分離工程>
蒸発分離工程S14では、上記固液分離工程S13で分離した液体分から溶媒を蒸発させる。この溶媒の蒸発分離により無灰炭(HPC)が得られる。このようにして得られる無灰炭は、灰分が5質量%以下又は3質量%以下であり、灰分をほとんど含まず、水分は皆無である。
上記溶媒を蒸発分離する方法としては、一般的な蒸留法や蒸発法(スプレードライ法等)を含む分離方法を用いることができる。上記液体分からの溶媒の分離により、上記液体分から実質的に灰分を含まない無灰炭を得ることができる。
一方、上記溶媒不溶成分からは、溶媒を蒸発分離させて副生炭を得ることができる。副生炭は、軟化溶融性は示さないが、含酸素官能基が脱離されている。そのため、副生炭は、配合炭として用いた場合にこの配合炭に含まれる他の石炭の軟化溶融性を阻害しない。従って、この配合炭は例えばコークス原料の配合炭の一部として使用することができる。また、副生炭は一般の石炭と同様に燃料として利用してもよい。
<第2混合工程>
第2混合工程S15では、上記蒸発分離工程S14で得た無灰炭を溶媒に溶解する。この無灰炭の溶解により無灰炭が溶存する溶液が得られる。
無灰炭を溶解させる溶媒としては、無灰炭が溶解する限り特に限定されないが、酸素原子又は窒素原子を含む有機化合物を主成分とするとよい。このように上記溶媒の主成分を酸素原子又は窒素原子を含む有機化合物とすることで、溶媒と無灰炭との親和性が高まり、電界紡糸する溶液における無灰炭の含有量を高め易い。その結果、多孔質炭素繊維の収量が増加するので、多孔質炭素繊維シートの製造コストが低減できる。このような溶媒としては、ピリジン(CN)、テトラヒドロフラン(CO)、ジメチルホルムアミド((CHNCHO)、N−メチルピロリドン(CNO)などが挙げられる。中でも無灰炭と親和性が高いピリジン及びテトラヒドロフランが好ましい。なお、酸素原子又は窒素原子を含む有機化合物は1種類であってもよく、また2種類以上の有機化合物が混合されていてもよい。
上記溶液における無灰炭の含有量の下限としては、20質量%が好ましく、25質量%がより好ましい。一方、上記溶液における無灰炭の含有量の上限としては、60質量%が好ましく、50質量%がより好ましく、40質量%がさらに好ましい。上記無灰炭の含有量が上記下限未満であると、電界紡糸時に液滴化し易くなるため、後述する電界紡糸工程S16において微細繊維を得ることが困難となるおそれがある。逆に、上記無灰炭の含有量が上記上限を超えると、電界紡糸により得られる微細繊維の径が大きくなり過ぎ、多孔質炭素繊維シートの比表面積が低下するおそれがある。
<電界紡糸工程>
電界紡糸工程S16では、上記第2混合工程S15で得た溶液を用いて電界紡糸を行うことで、基板表面に微細繊維をフェルト状に堆積する。
電界紡糸は、例えば図3に示すようにシリンジ1と基板2とを有する電界紡糸部により行える。具体的には、電界紡糸は、上記溶液をシリンジ1に入れ、シリンジ1のノズル1aと基板2との間に電圧Eを印加することで行われる。ノズル1aと基板2との間に電圧Eを印加すると、ノズル1a先端の液滴表面に電荷が集まり、互いに反発して、円錐状となる。さらに電圧Eを増し、電荷の反発力が表面張力を超えると溶液はノズル1aの先端から基板2へ向かって噴出される。噴出された溶液流3が細くなると表面電荷密度が大きくなるため、電荷の反発力が増し、溶液流3はさらに引き伸ばされる。その際、溶液流3の比表面積が急速に大きくなることにより溶媒が揮発し、基板2の表面に微細繊維4が紡糸される。このように電界紡糸では、比較的簡単な装置で微細繊維4を作製できる。なお、図3ではノズル1aは1つであるが、複数のノズル1aを備え、同時に複数の微細繊維を作製してもよい。
上記基板2としては、導電性があるものであれば特に限定されないが、金属板、金属箔、炭素基板等を用いることができる。
上記ノズル1aの先端部の内径(ノズル内径)の下限としては、0.2mmが好ましく、0.4mmがより好ましい。一方、上記ノズル内径の上限としては、0.7mmが好ましく、0.6mmがより好ましい。上記ノズル内径が上記下限未満であると、得られる微細繊維4が細くなるため、切れ易く短繊維となる。このため、基板2表面に微細繊維4をフェルト状に堆積することが困難となるおそれがある。逆に、上記ノズル内径が上記上限を超えると、得られる微細繊維4の径が大きくなるため、製造される多孔質炭素繊維シートの比表面積が低下するおそれがある。
紡糸間距離(ノズル1aの先端と基板2との距離)の下限としては、10cmが好ましく、12cmがより好ましい。一方、紡糸間距離の上限としては、20cmが好ましく、18cmがより好ましい。紡糸間距離が上記下限未満であると、溶媒が十分に揮発せず、電界紡糸が困難となるおそれがある。逆に、紡糸間距離が上記上限を超えると、得られる微細繊維4が細くなるため、切れ易く短繊維となる。このため、基板2表面に微細繊維4をフェルト状に堆積することが困難となるおそれがある。
上記ノズル1aと基板2との間の印加電圧Eの下限としては、10kVが好ましく、12kVがより好ましい。一方、上記印加電圧Eの上限としては、30kVが好ましく、20kVがより好ましい。上記印加電圧Eが上記下限未満であると、微細繊維4を安定して形成できないおそれがある。逆に、上記印加電圧Eが上記上限を超えると、得られる微細繊維4の径の分布が広がり易くなるため、製造される多孔質炭素繊維シートが不均質となるおそれがある。
上記溶液流3の流量(1つのノズル1aからの溶液の吐出量)の下限としては、1ml/hが好ましく、1.5ml/hがより好ましい。一方、上記溶液流3の流量の上限としては、3ml/hが好ましく、2.5ml/hがより好ましい。上記溶液流3の流量が上記下限未満であると、微細繊維4を安定して形成できないおそれがある。逆に、上記溶液流3の流量が上記上限を超えると、得られる微細繊維4の径が大きくなるため、製造される多孔質炭素繊維シートの比表面積が低下するおそれがある。なお、上記溶液流3の流量は、ノズル内径及び印加電圧Eにより制御できる。
基板2表面に堆積する微細繊維4の平均径の下限としては、0.5μmが好ましく、0.7μmがより好ましい。一方、上記微細繊維4の平均径の上限としては、5μmが好ましく、3μmがより好ましい。上記微細繊維4の平均径が上記下限未満であると、微細繊維4が切れ易く短繊維となるため、基板2表面に微細繊維4をフェルト状に堆積することが困難となるおそれがある。逆に、上記微細繊維4の平均径が上記上限を超えると、製造される多孔質炭素繊維シートの比表面積が低下するおそれがある。なお、上記微細繊維4の平均径は、制御性の観点から主に電界紡糸の印加電圧Eにより制御される。また、上記微細繊維4の平均径は、ノズル内径や紡糸間距離により調整することもできる。
なお、基板2表面にフェルト状に堆積した微細繊維4は、基板2から剥離される。当該多孔質炭素繊維シートの製造方法では、無灰炭の優れた電界紡糸性により微細繊維4が切断されることなく連続的かつランダムに基板2上に堆積する。このため、微細繊維4が適度に絡み合っているので例えばバインダー物質等を用いなくとも剥離後フェルト状を維持できる。また、当該多孔質炭素繊維シートの製造方法では、このフェルト状を維持したまま後述する加熱工程S2で微細繊維4の炭素化を行うことができる。
[加熱工程]
加熱工程S2では、上記堆積工程S1で得られた微細繊維堆積物を加熱する。この加熱工程S2は、加熱部により行うことができる。
(加熱部)
加熱部は、加熱により上記微細繊維堆積物をその集合状態を実質的に保持したままで炭素化する。この炭素化により多孔質炭素繊維シートが得られる。
上記加熱部としては、例えば公知の電気炉等を用いることができ、微細繊維堆積物を加熱部へ挿入し、内部を不活性ガスで置換した後、加熱部内へ不活性ガスを吹き込みながら加熱を行うことで微細繊維堆積物の炭素化ができる。上記不活性ガスとしては、特に限定されないが、例えば窒素やアルゴン等を挙げることができる。中でも安価な窒素が好ましい。
上記加熱温度の下限としては、500℃が好ましく、700℃がより好ましい。一方、上記加熱温度の上限としては、3000℃が好ましく、2800℃がより好ましい。上記加熱温度が上記下限未満であると、炭素化が不十分となるおそれがある。逆に、加熱温度が上記上限を超えると、設備の耐熱性向上や燃料消費量の観点から製造コストが上昇するおそれがある。なお、昇温速度としては、例えば0.01℃/min以上10℃/min以下とすることができる。
また、加熱時間の下限としては、10分が好ましく、20分がより好ましい。一方、加熱時間の上限としては、10時間が好ましく、8時間がより好ましい。加熱温度が上記下限未満であると、炭素化が不十分となるおそれがある。逆に、加熱時間が上記上限を超えると、多孔質炭素繊維シートの製造効率が低下するおそれがある。
このようにして得られた多孔質炭素繊維シートを構成する炭素繊維は、主に孔径10nm以下の微細孔から構成され、比表面積が高いことを本発明者らは知得している。このような微細孔が形成されるメカニズムは必ずしも明確ではないが、無灰炭は例えば石炭ピッチに比較して酸素含有率が高く、炭素含有率が低い。このため、無灰炭は、多環芳香族化合物の混合物としては分子の平面性が低く、環サイズが小さいと考えられ、分子配向しにくいと考えられる。つまり、堆積工程S1で電界紡糸により溶液がノズル1aから噴出され、急速に溶媒が揮発した際、無灰炭が凝縮するが、分子は互いにランダムに積層する。加熱工程S2では、このような分子が配向することなくランダムな構造を維持したまま炭素化するため、多孔質の炭素が生成されると考えられる。これに対し、芳香族性の高い石炭ピッチでは分子が互いに平行に積層する分子配向を形成しながら凝縮するため、比較的結晶性の高い炭素、すなわち微細孔の発達しない炭素繊維が生成されると考えられる。
多孔質炭素繊維シートを構成する炭素繊維の酸素含有率の上限としては、0.6質量%が好ましく、0.55質量%がより好ましい。上記炭素繊維の酸素含有率が上記上限を超えると、炭素繊維の強度が不足するおそれがある。
製造される多孔質炭素繊維シートの比表面積の下限としては、300m/gが好ましく、400m/gがより好ましく、450m/gがさらに好ましい。上記比表面積が上記下限未満であると、多孔質材料として用いることが困難となるおそれがある。一方、上記比表面積の上限としては、特に限定されないが、通常3000m/g程度である。
得られる炭素繊維の平均径の下限としては、0.5μmが好ましく、0.7μmがより好ましい。一方、上記炭素繊維の平均径の上限としては、5μmが好ましく、3μmがより好ましい。上記炭素繊維の平均径が上記下限未満であると、炭素繊維が切れ易く短繊維となるため、フェルト状の炭素繊維シートを得ることが困難となるおそれがある。逆に、上記炭素繊維の平均径が上記上限を超えると、製造される多孔質炭素繊維シートの比表面積が低下するおそれがある。なお、上記炭素繊維の平均径は、微細繊維4の平均径により決まり、微細繊維4の平均径は、制御性の観点から主に電界紡糸の印加電圧E又は溶液における無灰炭の含有量により制御される。また、上記微細繊維4の平均径は、ノズル内径や紡糸間距離により調整することもできる。
[利点]
当該多孔質炭素繊維シートの製造方法では、無灰炭を炭素原料として用いる。無灰炭は比較的安価で優れた電界紡糸性を有し、炭素以外の物質を必要としない。また、当該多孔質炭素繊維シートの製造方法では、無灰炭の優れた黒鉛化性に基づいて、成型等の処理を施すことなく電界紡糸により高比表面積で微細繊維状の多孔質炭素繊維を容易に得ることができる。従って、当該多孔質炭素繊維シートの製造方法は、比較的製造コストが低く、かつ製造効率が高い。
また、当該多孔質炭素繊維シートの製造方法では、無灰炭として溶媒抽出されたものを用いることで、さらに製造効率を高め、かつ製造コストを低減できる。
〔多孔質炭素電極の製造方法〕
当該多孔質炭素電極の製造方法は、成形工程を備える。上記成形工程では、当該多孔質炭素繊維シートの製造方法により製造された多孔質炭素繊維シートを成形して電極とする。これにより、流体拡散性を有する電極を比較的低い製造コストで効率よく製造できる。成形方法としては、特に限定されないが、例えば当該多孔質炭素繊維シートの打ち抜きによる方法が挙げられる。
[その他の実施形態]
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。
上記実施形態では、多孔質炭素繊維シートの製造方法として、無灰炭を溶媒抽出により製造する方法を説明したが、無灰炭の製造方法はこれに限定されず、例えば石炭と水素供与性溶剤との混合加熱により製造された無灰炭を用いることもできる。
また、上記実施形態では、多孔質炭素繊維シートの製造方法として、蒸発分離工程で無灰炭を溶媒抽出した後、第2混合工程で無灰炭を溶解して電界紡糸する溶液を調製したが、無灰炭を抽出する溶媒と電界紡糸する溶液の溶媒とを同種類の溶媒とすることで、蒸発分離工程及び第2混合工程を省略してもよい。この場合、固液分離工程で得られる液体分を電界紡糸の溶液として用いることができる。
上記実施形態では、多孔質炭素繊維シートの製造方法として、第1混合工程の混合部が調製槽を有する構成について説明したが、この構成に限らず、溶媒と石炭との混合ができれば、調製槽を省略してもよい。例えばラインミキサーにより上記混合が完了するような場合には、調製槽を省略して供給管と分離部との間にラインミキサーを備える構成としてもよい。このように各工程で用いられる装置構成は、上記実施形態に限定されない。
また、多孔質炭素繊維シートの製造方法により製造された多孔質炭素繊維シートの用途は、電極に限定されず、例えば吸着材、触媒担体等の多孔質性が要求されるシートに好適に用いることができる。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
瀝青炭の溶媒抽出により製造された無灰炭を炭素原料として準備した。この無灰炭の元素分析値を表1に「無灰炭A」として示す。また、溶媒としてピリジンを準備した。
この無灰炭と溶媒との混合により、無灰炭が溶媒中に溶存する溶液を、溶液における無灰炭の含有量が39質量%となるように調製した。
この溶液を用いて表2に示す条件で電界紡糸を行い、アルミニウム箔基板上に微細繊維を堆積した。この微細繊維堆積物をアルミニウム箔から剥離させた後、3.3℃/分の昇温速度で900℃まで昇温し、30分間の加熱処理(炭素化)を行い、実施例1の多孔質炭素繊維シートを製造した。得られた多孔質炭素繊維シートの光学顕微鏡写真を図4に示す。
[実施例2]
瀝青炭の溶媒抽出により実施例1とは組成の異なる無灰炭を炭素原料として準備した。この無灰炭の元素分析値を表1に「無灰炭B」として示す。この無灰炭を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例2の多孔質炭素繊維シートを製造した。
[比較例1]
石炭の高温乾留プロセスで副生するタールから製造された石炭系ピッチを準備した。この石炭系ピッチの元素分析値を表1に示す。この石炭系ピッチを炭素原料とした以外は、実施例1と同様にして比較例1の多孔質炭素繊維シートを製造した。
Figure 2018178284
なお、表1において、酸素量は、炭素、水素、窒素及び硫黄以外の成分量を意味し、100質量%から炭素、水素、窒素及び硫黄の成分量を引いたものである。
Figure 2018178284
[評価方法]
上記実施例1、2及び比較例1について、以下の測定を行った。
<平均繊維径>
炭素繊維の平均径(平均繊維径)を走査電子顕微鏡により測定した。測定は、走査電子顕微鏡の視野内の任意の10本の繊維径を計測し、その平均を求めた。図5に実施例1の多孔質炭素繊維シートの炭素繊維の走査電子顕微鏡写真を示す。また、測定結果を表3に示す。
<比表面積>
多孔質炭素繊維シートの比表面積をマイクロトラック・ベル株式会社の「BELSOR−max」を用いて測定した。測定結果を表3に示す。
<細孔分布>
実施例1の多孔質炭素繊維シートについて、HK法を用いて炭素繊維の細孔分布を測定した。測定結果を図6に示す。
Figure 2018178284
表3から炭素材料に無灰炭を用いた実施例1及び実施例2は比較例1に比べて比表面積が大きいことが分かる。また、図6から実施例1の多孔質炭素繊維シートの炭素繊維は主に孔径10nm以下の微細孔から構成され、個々の炭素繊維の多孔質性が高いことが分かる。また、図5から炭素繊維が切断されることなく連続的かつランダムに集合しており、実施例1の多孔質炭素繊維シートは、バインダー等を用いなくとも、このフェルト状が維持できると共に、気体や液体の流体拡散性に優れることが分かる。
これに対し、炭素材料に石炭ピッチを用いた比較例1は、比表面積が小さく、細孔が発達していないと考えられる。従って、無灰炭を炭素原料として用いる当該多孔質炭素繊維シートの製造方法により成型等の処理を施すことなく電界紡糸により高比表面積で微細繊維状の多孔質炭素繊維を容易に得ることができることが分かる。
以上説明したように、本発明の多孔質炭素繊維シートの製造方法及びこの多孔質炭素繊維シートを用いた多孔質炭素電極の製造方法は、比較的製造コストが低く、かつ製造効率が高い。
S1 堆積工程
S2 加熱工程
S11 第1混合工程
S12 溶出工程
S13 固液分離工程
S14 蒸発分離工程
S15 第2混合工程
S16 電界紡糸工程
1 シリンジ
1a ノズル
2 基板
3 溶液流
4 微細繊維
E 電圧

Claims (4)

  1. 無灰炭が溶存する溶液の電界紡糸により、基板表面に微細繊維をフェルト状に堆積する工程と、
    上記堆積工程で得られた微細繊維堆積物を加熱する工程と
    を備える多孔質炭素繊維シートの製造方法。
  2. 上記堆積工程として、
    石炭及び溶媒を混合する工程と、
    上記混合工程で得られたスラリー中の上記石炭から上記溶媒に可溶な成分を溶出させる工程と、
    上記溶出工程で溶出後の上記スラリーを、溶媒可溶成分を含む液体分及び溶媒不溶成分に分離する工程と
    を備える請求項1に記載の多孔質炭素繊維シートの製造方法。
  3. 得られる炭素繊維の平均径が0.5μm以上5μm以下となるように電界紡糸の電圧又は上記溶液における無灰炭の含有量を調整する請求項1又は請求項2に記載の多孔質炭素繊維シートの製造方法。
  4. 請求項1、請求項2又は請求項3に記載の多孔質炭素繊維シートの製造方法により製造された多孔質炭素繊維シートを電極に成形する工程を備える多孔質炭素電極の製造方法。

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