JPH0928619A - 便座支持昇降装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 洋風便器１０の上面に設置された便座支
持昇降装置２２は、ガイド３４と、スライダ３６と、ガ
イド３４に設けられたラック３８と、スライダ３６に設
けられ、ロータリダンパ４２によってスライダ下降時に
ゆっくりと回転するピニオン４０と、ガイド３４の上端
に設けられたロック装置６６等からなる。 【効果】 フロントカバー１６を持ち上げる場合、スラ
イダ３６はスムーズに上昇し、ロック装置６６でロック
される。フロントカバー１６が下降する場合、ピニオン
４０の回転がロータリダンパ４２で抑制され、フロント
カバー１６等がゆっくりと下降する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、便座を上下動可能
に支持する便座支持昇降装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】洋風便器の上面に設置された便座は、便
座支持部材を介して洋風便器に対し俯仰方向に回動自在
に取り付けられている。

【０００３】この便座支持部材と洋風便器上面との間に
尿などの汚れが染み込んで臭気の原因となり易い。そこ
で、便座支持部材をガイド部材によって洋風便器に対し
上下動可能とし、洋風便器の清掃時に便座支持部材を便
座と共に上方に移動させるようにしたものが考えられて
いる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】便座支持部材を単に上
下動可能とした場合、清掃終了後に便座等を下降させる
に際し、便座や便座支持部材が洋風便器上面に強く当た
らないように手で支えながら便座支持部材を下降させる
必要があり、面倒であった。殊に、トイレルーム内のス
ペースが狭い場合には、不自然な中腰姿勢にてこの作業
を行なう必要があり、不便である。

【０００５】本発明は、手で支えることなく便座及び便
座支持部材をゆっくりと洋風便器上に下降させることが
できる便座支持昇降装置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】請求項１の便座支持昇降
装置は、便器に固定されたガイドと、該ガイドに係合し
て上下方向移動自在な、便座が支持部材を介して連結さ
れるスライダと、該スライダの下降を緩行させる緩行機
構と、を備えてなるものである。

【０００７】かかる便座支持昇降装置によると、便座の
支持部材を持ち上げてその周囲の洋風便器上面を容易か
つ十分に清掃できる。

【０００８】この便座の支持部材を下降させる場合、緩
行機構によって便座支持部材が自然にゆっくりと下降す
る。

【０００９】請求項２の便座支持昇降装置は、請求項１
において、前記緩行機構は、前記ガイド及びスライダの
一方に上下方向に延設されたラックと、該ガイド及びス
ライダの他方に設けられたピニオンと、該ピニオンに連
結されており、該スライダの下降時における該ピニオン
の回転を緩行させる減速装置と、を備えてなることを特
徴とするものである。

【００１０】かかる便座支持昇降装置にあっては、便座
支持部材が下降する際、ラックと噛合したピニオンがゆ
っくりと回転することにより、便座支持部材の下降が緩
行される。

【００１１】このピニオンの回転を緩行させる減速装置
としては、請求項３の通りロータリダンパが好適であ
る。

【００１２】請求項４の便座支持昇降装置は、請求項１
において、前記スライダが所定レベルまで上昇したとき
に該スライダと係合して該スライダの下降を阻止するロ
ック装置が設けられていることを特徴とするものであ
る。

【００１３】かかる便座支持昇降装置によると、便座支
持部材を所定レベルまで持ち上げると、ロック装置がス
ライダの下降を阻止するようになり、便座支持部材及び
便座から手を離しても便座支持部材及び便座が下降しな
い。従って、便座支持部材及び便座から手を離して便器
上面の清掃を行なえる。

【００１４】請求項５の便座支持昇降装置は、請求項４
において、前記ロック装置は、ロック後にスライダが上
方に移動するとロックを解除するものであることを特徴
とする。

【００１５】かかる便座支持昇降装置によると、ロック
されたスライダを上方に移動させると、ロックが解除さ
れ、その後便座支持部材及び便座がゆっくりと下降す
る。

【００１６】請求項６の便座支持昇降装置は、請求項４
又は５において、前記ロック装置は、前記スライダに所
定以上の下方への押圧力が作用した場合にロックを解除
するものであることを特徴とするものである。

【００１７】かかる便座支持昇降装置によると、上方に
持ち上げてロックした便座等に対し過大な押し下げが作
用した場合、ロックが解除されて便座等が下降する。

【００１８】請求項７の便座支持昇降装置は、請求項１
ないし６のいずれか１項において、前記便座の支持部材
は、洋風便器のロータンクの前半部を囲むロータンクカ
バーであり、該ロータンクカバーに便座の後端が枢支さ
れていることを特徴とするものである。

【００１９】かかる便座支持昇降装置によると、ロータ
ンクカバーの前半部の下側をも十分に清掃できる。

【００２０】

【発明の実施の形態】以下図面を参照して実施例につい
て説明する。第１図は本発明の実施例に係る便座支持昇
降装置を備えた洋風便器の側面図、第２図は便座支持昇
降装置の斜視図、第３図は便座支持昇降装置とフロント
カバーとを示す要部斜視図、第４図は便座支持昇降装置
のベース及びガイドを示す斜視図、第５図はロック装置
の作動を示す側面図である。

【００２１】洋風便器１０の上面の後部にロータンク
（図示略）が設置され、このロータンクがロータンクカ
バー１２で囲まれている。このロータンクカバー１２
は、洋風便器１０に固定されたリヤカバー１４と、上下
動自在なフロントカバー１６とからなる。このフロント
カバー１６に便座１８及び便蓋２０が枢着されている。

【００２２】フロントカバー１６は便座支持昇降装置
（便座支持装置）２２によって上下動可能とされてい
る。また、フロントカバー１６は、リヤカバー１４の前
縁に取り付けられ、該前縁から前方に延出したプレート
２４，２６に案内されて上下動される。プレート２４に
は、上下方向に長い長孔２８が設けられ、フロントカバ
ー１６の内面から突設されたピン３０が該長孔２８に係
合され、フロントカバー１６の上下移動時の案内を行な
うよう構成されている。

【００２３】第２〜４図の通り、便座支持昇降装置（便
座支持装置）２２は、洋風便器１０の上面部分に固定さ
れるベース３２と、該ベース３２から立設された１対の
ガイド３４と、該ガイド３４に沿って上下動するスライ
ダ３６と、ガイド３４に設けられたラック３８と、該ラ
ック３８に噛合するピニオン４０と、該ピニオン４０の
回転を緩行させるロータリダンパ４２等を備えている。

【００２４】ガイド３４は、上下方向に長い板状のもの
であり、その両側辺から洋風便器１０の前方に向かう方
向にサイドプレート４４が折り立てられている。このサ
イドプレート４４に長孔４６が上下方向に延設され、前
記スライダ３６の側辺から突設された凸部４８が該長孔
４６に摺動自在に嵌合している。

【００２５】ガイド３４には透口５０が上下方向に延設
されており、前記ラック３８はこの透口５０の一方の縦
辺部に沿って上下方向に延設されている。

【００２６】ピニオン４０は、スライダ３６に枢支され
た回転軸５２の一端に固着されており、該回転軸５２の
他端は前記ロータリダンパ４２に連結されている。

【００２７】このロータリダンパ４２は、回転軸５２が
正方向に回転するときには該回転軸５２に回転抵抗を与
えず、回転軸５２が逆方向に回転するときには該回転軸
５２に回転抵抗を与えてゆっくりと回転させるよう構成
されている。

【００２８】なお、１対のスライダ３６，３６間にタイ
プレート５４が掛け渡されており、ロータリダンパ４２
は該タイプレート５４に固着されている。

【００２９】スライダ３６の下端からは、洋風便器１０
の前方に向かってブラケット５６が突設されており、フ
ロントカバー１６の内面から突設された突片６０（第３
図）が該ブラケット５６に重ね合わされ、ボルト（図示
略）によって固着されている。

【００３０】スライダ３６の上端には、コ字形状の掛止
金具６２が固着されている。

【００３１】ガイド３４の上端には、この掛止金具６２
に掛止するフック６４を備えたロック装置６６が固着さ
れている。このロック装置６６は、第５図の通り、ガイ
ド３４に固着された本体部６８と、該本体部６８の下面
から下方に突設され、上下動可能とされたホルダ７０
と、該ホルダ７０に枢着されたフック６４とを備えてい
る。

【００３２】ホルダ７０は、本体部６８内に備えたバネ
及びラッチ機構により上昇限及び下降限に位置をとり得
るように上下動自在とされている。このホルダ７０内に
は、フック６４を軸支する軸体と、フック６４を跳ね上
げ方向に付勢するように該軸体に巻装されたつる巻バネ
（いずれも図示略）とが設けられており、第５図（ａ）
のようにホルダ７０が下降した場合、フック６４はその
下端側がガイド３４から離れた傾斜姿勢をとり、ホルダ
７０が本体部６８内に退避した状態にあってはフック６
４が掛止金具６２に掛止した垂下姿勢をとるよう構成さ
れている。

【００３３】本体部６８内のラッチ機構は、第５図
（ｂ）の状態においてホルダ７０がさらに上方に押され
ると、ラッチを解除し、ホルダ７０を第５図（ａ）の如
く下方に突出させ、フック６４を傾斜姿勢とする。ま
た、第５図（ｂ）のフック垂下姿勢において、フック６
４が下方に所定以上の力で押圧されると、ラッチ機構は
ホルダ７０を突出させ、第５図（ａ）のフック傾斜姿勢
をとらせるよう構成されている。

【００３４】このように構成された便座支持昇降装置の
作動について次に説明する。

【００３５】第１図（ａ）の如く、通常はフロントカバ
ー１６は洋風便器１０の上面に当接した状態となってお
り、洋風便器１０を通常の使用に供することができる。

【００３６】洋風便器１０の上面を清掃する場合には、
フロントカバー１６又は便座１８、便蓋２０等を把んで
上方に引き上げる。そうすると、スライダ３６はガイド
３４に沿って上昇し、第１図（ｂ）の如くフロントカバ
ー１６が便座１８及び便蓋２０と共に上昇する。この
際、ラック３８と噛合したピニオン４０が回転するが、
ロータリダンパ４２はピニオン４０のこの正方向の回転
には抵抗を与えず、スライダ３６はスムーズに上昇す
る。

【００３７】スライダ３６が上昇して掛止金具６２がロ
ック装置６６のホルダ７０に当接し、該ホルダ７０を押
し上げると、ホルダ７０が本体部６８内に押し込まれて
ラッチされると共に、フック６４が垂下姿勢をとり、第
５図（ｂ）の如くフック６４が掛止金具６２を掛止す
る。これにより、フロントカバー１６等から手を離して
も、フロントカバー１６は第１図（ｂ）の通り上昇した
姿勢にてロックされる。そこで、フロントカバー１６の
下側にまで手を差し込んで洋風便器１０の上面を十分に
かつ容易に清掃することができる。

【００３８】フロントカバー１６を下降させるには、第
１図（ｂ）の状態において、フロントカバー１６又は便
座１８、便蓋２０を若干上方に引き上げる。そうする
と、第５図（ｂ）の状態にあるホルダ７０が若干上方に
押され、本体部６８内におけるラッチが解除される。こ
の結果、フック６４は第５図（ａ）の傾斜姿勢に復帰
し、掛止金具６２とフック６４との掛止が解除され、ス
ライダ３６がフロントカバー１６等と共にゆっくりと降
下する。

【００３９】この降下に際しては、ラック３８と噛合し
たピニオン４０が上昇時と逆方向に回転するが、ロータ
リダンパ４２は、このピニオン４０の下降時の回転に抵
抗を与えるように作用する。このため、ピニオン４０は
ゆっくりと回転し、スライダ３６及びフロントカバー１
６はゆっくりと降下する。

【００４０】なお、第１図（ｂ）のようにフロントカバ
ー１６を上昇させた状態において、フロントカバー１６
又は便座１８、便蓋２０に強い押下げ力が作用した場
合、本体部６８内のラッチ機構はホルダ７０のラッチを
解除し、ホルダ７０を下降させると共に、これによって
フック６４を第５図（ａ）の傾斜姿勢とする。この結
果、フック６４と掛止金具６２との掛止が解除され、ス
ライダ３６はフロントカバー１６等と共に下降する。従
って、第１図（ｂ）のように上昇した状態にあるフロン
トカバー１６等に過度に大きな力がかかった場合には、
フロントカバー１６等が下降し、フロントカバー１６、
便座１８あるいは便蓋２０の損壊が防止される。

【００４１】上記実施例においてはガイド３４にラック
３８が設けられ、スライダ３６にピニオン４０が設けら
れているが、これとは逆にスライダ３６にラックを設
け、ガイド３４にピニオン及びロータリダンパを設けて
も良い。

【００４２】上記実施例ではロータリダンパ４２を用い
ているが、その他のダンピング機構を用いても良い。こ
のようなダンピング機構としては、例えば減速用の水
圧、油圧、空気圧、スプリング、モータ等の機構を採用
できる。

【００４３】上記実施例では便座１８がフロントカバー
１６に枢支されているが、本発明では、便座１８を枢支
するためのヒンジ機構を便座支持昇降装置２２に直接に
取り付けるようにしても良い。

【００４４】

【発明の効果】以上の通り、本発明の便座支持昇降装置
によると、便座等を持ち上げて洋風便器上面の広い範囲
を容易かつ十分に清掃することができる。また、この持
ち上げた便座等がゆっくりと下降するようになり、作業
者が便座を支えて便器上に静かに降ろす作業が不要とな
る。

【００４５】本発明にあっては、便座等を上方に持ち上
げた後、この高さに保持させることが可能であり、便器
上面の清掃をきわめて容易に行なうことが可能である。

【００４６】本発明にあっては、上方に持ち上げてロッ
ク状態とした便座等に対し過大な押下げ力が作用した場
合に、便座等を下降させ、便座等の損壊を防止すること
も可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例に係る便座支持昇降装置を備え
た洋風便器の側面図である。

【図２】実施例に係る便座支持昇降装置の斜視図であ
る。

【図３】便座支持昇降装置とフロントカバーとの係合状
態を示す分解斜視図である。

【図４】実施例に係る便座支持昇降装置のベース及びガ
イドを示す斜視図である。

【図５】ロック装置の作動を示す側面図である。

【符号の説明】

１０ 洋風便器 １２ ロータンクカバー １４ リヤカバー １６ フロントカバー １８ 便座 ２２ 便座支持昇降装置 ３４ ガイド ３６ スライダ ３８ ラック ４０ ピニオン ４２ ロータリダンパ ６２ 掛止金具 ６４ フック ６６ ロック装置

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山岡 正 大阪府富田林市若松町東３丁目５−９ 株 式会社辰美電機製作所内 (72)発明者 北川 匡秀 大阪府富田林市若松町東３丁目５−９ 株 式会社辰美電機製作所内 (72)発明者 田中 春次 愛知県高浜市小池町２丁目15番10号 株式 会社オーハシテクニカ内

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 便器に固定されたガイドと、 該ガイドに係合して上下方向移動自在な、便座が支持部
   材を介して連結されるスライダと、 該スライダの下降を緩行させる緩行機構と、を備えてな
   る便座支持昇降装置。
2. 【請求項２】 請求項１において、前記緩行機構は、 前記ガイド及びスライダの一方に上下方向に延設された
   ラックと、 該ガイド及びスライダの他方に設けられたピニオンと、 該ピニオンに連結されており、該スライダの下降時にお
   ける該ピニオンの回転を緩行させる減速装置と、を備え
   てなることを特徴とする便座支持昇降装置。
3. 【請求項３】 請求項２において、前記減速装置はロー
   タリダンパであることを特徴とする便座支持昇降装置。
4. 【請求項４】 請求項１において、前記スライダが所定
   レベルまで上昇したときに該スライダと係合して該スラ
   イダの下降を阻止するロック装置が設けられていること
   を特徴とする便座支持昇降装置。
5. 【請求項５】 請求項４において、前記ロック装置は、
   ロック後にスライダが上方に移動するとロックを解除す
   るものであることを特徴とする便座支持昇降装置。
6. 【請求項６】 請求項４又は５において、前記ロック装
   置は、前記スライダに所定以上の下方への押圧力が作用
   した場合にロックを解除するものであることを特徴とす
   る便座支持昇降装置。
7. 【請求項７】 請求項１ないし６のいずれか１項におい
   て、前記便座の支持部材は、洋風便器のロータンクの前
   半部を囲むロータンクカバーであり、該ロータンクカバ
   ーに便座の後端が枢支されていることを特徴とする便座
   支持昇降装置。