JP4385008B2 - 射出成形機の射出制御方法 - Google Patents

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本発明は、金型に樹脂を充填する充填工程及び金型に充填した樹脂に保圧を付与する保圧工程を有する射出工程における射出成形機の射出制御方法に関する。
一般に、射出成形機の成形サイクルは、計量工程と射出工程を有するとともに、この射出工程は、更に、スクリュを前進させて加熱筒内の樹脂を金型に充填する充填工程と金型に充填した樹脂に保圧を付与する保圧工程とを有している。ところで、射出工程では、速度制御や圧力制御、更には充填工程から保圧工程への切換制御等の各種制御が行われる。そして、このような射出工程における一連の制御をどのような方法で実現するかは、成形不良を回避して高品質の成形品を得る上で極めて重要となり、従来より各種の射出制御方法が提案されている。
例えば、特開平11−77770号公報には、シリンダと、このシリンダ内に回転方向と射出方向とに駆動されるように設けられているスクリュとを備えた射出成形機であって、射出の初期には、スクリュの射出方向の速度を主フィードバック量とする射出速度のフィードバック制御により制御し、検出樹脂圧力が設定樹脂圧力に達すると、金型内で直接的に計測される検出樹脂圧力を主フィードバック量とする金型内樹脂圧力のフィードバック制御により制御し、スクリュの位置が保圧切換位置に達すると、スクリュを射出方向に駆動する検出射出圧力を主フィードバック量とする射出圧力のフィードバック制御により制御するようにした射出成形機における射出工程の制御方法が開示されている。
特開平11−77770号
しかし、上述した従来における射出成形機の射出制御方法(射出工程の制御方法)は、次のような問題点があった。
第一に、保圧工程では、スクリュを射出方向に駆動する検出射出圧力を主フィードバック量とする射出圧力のフィードバック制御により制御するため、金型に充填された樹脂の状態に対応した保圧制御、特に、樹脂の冷却状況に対応した高精度で安定した保圧制御を行うことができない。
第二に、スクリュの位置が保圧切換位置に達したことにより保圧切換を行うため、金型内における樹脂の充填状況(圧力状態)に直接対応した正確な保圧切換を行うことができないとともに、充填工程から保圧工程に円滑かつ安定に移行させることができない。
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決した射出成形機の射出制御方法の提供を目的とするものである。
本発明に係る射出成形機Mの射出制御方法は、上述した課題を解決するため、充填工程によりスクリュ2を前進させて加熱筒3内の樹脂を金型10に充填するとともに、予め設定した所定の切換条件を満たしたなら、保圧工程により金型10に充填した樹脂に保圧を付与する射出工程における射出制御方法であって、特に、充填工程では、金型10のキャビティC内の樹脂圧である型内圧Pcdを検出し、検出した型内圧Pcdが当該型内圧Pcdに対して予め設定した所定の切換条件を満たしたなら、保圧工程に切換えるとともに、保圧工程では、キャビティCに連通する金型10の樹脂流路R内の樹脂圧である流路内圧Prdを検出し、検出した流路内圧Prdが予め設定した所定の設定圧力Prsとなるように保圧制御を行うことを特徴とする。
この場合、発明の好適な態様により、切換条件には、(a)型内圧Pcdが予め設定した所定の型内圧設定値Pcsに達すること,(b)型内圧Pcdが予め設定した所定の型内圧設定値Pcsに達してから予め設定した所定の設定時間tsを経過すること,(c)型内圧Pcdの時間に対する上昇率Udが予め設定した所定の上昇率設定値Usに達すること,の一又は二以上を用いることができる。一方、充填工程では、スクリュ2の射出速度Vdが予め設定した所定の設定速度Vsとなるように速度制御を行うことができるとともに、スクリュ2を前進させるスクリュ駆動部11の駆動圧力Pdを監視し、この駆動圧力Pdが所定のリミット圧力値Puに達したなら、駆動圧力Pdをリミット圧力値Puに制限する圧力制御を行うことができる。また、充填工程では、駆動圧力Pdがリミット圧力値Puに達した後、予め設定した所定の設定時間を経過しても型内圧Pcdが切換条件((a)〜(c))を満たさないときは、エラー処理を行うことができる。なお、樹脂流路Rとしては、金型10におけるスプル部Rs,ランナ部Rr又はゲート部Rgを適用できる。
このような手法による本発明に係る射出成形機Mの射出制御方法によれば、次のような顕著な効果を奏する。
(1) 保圧工程では流路内圧Prdを検出し、この流路内圧Prdが所定の設定圧力Prsとなるように保圧制御を行うため、金型10に充填された樹脂の状態に対応した保圧制御、特に、樹脂の冷却状況に対応した高精度で安定した保圧制御を行うことができる。なお、流路内圧Prdの代わりに型内圧Pcdの利用も考えられるが、通常、キャビティC内の樹脂は、樹脂流路R内の樹脂よりも冷却の進行が早く、また、キャビティCの手前にはゲート部等の極端に狭い樹脂流路が存在するため、型内圧Pcdの利用では、圧力補正量の精度低下(増加)により、制御性の悪化を招くとともに、ゲート部等の樹脂流路に過充填を生じやすい。しかし、流路内圧Prdを利用した場合にはこのような不具合を回避することができる。
(2) 型内圧Pcdを検出し、検出した型内圧Pcdが予め設定した所定の切換条件を満たしたなら、保圧工程に切換えるため、ショット毎に金型10内における樹脂の充填状況(圧力状態)に直接対応した正確で再現性の高い保圧切換を行うことができるとともに、充填工程から保圧工程に円滑かつ安定に移行させることができる。
(3) 好適な態様により、切換条件として、前述した(a)〜(c)の一又は二以上を用いれば、樹脂の種類や成形条件等を考慮し、成形品に最適な切換条件を選定することができる。そして、特に、(b)の切換条件を選択すれば、超高速充填であっても保圧切換のバラツキを最小限に抑えることができる。また、(c)の切換条件を選択すれば、型内圧Pcdの変化度合により検出することができるため、例えば、他の切換条件と併用するなどによってより信頼性を高めることができる。
(4) 好適な態様により、充填工程において、スクリュ2を前進させるスクリュ駆動部11の駆動圧力Pdを監視し、この駆動圧力Pdが所定のリミット圧力値Puに達したなら、駆動圧力Pdをリミット圧力値Puに制限する圧力制御を行えば、過充填を有効に防止し、更なる充填動作の安定化に寄与できる。
(5) 好適な態様により、充填工程において、駆動圧力Pdがリミット圧力値Puに達した後、所定の設定時間teを経過しても型内圧Pcdが切換条件((a)〜(c))を満たさないときは、警報(アラーム音)を発するなどのエラー処理を行うことにより、ゲート詰まりやノズル詰まり等の異常発生に対して迅速な処置を講じることができる。
次に、本発明に係る最良の実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
まず、本実施形態に係る射出制御方法を実施できる射出成形機Mの構成について、図2及び図3を参照して説明する。
図2には、射出成形機Mを構成する射出装置Miと不図示の型締装置に支持される金型10の一部を拡大して示す。射出装置Miは、射出装置本体20と、この射出装置本体20に接続する油圧回路21と、この油圧回路21をはじめ射出成形機Mの全体の制御を司る制御装置22を備える。
射出装置本体20は、前端に射出ノズル31を、後部にホッパ32をそれぞれ有する加熱筒3を備える。加熱筒3にはスクリュ2を内蔵するとともに、加熱筒3の後端にはスクリュ駆動部11を結合する。スクリュ駆動部11は両ロッドタイプのピストン33を内蔵する射出シリンダ34を備え、ピストン33の前ロッド部33fはスクリュ2の後端に結合するとともに、後ロッド部33rは射出シリンダ34の後端に配設したオイルモータ35の駆動シャフトにスプライン結合する。
一方、金型10は、固定型10cと可動型10mからなり、固定型10cと可動型10mにより形成されるキャビティCを有するとともに、このキャビティCに連通する樹脂流路Rを有する。樹脂流路Rは、スプル部Rs,ランナ部Rr及びゲート部Rgを有し、スプル部Rsの外端口に、射出装置Miの射出ノズル31がノズルタッチするとともに、ゲート部RgはキャビティCに臨む。
他方、射出シリンダ34には油圧回路21を接続する。油圧回路21は、四ポートサーボ弁41を備え、このサーボ弁41のAポートは射出シリンダ34の前油室34fに、Bポートは射出シリンダ34の後油室34rにそれぞれ接続するとともに、サーボ弁41のPポート及びTポートは、ロジック弁,逆止弁,アキュムレータ等を含む油圧付属回路42を介して油圧ポンプ43及びオイルタンク44に接続する。
さらに、制御装置22は、コンピュータを利用したシーケンスコントローラ51を備え、このシーケンスコントローラ51には設定部及び表示部を含む操作パネル52を接続するとともに、サーボコントローラ53を接続する。そして、サーボコントローラ53の出力側はサーボ弁41に接続するとともに、サーボコントローラ53の入力側には各種センサ、即ち、スクリュ2の位置(スクリュ位置)を検出する位置センサ54,射出シリンダ34の前油室34fの油圧を検出する前室圧センサ55,射出シリンダ34の後油室34rの油圧を検出する後室圧センサ56,キャビティC内におけるゲート側(ゲート部Rgの近傍)の樹脂圧(型内圧)Pcdgを検出するゲート側型内圧センサ57及びキャビティC内における反ゲート側(ゲート部Rgから離間したキャビティ末端)の樹脂圧(型内圧)Pcdnを検出する反ゲート側型内圧センサ58,ランナ部Rr内の樹脂圧(流路内圧Prd)を検出する流路内圧センサ59をそれぞれ接続する。
図3には、制御装置22における主要部のブロック系統を示す。同図において、位置センサ54から得るスクリュ位置(位置検出値)Xdは速度変換部61において時間により微分され、実際の射出速度(速度検出値)Vdに変換される。また、前室圧センサ55及び後室圧センサ56から得る圧力検出信号は差分検出部62により差圧が求められ、この差圧が駆動圧力(圧力検出値)Pdとなる。さらに、ゲート側型内圧センサ57から得る圧力検出信号(型内圧Pcdg)と反ゲート側型内圧センサ58から得る圧力検出信号(型内圧Pcdn)は、それぞれ切換条件判定部81に付与される。この切換条件判定部81では、各型内圧センサ57,58から得る型内圧Pcdg,Pcdnの予め選択した一方の型内圧又は双方の平均した型内圧がPcdとして得られる。
一方、63は、速度設定部64,偏差演算部65及び速度補償部66を含む速度のフィードバック制御系であり、速度補償部66の出力は、ループ切換部67,サーボ弁制御回路68を介してサーボ弁41に付与される。69は、位置設定部70,偏差演算部71及び位置補償部72を含む位置のフィードバック制御系であり、位置補償部72の出力は、ループ切換部67,サーボ弁制御回路68を介してサーボ弁41に付与される。74は、圧力設定部75及び圧力リミッタ76を含むスクリュ駆動部11側の圧力制御系であり、圧力リミッタ76の出力は、ループ切換部67,サーボ弁制御回路68を介してサーボ弁41に付与される。82は、内圧設定部83,偏差演算部84及び圧力補償部85を含む金型10側の樹脂圧に対するフィードバック制御系であり、圧力補償部85の出力は、ループ切換部67,サーボ弁制御回路68を介してサーボ弁41に付与される。
次に、このような制御装置22の制御動作を含む本発明に係る射出制御方法について、図2〜図4を参照しつつ図1に示すフローチャートに従って説明する。
今、計量工程が終了し、射出工程に移行して充填工程が開始した場合を想定する(ステップS1)。この場合、まず、ループ切換部67によりフィードバック制御系63が選択され、射出速度Vdに対するフィードバック制御が行われることにより、スクリュ2は射出開始位置から前進移動する(ステップS2)。即ち、フィードバック制御系63では、速度変換部61から得る射出速度(速度検出値)Vdと速度設定部64から得る設定速度(速度設定値)Vsが偏差演算部65に付与され、射出速度Vdと設定速度Vsの偏差が求められる。この偏差は速度補償部66に付与され、速度補償された後、ループ切換部67及びサーボ弁制御回路68を介してサーボ弁41に付与される。これにより、射出速度Vdが設定速度Vsに一致するようにフィードバック制御される。この射出速度Vdの変化特性を、図4中に同一符号のVdで示す。
一方、制御装置22では、スクリュ2の前進開始と同時に、型内圧センサ57,58から得られる型内圧Pcdの大きさを監視するとともに、前室圧センサ55及び後室圧センサ56から得られる駆動圧力Pdの大きさを監視する(ステップS1)。即ち、スクリュ2の前進移動により、このスクリュ2の前方に計量された樹脂(溶融樹脂)は、射出ノズル31からキャビティC内に射出充填されるため、キャビティC内に樹脂が射出充填されるに従って、ゲート側型内圧センサ57により検出されるゲート側の型内圧Pcdgは徐々に上昇し、遅れて、反ゲート側型内圧センサ58により検出される反ゲート側の型内圧Pcdnが徐々に上昇する。型内圧PcdgとPcdnは、切換条件判定部81に付与され、型内圧Pcdとして得られるため、切換条件判定部81では、型内圧Pcdが予め設定した型内圧設定値Pcsに達したか否かを監視する。他方、差分検出器62から得られる駆動圧力Pd、即ち、スクリュ2を前進移動させるための駆動圧力(圧力検出値)Pdは、圧力リミッタ76に付与されるとともに、この圧力リミッタ76には圧力設定部75からリミット圧力値Puが付与されるため、駆動圧力Pdがリミット圧力値Puに達したか否かを監視する。
そして、スクリュ2の前進移動中(速度制御中)に、駆動圧力Pdがリミット圧力値Puに達したなら、圧力制御系74により駆動圧力Pdがリミット圧力値Puに制限される圧力制御が行われる(ステップS3,S4,S5)。即ち、圧力制御系74では、差分検出部62から得る圧力検出値(駆動圧力Pd)が圧力リミッタ76に設定されるリミット圧力値Puに達したなら、駆動圧力Pdがリミット圧力値Puを越えないように圧力リミッタ76により圧力制限される。なお、リミット圧力値Puは圧力設定部75から圧力リミッタ76に付与される。この駆動圧力Pdの変化特性を、図4中に同一符号のPdで示す。また、圧力制限による制御が行われている場合であっても、駆動圧力Pdが、非リミット圧力値になった場合、即ち、リミット圧力値Pu以下に低下した場合には、上述したフィードバック制御系63による速度制御が行われる(ステップS6,S7,S8,S2)。このような制御を行うことにより、過充填を有効に防止し、更なる充填動作の安定化に寄与できる。
さらに、スクリュ2の前進移動中(速度制御中及び圧力制限中)に、型内圧Pcdが所定の切換条件を満たしたなら保圧工程に切換える(ステップS3,S6,S9)。具体的には、型内圧Pcdを監視し、型内圧Pcdが所定の型内圧設定値Pcsに達したなら保圧切換を行う(切換条件(a))。この場合、型内圧設定値Pcsは内圧設定部83から切換条件判定部81に付与され、この切換条件判定部81により型内圧Pcdに対する判定(監視)が行われる。図4中、同一符号のPcsが閾値となる型内圧設定値を示すとともに、tc時点で、型内圧Pcdが型内圧設定値Pcsに達したことを示している。このような切換条件を用いることにより、ショット毎に金型10内における樹脂の充填状況(圧力状態)に直接対応した正確で再現性の高い保圧切換を行うことができるとともに、充填工程から保圧工程に円滑かつ安定に移行させることができる。
なお、切換条件としては、このような型内圧Pcdの大きさを監視するのみならず、他の切換条件を用いることもできる。例えば、型内圧Pcdが所定の型内圧設定値Pcsに達してから所定の設定時間tsを経過することを切換条件として選定することができる(切換条件(b))。この場合、充填時間が1/100秒台となるような超高速充填を行う場合に有効であり、バラつきを最小限に抑えることができる。即ち、ゲート側型内圧センサ57は反ゲート側型内圧センサ58よりも早く樹脂圧が高くなることを利用して、例えば、ゲート側型内圧センサ57から検出される型内圧Pcdgが型内圧設定値Pcsに達してから0.003秒後に保圧工程に切換えるというように、反ゲート側型内圧センサ58により検出される型内圧Pcdnを予測して切換えることができる。この際、制御装置22の制御周期によっても異なるが、超高速充填では、反ゲート側型内圧センサ58により検出される型内圧Pcdnが型内圧設定値Pcsに達してから保圧工程に切換えた場合、切換タイミングがバラつく可能性がある。しかし、設定時間tsが経過することを切換条件とすることにより、このようなバラつきを最小限に抑えることができる。また、型内圧Pcdの時間に対する上昇率Udが所定の上昇率設定値Usに達することを切換条件として選定することができる(切換条件(c))。この場合、型内圧Pcdの変化度合により検出することができるため、例えば、他の切換条件と併用するなどによってより信頼性を高めることができる。さらに、型内圧Pcdが所定の型内圧設定値Pcsに達するか又はスクリュ位置Xd(型内圧Pcdに関係する物理量)が所定の位置設定値Xsに達することを切換条件として選定することができる(切換条件(d))。この場合、いずれか一方が切換条件を満たした時点で保圧切換が行われるため、バリ等の不良原因となる過充填の未然防止に寄与できる。
なお、充填工程中では、速度制御から圧力制限の制御に切換わった時点で計時を開始する(ステップS5)。そして、所定の設定時間teを経過しても型内圧Pcdが上述した切換条件を満たさないとき、即ち、駆動圧力Pdがリミット圧力値Puに達した後、予め設定した所定の設定時間teを経過しても型内圧Pcdが切換条件(a)〜(d)を満たさないときは、エラー処理を行う(ステップS10)。エラー処理としては、警報(アラーム音)を発したり動作制限処理等を行うことができ、これにより、ゲート詰まりやノズル詰まり等の異常発生に対して迅速な処置を講じることができる。
他方、保圧切換が行われることにより保圧工程に移行する(ステップS11)。保圧工程では、流路内圧Prdに対してフィードバック制御系82による圧力制御が行われる。即ち、フィードバック制御系82では、流路内圧センサ59から得る流路内圧Prdと内圧設定部83からの設定圧力(保圧設定値)Prsが偏差演算部84に付与され、流路内圧Prdと設定圧力Prsの偏差が求められる。この偏差は圧力補償部85に付与され、圧力補償された後、ループ切換部67及びサーボ弁制御回路68を介してサーボ弁41に付与される。これにより、流路内圧Prdが設定圧力Prsに一致するようにフィードバック制御される。この流路内圧Prdの変化特性を、図4中に同一符号のPrdで示す。そして、予め設定した保圧時間を経過するなどの保圧終了条件を満たしたなら、保圧工程、更には射出工程を終了させる(ステップS12)。
このように、保圧工程では流路内圧Prdを検出し、この流路内圧Prdが所定の設定圧力Prsとなるように保圧制御を行うため、金型10に充填された樹脂の状態に対応した保圧制御、特に、樹脂の冷却状況に対応した高精度で安定した保圧制御を行うことができる。
以上、最良の実施形態について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,数値,手法等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。
例えば、射出成形機Mのスクリュ駆動部11は、両ロッドタイプのピストン33を内蔵する射出シリンダ34を例示したが、片ロッドタイプのピストンを内蔵する射出シリンダを利用してもよい。この場合、射出シリンダの後油室の油圧を検出する後室圧センサから得る圧力検出信号を駆動圧力(圧力検出値)Pdとして利用できるとともに、射出シリンダの前油室には、ソレノイドバルブを用いたスクリュ後退(又は射出圧抜)用回路を接続すればよい。さらに、射出シリンダ34及びオイルモータ35を利用した油圧駆動タイプを例示したが、サーボモータ等を利用した電動タイプ等、他の駆動タイプであってもよい。一方、型内圧Pcdを二つの型内圧センサ57,58で検出する場合を示したが、いずれか一方のみを用いてもよい。また、ランナ部Rrにおける流路内圧Prdを検出する場合を例示したが、スプル部Rs又はゲート部Rgにおける流路内圧Prdを検出してもよいし、これらを組み合わせて利用してもよい。他方、切換条件として(a)〜(d)を例示したが、型内圧Pcdの監視を含む他の切換条件の利用を排除するものではないし、これらを組み合わせて利用してもよい。したがって、切換条件に利用する型内圧Pcdに関係する物理量として例示したスクリュ位置Xdは他の物理量であってもよい。
本発明の最良の実施形態に係る射出成形機の射出制御方法の処理手順を示すフローチャート、 同射出制御方法を実施できる射出成形機の一部断面側面図、 同射出成形機における制御装置のブロック系統図、 同射出制御方法を用いた際の時間に対する圧力及び速度の変化特性図、
符号の説明
2 スクリュ
3 加熱筒
10 金型
11 スクリュ駆動部
M 射出成形機
C キャビティ
Pcd 型内圧
R 樹脂流路
Rs スプル部
Rr ランナ部
Rg ゲート部
Prd 流路内圧
Prs 設定圧力
Pcs 型内圧設定値
Pd 駆動圧力(圧力検出値)
Pu リミット圧力値
Xd スクリュ位置(位置検出値)
Vd 射出速度(速度検出値)
Vs 設定速度(速度設定値)

Claims (6)

  1. 充填工程によりスクリュを前進させて加熱筒内の樹脂を金型に充填するとともに、予め設定した所定の切換条件を満たしたなら、保圧工程により金型に充填した樹脂に保圧を付与する射出工程における射出成形機の射出制御方法において、前記充填工程では、前記金型のキャビティ内の樹脂圧である型内圧を検出し、検出した型内圧が当該型内圧に対して予め設定した所定の切換条件を満たしたなら、前記保圧工程に切換えるとともに、前記保圧工程では、前記キャビティに連通する金型の樹脂流路内の樹脂圧である流路内圧を検出し、検出した流路内圧が予め設定した所定の設定圧力となるように保圧制御を行うことを特徴とする射出成形機の射出制御方法。
  2. 前記切換条件は、
    (a)前記型内圧が予め設定した所定の型内圧設定値に達すること,
    (b)前記型内圧が予め設定した所定の型内圧設定値に達してから予め設定した所定の設定時間を経過すること,
    (c)前記型内圧の時間に対する上昇率が予め設定した所定の上昇率設定値に達すること,
    の一又は二以上であることを特徴とする請求項1記載の射出成形機の射出制御方法。
  3. 前記充填工程では、前記スクリュの射出速度が予め設定した所定の設定速度となるように速度制御を行うことを特徴とする請求項1記載の射出成形機の射出制御方法。
  4. 前記充填工程では、前記スクリュを前進させるスクリュ駆動部の駆動圧力を監視し、この駆動圧力が予め設定した所定のリミット圧力値に達したなら、前記駆動圧力を前記リミット圧力値に制限する圧力制御を行うことを特徴とする請求項3記載の射出成形機の射出制御方法。
  5. 前記充填工程では、前記駆動圧力が前記リミット圧力値に達した後、予め設定した所定の設定時間を経過しても前記型内圧が前記切換条件を満たさないときは、エラー処理を行うことを特徴とする請求項4記載の射出成形機の射出制御方法。
  6. 前記樹脂流路は、前記金型におけるスプル部,ランナ部又はゲート部であることを特徴とする請求項1記載の射出成形機の射出制御方法。
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