以下、図面を参照して、本発明の好適な一実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に示されるように、天井搬送車システム1は、走行レール2と、天井搬送車10と、を備えている。走行レール2は、例えば、半導体デバイスが製造されるクリーンルーム内の天井付近に敷設されている。ロードポート3は、例えば、半導体ウェハに各種処理を施す処理装置に設けられている。天井搬送車10は、走行レール2に沿って走行し、例えば、複数枚の半導体ウェハが収容されたカセット(いわゆるFOUP(Front Opening Unified Pod))を被搬送物として搬送すると共に、ロードポート3において被搬送物の移載を行う。ロードポート3には、位置決めピン3Aが設けられており、FOUPには位置決めピン3Aに係合する凹部が形成されている。以下、天井搬送車10の走行方向に平行な方向をX方向とし、水平面に平行且つ天井搬送車10の走行方向に垂直な方向をY方向とし、鉛直方向に平行な方向をZ方向とする。
天井搬送車10は、走行部11と、横送り部12と、回動部13と、昇降部14と、保持部15と、コントローラ16と、を備えている。走行部11は、走行レール2に沿って敷設された高周波電流線から非接触で電力の供給を受けることで、走行レール2に沿って走行する。横送り部12は、回動部13、昇降部14及び保持部15をY方向に沿って移動させる。回動部13は、昇降部14及び保持部15を水平面内において回動させる。昇降部14は、下端部に保持部15が取り付けられた複数本のベルト14aを繰り出し又は巻き取ることで、ロードポート3に対して保持部15を昇降させる。保持部15は、一対の爪部材15aを有する。保持部15は、一対の爪部材15aを開閉させることにより、被搬送物を保持する。
コントローラ16は、天井搬送車10の各部の動作を制御する。コントローラ16は、設定された移載条件に基づき天井搬送車10の動作を制御し、ロードポート3へ被搬送物を移載させる。移載条件は、被搬送物をロードポート3へ移載するための制御パラメータである。例えば移載条件は、被搬送物をロードポート3への移載時における、保持部15のX方向、Y方向及びZ方向における各位置と、保持部15の水平面内の回転方向における位置であるθ方向位置と、を含んでいてもよい。また、例えば移載条件は、被搬送物をロードポート3への移載時における、走行部11のX方向位置(走行部11の駆動量)と、回動部13、昇降部14及び保持部15のY方向位置(横送り部12の駆動量)と、昇降部14及び保持部15のθ方向位置(回動部13の駆動量)と、保持部15のZ方向位置(昇降部14の駆動量)と、を含んでいてもよい。移載条件は、コントローラ16に記載されている。また、コントローラ16は、天井搬送車10に後段にて詳述するティーチングユニット20が装着された際のティーチング動作も制御する。
天井搬送車システム1では、天井搬送車システム1の構築時又はメンテナンスとして定期的に、天井搬送車10によりロードポート3へ被搬送物を移載する際の移載条件のティーチングを実施する。ティーチングとは、天井搬送車10がロードポート3において被搬送物の移載を行うために走行部11が走行レール2の所定位置に停止して保持部15が所定距離下降させられた状態で、保持部15の位置が目標位置からどれだけずれるかを知得し、天井搬送車システム1の稼働時に目標位置からのずれがなくなるように、天井搬送車10に実施すべき動作を記憶させることである。
図2及び図3に示されるように、ティーチングユニット20は、本体部22と、一対の第一検知ユニット30,30と、第二検知ユニット40と、第三測距センサ27と、ティーチング制御部29(図6参照)と、を備えている。ティーチングユニット20は、FOUPを搬送する天井搬送車用のユニットである。ティーチングユニット20は、FOUPと同等のサイズを有する。
本体部22は、フランジ部23と、第一本体部24と、第二本体部25と、を有している。フランジ部23は、天井搬送車10の昇降部14で昇降される保持部15に保持される(図1参照)。フランジ部23は、ティーチングユニット20の上部中央に配置されている。第一本体部24は、Z方向に延在し、第二本体部25から立設している。第一本体部24は、後段にて詳述する第一検知ユニット30,30と、第二検知ユニット40と、が固定される。第二本体部25は、水平方向に延在する板状部材である。第二本体部25は、後段にて詳述する第三測距センサ27,27及びティーチング制御部29が固定される。
一対の第一検知ユニット30,30のそれぞれは、X方向に沿って二組配置されている。図4に示されるように、第一検知ユニット30は、支持部材31と、リニアガイド33と、第一規制部材34と、タッチパネル(検出部材)35と、第一動作調整部36と、第一測距センサ(第一計測部)53(図2参照)と、を有している。
支持部材31は、本体部22に対して離接可能に設けられている。支持部材31は、鉛直方向に延在する鉛直支持部31aと、水平方向に延在する水平支持部31bと、を有する。鉛直支持部31aは、リニアガイド33を介して本体部22の第二本体部25に固定される部分であり、水平支持部31bは、タッチパネル35を支持する部分である。鉛直支持部31aは、第二本体部25に設けられた貫通孔25aに挿通されている。リニアガイド33は、支持部材31を本体部22に対しZ方向にスライド移動可能に支持する。第一規制部材34は、本体部22に固定されており、リニアガイド33による支持部材31のZ方向への移動を一定範囲に規制する。具体的には、第一規制部材34は、Z方向に延びる孔部31c内を移動できる範囲で、支持部材31のZ方向への移動を規制する。
タッチパネル35は、本体部22に対して離接可能に設けられた支持部材31に固定されている。タッチパネル35は、第二本体部25に沿ったタッチ面を下面に有する。タッチパネル35は、ロードポート3に設置された位置決めピン3A(図1参照)の先端に接触することで当該位置決めピン3Aの位置を検出する。
第一動作調整部36は、本体部22に対する支持部材31に固定されたタッチパネル35の下降動作を本体部22の上昇動作よりも遅くする機構である。第一動作調整部36は、ラック部37と、ロータリダンパ38と、ピニオン部39と、を有している。ラック部37とピニオン部39とは、互いに歯合する。ピニオン部39は、ロータリダンパ38に接続されている。ロータリダンパ38は、回転運動を行うピニオン部39の回転を減速させる装置である。ロータリダンパ38は、本体部22と支持部材31に固定されたにタッチパネル35とが互いに接近する際に発生する回転抵抗よりも本体部22とタッチパネル35とが互いに離反する際に発生する回転抵抗の方が大きくなるように設定されてもよい。
第一測距センサ53は、第二本体部25に固定されている(図2参照)。第一測距センサ53は、本体部22と支持部材31に設けられたタッチパネル35との間の距離を検出する。第一測距センサ53の光軸は、第二本体部25に設けられた貫通孔25bを介して上記支持部材31の水平支持部31bに交差するように配置されている。第一測距センサ53は、測定した距離を、ティーチング制御部29に出力する。例えば、第一測距センサ53は、タッチパネル35によって位置決めピン3Aが検出された際の本体部22とタッチパネル35との距離をティーチング制御部29に出力をすると共に、コントローラ16に出力する。
第二検知ユニット40は、図3に示されるように、一対の第一検知ユニット30,30が配置される方向を正面として見たとき、一対の第一検知ユニット30,30の後方に配置されている。第二検知ユニット40は、一つだけ配置されている。第一検知ユニット30と第二検知ユニット40とは、X方向及びZ方向に直交するY方向(幅方向)に配列されている。第二検知ユニット40は、バンパープレート(接触部材)41と、リニアガイド43と、第二規制部材44と、第二動作調整部46と、第二測距センサ(第二計測部)55(図3参照)と、を有している。
図5に示されるように、バンパープレート41は、鉛直方向に延在する鉛直支持部41aと、水平方向に延在する水平支持部41bと、を有する。鉛直支持部41aは、リニアガイド43を介して本体部22の第二本体部25に固定される部分である。水平支持部41bは、板状部材であり、第一検知ユニット30のようなタッチパネル35は固定されていない。鉛直支持部41aは、第二本体部25に設けられた貫通孔25aに挿通されている。リニアガイド43は、バンパープレート41を本体部22に対しZ方向にスライド移動可能に支持する。第二規制部材44は、本体部22に固定されており、リニアガイド43によるZ方向への移動を一定範囲に規制する。具体的には、第二規制部材44は、Z方向に延びる孔部41c内を移動できる範囲で、バンパープレート41のZ方向への移動を規制する。
なお、孔部41cのZ方向の長さは、第一検知ユニット30の支持部材31に形成されている孔部31cのZ方向の長さよりも長い。この構成により、バンパープレート41が固定される支持部材31の本体部22に対するZ方向への可動範囲が、タッチパネル35が固定される支持部材31の本体部22に対するZ方向への可動範囲よりも広くなる。
第二動作調整部46は、本体部22に対するバンパープレート41の下降動作を、本体部22の上昇動作よりも遅くする機構である。第二動作調整部46は、ラック部47と、ロータリダンパ48と、ピニオン部49と、を有している。なお、第二動作調整部46の動作は、第一動作調整部36の機能と同様であるので、ここでは説明を省略する。
第二測距センサ55は、第二本体部25に固定されている。第二測距センサ55は、本体部22とバンパープレート41との間の距離を検出する。第二測距センサ55の光軸は、第二本体部25に設けられた貫通孔25bを介して上記バンパープレート41の水平支持部41bに交差するように配置されている。第二測距センサ55は、測定した距離を、ティーチング制御部29に出力する。例えば、第二測距センサ55は、バンパープレート41が位置決めピン3Aに接触された際の本体部22とバンパープレート41との距離をティーチング制御部29に出力をすると共にコントローラ16に出力する。
第三測距センサ27は、第二本体部25に固定されており、第二本体部25から下方に光軸が向けられている。第三測距センサ27は、ティーチングユニット20の下方に存在する物体との距離を計測する。第三測距センサ27は、測定した距離を、ティーチング制御部29に出力する。例えば、第三測距センサ27は、本体部22とロードポート3との距離が予め定められた距離L(図7(A)参照)になったことを検知すると、その旨をティーチング制御部29に出力をすると共にコントローラ16に出力する。
ティーチング制御部29は、ティーチングユニット20の各種機能を制御する制御部である。ティーチング制御部29は、タッチパネル35,35で検出した位置決めピン3A(図1参照)の位置に関する情報をコントローラ16へ出力する。具体的には、初期設定として記憶された移載条件に基づいて、天井搬送車10がロードポート3において被搬送物の移載を行うために走行部11が走行レール2の所定位置に停止して保持部15が所定距離下降させられた状態で、保持部15の位置が初期設定として記憶された移載条件からどれだけずれたか(移載条件ないし移載条件に対する補正量)を、タッチパネル35,35で検出した位置決めピン3A(図1参照)の位置に関する情報から算出し、当該補正量をコントローラ16へ出力する。
また、本実施系形態の天井搬送車システム1では、後段にて詳述するとおり、ティーチングユニット20におけるタッチパネル35への接触と離反とを繰り返す動作(以下、単に「繰り返し動作」と称する。)が実行される。ティーチング制御部29は、当該繰り返し動作が複数回繰り返し実施された後、当該検出結果に基づいて、移載条件ないし移載条件に対する補正量を算出する。繰り返し動作は、第一測距センサ53、第二測距センサ55、第三測距センサ27、及び一対のタッチパネル35,35による検出結果に基づいて、コントローラ16が昇降部14を制御することによって実行される。
また、本実施形態のティーチングユニット20では、一対のタッチパネル35,35及びバンパープレート41が位置決めピン3Aに接触した際の本体部22と一対のタッチパネル35,35のそれぞれとの距離L1,L2、及び本体部22とバンパープレート41との距離L3が、第一測距センサ53及び第二測距センサ55により取得される。ティーチング制御部29は、X方向に配列される距離L1,L2、又はY方向に配列される距離L1及び距離L3、又は距離L2及び距離L3に基づいて、本体部22に対するロードポート3の相対的な傾斜角度(水平面内におけるX軸周り又はY軸周りの傾き)を公知の方法から算出することができる。
次に、上記天井搬送車システム1においてティーチングを行う際の動作について主に図7〜9を用いて説明する。なお、図7〜9は、天井搬送車10によって吊り下げられた状態のティーチングユニット20を、X方向から見た状態を示している。すなわち、紙面奥行方向に、タッチパネル35,35が配列されている。
上記実施形態の天井搬送車システム1では、天井搬送車10の昇降部14の保持部15に保持されたティーチングユニット20のタッチパネル35,35を位置決めピン3Aに接触させることにより取得される情報を用いてティーチングが行われる。しかしながらこの方法では、昇降部14の下降時にティーチングユニット20が揺れる場合があるので、この揺れを収束させるため、ティーチングユニット20におけるタッチパネル35への接触と離反とを繰り返す動作(以下、単に「繰り返し動作」と称する。)が実行される。以下、繰り返し動作について詳細に説明する。なお、タッチパネル35の上昇動作及び下降動作は、実際には、タッチパネル35を支持する支持部材31の上昇動作及び下降動作によるものであるが、以下、説明の便宜のためタッチパネル35の上昇動作及び下降動作として説明する。
コントローラ16は、ティーチングの対象となるロードポート3の上方に停止させる。このとき、コントローラ16は、初期設定として記憶された移載条件(走行部11のX方向位置)を用いて天井搬送車10をロードポート3の上方に停止する。次に、コントローラ16は、図7(A)に示されるように、ティーチングユニット20をロードポート3に載置させるために昇降部14を下降させる。この場合も、コントローラ16は、初期設定として記憶された移載条件(回動部13、昇降部14及び保持部15のY方向位置と、昇降部14及び保持部15のθ方向位置と、保持部15のZ方向位置)を用いて天井搬送車10の横送り部12、回動部13、及び昇降部14を制御する。
コントローラ16は、図7(A)に示されるように、第三測距センサ27によってティーチングユニット20の本体部22とロードポート3との距離が距離Lになったことが検知されると、昇降部14の下降速度を切り替える。具体的には、コントローラ16は、通常速度(昇降部14における通常の下降速度)V0よりも遅い第一速度V1に切り替える。
次に、コントローラ16は、図7(B)に示されるように、バンパープレート41がロードポート3の位置決めピン3Aに接触したことを検知すると、昇降部14の下降速度を切り替える。具体的には、コントローラ16は、第一速度V1よりも遅い第二速度V2に切り替える。なお、バンパープレート41の位置決めピン3Aへの接触は、第二測距センサ55の距離の検知量の変化に基づいて判定することができる。
次に、コントローラ16は、図7(C)に示されるように、一対のタッチパネル35,35の両方が、ロードポート3の位置決めピン3Aに接触するまで、第二速度V2で昇降部14を下降させる。コントローラ16は、一対のタッチパネル35,35の両方が、ロードポート3の位置決めピン3Aに接触されたことを検知すると、昇降部14を第三速度V3で上昇させる。このとき、一対のタッチパネル35,35の両方は、位置決めピン3Aに接触することで得られた当該位置決めピン3Aの位置情報をティーチング制御部29に出力する。次に、コントローラ16は、昇降部14を所定距離上昇させる。コントローラ16は、上述したようなティーチングユニット20に対する下降及び上昇の動作(繰り返し動作)を繰り返すように昇降部14を制御する。
上述した繰り返し動作において従来のティーチングユニット20Aを使用した場合には、ティーチング時間が増大する下記に示す問題があった。まず、従来のティーチングユニット20Aを使用した場合の動作について説明する。
従来のティーチングユニット20Aにおいて、図8(A)に示されるように、一対のタッチパネル35A,35A及びバンパープレート41Aの両方が位置決めピン3Aに接触した状態から昇降部14が上昇すると、図8(B)に示されるように、まずは、本体部22が上昇する。続けて、図8(C)に示されるように、一対のタッチパネル35A,35Aが上昇し、図8(D)に示されるように、バンパープレート41Aが追随して上昇する。これは、上述したとおり、下降動作時にバンパープレート41Aを先に位置決めピン3Aに接触させようとする構成上、バンパープレート41Aの本体部22に対する可動範囲が、一対のタッチパネル35A,35Aの本体部22Aに対する可動範囲よりも広いからである。そして、一対のタッチパネル35A,35A及びバンパープレート41Aの両方が十分にロードポート3から上昇した時点で、上述したとおりの下降動作を再び開始して、図8(E)に示されるように、バンパープレート41Aを一対のタッチパネル35A,35Aよりも先に位置決めピン3Aに接触させる動作を繰り返す。
このように、上記従来のティーチングユニット20Aを使用した場合の繰り返し動作では、一対のタッチパネル35A,35Aが上昇した後、図8(D)に示されるように、バンパープレート41Aが追随して上昇するので、再びティーチングユニット20Aを下降させるためには、遅れたタイミングで上昇してくる一対のタッチパネル35A,35Aの上昇を待つ必要があった。
この点、上記実施形態のティーチングユニット20では、一対のタッチパネル35,35が、本体部22に対するタッチパネル35の下降動作を本体部22の上昇動作よりも遅くする第一動作調整部36を介して本体部22に固定され、バンパープレート41が、本体部22に対するバンパープレート41の下降動作を本体部22の上昇動作よりも遅くする第二動作調整部46を介して本体部22に固定されている。このため、図9(A)に示されるように、一対のタッチパネル35,35及びバンパープレート41が位置決めピン3Aに接触した状態から、図9(B)に示されるように、本体部22を上昇させる場合において、一対のタッチパネル35,35及びバンパープレート41が本体部22から下降することを抑制できる。このように、上記実施形態のティーチングユニット20では、一対のタッチパネル35,35が、遅れたタイミングで上昇してくることがない。したがって、再びティーチングユニット20を下降させる際に、一対のタッチパネル35A,35Aの上昇を待つ必要がなくなる。このため、ティーチングに要する時間を短縮することができる。
この構成のティーチングユニット20では、上記の繰り返し動作において、第一動作調整部36によって本体部22に対するタッチパネル35の下降動作が、本体部22の上昇動作よりも遅くなる。これにより、第一動作調整部36によって調整されたタッチパネル35の下降速度以上の速度で本体部22を上昇させることができ、タッチパネル35のロードポート3(位置決めピン3A)からの離反を早めることが可能になる。この結果、ティーチングに要する時間の短縮を図ることができる。
また、上記構成のティーチングユニット20では、一対の第一検知ユニット30,30に第一動作調整部36及び第二検知ユニット40に第二動作調整部46を設けたことにより、繰り返し動作時の上昇動作時に、一対のタッチパネル35,35及びバンパープレート41が略同一のタイミングで位置決めピン3Aから離反する。これにより、ティーチングユニット20から離反する際に発生する新たな揺れの発生を抑制できる。
上記実施形態では、第一検知ユニット30,30がX方向に配列されているので、二組の第一検知ユニット30,30によって計測される、タッチパネル35によって位置決めピン3Aが検出された際の本体部22とタッチパネル35との距離L1,L2の差に基づいて、本体部22に対するロードポート3の相対的な傾斜角度が算出可能となっている。これにより、より高機能なティーチングが可能になる。
上記実施形態では、ティーチング時にタッチパネル35よりも先に位置決めピン3Aに接触させるバンパープレート41が配置されている。これにより、バンパープレート41の接触を契機に、天井搬送車10における昇降部14の下降速度を減速させることが可能になる。この結果、タッチパネル35が勢いよく位置決めピン3Aに接触することにより、タッチパネルが破損されることを抑制できる。更に、本実施形態では、当該バンパープレート41が、本体部22に対するバンパープレート41の下降動作が、本体部22の上昇動作よりも遅くなるように調整可能な第二動作調整部46を有している。このため、第二動作調整部46によって調整されたバンパープレート41の下降速度以上の速度で本体部22を上昇させることができ、バンパープレート41のロードポート3(位置決めピン3A)からの離反動作を早めることが可能になる。この結果、ティーチングに要する時間の短縮を図ることができる。
上記実施形態では、第一検知ユニット30の一方と第二検知ユニット40がY方向に配列されているので、第一検知ユニット30及び第二検知ユニット40によって計測される、タッチパネル35によって位置決めピン3Aが検出された際の本体部22とタッチパネル35との距離L1(L2)及び距離L3の差に基づいて、本体部22に対するロードポート3の相対的な傾斜角度が算出可能となっている。これにより、より高機能なティーチングが可能になる。
以上、一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
上記実施形態では、本体部22に対する支持部材31に固定されたタッチパネル35の下降動作を本体部22の上昇動作よりも遅くする機構の一つとしてロータリダンパ38を用いた例を挙げて説明したが、これに代え、例えば、一方向に移動する場合と、一方向に反対方向の他方向への移動する場合とで作用する抵抗が互いに異なるオイルダンパ又は逆流防止弁を有するエアシリンダ等を用いてもよい。
また、ラック部37(47)とピニオン部39(49)との歯合により、ピニオン部39(49)の回転の回転に対し、本体部22に対するタッチパネル35(バンパープレート41)の下降動作を、本体部22の上昇動作よりも遅くするような抵抗を付与することができれば、必ずしもロータリダンパ38(48)を配置する必要はない。
上記実施形態又は変形例では、検出部材としてのタッチパネル35がX方向(走行方向)に配列されている例を挙げて説明したが、タッチパネル35は一枚であってもよいし、Y方向(走行方向及び鉛直方向に直交する幅方向)に配列されてもよい。また、タッチパネル35がY方向に配列される場合には、タッチパネル35とバンパープレート41とはX方向に配列されてもよい。
上記実施形態又は変形例では、バンパープレート41を備える例を挙げて説明したが、バンパープレート41を備えないティーチングユニットとして構成してもよい。
上記実施形態又は変形例では、ロードポート3に設けられた位置決めピン3Aを、ティーチング時の位置決め部材として用いた例を挙げて説明したが、例えば、図10に示されるような、位置決めピン90Aを有するターゲットプレート90を用いても良い。