JP2023031902A - ダイカストマシンの射出充填方法 - Google Patents

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Abstract

Figure 2023031902000001
【課題】射出スリーブへの給湯完了を正確に検知して、プランジャの前進動作を開始させる、ダイカストマシンの射出充填方法を提供すること。
【解決手段】プランジャの前進動作により、射出スリーブ内に給湯された溶湯を金型キャビティ内に射出充填する、ダイカストマシンの射出充填方法において、給湯管を経由して溶湯を前記射出スリーブに給湯する給湯部と、前記射出スリーブの給湯完了を判別する判別部と、を備え、前記判別部の判別信号に基づいて、前記プランジャの前進動作を開始し、前記判別部は、前記給湯管に設けた観察窓から内部を撮影する撮影手段あるいは計測手段を設け、前記撮影手段の画像データあるいは前記計測手段の計測データに基づいて、前記射出スリーブへの給湯完了を判別する。
【選択図】図1

Description

本発明は、プランジャの前進動作により、射出スリーブ内に給湯された溶湯を金型キャビティ内に射出充填する、ダイカストマシンの射出充填方法に関する。
アルミニウム合金等の溶湯を用いたダイカストマシンによる鋳造成形は、以下の手順で行われる。先ず、給湯装置を用いて溶湯保持炉から所定量の溶湯を射出スリーブ内に供給する(給湯という)。給湯の完了後に、プランジャを前進動作させて、射出スリーブ内の溶湯を金型キャビティ内へ射出充填し、溶湯の充填密度を高める増圧工程と、溶湯の凝固収縮を補う保圧工程と、溶湯の冷却工程を経て、金型キャビティ内から鋳造品を取り出す。この鋳造成形の動作を、計画された鋳造品の個数を得るまで繰り返す。
給湯装置としては、以下に示すものが使われる。例えば、密閉された溶湯保持炉内の溶湯を押圧して、所定量の溶湯を給湯管へ排出し、給湯管を経由して射出スリーブへ給湯する加圧式給湯装置である。溶湯の押圧は、加圧ガスやピストンシリンダを用いる。射出スリーブへの溶湯の供給量(給湯量という)は、加圧ガスの場合では、加圧ガスの圧力や供給時間あるいは溶湯の湯面高さ等の調整で行うが、間接的な調整であるため給湯量は変動しやすい。また、ピストンシリンダの場合では、加圧操作する前後の溶湯の湯面高さの変動によって給湯量が変動するとされている。さらに、給湯管を経由して射出スリーブに給湯する構造のために、加圧式給湯装置の溶湯の排出完了と実際の射出スリーブへの給湯完了にはタイムラグが生じる。この給湯量の変動と給湯完了のタイムラグにより、プランジャの前進動作は変動し、その結果、鋳造品質は変動すると考えられる。
また、例えば、ラドルと呼ばれる耐熱容器を用いて溶湯保持炉から溶湯を汲み上げ、ラドルを操作して汲み上げた溶湯を射出スリーブへ搬送し、ラドルを傾転して射出スリーブへ給湯するラドル式給湯装置である。給湯量の調整はラドルの操作姿勢で行うとしているが、ラドルの操作中に溶湯が漏れ落ちることは否定できず、給湯量は高い確率で変動し、鋳造品質の変動を誘発する。なお、ラドルの操作速度を減速することで溶湯の漏れ落ちは防止できるが、ラドルの操作時間が長くなり溶湯温度が変動するので好ましくない。
そこで、例えば、特許文献1に示すような、溶湯保持炉内にピストンシリンダを配置し、ピストンシリンダを操作して溶湯を溶湯供給管に排出し、射出スリーブに向けた溶湯供給管の出口に配置した開閉バルブを操作して給湯する加圧式給湯装置が提案されている。これによると、給湯量の安定と給湯完了の正確な調整ができるとされている。
また、特許文献2に示すような、ラドル式給湯装置において、ラドルから射出スリーブへ給湯し、射出スリーブ内の溶湯の湯面高さを湯面検出センサにより計測して給湯量を演算し、演算結果に基づいて射出条件を補正することが提案されている。これによると、給湯量の変動に関わらず鋳造品質の安定化を図ることができるとされている。
特開2014-188589号公報 特開2020-49503号公報
ここで、特許文献1に示す手段は、最上流の溶湯保持炉内のピストン動作の調整と、最下流の開閉バルブ動作の調整の2つの調整により、射出スリーブへの給湯のタイミングと給湯量が調整できるとしている。しかしながら、この2つの動作の調整には、順序に制約がある。例えば、最上流のピストン動作による溶湯供給管への溶湯の排出の最中に、最下流の開閉バルブが先に閉鎖した場合、中間位置の溶湯供給管内の溶湯は圧力上昇して、溶湯供給管が破損することが考えられる。そのため、先にピストン動作を停止させ、ピストン動作の停止を確認後に、開閉バルブを閉鎖しなければいけない。また、溶湯供給管内に空気等が混入しないように、溶湯供給管と開閉バルブは溶湯保持炉内の溶湯の湯面より下方に設置される。そのため、重力の影響を受けて、ピストンの動作に関係なく、開閉バルブが開放されている間は、溶湯供給管内の溶湯は制御されずに流出し、給湯量の変動となる。さらに、溶湯供給管から開閉バルブまでは溶湯が凝固しないように温度調整されているが、溶湯保持炉内の溶湯と同じ温度に保持することは構造上難しい。給湯量の変動と溶湯温度の変動によって、鋳造品質は変動するものと思われる。
また、特許文献2に示す手段は、給湯量の変動を想定して実際の給湯量を計測し、計測結果に基づいて射出条件を調整することで鋳造品質の安定化を図るとしている。しかしながら、給湯直後の射出スリーブ内の溶湯は波打っており、湯面の高さは安定していない。そのため、湯面が安定するまでは湯面高さは正確に計測できず、給湯完了から射出開始までにタイムラグは必ず発生する。また、給湯量の変動により溶湯の波打ち状態も変動し、結果的に、タイムラグも溶湯温度も変動している。また、湯面高さの計測では溶湯温度まで計測できない。そのため、複数の計測機器を用いて湯面高さと溶湯温度を同時に計測する等の複雑な計測手段を必要とし、故障の危険性や、操作性やメンテナンス性を低下させることが考えられる。
そこで本発明は、射出スリーブへの給湯完了を正確に検知して、プランジャの前進動作を開始させる、ダイカストマシンの射出充填方法を提供することを目的とする。
本発明のダイカストマシンの射出充填方法は、
プランジャの前進動作により、射出スリーブ内に給湯された溶湯を金型キャビティ内に射出充填する、ダイカストマシンの射出充填方法において、溶湯を前記射出スリーブに給湯する給湯部と、前記射出スリーブの給湯完了を判別する判別部と、を備え、前記判別部の判別信号に基づいて、前記プランジャの前進動作を開始する、ことを特徴とする。
本発明のダイカストマシンの射出充填方法において、
前記給湯部は、溶湯保持炉から加圧手段を用いて所定量の溶湯を排出し、給湯管を経由して排出した溶湯を前記射出スリーブに給湯する、ことが好ましい。
また、本発明のダイカストマシンの射出充填方法において、
前記給湯部は、溶湯保持炉からラドルを用いて所定量の溶湯を汲み上げ、給湯管を経由して汲み上げた溶湯を前記射出スリーブに給湯する、ことが好ましい。
さらに、本発明のダイカストマシンの射出充填方法において、
前記判別部は、前記給湯管に設けた観察窓から内部を撮影する撮影手段を設け、前記撮影手段の画像データに基づいて、前記射出スリーブの給湯完了を判別する、ことが好ましい。
また、本発明のダイカストマシンの射出充御方法において、
前記判別部は、前記給湯管に設けた観察窓から内部を計測する計測手段を設け、前記計測手段の計測データに基づいて、前記射出スリーブの給湯完了を判別する、ことが好ましい。
本発明によれば、射出スリーブへの給湯完了を正確に検知して、プランジャの前進動作を開始させる、ダイカストマシンの射出充填方法を提供することができる。
第1実施形態に係るダイカストマシンの概念図である。 図1のダイカストマシンを用いた射出充填方法を示すフロー図である。 第2実施形態に係るダイカストマシンの概念図である。 図2のダイカストマシンを用いた射出充填方法を示すフロー図である。
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組合せの全てが、各請求項に係る発明の解決手段に必須であるとは限らない。また、本実施形態においては、各構成要素の尺度や寸法が誇張されて示されている場合や、一部の構成要素が省略されている場合がある。
[第1実施形態:ダイカストマシン]
先ず、第1実施形態に係るダイカストマシンについて、図1を用いて説明する。図1は第1実施形態に係るダイカストマシンの概念図を示す。なお、以下の説明では、本実施形態に係るダイカストマシンとして、横型のダイカストマシンをベースとしたが、これに限定されるものではない。
図1に示すダイカストマシン100は、鋳造金型10と、射出装置20と、射出制御部40と、給湯部50と、判別部60と、を備える。
鋳造金型10は、図示しない固定盤に支持された固定金型11と、図示しない可動盤に支持され固定金型11に対して進退可能な可動金型12と、固定金型11と可動金型12を型締して形成される金型キャビティ13と、を備える。アルミニウム合金等の溶湯を、射出装置20を用いて金型キャビティ13に向けて射出充填することにより鋳造品が成形される。
射出装置20は、先端が金型キャビティ13と連通する円筒状の射出スリーブ21と、射出スリーブ21内で進退可能なプランジャ22と、を備える。プランジャ22と射出駆動部30はロッド23で連結され、射出制御部40の制御指令に基づいて、射出駆動部30を操作してプランジャ22の動作を行う。ここで、プランジャ22の動作に関し、金型キャビティ13に近い方向を前方F、前方F方向への動作を前進動作、金型キャビティ13から遠い方向を後方B、後方B方向への動作を後退動作と定義する。また、プランジャ22の後退動作の完了位置を待機位置BE、プランジャ22の前進動作の完了位置を射出完了位置FEと定義する。つまり、プランジャ22は、待機位置BEと射出完了位置FEの範囲内で前後進動作する。
また、射出スリーブ21の後方B側に注湯口24が設けられる。待機位置BEにプランジャ22が待機している間に、給湯部50から注湯口24を通じて射出スリーブ21内に給湯される。なお、射出スリーブ21およびプランジャ22には、必要に応じて、冷却水等の冷却媒体が流れる流路を含む図示しない冷却機構が設けられている。また、プランジャ22の摩耗損傷の防止や摺動状態の安定化及び溶湯残渣物の付着抑制等のため、射出スリーブ21とプランジャ22との摺動面に潤滑剤を塗布することが好ましい。
給湯部50は、密閉された溶湯保持炉51と、加圧ガスを供給する加圧ガス供給部52と、溶湯保持炉51から溶湯Mを排出する溶湯排出部54と、溶湯排出部54から射出スリーブ21の注湯口24に向けて溶湯Mを流動させる給湯管55と、加圧ガス供給部52の動作を調整する加圧ガス制御部53と、を備える。加圧ガス制御部53と射出制御部40は接続されており、射出制御部40は射出装置20と給湯部50の動作を調整する。
加圧ガス制御部53の制御指令に基づいて、加圧ガス供給部52から溶湯保持炉51内の加圧室52Kに加圧ガスを供給する。加圧ガスの供給によって加圧室52Kは加圧され、溶湯保持炉51内の溶湯Mの湯面を押圧して、溶湯排出部54から給湯管55へ溶湯Mが排出され、給湯管55内を溶湯Mが流動して、射出スリーブ21へ給湯される。このとき、加圧ガスの供給圧力または供給量、加圧室52K内の圧力、溶湯Mの湯面位置のいずれかを調整して給湯量が調整される。また、加圧ガスの供給停止により給湯も停止する。また、加圧室52Kから加圧ガスを積極的に排出して加圧室52Kの圧力を下げて給湯停止を行う、あるいは、溶湯排出部54に加圧ガスを供給して溶湯Mの排出を停止して給湯を停止する。また、これらを必要に応じて組み合わせて用いても良い。なお、加圧ガスは圧縮空気を用いても良いが、溶湯Mの酸化防止の観点からは、窒素ガス等の不活性ガスを用いることが好ましい。また、溶湯排出部54および給湯管55は、溶湯が滞留せず、溶湯温度が低下しないような処置を行うことが好ましい。
なお、図1に示す給湯部50は、密閉された溶湯保持炉51内に加圧ガスを供給して給湯を行う構成としたが、これに限定されることなく、例えば、溶湯保持炉内の溶湯にピストンを内蔵したシリンダを浸漬させ、ピストンを押圧することによりシリンダから溶湯を給湯管に排出して給湯する構成としても良い。この場合は、ピストンの押圧ストロークで給湯量が調整される。また、例えば、溶湯保持炉を傾転させて溶湯を給湯管に排出して給湯する構成としても良い。この場合は、溶湯保持炉の傾転角度と傾転時間で給湯量が調整される。また、溶湯を製造する溶解炉を別に設け、溶解炉と溶湯保持炉を開閉可能な連絡管で連通させ、溶解炉から給湯によって減少した溶湯を溶湯保持炉に補充する構成とすることが好ましい。
ここで、給湯部50は、溶湯保持炉51、溶湯排出部54、給湯管55、の複数の経路を溶湯Mが通過するため、加圧ガスの供給開始から射出スリーブ21への給湯開始まではタイムラグが生じる。同様に、加圧ガスの供給停止から射出スリーブ21の給湯完了までもタイムラグが生じる。そのため、加圧ガスの供給停止の後にプランジャ22の前進動作を開始して射出充填を行うに際しては、タイムラグが変動してもいいように、長めの待機時間を設ける。このタイムラグは、複数の経路の距離が長いほど大きくなり、経路の継ぎ足しが加算される最下流に位置する給湯管55が長いほどタイムラグは増長する。
そこで、判別部60は、給湯管55に設けた観察窓56から給湯管55内を常時観察し、給湯管55内の溶湯Mの流動停止を給湯完了と判別し、射出制御部40へ情報転送する。射出制御部40は、判別部60からの情報を受けて、プランジャ22の前進動作を開始して溶湯Mの射出充填を行う。これにより、タイムラグを解消できる。
判別部60は、高温の溶湯からの熱影響を避けるために非接触式とし、射出装置20および給湯部50から離れた位置に配置する。観察窓56から給湯管55内を観察する手段としては、以下に示す2つの手段を適宜選択して使用する。
1つ目の手段は、観察窓56から給湯管55の内部を撮影する撮影手段を設け、撮影された画像データから給湯完了を判別する。例えば、温度分布を画像データとして撮影できる赤外線サーモカメラや、温度差を色差に変換して画像データとする色差計等の撮影手段を用いる。給湯管55内を流動する高温の溶湯Mの画像と、流動が終わった後の溶湯Mよりは温度の低い給湯管55の内部の画像を比較することで、給湯完了が容易に判別できる。また、それぞれの画像データの温度差を数値化して給湯完了を数値管理する、あるいは、二値化処理法を用いて画像データに閾値を設定して給湯完了を画像管理する等、の公知の技術を用いることができ、操作の簡便性や設備の簡素化および汎用性を得る。
2つ目の手段としては、観察窓56から給湯管55の内部を計測する計測手段を設け、計測した数値データから給湯完了を判別する。例えば、給湯管55内を流動する溶湯Mの湯面高さを計測できるレーザ変位計を用いる。湯面高さがゼロとなった時点を給湯完了と明確に判別できる。また、輝度計を用いて、溶湯Mと給湯管55の輝度差を数値化し、給湯完了を数値で判別できる。この場合も、公知の技術が利用できる。
[第1実施形態:射出充填方法]
次に、図1に示すダイカストマシンを用いて鋳造成形を行う場合の射出充填方法について、図2を用いて説明する。固定金型11および可動金型12やプランジャ22の清掃と離型剤や潤滑剤の塗布等の準備工程を終え、鋳造金型10の型締動作により金型キャビティ13が形成されている状態から、鋳造成形が開始するとして説明する。
先ず、給湯部50を操作して射出スリーブ21へ給湯を行う。具体的には、加圧ガス制御部53の制御指令に基づいて、加圧ガス供給部52から溶湯保持炉51内の加圧室52Kに、加圧ガスとして圧力調整された窒素ガスを加圧供給する。加圧ガスの供給によって、溶湯保持炉51内の溶湯Mは押圧され、溶湯排出部54へ排出される。このとき、溶湯保持炉51内の溶湯Mの湯面高さHを調整して、溶湯Mの排出量を調整する。湯面高さHが設定値HMに到達すると(H=HM)、加圧ガスの供給を停止し、加圧室52K内から加圧ガスを排出して加圧室52Kの圧力を低下させ、溶湯Mの排出が停止する。設定値HMは、溶湯Mの排出量であり、射出スリーブ21への給湯量として設定される。
ここで、溶湯Mは、溶湯保持炉51から溶湯排出部54へ、溶湯排出部54から給湯管55へ、そして、給湯管55内を溶湯Mが流動して、給湯管55から注湯口24を通過して射出スリーブ21内へ溶湯Mが供給される。つまり、加圧ガスの供給開始から射出スリーブ21の給湯開始には、タイムラグが存在する。このことは、射出スリーブ21の給湯完了にもタイムラグが存在することを示唆する。加圧ガス供給部52で加圧ガスの供給を停止しても、射出スリーブ21の給湯完了はタイムラグ分だけ遅れる。また、加圧ガスの供給調整による溶湯Mの湯面高さHの調整は難しく、溶湯Mの排出量は変動し、給湯量が変動する。これらによって、プランジャ22の前進動作の開始タイミングの調整は難易度が高まり、さらに、射出スリーブ21内の溶湯Mの温度が変動し、鋳造品質の安定化は非常に困難であった。
そこで、判別部60を操作して射出スリーブ21の給湯完了を正確に判別することによって、タイムラグは解消される。タイムラグの解消により、プランジャ22の前進動作も安定し、射出スリーブ21内の溶湯温度も安定する。その結果、鋳造品質の安定を提供することができる。具体的には、溶湯排出部54による溶湯Mの排出開始を受けて、判別部60の操作を開始する。例えば、撮影手段として、温度分布を画像データとして撮影できる赤外線サーモカメラ用いた判別部60においては、高温の溶湯Mの画像データから温度の低い給湯管55の画像データに切り替わった時点を、給湯完了と判別することができる。また、例えば、測定物までの距離の変位を計測できるレーザ変位計を計測手段として用いた判別部60においては、給湯管55内を流動する溶湯Mの表面までの距離と、給湯管55の内壁までの距離は違うので、給湯完了を簡単に判別できる。判別部60の給湯完了の判別結果は、射出制御部40に情報転送され、プランジャ22の前進動作を開始して溶湯Mの射出充填を行う。
このように、図1および図2に示すような加圧式の給湯部と判別部を備えたダイカストマシンの射出充填方法により、射出スリーブの給湯完了の正確な検知と、射出スリーブ内の溶湯温度の安定化を実現でき、これにより高品質な鋳造品の安定生産を提供する。また、公知の機器類を利用することができ、簡便性とコスト低減とメンテナンス性のいずれも満足することができる。
[第2実施形態:ダイカストマシン]
次に、第2実施形態に係るダイカストマシンについて、図3を用いて説明する。なお、第1実施形態と重複するものについては説明を割愛し、第1実施形態と異なる給湯部70について詳細に説明する。
給湯部70は、上面が開放された溶湯保持炉71と、溶湯保持炉71から溶湯Mを排出する溶湯排出部72と、溶湯排出部72の動作を制御する排出制御部73と、を備える。排出制御部73と射出制御部40は接続されており、射出装置20と給湯部70の動作は、射出制御部40にて調整される。溶湯排出部72には、回転と傾転と上昇と下降と横行と走行が自由自在に動作できる多関節アーム74が配置され、多関節アーム74の先端位置に、溶湯保持炉71内から所定量の溶湯Mを汲み上げ、射出装置20の射出スリーブ21の方向に溶湯Mを搬送することができるラドル75を備える。
ここで、ラドル75の動作範囲内に障害物があって、射出スリーブ21に溶湯Mを直接搬送することができない場合や、配置が離れておりラドル75が射出スリーブ21に届かない場合は、以下に示す対策が行われることがある。例えば、中間位置に給湯管77を備えた中継容器76を配置し、溶湯保持炉71からラドル75へ、ラドル75から中継容器76へ、そして中継容器76から給湯管77を経由して溶湯を射出スリーブ21へ給湯する構成とする。また、給湯管77には内部が観察できる観察窓78を設ける。なお、ラドル75や中継容器76および給湯管77は、溶湯が滞留せず、溶湯温度が低下しないような処置を行うことが好ましい。
[第2実施形態:射出充填方法]
次に、図3に示すダイカストマシンを用いて鋳造成形を行う場合の射出充填方法について、図4を用いて説明する。第1実施形態と同様に、準備工程と金型キャビティ13の形成を終えている状態から、鋳造成形が開始するとして説明する。
先ず、給湯部70を操作して射出スリーブ21へ給湯を行う。具体的には、排出制御部73の制御指令に基づいて、溶湯排出部72を操作して、溶湯保持炉71から溶湯Mをラドル75で汲み上げる。その後、ラドル75を移動させ、中継容器76の位置でラドル75を傾転して、ラドル75から中継容器76内に溶湯Mを排出する。ラドル75の位置の調整により溶湯Mの汲み上げる量、つまり給湯量を調整する。中継容器76内に排出された溶湯Mは、給湯管77内を流動し、注湯口24から射出スリーブ21へ給湯される。中継容器76への溶湯Mの排出後は、ラドル75は待機位置に移動する。
ここで、溶湯Mは、溶湯保持炉71からラドル75へ、ラドル75から中継容器76へ、中継容器76から給湯菅77へ、そして、給湯管77内を溶湯Mが流動して、給湯管77から注湯口24を通過して射出スリーブ21の給湯が行われる。つまり、ラドル75による溶湯Mの汲み上げから射出スリーブ21への給湯開始には、タイムラグが存在する。このことは、射出スリーブ21の給湯完了にもタイムラグが存在することを示唆する。溶湯排出部72を操作してラドル75を傾転させて溶湯Mの排出を完了しても、溶湯Mは中継容器76あるいは給湯管77内を流動しており、射出スリーブ21の給湯完了はタイムラグ分だけ遅れる。さらに、ラドル75の位置調整による溶湯Mの汲み上げ量の調整は難しく、さらにラドル75の移動や傾転の際に溶湯Mが漏れ落ちる等により、射出スリーブ21の給湯量は変動する。これらによって、プランジャ22の前進動作の開始タイミングの調整は難易度が高まり、さらに、射出スリーブ21内の溶湯Mの温度が変動し、鋳造品質の安定化は非常に困難であった。
そこで、判別部60を操作して射出スリーブ21の給湯完了を正確に判別することによって、タイムラグは解消される。タイムラグの解消により、プランジャ22の前進動作も安定し、射出スリーブ21内の溶湯温度も安定する。その結果、鋳造品質の安定を提供することができる。具体的には、溶湯排出部72による中継容器76への溶湯Mの排出開始を受けて、判別部60の操作を開始する。例えば、撮影手段として色差計を用いた判別部60においては、溶湯Mと給湯管77の温度差を色差数値として識別し、色差数値の変化から給湯管77内の溶湯Mの流動停止を確認して、射出スリーブ21の給湯完了と判別する。また、例えば、放射温度計の計測手段を設けた判別部60においては、溶湯Mと給湯管77の温度差を計測し、温度変化から給湯管77内の溶湯Mの流動停止を確認して、射出スリーブ21の給湯完了と判別する。判別部60の給湯完了の判別結果は、射出制御部40に情報転送され、プランジャ22の前進動作を開始して溶湯Mの射出充填を行う。
このように、このように、図3および図4に示すようなラドル式の給湯部と判別部を備えたダイカストマシンの射出充填方法により、射出スリーブの給湯完了の正確な検知と、射出スリーブ内の溶湯温度の安定化を実現でき、これにより高品質な鋳造品の安定生産を提供する。また、公知の機器類を利用することができ、簡便性とコスト低減とメンテナンス性のいずれも満足することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明の技術範囲は、上述した実施形態に記載された範囲には限定されない。上記の実施形態には多様な変更または改良を加えることが可能である。
10 鋳造金型
11 固定金型
12 可動金型
13 金型キャビティ
20 射出装置
21 射出スリーブ
22 プランジャ
23 ロッド
24 注湯口
30 射出駆動部
40 射出制御部
50、70 給湯部
51、71 溶湯保持炉
52 加圧ガス供給部
52K 加圧室
53 加圧ガス制御部
54、72 溶湯排出部
55、77 給湯管
56、78 観察窓
60 判別部
73 排出制御部
74 多関節アーム
75 ラドル
76 中継容器
100、200 ダイカストマシン
F 前方
B 後方
BE 待機位置
FE 射出完了位置
M 溶湯
H 湯面高さ
HM 設定値

Claims (5)

  1. プランジャの前進動作により、射出スリーブ内に給湯された溶湯を金型キャビティ内に射出充填する、ダイカストマシンの射出充填方法において、
    溶湯を前記射出スリーブに給湯する給湯部と、前記射出スリーブの給湯完了を判別する判別部と、を備え、
    前記判別部の判別信号に基づいて、前記プランジャの前進動作を開始する、ことを特徴とするダイカストマシンの射出充填方法。
  2. 前記給湯部は、溶湯保持炉から加圧手段を用いて所定量の溶湯を排出し、給湯管を経由して排出した溶湯を前記射出スリーブに給湯する、請求項1記載のダイカストマシンの射出充填方法。
  3. 前記給湯部は、溶湯保持炉からラドルを用いて所定量の溶湯を汲み上げ、給湯管を経由して汲み上げた溶湯を前記射出スリーブに給湯する、請求項1記載のダイカストマシンの射出充填方法。
  4. 前記判別部は、前記給湯管に設けた観察窓から内部を撮影する撮影手段を設け、前記撮影手段の画像データに基づいて、前記射出スリーブの給湯完了を判別する、請求項1から3のいずれか1項に記載のダイカストマシンの射出充填方法。
  5. 前記判別部は、前記給湯管に設けた観察窓から内部を計測する計測手段を設け、前記計測手段の計測データに基づいて、前記射出スリーブの給湯完了を判別する、請求項1から3のいずれか1項に記載のダイカストマシンの射出充填方法。
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