JP2018171626A - ダイカストマシン - Google Patents

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Shingo Ikeda
伸吾 池田
崇 井尻
Takashi Ijiri
崇 井尻
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Abstract

【課題】金型のキャビティに溶湯を射出充填するために、射出スリーブ内に注ぎ入れられた溶湯の量を高精度で計測する。
【解決手段】溶解炉から金属溶湯を汲み上げるラドル4と、ラドル4により汲み上げられた金属溶湯が注ぎ入れられる射出スリーブ7と、射出スリーブ内で進退される射出プランジャ8と、射出プランジャ8を進退させる射出シリンダー9とを備え、射出シリンダー9により射出プランジャ8を前進させることにより、射出スリーブ内に有する金属溶湯を型閉された金型のキャビティに射出充填するダイカストマシンであって、ラドル4から射出スリーブ内に注ぎ入れられた金属溶湯の湯面高さhを測定する磁歪式湯面センサー10を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、射出スリーブに供給された溶湯を射出プランジャの前進により金型のキャビティ内へ射出充填するダイカストマシンに関する。特に、金型のキャビティ内に溶湯を高速で射出充填するために、射出スリーブ内に実際に注ぎ入れられた溶湯の量を計測することが可能なダイカストマシンに関する。
従来から用いられている一般的なダイカストマシンにおいては、溶解炉で溶融された金属材料を1ショット毎にラドルで汲み上げ、汲み上げられた溶湯を射出スリーブの給湯口に給湯する。そして、射出スリーブ内に進退可能に設けた射出プランジャの前進動作により金型のキャビティ内へ金属溶湯を射出充填して、鋳造成形品の成形が行われている。
こうしたダイカストマシンにおいては、ラドルにおける給湯量のバラツキは、金型のキャビティ内へ射出充填される溶湯の充填量が変動することにより、成形品の巣、湯廻り不足、強度不足等の要因となることから、射出スリーブ内の正確な溶湯充填量を知ることが望ましい。それに関連して、例えば、特許文献1及び特許文献2には、溶解炉から汲み上げられたラドルにおける溶湯量を計測するダイカストマシンが開示されている。
特開2011−143425号公報 特開2000−190060号公報
本発明が解決しようとする課題は、ダイカストマシンにおいて、給湯後・射出前の射出スリーブ内の給湯量をレベルセンサーで正確に検知することであり、実際の給油量に応じて射出条件を補正することである。
つまり、ダイカストマシンの射出条件で、特に、高速ストロークを的確に達成するためには、理論的には、製品の体積(つまり、金型のキャビティ容積)に対して鋳込湯量を正確に制御することが大事であり、製品の体積や金型容積により設計上の高速射出切替位置を基準に、各ショットで最適な高速射出切替位置を導き出し、射出条件を設定する。つまり、給湯量が変化した場合には、高速射出切替位置は必ずしも一定位置ではなくなるからである。
特に、ラドルでの給湯の場合、給湯量のバラツキは、ラドルへの湯の付着(薄皮等)や、湯こぼれや、給湯装置の油面検知手段への付着等、様々な要因がある。また、ポンプ等を利用した給湯法でも、炉の湯面変化や湯道管への付着や炉の湯面変化などが影響するものである。
このような給湯量のバラツキは、充填完了直前の増圧切替位置にも影響する。よって、給湯量のバラツキは、成形品の製品品質、つまり巣、湯廻り不足、強度不足等、多大な影響を及ぼすものである。
特許文献1及び特許文献2に開示されているダイカストマシンにおいては、ラドルにより汲み上げられた溶湯の溶湯量を把握することができる。しかし、ラドルにより汲み上げられた溶湯は、金型のキャビティに射出充填される前に、ラドルを傾けて射出スリーブ内に注ぎ入れられるものである。その際、ラドルにおける溶湯の全てを射出スリーブ内に注ぎ入れようとしたとしても、ラドル内には溶湯の一部が固着して残存してしまっていたり、湯こぼれを起こしたりしてしまうという実情があることから、ラドルで計測された溶湯量と、射出スリーブ内に注ぎ入れられた溶湯量とでは差が生じることがあった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、金型のキャビティ内に溶湯を射出充填するために、射出スリーブ内に注ぎ入れられた溶湯の量を高精度で計測することが可能なダイカストマシンを提供することを目的とする。
本発明のダイカストマシンにおいては、実際に射出スリーブに給湯された給湯量を、給湯の湯面高さから判断(計算)して取り込み、各ショット毎に高速射出切替位置(B)及び、充填完了位置である増圧切替位置(C)を実際の給湯量から判断し、ダイカストマシンの動作を切り替える位置を常に的確な位置に補正する事で、安定した高速でのダイカスト生産と製品品質を維持するものである。ここで、湯面センサーは、昇降式またはスライド式等の移動手段を持ち給湯装置との干渉を避ける構造とする。
本発明に係るダイカストマシンは、
溶解炉から金属溶湯を汲み上げるラドルと、該ラドルにより汲み上げられた前記金属溶湯が注ぎ入れられる筒状の射出スリーブと、射出スリーブ内で進退される射出プランジャと、該射出プランジャを進退させる進退駆動手段とを備え、該進退駆動手段により前記射出プランジャを前進させることにより、前記射出スリーブ内に有する前記金属溶湯を型閉された金型のキャビティ内に射出充填するダイカストマシンであって、
前記ラドルから前記射出スリーブ内に注ぎ入れられた前記金属溶湯の湯面高さを測定する湯面検出センサーを備えたことを特徴とする。
さらに、本発明に係るダイカストマシンは、
前記ラドルにより汲み上げられた前記金属溶湯が注がれる給湯口を前記射出スリーブの上部に設け、前記給湯口に臨んだ該給湯口の開放部に前記湯面検出センサーを設けたことを特徴とする。
さらに、本発明に係るダイカストマシンは、
前記射出スリーブ内に注ぎ入れられた前記金属溶湯の湯面高さを測定するときに、前記湯面検出センサーを給湯口付近まで移動させる移動装置を備えたことを特徴とする。
さらに、本発明に係るダイカストマシンは、
前記射出スリーブ内に注ぎ入れられた前記金属溶湯の湯面高さを測定する前記湯面検出センサーは、非接触式の磁歪式湯面センサーであることを特徴とする。
さらに、本発明に係るダイカストマシンは、
前記ラドルから前記金属溶湯が注ぎ入れられる射出スリーブ内は円筒状に形成されており、
前記湯面検出センサーにより測定された前記射出スリーブ内に注ぎ入れられた前記金属溶湯の湯面高さ、前記射出スリーブ内の内径、前記射出スリーブ内の長さ寸法を用いて、前記射出スリーブに注ぎ入れられた前記金属溶湯の総溶湯量を演算する演算手段を備えたことを特徴とする。
さらに、本発明に係るダイカストマシンは、
前記湯面検出センサーは、前記金属溶湯が前記ラドルから前記射出スリーブ内に注ぎ入れられるのが完了してから0.1秒以上1.0秒以内に、前記金属溶湯の湯面高さを測定する計測時間設定手段を備えたものであることを特徴とする。
本発明によれば、金型のキャビティに射出充填するための溶湯量の計測が、従来技術のように、ラドル内における溶湯量(射出スリーブ内に注ぎ入れられる前の溶湯量)ではなく、ラドルから実際に注ぎ入れられた射出スリーブ内の溶湯の量を湯面高さに基づいて検知するものであることから、金型のキャビティ内に射出充填される実際の溶湯量の計測し、それにより、高速射出切替位置及び充填完了位置を高精度に制御することが可能となる。そして、このような射出スリーブ内の溶湯量の高精度な計測結果に基づき、各ショット毎の射出充填に係る動作制御を行うことが可能となり、ひいては製造される成形品の品質にバラツキが生じることを回避することが可能となる。
本発明の一実施例としてのダイカストマシン全体を示す概略構成図である。 本発明の一実施例としてのダイカストマシンの動作を示す説明図であり、(a)〜(d)の順に動作過程を示している。 本発明の一実施例としてのダイカストマシンの変形例を示す説明図である。 本発明の一実施例としてのダイカストマシンの更なる変形例を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態としてのダイカストマシンの実施例を図1乃至図4に基づき説明する。もちろん、本発明は、その発明の趣旨に反しない範囲で、本実施例において説明した具体的な実施態様に限らず、それ以外の当業者であれば容易に変更可能な構成のものに対しても容易に適用可能なことは説明を要するまでもない。
図1に示す本実施例のダイカストマシン1は、固定金型2と移動金型3とからなる型閉された金型のキャビティ内へ金属溶湯を射出充填して成形品を製造するものである。
ダイカストマシン1には、図示しない溶解炉から金属溶湯を汲み上げるラドル4、ラドル4を回動・移動させるリンクアーム5、ラドル4により汲み上げられた金属溶湯が注ぎ入れられる給湯口6が開放部として上部に形成された円筒状の射出スリーブ7、射出スリーブ7内で進退可能に設けられた射出プランジャ8、射出プランジャ8を前進・後退駆動する進退駆動手段たる射出シリンダー9、ダイカストマシン1の各種制御を行う制御手段12を備えている。この制御手段12は、射出シリンダー9の駆動、リンクアーム5を介してのラドルの動作、後述する磁歪式湯面センサー10の装着された昇降又はスライド等をする移動装置11の動作制御等、ダイカストマシン1の各種制御を行う。
射出プランジャ8を前進・後退駆動するための射出シリンダー9と、当該射出シリンダー9に作動流体を供給する作動流体供給装置13との間には、射出プランジャ8の前進や後退、及び前進速度を低速や高速に切り替えることが可能な速度切替バルブ14が設けられている。また、射出シリンダー9には、当該射出シリンダー9のストロークから射出プランジャ8の位置を検出するための位置センサー15が設けられている。
ダイカストマシン1には、射出スリーブ7内に注ぎ入れられた金属溶湯の湯面高さhを測定する非接触式の磁歪式湯面センサー10を備えている。
磁歪式湯面センサー10は、昇降又はスライド等をする移動装置11に装着されていて、給湯口6に臨んだ該給湯口6の上方に配設され、金属溶湯がラドル4から射出スリーブ7内に注ぎ込まれるのが完了してから0.1秒以上1.0秒以内(特に好ましくは、0.5秒後)に、射出スリーブ7内の金属溶湯の湯面高さhを測定する。なお、本実施例の磁歪式湯面センサー10は測定を行うとき、昇降又はスライド等をする移動装置11により給湯口6付近まで下降される。
また、制御手段12には、軸線方向が水平に配置された円筒状の射出スリーブ7の内径d、及び射出スリーブ7内の長さL等の寸法のデータが格納された記憶手段16が接続されている。
制御手段12に備えた演算手段17は、射出スリーブ7内に注ぎ入れられた金属溶湯の湯面高さhと、射出スリーブ7内の内径dと、射出スリーブ7内の長さL等の寸法とを用いて、ラドル4から射出スリーブ7内に注ぎ入れられた実際の金属溶湯の総溶湯量を算出する。
次に、以上のように構成されたダイカストマシン1の動作について説明する。なお、図2において斜線で表したものは金属溶湯である。図2(a)に示すように、射出プランジャ8が後退限A、磁歪式湯面センサー10が上昇限に位置する状態において、溶解炉から汲み上げられた溶湯が、ラドル4が傾けられることにより上部開放部の給湯口6から射出スリーブ内に注ぎ入れられる。注ぎ入れられている最中と注ぎ入れ完了後の0.1秒未満においては、湯面が波立つことから、本実施例では、溶湯が射出スリーブ7内に注ぎ入れられるのが完了してから0.1秒以上1.0秒以下の間(特に好ましくは、0.5秒後)に、湯面の乱れが収まるのを待って、磁歪式湯面センサー10は射出スリーブ7内に注ぎ入れられた溶湯の湯面高さhを測定する。そのために、磁歪式湯面センサー10は、図示しない計測時間設定手段を備えている。
次に図2(b)に示すように、ラドル4が後退され、磁歪式湯面センサー10が昇降又はスライド等をする移動装置11により給湯口6近くまで移動される、この状態で磁歪式湯面センサー10により、射出スリーブ7内に注ぎ入れられた溶湯の湯面高さhが測定されると、制御手段12の演算手段17は、射出スリーブ7内に注ぎ入れられた金属溶湯の湯面高さhと、射出スリーブ7内の内径dと、射出スリーブ7内の長さL等の寸法とを用いて、ラドル4から射出スリーブ7内に注ぎ入れられた金属溶湯の総溶湯量を算出する。そして、こうした情報は、射出プランジャ8が後退限Aから高速射出切替位置Bまで前進される低速射出行程(図2(c))や、射出プランジャ8が高速射出切替位置Bから充填完了位置で増圧切替位置Cまで前進される高速射出行程(図2(c))における切替位置の設定に効果的に利用される。
以上のように本実施例のダイカストマシン1によれば、金型のキャビティ内に射出充填するための溶湯量の計測が、従来技術のように、ラドルにおける溶湯(射出スリーブ内に注ぎ入れられる前の溶湯)ではなく、ラドル4から注ぎ入れられた射出スリーブ7内の溶湯の湯面高さに基づくものであることから、金型のキャビティ内に射出充填される溶湯量の計測を高精度に行うことが可能となる。そして、このような高精度な計測結果に基づき、射出行程や高速射出工程や増圧射出行程等の射出充填に係る動作制御を正確に行うことが可能となることから、ひいては製造される成形品の品質にバラツキが生じることを回避することが可能となる。
以上、本実施例の一例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、上記一例では、射出スリーブ7内の湯面高さを測定する手段として、非接触式の磁歪式湯面センサー10を適用した例を説明したが、磁歪式湯面センサー10等の湯面検出センサーに代えて、カメラ等の撮影手段を適用してもよい。
また、上記実施例では、非接触式の磁歪式湯面センサー10の移動手段として昇降装置11を用いてそれに固定したが、給湯機等との干渉を避けて、昇降装置11の代わりに横方向からスライド装置を用いて給湯口6の上方の開口部に移動させる構造としてもよい。また、移動手段としては、給湯機等との干渉を避ければ、回転等の移動手段でも良いし、移動式とせず、固定式としてもよい。
1 ダイカストマシン
2 固定金型
3 移動金型
4 ラドル
5 リンクアーム
6 給湯口
7 射出スリーブ
8 射出プランジャ
9 射出シリンダー(進退駆動手段)
10 磁歪式湯面センサー(湯面検出センサー)
11 移動装置(移動手段)
12 制御手段
13 作動流体供給装置
14 速度切替バルブ
15 位置センサー
16 記憶手段
17 演算手段
A 後退限
B 高速射出切替位置
C 充填完了位置、増圧切替位置
d 内径
h 湯面高さ
L 長さ

Claims (6)

  1. 溶解炉から金属溶湯を汲み上げるラドルと、該ラドルにより汲み上げられた前記金属溶湯が注ぎ入れられる筒状の射出スリーブと、射出スリーブ内で進退される射出プランジャと、該射出プランジャを進退させる進退駆動手段とを備え、該進退駆動手段により前記射出プランジャを前進させることにより、前記射出スリーブ内に有する前記金属溶湯を型閉された金型のキャビティ内に射出充填するダイカストマシンであって、
    前記ラドルから前記射出スリーブ内に注ぎ入れられた前記金属溶湯の湯面高さを測定する湯面検出センサーを備えたことを特徴とするダイカストマシン。
  2. 前記ラドルにより汲み上げられた前記金属溶湯が注がれる給湯口を前記射出スリーブの上部に設け、前記給湯口に臨んだ該給湯口の開放部に前記湯面検出センサーを設けたことを特徴とする請求項1に記載のダイカストマシン。
  3. 前記射出スリーブ内に注ぎ入れられた前記金属溶湯の湯面高さを測定するときに、前記湯面検出センサーを給湯口付近まで移動させる移動装置を備えたことを特徴とする請求項2に記載のダイカストマシン。
  4. 前記射出スリーブ内に注ぎ入れられた前記金属溶湯の湯面高さを測定する前記湯面検出センサーは、非接触式の磁歪式湯面センサーであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のダイカストマシン。
  5. 前記ラドルから前記金属溶湯が注ぎ入れられる射出スリーブ内は円筒状に形成されており、
    前記湯面検出センサーにより測定された前記射出スリーブ内に注ぎ入れられた前記金属溶湯の湯面高さ、前記射出スリーブ内の内径、前記射出スリーブ内の長さ寸法を用いて、前記射出スリーブに注ぎ入れられた前記金属溶湯の総溶湯量を演算する演算手段を備えたことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のダイカストマシン。
  6. 前記湯面検出センサーは、前記金属溶湯が前記ラドルから前記射出スリーブ内に注ぎ入れられるのが完了してから0.1秒以上1.0秒以内に、前記金属溶湯の湯面高さを測定する計測時間設定手段を備えたものであることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のダイカストマシン。
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