JP2018173668A - 冷却装置、及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の冷却装置を備えた画像形成装置に用いられる液冷方式の冷却装置であって、放熱部を通過させる空気を吸気する吸気口に近接して、他の冷却装置の排気口が配置されている場合であっても、冷却効率の低下を抑制できる冷却装置を提供する。【解決手段】現像剤冷却装置50の放熱部に、ラジエータ52、冷却ファン56、及びこれらを収容し、ラジエータ52の通風部を通過させる空気を吸気する吸気口62と、通風部を通過した空気が排気される排気口63とが形成された液冷ダクト61を設けた。そして、ラジエータ52の通風部を通過する空気の気流である冷却気流の、冷却気流の流れ方向に垂直な方向の温度分布に応じて、ラジエータ52の通風部の冷却液入口53近傍を高温側の気流が流れるように液冷ダクト61を形成した。【選択図】図5

Description

本発明は、画像形成装置内の冷却対象を冷却する冷却装置、及びこの冷却装置を備えた画像形成装置に関するものである。
プリンタ、ファックス、複写機等のトナーを用いる電子写真方式の画像形成装置では、用紙やOHPシートなどの記録媒体上に文字、記号等の画像を形成する露光、現像、定着等を行う各プロセス手段が、画像形成動作にともない発熱することが知られている。
そして、記録媒体上に良好な画像形成を行うためには、各プロセス手段を所定の温度範囲に管理する必要があり、所定温度を超えて発熱する温度上昇箇所等を、冷却対象(冷却対応箇所)として冷却する冷却装置を備えた画像形成装置が従来から知られている。
例えば、特許文献1には、現像装置を冷却する冷却装置、定着装置(定着ユニット)で定着された後の記録媒体を冷却する冷却装置、及び露光装置のレーザーダイオードの制御基板を冷却する冷却装置等の複数の冷却装置を備えた画像形成装置が記載されている。この画像形成装置では、現像装置を冷却する冷却装置、及び定着された後の記録媒体を冷却する冷却装置を液冷方式とし、レーザーダイオードの制御基板を冷却する冷却装置を空冷方式としている。
近年の画像形成装置は、小型化が進んでおり、各プロセス手段が画像形成装置内に高密度に実装されている。このため、液冷方式の冷却装置の吸気口の近くに、他の冷却対象を冷却する冷却装置の排気口が配置されるおそれがある。
液冷方式の冷却装置の吸気口の近くに、他の冷却装置の排気口が配置されると、他の冷却装置の排気口から排気される温度が上昇した空気の一部が、液冷方式の冷却装置の吸気口から吸気されてしまう。そして、放熱部に有した放熱部材であるラジエータ等で、通過する空気との熱交換を行う冷却管や冷却管に接続された冷却フィンの間(以下、通風部という)を、通過する空気の気流(以下、冷却気流という)の流れ方向に垂直な方向の温度分布を持ってしまう。具体的には、ラジエータ等の通風部に、他の冷却装置の排気口から排気され、温度が上昇した空気を吸気した気流である高温側の冷却気流が流る領域と、画像形成装置外の温度が上昇していない空気を吸気した気流である低温側の冷却気流が流れる領域とが生じる。
また、ラジエータ等の冷却管を流れる冷却液(以下、単に冷却液という)は上流から下流に行くにしたがって、冷却気流との熱交換が行われることで冷却されて温度が下がる。つまり、冷却液の流れ方向上流側であるラジエータ等の冷却液入口近傍ほど冷却液の温度が高く、下流側であるラジエータ等の冷却液出口近傍ほど冷却液の温度が低くなる。
また、一般的な液冷方式のラジエータ等は、冷却気流の温度よりも、冷却液の温度を低くすることはできない。
これらのため、画像形成装置外の温度が上昇していない低温側の空気だけを吸気した、冷却気流に温度分布を持たない構成と異なり、冷却気流に温度分布を持つ構成には、次のような現象が生じる。
ラジエータ等の通風部における高温側の冷却気流が流る領域で、通風部と高温側の冷却気流との温度差が小さくなって、低温側の冷却気流が流れる領域よりも熱交換作用が低くなる。そして、冷却液の流れ方向下流側であるラジエータ等の冷却液出口近傍での冷却液の温度、つまりラジエータ等の冷却液出口から流れ出る冷却液の温度が、上記した冷却気流に温度分布を持たない構成よりも高くなってしまう。
上記のようにラジエータ等から流れ出る冷却液の温度が高くなると、冷却対象の熱を吸熱する受熱部での熱交換作用も低くなり、冷却対象を冷却する冷却装置の冷却能力が低下してしまう。この冷却装置の冷却能力の低下を補うためには、冷却液を液送する液送ポンプや冷却ファンの回転数を上げたり、設計時からラジエータを大きくしたりする必要が生じる。
したがって、冷却気流に温度分布を持たない構成に比べて、冷却気流に温度分布を持つ構成では、冷却対象を冷却する冷却装置の冷却効率が低下してしまう。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、次のような冷却装置を提供することである。複数の冷却装置を備えた画像形成装置に用いられる液冷方式の冷却装置であって、放熱部を通過させる空気を吸気する吸気口に近接して、他の冷却装置の排気口が配置されている場合であっても、冷却効率の低下を抑制できる冷却装置である。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、冷却対象から熱を吸熱して冷却液に伝達する受熱部材を有した受熱部と、該受熱部で熱が伝達された冷却液が流れ込む冷却液入口と流れ出る冷却液出口と通過する空気との熱交換が行なわれる通風部とが設けられた放熱部材と、前記通風部を通過する空気の気流を生じさせる冷却ファンと、前記通風部を通過させる空気が吸気される吸気口と前記通風部を通過した空気が排気される排気口とが設けられた冷却風流路部とを有した放熱部と、を備えた液冷方式の冷却装置において、前記通風部を通過する空気の気流の、空気が流れる方向に垂直な方向の温度分布に応じて、前記通風部の前記冷却液入口近傍を高温側の気流が流れるように前記放熱部を構成していることを特徴とするものである。
本発明は、複数の冷却装置を備えた画像形成装置に用いられる液冷方式の冷却装置であって、放熱部を通過させる空気を吸気する吸気口に近接して、他の冷却装置の排気口が配置されている場合であっても、冷却効率の低下を抑制できる冷却装置を提供できる。
実施例1に係る画像形成装置であるプリンタの概略説明図。 従来の液冷方式の冷却装置の概略説明図。 従来の液冷方式の冷却装置の問題点の説明図。 放熱部材であるラジエータの液冷菅内を流れる冷却液の流路位置と、冷却気流の温度分布によるラジエータの冷却特性を説明するグラフ。 実施例1に係る現像剤冷却装置の概略説明図。 実施例1に係る現像剤冷却装置に設けたラジエータの説明図。 実施例2に係る現像剤冷却装置の概略説明図。 実施例2に係る現像剤冷却装置に設けたラジエータの説明図。 実施例3に係る画像形成装置であるプリンタの概略説明図。 実施例3に係る用紙冷却装置の用紙冷却部の説明図。 実施例3に係る用紙冷却装置の斜視概略説明図。 実施例3の用紙冷却装置の概略説明図。 実施例3の用紙冷却装置に設けたラジエータの説明図。 実施例4に係る画像形成装置であるプリンタの背面斜視図。 図14の画像形成装置を右側方から見た概略断面説明図。 図14の画像形成装置を上から見た概略上面図。 実施例4の用紙冷却装置に設けたラジエータの説明図。 実施例5に係る画像形成装置であるプリンタの排紙側周辺を上から見た概略上面図。 実施例6に係る画像形成装置であるプリンタの用紙冷却装置に設けたラジエータ52の説明図。 実施例6のプリンタの制御ブロック図。 本発明が適用可能な画像形成装置の別例の概略説明図。
本発明を、カラー対応の電子写真方式の画像形成装置であるプリンタ(以下、プリンタ100という)に適用した一実施形態について、複数の実施例を挙げて説明する。
なお、本実施形態のプリンタ100は、オプションのスキャナー装置を装置本体上部に増設することで複写機機能を、さらに、オプションのファックス基板を装置本体内部に増設することでファックス機能を備えた複合機としても機能させることができる。
(実施例1)
本実施形態のプリンタ100の実施例1について、図を用いて説明する。
本実施例では、定着装置周囲の空気を冷却して所定の温度範囲内に維持する定着部冷却装置と、現像装置の現像剤を収容した現像剤収容部を冷却してトナーを所定の温度範囲内に維持する現像剤冷却装置を備えたプリンタ100に本発明を適用した例を説明する。
図1は、本実施例に係る画像形成装置であるプリンタ100の概略説明図、図2は、従来の液冷方式の冷却装置の概略説明図、図3は、従来の液冷方式の冷却装置の問題点の説明図である。図4は、放熱部材であるラジエータの液冷菅内を流れる冷却液の流路位置と、冷却気流の温度分布によるラジエータの冷却特性を説明するグラフであり、図4(a)が冷却気流に温度分布がない(冷却気流の温度が一定の)場合のグラフである。図4(b)が冷却液の流れ方向上流側の冷却気流の温度が低く、下流側の冷却気流の温度が高い場合のグラフであり、図4(c)が冷却液の流れ方向上流側の冷却気流の温度が高く、下流側の冷却気流の温度が低い場合のグラフである。図5は、本実施例に係る現像剤冷却装置50の概略説明図、図6は、本実施例に係る現像剤冷却装置50に設けたラジエータ52の説明図である。
なお、以下の説明では、従来の現像剤冷却装置や定着部冷却装置も、本実施例の現像剤冷却装置50や定着部冷却装置90と同一の構成部材や装置、及び同様な機能を果す構成部材や装置については、同一の符号を付して説明する。
本実施例のプリンタ100は、詳しくは後述するが、画像形成部に複数の作像部と、各作像部で形成した各色のトナー像を中間転写する中間転写体を有した中間転写部とを備えている。そして、中間転写体の展張面上の中間転写体移動方向に並べた作像部で形成した各色のトナー像を順次、中間転写体上に一次転写して重ね合わせた後、記録媒体上に一括して二次転写する、所謂、タンデム型中間転写方式の画像形成装置である。
まず、本実施例のプリンタ100の基本的な構成、及び動作について図1を用いて説明する。
図1に示すように、本実施例のプリンタ100は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色のトナー画像を、それぞれ感光体1(Y,C,M,K)上に形成する4つの作像部9(Y,C,M,K)を有した画像形成部10を備えている。この画像形成部10は、4つの作像部9(Y,C,M,K)の上方に配置され、各作像部9(Y,C,M,K)の感光体1(Y,C,M,K)の表面上を露光して静電潜像を形成する光書き込み装置11も有している。
ここで、各作像部9(Y,C,M,K)の構成は、用いるトナーの色が異なることを除くと、それぞれ基本的な構成は同様であるので、各作像部9(Y,C,M,K)の構成について、作像部9Yを例に挙げて説明する。作像部9Yには、作像中に図中反時計回りに回転する潜像担持体である感光体1Yの回りに、感光体1Yの回転中心の略上方に配置された帯電装置2Yから、現像装置3Y、図示を省略した除電装置、及び感光体クリーニング装置が、この記載順で配置されている。
また、感光体1Yの回転中心の図中鉛直下方には、静電潜像が形成された部分に現像装置3Yにより付着したイエローのトナー画像が、後述する中間転写部20の中間転写ベルト21上に一次転写される一次転写ニップ部が形成される。このため、一次転写ニップ部を挟んで感光体回転方向上流側に現像装置3Yが、感光体回転方向下流側に除電装置が配置されている。
画像形成部10の下方には、4つの作像部9(Y,C,M,K)の感光体1(Y,C,M,K)上に形成した各色のトナー像が順次、一次転写される中間転写ベルト21を有した中間転写部20が設けられている。この中間転写部20は、中間転写ベルト21の内周側に、中間転写ベルト21を内周側から架張する3つの架張ローラとして機能する図中左側の駆動ローラ24、図中右側の架張ローラ23、及び図中下方の二次転写バックアップローラ22も有している。
また、駆動ローラ24と架張ローラ23とに架張される中間転写ベルト21の展張部分の外周側に、図中左側から作像部9Y、作像部9C、作像部9M、作像部9Kの順で各作像部9(Y,C,M,K)が配置されている。そして、各作像部9(Y,C,M,K)の感光体1(Y,C,M,K)に中間転写ベルト21を介して対向する位置には各感光体1(Y,C,M,K)上のトナー画像を中間転写ベルト21上にそれぞれ一次転写する、4つの一次転写ローラ(不図示)も有している。これらの一次転写ローラにより、各作像部9(Y,C,M,K)で形成された各色のトナー画像が重ね合わされるように一次転写されて、中間転写ベルト21上にカラーのトナー画像が形成される。
中間転写ベルト21の外周側には、中間転写ベルト21を外周側から押圧して、中間転写ベルト21に所定のベルトテンションを与えるテンションローラ25を有している。そして、テンションローラ25と二次転写バックアップローラ22の間には、図示を省略しているが、二次転写後の中間転写ベルト21上の残留トナー等を除去するベルトクリーニング装置も有している。
中間転写部20の下方には、中間転写ベルト21とで二次転写ニップ部を形成して、給紙カセット30から搬送されてくる記録媒体である用紙P上に、中間転写ベルト21上に担持されたカラーのトナー画像を二次転写する二次転写ローラ32が設けられている。
この二次転写ローラ32の用紙搬送方向上流側には、図示を省略したレジストローラ対が設けられ、中間転写ベルト21上に担持されたカラーのトナー画像の二次転写ニップ部への進入タイミングに合わせて、用紙Pを二次転写ニップ部に搬送する。
一方、二次転写ローラ32の用紙搬送方向下流側には、用紙P上に二次転写されたカラーのトナー画像を、加熱及び加圧して用紙P上に定着する加熱ローラと加圧ローラとからなる発熱部としての定着装置33が配置されている。
また、定着装置33の用紙搬送方向下流側には、定着後の用紙Pを装置本体外に排出する排紙口35が設けられている。
また、二次転写ローラ32及び定着装置33等の下方には、上記したように給紙カセット30が設けられており、積載した用紙束から、図示省略した給紙ローラや分離ローラにより、1枚ずつ用紙Pを分離して、用紙搬送路31に給紙する。
このプリンタ100では、パソコン等から画像情報が送信されてくると、各作像部9(Y,C,M,K)の感光体1(Y,C,M,K)を回転駆動させるとともに、各帯電装置2(Y,C,M,K)で、それぞれ各感光体1(Y,C,M,K)上を一様帯電する。その後、各感光体1(Y,C,M,K)の上方に配置された光書き込み装置11が、パソコン等から送信された画像情報に基づいて、各感光体1(Y,C,M,K)表面上にレーザー光を露光(照射)して静電潜像を形成する。この静電潜像を、それぞれに設けられた現像装置3(Y,C,M,K)でトナー付着させて各色のトナー画像として顕像化する。
各感光体1(Y,C,M,K)表面上にそれぞれ形成された各色のトナー画像は、各感光体1(Y,C,M,K)の図1図中、反時計回りの回転にともない、中間転写ベルト21を介した対向する各一次転写ローラの位置まで搬送される。そして、一次転写ローラに印加される一次転写バイアスにより、各感光体1(Y,C,M,K)に担持体された各色のトナー画像が中間転写ベルト21上に、順次、重ね合わせられるよう一次転写され、中間転写ベルト21上にカラーのトナー画像が形成される。中間転写ベルト21上に一次転写されたカラーのトナー画像は、中間転写ベルト21の時計回りの無端移動により、二次転写ローラ32が中間転写ベルト21を介して二次転写バックアップローラ22に対向配置された2次転写部まで搬送される。
また、トナー画像が二次転写部に搬送されるタイミングに合わせて、給紙カセット30から給紙ローラ及び分離ローラで用紙搬送路31に搬送され、レジストローラ対(不図示)の位置で待機していた用紙Pがレジストローラ対により二次転写部に搬送される。そして、レジストローラ対により二次転写部に搬送された用紙P上に、カラーのトナー画像が二次転写ローラ32に印加される二次転写バイアスにより一括転写される。
カラーのトナー画像が一括転写された用紙Pは、用紙搬送路31に沿って二次転写部の用紙搬送方向下流側に設けられた、定着装置33まで搬送されて用紙P上にカラーのトナー画像が定着される。そして、定着後の用紙Pは、排紙口35の用紙搬送方向上流側直近に設けられた、図示を省略した排紙ローラの回転により排紙される。また、一次転写部で各感光体1(Y,C,M,K)上から中間転写ベルト21上に一次転写し切れなかった転写残トナーは、各感光体1(Y,C,M,K)における一次転写部の感光体回転方向下流側に設けられた感光体クリーニング装置により除去される。そして、二次転写部で中間転写ベルト21上から用紙P上に2次転写しきれなかった転写残トナーも、ベルトクリーニング装置により除去され、再度の画像形成に備える。
ここで、本実施例のプリンタ100のように、トナーを用いて紙やOHPシート等の記録媒体上に文字、記号等の画像を形成する電子写真方式の画像形成装置は、高精細な画像を高速で記録媒体上に形成することができるため、広く利用されている。
しかし、電子写真方式の画像形成装置では、画像形成にともなう露光、現像、定着、及びスキャナー装置を装置本体に備えた画像形成装置においてはスキャニング(原稿の読取)の各工程で、各プロセス手段の発熱や温度上昇をともなう。
具体的には、光学系装置では、原稿をスキャンするスキャナー装置のスキャナランプやスキャナランプを駆動するスキャナモータが発熱し、光書き込み装置に有したレーザー光源や高速回転するポリゴンミラーを駆動するモータ等が発熱する。
現像装置では、トナーに帯電性を付与する際の、トナー等からなる現像剤の攪拌による摩擦熱によるトナーや、現像剤を収容した現像装置の収容部の温度上昇が生じる。
定着装置では、熱定着するための熱源であるヒータ等の熱による周辺部の温度の上昇や、定着後の記録媒体が高温となるため、その後の搬送路となる反転装置等の温度を昇温させてしまう。
上記のような熱が本体装置内に滞留すると、様々な不具合が発生するおそれがある。
例えば、トナーが軟化温度に近い温度まで昇温させられると、画質不良が発生したり、感光体ユニット、現像装置、及びトナーコンテナ等の可動部をロックさせて故障が発生したりする。また、温度の上昇により軸受け等のオイルが劣化したり、各回転体を回転させる駆動源であるモータ等の機械的寿命を早めてしまう。あるいは、各制御部等に設けられている電気基板上のICの放熱が不足すると、誤作動、故障の原因となる。さらには、耐熱温度が低い樹脂部品などでは、変形が生じることもある。
また、定着後の記録媒体が熱を持ったまま、排紙トレイ等にスタックされていくと積み重なった記録媒体の束内にこもった熱によってトナーが軟化することがある。このように記録媒体上のトナー画像を形成するトナーが軟化した状態で、さらに記録媒体が重なると、記録媒体の束の自重による圧力が生じて、軟化したトナーによって記録媒体間が貼りついてしまう、所謂、ブロッキング現象が発生する場合がある。そして、ブロッキング現象が発生した記録媒体同士を無理に剥がそうとするとトナー像が壊れてしまう。
近年の画像形成装置は、高速化にともなって各プロセス手段の発熱量が増加し、かつ小型化が進んでおり装置本体内に高密度に実装されている。このため、温度管理が必要なプロセス手段や記録媒体を冷却する冷却装置を備えた画像形成装置が増えてきている。
また、従来の冷却ファンによる空冷方式では各プロセス手段や記録媒体に対して十分な冷却が難しくなっており、より効率の高い冷却方式として液冷方式を採用したものも知られている。そして、複数の冷却対象に対して、例えば、少なくとも液冷方式の冷却装置を含む異なる冷却装置を設けた画像形成装置も知られている(例えば、特許文献1)。ここで、液冷方式の冷却装置は、冷却対象に流路を形成し、又は流路を形成した受熱部を、冷却対象に密着、あるいは近接させたり、他の部材を介したりして、流路に冷却対象よりも低温の冷却液を流す(供給する)ことで冷却対象から熱を奪うものである。
例えば、図2に示す従来の現像剤冷却装置50に設けた冷却構成部材(構成要素)は、図1に示した本実施例のプリンタ100の現像剤冷却装置50と同様なものを有している。しかし、図2に示す従来の現像剤冷却装置50では、ラジエータ52の冷却管や冷却フィンの間を通過する冷却気流と、ラジエータ52の冷却管内を流れる冷却液(以下、単に冷却液という)の流れに係る構成に関しては特に検討されていなかった。
そして、上記したように近年の画像形成装置は、各プロセス手段の発熱量が増加し、かつ小型化が進んでおり装置本体内に高密度に実装されているため、液冷方式の冷却装置の吸気口の近くに、他の冷却対象を冷却する冷却装置の排気口が配置されるおそれがある。
例えば、図3に示すように、液冷方式の現像剤冷却装置50とは別に、空冷方式の定着部冷却装置90を設けている。現像剤冷却装置50の吸気口62の近くに、発熱部としての定着装置33周囲の空気を冷却する定着部冷却装置90の発熱部排気口としての空冷排気口93が配置されている。なお、図3図中の矢印は、現像剤冷却装置50及び定着部冷却装置90の冷却気流となる空気や、ラジエータ52及び定着装置33周囲を通過した空気の流れを示している。細い矢印は温度が低い空気の流れを示し、太い矢印は細い矢印よりも温度が高い空気の流れを示している。
このように現像剤冷却装置50の吸気口62の近くに、定着部冷却装置90の空冷排気口93が配置されると、定着部冷却装置90の空冷排気口93から排気される温度が上昇した空気の一部が、現像剤冷却装置50の吸気口62から吸気されてしまう。そして、現像剤冷却装置50の放熱部に有したラジエータ52の冷却管表面や冷却フィンの間(以下、通風部という)を通過する空気の気流(以下、冷却気流という)に、冷却気流の流れ方向に垂直な方向の温度分布を持ってしまうことがある。
具体的には、ラジエータ52の通風部に、定着部冷却装置90の空冷排気口93から排気され、温度が上昇した空気を吸気した気流である高温側の冷却気流が流れる領域が生じる。また、プリンタ100外の温度が上昇していない空気を吸気した気流である低温側の冷却気流が流れる領域とも生じる。
また、ラジエータ52の冷却管を流れる冷却液(以下、単に冷却液という)は上流から下流に行くにしたがって、冷却気流との熱交換が行われることで冷却されて温度が下がる。つまり、冷却液の流れ方向上流側であるラジエータ52の冷却液入口近傍ほど冷却液の温度が高く、下流側であるラジエータ等の冷却液出口近傍ほど冷却液の温度が低くなる。
また、一般的な液冷方式のラジエータであるラジエータ52は、冷却気流の温度よりも、冷却液の温度を低くすることはできない。
これらのため、画像形成装置外の温度が上昇していない低温側の空気だけを吸気した、冷却気流に温度分布を持たない図2に示した従来の現像剤冷却装置50の構成と異なり、冷却気流に温度分布を持つ図3に示した構成には、次のような現象が生じる。
ラジエータ52の通風部における高温側の冷却気流が流れる領域で、通風部と高温側の冷却気流との温度差が小さくなって、低温側の冷却気流が流れる領域よりも熱交換作用が低くなる。そして、冷却液の流れ方向下流側であるラジエータ52の冷却液出口近傍での冷却液の温度、つまりラジエータ52の冷却液出口から流れ出る冷却液の温度が、上記した冷却気流に温度分布を持たない構成よりも高くなってしまう。
上記のようにラジエータ52から流れ出る冷却液の温度が高くなると、冷却対象であるトナーを含む現像剤の熱を吸熱する受熱部である冷却ジャケット57(Y,C,M,K)での熱交換作用も低くなる。そして、トナーを含む各現像剤を冷却する現像剤冷却装置50の冷却能力が低下してしまう。
この現像剤冷却装置50の冷却能力の低下を補うためには、冷却液を液送する液送ポンプ51や冷却ファン56の回転数を上げたり、設計時からラジエータ52を大きくしたりする必要が生じる。
したがって、冷却気流に温度分布を持たない図2に示した従来の現像剤冷却装置50の構成に比べて、冷却気流に温度分布を持つ図3に示した構成では、トナーを含む各現像剤を冷却する現像剤冷却装置50の冷却効率が低下してしまう。
発明者らは、上記課題を解決するために検討を重ねた結果、放熱部を通過させる空気を吸気する吸気口に近接して、他の冷却装置の排気口が配置されている場合であっても、効率の良い冷却が行える方法を見出した。
次に、上記のような課題が生じる理由と、発明者らが見出した解決方法の概要について、図4を用いて説明する。ここで、図4(a)、(b)、(c)にプロットした菱形の点を結んだ線が冷却液のラジエータ52の冷却液流路(冷却管)内の位置に応じた温度変化を示し、四角の点を結んだ線が冷却気流のラジエータ52の冷却液流路内の位置に応じた温度変化を示している。
冷却気流の温度分布がない場合、つまり、ラジエータ52の冷却液流路内において、冷却気流が一定な場合には、冷却液はラジエータ52の上流(冷却液入口近傍)から下流(冷却液出口近傍)に行くに従い温度が、図4(a)のように低下する。
これに対して、冷却気流の温度分布がある図4(b)、(c)では、冷却気流の温度分布が、冷却液の流れ方向上流側と下流側で温度分布が逆になっている。
そして、例えば、図4(a)に示すように、冷却気流と冷却液との温度差が小さくなるほど、各流路位置間での冷却液の温度低下率(熱交換率)が指数的に減衰する。
図4(b)では、冷却液の流れ方向上流側の冷却気流の温度が低く、下流側の温度が高い。一方、図4(c)では、冷却液の流れ方向上流側の冷却気流の温度が高く、下流側の温度が低い。
図4(b)に示す場合、冷却液の流れ方向上流側の冷却気流の温度が切り替わるまでの領域では、ラジエータ52の通風部を通過する冷却気流とラジエータ52の冷却菅内を流れる冷却液との温度差を冷却気流の温度分布がない図4(a)と同じにできる。このため、冷却液の温度は冷却気流の温度分布がない図4(a)と同様に効率良く低下する。
しかし、下流側においてはラジエータ52の通風部を通過する冷却気流の温度が高いため、冷却気流と冷却液との温度差が冷却気流の温度分布がない図4(a)よりも小さくなり、冷却液の温度を低下させることが困難になる。さらに、図4(b)に示すように、冷却気流の温度が高温側に切り替わる際の冷却液の温度が、高温側の冷却気流の温度よりも高い場合であっても、高温側の冷却気流の温度よりも、冷却液の温度を低下させることもできない。
また、ラジエータ52の通風部を通過する高温側の冷却気流の温度領域が狭く、冷却気流の温度が高温側に切り替わる際の冷却液の温度が高温側の冷却気流の温度よりも低くなる場合には、冷却気流と冷却液との熱交換の方向が逆になる。このように逆になると、一旦、高温側の冷却気流よりも低い温度まで冷却された冷却液の温度が、高温側の冷却気流により暖められて、その温度が上昇することになる。
一方、図4(c)に示す場合、冷却液の流れ方向上流側を高温側の冷却気流が流れるため、上記した図4(a)、(b)に比べて、ラジエータ52の通風部を通過する冷却気流と冷却液との温度差は小さくなるものの、冷却液の温度低下率を良好な範囲に維持できる。
そして、下流側を低温側の冷却気流が流れ、ラジエータ52の通風部を通過する冷却気流の温度が冷却気流の温度分布がない図4(a)と同じになる。このため、冷却気流の温度が切り替わる際、及び切り替わった後の冷却気流と冷却液との温度差を、冷却気流の温度分布がない図4(a)や、上記した図4(b)よりも大きくでき、図4(b)よりも冷却液の温度を低下させることが可能となる。
これらのため、ラジエータ52の通風部の冷却液入口近傍に温度分布を持った高温側の冷却気流が流れる構成の方が、通風部の冷却液入口近傍に温度分布を持った低温側の冷却気流が流れる構成よりも、冷却液出口から流れ出る冷却液の温度を低くできる。
なお、上記説明では、図4(a)〜(c)に示すように、冷却気流の温度が階段状に変化する例を挙げて説明したが、冷却気流の温度が冷却液の流れ方向に対して、例えば一方向に線形状に変化する構成においても同様な現象が生じる。
そして、通風部の冷却液入口近傍に温度分布を持った低温側の冷却気流が流れる構成よりも、冷却液を液送する液送ポンプ51や冷却ファン56の回転数を上げたり、設計時からラジエータ52を大きくしたりすることを抑制できる。
したがって、ラジエータ52の通風部を通過させる空気を吸気する吸気口62に近接して、定着部冷却装置90の空冷排気口93が配置されている場合であっても、次のような効果を奏することができる。
通風部の冷却液入口近傍を低温側の冷却気流が流れる構成よりも、現像剤冷却装置50の冷却効率の低下を抑制できる。
よって、複数の冷却装置を備えたプリンタ100に用いられる液冷方式の現像剤冷却装置50であって、ラジエータ52を通過させる空気を吸気する吸気口62に近接して、定着部冷却装置90の排気口が配置されている。このような場合であっても、冷却効率の低下を抑制できる現像剤冷却装置50を提供できる。
次に、本実施例におけるプリンタ100に備えた、液冷方式の現像剤冷却装置50について、より詳細に説明する。
図1に示すように本実施例のプリンタ100では、各作像部9(Y,C,M,K)の現像装置3(Y,C,M,K)の現像剤収容部の側面に、現像剤冷却装置50の受熱部である冷却ジャケット57(Y,C,M,K)が接触するように設けている。
また、図1及び図5に示すように、図中、右側に放熱部の放熱部材であるラジエータ52と、このラジエータ52に外気を当てて、現像剤冷却装置50の冷却能力を高める冷却ファン56とを有している。そして、これらをその内部空間に配置する冷却風流路部として、吸気口62と排気口63とを設けた液冷ダクト61も有している。
この現像剤冷却装置50は、図1、5に示すように、液送ポンプ51、ラジエータ52、各冷却ジャケット57(Y,C,M,K)、及びリザーブタンク58を、冷却液を通す管路であるゴムチューブ59により直列に接続して冷却液の循環経路を構成している。
ここで、各冷却ジャケット57(Y,C,M,K)はアルミニウム製であり、ラジエータ52はアルミニウム製のコルゲートフィンタイプのものを使用している。また、冷却液は水を主成分とし、冷却液の凍結温度を下げるためにプロピレングリコールやエチレングリコールなどを添加して使用している。
なお、本実施例の現像剤冷却装置50ではリザーブタンク58を設けているが、リザーブタンク58を設けない構成も可能である。
この現像剤冷却装置50では、冷却液は各ゴムチューブ59により接続された液送ポンプ51から、ラジエータ52、各冷却ジャケット57(Y,C,M,K)、及びリザーブタンク58を通って、再び液送ポンプ51に戻る。このように、受熱部材である各冷却ジャケット57(Y,C,M,K)で温められた冷却液がラジエータ52で冷却されるため、所定量の冷却液を現像剤冷却装置50の各冷却構成部材間で循環させることで、冷却対象であるトナーの冷却を行うことができる。
各冷却ジャケット57(Y,C,M,K)は、それぞれ各現像装置3(Y,C,M,K)の現像剤収容部の側面に、低硬度の熱伝導シートを介して密着するように配置されている。ここで、各現像装置3(Y,C,M,K)の現像剤収容部を形成するケーシングの部分はアルミニウム製であり熱伝導率が高いために、ケーシングの側面を冷却することで、ケーシング全体でトナーを含む現像剤を冷却することができる。
各冷却ジャケット57(Y,C,M,K)で各現像装置3(Y,C,M,K)の現像剤収容部の側面からトナー(現像剤)の熱を受熱した冷却液は、ラジエータ52の通風部において冷却気流(空気)と熱交換することで冷却される。
このラジエータ52は、プリンタ100の外装に形成された通気孔に接続する吸気口62及び排気口63とを有した液冷ダクト61内に配置されている。また、液冷ダクト61内に設けられる冷却ファン56が駆動することでプリンタ100外の空気が液冷ダクト61内部に吸い込まれて冷却気流となり、ラジエータ52の通風部を通過する際に、ラジエータ52内の冷却液と冷却気流との間で熱交換が行われる。そして、ラジエータ52を通過した空気は、排気口63からプリンタ100の外部に排出される。
上記のように、冷却ファン56の駆動により吸気口62からプリンタ100の外部の空気(外気)を取り込んで生じさせた冷却気流により、ラジエータ52の冷却液の冷却液流路である冷却菅とフィンに、冷却気流との間で強制対流熱伝達を生じさる。そして、ラジエータ52の冷却菅内を流れる冷却液の温度を低下させる。
そして、図5に示すように、本実施例のプリンタ100は冷却対象として、各現像装置3(Y,C,M,K)の現像剤収容部の側面からトナーを冷却する現像剤冷却装置50の他に、定着装置33周囲の空気を冷却する定着部冷却装置90も備えている。
現像剤冷却装置50の冷却対象である各現像装置3(Y,C,M,K)の現像剤収容部に収容された現像剤に含まれる各色のトナーは、上記したように液冷方式により冷却されている。
一方、定着部冷却装置90の冷却対象である定着装置33周囲の空気は、従来から知られている空冷方式により冷却される。
具体的には、定着部冷却装置90では定着装置33周囲の空気を、次のようにして空冷排気ファン96からプリンタ100の装置外に排気することで冷却している。
定着部冷却装置90には定着装置33の下部の形状よりも大きな定着装置用口94が上部に形成された空冷ダクト91が設けられ、定着装置33の下部が差し込まれるようにして配置されている。また、空冷ダクト91の一端側(図5図中右側)にはプリンタ100の外装に形成された通気孔に接続する空冷吸気口92が、空冷ダクト91の他端側(図5図中左側)にプリンタ100の外装に形成された通気孔に接続する空冷排気口93が形成されている。そして、空冷排気口93の内側近傍には、空冷ダクト91内の空気を空冷排気口93から排気させる空冷排気ファン96が設けられている。
この空冷排気ファン96が駆動されると、定着装置33と定着装置用口94との隙間から吸い込まれるプリンタ100の外装に形成された吸気孔95から吸気された外気と、空冷ダクト91の空冷吸気口92から吸気された外気とが空冷排気口93から排気される。
そして、吸気孔95から吸気された外気が、定着装置33と定着装置用口94との隙間から吸い込まれる際に、定着装置33の上部の側面や上面に沿って吸い込まれ、定着装置33の上部側面や上面が冷却されつつ、定着装置33上部の周囲の空気が冷却される。
また、空冷ダクト91の空冷吸気口92から吸気された外気が定着装置33の下部を通過する際に、定着装置33の下部の側面や下面に沿って吸い込まれ、定着装置33の下部側面や下面が冷却されつつ、定着装置33下部の周囲の空気が冷却される。
このように定着装置33周囲の空気は、従来から知られている空冷方式の空冷排気ファン96の駆動により冷却される。
そして、定着部冷却装置90の空冷排気ファン96の駆動により空冷排気口93から排気される温度が上昇した空気の一部が、近接して配置された現像剤冷却装置50の液冷ダクト61の吸気口62から吸気されることとなる。その結果、現像剤冷却装置50のラジエータ52の通風部を通過する冷却気流が、ラジエータ52の通風部の場所によって温度分布(冷却気流の流れ方向に垂直な方向の温度分布)を持つことになる。
具体的には、ラジエータ52の通風部500を通過する冷却気流は、図6に示す領域Aの温度が領域Bの温度に比べて高くなるように、液冷ダクト61が構成されている。そして、ラジエータ52は、図6に示すように、上記領域Aに近い冷却液の入口である冷却液入口53から冷却液が流れ入り(供給され)、図中に示した矢印に沿ってラジエータ52の冷却液の冷却液流路である並行して設けられた複数の冷却管55内を流れる。そして、上記領域Bまで流れた冷却液は、冷却液の出口である冷却液出口54から流れ出る(排出される)こととなる。
すなわち、ラジエータ52は、隣り合う冷却管の間に設けられた冷却フィンと各冷却フィンの間の開口とで構成される通風部500を流れる気流の温度が、高い領域Aから低い領域Bになるように冷却液が冷却管55内を流れるように形成されている。
このようにラジエータ52を構成することで、ラジエータ52の通風部を流れる冷却気流の温度が高い領域Aから、低い領域Bに冷却液が流れるので、冷却液と熱交換を行う冷却気流との温度差を最も大きくすることができる。したがって、ラジエータ52の通風部を通過する冷却気流に温度分布がある場合でも、最も効率よく冷却液の温度を低下させることができる。
また、本実施例のプリンタ100は、現像剤冷却装置50を備えることで、現像剤冷却装置50の上記した効果と同様な効果を奏することができる。
(実施例2)
本実施形態のプリンタ100の実施例2について、図を用いて説明する。
図7は、本実施例に係る現像剤冷却装置50の概略説明図、図8は、本実施例に係る現像剤冷却装置50に設けたラジエータ52の説明図である。
本実施例のプリンタ100は、上記した実施例1のプリンタと、現像剤冷却装置50の放熱部に2つの放熱部材を有したことに係る点のみ異なる。したがって、上記した実施例1と同様な構成、及びその作用・効果については、適宜、省略して説明する。また、同一の構成部材、又は同様な機能を果す構成部材等については、特に区別する必要がない限り、同一の符号を付して説明する。
図7に示すように、本実施例の現像剤冷却装置50の放熱部には、2つの放熱部材である第1ラジエータ52a及び第2ラジエータ52b、冷却ファン56、及び吸気口62と排気口63を有した液冷ダクト61を設けている。また、第1ラジエータ52a及び第2ラジエータ52bと、冷却ファン56は、プリンタ100の外装に形成された通気孔に接続する吸気口62及び排気口63とを有した液冷ダクト61内に配置されている。
そして、冷却ファン56により、プリンタ100外の空気が液冷ダクト61内部に吸い込まれて冷却気流となり、第1ラジエータ52a及び第2ラジエータ52bの通風部を通過する際に、各ラジエータ52a,b内の冷却液と冷却気流との間で熱交換が行われる。そして、第1ラジエータ52a及び第2ラジエータ52bを通過した空気は、排気口63からプリンタ100の外部に排出される。
本実施例の現像剤冷却装置50は、上記した実施例1の現像剤冷却装置と同様に、現像剤冷却装置50の液冷ダクト61に有した吸気口62と、定着部冷却装置90の空冷ダクト91に有した空冷排気口93とが近接して配置されている。このため、定着部冷却装置90の空冷ダクト91に有した空冷排気口93から排気される温度が上昇した空気の一部が、現像剤冷却装置50の液冷ダクト61に有した吸気口62から吸気される。この結果、現像剤冷却装置50の第1ラジエータ52a及び第2ラジエータ52bの通風部を通過する冷却気流が、各ラジエータ52の通風部の場所によって温度分布(冷却気流の流れ方向に垂直な方向の温度分布)を持つことになる。
また、液冷ダクト61は、第1ラジエータ52a及び第2ラジエータ52bの各通風部を通過する冷却気流が、図8に示す領域Aの温度が、領域Bの温度に比べて高くなるように構成されている。そして、第1ラジエータ52a及び第2ラジエータ52bは、図8に示すように、上記領域A及び領域Bのそれぞれに対応するように、第1ラジエータ52a及び第2ラジエータ52bが設けられている。
また、冷却液は第1ラジエータ52aの冷却液入口53aから流れ入り、図中に示した矢印に沿って第1ラジエータ52aの冷却液の冷却液流路である並行して設けられた複数の冷却管55内を流れる。そして、複数の冷却管55内を流れた冷却液は、第1ラジエータ52aの冷却液出口54aから流れ出ることとなる。
さらに、第1ラジエータ52aの冷却液出口54aから流れ出る冷却液は、一端側が冷却液出口54aに接続されたゴムチューブ59を通り、他端側が接続された第2ラジエータ52bの冷却液入口53bに流れ入る。第2ラジエータ52bの冷却液入口53bに流れ入った冷却液は、図中に示した矢印に沿って第2ラジエータ52bの冷却液の冷却液流路である並行して設けられた複数の冷却管55内を流れる。そして、複数の冷却管55内を流れた冷却液は、第2ラジエータ52bの冷却液出口54bから流れ出ることとなる。
すなわち、第1ラジエータ52a及び第2ラジエータ52bは、冷却液が冷却液は第1ラジエータ52aの冷却液入口53aから流れ入り、第2ラジエータ52bの冷却液出口54bから流れ出るよう、ゴムチューブ59で直列に連結されている。
このように第1ラジエータ52a及び第2ラジエータ52bを構成することで、本実施例の現像剤冷却装置50は、次のような効果を奏することができる。
直列に連結される第1ラジエータ52a及び第2ラジエータ52bの各通風部を流れる冷却気流に関し、高温側の冷却気流が冷却液流路上流側の第1ラジエータ52aの通風部を流れる。このように冷却液が流れることで、確実に高温側の冷却気流を放熱部内の冷却液流路上流側の第1ラジエータ52aに作用させることができる。
したがって、温度分布が無い構成や、第1ラジエータ52aに低温側の冷却気流が流れる構成に比べて、第1ラジエータ52aでの冷却気流と冷却液との温度差は小さくなるものの、第1ラジエータ52aでの冷却液の温度低下率を良好な範囲に維持できる。
そして、第2ラジエータ52bでの冷却気流と冷却液との温度差を、冷却気流の温度分布がない構成や、第2ラジエータ52bを高温側の冷却気流が流れる構成よりも大きくできる。このように冷却気流と冷却液との温度差を大きくできるので、第2ラジエータ52bを高温側の冷却気流が流れる構成よりも冷却液の温度を低下させることが可能となる。
これらのため、第1ラジエータ52aの通風部を高温側の冷却気流が流れる構成の方が、第1ラジエータ52aの通風部を低温側の冷却気流が流れる構成よりも、第2ラジエータ52bの冷却液出口54bから流れ出る冷却液の温度を低くできる。すなわち、第1ラジエータ52aの通風部で温度分布を持った高温側の冷却気流が流れる構成の方が、第1ラジエータ52aの通風部で温度分布を持った低温側の冷却気流が流れる構成よりも、現像剤冷却装置50の冷却効率の低下を抑制できる。
よって、放熱部に第1ラジエータ52a及び第2ラジエータ52bを有し、放熱部を通過させる空気を吸気する吸気口62に近接して、定着部冷却装置90の空冷排気口93が配置されている場合であっても、冷却効率の低下を抑制できる。
(実施例3)
本実施形態のプリンタ100の実施例3について、図を用いて説明する。
図9は、本実施例に係る画像形成装置であるプリンタ100の概略説明図、図10は、本実施例に係る用紙冷却装置70の用紙冷却部71の説明図、図11は、本実施例に係る用紙冷却装置70の斜視概略説明図である。図12は、本実施例の用紙冷却装置70の概略説明図、図13は本実施例の用紙冷却装置70に設けたラジエータ52の説明図である。
本実施例のプリンタ100は、上記した実施例1、2のプリンタと、冷却対象を定着装置33により定着された用紙Pとした冷却装置である用紙冷却装置70を備えたことに係る点のみ異なる。したがって、上記した実施例1、2と同様な構成、及びその作用・効果については、適宜、省略して説明する。また、同一の構成部材、又は同様な機能を果す構成部材等については、特に区別する必要がない限り、同一の符号を付して説明する。
本実施例の用紙冷却装置70は、図9に示すように、ベルト搬送手段81で挟持搬送される用紙Pから熱を吸熱して冷却する上部冷却部材77a及び下部冷却部材77bの2つの冷却部材を備えたものである。すなわち、ベルト搬送手段81と、冷却構成部材である受熱部材として上部冷却部材77a及び下部冷却部材77bとで用紙冷却装置70の受熱部である用紙冷却部71を構成している。
ベルト搬送手段81は、図10に示すように、用紙Pの上面側に配置される上部搬送ベルト83を無端移動させる上部ベルト機構82と、図中、用紙Pの下面側に配置される下部搬送ベルト86を無端移動させる下部ベルト機構85とを備えている。
また、2つの冷却部材は、用紙Pの熱を上面側から吸熱する上部受熱部材である上部冷却部材77aが上部搬送ベルト83に、用紙Pの熱を下面側から吸熱する下部受熱部材である下部冷却部材77bが下部搬送ベルト86の内周面に配置されている。
上部冷却部材77aと下部冷却部材77bとは、用紙Pの搬送方向に沿ってずらして配置されている。また、上部冷却部材77a下面には上部搬送ベルト83の内周面が摺動する僅かに膨出した扁平円弧面状の上部吸熱面78aが、下部冷却部材77b上面には下部搬送ベルト86の内周面が摺動する僅かに膨出した扁平円弧面状の下部吸熱面78bが形成されている。吸熱面は扁平円弧面状に限らず平面であってもよい。そして、上部冷却部材77aと下部冷却部材77bの内部には、冷却液が流れる冷却液流路が形成されている。
また、上部ベルト機構82には、4つのベルト架張ローラ84a、84b、84c、84dを有し、上部搬送ベルト83が架け渡されて、図中、Bの矢印方向(時計周り方向)に無端移動(走行)する。一方、下部ベルト機構85には、4つのベルト架張ローラ87a、87b、87c、87dを有し、下部搬送ベルト86が架け渡されて、図中、Cの矢印方向(反時計周り方向)に無端移動(走行)する。そして、用紙Pは、上部搬送ベルト83及び下部搬送ベルト86の無端移動により、図中、Aの矢印方向に、上部搬送ベルト83及び下部搬送ベルト86に挟持搬送されることとなる。
なお、各搬送ベルトの駆動は、下部ベルト機構85のベルト架張ローラ87aを駆動ローラとし、他のベルト架張ローラ87b,c,dを従動ローラとして駆動モータ(不図示)でベルト架張ローラ87aを回転させて下部搬送ベルト86を無端移動させる。そして、上部搬送ベルト83を架張するベルト架張ローラ84a,b,c,dを従動ローラとし、下部搬送ベルト86に直接又は用紙Pを介して接触する上部搬送ベルト83を無端移動させている。
次に、本実施例の用紙冷却装置70について、図11を用いてより詳細に説明する。
用紙冷却装置70は、図10に示すように、次のような冷却構成部材を有している。冷却対象である定着後の高温となった用紙Pからの熱を吸熱する(受ける)用紙冷却部71を構成する受熱部材である上部冷却部材77a及び下部冷却部材77bを有している。また、用紙冷却部71で吸熱した熱を放熱する放熱部を構成する放熱部材であるラジエータ52と、ラジエータ52に強制的に外気を当てて、用紙冷却装置70の冷却能力を高める冷却ファン56も有している。また、用紙冷却部71に有した上部冷却部材77a及び下部冷却部材77bと、放熱部のラジエータ52との間で冷却液を循環させる冷却液の送液手段である液送ポンプ51と、冷却液を溜めたり、メインテナンス時に出し入れするリザーブタンク58も有している。
そして、この用紙冷却装置70は、図11に示すように、液送ポンプ51、ラジエータ52、上部冷却部材77a、下部冷却部材77b、及びリザーブタンク58を接続して冷却液を循環させる管路である複数のゴムチューブ59も有している。これら複数のゴムチューブ59により、液送ポンプ51、ラジエータ52、上部冷却部材77a、下部冷却部材77b、及びリザーブタンク58を直列に接続して冷却液の循環経路を構成している。そして、冷却液は、各ゴムチューブ59により接続された液送ポンプ51から、ラジエータ52、上部冷却部材77a、下部冷却部材77b、及びリザーブタンク58を通って、再び液送ポンプ51に戻る。
なお、各ゴムチューブ59は、次のように他の冷却構成部材を接続して冷却液の循環経路を構成している。液送ポンプ51の出水口とラジエータ52の冷却液入口53(図13参照)とを接続し、ラジエータ52の冷却液出口54(図13参照)と上部冷却部材77aの入水口とを接続し、上部冷却部材77aの出水口と下部冷却部材77bの入水口とを接続している。そして、下部冷却部材77bの出水口とリザーブタンク58の入水口とを接続し、リザーブタンク58の出水口と液送ポンプ51の入水口とを接続している。
次に、上記のように構成された用紙冷却装置70の動作について説明する。
用紙Pを冷却する場合、つまり用紙Pの挟持搬送する場合、図10等に示すように、上部ベルト機構82と下部ベルト機構85とを近接させた状態とする。これは、本実施例のプリンタ100に備えるベルト搬送手段81が、搬送不良(ジャム)等が生じた際に、上部ベルト機構82と下部ベルト機構85とを離間させて、搬送不良を起こした用紙Pを取り出せるように構成されているためである。そして、図10に示す状態では下部ベルト機構85の駆動ローラとして機能するベルト架張ローラ87aを回転駆動させれば、上記したように下部搬送ベルト86及び上部搬送ベルト83が、それぞれ図中、C(下部)及びB(上部)で示す矢印方向に無端移動する。その結果、上部搬送ベルト83及び下部搬送ベルト86で挟持される用紙Pは、図中Aで示す矢印方向に走行することとなる。
本実施例の用紙冷却装置70では、このように用紙冷却部71のベルト搬送手段81で用紙Pを挟持搬送する際に、用紙Pから熱を吸熱するので、液送ポンプ51を駆動して上部冷却部材77a及び下部冷却部材77bとラジエータ52との間で冷却液を循環させる。すなわち、液送ポンプ51を駆動することによって、上部冷却部材77a及び下部冷却部材77bの冷却液の流路内に冷却液を流す。
この時、上部ベルト機構82の上部搬送ベルト83の内周面が、上部冷却部材77aの上部吸熱面78aに摺動し、下部ベルト機構85の下部搬送ベルト86の内周面が、下部冷却部材77bの下部吸熱面78bを摺動する。
このため、用紙Pの下面側から、下部搬送ベルト86を介して下部冷却部材77bは用紙Pの熱を吸熱する。また、用紙Pの上面側から、上部搬送ベルト83を介して上部冷却部材77aは用紙Pの熱を吸熱する。そして、上部冷却部材77a及び下部冷却部材77bが吸熱した熱量を冷却液が外部に輸送することで上部冷却部材77a及び下部冷却部材77bは低温に保たれる。
具体的には、液送ポンプ51を駆動することによって、冷却液が用紙冷却部71の上部冷却部材77a及び下部冷却部材77bと、ラジエータ52との間を循環する。この循環により、上部冷却部材77a及び下部冷却部材77bの冷却液流路内を流れる冷却液は、上部冷却部材77a及び下部冷却部材77bから熱を吸熱して高温となり、その熱量がラジエータ52を通過する際に外気へ放熱されて、冷却液の温度が低下する。そして、低温となった冷却液が再度、上部冷却部材77a及び下部冷却部材77bの冷却液流路内を流れる際に、各搬送ベルトを介して用紙Pから上部冷却部材77a及び下部冷却部材77bが吸熱した熱を吸熱する。
このようなサイクルを繰り返すことにで、用紙Pは両面から冷却される。
本実施例の用紙冷却装置70では、上記のように用紙Pを冷却することで、用紙Pが熱を持ったまま排紙トレイ等にスタックされて行くことがなくなる。このため、ブロッキングを有効に防止でき、重なった用紙P同士がくっついてしまうことなく、排紙トレイ等に用紙Pをスタックしていくことができる。
そして、図12に示すように、本実施例のプリンタ100は冷却対象である定着後の高温となった用紙Pを冷却する用紙冷却装置70の他に、実施例1、2と同様な定着装置33周囲の空気を冷却する定着部冷却装置90も備えている。
用紙冷却装置70の冷却対象である定着後の高温となった用紙Pは、上記したように液冷方式により冷却されている。
一方、定着部冷却装置90の冷却対象である定着装置33周囲の空気は、従来から知られている空冷方式により冷却される。
なお、上記したように定着部冷却装置90の構成は、上記した実施例1、2の定着部冷却装置の構成と同様であるので、その構成や動作の説明は省略する。
そして、定着部冷却装置90の空冷排気ファン96の駆動により空冷排気口93から排気される温度が上昇した空気の一部が、近接して配置された用紙冷却装置70の液冷ダクト61の吸気口62から吸気されることとなる。その結果、用紙冷却装置70のラジエータ52の通風部を通過する冷却気流が、ラジエータ52の通風部の場所によって温度分布を持つことになる。
具体的には、液冷ダクト61は、ラジエータ52の通風部を通過する冷却気流が、図13に示す領域Aの温度が、領域Bの温度に比べて高くなるように構成されている。そして、ラジエータ52は、図13に示すように、上記領域Aに近い冷却液の入口である冷却液入口53から冷却液が流れ入り(供給され)、図中に示した矢印に沿ってラジエータ52の冷却液の冷却液流路である並行して設けられた複数の冷却管55内を流れる。そして、上記領域Bまで流れた冷却液は、冷却液の出口である冷却液出口54から流れ出る(排出される)こととなる。
すなわち、ラジエータ52は、冷却液入口53から流れ入り、冷却液出口54から流れ出る冷却液の冷却管55及び冷却フィンで構成される通風部を流れる気流の温度が高い領域Aから低い領域Bに冷却液が流れるように形成されている。
このようにラジエータ52を構成することで、ラジエータ52の通風部を流れる冷却気流の温度が高い領域Aから、低い領域Bに冷却液が流れるので、冷却液と熱交換を行う冷却気流との温度差を最も大きくすることができる。したがって、実施例1、2と同様に、ラジエータ52の通風部を通過する冷却気流に温度分布がある場合でも、最も効率よく冷却液の温度を低下させることができる。
(実施例4)
本実施形態のプリンタ100の実施例4について、図を用いて説明する。
図14は本実施例に係る画像形成装置であるプリンタ100の背面斜視図、図15は図14の画像形成装置を右側方から見た概略断面説明図、図16は図14の画像形成装置を上から見た概略上面図である。図17は本実施例の用紙冷却装置70に設けたラジエータ52の説明図である。
本実施例のプリンタ100は、実施例3のプリンタと基本的な構成は、同じである。したがって、上記した実施例3と同様な構成、及びその作用・効果については、適宜、省略して説明する。また、同一の構成部材、又は同様な機能を果す構成部材等については、特に区別する必要がない限り、同一の符号を付して説明する。
図14に示すように、本実施例のプリンタは、用紙冷却装置70は、一部がプリンタ100の後面100bから突出するように配置されている。また、用紙冷却装置70には、2つの吸気口が設けられており、第1吸気口62aは、用紙冷却装置70の後面100bから突出する突出部165の後面に設けられており、第2吸気口62bは、プリンタ100の排紙側側面100cに設けられている。また、用紙冷却装置70の排気口63は、上記突出部165の下面に設けられている。
図14、図16に示すように、定着部冷却装置90の空冷排気口93が、用紙冷却装置70の突出部165に隣接するように、プリンタ100の後面100bに設けられている。本実施例においても、空冷排気ファン96の駆動により定着装置33空冷後の温度が上昇した空気が、空冷排気口93から排気される。
図15に示すように、用紙冷却装置70の突出部165内は、仕切り部材195により上下を仕切られており、液冷ダクト61は、第1室61aと第2室61bと第3室61cとを有している。上記第1室61aは、仕切り部材195により上下に仕切られた突出部165内の空間のうちの上部側の空間であり、上記第3室61bは、下部側の空間である。液冷ダクト61の第2室61bは、プリンタ本体に設けられた空間である。
冷却ファン56が駆動することで第1吸気口62aからプリンタ100の外の空気が第1室61aに吸い込まれる。第1室61aに吸い込まれた空気は、図中矢印X1に示すように、プリンタ100の後面100bに設けられた開口部198を通って第2室61bへ流れ、第2室61bで向きが反転し、ラジエータ52に導かれる。
また、冷却ファン56が駆動することで第2吸気口62bからもプリンタ100の外の空気が吸い込まれる。第2吸気口62bから吸い込まれた空気は、第2室61bへと導かれる(図16参照)。第1吸気口62aから導入された冷却気流と、第2吸気口62bから導入された冷却気流とが第2室61bで混ざり合った後、ラジエータ52の通風部500(図17参照)を通って、第3室61cへ移動し、排気口63からプリンタ100外へ排気される。
本実施例においても、図16に示すように、用紙冷却装置70の突出部165に隣接配置された空冷排気口93から排気される定着装置33空冷後の温度が上昇した空気の一部が、第1吸気口62aから吸気されることとなる。その結果、本実施例においても、用紙冷却装置70のラジエータ52の通風部500を通過する冷却気流が、ラジエータ52の通風部500の場所によって温度分布を持つことになる。具体的には、ラジエータ52の通風部500において、図17に示す領域Aを通過する冷却気流の温度が、領域Bを通過する冷却気流の温度に比べて高くなる。
領域Aを通過する冷却気流の温度がそれ以外に比べて高くなる理由は、次のとおりである。図17に示すラジエータ52の説明図は、ラジエータ52を、冷却気流流出側(図15の矢印S方向)から見た図であり、図中右側が、排紙側であり、図中左側が、空冷排気口側である。定着装置33空冷後の温度が上昇した空気の一部は、第1吸気口62aの空冷排気口93側から液冷ダクト61へ吸い込まれる。よって、液冷ダクト61の第2室61bへ開口部198を通って導入された第1吸気口62aの冷却気流は、空冷排気口93側が高いような温度分布となる。上述したように、第2吸気口62bから導入された外気が、排紙側から第2室61bへ導入され、第1吸気口62aからの冷却気流と混ざることになる。このとき、図17に示すラジエータ52の上部に流れる第1吸気口62aからの冷却気流は、第2室61b内をあまり移動せずに流れ込むこととなる。従って、ラジエータ52の上部に流れる第1吸気口62aからの冷却気流は、第2室61bで第2吸気口62bからの冷却気流とあまり混ざりあうことがない。従って、ラジエータ52の上部に流れる冷却気流は、空冷排気口93側が高いような温度分布をもつ。従って、ラジエータ52の上部、かつ、空冷排気口側の領域Aに流れる冷却気流の温度が高くなる。
一方、ラジエータ52の下部に流れる第1吸気口62aからの冷却気流は、第2室61b内を上から下へ移動した後、ラジエータ52へ流れ込む。この第2室61b内を移動する間に、第2吸気口62bからの冷却気流と十分混ざり合い、温度分布が均一化される。その結果、ラジエータ52の下部に流れる冷却気流は、温度が高い箇所が存在しない。
このような理由から、ラジエータ52の上部、かつ、空冷排気口側の領域Aに流れる冷却気流の温度がそれ以外に比べて高くなるのである。
従って、本実施例では、上記領域Aに近い箇所に冷却液の入口である冷却液入口53を設けた。上記領域Aに近い冷却液入口53から用紙冷却後の温度上昇した冷却液が流れ入る。冷却液入口53から流入した冷却液は、図中に示した矢印に沿ってラジエータ52の冷却液の冷却液流路である並行して設けられた複数の冷却管55内を流れる。そして、上記領域Bまで流れた冷却液は、冷却液の出口である冷却液出口54から流れ出る(排出される)こととなる。これにより、本実施例でも、ラジエータ52の冷却管55内の冷却液を、通風部500を流れる気流の温度が高い領域Aから低い領域Bへ流すことができる。これにより、冷却液と熱交換を行う冷却気流との温度差を最も大きくすることができる。したがって、実施例1乃至3と同様に、ラジエータ52の通風部500を通過する冷却気流に温度分布がある場合でも、最も効率よく冷却液の温度を低下させることができる。
(実施例5)
本実施形態のプリンタ100の実施例5について、図18を用いて説明する。
図18は、本実施例に係る画像形成装置であるプリンタ100の排紙側周辺を上から見た概略上面図である。
本実施例のプリンタ100は、上記した実施例4のプリンタに対して、空冷排気口93の排気方向のみが異なる。したがって、上記した実施例3,4と同様な構成、及びその作用・効果については、適宜、省略して説明する。また、同一の構成部材、又は同様な機能を果す構成部材等については、特に区別する必要がない限り、同一の符号を付して説明する。
本実施例では、定着部冷却装置90の空冷ダクト91が、用紙冷却装置70の突出部165と同じ位置までプリンタの後面100bから突出している。また、空冷ダクト91は、プリンタの後面100bから突出している箇所が排紙側と反対側に直角に折れ曲がった形状となっており、空冷排気口93が、プリンタの後面100bに対して直交している。
この構成により、空冷排気口93から排気された定着装置冷却後の暖かい空気が第1吸気口62aに引き込まれる量を実施例4に比べて軽減できる。したがって、図17に示した領域Aをより小さくすることができる。
(実施例6)
本実施形態のプリンタ100の実施例6について、図19を用いて説明する。
図19は、本実施例に係る画像形成装置であるプリンタ100の用紙冷却装置70に設けたラジエータ52の説明図である。
本実施例のプリンタ100は、ラジエータ52付近の構成以外は、実施例4のプリンタと同じである。しかし、本実施例のラジエータの構成は、実施例1〜3にも適用可能である。
図19に示すように、本実施例のラジエータ52には複数の冷却ファン56が設けられている。より具体的には、冷却ファン56は冷却液の流れる方向に4つ、冷却液入口における冷却液の流れる方向(上下)に2列の計8つ冷却ファン56−1〜56−8が設けられている。
図20は、実施例6のプリンタ100の制御ブロック図である。
図20に示すように、8つの冷却ファン56−1〜56−8は、ファンコントローラ112によって駆動制御される。ここで、図20に示すように、本実施例のプリンタ100に設けた冷却制御部120は、本体制御部210と相互に通信を行うように構成されており、操作パネル220から入力された用紙Pの種類に関する情報等も相互に通信する。
また、冷却制御部120には、ベルト搬送手段81の上部ベルト機構82の上部搬送ベルト83や下部ベルト機構85の下部搬送ベルト86を回転駆動させる駆動モータ174を駆動制御するためのベルトコントローラ113が接続されている。また、冷却制御部120には、用紙冷却装置70の液送ポンプ51を駆動制御するためのポンプコントローラ111も接続されている。さらに、ファンコントローラ112も冷却制御部120に接続されている。
冷却制御部120には不図示のCPU、RAM、ROM等を備えており、実験等により求めた各条件に基づく各駆動部材の駆動情報をRAMに格納し、ROM内に格納したプログラムに基づいて演算し、各駆動部材の駆動を各コントローラを介して制御する。
ここで、本実施例では、用紙Pの種類に応じて、オペレータであるユーザーが操作部のオペレータパネルである操作パネル220から入力した情報に基づいて、用紙冷却装置70の冷却能力を変化させる。例えば、プリンタ100に有した2つの給紙カセット30に、それぞれ用紙Pをセットする時に、ユーザーが操作パネル220を操作して、給紙カセット30にセットした用紙Pの種類に関する情報を入力する。操作パネル220で入力した用紙Pの種類に関する情報は、給紙カセットに関連づけて、不揮発性のメモリに記憶する。画像形成時においては、本体制御部210は、指定された給紙カセット情報に基づいて、その給紙カセットにセットされた用紙Pの種類に関する情報を不揮発性のメモリから読み出し、冷却制御部120に送信する。冷却制御部120は、本体制御部210からの用紙Pの種類に関する情報に基づいて、ファンコントローラ112を介して各冷却ファン56−1〜56−8を制御する。これにより、画像形成を行う用紙Pの種類に応じた冷却能力で、用紙Pを冷却することができる。よって、画像形成を行う用紙Pを、効率良く冷却することができる。
具体的には、全ての冷却ファン56−1〜56−8の回転数を変更したり、一部の冷却ファン56の回転のON/OFFを制御したりすることで冷却能力を変更することができる。例えば、冷えにくい用紙の場合は、全ての冷却ファン56−1〜56−8の回転数を最大にするか、全ての冷却ファン56−1〜56−8をONにする。そして冷えやすい用紙の場合は、冷却ファン56−1〜56−8の回転数を少なくするか、一部の冷却ファン56をOFFにする。
ここで、回転数を少なくするまたはOFFする冷却ファンは、冷却気流のうち温度の高い部分が通過するラジエータ52の領域と対向する冷却ファンにすることが好ましい。具体的には、冷却液入口53に近い冷却ファン56−1や56−5である。冷却ファン56−1や56−5の回転数を少なくするまたはOFFすることにより、第1吸気口62aの空冷排気口側の外気吸い込み量が低減される。その結果、第1吸気口62aから定着装置33空冷後の温度が上昇した空気の一部が取り込まれるのを抑制することができる。
上記本実施形態では、本発明をオプションのスキャナー装置やファックス基板を装置本体内部に増設することで複写機機能やファックス機能を備えた複合機としても機能させることができるプリンタ100に適用した例について説明した。しかし、本発明は、このような構成に限定されるものではない。例えば、図21に示すように、初めからスキャナー部200を備え、給紙カセット30を2つ有した分離可能な給紙部300も備える複写機110にも適用可能である。
また、本発明を現像剤冷却装置50や、用紙冷却装置70に適用した例について説明したが、本発明は、このような構成に限定されるものではない。例えば、図1や図9に示した、光書き込み装置11に有したレーザー光源や高速回転するポリゴンミラーを駆動するモータ等を冷却する液冷方式の冷却装置にも適用可能である。すなわち、画像形成装置の温度上昇が問題となる全ての装置や構成部材(箇所)に適用可能である。
また、液冷方式の冷却装置である現像剤冷却装置50や、用紙冷却装置70の他の冷却装置として、冷却対象を定着装置33周囲の空気とする定着部冷却装置90を1つ有したプリンタ100について説明した。しかし、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、他の冷却装置として、複数の冷却対象を冷却する複数の冷却装置を備えた画像形成装置にも適用可能である。
また、液冷方式の冷却装置である現像剤冷却装置50や、用紙冷却装置70の放熱部に設けた液冷ダクト61に、吸気口62、及び排気口63をそれぞれ1つ設けた構成について説明したが、本発明はこのような構成に限定されるものではない。例えば、液冷方式の冷却装置による冷却熱量が大きい場合等、吸気口及び排気口の少なくとも片方を複数設けた構成にも適用可能である。これらの場合においても、放熱部材であるラジエータ等の通風部を通過する冷却気流の温度に応じて、ラジエータ等の冷却液入口近傍、又は冷却液流路内を流れる冷却液の流れ方向上流側に高温側の冷却気流が流れるように構成することができる。
また、液冷方式の冷却装置である現像剤冷却装置50や、用紙冷却装置70の放熱部に設ける、吸気口62と排気口63とが設けられた冷却風流路部として液冷ダクト61を用いた構成について説明したが、本発明はこのような構成に限定されるものではない。例えば、外装に設けられる点検用パネル等の他の画像形成装置の構成部材で、冷却風流路部の一部、又は全部を構成して、吸気口と排気口とを形成し、放熱部材及び冷却ファンを配置する構成にも適用可能である。
また、液冷方式の冷却装置である現像剤冷却装置50や、用紙冷却装置70のように冷却対象を1種類のものとした例について説明したが、本発明はこのような構成に限定されるものではない。例えば、近接する冷却が必要な複数種類の装置や構成部材を冷却対象とする液冷方式の冷却装置にも適用可能である。
また、本発明を、空冷排気口93から排気した温度が上昇した空気が、液冷方式の吸気口62から吸気される他の冷却装置として、空冷方式の定着部冷却装置90を備えたプリンタ100について説明したが、本発明はこのような構成に限定されるものではない。例えば、その排気口から排気した温度が上昇した空気が、液冷方式の現像剤冷却装置の吸気口から吸気される他の冷却装置として、液冷方式の用紙冷却装置を備えた画像形成装置にも適用可能である。
また、本発明をタンデム型中間転写方式のプリンタ100に適用した例について説明したが、本発明はこのような構成に限定されるものではない。例えば、タンデム型直接転写方式の画像形成装置や、作像部を1つしか用いないモノクロの画像形成装置や、リボルバー型中間転写方式の画像形成装置にも適用可能である。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
現像装置3の現像剤収容部に収容された現像剤に含まれるトナーなどの冷却対象から熱を吸熱して冷却液に伝達する冷却ジャケット57(Y,C,M,K)などの受熱部材を有した受熱部と、該受熱部で熱が伝達された冷却液が流れ込む冷却液入口53などの冷却液入口と流れ出る冷却液出口54などの冷却液出口と通過する空気との熱交換が行なわれる冷却管55及び冷却フィンで構成される通風部などの通風部とが設けられたラジエータ52などの放熱部材と、前記通風部を通過する空気の気流を生じさせる冷却ファン56などの冷却ファンと、前記通風部を通過させる空気が吸気される吸気口62などの吸気口と前記通風部を通過した空気が排気される排気口63などの排気口とが設けられた液冷ダクト61などの冷却風流路部とを有した放熱部と、を備えた現像剤冷却装置50などの液冷方式の冷却装置において、前記通風部を通過する空気の気流の、空気が流れる方向に垂直な方向の温度分布に応じて、前記通風部の前記冷却液入口近傍を高温側の気流が流れるように前記放熱部を構成していることを特徴とするものである。
これによれば、上記した実施例1(乃至3)で説明したように、次のような効果を奏することができる。
放熱部が、放熱部材に有した通風部の冷却液入口近傍を温度分布を持った高温側の冷却気流が流れるように構成されており、放熱部材における冷却液の流れ方向上流側を高温側の冷却気流が流れ、下流側を低温側の冷却気流が流れる。このため、温度分布が無い構成や、冷却液入口近傍を温度分布を持った低温側の冷却気流が流れる構成に比べて、冷却液の流れ方向上流側での冷却気流と冷却液との温度差は小さくなるものの、上流側での冷却液の温度低下率を良好な範囲に維持できる。
そして、冷却気流の温度が切り替わる際、及び切り替わった後の冷却気流と冷却液との温度差を、冷却気流の温度分布がない構成や、下流側を高温側の冷却気流が流れる構成よりも大きくできる。このように冷却気流と冷却液との温度差を大きくできるので、下流側を高温側の冷却気流が流れる構成よりも冷却液の温度を低下させることが可能となる。
これらのため、通風部の冷却液入口近傍を温度分布を持った高温側の冷却気流が流れる構成の方が、通風部の冷却液入口近傍を温度分布を持った低温側の冷却気流が流れる構成よりも、冷却液出口から流れ出る冷却液の温度を低くできる。
そして、通風部の冷却液入口近傍を温度分布を持った低温側の冷却気流が流れる構成よりも、冷却液を液送する液送ポンプや冷却ファンの回転数を上げたり、設計時からラジエータを大きくしたりすることを抑制できる。
したがって、放熱部を通過させる空気を吸気する吸気口に近接して、定着部冷却装置90などの他の冷却装置の排気口が配置されている場合であっても、通風部の冷却液入口近傍を低温側の冷却気流が流れる構成よりも、冷却装置の冷却効率の低下を抑制できる。
よって、複数の冷却装置を備えた画像形成装置に用いられる液冷方式の冷却装置であって、放熱部を通過させる空気を吸気する吸気口に近接して、他の冷却装置の排気口が配置されている場合であっても、冷却効率の低下を抑制できる冷却装置を提供できる。
(態様B)
(態様A)において、前記放熱部は、第1ラジエータ52aや第2ラジエータ52bなどの複数の放熱部材を有し、各放熱部材は、冷却管55a,bなどの冷却液の流路が直列になるように連結され、高温側の気流が、前記放熱部内の冷却液流路の上流側の第1ラジエータ52aなどの放熱部材の冷却管55a,b及び冷却フィンで構成される通風部などの前記通風部を流れることを特徴とするものである。
これによれば、上記した実施例2(又は3)で説明したように、次のような効果を奏することができる。
直列に連結される複数の放熱部材の通風部を流れる気流に関し、高温側の気流が冷却液流路上流側の放熱部材の通風部を流れる。このように冷却液が流れることで、確実に高温側の冷却気流を放熱部内の冷却液流路上流側の放熱部材に作用させることができる。
したがって、温度分布が無い構成や、冷却液流路上流側の放熱部材に低温側の冷却気流が流れる構成に比べて、上流側の放熱部材での冷却気流と冷却液との温度差は小さくなるものの、上流側の放熱部材での冷却液の温度低下率を良好な範囲に維持できる。
そして、冷却液流路下流側の放熱部材での冷却気流と冷却液との温度差を、冷却気流の温度分布がない構成や、下流側の放熱部材を高温側の冷却気流が流れる構成よりも大きくできる。このように冷却気流と冷却液との温度差を大きくできるので、下流側の放熱部材を高温側の冷却気流が流れる構成よりも冷却液の温度を低下させることが可能となる。
これらのため、上流側の放熱部材の通風部を高温側の冷却気流が流れる構成の方が、上流側の放熱部材の通風部を低温側の冷却気流が流れる構成よりも、下流側の放熱部材の冷却液出口から流れ出る冷却液の温度を低くできる。すなわち、上流側の放熱部材の通風部を温度分布を持った高温側の冷却気流が流れる構成の方が、上流側の放熱部材の通風部を温度分布を持った低温側の冷却気流が流れる構成よりも、冷却装置の冷却効率の低下を抑制できる。
よって、放熱部に複数の放熱部材を有し、放熱部を通過させる空気を吸気する吸気口62などの吸気口に近接して、定着部冷却装置90などの他の冷却装置の空冷排気口93などの排気口が配置されている場合であっても、冷却効率の低下を抑制できる。
(態様C)
(態様A)又は(態様B)において、ラジエータ52などの前記放熱部材は、冷却液入口53などの前記冷却液入口から流れ入り、冷却液出口54などの前記冷却液出口から流れ出る冷却液の冷却管55などの冷却液流路が、冷却管55及び冷却フィンで構成される通風部などの前記通風部を流れる冷却気流などの気流の温度が高い領域Aなどの領域から低い領域Bなどの領域に冷却液が流れるように形成されていることを特徴とするものである。
これによれば、上記した実施例1(乃至3)で説明したように、次のような効果を奏することができる。
液冷ダクト61などの冷却風流路部の吸気口62などの吸気口から吸気されて放熱部材の通風部を流れる気流の温度が高い領域から、低い領域に冷却液が流れるので、冷却液と熱交換を行う気流との温度差を最も大きくすることができる。したがって、放熱部材の通風部を通過する気流に温度分布がある場合でも、最も効率よく冷却液の温度を低下させることができる。
(態様D)
装置内の現像装置3の現像剤収容部に収容されたトナーや定着装置33などの冷却対象を冷却する現像剤冷却装置50や定着部冷却装置90などの複数の冷却装置を備えた画像形成装置において、前記複数の冷却装置の内のいずれかとして、(態様A)乃至(態様C)のいずれかの現像剤冷却装置50などの冷却装置を備えたことを特徴とするものである。
これによれば、上記した実施例1(乃至3)で説明したように、(態様A)乃至(態様C)のいずれかの冷却装置と同様な効果を奏することができるプリンタ100などの画像形成装置を提供できる。
(態様E)
(態様D)において、装置内に設けられる定着装置33などの発熱部の熱を装置外に排出する空冷排気口93などの発熱部排気口を有し、発熱部排気口は吸気口62などの吸気口に近接して配置している。
これによれば、上記した実施例3、4で説明したように、空冷排気口93などの発熱部排気口から排気された暖かい空気が吸気口62aに引き込まれ、通風部500などの通風部を通過する空気の気流の空気が流れる方向に垂直な方向に温度分布が生じる。従って、かかる構成において、(態様A)乃至(態様C)のいずれかの冷却装置を用いることで、効率よく冷却対象を冷却することができる。
(態様F)
(態様E)において、吸気口62などの吸気口の空冷排気口93などの発熱部排気口に近い側から吸気された空気は、通風部500などの通風部の冷却液入口側に流れる。
これによれば、上記した実施例3、4で説明したように、通風部の冷却液入口近傍に高温側の気流が流れる。これにより、効率よく冷却対象を冷却することができる。
(態様G)
(態様E)または(態様F)において、空冷排気口93などの発熱部排気口との距離が第1吸気口62aなどの吸気口よりも離れた箇所に配置される第2吸気口62bなどの第二の吸気口を備え、第二の吸気口により吸気された空気は、少なくとも通風部500などの通風部の冷却液出口54など冷却液出口側付近に流す。
これによれば、上記した実施例4で説明したように、冷却管55内の冷却液移動方向下流側の冷却気流の温度が高温となるのを抑制でき、冷却液の温度を効率よく低下させることが可能となる。
(態様H)
(態様E)乃至(態様G)いずれかにおいて、冷却ファン56などの冷却ファンはラジエータ52などの放熱部材の冷却液が流れる方向に複数設けられ、複数の冷却ファンの出力を制御して、冷却能力を調整する冷却制御部120などの制御部を有し、前記制御部は、冷却能力を下げるとき、複数の冷却ファンのうち、少なくとも前記冷却液入口側に設けられた冷却ファンの出力を低下またはOFFする制御を実行する。
これによれば、上記した実施例6で説明したように、吸気口62などの吸気口の空冷排気口93などの発熱部排気口に近い側の吸気量を減らすことができ、空冷排気口93などの発熱部排気口から排気された暖かい空気が吸気口62aに引き込まれるのを抑制することができる。これにより、吸気口から吸気された冷却気流に温度が高い部分が生じるのを抑制することができ、効率的に冷却液を冷却することができる。
1 感光体
2 帯電装置
3 現像装置
9 作像部
10 画像形成部
11 光書き込み装置
20 中間転写部
21 中間転写ベルト
22 二次転写バックアップローラ
23 架張ローラ
24 駆動ローラ
25 テンションローラ
30 給紙カセット
31 用紙搬送路
32 二次転写ローラ
33 定着装置
34 反転装置
35 排紙口
50 現像剤冷却装置
51 液送ポンプ
52 ラジエータ
52a 第1ラジエータ
52b 第2ラジエータ
53(a,b) 冷却液入口
54(a,b) 冷却液出口
55(a,b) 冷却管
56 冷却ファン
57 冷却ジャケット
58 リザーブタンク
59 ゴムチューブ
61 液冷ダクト
62 吸気口
62a 第1吸気口
62b 第2吸気口
63 排気口
70 用紙冷却装置
71 用紙冷却部
77a 上部冷却部材
77b 下部冷却部材
78a 上部吸熱面
78b 下部吸熱面
81 ベルト搬送手段
82 上部ベルト機構
83 上部搬送ベルト
84a,b,c,d ベルト架張ローラ(従動ローラ)
85 下部ベルト機構
86 下部搬送ベルト
87a ベルト架張ローラ(駆動ローラ)
87b,c,d ベルト架張ローラ(従動ローラ)
90 定着部冷却装置
91 空冷ダクト
92 空冷吸気口
93 空冷排気口
94 装置空冷吸気口
96 空冷排気ファン
100 プリンタ
110 複写機
120 冷却制御部
200 スキャナー部
300 給紙部
500 通風部
P 用紙
特許第5234417号公報

Claims (8)

  1. 冷却対象から熱を吸熱して冷却液に伝達する受熱部材を有した受熱部と、
    該受熱部で熱が伝達された冷却液が流れ込む冷却液入口と流れ出る冷却液出口と通過する空気との熱交換が行なわれる通風部とが設けられた放熱部材と、前記通風部を通過する空気の気流を生じさせる冷却ファンと、前記通風部を通過させる空気が吸気される吸気口と前記通風部を通過した空気が排気される排気口とが設けられた冷却風流路部とを有した放熱部と、を備えた液冷方式の冷却装置において、
    前記通風部を通過する空気の気流の、空気が流れる方向に垂直な方向の温度分布に応じて、前記通風部の前記冷却液入口近傍を高温側の気流が流れるように前記放熱部を構成していることを特徴とする冷却装置。
  2. 請求項1に記載の冷却装置において、
    前記放熱部は、複数の放熱部材を有し、各放熱部材は、冷却液の流路が直列になるように連結され、高温側の気流が、前記放熱部内の冷却液流路の上流側の放熱部材の前記通風部を流れることを特徴とする冷却装置。
  3. 請求項1又は2に記載の冷却装置において、
    前記放熱部材は、前記冷却液入口から流れ入り、前記冷却液出口から流れ出る冷却液の冷却液流路が、前記通風部を流れる気流の温度が高い領域から低い領域に冷却液が流れるように形成されていることを特徴とする冷却装置。
  4. 装置内の冷却対象を冷却する複数の冷却装置を備えた画像形成装置において、
    前記複数の冷却装置の内のいずれかとして、請求項1乃至3のいずれか一に記載の冷却装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項4に記載の画像形成装置において、
    装置内に設けられる発熱部の熱を装置外に排出する発熱部排気口を有し、
    前記発熱部排気口は前記吸気口に近接して配置していることを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項5に記載の画像形成装置において、
    前記吸気口の前記発熱部排気口に近い側から吸気された空気は、前記通風部の前記冷却液入口側に流れることを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項5または6に記載の画像形成装置において、
    前記発熱部排気口との距離が前記吸気口よりも離れた箇所に配置される第二の吸気口を備え、
    第二の吸気口により吸気された空気は、少なくとも前記通風部の冷却液出口側付近に流すことを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項5乃至7いずれかに記載の画像形成装置において、
    前記冷却ファンは前記放熱部材の冷却液が流れる方向に複数設けられ、
    複数の冷却ファンの出力を制御して、冷却能力を調整する制御部を有し、
    前記制御部は、冷却能力を下げるとき、複数の冷却ファンのうち、少なくとも前記冷却液入口側に設けられた冷却ファンの出力を低下またはOFFする制御を実行することを特徴とする画像形成装置。
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