JP2023002027A - ダイカストマシンの射出装置及び鋳造方法 - Google Patents

ダイカストマシンの射出装置及び鋳造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】給湯完了のタイミングの正確な検知と、給湯量の正確な調整と、溶湯温度の安定化を行うことができる、ダイカストマシンの射出装置及び鋳造方法を提供することを目的とする。【解決手段】射出スリーブは、先端側が金型キャビティと連通し、後方側に溶湯を供給する注湯口が設けられた本体スリーブと、注湯口より後方側に配置され、本体スリーブと同軸に組み合わせる調整スリーブと、給湯量調整孔と、を備えるダイカストマシンの射出装置と、予め設定された給湯量に基づいて、調整スリーブの回転角度を演算し、演算された回転角度となるように調整スリーブを回転させて、給湯量調整孔の位置を調整した後に、溶湯を注湯口から射出スリーブ内に給湯し、給湯量調整孔から溶湯の排出の完了を受けて、前記プランジャの前進動作を開始させる鋳造方法、を提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、射出スリーブ内に配置されたプランジャの前進動作により、前記射出スリーブ内に給湯された溶湯を金型キャビティ内に射出充填するダイカストマシンの射出装置及び鋳造方法に関する。
アルミニウム合金等の溶湯を用いた鋳造成形は、以下の手順で行われる。先ず、溶湯保持炉内から所定量の溶湯を射出スリーブ内に供給する(給湯という)。給湯の完了後に、プランジャを前進動作させて、射出スリーブ内の溶湯を金型キャビティ内へ射出充填し(射出充填工程という)、溶湯の充填密度を高める増圧工程と、溶湯の凝固収縮を補う保圧工程と、溶湯の冷却工程を経て、金型キャビティ内から鋳造品を取り出す。この鋳造成形の動作を、計画された鋳造品の個数を得るまで繰り返す。
給湯手段としては、例えば、密閉された溶湯保持炉内の溶湯を押圧して、溶湯を給湯管に排出して、給湯管を経由して溶湯を射出スリーブへ給湯する加圧式給湯手段が用いられる。溶湯の押圧には、加圧ガスを溶湯保持炉内に供給する手段や、溶湯に浸漬させたピストンシリンダを操作する手段等が用いられる。加圧式給湯手段は、大気圧の変動の影響を受けやすく、また、溶湯の押圧から溶湯の排出と給湯管内の溶湯流動及び射出シリンダへの給湯に至るまでに、複数の経路を経由するため給湯量は変動しやすい。
また、例えば、溶湯保持炉からラドルを用いて溶湯を汲み上げ、ラドルを操作して溶湯を射出スリーブへ給湯するラドル式給湯手段も広く用いられる。この場合、生産性を高めるために、ラドルの操作速度を速めることが検討されているが、ラドルから溶湯が漏れ落ちて給湯量が変動することになる。溶湯の漏れ落ちを低減するために、ラドルの操作速度を遅くすると、ラドル内の溶湯温度の変動が生じる。
この給湯量の変動や溶湯温度の変動は、射出充填工程や増圧工程及び保圧工程の溶湯の流動に影響し、湯ジワ、湯廻り不良、鋳巣、鋳バリ等の鋳造不良の原因となる。特に、給湯量の不足に起因する未充填不良の鋳造品は、補修もできず廃棄となる。また、増圧工程や保圧工程で溶湯の押圧による補充流動を確保するために、未充填不良を確実に回避することも含めて、射出スリーブ内には溶湯を多めに残すような給湯量の設定が一般的に使われている。そのため、溶湯の歩留まりは低下し、生産性の低下の原因となっている。
そこで、例えば、特許文献1に示すような、湯面検出センサを用いて、射出スリーブ内に給湯した溶湯の湯面高さを計測して給湯量を演算し、演算結果に基づいて射出条件を補正することが提案されている。これにより、給湯量の変動を補正でき鋳造品質の安定化が示されている。
特開2020-49503号
ここで、特許文献1に示す手段は、給湯量は変動するとの前提に基づいて、実際の給湯量の計測結果に基づいて射出条件を調整することが示されている。しかしながら、給湯直後の射出スリーブ内の溶湯は波打っており、湯面の高さは安定していないために正確な給湯量は計測できない。そのため、湯面が安定するまで、給湯完了から射出開始までにはタイムラグが生じる。このタイムラグにより溶湯温度は変動する。また、給湯量が足りないと判明したとしても、この時点では鋳造成形を停止することはできず、明らかに鋳造不良が発生すると分かっていても鋳造成形をしなければいけないという矛盾が生じる。つまり、特許文献1に示す手段では、給湯量や溶湯温度の変動を解消するものではなく、タイムラグという新たな課題により、矛盾した鋳造成形を行わされることにもなる。
そこで本発明は、給湯完了のタイミングの正確な検知と、給湯量の正確な調整と、溶湯温度の安定化を行うことができる、ダイカストマシンの射出装置及び鋳造方法を提供することを目的とする。
本発明のダイカストマシンの射出装置は、射出スリーブ内に配置されたプランジャの前進動作により、前記射出スリーブ内に給湯された溶湯を金型キャビティ内に射出充填するダイカストマシンの射出装置において、
前記射出スリーブは、先端側が前記金型キャビティと連通し、後方側に溶湯を供給する注湯口が設けられた本体スリーブと、前記注湯口より後方側に配置され、前記本体スリーブと同軸に組み合わせる調整スリーブ、とを備え、
前記調整スリーブは、給湯量調整孔を備え、前記射出スリーブに給湯された溶湯の一部を前記給湯量調整孔から排出して、前記射出スリーブ内の給湯量を調整する、ことを特徴とする。
本発明のダイカストマシンの射出装置において、軸を中心に任意の角度に回転させて、前記給湯量調整孔の位置を任意に変えることができる、ことが好ましい。
また、本発明のダイカストマシンの射出装置において、前記給湯量調整孔は、開閉可能とする、ことが好ましい。
さらに、本発明のダイカストマシンの射出装置において、前記給湯量調整孔から排出した溶湯を回収して再利用する回収容器を備える、ことが好ましい。
本発明のダイカストマシンの射出装置を用いた鋳造方法において、予め設定された給湯量に基づいて、前記調整スリーブの回転角度を演算し、前記回転角度となるように前記調整スリーブを回転させて、前記給湯量調整孔の位置を調整した後に、溶湯を前記注湯口から前記射出スリーブ内に給湯し、前記給湯量調整孔から溶湯の排出の完了を受けて、前記プランジャの前進動作を開始させる、ことを特徴とする。
本発明によれば、給湯完了のタイミングの正確な検知と、給湯量の正確な調整と、溶湯温度の安定化を行うことができる、ダイカストマシンの射出装置及び鋳造方法を提供することができる。
本発明に係るダイカストマシンの射出装置を示す概念図である。 図1に示す射出装置の詳細を示す断面図である。 図1に示す射出装置の給湯量の調整方法を示す図である。 図1に示す射出装置の給湯動作を示す図である。 図1に示す射出装置を用いた鋳造方法を示すフロー図である。
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組合せの全てが、各請求項に係る発明の解決手段に必須であるとは限らない。また、本実施形態においては、各構成要素の尺度や寸法が誇張されて示されている場合や、一部の構成要素が省略されている場合がある。
[射出装置]
先ず、本発明の実施形態に係るダイカストマシンの射出装置について、図1を用いて説明する。図1に示す射出装置100は、本体スリーブ21と、調整スリーブ51と、射出駆動部30と、射出制御部40と、を備える。本体スリーブ21と調整スリーブ51は円筒形状であり、円筒の軸線上に配置され、本体スリーブ21と調整スリーブ51が一体に組み合わさって射出スリーブ20を形成する。本体スリーブ21と調整スリーブ51の内径(射出スリーブ20の内径)は同じであり、進退自在に摺動するプランジャ22が射出スリーブ20内に配置される。
射出スリーブ20は、図示しない型締装置に支持された固定金型11と可動金型12が型締して形成される金型キャビティ13のゲート14と連通するように、固定金型11の所定の位置に固定される。金型キャビティと反対側からプランジャ22が射出スリーブ20内に挿入される。射出スリーブ20に給湯された溶湯は、プランジャ22の動作によりゲート14を経由して金型キャビティ13内に射出充填され、射出充填した溶湯が冷却固化して鋳造品が成形される。この動作を鋳造成形という。プランジャ22はロッド23により射出駆動部30と連結される。射出制御部40の制御指令に基づいて、射出駆動部30を操作して、プランジャ22が動作する。射出駆動部30は、例えば、油圧で駆動する油圧シリンダをもちいたものとしても良く、回転動作を直線動作に変換するボールネジ機構と電動モータを組み合わせたものであっても良い。両者を組み合わせたものでも良い。
ここで、プランジャ22の動作に関し、金型キャビティ13に近い方向を前方F、前方F方向への動作を前進動作、金型キャビティ13から遠い方向を後方B、後方B方向への動作を後退動作と定義する。また、本体スリーブ21の後方B側に注湯口24が設けられており、プランジャ22の後退動作の完了位置を待機位置BEとし、プランジャ22が待機位置BEに待機している間に、注湯口24から射出スリーブ20内へ溶湯が給湯される。また、プランジャ22の前進動作の完了位置を射出完了位置FEとし、プランジャ22は後退限位置BEと射出完了位置FEの範囲内で前後進動作する。なお、射出スリーブ20およびプランジャ22には、必要に応じて、冷却水等の冷却媒体が流れる流路を含む図示しない冷却機構が設けられている。また、プランジャ22の摩耗損傷の防止や摺動状態の安定化及び溶湯残渣物の付着抑制等のため、射出スリーブ20とプランジャ22との摺動面に潤滑剤を塗布することが好ましい。なお、図1に示す射出装置100は、横型の鋳造成形機をベースとしたが、これに限定されるものではない。
調整スリーブ51は、本体スリーブ21の後方B側の端部に配置される。詳しくは、図2を用いて説明する。図2(a)は調整スリーブ51の軸方向の断面図を示し、図2(b)は図2(a)のA-A断面図を示す。
図2(a)に示すように、調整スリーブ51と本体スリーブ21は、凹凸の嵌め合い構造で連結される。射出スリーブ20内に給湯した溶湯Mが漏れ出ないように、例えばシール部材56が合わせ面に配置される。また、本体スリーブ21の内周面21Uと調整スリーブ51の内周面51Uは面一であり、内周面21Uと内周面51Uをプランジャ22が前後方向に摺動する。この際に、摩耗防止や摺動の安定化のために、例えばプランジャ22に潤滑剤を塗布しても良い。また、プランジャ22や調整スリーブ51及び本体スリーブ21に、冷却水等の冷却媒体が流れる流路を含む図示しない冷却機構を設けても良い。
また、図2(a)及び図2(b)に示すように、調整スリーブ51は複数の連結支持部55により本体スリーブ21に連結支持される。具体的には、連結支持部55の先端部55Sが、調整スリーブ51の連結支持溝51Rに勘合することで、調整スリーブ51は本体スリーブ21と連結支持される。連結支持部55は、図示しない駆動装置で操作され、先端部55Sと連結支持溝51Rの勘合が解除されると、本体スリーブ21から調整スリーブ51を取り外すことができる。なお、図2に示す連結支持部55は、上下の2か所の配置としたが、これに限定されることなく、左右の2か所としても良く、または上下左右の4か所、あるいはこれ以上の配置としても良い。
また、調整スリーブ51は、回転支持部52により、射出スリーブ20の前後方向の軸を中心に任意の角度に回転し、任意の角度で固定されるようになっている。そのために、調整スリーブ51の連結支持溝51Rは、円周方向に連続した形状とすることが好ましい。また、調整スリーブ51の回転動作時は、連結支持部55の連結力を緩和し、回転停止時は連結支持部55の連結力を増大させる調整を行うことが好ましい。なお、回転支持部52は、電動モータや油圧モータ等の回転駆動力を発生させるものを用いる。また、回転支持部52と調整スリーブ51の回転伝達は、例えば、調整スリーブ51と回転支持部52が一対となった歯車伝達やベルト伝達の公知の伝達手段を用いるものとする。
ここで、調整スリーブ51の回転動作は、調整スリーブ51に設けた給湯量調整孔LHの位置を変え、射出スリーブ20内に給湯量の調整を行うためである。射出制御部40で設定された給湯量設定値に基づいて、射出制御部40と接続された給湯量制御部54で、調整スリーブ51の回転角度が演算される。回転駆動部53は、給湯量制御部54の演算結果に基づいて、回転支持部52を操作して調整スリーブ51を所定の位置に回転動作させる。なお、注湯口24(破線で表示)は、鉛直上方のままで変化しない。
[給湯量の調整方法]
次に、図1に示す射出装置を用いた射出スリーブの給湯量の調整方法について、図3を用いて説明する。なお、図3において、給湯量の調整方法の説明に必要な部位のみを選択して表示しており、不要な部位は表示も説明も割愛する。
図3(a)に示す状態を基準位置とする。射出装置100の設計段階で設定された、射出スリーブ20への標準給湯量を示す位置に、調整スリーブ51の給湯量調整孔LHが配置される。仮に、給湯量調整孔LHよりも多めの溶湯量を射出スリーブ20内に給湯したとしても、給湯量調整孔LHから溶湯Mは排出され、射出スリーブ20内の溶湯量は、給湯量調整孔LHと同じ位置に自動調整される。つまり、給湯量調整孔LHの位置を調整することで、射出スリーブ20の給湯量が自動調整されることになる。なお、図3に示す基準位置は、説明を簡素化するために給湯量調整孔LHを水平位置としたが、任意の位置に設定しても良い。
この基準位置よりも給湯量を増やす方向の調整を、図3(b)に示す。設定された給湯量に基づいて、給湯量制御部54で給湯量調整孔LHの回転位置を演算し、演算結果に基づいて回転駆動部53を操作して、回転支持部52により増加Hの方向へ調整スリーブ51を回転させ、給湯量調整孔LHの回転位置を調整する。調整後は、回転支持部52で位置保持させる。また、基準位置よりも給湯量を減らす方向の調整は、図3(c)に示すように、減少Lの方向へ調整スリーブ51を回転させ、給湯量調整孔LHの回転位置を調整する。このように、調整スリーブ51を回転させて、給湯量調整孔LHの回転位置を調整することで、射出スリーブ20の給湯量が任意に調整でき、精度の高い給湯量の調整を簡単に行うことができる。
[給湯動作]
次に、図1に示す射出装置を用いた射出スリーブの給湯動作について、図4を用いて説明する。なお、図4において、給湯動作の説明に必要な部位のみを選択して表示しており、不要な部位は表示も説明も割愛する。また、図示しない駆動源から供給される空圧や油圧を用いて前後進動作するシリンダを操作して、給湯量調整孔LHの開閉を行う開閉ピンPMを備えているものとして説明する。なお、開閉ピンPMを備えていない場合は、射出スリーブ20の給湯と給湯量調整孔LHからの溶湯Mの排出が同時進行するので、排出した溶湯Mの処理手段を事前に手配しておくことが好ましい。開閉ピンPMは、給湯量制御部54で操作される。
先ず、図4(a)に示すように、給湯量設定値に合致する給湯量調整孔LHの回転位置を調整する。給湯量調整孔LHは開閉ピンPMにより閉じられている。次いで、図示しない給湯装置等も用いて、図示しない溶湯保持炉から所定量の溶湯Mが、注湯口24から射出スリーブ20に給湯される。ここで、射出スリーブ20への給湯量は、給湯量調整孔LHよりも高い位置に溶湯Mが供給されるように調整する。これにより、仮に給湯量が大きく不足する方向に変動したとしても、未充填不良等の致命的な鋳造欠陥を確実に防止することができる。
溶湯Mの射出スリーブ20への給湯完了後は、図4(b)に示すように、開閉ピンPMを操作して給湯量調整孔LHを開放する。射出スリーブ20内の余分な溶湯Mは、給湯量調整孔LHより外部に排出され、給湯量の自動調整が行われる。排出された溶湯Mは、回収容器MHに溜められ、図示しない溶湯保持炉に搬送され再利用される。排出した溶湯Mの回収は、溶湯の歩留まり改善に大きく貢献する。また、射出スリーブ20への給湯の際に、溶湯Mが波打って空気を巻き込むことがある。あるいは、空気と触れて酸化膜を形成したり、潤滑剤と溶湯が混ざった混合物が混ざったりすることがある。この空気巻込みや酸化膜及び混合物の異物の混在は、ボイド、ブリスター、鋳巣、湯ジワ、鋳造品の強度低下等の鋳造不良の原因となる。これらの異物は比重が軽いので、溶湯Mの湯面付近に多く発生する。この給湯量調整孔LHからの余分な溶湯Mの排出時に、これらの異物を優先的に排出することができ、異物混入による鋳造不良の防止にも大きく貢献することができる。なお、異物が混入した溶湯の再利用においては、溶湯保持炉へ溶湯を搬送する前に、異物除去などの溶湯の精錬を行うことが好ましい。
また、射出スリーブ20への給湯開始と同時に、あるいは給湯の途中で、開閉ピンPMを操作して給湯量調整孔LHを開放し、溶湯Mの給湯と排出を同時に行うとしても良い。この場合は、射出スリーブ20内の給湯量の調整時間が短縮され、鋳造成形のサイクル短縮に貢献できる。
射出スリーブ20内の溶湯Mの湯面高さが、図4(c)に示すように、給湯量調整孔LHの高さと同等になると、給湯量調整孔LHからの溶湯Mの排出は自然に停止する。溶湯Mの排出停止の確認を受けて、開閉ピンPMを操作して給湯量調整孔LHを閉鎖して、給湯動作を終える。このように、調整スリーブ51を回転させて給湯量調整孔LHの位置を調整することで、射出スリーブ20内の給湯量を正確に調整でき、給湯量や溶湯温度の変動も解消できる。その結果、給湯量や溶湯温度の変動に起因する、湯ジワ、湯廻り不良、鋳巣、鋳バリ、未充填不良等の鋳造不良を確実に防止することができる。
[鋳造方法]
次に、図1に示す射出装置を用いた鋳造方法について、図5を用いて説明する。図5に示す鋳造成形は、説明しやすいように、工程A、工程B、工程Cの3つの工程とした。
先ず、工程Aから説明する。工程Aは、調整スリーブ51を回転させて給湯量調整孔LHの位置を調整する準備工程である。鋳造成形する鋳造品に応じた適正な溶湯量を給湯量設定値として射出制御部40に設定し、給湯量制御部54に情報転送する。給湯量制御部54は、給湯量設定値に基づいて調整スリーブ51の回転角度を演算し、演算結果を回転角度設定値として設定する。回転角度設定値に基づいて調整スリーブ51を回転させ、回転角度設定値の回転位置で調整スリーブ51の回転を停止させる。これにより、給湯量調整孔LHの位置が設定され、射出スリーブ20の給湯量の調整を終え、工程Bに進む。
工程Bは、射出スリーブ20への給湯動作と給湯量の調整を行う給湯工程である。図示しない給湯装置等を用いて、本体スリーブ21の注湯口24から溶湯Mを射出スリーブ20内に給湯動作を開始する。この段階での給湯量は、射出スリーブ20内の溶湯Mの湯面高さが、給湯量調整孔LHよりも高い位置となれば良くて、給湯量の精度は特に求めない。給湯装置による射出スリーブ20への給湯動作の完了後は、開閉ピンPMを操作して給湯量調整孔LHを開放し、射出スリーブ20内に給湯された溶湯Mを回収容器MHに排出する。溶湯Mの排出完了の確認を受けて、給湯量制御部54から射出制御部40へ給湯量の調整完了の情報転送を行う。射出制御部40は、情報転送を受けて、プランジャ22の前進動作を開始して、金型キャビティ13内への溶湯Mの射出充填を行う。
工程Bにおいて、給湯動作の完了は、給湯装置からの給湯完了信号を用いる。なお、例えば、給湯装置から給湯管等の中継部位を経由して射出スリーブ20へ溶湯を供給する場合では、給湯装置の給湯完了信号と実際の射出スリーブ20への給湯完了にタイムラグが生じることが考えられる。この場合は、射出スリーブ20の注湯口24に向けて配置した監視カメラ等を用いて、射出スリーブ20の給湯完了の検知を給湯完了信号として用いても良い。また、給湯量調整孔LHからの溶湯Mの排出完了による給湯量の調整完了の検知も、監視カメラやレーザ変位計等の非接触の計測手段を用いて検知することが好ましい。
給湯量調整孔LHが開放状態である場合や、給湯動作と溶湯Mの排出動作を同時に行いたい場合は、給湯動作の開始後に工程Cに進む。給湯動作と並行して、給湯量調整孔LHから射出スリーブ20内に給湯された溶湯Mが回収容器MHに排出される。溶湯Mの排出完了の確認を受けて、給湯量制御部54から射出制御部40へ給湯量の調整完了の情報転送を行う。射出制御部40は、情報転送を受けて、プランジャ22の前進動作を開始して、金型キャビティ13内への溶湯Mの射出充填を行う。工程Cでは、給湯動作の完了確認は不要となり簡素化される。また、給湯量調整孔LHから溶湯Mの排出完了による給湯量の調整完了の検知は、工程Bと同様な手段を使うことができる。また、工程B及び工程Cにおいて、回収容器MHに排出された溶湯Mは、異物等を除去して溶湯保持炉に搬送されリサイクルされる。
図5に示す鋳造方法により、鋳造成形する鋳造品に適正な給湯量を正確に調整することができる。また、給湯装置等の給湯手段の給湯精度に関係なく、射出スリーブ20内の給湯量を正確に調整できる。さらに、射出スリーブ20の給湯完了と給湯量の調整完了を精度良く検知できる。また、酸化膜や潤滑剤等の異物が混在した溶湯を優先的に排除することができ、これによって射出スリーブ20内の溶湯温度の安定化を得ることができる。そ
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明の技術範囲は、上述した実施形態に記載された範囲には限定されない。上記の実施形態には多様な変更または改良を加えることが可能である。
100 射出装置
11 固定金型
12 可動金型
13 金型キャビティ
14 ゲート
20 射出スリーブ
21 本体スリーブ
21U、51U 内周面
22 プランジャ
23 ロッド
24 注湯口
30 射出駆動部
40 射出制御部
51 調整スリーブ
51R 連結支持溝
52 回転支持部
53 回転駆動部
54 給湯量制御部
55 連結支持部
55S 先端部
56 シール部材
M 溶湯
LH 給湯量調整孔
PM 開閉ピン
MH 回収容器
F 前方
B 後方
BE 待機位置
H 増加
L 減少

Claims (5)

  1. 射出スリーブ内に配置されたプランジャの前進動作により、前記射出スリーブ内に給湯された溶湯を金型キャビティ内に射出充填するダイカストマシンの射出装置において、
    前記射出スリーブは、先端側が前記金型キャビティと連通し、後方側に溶湯を供給する注湯口が設けられた本体スリーブと、前記注湯口より後方側に配置され、前記本体スリーブと同軸に組み合わせる調整スリーブ、とを備え、
    前記調整スリーブは、給湯量調整孔を備え、前記射出スリーブに給湯された溶湯の一部を前記給湯量調整孔から排出して、前記射出スリーブ内の給湯量を調整する、ことを特徴とするダイカストマシンの射出装置。
  2. 前記調整スリーブは、軸を中心に任意の角度に回転させて、前記給湯量調整孔の位置を任意に変えることができる、請求項1記載のダイカストマシンの射出装置。
  3. 前記給湯量調整孔は、開閉可能とする、請求項1または2のいずれか1項に記載のダイカストマシンの射出装置。
  4. 前記給湯量調整孔から排出した溶湯を回収して再利用する回収容器を備える、請求項1から3のいずれか1項に記載のダイカストマシンの射出装置。
  5. 請求項1から4に記載のダイカストマシンの射出装置を用いた鋳造方法において、
    予め設定された給湯量に基づいて、前記調整スリーブの回転角度を演算し、前記回転角度となるように前記調整スリーブを回転させて、前記給湯量調整孔の位置を調整した後に、溶湯を前記注湯口から前記射出スリーブ内に給湯し、前記給湯量調整孔から溶湯の排出の完了を受けて、前記プランジャの前進動作を開始させる、ことを特徴とする鋳造方法。
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