JP2003164961A - 軽金属射出成形機 - Google Patents

軽金属射出成形機

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JP2003164961A
JP2003164961A JP2001364533A JP2001364533A JP2003164961A JP 2003164961 A JP2003164961 A JP 2003164961A JP 2001364533 A JP2001364533 A JP 2001364533A JP 2001364533 A JP2001364533 A JP 2001364533A JP 2003164961 A JP2003164961 A JP 2003164961A
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molten metal
injection
melting furnace
plunger
pool
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JP2001364533A
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Misao Fujikawa
操 藤川
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Sodick Co Ltd
Sodick Plustech Co Ltd
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Sodick Co Ltd
Sodick Plustech Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】ダイカスト成形機において精密な計量と射出が
でき、メンテナンスが容易で、材料供給装置が簡単な軽
金属射出成形機を提供する。 【解決手段】射出装置10の射出シリンダブロック20
が、溶解炉から供給される溶湯を一旦貯留する溶湯溜ま
り22と、射出ノズル11のノズル孔11a、射出シリ
ンダ21の射出室23の先端、および溶湯溜まり22の
底部の溶湯通路入口26aに連通する溶湯通路26とを
備え、溶湯がこの溶湯溜まり22から射出室23にその
前方から供給されて計量され、射出室23の前方から溶
湯通路24に射出されて充填されるので、計量と射出と
が正確に行われるとともに、圧力や温度変動も抑制され
る。そして、溶湯溜まりに補充される溶湯湯量の変動が
多少許容されるので、溶解炉から射出装置10に溶湯を
供給するための給湯装置が簡単なもので良い。また、本
発明によれば、射出シリンダブロック20を簡単に交換
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マグネシウム、ア
ルミニウム等の軽金属材料を射出成形する軽金属射出成
形機に関する。より詳細には、本発明は、軽金属材料を
溶解する溶解炉と、金型に前記金属材料の溶湯を射出す
る射出装置と、前記溶解炉から前記射出装置に前記溶湯
を導入する連結管と、を備えた軽金属射出成形機であっ
て、精密な成形に適した軽金属射出成形機に関する。さ
らに、本発明は、前記軽金属射出成形機に好適な形態
の、前記溶解炉から前記射出装置に前記溶湯を供給する
給湯装置を備えた軽金属射出成形機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、金属溶湯が貯留される溶解炉中に
縦型の射出装置が浸漬状態で配置される射出成形機があ
る。この射出成形機は、溶解炉中に縦型に配置されたプ
ランジャを内蔵する射出装置と、射出装置とは別に金型
に当接するように設けられた射出ノズルとが、溶湯通路
によって連結された構成である。射出装置の射出シリン
ダ中の射出室に溶解炉中から直接供給された溶湯は、昇
降制御されるプランジャによって射出室から溶湯通路、
射出ノズルを経由して金型に射出充填される。これに対
して、個別に備えられた溶解炉と射出装置とが連結管に
よって接続され、射出装置に備えた射出ノズルが金型に
当接する射出成形機がある。溶解炉中の溶湯は、連結管
を経由して射出装置の射出シリンダに供給され、射出シ
リンダの中で移動するプランジャによって射出室から押
し出されて金型に射出充填される。
【0003】一般的に、前者の射出成形機は、その射出
装置が溶解炉の中に収容されるので、溶解炉が大きくな
る。また、前者は、射出装置が溶解炉中に浸漬されるよ
うに構成されているのでそれらの保守管理が面倒であっ
た。そこで、本発明は、上記問題点に鑑みて、後者の射
出成形機に属するものを提案する。
【0004】この種の射出成形機として、例えば、特開
平5−069104号公報(以下先行技術と称す。)
が提案されている。この公報の射出成形機(ダイカスト
機)は、溶解炉(溶湯保温炉)と射出装置とを個別に備
えるとともに溶解炉と射出装置の射出室とを短い連結管
(連絡管)によって連通して、射出室に送られた溶湯を
射出装置の射出ノズルから金型に射出する。この成形機
の射出装置では、連結管が射出室の中間位置に開口して
いる。それで、プランジャがある程度後退した位置に達
した後に初めて射出室が連結管に連通する。連結管は、
溶解炉と射出装置の射出室とを単に連通する連水管であ
る。また、この種の射出成形機として、特開平8−16
8864号公報(以下先行技術と称す。)が提案され
ている。この公報の射出成形機(ダイカストマシン)
は、射出室(加圧室)と溶解炉との間に溶湯室を備え
る。溶湯室は、射出装置に備えられて溶解炉に連水管で
ある連結管(給湯管)で連結される。そして、射出室と
溶湯室とが射出スリーブに沿って形成された多数の溝で
ある連通路によって連通される。この射出成形機は、溶
湯室を備える構成において上記先行技術と異なるが、
ある程度プランジャが後退(上昇)したときに初めて溶
湯室からの連通路が射出室に開口する構成においては、
先行技術と同じである。
【0005】また、この種の射出成形機に類似する射出
成形機として、特許2576698号公報(以下先行技
術と称す。)が提案されている。この公報の射出成形
機(金型鋳造装置)は、溶解炉(貯槽)と射出装置(鋳
込みスリーブを含む)とを別体に備えるとともに両者を
連結管(導管)によって連通する射出装置であるが、射
出装置が金型に組み込まれている点で先行技術、と
やや異なる構成である。そして、溶解炉には、ピストン
の往復動作によって溶湯を射出装置に供給するポンプ装
置が備えられる。また、この種の射出成形機に類似する
射出成形機として、特許2866215号公報(以下先
行技術と称す。)が提案されている。この射出成形機
(ダイカストマシン)は、溶解炉とホットランナ式射出
装置とを別体に備えるとともに両者を連結管(湯道管)
によって連通する射出装置を備える。そして、射出成形
機は、溶解炉内の溶湯の液面高さとホットランナ室中の
ホットランナノズル部の高さとを同一にする液面高さ調
整装置を溶解炉内に備える。この射出成形機では、射出
によって消費されるホットランナ室の溶融金属が連水管
の原理によって自然に補充される。この射出装置も、金
型に組み込まれる点で先行技術、とやや異なる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記先
行技術の射出成形機は、つぎのような解決すべき課題を
含んでいる。
【0007】上記先行技術あるいはに記載された射
出装置では、上記連結管あるいは溶湯室からの連通路の
射出室側の開口が射出室の中間位置にある。それで、射
出室への溶湯の供給は、プランジャをこの開口位置より
後方まで後退させることによって行われ、射出は、プラ
ンジャをこの開口位置から所定距離前進させることによ
って行われる。したがって、この射出室への溶湯の供給
は、厳密な意味では計量でなく、溶湯の吸引である。そ
して、射出の際に成形に供される溶湯の量、すなわち射
出量は、この開口位置からのプランジャの前進距離によ
って決定される。このような射出装置においては、プラ
ンジャが後退してその先端が上記開口に達するまでの間
に射出室内に負圧が発生し、溶湯中にわずかに含有する
ガスが射出室内に抜け出す虞がある。冷却中の成形品に
よって射出ノズル先端が塞がった状態で、プランジャが
後退するからである。そして、射出室が開口した途端に
溶湯が急激に射出室に注入されので、溶湯に密度ムラが
発生する。特に先行技術においては、プランジャの後
退時に、射出シリンダの後端から空気が侵入する虞もあ
る。それで、溶湯の性状が微妙に変化するとともに密度
もわずかに変化して、射出量が微妙に変動し、成形品の
品質がわずかであっての不安定になる。また、射出動作
が常にこの開口位置が塞がる位置を起点に開始されるの
で、プランジャをその位置まで前進させる動作の時間的
な無駄や射出開始位置精度のばらつきが発生する。ま
た、成形品が小さい場合に射出完了時点で射出室に残る
溶湯が多くなる。この場合、射出量を特に精密に制御す
ることが難しくなり、超精密な成形品を成形することが
困難になる。また、プランジャに装着されているピスト
ンが上記開口を横断するので、ピストンのこの開口に摺
接する部分が損傷しやすい問題もある。
【0008】一方、上記先行技術では、プランジャの
後退開始直後から溶湯が鋳込みスリーブの前方から供給
されるので、上記のような負圧をほとんど発生させるこ
となく計量が行われる。そして、必要な量の溶湯が計量
され必要な量が射出される。それで、通常の成形におい
て計量や射出の精密さが問題になることはほとんど無
い。しかし、特に精密な成形が求められる場合には、鋳
込みスリーブでの負圧の発生を完全に抑えるためにプラ
ンジャの溶湯を吸引する速度とポンプ装置の溶湯を供給
する速度とをうまく調和(一致)させる必要があるあ
る。この射出装置が鋳込みスリーブとポンプ装置とを導
管によって直接に接続する構成であるからである。それ
で、正確に安定して溶湯を供給する給湯装置が必要にな
るが、このような性能を満足するとともに高温溶湯に曝
されても支障がないポンプ装置は、その価格が高価にな
り、そのメンテナンスも大変である。一方、先行技術
では、ホットチャンバ室への溶湯の供給が計量ではなく
補充として行われるので、上記先行技術のような給湯
装置が不要である。そして、負圧がほとんど発生しな
い。それで、通常の成形において射出制御が問題になる
ことはない。しかしながら、成形品が小さい場合には、
上記先行技術やと同様に、射出完了時点でのホット
ランナ室に多くの溶湯を残すことになり、特に精密な射
出量制御には好ましくない。
【0009】また、上記先行技術、およびのいず
れの構成においても、射出する際に溶湯がプランジャに
沿って射出シリンダ後方の外部に漏れる虞がある。射出
時に射出室に発生する射出圧力が高圧であるから、プラ
ンジャと射出シリンダとのわずかな隙間から溶湯が漏れ
る虞を否定できないからである。この漏れが発生した場
合には、これら先行技術のいずれの構成においても溶湯
が射出シリンダの後端から外部に露出して、漏出溶湯が
射出シリンダ後端に固化して堆積し、プランジャの動き
を阻害する。また、射出シリンダ後端やプランジャのシ
ャフト部分が外部に露出しているので、射出シリンダ後
端やプランジャの温度低下が避けられず、射出室の溶湯
温度がわずかであっても変動する虞がある。
【0010】また、上記先行技術、の装置では、射
出装置が金型装置の下部に組み込まれているので、金型
装置が特殊になることに加えて、射出装置からの熱伝導
によって金型に局部的な熱変位が発生する虞がある。熱
変位が局部的に発生すると、精密成形をする際に悪い影
響が発生する。
【0011】また、高温の金属溶湯を扱う射出装置にお
いては、特に、射出シリンダやプランジャのメンテナン
スがしばしば必要となる。これらのメンテナンスは、射
出シリンダの中に高温の溶湯が入るので、固化した軽金
属を除去する長時間の作業を伴う。このため、射出装置
のこれらの部分が容易に分解・組立され交換されること
が求められる。
【0012】一方、溶解炉においては、その側面に連結
管を備えた構造が避けられるべきである。溶解炉の連結
管が取り付けられる箇所での加熱が途切れるので、溶湯
の加熱効率が若干低下し、溶湯の均一な加熱にも悪影響
が出るからである。また、分解組立を伴うメンテナンス
作業も難しくなる。また、溶湯の供給装置は、精密なポ
ンプ等を必要としない簡単な構成であることが望まし
い。このような供給装置は、溶湯の供給速度が多少変動
しても良い射出装置に組み合わされる場合にのみ採用可
能になる。そこで、供給装置は、射出装置の構成と合わ
せて改良される必要がある。
【0013】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、通常の金型を使用することができることは当然の解
決課題として、より精密な成形が可能となるような軽金
属射出成形機を提案する。このため、計量と射出がより
正確に安定して再現性良く行われ、射出装置の外部に溶
湯漏れが発生せず、溶湯の温度変動が極力抑制される軽
金属射出成形機を提案する。また、本発明は、メンテナ
ンスが容易な射出装置を備えた軽金属射出成形機を提案
する。
【0014】さらに加えて、本発明は、上記軽金属射出
成形機に組み合わせるのに好適な溶湯の供給装置であっ
て、その構造が単純で、簡単な操作とともにわずかな低
圧ガスを供給するだけで溶湯を溶解炉から射出装置に自
然に補給することができる供給装置を備えた軽金属射出
成形機を提案する。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の軽金属射出成形機(100)は、溶解炉(60)と射
出装置(10)とそれらを連通する連結管(90)を備
え、溶解炉(60)中の軽金属溶湯を射出装置(10)
に導入して、射出装置(10)から型締装置(102)
の金型(104)に射出する軽金属射出成形機であっ
て、射出装置(10)が、プランジャ(30)と、プラ
ンジャ(30)を昇降制御するプランジャ駆動装置(3
1)と、プランジャ(30)が進退可能に挿通される射
出シリンダ(21)と、射出シリンダ(21)を含む射
出シリンダブロック(20)と、射出シリンダ(21)
に連通する射出ノズル(11)と、を備え、射出シリン
ダブロック(20)が、射出シリンダ(21)の上端に
接して形成されるとともに連結管(90)に連通する溶
湯溜まり(22)と、射出ノズル(11)のノズル孔、
射出シリンダ(21)の射出室(23)の先端、および
溶湯溜まり(22)に連通する溶湯通路(26)と、を
含み、溶湯通路(26)が、溶湯溜まり(22)に挿通
された状態で昇降する逆止弁(41)によって開閉され
ることを特徴とする。
【0016】また本発明の請求項2に記載の軽金属射出
成形機(100)は、請求項1に記載の軽金属射出成形
機(100)において、射出シリンダブロック(20)
を固定する、射出成形機(100)のスライドプレート
(103)上のベースブロック(106)と、逆止弁
(41)を含む逆止装置(40)、射出シリンダブロッ
ク(20)のシリンダ蓋(25)、および射出シリンダ
ブロック(20)を跨ぐようにしてスライドプレート
(103)上に固定される門形フレーム(105)と、
プランジャ駆動装置(31)を門形フレーム(105)
の天板(108)に固定する中継ぎ部材(107)と、
を備え、射出シリンダブロック(20)とベースブロッ
ク(106)とが両者の間に形成された第1の嵌め合い
部(51)によって位置決めされ、シリンダ蓋(25)
と門形フレーム(105)の天板(108)の下面とが
両者の間に形成された第2の嵌め合い部(52)によっ
て位置決めされ、中継ぎ部材(107)と門形フレーム
(105)の天板(108)の上面とが両者の間に形成
された第3の嵌め合い部(53)によって位置決めされ
ることを特徴とする。
【0017】また本発明の請求項3に記載の軽金属射出
成形機(100)は、請求項1に記載の軽金属射出成形
機(100)において、溶解炉(60)と溶湯溜まり
(22)に略等しい第1の低圧ガスが供給され、溶解炉
(60)が、溶解炉(60)の溶湯を導入する溶湯供給
口(71a)をその底部に有する供給容器(71)と、
溶湯供給口(71a)に接離する開閉弁(73)と、開
閉弁(73)を溶解炉(60)の外部から昇降する昇降
装置(75)と、昇降装置(75)を支持するとともに
前記第1の低圧ガスより高い第2の低圧ガスを供給容器
(71)に注入可能な支持部材(76)と、からなる給
湯装置(70)を備え、連結管(90)が、供給容器
(71)中の溶湯と溶湯溜まり(22)中の溶湯とを連
通するように、かつその中間部が溶解炉(60)を跨ぐ
ように配置されて、前記金属溶湯が最初に溶湯溜まり
(22)に供給される際には、給湯装置(70)が開閉
弁(73)を上昇して前記金属溶湯を供給容器(71)
に充満した後、開閉弁(73)を下降し供給容器(7
1)に前記第2の低圧ガスを注入する一方、前記溶湯が
供給容器(71)から溶湯溜まり(22)に供給された
後には、溶解炉(60)と前記溶湯溜まり(22)とに
略等しい圧力の第一の低圧ガスが注入されるとともに溶
湯溜まり(22)に貯留される前記溶湯の液面高さと溶
解炉(60)に貯留される前記溶湯の液面高さとが略一
致するように維持されることを特徴とする。
【0018】なお、上記の括弧内の符号は、図面と対応
する要素を示す便宜的なものであり、本記述が本発明を
図面上の記載例に限定拘束するものではない。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の軽金属射出成形機
(以下、単に射出成形機と称す。)が、その実施態様と
ともに説明される。図1は射出成形機の主要部の全体配
置を示す立面図、図2は射出装置の詳細を示す立面図で
ある。
【0020】まず、射出成形機100の全体が図1によ
って説明される。射出成形機100の機台101上に
は、従来公知の横型型締装置102が搭載される。横型
型締装置102の近傍には、後に説明される縦型の射出
装置10と溶解炉60とが1つのスライドプレート10
3上に搭載される。スライドプレート103は、図示省
略された駆動装置によって射出装置10を機台101上
で型締装置102に対して前後に移動する。射出成形機
100が従来の横型射出成形機のように配置されるの
で、射出装置10の射出ノズル11が型締装置102の
金型104に対して離接する従来公知のノズルタッチ動
作が可能である。そして、射出成形機100は、成形品
取り出しの容易さなどの従来の横型型締装置のメリット
をそのまま享受することができる。また、射出成形機1
00が射出装置10と型締装置102とに分離している
ので、金型に余分な熱が伝わらない。もちろん、射出成
形機100は特殊な金型を必要としない。
【0021】つぎに射出装置10の詳細が図2によって
説明される。射出装置10は、後に説明される射出シリ
ンダ21を含む射出シリンダブロック20と、射出シリ
ンダ21内で昇降制御されるプランジャ30と、後に説
明される逆止装置40とを主要な構成要素として含む。
【0022】プランジャ30は、射出シリンダ21の内
径よりわずかに小さい外径のヘッド部30aと、それよ
りわずかに小径のシャフト部30bとを備えている。ヘ
ッド部30aには、図示省略されたピストンリングが装
着される。プランジャ駆動装置31は、従来公知の駆動
機構で良く、例えば、油圧シリンダ32が、スライドプ
レート103上の門形フレーム105上に固定される。
門形フレーム105は、後に詳細に説明される。油圧シ
リンダ32のピストンロッド33の先端とプランジャ3
0の後端とがカップリング34によって接続され、プラ
ンジャ30が油圧シリンダ32によって駆動される。そ
れで、プランジャ30は、射出シリンダ21中で射出時
に前進し、計量時に後退する。プランジャ30の位置
は、図示省略したプランジャ30の位置検出器によって
検出されてフィードバックされる。もちろん、プランジ
ャ駆動装置31は、リニアモータ、あるいはボールねじ
とサーボモータとの組み合わせでなる電動駆動装置であ
っても良い。
【0023】射出シリンダブロック20は、全体が略円
筒状のブロックで、スライドプレート103上に取り付
けられる。射出シリンダブロック20の型締装置側の側
面には、先端に射出ノズル11が取り付けられたノズル
アダプタ12が取り付けられる。また、溶解炉60側の
側面には、後に説明される連結管90が接続される。
【0024】射出シリンダブロック20には、プランジ
ャヘッド30aが移動する第1の円筒穴としての射出シ
リンダ21と、射出シリンダ21の内径より大きい第2
の円筒穴としての溶湯溜まり22とが形成される。射出
シリンダ21の上端は、溶湯溜まり22の底部に連な
る。射出シリンダ21の内壁には、耐摩耗性のライニン
グ層が貼られる。このような射出シリンダ21のプラン
ジャヘッド30aより前方の空室が射出室23になる。
この射出室23は、プランジャ30のストロークが射出
シリンダ21全長より短いので、溶湯溜まり22に直接
連通することがない。溶湯溜まり22は、その側面に連
結管90に連通する透孔24が形成されるとともにその
上部にシリンダ蓋25が取り付けられる。それで、溶解
炉から連結管90を経由して供給される溶湯が外部の空
気に触れることなく溶湯溜まり22に一時貯留される。
貯留される溶湯は、少なくとも数回分の射出量(計量湯
量)に相当する量、好ましくは5回分前後の射出量に相
当する量に調整される。この調整の詳細は後に説明され
る。貯留されるべき溶湯の湯量は、図示省略した公知の
液面レベル検出器、例えば、3本の電極棒をシリンダ蓋
25から溶湯溜まり22に垂下した液面レベル検出器に
よって検出され、監視される。この場合、電極棒は、長
尺のコモン電極とそれよりやや短い下限検出電極とさら
に短い上限検出電極とからなる。計量開始前に溶湯湯量
がその上限と下限との間にある限り、溶湯湯量の多少の
変動が許容される。溶湯湯量がその下限を下回る場合に
は、図示省略した制御装置が異常と判断して後に説明さ
れるような制御を行う。この下限の位置は、透孔24よ
り上方に設定される。
【0025】射出ノズル11とノズルアダプタ12と射
出シリンダブロック20には、溶湯溜まり22の底部で
開口した溶湯通路入口26aからノズル孔11aに至る
溶湯通路26が形成される。この溶湯通路26は、途中
で分岐して射出室23の先端に連通する。この溶湯通路
入口26aは逆止弁41が密着する弁座形状に形成され
る。
【0026】シリンダ蓋25には、後に説明される逆止
弁41が昇降する孔とプランジャ30が昇降する孔とが
形成される。また、シリンダ蓋25には、溶湯溜まり2
2に第1の低圧ガスを注入するガス注入口25aが形成
される。注入される第1の低圧ガスは、高温で大気圧よ
りわずかに高い低圧の耐酸化ガスや不活性ガスで、逆止
弁41やプランジャ30が昇降するシリンダ蓋25の孔
から適宜漏れ出す。このガスを注入する第1の目的は、
溶湯溜まり22中の空気をパージして溶融金属が酸化さ
れないようにするためである。ガス注入の第2の目的
は、成形運転中に溶湯溜まり22のガス圧力を後に説明
される溶解炉60の溶湯容器61のガス圧力に略等しく
するためである。
【0027】射出シリンダブロック20の射出室23や
溶湯溜まり22が形成された部位の側面、およびノズル
アダプタ12や射出ノズル11の外周は、射出室23、
溶湯溜まり22、および溶湯通路26の溶湯の温度が変
化しないように、ヒータ27で加熱される。
【0028】逆止装置40は、逆止弁41と逆止駆動装
置42とからなる。逆止弁41は、先端が錘体の円柱棒
体で、その先端が溶湯通路入口26aに押接されたとき
にその弁座に密着する。逆止駆動装置42は、つぎのよ
うに構成される。L字形レバー43が回動自在にシリン
ダ蓋25に取り付けられ、流体シリンダ44がブラケッ
ト45を介してシリンダ蓋25に取り付けられる。そし
て、L字形レバー43の一端が逆止弁41の上端に回動
可能に取り付けられ、L字形レバー43のもう一方の端
部が流体シリンダ44のロッドの先端に回動可能に取り
付けられる。それで、流体シリンダ44のロッドが進退
することによって逆止弁41の先端が溶湯中で昇降し
て、溶湯通路入口26aが開閉される。
【0029】以上のように射出装置10が構成されるの
で、計量がつぎのように精密に行われる。計量のために
プランジャ30が後退するとき、溶湯溜まり22の溶湯
が溶湯通路26を経由して射出室23の先端から射出室
23に円滑に吸引される。射出室23には、射出に必要
な量の溶湯だけが計量される。このとき、射出シリンダ
21の後端が溶湯溜まり22の溶湯中に浸漬されるとと
もに、溶湯溜まり22がほぼ大気圧に近い第1の低圧ガ
スで満たされている。それで、射出室23中に負圧が発
生することが全くなく、空気やガスの巻き込みや発泡も
発生することがない。加えて、プランジャ30のシャフ
ト部30bの大部分が溶湯溜まり22の溶湯中あるいは
溶湯溜まり22の高温ガス中にあるので、プランジャ3
0の温度低下もほとんど発生しない。その結果、溶湯温
度の変動が充分に抑えられる。こうして、本発明の射出
装置10は、一定温度、一定圧力の溶湯の精密な計量を
可能にする。万一、射出時に、プランジャ30と射出シ
リンダ21とのわずかな隙間から溶湯が後方に漏れ出し
ても、漏出溶湯が溶湯溜まり22に戻るだけである。し
かも、このような漏れの発生が射出装置10の制御装置
によってクッション量の増減として直ちに検出されるの
で、この漏れが重大な支障をすぐに引き起こすことはな
い。
【0030】また、以上のような射出装置10の構成に
よって、射出もつぎのように精密に行われる。射出直前
に逆止弁41が溶湯通路入口26aの弁座に強く押接さ
れる。また、逆止弁41の大部分が溶湯溜まり22の溶
湯中に、あるいは溶湯溜まり22の高温ガス中にある。
そして、射出に必要な量の溶湯だけが計量されるので、
射出完了時点でのプランジャの前進位置が射出室の先端
近くになり、余分な溶湯が射出室に残らない。それで、
射出室23から射出される射出量が一定になるとともに
溶湯の温度変動も抑制される。その結果、一定温度の溶
湯の精密な射出が可能になる。万一、逆止弁41と溶湯
通路入口26aとの間で溶湯の漏れが生じても、漏出溶
湯が溶湯溜まり22に戻るだけであるから何の支障も発
生しない。この漏れも、射出装置10の制御装置によっ
てクッション量の増減として直ちに検出されるからであ
る。もちろん、射出シリンダ21の側面に開口あるいは
溝が形成されていないので、射出時にプランジャ30の
ピストンリングが損傷することもない。
【0031】本発明の射出装置10は、図3のように、
射出シリンダブロック20とプランジャ駆動装置31と
が門形フレーム105を介して容易に分解、組み付け可
能になるように、縦型に構成された射出装置10に以下
のような構成が加わる。なお、つぎの説明にある嵌め合
い部は、互いに組み合わされる2個の部材に形成され
た、凸部材と凹部材との組み合わせを総称する、所謂
“いんろー”である。一方の部材の凸部材ともう一方の
部材の凹部材との組み合わせは、凸部材と凹部材とが緊
密に嵌まり合う際に、両部材の位置関係を画一に決定す
る。
【0032】射出シリンダブロック20は、スライドプ
レート103上に取り付けられたベースブロック106
に固定される。プランジャ駆動装置31は、射出シリン
ダブロック20を跨ぐようにしてスライドプレート10
3に取り付けられた門形フレーム105上に中継ぎ部材
107を介して固定される。そして、射出シリンダブロ
ック20の下面とベースブロック106の上面とに第1
の嵌め合い部51が形成され、門形フレーム105の天
板108の下面と射出シリンダブロック20のシリンダ
蓋25の上面とに第2の嵌め合い部52が形成され、門
形フレーム105の天板108上面と中継ぎ部材107
の下面とに第3の嵌め合い部53が形成される。これら
の嵌め合い部51、52、53は、各部材の機械加工の
段階で形成される。中継ぎ部材107には、カップリン
グ34を外部から着脱する第1の切り欠き107aと、
逆止装置40との干渉を避ける第2の切り欠き107b
が設けられる。
【0033】射出シリンダブロック20とプランジャ駆
動装置31とが門形フレーム105とともに組み付けら
れるときに、これらが鉛直線上で真直に配列されるよう
に、門形フレーム105とベースブロック106のスラ
イドプレート103に対する取り付け位置が工場で調整
される。位置調整された門形フレーム105とベースブ
ロック106は、図示省略した公知の位置決めピン等に
よってスライドプレート103に固定される。それで、
ユーザの現場で作業者が射出シリンダブロック20やプ
ランジャ駆動装置31を再組み立てする際に、これらの
中心位置を容易に合わせることができる。このとき、射
出シリンダブロック20がベースブロック106に対し
て最初に調整された位置に容易に組み付けられ、門形フ
レーム105がスライドプレート103に対して最初に
調整された位置に容易に組み付けられるからである。も
ちろん、門形フレーム105の下部と射出シリンダブロ
ック20との間にも嵌め合い部が形成されるとなお良
い。門形フレーム105下部と射出シリンダブロック2
0の相互の中心位置が嵌め合い部によって決まり、その
結果、全ての構成部材の位置が嵌め合い部によって決ま
るからである。
【0034】以上のような構成において、射出シリンダ
ブロック20、プランジャ30、およびプランジャ駆動
装置31は、つぎにように分解され、組み付けられる。
まず、プランジャ30のカップリング34を外す。そし
て門形フレーム105の取り付けボルトと位置決めピン
を外してから、プランジャ駆動装置31を門形フレーム
105とともに引き上げて別の場所に置く。つぎに、射
出シリンダブロック20と連結管90の接続、および射
出シリンダブロック20とベースブロック106の接続
を解除した後に、射出シリンダブロック20をプランジ
ャ30や逆止装置40とともにベースブロック106か
ら取り外し、そのまま吊り上げて回収する。つぎに、予
め手入れされた逆止装置40とプランジャ30が取り付
けられた別の射出シリンダブロック20をその取り付け
位置に下降して、ベースブロック106に組み付ける。
このとき、第1の嵌め合い部51が射出シリンダブロッ
ク20とベースブロック106の中心位置を合わせる。
そして、門形フレーム105をプランジャ駆動装置31
とともにその取り付け位置の直上に移動して、門形フレ
ーム105とシリンダ蓋25の第2の嵌め合い部52が
嵌るように下降して、門形フレーム105を元の取り付
け位置に仮止めする。そして、プランジャ30とプラン
ジャ駆動装置31をカップリング34で接続する。最後
に取り付けボルトを本締めし、連結管90を接続する。
このとき、上記の位置決めピン等が門形フレーム105
をスライドプレート103に位置決めする。こうしてプ
ランジャ30や射出シリンダブロック20の交換が正確
に再現性良く容易にできる。もちろん、プランジャ駆動
装置31と門形フレーム105との間の分解・組立も容
易にできる。このとき、第3の嵌め合い部53が門形フ
レーム105と中継ぎ部材107の中心位置を合わせる
からである。
【0035】以上のような射出装置10には、図4に示
すような連結管90が接続される。連結管90は、その
一端が射出装置10に、もう一端が溶解炉60中の供給
容器71(後に説明される。)に接続される。そして、
その中間部が溶解炉60を跨ぐように中高に形成され
る。連結管90は、その外周を覆う、図示省略されたヒ
ータによって加熱され、溶湯の温度低下が抑えられる。
この場合、少なくとも射出装置10直近の部位を覆うヒ
ータは、他の部分から分割されて独立に温度制御される
と良い。この場合、このヒータの温度だけを下げてこの
部位の溶湯を固化することによって、連結管90による
溶湯の供給を一時的に停止することができる。
【0036】溶解炉60は、図4に示されるように、成
形用の金属材料を溶解して貯留する溶湯容器61と、そ
の外側で溶湯容器61に非接触に配されたヒータ62
と、断熱材が内張りされた外側容器63とを含む装置で
ある。この溶解炉60においては、連結管90が溶解炉
60の上方から外に引き出されるように配置される。そ
れで、溶解炉60、溶湯容器61、ヒータ62、および
外側容器63がいずれも単純で連続した形状に形成さ
れ、溶解炉60の加熱効率が向上し溶湯の加熱ムラが生
じない。溶湯容器61の底部には図示省略されたドレー
ンが設けられ、溶解炉60の外で開閉される。このよう
な構成の溶解炉60は、コンパクトな略直方体に形成さ
れてスライドプレート103上に取り付けられる。
【0037】溶湯容器61は、蓋板64によって上方が
塞がれる。蓋板64には、大気圧よりわずかに高い、高
温低圧の耐酸化ガスや不活性ガスが充填される第1のガ
ス注入口65が取り付けられる。ガスを注入する目的
は、第1に、溶融金属が酸化されないように溶湯容器6
1をエアパージするためであり、第2に、成形運転中に
溶湯容器61のガス圧力を溶湯溜まり22のガス圧力に
略等しくするためである。具体的には、シリンダ蓋25
のガス注入口25aから注入される第1の低圧ガスと上
記第1のガス注入口65から注入される第1の低圧ガス
の圧力が略等しく調整される。もちろん、溶湯容器61
のガス圧力を溶湯溜まり22のガス圧力よりわずかに大
きく調整して、溶湯の移動を促進することもできる。
【0038】蓋板64には、金属材料が適宜供給される
材料投入口66が設けられ、これに図示省略した材料供
給装置が接続される。また、蓋板64には、図示省略し
た公知の液面レベル検出器が設けられて溶湯の液面高さ
が検出される。このような溶湯容器61に貯留される溶
湯の液面高さは、溶湯溜まり22に貯留されるべき溶湯
液面高さに略等しい所定範囲内であまり変動しないよう
に維持される。後に説明されるように、溶湯容器61の
溶湯の液面高さがサイホン現象によって射出シリンダブ
ロック20の溶湯溜まり22の溶湯液面高さを決定する
からである。このため、材料供給装置には、金属材料を
定期的に少量ずつ投入することができるとともにその投
入速度が調整可能である装置が採用される。材料供給装
置の投入量が射出量に応じて調整可能でなければならな
いからである。このような材料供給装置には、溶解炉6
0外に取り付けるものであるから、従来公知の装置が採
用される。例えば、棒状の軽金属材料を溶湯中に所定速
度で下降して供給する装置、あるいは、ペレット状の材
料を定量投入する装置が採用できる。もちろん、材料供
給が間欠的に投入されてもよく、この場合、容積の大き
な物体を浮き沈みさせて溶湯容器61の液面高さを調整
する公知の液面調整装置を採用する。
【0039】溶解炉60には、溶解炉60の金属溶湯を
一旦貯留してから射出装置10に供給する給湯装置70
が備えられる。この給湯装置70は、金属溶湯に大部分
が浸漬されるとともに底部に溶湯供給口71aを有する
供給容器71と、その蓋板72と、溶湯供給口71aを
開閉する開閉弁73と、開閉弁73を吊り下げる吊り下
げ部材74と、吊り下げ部材74を昇降する昇降装置7
5と、溶解炉60の蓋板64から上に突き出すように固
定されるとともに供給容器71の蓋板72に接続される
支持部材76とを含む。供給容器71は、その底部の溶
湯供給口71aが溶湯容器61の底部近くに位置するよ
うにして溶湯容器61中に配置される。溶湯供給口71
aは、開閉弁73が密着するような弁座形状に形成され
る。昇降装置75は、支持部材76の上端に搭載され
る。吊り下げ部材74は、この支持部材の中で昇降す
る。このような給湯装置70の供給容器71に連結管9
0が固定される。連結管90は、端部を給湯装置70の
溶湯の中に浸漬するようにして、溶解炉60の蓋板6
4、供給容器71の蓋板72に固定される。
【0040】実施例では、開閉弁73が球形の錘になっ
ており、吊り下げ部材74が2本の細棒部材を屈曲可能
に直列に連結した構成になっている。昇降装置75は、
流体シリンダになっており、吊り下げ部材74の上端が
この流体シリンダ75のロッドにカップリング77によ
って接続される。それで、流体シリンダ75は、吊り下
げ部材74を介して開閉弁73を所定量昇降し、溶湯供
給口71aを開閉する。錘である開閉弁73が下降する
ときに吊り下げ部材74が屈曲するので、開閉弁73が
溶湯供給口71aに確実に着座する。
【0041】支持部材76には、第2の低圧ガスが注入
される第2のガス注入口76aが備えられる。この低圧
ガスの圧力は、上記溶湯溜まり22や溶湯容器61に加
えられる第1の低圧ガスのガス圧力よりもやや高く、開
閉弁73によって弁閉された供給容器71中の溶湯を連
結管90の最高位以上に押し上げる圧力に調整される。
連結管90中に溶湯が存在しない運転開始時にのみ、こ
の低圧ガスが加えられる。溶湯容器61中に位置する支
持部材76には、小孔76bが形成される。この小孔7
6bは、溶湯の供給開始時に第2のガス注入口76aか
ら供給容器71中に供給された高めのガスを溶湯容器6
1側に適度に漏らすとともに、その後の運転中に、供給
容器71内のガス圧力を溶湯容器61のガス圧力に等し
くする。
【0042】このような構成において、溶湯溜まり22
に最初に金属溶湯を供給する際には、まず、射出成形機
の制御装置が開閉弁73を上昇して溶湯供給口71aを
開き、金属溶湯を供給容器71に充満する。供給容器7
1に溶湯が充満すると、開閉弁73を下降して弁閉す
る。そして、支持部材76のガス注入口76aから供給
容器71に上記のやや圧力の高い第2の低圧ガスを注入
して、供給容器71中の金属溶湯を連結管90から溶湯
溜まり22に押し出す。このとき、逆止弁41が閉じて
いるので、溶湯が溶湯溜まり22に貯留される。溶湯溜
まり22に溶湯が所定量供給されたことを溶湯溜まり2
2の液面レベル検出器が検出すると、射出成形機の制御
装置が供給容器71への第2の低圧ガスの注入を停止す
るとともに開閉弁73を上昇する。すると、供給容器7
1のガス圧力と溶湯容器61のガス圧力とが第1の低圧
ガスの圧力に等しくなるとともに溶湯溜まり22や連結
管90に供給されて減少した分量の溶湯が溶湯容器61
から供給容器71に移動する。その結果、供給容器71
のガス圧力と溶湯溜まり22のガス圧力も第1の低圧ガ
スの圧力に略等しくなって、溶湯溜まり22の溶湯液面
高さと供給容器71の溶湯液面高さとがサイホン現象に
よって等しくなる。溶湯容器61中の溶湯は、上記給湯
装置70の給湯動作中に材料供給装置によって補充され
て一定に保持される。
【0043】この状態が成形運転中にも継続されて、連
結管90が溶湯溜まり22と供給容器71との間でサイ
ホン管として機能する。それで、溶湯溜まり22におい
て計量・射出されて減少した分量の溶湯が供給容器71
から順次移動して補充される。成形運転中、材料供給装
置は、溶湯溜まり22の溶湯の減少分を補うように材料
投入量を調整する。
【0044】溶湯の供給を停止する場合には、供給容器
71の開閉弁73を閉じるとともに支持部材76から上
記やや高めの圧力の第2の低圧ガスを注入して溶湯の送
り出しを継続する。すると、供給容器71中の溶湯の液
面高さが連結管90の下端以下に下降して溶湯の送り出
しが停止する。また、射出装置10直近のヒータの温度
を下げて管中の溶湯を固化して停止しても良い。この場
合、連結管90の固化物や溶湯がそのまま管中に充満し
ているので、固化物をヒータで加熱するだけで溶湯の供
給を再開することができる。
【0045】以上説明したように、給湯装置70は、連
結管90によって接続された溶解炉60と溶湯溜まり2
2との間で溶湯の液面高さが一致するサイホン現象を利
用して、成形運転中に消費された溶湯を溶解炉60から
溶湯溜まり22に補給する。また、給湯装置70は、上
記サイホン現象を発生させるために、最初に溶解炉60
から溶湯溜まり22に溶湯を強制的に供給して、連結管
90と溶湯溜まり22の中に溶湯を充満させる。したが
って、給湯装置70は、単純な原理を利用した装置では
あるが正確に所定量の溶湯を供給する装置ではない。し
かし、本発明の射出装置10が、溶湯溜まり22の溶湯
湯量の多少の変動を許容するので、給湯装置70は、上
記射出装置10に好適に組み合わされる。そして、給湯
装置70は、連結管90とともに溶解炉中に上方から脱
着されるので、そのメンテナンスが容易である。
【0046】以上のような構成の射出成形機100にお
いて、成形運転がつぎのように行われる。まず、準備段
階の運転の概要が説明される。予め軽金属材料が溶解炉
60に投入されて溶解される。このとき、溶解炉60の
液面高さは、溶湯溜まり22に供給されるべき液面高さ
よりわずかに高く調整されると良い。後に説明するよう
に最初に試し打ちを何回か行うので、溶湯が通常より多
く消費されるからである。ただし、溶湯容器61の容積
が溶湯溜まり22の容積よりはるかに大きいので、上記
液面高さの差はわずかである。
【0047】つぎに、溶湯が上記したように溶湯容器6
1から供給容器71に導入され、つぎに溶湯溜まり22
に供給される。溶湯溜まり22に溶湯が供給されると、
供給容器71のガス圧力と溶湯容器61のガス圧力と溶
湯溜まり22のガス圧力が等しくなるとともに、溶解炉
60の液面高さと溶湯容器61の液面高さと溶湯溜まり
22の溶湯の液面高さとが等しくなる。
【0048】溶湯溜まり22の溶湯の液面高さが所定の
高さに達していることが確認されると、つぎに逆止弁4
1が開きプランジャ30が上昇して、溶湯が射出室23
に吸引される。そして、ほぼ同時に、射出室23に吸引
された量の溶湯が溶湯溜まり22に補充される。このと
き、溶湯が射出装置10の射出ノズル11から漏れない
ように、射出ノズル11の加熱を停止しておくか、射出
ノズル11先端を金型にノズルタッチさせておくとよ
い。つぎに逆止弁41を閉じプランジャ30を下降して
溶湯を射出ノズル11から射出して金型キャビティに試
し打ちをする。この試し打ちは従来公知の工程である。
試し打ちが所定回数繰り返されることによって、連結管
90、溶湯溜まり22、溶湯通路26、射出室23、お
よび金型の温度の定常化が図られる。試し打ちが繰り返
される間にも材料供給装置の材料投入速度が調整され、
溶湯容器61の液面高さが溶湯溜まり22の所望の液面
高さに略一致するように溶湯容器61の液面高さが調整
される。
【0049】安定に成形が行われている段階での成形運
転の1サイクルがより詳細に説明される。まず、逆止弁
41が開かれた状態でプランジャ30が後退(上昇)す
ることによって計量が行われる。この工程は、成形品の
冷却がある程度進んだ後であって成形品が金型から取り
出される前に、すなわち、金型キャビティ中に存在する
成形品によって射出ノズル11先端が塞がっている状態
で行われる。それで、計量開始直後から計量完了までの
間、溶湯は、射出室23にその前方から充填される。プ
ランジャ30の後退量は、図示省略したプランジャ30
の位置検出装置によって検出されて、射出に必要な最小
限の溶湯のみが射出室23に正確に計量される。
【0050】計量によって減少した分の溶湯溜まり22
の溶湯は、溶解炉60から溶湯溜まり22にサイホン現
象によって補給される。サイホン現象による溶湯の溶湯
溜まり22への補給は、計量と異なって必ずしも精密に
制御できないが、本発明ではこれで充分である。溶湯溜
まり22への補給量が多少変動しても支障がないからで
ある。万一、溶湯が溶湯溜まり22に充分に供給されな
い場合には、溶湯溜まり22の液面レベル検出器がこの
不足を検出して、制御装置が異常警報を発生すると良
い。また、このとき、射出成形機の制御装置が材料供給
装置の材料の投入速度を速めるように制御すると良い。
【0051】射出はプランジャ30が前進(下降)する
ことによって行われる。まず逆止弁41が閉じ、プラン
ジャ30が下降する。プランジャ30は、その位置が検
出されてフィードバック制御されながら、充填完了位置
まで速度制御される。このとき、溶湯は、射出室23の
先端から溶湯通路26、射出ノズル11を経て金型キャ
ビティにスムーズに射出される。溶湯溜まり22への溶
湯の補充は、通常、計量完了後速やかに完了している
が、万一これが不充分であっても射出中であっても継続
して行われる。
【0052】保圧動作は、従来通り射出油圧シリンダの
ピストンがプランジャ30を所定の圧力パターンで押圧
することによって行われる。逆止弁41は、この間も閉
じている。溶湯溜まり22への溶湯の補充は、通常完了
している。
【0053】保圧後成形品の冷却が完了すると、金型が
開かれて成型品が取り出される。そして、成形品取り出
しの直前につぎの成形のための上記計量が再開される。
逆止弁41はこのとき再び開かれる。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
に係る射出成形機によれば、射出装置の射出シリンダブ
ロックが、溶解炉から供給される溶湯を一旦貯留すると
ともにプランジャや逆止弁を湯中に収容する溶湯溜まり
と、射出ノズルのノズル孔、射出シリンダの射出室の先
端、および溶湯溜まりの底部の溶湯通路入口に連通する
溶湯通路とを備え、溶湯がこの溶湯溜まりから射出室に
その前方から供給されて計量され、また、溶湯が射出室
の前方から溶湯通路に射出されるので、溶湯の計量と射
出とが正確に安定して再現性良く行われるとともに、溶
湯の温度変動も抑制される。このため、本発明の射出成
形機は、精密成形に最適な成形機になる。また、溶湯が
外部に曝されることがないので、外部に溶湯が漏出する
ことがなく、かつ溶湯の酸化も抑制される。
【0055】また、本発明の請求項2に係る門形フレー
ム、プランジャ駆動装置、および射出シリンダブロック
の取り付け構造によれば、プランジャ駆動装置を門形フ
レームとともに引き上げて、射出シリンダブロックを簡
単に交換できるので、射出装置のメンテナンスが楽にで
きる。
【0056】また、本発明の請求項3に係る射出成形機
によれば、溶湯溜まりに補充される溶湯湯量の多少の変
動を許容する上記射出装置に合わせて、給湯装置が、成
形運転中に射出された分量の溶湯を溶解炉から溶湯溜ま
りにサイホン現象だけによって単純に補充する装置に構
成されるので、その構成が簡単なものになり、そのメン
テナンスも容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の射出成形機の主要部の全体配置を示す
立面図である。
【図2】本発明の射出装置の詳細を一部断面で示す立面
図である。
【図3】本発明の図2のA−A矢視における門形フレー
ムの断面構造を示す立面図である。
【図4】本発明の給湯装置の詳細およびこれと射出装置
との組み合わせを示す立面図である。
【符号の説明】
10 射出装置射出、 11 射出ノズル 20 射出シリンダブロック 21 射出シリンダ 22 溶湯溜まり 23 射出室 25 シリンダ蓋 26 溶湯通路 26a 溶湯通路入口 30 プランジャ 31 プランジャ駆動装置 40 逆止装置 41 逆止弁 51 第1の嵌め合い部 52 第2の嵌め合い部 53 第3の嵌め合い部 60 溶解炉 70 給湯装置 71 供給容器 71a 溶湯供給口 73 開閉弁 75 昇降装置 76 支持部材 90 連結管 100 射出成形機 102 型締装置 103 スライドプレート 104 金型 105 門形フレーム 106 ベースブロック 108 天板

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶解炉と射出装置とそれらを連通する連
    結管を備え、前記溶解炉中の軽金属溶湯を前記射出装置
    に導入して、前記射出装置から型締装置の金型に射出し
    て成形する軽金属射出成形機において、 前記射出装置が、プランジャと、前記プランジャを昇降
    制御するプランジャ駆動装置と、前記プランジャが進退
    可能に挿通される射出シリンダと、前記射出シリンダを
    含む射出シリンダブロックと、前記射出シリンダに連通
    する射出ノズルと、を備え、 前記射出シリンダブロックが、前記射出シリンダの上端
    に接して形成されるとともに前記連結管に連通する溶湯
    溜まりと、前記射出ノズルのノズル孔、前記射出シリン
    ダの射出室の先端、および前記溶湯溜まりに連通する溶
    湯通路と、を含み、 前記溶湯通路が、前記溶湯溜まりに挿通された状態で昇
    降する逆止弁によって開閉されることを特徴とする軽金
    属射出成形機。
  2. 【請求項2】 前記射出シリンダブロックを固定する、
    前記射出成形機のスライドプレート上のベースブロック
    と、前記逆止弁を含む逆止装置、前記射出シリンダブロ
    ックのシリンダ蓋、および前記射出シリンダブロックを
    跨ぐようにして前記スライドプレート上に固定される門
    形フレームと、前記プランジャ駆動装置を前記門形フレ
    ームの天板に固定する中継ぎ部材と、を備え、 前記射出シリンダブロックと前記ベースブロックとが両
    者の間に形成された第1の嵌め合い部によって位置決め
    され、前記シリンダ蓋と前記門形フレームの天板の下面
    とが両者の間に形成された第2の嵌め合い部によって位
    置決めされ、前記中継ぎ部材と前記門形フレームの天板
    の上面とが両者の間に形成された第3の嵌め合い部によ
    って位置決めされることを特徴とする請求項1記載の軽
    金属射出成形機。
  3. 【請求項3】 前記溶解炉と前記溶湯溜まりに略等しい
    第1の低圧ガスが供給され、 前記溶解炉が、前記溶解炉の前記溶湯を導入する溶湯供
    給口をその底部に有する供給容器と、前記溶湯供給口に
    接離する開閉弁と、前記開閉弁を前記溶解炉の外部から
    昇降する昇降装置と、前記昇降装置を支持するとともに
    前記第1の低圧ガスより高い第2の低圧ガスを前記供給
    容器に注入可能な支持部材と、からなる給湯装置を備
    え、前記連結管が、前記供給容器中の溶湯と前記溶湯溜
    まり中の溶湯とを連通するように、かつその中間部が前
    記溶解炉を跨ぐように配置されて、前記金属溶湯が最初
    に前記溶湯溜まりに供給される際には、前記給湯装置が
    前記開閉弁を上昇して前記金属溶湯を該供給容器に充満
    した後、前記開閉弁を下降し前記供給容器に前記第2の
    低圧ガスを注入する一方、前記溶湯が前記供給容器から
    前記溶湯溜まりに供給された後には、前記溶解炉と前記
    溶湯溜まりとに略等しい圧力の第1の低圧ガスが注入さ
    れるとともに前記溶湯溜まりに貯留される前記溶湯の液
    面高さと前記溶解炉に貯留される前記溶湯の液面高さと
    が略一致するように維持されることを特徴とする請求項
    1記載の軽金属射出成形機。
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