JP2018171044A - 経口用組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、消化酵素と、植物処理物とを含有する経口用組成物を提供する。植物処理物が、アシタバ、大麦、クマイザサ、チャノキ、キャベツ、ショウガ及び大豆から選ばれる、少なくとも1種の処理物であることも好ましい。植物処理物が、前記消化酵素の活性を実質的に有しない粉末であることも好ましい。
【選択図】なし
Description
本実施形態の経口用組成物は、消化酵素に加えて植物処理物を含有することにより、該消化酵素活性が優れて高いものである。
本実施形態の経口用組成物は、消化酵素を有する。
消化酵素とは、食品成分を消化する酵素をいい、経口用組成物の投与対象が生成しうる酵素であってもよく、生成できない酵素であってもよい。本実施形態の経口用組成物に含まれる消化酵素は活性型であることが好ましい。活性型酵素とは酵素活性を有する酵素をいう。酵素活性を有するとは、活性を完全に失った状態ではないことをいう。酵素活性の失活は加熱やpHの変化等によって、酵素タンパク質が変性し、活性部位の立体構造が変わることで、基質が酵素に結合できなくなることによって起こる。
プロテアーゼとしては、植物処理物による酵素活性促進効果が高い点でシステインプロテアーゼを含有することが好ましく、特にパパインを含有することが好ましい。
α−アミラーゼは、別名を1,4−α−D−グルカングルカノヒドロラーゼ、グリコゲナーゼといい、デンプンやグリコーゲンのα−1,4−結合を不規則に切断し、多糖ないしマルトース、オリゴ糖を生み出す酵素である。
β−アミラーゼは別名を1,4−α−D−グルカングルカノマルトヒドロラーゼ、グリコゲナーゼあるいはサッカロゲンアミラーゼといい、デンプンやグリコーゲンをマルトース(麦芽糖)に分解する。
グルコアミラーゼは正式名称がグルカン1,4−α−グルコシダーゼといい、1,4−α−D−グルカングルコヒドロラーゼは、エキソ1,4−α−グルコシダーゼ、γアミラーゼ、リソソーマルα−グルコシダーゼあるいはアミログルコシダーゼを別名とする。糖鎖の非還元末端のα−1,4−結合をエキソ型に加水分解してブドウ糖1分子を産生する。α−1,6−結合も切断するものも知られている。
シルグリセリドリパーゼ、ホスホリパーゼが挙げられる。セルラーゼとしては、エンドグルカナーゼ及びエキソグルカナーゼが挙げられる。ガラクトシダーゼとしては、β-ガラ
クトシダーゼなどが挙げられる。
形態では、未成熟パパイヤ果実及び/若しくは果汁又はそれらの加工物をパパインとして使用できる。パパイヤは熱帯アメリカ原産の果物として知られる、パパイヤ属植物であれば特に限定されず、例えば、Carica papayaが挙げられる。パパインは、パパイヤの果実
又は果汁の抽出物及びその乾燥粉末が特に好ましい。
デンプン分解力価は、測定方法は定法に従えばよいが、例えば以下の方法が挙げられる。
デンプン分解力価測定方法:デンプン(溶性)を基質とし、40℃、pH5.0において、30分間に1%デンプン溶液1mlをヨウ素呈色度が波長670nm、光路長10nmで66%の透過率を与えるまで分解する活性を1単位として測定することが出来る。
植物処理物は、植物体が、発酵、乾燥、粉砕、抽出、ろ過、搾汁、スラリー化、加熱などの何れかの処理により得られたものである。本発明において、植物処理物は消化酵素とは異なる成分である。但し、上述したように消化酵素は、食材加工物であってよく当該食材には植物も含まれる。ここでいう加工物の加工方法としては、植物処理物における処理方法と同様のものが挙げられる。従って、本実施形態の経口用組成物には、2種以上の植物加工物を含有し、そのうち1種以上が本実施形態の植物処理物であり、そのうち1種以上が消化酵素であるものが含まれる。
キ科(Theaceae)、アブラナ科(Brassicaceae)、ショウガ科(Zingiberaceae)、マメ科
(Fabaceae)から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。植物体の部位としては、葉、根、根茎、花、茎、種子等各部位が挙げられるが、葉、根茎又は種子を用いることが好ましく、特に、セリ科、イネ科、ツバキ科若しくはアブラナ科植物の葉、ショウガ科植物の根茎、又はマメ科植物の種子から選ばれる少なくとも一種を用いることが好ましい。葉は茎を含んでいてもよい。
大麦若葉は、成熟期前、すなわち分けつ開始期から出穂開始前期に収穫される葉である。ササ類としては、ササ属やアズマザサ属等が挙げられるが、ササ属が好ましく、とりわけクマイザサ(Sasa veitchii)が好ましい。
呼ばれることもある。
また、植物処理物は、植物体の発酵物やその乾燥粉末であってもよい。植物体の発酵物とは、植物体又はその粉砕物、搾汁、抽出物若しくは細片化物を発酵させたものが含まれる。
一般に体内が酵素不足になると、代謝酵素が食物の消化に優先して使用されるため、体内の代謝が低下するといわれている。消化酵素を経口摂取により体内に供給すると、体内での代謝酵素の産生が増加するか又はその消費を抑制し、これにより代謝が増加または改善することでダイエット効果があるといわれている。また、消化酵素を経口摂取により体内に供給すると、消化器官での消化力が向上し、これが整腸につながり、便秘や腹部肥満が解消されやすいとされている。
本発明の組成物は消化酵素活性が高いため、これを経口摂取により体内に供給することで、これらのダイエット効果並びに便秘又は腹部肥満を解消する効果を高めるものと期待される。
下記表1及び表2に示す被験試料として以下のものを用いた。
(1−1)α−アミラーゼ:市販の酵素製剤粉末(デンプン分解力価:〜30単位/mg)を用いた。
パパイン:未成熟パパイヤの種子から抽出した市販のパパイヤ抽出物粉末、(タンパク質分解力価:90,000単位/g)を用いた。
(1−2)植物処理物として下記の粉末を用いた。
・アシタバ:市販のアシタバの乾燥粉砕末を用いた。
・大麦の葉:α−アミラーゼ活性測定には東洋新薬社製の大麦若葉の乾燥粉砕末を、プロテアーゼ活性測定には東洋新薬社製の大麦若葉乾燥粉砕末のエタノール抽出物(大麦若葉の乾燥粉砕末を、100%エタノールで16時間抽出し、遠心後、上清を凍結乾燥により、乾燥粉末化させたもの)を用いた。
・抹茶:東洋新薬社製の碾茶の乾燥粉砕末を用いた。
・発酵ショウガ:東洋新薬社製の商品名「発酵黒ショウガ末」(原料ショウガを、黒麹菌で発酵させた後、乾燥及び粉砕処理してなる乾燥粉砕末)を用いた。
・発酵キャベツ:東洋新薬社製の商品名「キャベツ発酵エキス」(原料キャベツを、乳酸菌で発酵させた後、乾燥及び粉砕処理してなる乾燥粉砕末)を用いた。
・クマイザサ:市販のクマイザサの乾燥粉砕末を用いた。
・豆乳:市販の豆乳乾燥粉末を用いた。
特定の植物処理物が、消化酵素であるα−アミラーゼの活性を顕著に向上させることを以下のとおりに実証した。
(2−1)試料調製
酢酸及び酢酸ナトリウムを水に溶解させて室温にてpH5の20mM酢酸緩衝液を調製した。調製した20mM酢酸緩衝液に、デンプン(和光純薬:191−03985)を0.5mg/mlで溶解し、デンプン溶液とした。
1M塩酸にヨウ化カリウムを1mg/mlになるように溶解した後、ヨウ素を0.1mg/mlになるように溶解し、ヨウ素液とした。
前記20mM酢酸緩衝液に下記表1に示す被験試料を表1に示す濃度となるように分散ないし溶解させることにより、被験試料溶液を調製した。
20mM酢酸緩衝液及び、0.5mg/mlデンプン溶液を用いて、デンプン濃度を0mg/ml、0.06mg/ml、0.125mg/ml、0.25mg/ml及び0.5mg/mlの各濃度に調整したデンプン溶液を用意した。各濃度のデンプン溶液1mlに、20mM酢酸緩衝液125μl、ヨウ素液125μlを順に加え、620nmにおける吸光度を測定し検量線を作成した。
0.5mg/mlデンプン溶液1mlを30℃に保ち、(2−1)で調製した被験試料溶液を125μl加えて反応を開始させ、20分後にヨウ素液を125μl加えよく混合し、酵素反応20分の溶液とした。
それとは別に、0.5mg/mlデンプン溶液1mlにヨウ素液125μl、被験試料
溶液125μlを順に加えよく混合したものを酵素反応0分の溶液とした。酵素反応0分の溶液及び酵素反応20分の溶液のそれぞれの620nmにおける吸光度を測定した。
酵素反応0分及び20分の吸光度差Δから、(2−2)で得た検量線に基づき、被験試料により消化されたデンプン当量値を算出した。
得られたデンプン当量値の平均値について、α−アミラーゼ単体の平均値(比較例1)を100%としたときの相対値を求め、デンプン分解力価(相対値)とした。結果を下記表1に示す。なお、下記表において、〇は、上記(2−1)で調製した被験試料溶液が、左欄に記載の被験試料を同表に記載の濃度で含有していたことを示す(下記表2においても同様)。
従って、植物処理物とα−アミラーゼとを組み合わせた本発明の経口用組成物によるα−アミラーゼ活性向上効果が優れていることが判る。
特定の植物処理物が、消化酵素であるプロテアーゼ活性を顕著に向上させることを以下のとおりに実証した。
(3−1)チロシン検量線の作成
チロシンを105℃で3時間乾燥させた後、0.100gを正確に量り、0.2N 塩酸を加えて溶解し、正確に100μlとしたものを、チロシン標準溶液とした。このチロシン標準溶液 100μlを正確に量り、0.2N 塩酸で5mlにメスアップ後(20μg/ml)、15μg/ml、10μg/ml及び5μg/mlの各濃度に希釈し、検量線試液とした。
スアップすることによって調製した。試験は繰返し数2で実施した。
、A1、A2、A3及びA4を測定した。ここで、A0、A1、A2、A3及びA4のチロシン濃
度は、それぞれ0、5、10、15及び20μg/mlである。
カゼイン溶液は次のようにして調製した。すなわち、カゼイン(ウシ乳由来(Hammarsten処方);和光純薬工業社) 約1gを精密に量り、105℃で2時間インキュベートした後、乾燥質量を測定した。得られた乾燥カゼイン 1.20g相当を精密に量り、0.05M リン酸一水素二ナトリウムの水溶液160mlを加え、水浴中で40℃にて、約15分加温して溶解した。1M 塩酸を用いてpH7.5に調製し、超純水で200mlにメスアップすることにより、カゼイン溶液を調製した。
酢酸カルシウム及び0.002M 硫酸カルシウムを含有する溶液を調製した。
また、ブランクにおける吸光度をABとした。
タンパク質分解力価(単位/g)=(AT−AB)×F×(反応溶液の量)×(1/10)×(1/W)
F:チロシン検量線より求めた吸光度差が1.000のときのチロシン量(μg/ml)
反応溶液:カゼイン溶液+被験試料溶液+タンパク質沈殿溶液
W:反応溶液中の試料の量(g)
従って、植物処理物とプロテアーゼとを組み合わせた本発明の経口用組成物によるプロテアーゼ活性向上効果が優れていることが判る。
(1)中央薬事審議会第523号通知による活性測定法;食品製造用プロテアーゼおよびパパイン製剤のタンパク消化力測定法の検討
(2)日本公定書協会編:改訂かぜ薬・解熱鎮痛薬試験法(付録2)〜胃腸薬の制酸力・pH試験法及び消化力試験法とその解説〜
下記表3の配合にて、α−アミラーゼ及び植物処理物を含有する粉末飲料を製造した。
下記表4の配合にて、α−アミラーゼ及び植物処理物を含有する顆粒剤を製造した。
下記表5の配合にて、プロテアーゼ及び植物処理物を含有する粉末飲料を製造した。
下記表6の配合にて、プロテアーゼ及び植物処理物を含有する顆粒剤を製造した。
Claims (3)
- 消化酵素と、植物処理物とを有する経口用組成物。
- 前記消化酵素がプロテアーゼ又はアミラーゼである請求項1に記載の経口用組成物。
- 前記植物処理物が、アシタバ、大麦、クマイザサ、チャノキ、キャベツ、ショウガ及び大豆から選ばれる少なくとも1種の処理物である、請求項1又は2に記載の経口用組成物。
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