JP2022191650A - ダイカストマシンの給湯装置及び鋳造方法 - Google Patents

ダイカストマシンの給湯装置及び鋳造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】給湯完了のタイミングを正確に検知でき、給湯量を正確に調整できる、射出スリーブ内に溶湯を供給し、プランジャの前進動作により金型キャビティ内に溶湯を射出充填する、ダイカストマシンの給湯装置及び鋳造方法を提供すること。【解決手段】ダイカストマシンの給湯装置は、溶湯を保持する溶湯保持炉と、溶湯保持炉から所定量の溶湯を排出する溶湯排出部と、溶湯排出部から排出された溶湯を射出スリーブに向けて流動させる給湯管と、射出スリーブに流入する溶湯量を計測する給湯量計測部と、射出スリーブに流入する溶湯量を制限する給湯量制限部と、を備え、鋳造方法は、給湯量計測部の計測結果に基づいて、給湯量制限部の操作の開始と、プランジャの前進動作の開始を行う。【選択図】図1

Description

本発明は、射出スリーブ内に溶湯を供給し、プランジャの前進動作により金型キャビティ内に溶湯を射出充填する、ダイカストマシンの給湯装置及び鋳造方法に関する。
アルミニウム合金等の溶湯を用いた鋳造成形は、以下の手順で行われる。先ず、溶湯保持炉内から所定量の溶湯を射出スリーブ内に供給する(給湯という)。給湯の完了後に、プランジャを前進動作させて、射出スリーブ内の溶湯を金型キャビティ内へ射出充填し、溶湯の充填密度を高める増圧工程と、溶湯の凝固収縮を補う保圧工程と、溶湯の冷却工程を経て、金型キャビティ内から鋳造品を取り出す。この鋳造成形の動作を、計画された鋳造品の個数を得るまで繰り返す。
給湯手段としては、例えば、密閉された溶湯保持炉内の溶湯を押圧して所定量の溶湯を排出し、溶湯を射出スリーブへ給湯する加圧式給湯手段を用いる。装置内の溶湯流動であるので、溶湯の漏れ落ち等のトラブルは回避しやすいが、溶湯の押圧と排出の間接的な制御に加え、大気圧の変動の影響を受けやすく、給湯量は変動しやすいとされている。また、例えば、溶湯保持炉からラドルを用いて溶湯を汲み上げ、ラドルを操作して溶湯を射出スリーブへ給湯するラドル式給湯手段では、ラドルの操作中の溶湯の漏れ落ちにより給湯量が変動することがあると言われている。この給湯手段の給湯量の変動は、湯ジワ、湯廻り不良、鋳巣、鋳バリ等の鋳造不良の原因となる。また、給湯量の変動を考慮して多めに給湯量を設定した場合は、溶湯の歩留まりが低下し生産性を損なうことになる。
また、上述した給湯手段では、溶湯の給湯開始から射出スリーブの給湯完了までは時間を要す(タイムラグという)。加圧式給湯手段の場合は、溶湯保持炉から射出スリーブまでに複数の経路を経由するため、タイムラグは長めとなり易い。また、ラドル式給湯手段では、ラドルの操作速度を遅くすることで溶湯の漏れ落ちを回避できるが、溶湯の汲み上げから排出までのタイムラグが長くなる。このタイムラグにより溶湯温度は変動し、給湯量の変動と同様な鋳造不良の原因となる。また、鋳造工場の大きさや設備レイアウト等によっては、障害物を回避するために溶湯保持炉から射出スリーブまでの距離が長くなることがある。この場合、タイムラグは更に長くなる。
そこで、例えば、特許文献1に示すような、溶湯保持炉内にピストンを備えたシリンダを配置し、ピストンを加圧して溶湯を溶湯供給管に排出し、射出スリーブに向けた溶湯供給管の出口に開閉バルブを介して給湯する加圧式給湯装置が提案されている。これにより、給湯量の安定とタイムラグの解消が示されている。
また、特許文献2に示すような、ラドル式給湯装置において、ラドルから射出スリーブ内に給湯した溶湯の湯面高さを、湯面検出センサにより計測して給湯量を演算し、演算結果に基づいて射出条件を補正することが提案されている。これにより、給湯量の変動を補正でき鋳造品質の安定化が示されている。
特開2014-188589号公報 特開2020-49503号
ここで、特許文献1に示す手段は、最上流の溶湯保持炉内のピストンと最下流の開閉バルブの異なる動作を同時に調整することが示されている。しかしながら、この2つの動作の調整には順序に制約がある。例えば、最上流のピストン動作による溶湯供給管への溶湯の排出の最中に、最下流の開閉バルブが先に閉鎖した場合、中間位置の溶湯供給管内の溶湯は圧力上昇し、溶湯供給管が破損することが考えられる。そのため、先にピストン動作を停止させ、ピストン動作の停止を確認後に、開閉バルブを閉鎖しなければいけない。また、溶湯供給管内に空気等が混入しないように、溶湯供給管と開閉バルブは溶湯保持炉内の溶湯の湯面より下方に設置される。そのため、重力の影響を受けて、ピストンの動作に関係なく、開閉バルブが開放されている間は、溶湯供給管内の溶湯は制御されずに流出し、給湯量の変動の原因となる。つまり、特許文献1に示す手段は、タイムラグと給湯量の変動を解消するものではない。
また、特許文献2に示す手段は、給湯量は変動するとの前提で、実際の給湯量を計測し、計測結果に基づいて射出条件を調整することが示されている。しかしながら、給湯直後の射出スリーブ内の溶湯は波打っており、湯面の高さは安定していない。そのため、湯面が安定するまでは湯面高さは正確に計測できず、給湯完了から射出開始までにタイムラグは必ず発生する。また、給湯量の変動そのものは解消されていないので、溶湯の歩留まりは大きく変動する。つまり、特許文献2に示す手段は、タイムラグと給湯量の変動を解消するものではない。
そこで本発明は、給湯完了のタイミングを正確に検知でき、給湯量を正確に調整できる、ダイカストマシンの給湯装置及び鋳造方法を提供することを目的とする。
本発明のダイカストマシンの給湯装置は、射出スリーブ内に溶湯を供給し、プランジャの前進動作により金型キャビティ内に溶湯を射出充填するダイカストマシンの給湯装置において、前記給湯装置は、溶湯を保持する溶湯保持炉と、前記溶湯保持炉から所定量の溶湯を排出する溶湯排出部と、前記溶湯排出部から排出された溶湯を前記射出スリーブに向けて流動させる給湯管と、前記射出スリーブに流入する溶湯量を計測する給湯量計測部と、前記射出スリーブに流入する溶湯量を制限する給湯量制限部と、を備え、前記給湯量計測部の計測結果に基づいて、前記給湯量制限部の操作の開始と、前記プランジャの前進動作の開始を行う、ことを特徴とする。
本発明のダイカストマシンの給湯装置において、前記給湯量計測部は、前記給湯管から離れた位置に配置し、前記給湯管を流動する溶湯の湯面高さを計測し、前記湯面高さと溶湯の流動時間から給湯量を計測する、ことが好ましい。
また、本発明のダイカストマシンの給湯装置において、前記給湯量計測部は、前記射出スリーブから離れた位置に配置し、前記射出スリーブ内に給湯された溶湯の湯面高さの変化を計測し、前記湯面高さの変化から給湯量を予測する、ことが好ましい。
さらに、本発明のダイカストマシンの給湯装置において、前記給湯量制限部は、前記給湯管に配置され、前記給湯管から前記射出スリーブに向けて流動する溶湯を排出して、前記射出スリーブに流入する溶湯の遮断を行う、ことが好ましい。
本発明のダイカストマシンの給湯装置を用いた鋳造方法において、前記給湯管から離れた位置に前記給湯量計測部を配置し、前記給湯管内を流動する溶湯の湯面高さを計測し、前記湯面高さと溶湯の流動時間から給湯量を計測し、前記給湯量計測部の計測結果に基づいて、前記給湯量制限部を操作して、前記給湯管から前記射出スリーブに向けて流動する溶湯を排出して、前記射出スリーブへ流入する溶湯の遮断を行い、前記プランジャの前進動作を開始する、ことを特徴とする。
また、本発明のダイカストマシンの給湯装置を用いた鋳造方法において、前記射出スリーブから離れた位置に前記給湯量計測部を配置し、前記射出スリーブ内に給湯された溶湯の湯面高さの変化を計測し、前記湯面高さの変化から給湯量を予測し、前記給湯量計測部の予測結果に基づいて、前記給湯量制限部を操作して、前記給湯管から前記射出スリーブに向けて流動する溶湯を排出して、前記射出スリーブへ流入する溶湯の遮断を行い、前記プランジャの前進動作を開始する、ことを特徴とする。
本発明によれば、給湯完了のタイミングを正確に検知でき、給湯量を正確に調整できる、ダイカストマシンの給湯装置及び鋳造方法を提供することができる。
第1実施形態に係るダイカストマシンの給湯装置の概念図である。 第2実施形態に係るダイカストマシンの給湯装置の概念図である。 第3実施形態に係るダイカストマシンの給湯装置の概念図である。 第1~第3実施形態に係る給湯装置の給湯量制限部を示す詳細図である。 第1~第3実施形態の給湯装置を用いた鋳造方法を示すフロー図である。
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組合せの全てが、各請求項に係る発明の解決手段に必須であるとは限らない。また、本実施形態においては、各構成要素の尺度や寸法が誇張されて示されている場合や、一部の構成要素が省略されている場合がある。
[第1実施形態]
先ず、第1実施形態に係るダイカストマシンの給湯装置について、図1を用いて説明する。図1に示す給湯装置500は、給湯部50と、給湯量計測部60と、給湯量制限部70と、を備える。なお、鋳造成形機100は、全ての実施形態において共通であるので、この第1実施形態で説明し、他の実施形態では説明を割愛する。
先ず、鋳造成形機100は、図示しない型締装置に支持された固定金型11と可動金型12が型締して形成される金型キャビティ13と、先端が金型キャビティ13と連通した円筒状の射出スリーブ21と、射出スリーブ21内に配置されロッド23を介して射出駆動部30により進退に動作するプランジャ22と、アルミニウム合金等の溶湯を射出スリーブ21内に供給する注湯口24と、を備える。射出制御部40の制御指令に基づいて、射出駆動部30の動作を制御し、プランジャ22を前進動作させて溶湯を金型キャビティ13内に向けて射出充填して鋳造品を成形する(鋳造成形という)。
ここで、プランジャ22の動作に関し、金型キャビティ13に近い方向を前方F、前方F方向への動作を前進動作、金型キャビティ13から遠い方向を後方B、後方B方向への動作を後退動作と定義する。また、プランジャ22の後退動作の完了位置を待機位置BE、プランジャ22の前進動作の完了位置を射出完了位置FEと定義する。つまり、プランジャ22は、待機位置BEと射出完了位置FEの範囲内で前後進動作する。また、射出スリーブ21およびプランジャ22には、必要に応じて、冷却水等の冷却媒体が流れる流路を含む図示しない冷却機構が設けられている。また、プランジャ22の摩耗損傷の防止や摺動状態の安定化及び溶湯残渣物の付着抑制等のため、射出スリーブ21とプランジャ22との摺動面に潤滑剤を塗布することが好ましい。なお、図1に示す鋳造成形機100は、横型の鋳造成形機をベースとしたが、これに限定されるものではない。
給湯部50は、密閉された溶湯保持炉51と、加圧ガスを供給する加圧ガス供給部52と、溶湯保持炉51から溶湯Mを排出する溶湯排出部54と、溶湯排出部54から射出スリーブ21の注湯口24に向けて溶湯Mを流動させる給湯管55と、加圧ガス供給部52の動作を調整する給湯制御部53と、を備える。給湯制御部53と射出制御部40は接続されており、鋳造成形機100の動作に合わせて、給湯部50の動作が調整される。
給湯部50の動作について説明する。先ず、給湯制御部53の制御指令に基づいて、加圧ガス供給部52から溶湯保持炉51内に加圧ガスを供給して、加圧室52Kを加圧調整する。加圧室52Kの加圧調整に応じて、溶湯保持炉51内の溶湯Mの湯面が押圧され、排出管54H内を上昇し溶湯排出部54へ溶湯Mが排出される。排出された溶湯Mは、給湯管55内を流動して射出スリーブ21へ給湯される。つまり、溶湯Mの排出量の調整で射出スリーブ21の給湯量が調整される。具体的には、加圧ガスの供給圧力または供給量の調整、加圧室52K内の圧力調整、溶湯Mの湯面位置の調整、のいずれかの手段を用いて給湯量を調整する。また、給湯動作の停止は、加圧ガスの供給停止、溶湯保持炉51から加圧ガスを排出して加圧室52Kの圧力を低下させる、溶湯排出部54に加圧ガスを供給して排出管54H内の溶湯Mを溶湯保持炉51に戻す、等のいずれかの手段を用いる。また、加圧ガスは圧縮空気を用いても良いが、溶湯Mの酸化防止の観点からは、窒素ガス等の不活性ガスを用いることが好ましい。溶湯排出部54および給湯管55は、溶湯が滞留せず、溶湯温度が低下しないような処置を行うことが好ましい。
なお、図1に示す給湯部50は、加圧ガスを用いる構成としたが、これに限定されることなく、例えば、溶湯保持炉内の溶湯にピストンを内蔵したシリンダを浸漬させ、ピストンを押圧することによりシリンダから溶湯を給湯管に排出して給湯する構成としても良い。この場合は、ピストンの押圧ストロークで給湯量が調整される。また、例えば、溶湯保持炉を傾転させて溶湯を給湯管に排出して給湯する構成としても良い。この場合は、溶湯保持炉の傾転角度と傾転時間で給湯量が調整される。
ここで、給湯部50は、溶湯保持炉51、排出管54H、溶湯排出部54、給湯管55、射出スリーブ21、の複数の経路を溶湯Mが通過する。各経路を通過するたびに溶湯Mの量が変動し、複数の経路で変動が加算され給湯量が変動する。また、加圧ガスの供給停止から給湯完了まではタイムラグが発生し、給湯完了の正確な検知ができない。
そのため、給湯量計測部60を用いて、給湯量と給湯完了の正確な検知を行うことを特徴とする。具体的には、給湯管55に設けた観察窓56から、給湯管55内を流動する溶湯Mの湯面高さを計測する。この湯面高さから給湯管55内を流動する溶湯Mの流動断面積を演算し、溶湯Mの流動時間と流動断面積の時間積分から給湯量を演算する。これにより、射出スリーブ21への給湯量を正確に検知することができる。また、給湯量計測部60と射出制御部40は接続されており、給湯量計測部60の給湯量の演算結果が、射出制御部40に設定された給湯量設定値に達した時点を給湯完了とすることで、給湯完了を正確に検知することができる。その結果、タイムラグの解消と、給湯量及び給湯完了の正確な検知ができ、鋳造品質の安定性を高めることができる。
ここで、給湯量計測部60は、高温の溶湯からの熱影響を避けるために、給湯管55から離れた位置に配置することが好ましい。そのために、給湯量計測部60は、非接触式の計測手段を用いるとする。非接触式の計測手段としては、例えば、レーザ光を溶湯Mに照射し反射波の時間差から溶湯Mの湯面高さ計測する公知のレーザ変位計を用いることができ、汎用性と低コスト化を得ることができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係るダイカストマシンの給湯装置について、図2を用いて説明する。図2に示す給湯装置800は、給湯部80と、給湯量計測部60と、給湯量制限部70と、を備える。ここでは、第1実施形態と異なる給湯部80について説明し、第1実施形態と重複するものについては説明を割愛する。
給湯部80は、上面が開放された溶湯保持炉81と、溶湯保持炉81から溶湯Mを排出する溶湯排出部82と、溶湯排出部82の動作を制御する給湯制御部83と、を備える。給湯制御部83と射出制御部40は接続されており、鋳造成形機100の動作に合わせて、給湯部80の動作が調整される。溶湯排出部82には、回転と傾転と上昇と下降と横行と走行が自由自在に動作できる多関節アーム84が配置され、多関節アーム84の先端位置に、溶解保持炉81内から所定量の溶湯Mを汲み上げ、射出装置20の射出スリーブ21の方向に溶湯Mを搬送することができるラドル85を備える。
また、射出スリーブ21と溶湯排出部82の中間位置に、給湯管87を備える中継容器86が配置される。これにより、例えば、ラドル85の動作範囲内に障害物があって、射出スリーブ21に溶湯Mを直接搬送することができない場合や、配置が離れておりラドル85が射出スリーブ21に届かない場合においても、射出スリーブ21へ溶湯Mを給湯することができる。なお、ラドル85や中継容器86および給湯管87は、溶湯が滞留せず、溶湯温度が低下しないような処置を行うことが好ましい。
ここで、給湯部80は、溶湯保持炉81、ラドル85、中継容器86、給湯管87、射出スリーブ21、の複数の経路を溶湯Mが通過する。ラドル85の操作中に溶湯Mの漏れ落ちにより給湯量は変動する。さらに各経路を通過するたびに溶湯Mの量が変動し、複数の経路で変動が加算され給湯量が変動する。また、ラドル85の傾転による中継容器86への溶湯の排出完了から、給湯管87を経由して射出スリーブ21に溶湯の供給を終える給湯完了まではタイムラグが発生し、給湯完了の正確な検知ができない。
そのため、第1実施形態と同様に、給湯量計測部60を用いて、給湯量と給湯完了の正確な検知を行うことを特徴とする。具体的には、給湯管87に設けた観察窓88から、給湯管87内を流動する溶湯Mの湯面高さを計測する。この湯面高さから給湯管87内を流動する溶湯Mの流動断面積を演算し、溶湯Mの流動時間と流動断面積の時間積分から給湯量を演算する。これにより、射出スリーブ21への給湯量を正確に検知することができる。また、給湯量計測部60と射出制御部40は接続され、給湯量計測部60の給湯量の演算結果が、射出制御部40に設定された給湯量設定値に達した時点を給湯完了とすることで、給湯完了を正確に検知することができる。その結果、タイムラグの解消と、給湯量及び給湯完了の正確な検知ができ、鋳造品質の安定性を高めることができる。給湯量計測部60の配置や計測手段等は、第1実施形態と同様とする。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係るダイカストマシンの給湯装置について、図3を用いて説明する。図3に示す給湯装置900は、給湯部50と、給湯量計測部90と、給湯量制限部70と、を備える。ここでは、第1実施形態及び第2実施形態と異なる給湯量計測部90について説明し、第1実施形態及び第2実施形態と重複するものについては説明を割愛する。また、図3に示す給湯部50は、第1実施形態と同じ加圧ガスを供給して給湯する構成としたが、第2実施形態に示す、ラドルを操作して給湯する構成としても良い。
給湯量計測部90は、射出スリーブ21内に給湯される溶湯の湯面高さを計測して、給湯量と給湯完了の正確な検知を行うことを特徴とする。具体的には、高温の溶湯Mの熱影響を回避するために、例えば、レーザ変位計等の非接触式の計測手段を、給湯量計測部90を射出スリーブ21から離れた位置に配置し、注湯口24から射出スリーブ21内の溶湯の湯面高さを計測する。湯面が波打っている場合は、例えば波打ちの上下限の平均値を湯面高さとする。給湯に伴い湯面高さは上昇し、この湯面高さの上昇速度から給湯量の増大速度を演算し、射出制御部40で設定した給湯量設定値への到達を予測する。この予測により、例えば、射出スリーブ21内の溶湯Mの波打ちによる溶湯量の計測が遅れることのタイムラグは解消される。これにより、給湯量と給湯完了の正確な検知を行うことができ、検知結果を射出制御部40に転送し、射出制御部40は転送結果に基づいてプランジャ22の前進動作を開始させ、溶湯Mの射出充填を行う。その結果、高品質な鋳造品の安定生産を行うことができる。
[給湯量制限部]
次に、第1実施形態から第3実施形態に係るダイカストマシンの給湯装置(500、800、900)の給湯量制限部70について、図4を用いて説明する。図4(a)は給湯管(55、87)を溶湯Mが流動して、射出スリーブ21の給湯状態を示し、図4(b)は給湯量計測部(60、90)の給湯完了の検知を受けて、給湯量制限部70が作動して射出スリーブ21の給湯が停止された状態を示す。
給湯量制限部70は、給湯管(55、87)に配置され、好ましくは、観察窓(56、88)より下流側の射出スリーブ21の注湯口24に近い位置に配置される。給湯管(55、87)の一部を構成し開閉可能な開閉板71と、開閉板71の開閉動作を行う開閉駆動部72と、開閉板71と開閉駆動部72を連結する連結部73と、開閉駆動部72を支持する支持部74と、を備える。開閉駆動部72は射出制御部40と接続され、給湯量計測部(60、90)と連動して作動するように構成される。開閉板71が閉位置において、給湯管(55、87)内を溶湯Mが流動し、射出スリーブ21の給湯が行われる。開閉板71が作動し開位置において、給湯管(55、87)内の流動中の溶湯Mは、回収容器75に強制排出される。この溶湯Mの強制排出により、射出スリーブ21の給湯が遮断される。
なお、図4に示す給湯量制限部70は、給湯管の一部を開閉させることで給湯量を調整する構成としたが、これに限定することなく、例えば、遮蔽版を給湯管内に挿入して溶湯の流動を強制停止させ、その後、給湯管を移動させて遮蔽版を引き抜いて、溶湯を射出スリーブ21外に排出することで給湯量を調整する構成であっても良く、また遮蔽版と開閉板を併用する構成であっても良い。
このように、給湯量制限部70によって、詳しくは、給湯量制限部70の開閉板71の開閉動作によって、溶湯Mの射出スリーブ21への給湯と遮断を調整することができ、給湯量の精度を高めることができる。また、給湯量計測部(60、90)によって、射出スリーブ21への給湯量と給湯完了を正確に検知することができ、タイムラグを解消できて、高品質な鋳造品の安定生産を行うことができる。これらのことが確実に実現できるダイカストマシンの給湯装置(500、800、900)を提供することができる。
[鋳造方法]
次に、第1実施形態から第3実施形態に係るダイカストマシンの給湯装置(500、800、900)を用いた鋳造方法について、図5のフロー図を用いて説明する。先ず、固定金型11と可動金型12を型締して金型キャビティ13を形成した後に、給湯部(50、80)を作動させて、射出スリーブ21への給湯動作を開始する。給湯動作は、図1及び図3に示す加圧ガスを用いる給湯部50と、図2に示すラドル操作による給湯部80とで異なる。
加圧ガスを用いる給湯部50においては、溶湯保持炉51内に加圧ガス供給部52から加圧ガスを供給し、加圧室52Kを加圧調整して溶湯Mを押圧する。押圧された溶湯Mは、排出管54Hを上昇して溶湯排出部54へ排出され、給湯管55内を流動して射出スリーブ21へ給湯される。例えば、溶湯保持炉51内の溶湯Mの湯面高さが、予め設定され湯面高さ設定値に到達したことを確認すると、給湯制御部52は加圧ガスの供給を停止するなどの処置を行い、給湯動作を停止する。
ラドル操作による給湯部80においては、溶湯保持炉81内の溶湯Mを、ラドル85を操作して汲み上げ、中継容器86に溶湯Mを排出する。排出した溶湯Mは、給湯管87内を流動して射出スリーブ21へ給湯される。溶湯排出部82でラドル85の操作を調整して、溶湯Mの排出量を調整する。ラドル85による中継容器86への溶湯Mの排出完了を受けて、給湯制御部83は給湯動作を停止する。
ここで、図1及び図2に示す給湯装置(500、800)においては、給湯管(55、87)内を流動する溶湯Mの湯面高さを、給湯量計測部60で計測する。溶湯Mの湯面高さと給湯管(55、87)の断面形状から、単位時間当たりの溶湯Mの流動断面積を演算する。この流動断面積と溶湯Mの流動時間を時間積分して給湯量を演算する。予め設定した給湯量設定値と給湯量の演算結果が一致すると給湯完了判断し、給湯量制限部70と射出制御部40へ給湯完了の情報伝達を行う。
また、図3に示す給湯装置900においては、射出スリーブ21内に給湯された溶湯Mの湯面高さの変化を、給湯量計測部90で計測する。給湯中の湯面は波打っているが、例えば波打ちの上下限の高さの平均値を湯面高さとすることで、給湯に伴う湯面高さの上昇(変化)は計測可能である。この湯面高さの変化から給湯量の増加速度を演算し給湯量を予測する。予め設定した給湯量設定値と給湯量の予測結果が一致すると給湯完了判断し、給湯量制限部70と射出制御部40へ給湯完了の情報伝達を行う。
給湯量制限部70は、給湯完了の情報を受けて、開閉駆動部72を操作して開閉板71を開位置に移動させ、給湯管(55、87)を流動する溶湯Mを回収容器75へ強制排気する。この強制排気により射出スリーブ21への給湯が遮断される。なお、回収容器75内の溶湯Mは、酸化膜の除去等の溶湯清掃を行った後に、溶湯保持炉(51、81)へ戻される。また、射出制御部40は、給湯完了の情報を受けて、射出駆動部30を操作してプランジャ22の前進動作を開始させ、金型キャビティ13へ溶湯Mの射出充填を行う。
これにより、各動作のタイムラグは解消され、給湯完了の正確な検知を行うことができる。また、給湯量の変動も解消され、精度の高い給湯量の調整と、溶湯温度の安定化を行うことができる。その結果、高品質な鋳造品の安定供給を提供することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明の技術範囲は、上述した実施形態に記載された範囲には限定されない。上記の実施形態には多様な変更または改良を加えることが可能である。
例えば、ラドルを操作して中継容器と給湯管を経由して給湯する構成としたが、ラドルから射出スリーブへ直接給湯する構成においても利用することができる。この場合は、射出スリーブ内の溶湯の湯面高さの変化を計測し、給湯量の予測結果に基づいて、ラドルからの給湯を停止することで、給湯量の高精度化を行うことができる。ラドル内に余った溶湯は、ラドルを操作して溶湯保持炉に返却させる。
11 固定金型
12 可動金型
13 金型キャビティ
21 射出スリーブ
22 プランジャ
23 ロッド
24 注湯口
30 射出駆動部
40 射出制御部
50、80 給湯部
51、81 溶湯保持炉
52 加圧ガス供給部
52K 加圧室
53、83 給湯制御部
54、82 溶湯排出部
54H 排出管
55、87 給湯管
56、88 観察窓
60、90 給湯量計測部
70 給湯量制限部
71 開閉板
72 開閉駆動部
73 連結部
74 支持部
75 回収容器
84 多関節アーム
85 ラドル
86 中継容器
100 鋳造成形機
500、800、900 給湯装置

Claims (6)

  1. 射出スリーブ内に溶湯を供給し、プランジャの前進動作により金型キャビティ内に溶湯を射出充填するダイカストマシンの給湯装置において、
    前記給湯装置は、溶湯を保持する溶湯保持炉と、前記溶湯保持炉から所定量の溶湯を排出する溶湯排出部と、前記溶湯排出部から排出された溶湯を前記射出スリーブに向けて流動させる給湯管と、前記射出スリーブに流入する溶湯量を計測する給湯量計測部と、前記射出スリーブに流入する溶湯量を制限する給湯量制限部と、を備え、
    前記給湯量計測部の計測結果に基づいて、前記給湯量制限部の操作の開始と、前記プランジャの前進動作の開始を行う、ことを特徴とするダイカストマシンの給湯装置。
  2. 前記給湯量計測部は、前記給湯管から離れた位置に配置し、前記給湯管を流動する溶湯の湯面高さを計測し、前記湯面高さと溶湯の流動時間から給湯量を計測する、請求項1記載のダイカストマシンの給湯装置。
  3. 前記給湯量計測部は、前記射出スリーブから離れた位置に配置し、前記射出スリーブ内に給湯された溶湯の湯面高さの変化を計測し、前記湯面高さの変化から給湯量を予測する、請求項1記載のダイカストマシンの給湯装置。
  4. 前記給湯量制限部は、前記給湯管に配置され、前記給湯管から前記射出スリーブに向けて流動する溶湯を排出して、前記射出スリーブに流入する溶湯の遮断を行う、請求項1から3のいずれか1に記載のダイカストマシンの給湯装置。
  5. 請求項1に記載のダイカストマシンの給湯装置を用いた鋳造方法において、
    前記給湯管から離れた位置に前記給湯量計測部を配置し、前記給湯管内を流動する溶湯の湯面高さを計測し、前記湯面高さと溶湯の流動時間から給湯量を計測し、前記給湯量計測部の計測結果に基づいて、前記給湯量制限部を操作して、前記給湯管から前記射出スリーブに向けて流動する溶湯を排出して、前記射出スリーブへ流入する溶湯の遮断を行い、前記プランジャの前進動作を開始する、ことを特徴とする鋳造方法。
  6. 請求項1に記載のダイカストマシンの給湯装置を用いた鋳造方法において、
    前記射出スリーブから離れた位置に前記給湯量計測部を配置し、前記射出スリーブ内に給湯された溶湯の湯面高さの変化を計測し、前記湯面高さの変化から給湯量を予測し、前記給湯量計測部の予測結果に基づいて、前記給湯量制限部を操作して、前記給湯管から前記射出スリーブに向けて流動する溶湯を排出して、前記射出スリーブへ流入する溶湯の遮断を行い、前記プランジャの前進動作を開始する、ことを特徴とする鋳造方法。
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