JP2018170734A - 画像形成装置、画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】読取装置による読取誤差を抑制して高精度に画像形成位置の補正を行う画像形成装置を提供する。【解決手段】画像形成装置は、シートに画像を形成するプリンタエンジン150、シートに形成された測定用画像を読み取るイメージスキャナ100、及び制御ユニット200を備える。制御ユニット200は、イメージスキャナ100によるシートの一面を前半部分と後半部分とに2分割して読み取った読取結果に基づいて生成した補正条件により、イメージスキャナ100による測定用画像の読取結果を変換する。制御ユニット200は、変換した読取結果に基づいてシートに対する出力画像の画像形成位置の調整条件を生成する。プリンタエンジン150は、調整条件に基づいてシートへの画像形成位置を調整する。【選択図】図2
Description
本発明は、複写機、プリンタ等の画像形成装置等に関し、特に、シートに対する画像形成位置の調整技術に関する。
画像形成装置は、シートに画像を形成する際に、画像が理想の形成位置からずれた位置に形成されてしまうことがある。これを「位置ずれ」という。特許文献1は、シートの両面の所定の位置にマーク(基準画像)を形成して、これを読取装置で読み取り、読取結果からシート端部からマークまでの距離を測定し、測定した距離に応じて画像の形成位置を調整する画像形成装置を開示する。
位置ずれの原因は様々である。例えば、シートのサイズや坪量、シートの搬送機構が位置ずれの原因となる。いずれの場合も、シートに形成された画像の位置を検出するための基準画像を読取装置で読み取ることで、位置ずれ量が測定可能である。画像形成装置は、位置ずれ量に応じて画像の形成位置を補正することで、シート上の理想位置に画像を形成する。しかし、読取装置の個体差により基準画像の読取結果に読取誤差(測定誤差)が生じる場合、画像形成位置の補正が正確に行えなくなる。
例えば、A3サイズのシートをスキャンして画像を読み取る読取装置は、スキャンのためにワイヤ巻取駆動を採用することがある。ワイヤ巻取駆動に用いられるプーリの偏心やスキャンレールの湾曲により、読取装置の読取部がスキャン方向に対して微小に傾いた状態で移動することがある。その結果、読み取りの結果得られる読取画像が傾き、読み取り誤差が発生し、画像形成位置の補正精度が低下する。また、スキャンレールがスキャン方向に直交する方向に2つ設けられる場合がある。この場合、2つのスキャンレールの個体差により、2つのスキャンレールによる読取部の移動速度に差が生じる。つまり読取部のスキャン方向に直交する方向の両端部で移動速度が異なる。この移動速度の差は、正確な画像の読み取りを阻害して、読取誤差の原因となる。このような読取誤差を、以降「台形歪み」という。台形歪みも、画像形成位置の補正精度の低下要因となる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、読取装置による読取誤差を抑制して高精度に画像形成位置の補正を行う画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明の画像形成装置は、シートに画像を形成する画像形成手段と、前記シートに対する出力画像の画像形成位置を調整条件に基づいて調整する調整手段と、前記画像形成手段により前記シートに形成された測定用画像を読み取る読取手段と、前記読取手段により前記シートの一面を前半部分と後半部分とに2分割して読み取った読取結果に基づいて、補正条件を生成する第1生成手段と、前記第1生成手段により生成された前記補正条件に基づいて、前記読取手段による前記測定用画像の読取結果を変換する変換手段と、前記変換手段により変換された前記読取結果に基づいて前記シートに対する前記測定用画像の画像形成位置に関する情報を取得し、前記情報に基づいて前記調整条件を生成する第2生成手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、読取手段に固有の読取誤差の影響を抑制し、画像形成時の画像形成位置の精度を向上することができる。
以下、実施の形態を図面を参照しつつ詳細に説明する。
(構成)
図1は、本実施形態の画像形成装置の構成図である。画像形成装置10は、プリンタエンジン150、イメージスキャナ100、及び操作部20を備える。プリンタエンジン150は、シートに画像形成を行う。プリンタエンジン150は、単色画像を形成するものであってもよいが、ここでは多色画像を形成する構成について説明する。イメージスキャナ100は、シートに形成された画像を読み取る読取装置及び読み取った画像からシート上の画像形成位置を測定する測定装置として機能する。操作部20は、ユーザインタフェースであり、各種操作ボタン、表示装置、タッチパネル等を備える。操作部20により原稿の画像の複写が指示された場合、画像形成装置10は、イメージスキャナ100により原稿から画像を読み取る。
図1は、本実施形態の画像形成装置の構成図である。画像形成装置10は、プリンタエンジン150、イメージスキャナ100、及び操作部20を備える。プリンタエンジン150は、シートに画像形成を行う。プリンタエンジン150は、単色画像を形成するものであってもよいが、ここでは多色画像を形成する構成について説明する。イメージスキャナ100は、シートに形成された画像を読み取る読取装置及び読み取った画像からシート上の画像形成位置を測定する測定装置として機能する。操作部20は、ユーザインタフェースであり、各種操作ボタン、表示装置、タッチパネル等を備える。操作部20により原稿の画像の複写が指示された場合、画像形成装置10は、イメージスキャナ100により原稿から画像を読み取る。
イメージスキャナ100は、原稿台に載置された原稿から画像を読み取るための読取部40を備える。読取部40は、例えば光学センサであり、原稿を照射して得られる反射光により、原稿画像を読み取る。読取部40は、ホームポジションP1から終了ポジションP2まで、矢印D1方向に移動しながら原稿全面の原稿画像を読み取ることができる。以下の説明において、矢印D1方向がイメージスキャナ100による画像読取時の主走査方向となり、矢印D1方向に直交する方向がイメージスキャナ100による画像読取時の副走査方向となる。イメージスキャナ100は、読み取った原稿画像を表す画像データを生成し、生成した画像データをプリンタエンジン150に送信する。プリンタエンジン150は、取得した画像データに基づいて画像形成処理を行う。
プリンタエンジン150は、複数の画像形成部101Y、101M、101C、101Kを備える。画像形成部101Y、101M、101C、101Kは、各々異なる色のトナーを用いてトナー像を形成する。画像形成部101Yは、イエロー(Y)のトナー像を形成する。画像形成部101Mは、マゼンタ(M)のトナー像を形成する。画像形成部101Cは、シアン(C)のトナー像を形成する。画像形成部101Kは、ブラック(K)のトナー像を形成する。各参照符号の末尾に付されているY、M、C、Kは色を示しており、全ての色に共通する事項を説明する際には、Y、M、C、Kが省略される。プリンタエンジン150は、画像データをイメージスキャナ100の他に、不図示のパーソナルコンピュータ等の情報処理装置から取得してもよい。
画像形成部101は、感光ドラム102、露光器103、帯電器、及び現像器を備える。感光ドラム102は、図中反時計回りに回転するドラム形状の像担持体である。感光ドラム102は、帯電器により表面が一様に帯電される。露光器103は、画像データに基づいてレーザ光を感光ドラム102に照射する。これにより感光ドラム102に画像データに基づいた静電潜像が形成される。現像器は、感光ドラム102に形成された静電潜像を現像する。現像器は、トナー及びキャリアを含む二成分の現像剤を収容しており、トナーを感光ドラム102に供給することで静電潜像を顕像化する。感光ドラム102Yにはイエローのトナー像が形成される。感光ドラム102Mにはマゼンタのトナー像が形成される。感光ドラム102Cにはシアンのトナー像が形成される。感光ドラム102Kにはブラックのトナー像が形成される。なお、トナー像を形成する際に感光ドラム102に照射されるレーザ光は、図1の奥行き方向を主走査方向となる。以下の説明において、図1の奥行き方向がシートへの画像形成時の主走査方向となり、図1の左右方向がシートへの画像形成時の副走査方向となる。
プリンタエンジン150は、画像形成部101Y、101M、101C、101Kの下部に一次転写器105Y、105M、105C、105K及び中間転写ベルト104を備える。一次転写器105Y、105M、105C、105Kは、感光ドラム102Y、102M、102C、102K上に形成された各トナー像を中間転写ベルト104上に転写する。これによって中間転写ベルト104には多色画像が形成される。中間転写ベルト104は、画像を担持する像担持体である。中間転写ベルト104は、図中時計回りに回転しており、形成されたトナー像を回転により二次転写部106まで搬送する。中間転写ベルト104が画像を二次転写部106に搬送するタイミングに合わせて、シートが二次転写部106に搬送される。
シートは、プリンタエンジン150に設けられる収容部110a、110bに収容される。収容部110a、110bに収容されるシートは、給紙ローラによって1枚ずつ給紙される。給紙されたシートは、搬送路をレジストレーションローラ111へ搬送される。レジストレーションローラ111は、シートの斜行等の補正を行う。レジストレーションローラ111は、中間転写ベルト104上のトナー像が二次転写部106に搬送されるタイミングに合わせて、シートを二次転写部106に搬送する。中間転写ベルト104上のトナー像とシートとが二次転写部106を通過する際に、トナー像が、中間転写ベルト104からシートへ転写される。転写後に中間転写ベルト104に残留するトナーは、ベルトクリーナ108によって清掃される。
プリンタエンジン150は、定着器107を備える。トナー像が転写されたシートは、二次転写部106から定着器107へ搬送される。定着器107は、複数のローラ及びヒータを有する。定着器107は、シートに転写された未定着のトナー像を、ローラ及びヒータにより加熱及び加圧することで、シートにトナー像を定着させる。これによりシートへの画像形成が終了する。画像形成が終了したシートは、定着器107から排紙ローラ112によりプリンタエンジン150(画像形成装置10)の外部へ排出される。
両面印刷を行う場合、第1面(オモテ面)に画像が形成されたシートは、定着器107を通過した後に、フラッパにより反転パス113へ搬送される。シートは、反転パス113で搬送方向が反転されて、両面パス114へ搬送される。反転パス113から両面パス114へ搬送されることで、シートは表裏が反転する。表裏が反転したシートは、両面パス114を介して再びレジストレーションローラ111へ搬送され、第1面と同様に第1面とは異なる第2面(ウラ面)への画像形成が行われる。第2面への画像形成後に、シートは、排紙ローラ112によりプリンタエンジン150(画像形成装置10)の外部へ排出される。画像形成装置10は、このようにしてシートに対する出力画像の形成を行う。
両面印刷時の画像品質の一つとして、オモテ面の出力画像の画像形成位置と、ウラ面の出力画像の画像形成位置との整合がとれていることがあげられる。オモテ面の画像形成位置とウラ面の画像形成位置とを確認する場合、後述の測定チャートが用いられる。測定チャートは、画像形成位置を測定するための測定用画像が形成されたシートである。シートの両面に測定用画像が形成された測定チャートにより、オモテ面の画像形成位置及びウラ面の画像形成位置が測定される。オモテ面の画像形成位置及びウラ面の画像形成位置の測定結果に応じて、両面の画像形成位置のずれ量(位置ずれ量)が補正され、オモテ面の画像の形成位置と、ウラ面の画像の形成位置との整合がとられる。
(制御ユニット)
図2は、このような構成の画像形成装置10の動作を制御するための制御ユニットの構成図である。制御ユニット200は、画像形成装置10に内蔵される。図2(a)は、制御ユニット200のハードウェア構成図である。制御ユニット200は、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random
Access Memory)203、及びストレージ204を備える。
図2は、このような構成の画像形成装置10の動作を制御するための制御ユニットの構成図である。制御ユニット200は、画像形成装置10に内蔵される。図2(a)は、制御ユニット200のハードウェア構成図である。制御ユニット200は、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random
Access Memory)203、及びストレージ204を備える。
CPU201は、ROM202及びストレージ204からコンピュータプログラムを読み出し、RAM203を作業領域に用いて実行することで、画像形成装置10の動作を制御する。ストレージ204は、HDD(Hard Disk drive)やSSD(Solid State Drive)等の大容量記憶装置である。ストレージ204は、イメージスキャナ100や外部の情報処理装置から取得する画像データ、操作部20から入力される各種の設定情報等を格納する。特に、本実施形態では、ストレージ204は、画像形成位置を補正するための調整条件を格納する。
図2(b)は、画像形成装置10の機能ブロック図である。本実施形態では、画像形成位置の補正を行うための機能について説明し、画像形成装置10による画像形成のための機能の説明については省略する。制御ユニット200は、CPU201がコンピュータプログラムを実行することで、画像処理部210、位置演算部213、スキャナ個体情報記憶部214、シート管理テーブル400、及びパターンジェネレータ70として機能する。なお、制御ユニット200の各機能は、コンピュータプログラムの実行により実現される他に、ディスクリート品やワンチップの半導体製品により実現さてもよい。ワンチップの半導体製品には、例えばMPU(Micro-Processing Unit)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、SOC(System-On-a-Chip)がある。
画像処理部210は、位置調整部211を含み、画像データに種々の画像処理を行い、シート上に所望の画像が形成されるように画像データを補正する。画像処理部210が行う画像処理は、例えば階調補正や画像形成位置の補正のための処理である。画像処理部210により補正された画像データは、プリンタエンジン150の露光器103へ送信される。露光器103は、画像処理部210により補正された画像データに基づいて変調したレーザ光を感光ドラム102に照射して、感光ドラム102に画像データに基づいた静電潜像を形成する。
位置調整部211は、シートへの画像の形成位置を、調整条件に基づいて補正する。位置調整部211は、シートへの画像形成位置が目標位置となるように、画像データを既知の方法により補正する。
シート上に形成される画像は、その画像形成位置が理想的な画像形成位置とならない可能性がある。例えば、シートが搬送方向に対して傾いて二次転写部106を通過する場合、画像がシートに対して傾いて形成される。また、定着器107のローラの圧力分布が均一ではない場合、定着処理中のシートが変形するために、画像がシートに対して傾いて形成される。また、両面印刷を行う場合、シートは、オモテ面への画像形成時に定着器107による熱と圧力によって伸縮し、オモテ面に形成された画像のサイズとウラ面に形成された画像のサイズが異なってしまう(両面倍率誤差)。この場合、シートのオモテ面の画像形成位置とウラ面に画像形成位置とが異なってしまう。
二次転写部106を通過するシートの傾き及び定着器107におけるシートの変形量は、シートのサイズ、坪量、及び材質等が同じであれば再現性が高い。本実施形態の画像形成装置10は、シートに対する画像形成位置が理想的な位置になるように、シートの変形量に応じて、形成する画像の形状を変形する。位置調整部211は、シート管理テーブル400に格納されたシートに対する画像形成位置のずれを補正するための変換式等の調整条件に基づいて画像データを変換する。例えば、シートへの画像形成時の主走査方向の倍率が1.1倍になった場合、位置調整部211は、形成する画像の画像形成時の主走査方向の長さが1/1.1倍になるように画像データを補正する。これによりシートに形成される画像の画像形成時の主走査方向の倍率が1.0倍になる。また、所定の画素の座標が所定の方向に0.1画素ずれる場合、位置調整部211は、当該画素の座標を逆方向に0.1画素ずらすように画像データを補正する。これにより当該画素がシートの理想位置に形成される。画像形成部101は、位置調整部211により変換された画像データに基づいて画像を形成する。これによりシートに対する画像形成位置のずれを相殺した画像が、中間転写ベルト104に形成される。なお、シート管理テーブル400は、位置演算部213により生成された、画像形成位置の位置ずれ量と当該位置ずれ量を抑制するための調整条件とを、シートの種類毎に格納する。シート管理テーブル400は例えばストレージ204に形成される。
位置演算部213は、画像形成位置の位置ずれ量を測定し、後述の補正条件及び調整条件を生成する。そのために位置演算部213は、補正条件生成部2131及び調整条件生成部2132を備える。位置演算部213は、手動モード及び自動モードのいずれかの調整条件生成モードにより、画像形成位置の位置ずれ量を測定する。調整条件生成モードの選択は、操作部20を用いて行われる。図3は、調整条件生成モードを選択するための選択画面の例示図である。選択画面500は、例えば操作部20から画像形成位置を補正するための調整条件の生成指示が入力された場合に、操作部20に表示される。ユーザは、操作部20により選択画面500から手動モード及び自動モードのいずれかを選択する。位置演算部213は、操作部20から選択結果を取得し、選択結果に応じた調整条件生成モードで画像形成位置の位置ずれ量を測定し、測定した位置ずれ量に対する調整条件の生成を行う。
パターンジェネレータ70は、画像形成位置の測定に用いる測定用画像を形成するための画像データである測定画像データをプリンタエンジン150へ送信する。プリンタエンジン150は、測定画像データに応じて測定用画像をシートに形成して測定チャートを生成する。
手動モードでは、ユーザが測定チャートに形成された測定用画像の位置を測定し、測定結果を操作部20により位置演算部213に入力する。位置演算部213は、操作部20から入力された測定結果から画像形成位置の位置ずれ量を測定して、位置ずれ量の調整条件を生成し、生成した調整条件をシート管理テーブル400に格納する。自動モードでは、イメージスキャナ100が測定チャートに形成された測定用画像の位置を読み取り、その読取結果(読取画像)を位置演算部213に入力する。位置演算部213は、読取画像から測定用画像の位置(座標データ)を測定して調整条件を生成し、生成した調整条件をシート管理テーブル400に格納する。
スキャナ個体情報記憶部214は、イメージスキャナ100の個体差に起因する画像形成位置の測定誤差を低減するように生成された補正条件を記憶する。位置演算部213は、イメージスキャナ100による測定用画像の測定結果に基づいて補正条件の生成を行う。位置演算部213は、イメージスキャナ100から取得する測定用画像の測定結果に対して補正条件を適用することで、該測定結果に含まれるイメージスキャナ100の個体差による測定誤差を低減する。位置演算部213は、測定誤差を低減された測定結果に応じて、画像形成位置の位置ずれ量の調整条件を生成することになる。
(シート管理テーブル)
図4は、シート管理テーブル400の例示図である。シート管理テーブル400で管理されるシートは、例えばプリンタメーカによって評価済みの市場で入手可能なシートや、ユーザが操作部20により登録したシート等である。シート管理テーブル400は、例えばXML(Extensible Markup Language)やCSV(Comma-Separated Values)等のファイル形式でストレージ204に格納される。シート管理テーブル400は、適宜、読み出し、書き込み、及び更新が可能である。
図4は、シート管理テーブル400の例示図である。シート管理テーブル400で管理されるシートは、例えばプリンタメーカによって評価済みの市場で入手可能なシートや、ユーザが操作部20により登録したシート等である。シート管理テーブル400は、例えばXML(Extensible Markup Language)やCSV(Comma-Separated Values)等のファイル形式でストレージ204に格納される。シート管理テーブル400は、適宜、読み出し、書き込み、及び更新が可能である。
シート管理テーブル400は、シートの種類毎の属性データが登録される。シートの種類は、シート名称511により識別される。属性データには、シートの物理的な特徴である、シートの幅512、シートの長さ513、シートの坪量514、シートの表面性515、及びシートの色516がある。また属性データには、シートがプレプリント紙であるか否かの情報517、オモテ面の位置ずれ量518、及びウラ面の位置ずれ量519がある。シートの表面性515は、例えば、普通紙、エンボス、両面コート等のシート表面の物理特性を示す。一般に、コート処理は、シート面の光沢性を向上させるために行われる。エンボス処理は、シート面に凹凸を施す処理である。シートの色516は、シートの色を表わす。プレプリント紙であるか否かの情報517は、印刷に使用されるシートがプレプリント紙であるか否かを表す。プレプリント紙とは、例えば罫線や枠等が予め印刷されたシートである。
位置ずれ量518は、シートのオモテ面における、理想の画像形成位置からの位置のずれを定量的に表す値である。位置ずれ量519は、シートのウラ面における、理想の画像形成位置からの位置のずれを定量的に表す値である。位置ずれ量518、519に応じて画像形成時のシートへの画像形成位置が補正されることで、画像が、シートに対して理想の画像形成位置に形成される。画像形成装置10は、位置ずれ量を打ち消すように画像形成位置を調整して画像形成を行う。本実施形態では、位置ずれ量518、519が、リード位置、サイド位置、主走査倍率、及び副走査倍率で表される。
リード位置は、シートに対する画像形成時の副走査方向の画像形成位置の位置ずれ量を表す。サイド位置は、シートに対する画像形成時の主走査方向の画像形成位置の位置ずれ量を表す。リード位置は、シートの搬送方向先端を起点とした画像の形成開始位置である。リード位置の初期値は「0」である。サイド位置は、シートの搬送方向左側のシート端部を起点とした画像の形成開始位置である。サイド位置の初期値は「0」である。リード位置及びサイド位置は、例えば、露光器103が感光ドラム102へ照射するレーザ光の照射開始タイミングを制御することで調整される。副走査倍率は、画像形成時の副走査方向の画像長のずれ(理想の長さに対する倍率)を表す。副走査倍率は、例えば、中間転写ベルト104の回転速度を制御することで調整される。主走査倍率は、画像形成時の主走査方向の画像長のずれ(理想の長さに対する倍率)を表す。主走査倍率は、例えば、露光器103において、画像データに基づくレーザ光の変調の際に、レーザ光のクロック周波数を制御することで調整される。副走査倍率及び主走査倍率の初期値は「0」である。
上述したように、画像形成装置10は、手動モード及び自動モードの2つの調整条件生成モードで動作可能である。手動モードでは、ユーザが定規等を用いて測定チャートを測定し、操作部20から測定結果を入力する。位置演算部213は入力された測定結果に基づいて位置ずれ量518、519を導出する。自動モードでは、イメージスキャナ100が測定チャートを読み取り、測定チャートにおける測定用画像の位置に基づいて位置演算部213が位置ずれ量518、519を導出する。位置演算部213は、位置ずれ量518、519をシートの属性データとして、シート管理テーブル400に対して、新規登録や予め登録されている属性データの更新を行う。
(位置ずれ量)
図5は、測定チャートの説明図である。測定チャートは、シートのオモテ面802及びウラ面803の所定の位置に測定用画像820が形成されて構成される。本実施形態では、測定用画像820が、測定チャートの両面四隅に合計8つ形成される。測定用画像820が理想的な位置に形成される場合、測定用画像820は、測定チャートのシート端部から所定の距離離れた位置に形成される。測定用画像820は、シートの色に対して反射率の差が大きい色で形成される。例えば白色のシートに対して、ブラックの測定用画像820が形成される。
図5は、測定チャートの説明図である。測定チャートは、シートのオモテ面802及びウラ面803の所定の位置に測定用画像820が形成されて構成される。本実施形態では、測定用画像820が、測定チャートの両面四隅に合計8つ形成される。測定用画像820が理想的な位置に形成される場合、測定用画像820は、測定チャートのシート端部から所定の距離離れた位置に形成される。測定用画像820は、シートの色に対して反射率の差が大きい色で形成される。例えば白色のシートに対して、ブラックの測定用画像820が形成される。
シートの色に対して反射率の差が大きい色で測定用画像820が形成されることで、イメージスキャナ100による測定チャートの読取画像から、測定用画像820のシート端部からの距離を高精度に測定することが可能となる。手動モードでは、ユーザがシート端部から測定用画像820までの距離を測定する。測定用画像820のシート端部からの距離に応じて、位置ずれ量518、519が導出される。
測定チャートは、例えば、片面について前半部分と後半部分とに2分割してイメージスキャナ100で読み取られる。この場合、測定チャートは、前半部分の読取画像と後半部分の読取画像とを合成するためのマーク830を含む。マーク830は、測定チャートのオモテ面とウラ面とにそれぞれ2つずつ形成される。位置演算部213は、前半部分の読取画像のマーク830の中心位置が、後半部分の読取画像のマーク830の中心位置と一致するように、前半部分と後半部分との各読取画像を合成する。これにより、1枚のシート(測定チャート)の読取画像が生成される。
測定チャートは、イメージスキャナ100で読み取られる場合に位置決めを行うための目印となるマーク810、811、812、813を含む。マーク810、811、812、813は、各々異なる色で形成される。例えば、マーク810がブルー、マーク811がイエロー、マーク812がレッド、マーク813がグリーンである。測定チャートをイメージスキャナ100に読み取らせる場合、操作部20には、マーク810、811、812、813の色が順に指定される。ユーザは、指定された色の順で測定チャートをイメージスキャナ100に読み取らせる。これにより測定チャートの重複読み取りが防止される。
このような測定チャートは、調整条件生成モードにかかわらず同じ測定用画像820により形成される。なお、測定のしやすさの観点から調整条件生成モードに応じて別の測定用画像820により測定チャートが形成されてもよい。この場合、異なる測定用画像820を表す複数の画像データがパターンジェネレータ70に格納される。操作部20により入力される調整条件生成モードに応じて、適宜、パターンジェネレータ70から画像データがプリンタエンジン150へ送信される。
図6は、測定チャートから読み取られた測定用画像820のシート端部からの距離の測定結果から、位置ずれ量を導出するための演算テーブルの例示図である。演算テーブル600は、ストレージ204に格納される。制御ユニット200は、演算テーブル600に基づいて位置ずれ量を算出する。
図4で説明したように、位置ずれ量518、519は、オモテ面に対する項目及びウラ面に対する項目により表される。演算テーブル600は、オモテ面及びウラ面の各項目に対する位置ずれ量の換算式を示す。位置ずれ量518、519を表す項目には、上述のリード位置、サイド位置、主走査倍率、及び副走査倍率に加え、直角度がある。直角度は、シートの座標Pt01と座標Pt11とを結ぶ辺から測定用画像820までの距離D、H(図5参照)と画像読取時の主走査方向の用紙長A(図5参照)等から定義される。各項目の換算式で用いられるA〜Jは、図5に示す、測定用画像820のシート端部からの距離の測定結果である。これらの換算式から算出される位置ずれ量が相殺されるように、調整条件が生成される。つまり、位置ずれ量は調整条件の一例である変換式を定義するパラメータである。広義には位置ずれ量自体も調整条件である。なお、図6の主走査方向、副走査方向は、いずれも画像読取時の方向である。
自動モードでは、イメージスキャナ100が、測定チャートの両面をそれぞれ前半部分と後半部分との2回に分けて読み取る。これは、位置演算部213がエッジ検出によって測定チャートのシート端部を検出するために、原稿台上で測定チャートのシート端部を強調させる必要があるためである。なお、この強調のために、黒色の圧版などによって測定チャートを原稿台に対して押圧してもよい。測定チャートの前半部分を読み取る場合、測定チャートは、後半部分が図1の手前側にはみ出すように、原稿台に載置される。測定チャートの後半部分を読み取る場合、測定チャートは、前半部分が読み取られる状態から180度回転され、既に読み取られた前半部分が図1の手前側にはみ出すように原稿台に載置される。
1回目の読取動作において、イメージスキャナ100は、読取部40をホームポジションP1から終了ポジションP2まで移動させながら、測定チャートのオモテ面の前半部分を読み取る。2回目の読取動作において、イメージスキャナ100は、読取部40をホームポジションP1から終了ポジションP2まで移動させながら、測定チャートのオモテ面の後半部分を読み取る。3回目の読取動作において、イメージスキャナ100は、読取部40をホームポジションP1から終了ポジションP2まで移動させながら、測定チャートのウラ面の前半部分を読み取る。4回目の読取動作において、イメージスキャナ100は、読取部40をホームポジションP1から終了ポジションP2まで移動させながら、測定チャートのウラ面の後半部分を読み取る。このような4回の読取動作により、測定チャートの両方の面の測定用画像が読み取られる。
位置演算部213は、測定チャートのオモテ面の前半部分の読取画像と後半部分の読取画像とをマーク830の位置に応じて合成する。位置演算部213は、合成した読取画像から、図5に示すように座標Pt01(X01、Y01)〜Pt71(X71、Y71)、座標Pt02(X02、Y02)〜Pt71(X72、Y72)を取得する。座標はPtij(Xij、Yij)で表記され、iは位置を示す識別番号であり、jはオモテ面(j=1)かウラ面(j=2)かを示す識別番号である。座標Pt01は、測定チャートのオモテ面802における左上角(以下の説明において、測定チャートの前半部分側を上、後半部分側を下とし、左右は前半部分側を見た場合の左右方向である。)の座標である。座標Pt11は、測定チャートのオモテ面802における右上角の座標である。座標Pt21は、測定チャートのオモテ面802における左下角の座標である。座標Pt31は、測定チャートのオモテ面802における右下角の座標である。座標Pt41は、オモテ面802の左上に形成された測定用画像820における左上角の座標である。座標Pt51は、オモテ面802の右上に形成された測定用画像820における右上角の座標である。座標Pt61は、オモテ面802の左下に形成された測定用画像820における左下角の座標である。座標Pt71は、オモテ面802の右下に形成された測定用画像820における右下角の座標である。ウラ面803に関しても同様に定義される。
自動モードでは、イメージスキャナ100による測定チャートの読取画像から位置ずれ量が測定される。イメージスキャナ100の個体差は、読取画像の誤差の原因となる。そのために、位置ずれ量を導出する際に、読取誤差を低減する補正条件が必要となる。手動モードでは、イメージスキャナ100が不要である。そのために、イメージスキャナ100の個体差による読取誤差を低減する処理が不要である。
(手動モード)
図7は、手動モード用の測定結果の入力画面の例示図である。入力画面700は、手動モードが設定されたときに操作部20に表示される。入力画面700には、測定チャートの測定部分を示すガイダンスと、測定結果を入力する入力ボックスとが設けられる。この例では、ユーザは、測定チャートのオモテ面802およびウラ面803のそれぞれについて、パラメータC〜Jを測定し、測定結果を操作部20により対応する入力ボックスに入力する。
図7は、手動モード用の測定結果の入力画面の例示図である。入力画面700は、手動モードが設定されたときに操作部20に表示される。入力画面700には、測定チャートの測定部分を示すガイダンスと、測定結果を入力する入力ボックスとが設けられる。この例では、ユーザは、測定チャートのオモテ面802およびウラ面803のそれぞれについて、パラメータC〜Jを測定し、測定結果を操作部20により対応する入力ボックスに入力する。
位置演算部213は入力画面700から入力された測定結果に基づいて、図6の演算テーブル600に示す変換式を用いて画像形成位置の位置ずれ量を算出する。位置演算部213は、測定結果を演算テーブル600に登録されている演算式に代入することで、測定チャート両面の「リード位置」、「サイド位置」、「主走査倍率」、「副走査倍率」、及び「直角度」の位置ずれ量を算出する。位置演算部213は、算出した各項目の位置ずれ量を、シートの属性データとしてシート管理テーブル400の位置ずれ量518、519に登録する。
(自動モード)
図8は、イメージスキャナ100の個体差の説明図である。画像形成装置10は、両面印刷を実行することでシートの両面に測定用画像を形成した測定チャートを出力する。オモテ面画像802a及びウラ面画像803aは、測定用画像が形成された測定チャートの両面を表す。測定チャートは、画像形成装置10により、オモテ面画像802a及びウラ面画像803aのそれぞれで、測定用画像が正しい直角度で形成される。
図8は、イメージスキャナ100の個体差の説明図である。画像形成装置10は、両面印刷を実行することでシートの両面に測定用画像を形成した測定チャートを出力する。オモテ面画像802a及びウラ面画像803aは、測定用画像が形成された測定チャートの両面を表す。測定チャートは、画像形成装置10により、オモテ面画像802a及びウラ面画像803aのそれぞれで、測定用画像が正しい直角度で形成される。
イメージスキャナ100は、読取部40がホームポジションP1から終了ポジションP2へ移動するためのスキャンレールを備える。スキャンレールの平面度のずれや、イメージスキャナ100の筐体の歪み、読取部40の焦点の誤差等は、測定チャートの読取画像において、直角度の誤差の原因となる。オモテ面画像802b及びウラ面画像803bは、イメージスキャナ100により測定チャートを読み取った結果(読取画像)を表す。上述の通り、イメージスキャナ100が測定チャートの両面をそれぞれ前半部分及び後半部分に分けて読み取るため、オモテ面画像802b及びウラ面画像803bは、前半部分及び後半部分に分けられた読取画像となる。イメージスキャナ100による測定チャートの読取画像には、オモテ面画像802b及びウラ面画像803bに示すように、直角度ずれδが生じる。直角度ずれδは、イメージスキャナ100の部品交差や組立工程により生じる、個体固有の読取誤差である。直角度ずれδは、位置演算部213により測定チャートの読取画像から導出され、スキャナ個体情報記憶部214に記憶される補正条件の一つである。
なお、直角度ずれδは距離の単位で表される。本実施形態において、直角度ずれδは、測定チャートの左上の測定用画像820における右下角と左下の測定用画像820における右上角とを結ぶ直線L1に対して直交する直線L2と、右上の測定用画像820における左下角との間の距離で表される。なお、この他に、直角度ずれδは、左上の測定用画像820における左上角と左下の測定用画像820における左下角とを結ぶ直線に対して直交する直線と、右上の測定用画像820における右上角との間の距離で表されてもよい。直角度ずれδは、測定チャートの画像読取時の副走査方向の画像形成位置の位置ずれ量を表す。
図9は、イメージスキャナ100の個体差に起因して生じる直角度の読取誤差の説明図である。イメージスキャナ100により前半部分及び後半部分に分けて読み取られた測定チャートは、位置演算部213によりマーク830に基づいて合成される。図8のオモテ面画像802bを合成した読取画像がオモテ面画像1301である。図8のウラ面画像803bを合成した読取画像がウラ面画像1302である。ここでは、測定チャートの両面(オモテ面802及びウラ面803)に、測定用画像820が正しい直角度で形成されている。測定チャートは、両面(オモテ面802及びウラ面803)が、イメージスキャナ100の画像読取時の主走査方向に対して斜行することなく原稿台に載置されて読み取られる。
オモテ面画像1301の左上角は、座標(xp1、yp1)、角度θAである。ウラ面画像1302においてオモテ面画像1301の左上角に相当する右上角は、角度θA’である。オモテ面画像1301は、直角度の読取誤差により、破線で示す理想的な矩形の読取画像に対して変形している。変形の度合い1307は、誤差角度θで表される。ウラ面画像1302も同様に変形しており、変形の度合い1308は、変形の度合い1307と同一の角度である誤差角度θで表される。誤差角度θは、以下の式で表される。
θ = (θA−θA’)/2 …(式1)
θ = (θA−θA’)/2 …(式1)
直角度ずれδにより、ウラ面画像1302の左上の測定用画像における右下角と左下の測定用画像における右上角との直線に直交する直線1306が、読取誤差が無いときよりも誤差角度θだけずれる。
図10は、イメージスキャナ100の個体差の導出方法の説明図である。ここでは、直角度ずれδを導出する方法について説明する。
オモテ面画像1402は、図8のオモテ面画像802bを合成した読取画像である。オモテ面画像1402は、測定チャートがイメージスキャナ100の画像読取時の主走査方向に対して斜行することなく原稿台に載置されて読み取られる。オモテ面画像1402は、読取誤差により、破線で示す理想的な矩形の読取画像1401に対して変形している。オモテ面画像1402の左上角は、座標A(xp1、yp1)、角度θAである。オモテ面画像1402の右上角は、座標B(xp2、yp2)である。オモテ面画像1402の左下角は、座標C(xp3、yp3)である。
ウラ面画像1404は、測定チャートがイメージスキャナ100の画像読取時の主走査方向に対して斜行して原稿台に載置されて読み取られた、ウラ面の前半部分及び後半部分の読取画像を合成した読取画像である。ウラ面画像1404において、測定チャートのオモテ面の左上角に相当する右上角は、座標A’(xp1、yp1)、角度θA’である。ウラ面画像1404において、測定チャートのオモテ面の右上角に相当する左上角は、座標B’(xp2、yp2)である。ウラ面画像1404において、測定チャートのオモテ面の左下角に相当する右下角は、座標C’(xp3、yp3)である。ウラ面画像1404は、読取誤差により、斜行した状態で読み取られた破線で示す読取画像1403に対して変形している。
ウラ面画像1404が画像読取時の主走査方向に対して斜行して原稿台に載置された測定チャートから読み取られて生成されるために、(式1)により誤差角度θを算出することはできない。これは、イメージスキャナ100の画像読取時の副走査方向の各位置により直角度ずれ量1407が異なり、測定チャートの同一位置A、A’における直角度ずれ量が異なるためである。そのために誤差角度θは、オモテ面画像1402及びウラ面画像1404に対して、画像読取時の副走査方向の各位置における直角度ずれ量1407を逆方向に補正した際に角度θA及び角度θA’が一致するようにして導出される。オモテ面画像1402の左下角の座標Cの画像読取時の副走査方向の座標を「0」とすると、左上角の座標Aに対して直角度ずれ量1407を逆方向に補正した座標A2(xp12,xp12)は、以下の式で表される。
yp12 = yp1 …(式2)
xp12 = xp1 − tanθ × yp12 …(式3)
yp12 = yp1 …(式2)
xp12 = xp1 − tanθ × yp12 …(式3)
オモテ面画像1402の右上角の座標B、左下角の座標C、ウラ面画像1404の右上角の座標A’、左上角の座標B’、右下角の座標C’に対しても、同様の式により、逆補正した座標が得られる。逆補正後の角度θA及び角度θA’が一致、または最接近する角度θにより、直角度ずれδが導出される。
(画像形成位置補正)
図11は、シートに対する画像形成位置の補正処理の説明図である。
図11は、シートに対する画像形成位置の補正処理の説明図である。
位置演算部213は、イメージスキャナ100が測定チャートを読み取ることで取得した画像データ(読取画像)に対してエッジ検出を実行する。これにより位置演算部213は、シート端部の位置や各測定用画像820の位置を取得する。ここでは測定チャートのオモテ面802について説明するが、ウラ面803についても同様の処理が適用される。
位置演算部213は、測定チャートのオモテ面の読取画像の左上角の座標(xp1、yp1)と右上角の座標(xp2、yp2)とを直線で結ぶ。位置演算部213は、測定チャートのオモテ面の読取画像の左上角の座標(xp1、yp1)と左下角の座標(xp3、yp3)とを直線で結ぶ。位置演算部213は、測定チャートのオモテ面の読取画像の右上角の座標(xp2、yp2)と右下角の座標(xp4、yp4)とを直線で結ぶ。位置演算部213は、測定チャートのオモテ面の読取画像の左下角の座標(xp3、yp3)と右下角の座標(xp4、yp4)とを直線で結ぶ。
位置演算部213は、測定チャートのオモテ面の読取画像の左上の測定用画像の左上角の座標(x11、y11)と右上の測定用画像の右上角の座標(x12、y12)とを直線で結ぶ。位置演算部213は、測定チャートのオモテ面の読取画像の左上の測定用画像の左上角の座標(x11、y11)と左下の測定用画像の左下角の座標(x13、y13)とを直線で結ぶ。位置演算部213は、測定チャートのオモテ面の読取画像の左下の測定用画像の左下角の座標(x13、y13)と右下の測定用画像の右下角の座標(x14、y14)とを直線で結ぶ。位置演算部213は、測定チャートのオモテ面の読取画像の右上の測定用画像の右上角の座標(x12、y12)と右下の測定用画像の右下角の座標(x14、y14)とを直線で結ぶ。なお、位置演算部213が行う2つの座標間を直線で結ぶとは、2点を通る直線の方程式を導出することである。
位置演算部213は、座標(x11、y11)と座標(x12、y12)とを結ぶ直線が、座標(x11、y11)と座標(x13、y13)とを結ぶ直線に対して直交するように、画像データを補正するための変換式1を決定する。このとき、座標(x11、y11)と座標(x12、y12)とを結ぶ直線の中点が基準となる。変換式1は、画像形成時の主走査方向の各位置における画像形成時の画像の副走査方向の書き出し位置、つまり、画像形成位置を補正するための演算式である。変換式1によって導出される直角度ずれ量δの補正量である直角度補正量dが、直角度ずれ量の補正条件に相当する。
直角度補正量dは、次のような以下のように算出される。位置演算部213は、座標(x11、y11)、座標(x12、y12)、座標(x13、y13)、座標(x14、y14)から、直角理想点PD(xpd、ypd)を導出する。例えば、位置演算部213は、測定チャートのオモテ面の読取画像の左上の測定用画像と左下の測定用画像とを結ぶ第1直線を決定する。位置演算部213は、測定チャートのオモテ面の読取画像の左上の測定用画像を通り、且つ、第1直線に直交する第2直線を決定する。位置演算部213は、測定チャートのオモテ面の読取画像の右下の測定用画像と右上の測定用画像とを結ぶ第3直線を決定する。位置演算部213は、第2直線と第3直線との交点を直角理想点PDとする。位置演算部213は、直角理想点PDから座標(x12、y12)までの直線距離である読取直角度δtを導出する。直角理想点PD(xpd、ypd)は、座標(x11、y11)と座標(x13、y13)とを結ぶ直線の傾きa0を用いて、以下のように表される。なお、「b」は、傾きが−1/a0、かつ、座標(x11、y11)を通過する直線のy切片である。
xpd = x11+(x12−x11) …(式4)
ypd = −xpd/a0 + b …(式5)
a0 = (y11−y13)/(x11−x13) …(式6)
xpd = x11+(x12−x11) …(式4)
ypd = −xpd/a0 + b …(式5)
a0 = (y11−y13)/(x11−x13) …(式6)
読取直角度δtは、直角理想点PD(xpd、ypd)と座標(x12、y12)との距離であるために、以下の式で表される。
δt = sqrt((x12−xpd)^2+(y12−ypd)^2) …(式7)
ここで関数sqrt()は平方根を求める関数である。演算記号“^”は累乗を意味する。
δt = sqrt((x12−xpd)^2+(y12−ypd)^2) …(式7)
ここで関数sqrt()は平方根を求める関数である。演算記号“^”は累乗を意味する。
読取直角度δtは、イメージスキャナ100の個体差に起因した直角度ずれδを含んだ値である。そのために位置演算部213は、読取直角度δtと個体差に起因した直角度ずれδとを用いて、以下の式により直角度補正量dを導出する。
d = δt+δ …(式8)
d = δt+δ …(式8)
直角度補正量d、読取直角度δt、直角度ずれδは、それぞれ1[mm]あたりの傾きを示す指標値であり、単純加算が可能なパラメータとしてスキャナ個体情報記憶部214に記憶される。なお、直角度補正量dは、シート管理テーブル400に格納されてもよい。直角度補正量dは、第1の直角調整条件に相当する。直角度ずれδは、イメージスキャナ100の個体差に起因した測定誤差(読取誤差)である。直角度補正量dは、イメージスキャナ100による測定用画像の測定結果(読取画像)から当該測定誤差(読取誤差)を低減するよう生成された補正条件である。
読取画像の左上角のx座標は、座標(x11、y11)と座標(x13、y13)とを結ぶ直線(y=a0x+b0)に沿って移動することで補正される。読取画像の右上角のx座標は、座標(x11、y11)と(x12、y12)とを結ぶ直線(y=a1x+b1)に沿って移動することで補正される。座標(x11、y11)と座標(x12、y12)とを結ぶ直線の傾きa1が負の場合、座標(x11、y11)及び座標(x12、y12)は、イメージスキャナ100の読取誤差を補正により、座標(x21、y21)及び座標(x22、y22)に移動する。
x21 = x11 − 0.5d×cos(θ0) …(式9)
y21 = y11 − 0・5d×sin(θ0) …(式10)
x22 = x12 + 0.5d×cos(θ1) …(式11)
y22 = y12 + 0・5d×sin(θ1) …(式12)
「θ1」は、arctan(a1)である。
x21 = x11 − 0.5d×cos(θ0) …(式9)
y21 = y11 − 0・5d×sin(θ0) …(式10)
x22 = x12 + 0.5d×cos(θ1) …(式11)
y22 = y12 + 0・5d×sin(θ1) …(式12)
「θ1」は、arctan(a1)である。
座標(x11、y11)と座標(x12、y12)とを結ぶ直線の傾きa1が正の傾きの場合、位置演算部213は、以下の式に基づいて座標(x21、y21)及び座標(x22、y22)を導出する。これにより座標(x11、y11)及び座標(x12、y12)は、イメージスキャナ100の読取誤差が補正される。
x21 = x11 + 0.5d×cos(θ0) …(式13)
y21 = y11 + 0・5d×sin(θ0) …(式14)
x22 = x12 − 0.5d×cos(θ1) …(式15)
y22 = y12 − 0・5d×sin(θ1) …(式16)
x21 = x11 + 0.5d×cos(θ0) …(式13)
y21 = y11 + 0・5d×sin(θ0) …(式14)
x22 = x12 − 0.5d×cos(θ1) …(式15)
y22 = y12 − 0・5d×sin(θ1) …(式16)
同様に、読取画像の左下角の座標(x13、y13)、右下角の座標(x14、y14)は、直角度補正量dに基づいて、それぞれ座標(x23、y23)、座標(x24、y24)に補正される。傾きa1が負であれば、以下の式が適用される。
x23 = x13 − 0.5d×cos(θ0) …(式17)
y23 = y13 − 0・5d×sin(θ0) …(式18)
x24 = x14 + 0.5d×cos(θ1) …(式19)
y24 = y14 + 0・5d×sin(θ1) …(式20)
x23 = x13 − 0.5d×cos(θ0) …(式17)
y23 = y13 − 0・5d×sin(θ0) …(式18)
x24 = x14 + 0.5d×cos(θ1) …(式19)
y24 = y14 + 0・5d×sin(θ1) …(式20)
傾きa1が正であれば、以下の式が適用される。
x23 = x13 + 0.5d×cos(θ0) …(式21)
y23 = y13 + 0・5d×sin(θ0) …(式22)
x24 = x14 − 0.5d×cos(θ1) …(式23)
y24 = y14 − 0・5d×sin(θ1) …(式24)
なお、θ0=atan(a0)、θ1=atan(a1)である。
x23 = x13 + 0.5d×cos(θ0) …(式21)
y23 = y13 + 0・5d×sin(θ0) …(式22)
x24 = x14 − 0.5d×cos(θ1) …(式23)
y24 = y14 − 0・5d×sin(θ1) …(式24)
なお、θ0=atan(a0)、θ1=atan(a1)である。
このようにして、オモテ面の読取画像及びウラ面の読取画像ともに、イメージスキャナ100に固有の直角度ずれ値δの影響が低減される。また、直角度ずれ値δを用いて補正された読取画像に基づいて画像データが補正されるため、画像形成装置10がシートに形成する画像の直角度が正しくなる。つまり、直角度が「0」に近づく。
(式9)〜(式24)は、読取画像の四隅の座標を変換する式であるが、読取画像内の任意の点(座標)についての変換式であってもよい。座標(x11、y11)と座標(x12、y12)とを結ぶ直線上の任意の点の座標(x1m、y1m)を例に説明する。任意の点の補正による移動方向は、座標(x11、y11)又は座標(x12、y12)の移動方向と同一である。その移動距離は、座標(x11、y11)と座標(x12、y12)との中点から座標(x1m、y1m)までの距離に比例する。従って、座標(x1m、y1m)を補正した新たな座標(x2m、y2m)は、以下の式で表される。
傾きa1が負であり、且つ、座標(x1m、y1m)が中点よりも座標(x11、y11)に近い場合、以下の式で新たな座標(x2m、y2m)が表される。
x2m = x1m − 0.5d×α×cos(θ0) …(式25)
y2m = y1m − 0・5d×α×sin(θ0) …(式26)
x2m = x1m − 0.5d×α×cos(θ0) …(式25)
y2m = y1m − 0・5d×α×sin(θ0) …(式26)
傾きa1が負であり、且つ、座標(x1m、y1m)が中点よりも座標(x12、y12)に近い場合、以下の式で新たな座標(x2m、y2m)が表される。
x2m = x1m + 0.5d×α×cos(θ1) …(式27)
y2m = y1m + 0・5d×α×sin(θ1) …(式28)
x2m = x1m + 0.5d×α×cos(θ1) …(式27)
y2m = y1m + 0・5d×α×sin(θ1) …(式28)
傾きa1が正であり、且つ、座標(x1m、y1m)が中点よりも座標(x11、y11)に近い場合、(式27)、(式28)により新たな座標(x2m、y2m)が表される。傾きa1が正であり、且つ、座標(x1m、y1m)が中点よりも座標(x12、y12)に近い場合、(式25)、(式26)により新たな座標(x2m、y2m)が表される。以上の(式25)〜(式28)において、係数αは次式によって表される。
α = Lm/L3 …(式29)
α = Lm/L3 …(式29)
なお、「L3」は、座標(x11、y11)と座標(x12、y12)との中点から座標(x11、y11)までの距離である。「Lm」は、座標(x11、y11)と座標(x12、y12)との中点から座標(x1m、y1m)までの距離である。
座標(x11、y11)と座標(x12、y12)とを結ぶ直線上に無い任意の点の座標(x1n、y1n)は、補正により座標(x2n、y2n)に変換される。例えば、座標(x11、y11)と座標(x12、y12)との中点を通る傾きa0の直線と、座標(x1n、y1n)を通る傾きa1の直線と、の交点を基準として、座標(x1m、y1m)と同様に補正されて座標(x2n、y2n)が導出される。
位置演算部213は、座標(x23、y23)と座標(x24、y24)とを結ぶ直線が、座標(x21、y21)と座標(x23、y23)とを結ぶ直線に対して直交するように、画像データを補正するための変換式2を決定する。このとき、座標(x23、y23)と座標(x24、y24)とを結ぶ直線の中点の位置(x102、y102)が基準となる。変換式2は、画像形成時の主走査方向の各位置における画像形成時の副走査方向の倍率を補正するための演算式である。変換式2は第2の直角調整条件に相当する。位置演算部213は、変換式2に基づいて座標(x23、y23)を座標(x33、y33)に補正し、座標(x24、y24)を座標(x34、y34)に補正する。
位置演算部213は、シートに形成する画像の画像形成時の主走査方向及び副走査方向の画像長が理想的な長さになるように、画像データを補正するための変換式3を決定する。このとき、読取画像の左上角が基準となる。変換式3は、画像形成時の主走査方向及び副走査方向の画像の倍率を補正するための演算式である。変換式3は伸縮調整条件に相当する。位置演算部213は、伸縮調整条件に基づいて座標(x21、y21)を座標(x41、y41)に補正する。なお、読取画像の左上角が基準となる場合、座標(x21、y21)と座標(x41、y41)とが同値である。位置演算部213は、伸縮調整条件に基づいて座標(x22、y22)を座標(x42、y42)に補正し、座標(x33、y33)を座標(x43、y43)に補正し、座標(x34、y34)を座標(x44、y44)に補正する。
位置演算部213は、シートの左端と形成する画像の左端とが平行になるように画像データを補正する。シートの左端とは、測定チャートの左上の座標(xp1、yp1)と左下の座標(xp3、yp3)とを結ぶ線分である。形成する画像の左端とは、画像の左上角の座標(x41、y41)と左下角の座標(x43、y43)とを結ぶ線分である。
位置演算部213は、シートに形成する画像が左上角を中心に角度θ2だけ回転するように、画像データを補正するための変換式4を決定する。変換式4は、回転調整条件に相当する。位置演算部213は、回転調整条件に基づいて補正することで、座標(x42、y42)を座標(x52、y52)に変換し、座標(x43、y43)を座標(x53、y53)に変換し、座標(x44、y44)を(x54、y54)に変換する。
シートの中心位置と形成する画像の中心位置とがずれる場合、これらが一致するように、位置演算部213は、画像形成時の主走査方向及び副走査方向の書き出し位置を補正するための変換式5を決定する。位置演算部213は、例えばシートの中心位置を測定チャートの四隅の座標(xp1、yp1)〜座標(xp4、yp4)から導出する。変換式5はオフセット条件に相当する。オフセット条件に基づいて変換された画像のシート上の形成位置は、理想的な形成位置となる。
このように、シートの端部から測定用画像820までの長さに基づいて、シートに形成する画像自体を所定量シフトさせ、且つ回転させることで、画像形成位置のずれが調整される。手動モードでは、位置演算部213は、操作部20から入力されたオモテ面に関する情報に基づいてオモテ面用の変換式1〜5を決定する。自動モードでは、位置演算部213は、イメージスキャナ100による測定チャートのオモテ面の読取画像に基づいてオモテ面用の変換式1〜5を決定する。オモテ面用の変換式1〜5は、シートの第1面用の調整条件に相当する。オモテ面用の変換式1〜5は、シート管理テーブル400に格納される。なお、オモテ面用の変換式1〜5は、一つの変換式に統合されてもよい。シートのウラ面に関しても、オモテ面と同様に画像形成位置が補正される。自動モードでは、位置演算部213は、イメージスキャナ100による測定チャートのウラ面の読取画像に基づいてウラ面用の変換式1〜5を決定する。ウラ面用の変換式1〜5は、シートの第2面用の調整条件に相当する。ウラ面用の変換式1〜5は、シート管理テーブル400に格納される。また、変換式1〜5の少なくとも一つ調整条件としてもよい。
画像形成装置10が画像データに基づいてシートに画像を形成する場合、位置調整部211は、シート管理テーブル400に格納される変換式1〜5に基づいて画像データを変換する。これによって、シートに対する画像形成位置が理想位置となるように、画像形成位置のずれが補正される。
(自動モードによる調整条件生成処理)
図12は、自動モードによる調整条件の生成処理を表すフローチャートである。制御ユニット200は、操作部20から図3の調整条件生成モードを選択するための選択画面500による自動モードの選択指示を取得することで、調整条件の生成処理を開始する。
図12は、自動モードによる調整条件の生成処理を表すフローチャートである。制御ユニット200は、操作部20から図3の調整条件生成モードを選択するための選択画面500による自動モードの選択指示を取得することで、調整条件の生成処理を開始する。
調整条件の生成処理を開始した制御ユニット200は、まず、シートの種類を特定する情報を操作部20から取得する(S1000)。制御ユニット200は、パターンジェネレータ70から調整条件の生成用の測定チャートを作成するための測定画像データを取得して、プリンタエンジン150に該測定画像データに応じた画像形成処理を行わせる。これにより測定画像データに応じた測定用画像がシートに形成されることで、測定チャートが作成される(S1001)。画像形成装置10は、作成した測定チャートを排出する。
ユーザは、作成された測定チャートをイメージスキャナ100の原稿台に載置して、操作部20により測定チャートの読み取りを指示する。これによりイメージスキャナ100は、測定チャートを読み取り、読取画像を表す画像データを制御ユニット200に送信する。このようにして測定チャートが読み取られる(S1002)。
制御ユニット200は、測定チャートの読み取りの完了を判断する(S1003)。例えば、複数枚の測定チャートが作成される場合、制御ユニット200は、イメージスキャナ100から画像データを測定チャートの枚数分取得したかにより、測定チャートの読み取りの完了を判断する。シートの両面に測定用画像が形成された測定チャートの場合、制御ユニット200は、出力された測定チャートの2倍の数だけ画像データを取得したかにより、測定チャートの読み取りの完了を判断する。測定チャートの各面を2分割して読み取る場合、制御ユニット200は、出力された測定チャートの4倍の数だけ画像データを取得したかにより、測定チャートの読み取りの完了を判断する。
測定チャートの読み取りが完了した場合(S1003:Y)、制御ユニット200は、取得した画像データが表す読取画像に基づいて、イメージスキャナ100の個体差に起因した読取誤差(測定誤差)を算出する。ここでは、制御ユニット200は、直角度ずれδを算出する。制御ユニット200は、算出した測定誤差である直角度ずれδを低減するような補正条件を生成して、スキャナ個体情報記憶部214に記憶する(S1004)。制御ユニット200は、読取画像のオモテ面画像1402及びウラ面画像1404(図10参照)の一つの角における角度が小さくなる補正条件を導出する。例えば、制御ユニット200は、オモテ面画像1402及びウラ面画像1404の2つの角度差を算出することで、補正条件を導出する。また、制御ユニット200は、オモテ面画像1402及びウラ面画像1404に対して測定誤差の逆変換を行うことで誤差の影響前の画像を推定し、角度θA、θA’(図10参照)が最小になる測定誤差を算出することで、補正条件を導出してもよい。
制御ユニット200は、測定チャートの読取画像と導出した補正条件とに基づいて、シートへの画像形成時の画像の位置ずれ量を導出する。また、制御ユニット200は、上述の変換式を導出する。制御ユニット200は、導出した位置ずれ量及び変換式を、調整条件として、S1004の処理で取得したシートに対応するシート管理テーブル400に記憶する(S1005)。
図13は、S1002の測定チャートの読取処理を表すフローチャートである。
制御ユニット200は、測定チャートの排出後に、ユーザに対して測定チャートのオモテ面の読取要求を行う(S1101)。例えば、制御ユニット200は、操作部20にオモテ面の読取動作を行うためのガイダンスを表示することで読取要求を行う。制御ユニット200は、読取要求後に、読取指示を取得するまで待機する(S1102)。ユーザは、ガイダンスに応じて、測定チャートをイメージスキャナ100の原稿台にオモテ面が読み取られるように載置して、操作部20により測定チャートの読み取りを指示する。
制御ユニット200は、操作部20から測定チャートの読取指示を取得した場合(S1102:Y)、イメージスキャナ100の動作を制御して、測定チャートのオモテ面を読み取らせる(S1103)。制御ユニット200は、イメージスキャナ100から測定チャートのオモテ面の読取画像を表す画像データを取得する(S1104)。画像データには、図9に示す座標(x11、y11)、(x12、y12)、(x13、y13)、(x14、y14)等のデータが含まれる。なお、読取データには、図9に示す測定チャートの四隅の座標(x11、y11)、(x12、y12)、(x13、y13)、(x14、y14)も含まれてもよい。測定チャートの四隅の座標は、測定チャートの左辺や中心位置を求める際に必要となる。
オモテ面の読取画像を表す画像データの取得によりオモテ面の読み取りが終了すると、制御ユニット200は、ユーザに対して測定チャートのウラ面の読取要求を行う(S1105)。例えば、制御ユニット200は、操作部20にウラ面の読取動作を行うためのガイダンスを表示することで読取要求を行う。制御ユニット200は、読取要求後に、読取指示を取得するまで待機する(S1106)。ユーザは、ガイダンスに応じて、測定チャートをイメージスキャナ100の原稿台にウラ面が読み取られるように載置して、操作部20により測定チャートの読み取りを指示する。
制御ユニット200は、操作部20から測定チャートの読取指示を取得した場合(S1106:Y)、イメージスキャナ100の動作を制御して、測定チャートのウラ面を読み取らせる(S1107)。制御ユニット200は、イメージスキャナ100から測定チャートのウラ面の読取画像を表す画像データを取得する(S1108)。ウラ面803の画像データは、オモテ面802の画像データと同様な内容(四隅の座標等)を含む。
以上のような処理により、制御ユニット200は、測定チャートの両面の画像データを取得して、後続の処理(S1004以降の処理)を行う。
(画像形成処理)
図14は、通常の画像形成時の処理を表すフローチャートである。この処理では、画像形成位置の補正が行われる。なお、本実施形態で通常の画像形成時の処理とは、画像形成装置10が、イメージスキャナ100により読み取った原稿画像の画像データに基づいてシートに画像形成を行う複写処理や、外部の情報処理装置からの印刷ジョブに応じた処理である。
図14は、通常の画像形成時の処理を表すフローチャートである。この処理では、画像形成位置の補正が行われる。なお、本実施形態で通常の画像形成時の処理とは、画像形成装置10が、イメージスキャナ100により読み取った原稿画像の画像データに基づいてシートに画像形成を行う複写処理や、外部の情報処理装置からの印刷ジョブに応じた処理である。
制御ユニット200は、画像形成の指示により、画像形成に用いるシートに関するシート情報を取得する(S1200)。シート情報には、画像形成に用いるシートの種類等の情報が含まれる。制御ユニット200は、シート情報により画像形成に用いるシートの種類を特定することができる。
制御ユニット200は、シート情報により特定したシートの種類に応じた調整条件である変換式をシート管理テーブル400から取得する(S1201)。上述の通り、変換式は、測定チャートにより生成された画像形成位置の位置ずれ量を抑制するための式である。本実施形態では、直角度補正量dに基づいて測定チャートの読取画像が補正されて変換式が導出されるために、変換式の精度が向上している。
制御ユニット200は、形成する画像を表す画像データを変換する(S1202)。制御ユニット200は、イメージスキャナ100から変換対象となる画像データを取得する。制御ユニット200は、例えば画像処理部210の位置調整部211に変換式を設定し、位置調整部211により画像データの変換を行う。変換式を適用することで、位置調整部211は、画像データが表す画像の形状を事前に変形する。この変形により、プリンタエンジン150で発生する変形が相殺される。
制御ユニット200は、プリンタエンジン150を制御して、変換した画像データによる画像形成を実行する(S1203)。これにより、シートに、変換した画像データに応じた画像が形成される。
なお、両面印刷が指示されている場合、制御ユニット200は、プリンタエンジン150を制御して、オモテ面に画像が形成されたシートを反転パス113に搬送させることで、シートの表裏を反転させる。制御ユニット200は、S1201、S1202と同様の処理により、ウラ面の画像データの変換をウラ面用の変換式に基づいて行う。制御ユニット200は、プリンタエンジン150に、変換後のウラ面の画像データによるシートのウラ面への画像形成を行わせる。これにより、画像がシートの両面の理想的な位置に形成される。
以上のような構成の本実施形態の画像形成装置10は、イメージスキャナ100に固有の直角度ずれδに起因して発生する測定チャートの読取誤差が低減した画像形成が可能である。つまり、プリンタエンジン150の画像形成処理に起因する測定チャートの読取直角度δtが正確に測定可能になる。その結果、画像形成位置の補正をより正確に行うための変換式が生成可能になる。例えば、シートのオモテ面とウラ面とでそれぞれ個別に変換式を生成し、これらの変換式を用いて画像データを補正して両面印刷を実行する。これにより、シートの表裏について画像形成位置が精度よく補正される。また、画像の直角度も正しく補正される。つまり、オモテ面の直角度とウラ面の直角度とをともに「0」に近づけることができる。
なお、画像形成装置10は、イメージスキャナ100に代えて、外付けの読取装置が接続される構成であってもよい。この場合、制御ユニット200は、読取装置による測定チャートの読取画像(読取直角度δt)と個体差情報(直角度ずれδ)とに基づいて補正条件(直角度補正量d)を導出する。
画像形成装置10は、イメージスキャナ100の他に、測定チャートを読み取るための読取装置を、シートの搬送路上に内蔵してもよい。この場合、ユーザが測定チャートをイメージスキャナ100の原稿台に載置して読み取らせるという作業が省略され、自動的に測定チャートが読み取られる。そのためにユーザビリティが向上する。読取装置は、シートの搬送路において定着器107よりも下流側に設けられる。例えば、読取装置は、定着器107と排紙ローラ112との間の搬送路や、反転パス113に設けられる。
読取装置が反転パス113に設けられる場合、制御ユニット200は、オモテ面に測定用画像が形成された測定チャートを反転パス113に搬送させて、読取装置に測定チャートのオモテ面を読み取らせる。その後、制御ユニット200は、測定チャートを、表裏を反転させて二次転写部106へ搬送させる。これにより測定チャートのウラ面に測定用画像が形成される。制御ユニット200は、ウラ面に測定用画像が形成された測定チャートを再び反転パス113に搬送させ、読取装置に測定チャートのウラ面を読み取らせる。読取装置が測定チャートのウラ面を読み取った後に、制御ユニット200は、測定チャートを二次転写部106及び定着器107を介して排紙ローラ112により排出させる。
制御ユニット200は、イメージスキャナ100により測定チャートを読み取った場合と同様に、読取装置による測定チャートの読取画像(読取直角度δt)と個体差情報(直角度ずれδ)とに基づいて補正条件(直角度補正量d)を導出する。
以上のような本実施形態によると、イメージスキャナ100の個体差に起因した読取画像の測定誤差(直角度ずれδ)が、位置演算部213により測定チャートの読取画像から導出されて、スキャナ個体情報記憶部214に記憶される。
直角度補正量dは、プリンタエンジン150に起因する直角度ずれδtに、イメージスキャナ100の個体差に起因する直角度ずれδを加算することで得られる。よって、直角度補正量dは、イメージスキャナ100による測定チャートの読取画像から当該測定誤差(読取誤差)を低減するよう生成された補正条件の一例である。位置演算部213は、イメージスキャナ100による測定チャートの読取画像に対して補正条件を適用することで、当該読取画像に含まれているイメージスキャナ100の個体差に起因した測定誤差(読取誤差)を低減する。位置演算部213は、当該測定誤差を低減された当該読取画像に応じて調整条件(位置ずれ量、変換式)を生成する。位置調整部211は、シートへの画像形成位置を調整条件にしたがって補正する。このようにイメージスキャナ100に存在する個体差が基準画像である測定用画像が形成された測定チャートの読取画像に及ぼす影響が削減されるため、画像形成位置の補正精度が向上する。
本実施形態の画像形成装置10は、シートの両面の画像形成位置を補正可能である。イメージスキャナ100は、シートのオモテ面(第1面)に形成された測定用画像を読み取るとともに、当該シートのウラ面(第2面)に形成された測定用画像を読み取る。位置演算部213は、第1面に形成された測定用画像の読取画像に対して補正条件を適用することで、当該読取画像からイメージスキャナ100の個体差に起因した読取誤差(測定誤差)を低減する。位置演算部213は、当該読取誤差を低減された読取画像に応じて、第1面への画像形成位置を補正する第1調整条件を生成する。
同様に、位置演算部213は、第2面に形成された測定用画像の読取画像に対して補正条件を適用することで、当該読取画像に含まれているイメージスキャナ100の個体差に起因した読取誤差を低減する。位置演算部213は、当該読取誤差を低減された当該読取画像に応じて、第2面への画像形成位置を補正する第2調整条件を生成する。
位置調整部211は、シートの第1面への画像形成の際に、その画像形成位置を第1調整条件に応じて補正し、シートの第2面への画像形成の際に、その画像形成位置を第2調整条件に応じて補正する。これにより、シートの両面において、画像形成位置が精度よく補正されて画像が形成される。
図8で説明したようにイメージスキャナ100は、測定チャートを前半部分、後半部分の2分割して読み取り、読取画像を合成することで、測定チャートの一面の全体の読取画像を得ることができる。この場合、測定チャートのシート端部のエッジ検出精度が向上し、画像形成位置の補正精度が向上する。
位置演算部213は、手動モード及び自動モードのいずれかの調整条件生成モードにより調整条件を生成する。自動モードでは、ユーザが測定チャートから測定用画像の位置を計測する必要が無いために、ユーザビリティが向上する。手動モードでは、イメージスキャナ100等の読取装置が不要であるために、調整条件の生成の際に、イメージスキャナ100の個体差の影響を考慮する必要がなくなる。
測定チャートは、図5に示すようにシートに測定用画像が形成されて作成される。位置演算部213は、図11に示すように、測定チャートに形成される測定用画像の位置に基づいて、調整条件を生成する。
位置演算部213は、測定チャートの読取画像の左上の隅に形成された測定用画像と左下の隅に形成された測定用画像とを結ぶ第1直線を決定する。位置演算部213は、測定チャートの読取画像の左上の隅に形成された測定用画像を通り、且つ、第1直線に直交する第2直線を決定する。位置演算部213は、測定チャートの読取画像の右下の隅に形成された測定用画像と右上の隅に形成された測定用画像とを結ぶ第3直線を決定する。位置演算部213は、第2直線と第3直線との交点を直角理想点PDに決定する。
位置演算部213は、当該直角理想点PDと測定チャートの右上の隅に形成された測定用画像との距離を、プリンタエンジン150に起因する直角度のずれδtとして決定する。位置演算部213は、直角度のずれδtにイメージスキャナ100の個体差に起因した読取誤差である直角度ずれδを加算することで、直角度補正量dを決定する。位置演算部213は、当該直角度補正量dを用いて調整条件を生成する。
(台形歪みの補正)
イメージスキャナ100の読取部40は、スキャンレールをホームポジションP1から終了ポジションP2へ移動しながら測定チャートを読み取る。スキャンレールは、例えば、読取部40の移動方向(図1の矢印D1方向)に対して直交する画像読取時の副走査方向に2本設けられる。読取部40の移動速度は、2本のスキャンレールの個体差等の影響で差が生じることがある。つまり読取部40は、画像読取時の副走査方向の両端部で移動速度が異なることになる。このような速度差がある状態で読取部40が測定チャートを読み取ると、読み取った画像に歪みが生じる。これが台形歪みとなる。このように台形歪みは、イメージスキャナ100の個体固有の読取誤差である。台形歪みは、位置演算部213により測定チャートの読取画像から導出され、スキャナ個体情報記憶部214に記憶される補正条件の一つである。
イメージスキャナ100の読取部40は、スキャンレールをホームポジションP1から終了ポジションP2へ移動しながら測定チャートを読み取る。スキャンレールは、例えば、読取部40の移動方向(図1の矢印D1方向)に対して直交する画像読取時の副走査方向に2本設けられる。読取部40の移動速度は、2本のスキャンレールの個体差等の影響で差が生じることがある。つまり読取部40は、画像読取時の副走査方向の両端部で移動速度が異なることになる。このような速度差がある状態で読取部40が測定チャートを読み取ると、読み取った画像に歪みが生じる。これが台形歪みとなる。このように台形歪みは、イメージスキャナ100の個体固有の読取誤差である。台形歪みは、位置演算部213により測定チャートの読取画像から導出され、スキャナ個体情報記憶部214に記憶される補正条件の一つである。
図15は、台形歪みの説明図である。図5に示す測定チャートは、読取部40により、前半部分と、後半部分との2分割で読み取られる。測定チャートは、原稿台上で前半部分が読み取られた後、原稿台に180度回転して再度載置されて後半部分が読み取られる。読取部40の副走査方向の速度差により、オモテ面802の前半部分の読取画像1601と後半部分の読取画像1604とは、画像読取時の副走査方向の位置により、画像読取時の主走査方向の長さに差が生じる。例えば、読取画像1601は、画像読取時の副走査方向の第1位置の辺1602の長さmが、画像読取時の副走査方向の第2位置の辺1603の長さnよりも短くなる。読取画像1604についても同様である。この長さmと長さnとの差が台形歪みによる読取誤差となる。
台形歪みによる読取誤差を補正する場合、位置演算部213は、読取画像1601と読取画像1604とを合成して測定チャートの一面の全体の読取画像1605を生成する。全体の読取画像1605は、合成の際に読取画像1604が180度回転される。読取時の測定チャートの配置と読取誤差とにより、前半部分の読取画像1601と後半部分の読取画像1604とは、接合点1611、1612が合致しない場合がある。この場合、位置演算部213は、各読取画像1601、1604の該当部分の中間を接合点1611、1612とする。
位置演算部213は、全体の読取画像1605の右上角1613と右下角1614と直線1617で結び、左上角1615と左下角1616とを直線1618で結び、接合点1611と接合点1612とを直線1619で結ぶ。直線1618と直線1619との交点から左側の接合点1611までの直線1606は、長さaであり中間点1608を含む。直線1617と直線1619との交点から右側の接合点1612までの直線1607は、長さbであり中間点1609を含む。位置演算部213は、直線1617を中間点1609まで並行移動した直線1620、直線1618を中間点1608まで並行移動した直線1621を生成する。位置演算部213は、直線1620、1621により矩形1610を形成する。
台形歪みの補正は、全体の読取画像1605を矩形1610に補正することで行われる。この全体の読取画像1605を矩形1610に補正する条件が補正条件となる。補正条件により全体の読取画像1605を矩形1610に補正する処理、つまり台形歪みの補正処理について説明する。ここでは前半部分の読取画像1601を例に説明する。
前半部分の読取画像1601の4つの角を頂点c、d、e、pとする。補正では、頂点p、eが直線1621の点p’、e’に移動するように座標変換が行われる。頂点eを原点、頂点dのY座標(副走査方向の座標)を「0」とすると、点e’の位置(座標)は以下の式で算出される。
e’(x) = a/2 …(式30)
e’(y) = 0 …(式31)
e’(x) = a/2 …(式30)
e’(y) = 0 …(式31)
点p’の位置(座標)は以下の式で算出される。
p’(x) = p(x)−a / 2 …(式32)
p’(y) = p(y) …(式33)
p’(x) = p(x)−a / 2 …(式32)
p’(y) = p(y) …(式33)
測定用画像820の読取画像の角の座標kと画像読取時の副走査方向の位置が同じで、直線1621上の点j、頂点pと頂点eとを結ぶ線上の点i、頂点cと頂点dとを結ぶ線上の点hとする。点hから、点k、点j、点iまでの各距離を距離hk、hj、hiとすると、座標kの補正後の座標lが以下の式で算出される。
l(x) = h(x)− hk × hj / hi …(式34)
l(y) = k(y) …(式35)
l(x) = h(x)− hk × hj / hi …(式34)
l(y) = k(y) …(式35)
読取画像1623は、前半部分の読取画像1601に対して頂点p、eへの補正を行った画像である。読取画像1623に対して、頂点c、dを直線1620の点c’、d’に移動するように座標変換が行われる。この場合、点p’、e’を結ぶ直線を起点に、頂点p、eと同様の処理で座標変換が行われる。
同様の処理を後半部分の読取画像1604についても行うことで、台形歪みの補正処理が終了する。読取画像1624は、台形歪みの補正処理が終了した状態を表す。なお、台形歪みの補正は、全体の読取画像1605自体を用いる他に、読取画像1605の各点の位置(座標)のみを使用して行われてもよい。
図16は、台形歪みを補正する場合の自動モードによる調整条件の生成処理を表すフローチャートである。制御ユニット200は、操作部20から図3の調整条件生成モードを選択するための選択画面500による自動モードの選択指示を取得することで、調整条件の生成処理を開始する。
調整条件の生成処理を開始した制御ユニット200は、まず、シートの種類を特定する情報を操作部20から取得する(S1500)。制御ユニット200は、パターンジェネレータ70から調整条件の生成用の測定チャートを作成するための測定画像データを取得して、プリンタエンジン150に該測定画像データに応じた画像形成処理を行わせる。これにより測定画像データに応じた測定用画像がシートに形成されることで、測定チャートが作成される(S1501)。画像形成装置10は、作成した測定チャートを排出する。
ユーザは、作成された測定チャートをイメージスキャナ100の原稿台に載置して、操作部20により測定チャートの読み取りを指示する。これによりイメージスキャナ100は、測定チャートを読み取り、読取画像を表す画像データを制御ユニット200に送信する。このようにして測定チャートが読み取られる(S1502)。イメージスキャナ100は、測定チャートの一面(オモテ面)を、前半部分と後半部分とに2分割して読み取る。イメージスキャナ100は、測定チャートのオモテ面の前半部分の半分以上の領域を読み取った後に、操作部20により測定チャートの180度回転を指示する。ユーザは、この指示に応じて、測定チャートを180度回転してイメージスキャナ100の原稿台に載置し、操作部20により測定チャートの読み取りを指示する。イメージスキャナ100は、180度回転された測定チャートのオモテ面の後半部分の領域を読み取る。
制御ユニット200は、測定チャートの読み取りの完了を判断する(S1503)。例えば、複数枚の測定チャートが作成される場合、制御ユニット200は、イメージスキャナ100から画像データを測定チャートの枚数の2倍分取得したかにより、測定チャートの読み取りの完了を判断する。シートの両面に測定用画像が形成された測定チャートの場合、制御ユニット200は、出力された測定チャートの4倍の画像データを取得したかにより、測定チャートの読み取りの完了を判断する。
測定チャートの読み取りが完了した場合(S1503:Y)、制御ユニット200は、取得した画像データが表す読取画像に基づいて、台形歪みによる読取誤差(測定誤差)を算出して、読取誤差を低減するための補正条件を生成する。制御ユニット200は、生成した補正条件をスキャナ個体情報記憶部214に記憶する(S1504)。読取誤差の算出及び補正条件の生成の処理の詳細は上述したとおりである。即ち、制御ユニット200は、位置演算部213により、前半部分の読取画像1601と後半部分の読取画像1604とを合成して、測定チャート全体の読取画像1605を生成し、読取画像1605により台形歪みによる読取誤差を算出する。位置演算部213は、全体の読取画像1605の接合点1611、1612の角度を180度に近づけるための補正条件を算出する。
例えば、位置演算部213は、直線1617と直線1619との交点から、右側の接合点1612までの間の中間点1609に直線1617を並行移動した直線1620を生成する。位置演算部213は、直線1618と直線1619との交点から、左側の接合点1611までの間の中間点1608に直線1618を並行移動した直線1621を生成する。位置演算部213は、全体の読取画像1605を直線1620及び直線1621が構成する矩形1610に補正する補正条件を算出する。
制御ユニット200は、測定チャートの読取画像と導出した補正条件とに基づいて、シートへの画像形成時の画像の位置ずれ量を導出する。また、制御ユニット200は、上述の変換式を導出する。制御ユニット200は、導出した位置ずれ量及び変換式を、調整条件として、S1004の処理で取得したシートに対応するシート管理テーブル400に記憶する(S1505)。
以上のような、本実施形態の画像形成装置10は、イメージスキャナ100に固有の読取誤差を測定チャートから適切に取得し、読取誤差に応じた補正条件、画像形成時の調整条件を生成する。そのために、イメージスキャナ100による読取誤差を抑制して、高精度に画像形成位置の補正を行うことができる。
Claims (10)
- シートに画像を形成する画像形成手段と、
前記シートに対する出力画像の画像形成位置を調整条件に基づいて調整する調整手段と、
前記画像形成手段により前記シートに形成された測定用画像を読み取る読取手段と、
前記読取手段により前記シートの一面を前半部分と後半部分とに2分割して読み取った読取結果に基づいて、補正条件を生成する第1生成手段と、
前記第1生成手段により生成された前記補正条件に基づいて、前記読取手段による前記測定用画像の読取結果を変換する変換手段と、
前記変換手段により変換された前記読取結果に基づいて前記シートに対する前記測定用画像の画像形成位置に関する情報を取得し、前記情報に基づいて前記調整条件を生成する第2生成手段と、を備えることを特徴とする、
画像形成装置。 - 前記読取手段は、前記シートの前半部分を読み取った後に、180度回転された前記シートから後半部分を読み取り、
前記第1生成手段は、前記シートの前半部分の第1読取結果と後半部分の第2読取結果とを合成した前記シートの一面の全体の読取結果を生成し、前記第1読取結果と前記第2読取結果との接合点の角度を180度に近づける前記補正条件を生成することを特徴とする、
請求項1記載の画像形成装置。 - 前記第1生成手段は、
前記全体の読取結果の右上角と右下角とを結ぶ第1直線と、前記第1読取結果と前記第2読取結果との右側の接合点との間に、前記第1直線を並行移動し、
前記全体の読取結果の左上角と左下角とを結ぶ第2直線と、前記第1読取結果と前記第2読取結果との左側の接合点との間に、前記第2直線を並行移動し、
並行移動した前記第1直線及び並行移動した前記第2直線が構成する矩形に、前記全体の読取結果を補正するための前記補正条件を生成することを特徴とする、
請求項2記載の画像形成装置。 - 前記第1生成手段は、前記矩形の右上の点に前記全体の読取結果の右上角を移動させ、前記矩形の右下の点に前記全体の読取結果の右下角を移動させ、前記矩形の左上の点に前記全体の読取結果の左上角を移動させ、前記矩形の左下の点に前記全体の読取結果の左下角を移動させる前記補正条件を生成することを特徴とする、
請求項3記載の画像形成装置。 - 前記第1生成手段は、前記第1直線と前記右側の接合点との中間点に前記第1直線を並行移動し、前記第2直線と前記左側の接合点との中間点に前記第2直線を並行移動することを特徴とする、
請求項3又は4記載の画像形成装置。 - 前記第2生成手段は、前記変換手段により変換された前記読取結果に基づいて、前記画像形成手段に起因する画像形成位置の位置ずれ量を導出し、該位置ずれ量に基づいて前記調整条件を生成することを特徴とする、
請求項1〜5のいずれか1項記載の画像形成装置。 - 前記第2生成手段は、前記画像形成手段に起因する画像形成位置の位置ずれ量を抑制するような前記調整条件を生成することを特徴とする、
請求項1〜5のいずれか1項記載の画像形成装置。 - 前記第2生成手段は、前記シートに形成する前記画像の、画像形成位置、主走査方向の各位置における副走査方向の倍率の補正、主走査方向及び副走査方向の画像の倍率の補正、回転調整条件、及びオフセット条件、の少なくとも一つを前記調整条件として生成することを特徴とする、
請求項1〜7のいずれか1項記載の画像形成装置。 - 前記第2生成手段は、前記シートに形成する前記画像の、画像形成位置、主走査方向の各位置における副走査方向の倍率の補正、主走査方向及び副走査方向の画像の倍率の補正、回転調整条件、及びオフセット条件、の少なくとも一つを表す変換式を前記調整条件として生成することを特徴とする、
請求項8記載の画像形成装置。 - シートに画像を形成する画像形成手段と、前記シートに形成された測定用画像を読み取る読取手段と、を備えた画像形成装置により実行される方法であって、
前記読取手段により前記シートの一面を前半部分と後半部分とに2分割して読み取った読取結果に基づいて、補正条件を生成し、
生成した前記補正条件に基づいて、前記読取手段による前記測定用画像の読取結果を変換し、
変換した前記読取結果に基づいて前記シートに対する前記測定用画像の画像形成位置に関する情報を取得して、前記情報に基づいてシートに対する出力画像の画像形成位置の調整条件を生成し、
前記画像形成手段により、前記シートに、前記調整条件に基づいて調整した画像形成位置に画像を形成することを特徴とする、
画像形成方法。
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