JP2018168276A - 重合触媒 - Google Patents

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一男 竹井
基祐 今田
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Abstract

【課題】グループトランスファー重合用などとして有用な触媒を提供する。
【解決手段】触媒を、ジ(フルオロスルホニル)イミド類で構成する。このようなジ(フルオロスルホニル)イミド類は、例えば、下記式(1)で表される化合物であってもよい。
RN(SOF) (1)
(式中、Rは水素原子又は置換されていてもよいシリル基(トリアルキルシリル基など)を示す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、グループトランスファー重合などの重合用として使用可能な触媒(重合触媒)に関する。
グループトランスファー重合(GTP、Group Transfer Polymerization)は、ケテンシリルアセタールなどを開始剤とする重合法である。このようなGTPによれば、分子量分布の狭い重合体(ポリマー)が得られる場合が多く、GTPは一種のリビング重合であると考えられている。
このようなGTPを、触媒の存在下で行う試みもなされている。
例えば、特許文献1(特開2014−231601号公報)では、グループトランスファー重合反応開始剤及び下記式(1)又は(2)で表される特定の有機酸触媒に、β位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステルを接触させて、重合体を製造する方法が開示されている。
CH(SORf)(SORf) (1)
(式(1)中、Rは置換又は非置換のアリール基、Rf及びRfは互いに独立してパーフルオロアルキル基を示す。)
N(SORf)(SORf) (2)
(式(2)中、Rは水素原子、−OR、炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐アルキル基、又はトリアルキルシリル基であり、Rは水素原子、炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐アルキル基を示し、Rf及びRfは互いに独立してパーフルオロアルキル基を示す。)
特開2014−231601号公報
本発明の目的は、GTP等の重合用として使用できる触媒(重合触媒)を提供することにある。
前記のように、GTPに使用できる触媒が報告されつつあるものの、その報告例は少なく、GTPの重合において触媒作用を示す化学種の探索はまだまだ道半ばというのが現状である。
このような中、本発明者は、意外なことに、ジフルオロスルホニルイミド類がGTPの重合触媒として機能すること、また、このような重合触媒は、特許文献1に記載の触媒(例えば、1−[ビス(トリフルオロメタンスルフォニル)メチル]−2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゼンなど)などに比べて高い開始剤効率で重合しうることなどを見出した。
本発明者らは、上記以外にも下記するように種々の新知見を得て、さらに鋭意検討を重ねて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の触媒は、ジ(フルオロスルホニル)イミド類を含む。このような触媒は、重合触媒、特に、グループトランスファー重合用触媒であってもよい。
本発明の触媒において、ジ(フルオロスルホニル)イミド類は、例えば、下記式(1)で表される化合物であってもよい。
RN(SOF) (1)
(式中、Rは水素原子又は置換基(例えば、置換されていてもよいシリル基)を示す。)
本発明には、前記触媒[又はジ(フルオロスルホニル)イミド類]を用いた反応方法又はポリマーの製造方法も含まれる。このような方法は、代表的には、前記触媒[又はジ(フルオロスルホニル)イミド類]を用いたモノマーの重合方法(又はポリマーの製造方法)であってもよい。
より具体的には、本発明には、モノマー(a)を重合成分とするポリマー(A)の製造方法であって、ジ(フルオロスルホニル)イミド類の存在下で、モノマー(a)をグループトランスファー重合する、ポリマー(A)の製造方法を包含する。
このような方法において、ジ(フルオロスルホニル)イミド類は、前記と同様に、下記式(1)で表される化合物であってもよい。
RN(SOF) (1)
(式中、Rは水素原子又は置換基(例えば、置換されていてもよいシリル基)を示す。)
本発明の方法において、モノマー(a)は、例えば、β位に置換基を有するα,β−不飽和化合物(特に、β位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル)を含んでいてもよい。
本発明の方法において、ジ(フルオロスルホニル)イミド類は、例えば、モノマー(a)1モルに対して、0.00001〜0.03モルの割合で使用してもよい。
本発明では、GTP等の重合用として使用できる新規な触媒(重合触媒)を提供できる。このような触媒によれば、効率よく重合を進行できる。
本発明の触媒は、従来、重合における触媒作用(機能)が知られていない、ジ(フルオロスルホニル)イミド類で構成されている。
このようなジ(フルオロスルホニル)イミド類は、比較的低沸点であったり、水や熱により分解しやすいなどの特性を有する。そのため、本発明の触媒は、重合後の反応液(重合液)から分離しやすく、精製や触媒の回収などの点で有利である。
また、本発明の触媒によれば、比較的高い開始剤効率で重合できる場合がある。そのため、分子量や重合度の制御がしやすく、所望のポリマーを効率よく得やすい。
さらに、ジ(フルオロスルホニル)イミド類は、比較的低分子量のシンプルな構造でありながらも、触媒作用を有する。そのため、本発明の触媒は、経済的に有利な触媒ということもできる。
[触媒]
本発明の触媒は、ジ(フルオロスルホニル)イミド類(ジフルオロスルホニルイミド類)を含む。ジ(フルオロスルホニル)イミド類としては、ジ(フルオロスルホニル)イミド[又はビス(フルオロスルホニル)イミド、HN(SOF)、(FSONH、F−SO−NH−SO−F]の他、ジ(フルオロスルホニル)イミドの水素原子(窒素原子に結合した水素原子)が置換された化合物などが含まれる。
具体的には、ジ(フルオロスルホニル)イミド類は、下記式(1)で表される化合物であってもよい。
RN(SOF) (1)
(式中、Rは水素原子又は置換基を示す。)
上記式(1)において、置換基としては、触媒作用を有する限り特に限定されないが、例えば、シリル基(置換されていてもよいシリル基)、炭化水素基(後述の炭化水素基など)、基−OX(式中、Xは水素原子又は炭化水素基(後述の炭化水素基など)を示す。)などが挙げられる。
置換基は、特にシリル基であってもよい。シリル基は、後述するように、通常、GTPの開始剤を構成する基であり、シリル基を有することで有利に触媒機能を発揮できる場合がある。
シリル基は、例えば、下記式(A)で表される。
−SiR (A)
(式中、R、R、Rは水素原子又は置換基を示し、R〜Rはケイ素原子とともに環を形成してもよい。)
式(A)(又は式(1))において、置換基としては、特に限定されないが、例えば、炭化水素基、基−OX(式中、Xは前記と同じ。)、シリル基(例えば、トリアルキルシリル基などの後述のシリル基)、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子など)などの有機基又は無機基が挙げられる。
炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基[例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基などのC1−20アルキル基、好ましくはC1−10アルキル、さらに好ましくはC1−6アルキル基)、シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのC3−20シクロアルキル基、好ましくはC4−8シクロアルキル基)、シクロアルキルアルキル基(例えば、シクロヘキシルメチル基などのC3−20シクロアルキルC1−20アルキル基、好ましくはC4−8シクロアルキルC1−6アルキル基)などの飽和脂肪族炭化水素基;アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基などのC2−20アルケニル基、好ましくはC2−6アルケニル基など)などの不飽和脂肪族炭化水素基など]、芳香族炭化水素基[例えば、アリール基(例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基などのC6−20アリール基、好ましくはC6−12アリール基、さらに好ましくはC6−10アリール基)、アラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル基などのC6−10アリールC1−4アルキル基)など]が挙げられる。
なお、炭化水素基は、置換基(ハロゲン原子、基−OXなど)を有していてもよい。例えば、炭化水素基には、ハロアルキル基、ハロアリール基、アルコキシアルキル基、アルコキシアリール基なども含まれる。
基−OXにおいて、炭化水素基としては上記例示の基(例えば、アルキル基など)が挙げられる。具体的な基−OXとしては、例えば、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基などのC1−20アルコキシ基、好ましくはC1−10アルコキシ基、さらに好ましくはC1−6アルコキシ基など)などが挙げられる。
前記式(A)において、R〜Rはケイ素原子とともに環を形成してもよい。環は、R〜Rのうち少なくとも2つとケイ素原子とで形成していればよく、通常、R〜Rの2つとケイ素原子とで形成されていてもよい。環は、飽和、不飽和のいずれであってもよい。
なお、R、R、Rは同一であってもよく、異なる基であってもよい。
具体的なシリル基としては、例えば、シリル基(−SiH)、式(A)においてR〜Rの少なくとも1つ(特に3つ)が炭化水素基である基[例えば、トリアルキルシリル基(例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリn−ブチルシリル基、トリt−ブチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基などのトリC1−20アルキルシリル基、好ましくはトリC1−10アルキルシリル基、さらに好ましくはトリC1−6アルキルシリル基など)、トリシクロアルキルアルキル基(例えば、トリシクロヘキシルメチル基などのトリC4−8シクロアルキルC1−4アルキル基)、トリアルケニルシリル基(例えば、トリアリルシリル基などのトリC2−10アルケニルシリル基)、トリアリールシリル基(例えば、トリフェニルシリル基などのトリC6−10アリールシリル基)、トリアラルキルシリル基(例えば、トリベンジルシリル基などのトリC6−10アリールC1−4アルキルシリル基)、アリールジアルキルシリル基(例えば、ジメチルペンタフルオロフェニルシリル基などのC6−10アリールジC1−6アルキルシリル基など)など]、式(A)においてR〜Rの少なくとも1つ(特に3つ)がシリル基である基{例えば、トリス(トリアルキルシリル)シリル基[例えば、トリス(トリメチルシリル)シリル基などのトリス(トリC1−20アルキルシリル)シリル基、好ましくはトリス(トリC1−10アルキルシリル)シリル基、さらに好ましくはトリス(トリC1−6アルキルシリル)シリル基]など}、式(A)においてR〜Rがケイ素原子とともに環(ケイ素含有環)を形成した基{例えば、シラシクロアルカン−1−イル基[例えば、1−アルキルシラシクロアルカン−1−イル基(例えば、1−メチルシラシクロブタン−1−イル基(下記式で表される基)などの1−C1−20アルキルシラC4−10シクロアルカン−1−イル基)などの1−置換シラシクロアルカン−1−イル基など]など}などが挙げられる。
代表的なジフルオロスルホニルイミド類には、ジ(フルオロスルホニル)イミド、N−置換ジ(フルオロスルホニル)イミド{例えば、N−(トリアルキルシリル)ジ(フルオロスルホニル)イミド[例えば、N−(トリメチルシリル)ジ(フルオロスルホニル)イミド、N−(トリイソプロピルシリル)ジ(フルオロスルホニル)イミド、N−(トリt−ブチルシリル)ジ(フルオロスルホニル)イミド、N−(t−ブチルジメチルシリル)ジ(フルオロスルホニル)イミドなどのN−(トリC1−10アルキルシリル)ジ(フルオロスルホニル)イミドなど]、N−(アリールジアルキルシリル)ジ(フルオロスルホニル)イミド[例えば、N−(ペンタフルオロフェニルジメチルシリル)ジ(フルオロスルホニル)イミドなどのN−(C6−10アリールジC1−10アルキルシリル)ジ(フルオロスルホニル)イミドなど]、N−[トリス(トリアルキルシリル)シリル]ジ(フルオロスルホニル)イミド[例えば、N−[トリス(トリメチルシリル)シリル]ジ(フルオロスルホニル)イミドなどのN−[トリス(トリC1−10アルキルシリル)シリル]ジ(フルオロスルホニル)イミドなど]などのN−シリルジ(フルオロスルホニル)イミド}が含まれる。
ジ(フルオロスルホニル)イミド類は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
なお、ジ(フルオロスルホニル)イミド類は、市販品を利用してもよく、公知の方法を利用して合成したものを使用してもよい。
例えば、ジ(フルオロスルホニル)イミド[HN(SOF)]は、Inorg. Chem. 1998, 37, 6295-6303に記載の方法に従って製造してもよい。また、N−シリルジ(フルオロスルホニル)イミドは、Tetrahedron Lett.1993,7355に記載の方法を利用して製造してもよい。
[触媒の用途]
本発明の触媒(又はジ(フルオロスルホニル)イミド類)は、触媒機能(触媒作用)を発揮できる限り、対象となる化学反応は特に限定されないが、特に、重合反応用の触媒として好適に使用してもよい。
中でも、本発明の触媒は、グループトランスファー重合(GTP)用の触媒として好適に使用できる。以下、GTP用触媒としての使用態様について詳述する。
本発明の触媒(又はジ(フルオロスルホニル)イミド類)を使用することでモノマーをGTPによりポリマー化できる。
そのため、本発明には、ジ(フルオロスルホニル)イミド類の存在下で、モノマー(a)をグループトランスファー重合し、ポリマー(A)を製造する方法も含まれる。
すなわち、この方法では、モノマー(a)の重合体であるポリマー(A)(モノマー(a)を重合成分とするポリマー)を得ることができる。
(モノマー(a))
モノマー(a)としては、GTPにより重合(ポリマー化)可能なモノマーであれば特に限定されず、各種モノマー(例えば、α,β−不飽和カルボン酸エステル)が使用できる。特に、GTPでは、他の重合方法では重合しがたい、β位に置換基を有するα,β−不飽和化合物(内部不飽和化合物)を効率よく重合しうるため、このようなモノマーを好適に使用してもよい。β位の置換基としては、特に限定されず、例えば、炭化水素基(前記例示の炭化水素基)、ヘテロ原子含有基(例えば、アルコキシ基、アミノ基など)などが挙げられる。
代表的なモノマー(a)としては、β位に置換基を有するα,β−不飽和化合物(a1)、他のモノマー(a2)(不飽和化合物(a1)の範疇に属さないモノマー(a2))などが挙げられる。なお、モノマー(a)が異性体を有する場合、いずれの異性体を使用することもできる。例えば、モノマー(a1)が、シス−トランス異性体を有する場合、シス体、トランス体のいずれも使用できるし、これらの混合物を使用することもできる。
β位に置換基を有するα,β−不飽和化合物(a1)としては、例えば、β位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸{例えば、β−アルキル(メタ)アクリル酸[例えば、クロトン酸、2−ヘキセン酸、5−メチル−2−ヘキセン酸などのβ−C1−10アルキル(メタ)アクリル酸]、β−アリール(メタ)アクリル酸[例えば、桂皮酸、3−(4−メトキシフェニル)(メタ)アクリル酸などのβ−C6−10アリール(メタ)アクリル酸]など}、β位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸の誘導体などが挙げられる。
β位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸の誘導体としては、前記例示のβ位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸のエステル、例えば、β−アルキル(メタ)アクリル酸エステル{例えば、クロトン酸エステル[例えば、クロトン酸アルキル(例えば、クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、クロトン酸n−プロピル、クロトン酸イソプロピル、クロトン酸n−ブチル、クロトン酸t−ブチルなどのクロトン酸C1−20アルキル)、クロトン酸アリール(例えば、クロトン酸フェニル、クロトン酸トリルなどのクロトン酸C6−10アリール)など]、2−ヘキセン酸エステル[例えば、2−ヘキセン酸アルキル(例えば、2−ヘキセン酸エチルなどの2−ヘキセン酸C1−20アルキル)など]、5−メチル−2−ヘキセン酸エステル[例えば、5−メチル−2−ヘキセン酸アルキル(例えば、5−メチル−2−ヘキセン酸エチルなどの5−メチル−2−ヘキセン酸C1−20アルキル)など]などのβ−C1−10アルキル(メタ)アクリル酸エステル(例えば、アルキルエステル、アリールエステルなど)など}、β−アリール(メタ)アクリル酸エステル{例えば、桂皮酸エステル[例えば、桂皮酸アルキル(例えば、桂皮酸メチル、桂皮酸エチル、桂皮酸n−プロピル、桂皮酸イソプロピル、桂皮酸n−ブチル、桂皮酸t−ブチルなどの桂皮酸C1−20アルキル)など]、3−(4−メトキシフェニル)(メタ)アクリル酸エステル[例えば、3−(4−メトキシフェニル)(メタ)アクリル酸アルキル(例えば、3−(4−メトキシフェニル)(メタ)アクリル酸エチルなどの3−(4−メトキシフェニル)(メタ)アクリル酸C1−20アルキル)など]など}などが挙げられる。
他のモノマー(a2)としては、不飽和化合物(a1)の範疇に属さないモノマー(a2)であれば特に限定されず、例えば、不飽和カルボン酸又はその無水物(例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸など)、不飽和カルボン酸誘導体{例えば、脂肪族(メタ)アクリレート[例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどの(メタ)アクリル酸C1−30アルキル、好ましくは(メタ)アクリル酸C1−22アルキル、さらに好ましくは(メタ)アクリル酸C1−12アルキルなど)、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル(例えば、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどの(メタ)アクリル酸C3−20シクロアルキル、好ましくは(メタ)アクリル酸C3−12シクロアルキル)、架橋環式(メタ)アクリレート(例えば、(メタ)アクリル酸イソボルニルなど)など]、芳香族(メタ)アクリレート[例えば、(メタ)アクリル酸アリールエステル(例えば、(メタ)アクリル酸フェニルなどの(メタ)アクリル酸C6−20アリール、好ましくは(メタ)アクリル酸C6−10アリール)、(メタ)アクリル酸アラルキルエステル(例えば、(メタ)アクリル酸ベンジルなどの(メタ)アクリル酸C6−10アリールC1−4アルキル)、(メタ)アクリル酸フェノキシアルキル(例えば、(メタ)アクリル酸フェノキシエチルなどの(メタ)アクリル酸フェノキシC1−4アルキル)など]、アルコキシ基含有(メタ)アクリレート[例えば、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート(例えば、2−メトキシエチル(メタ)アクリレートのC1−12アルコキシC1−12アルキルメタクリレートなど)など]、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート[例えば、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシC2−10アルキル(メタ)アクリレート、好ましくはC2−6アルキル(メタ)アクリレート、さらに好ましくはC2−4アルキル(メタ)アクリレートなど)、ジアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート(例えば、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどのジC2−4アルカンジオール(モノ)メタアクリレートなど)、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート(例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどのポリC2−4アルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート)など]などの(メタ)アクリレート;フマル酸エステル(フマル酸のモノ又はジアルキルエステルなど)など}、非不飽和カルボン酸系モノマー{例えば、(メタ)アクリルアミド系モノマー[例えば、(メタ)アクリルアミド、N−置換(メタ)アクリルアミド(例えば、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドなどのN−アルキル(メタ)アクリルアミドなど)など]など}などが挙げられる。
モノマー(a)は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。特に、モノマー(a)は、β位に置換基を有するα,β−不飽和化合物(例えば、クロトン酸エステル、桂皮酸エステルなどのβ位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸のエステル)を少なくとも含んでいてもよく、β位に置換基を有するα,β−不飽和化合物と他のモノマーとを組み合わせて使用してもよい。
(開始剤)
GTPは、通常、開始剤(重合開始剤)の存在下で行ってもよい。開始剤としては、例えば、ケテンシリルアセタール(シリルケテンアセタール、シリルエノールエーテル)などが挙げられる。このような開始剤は、例えば、下記式(2)で表される化合物であってもよい。
(R)(R)C=C(OR)OY (2)
(式中、R、R及びRは水素原子又は置換基、Yはシリル基を示す。)
上記式(2)において、置換基としては、特に限定されないが、前記例示の置換基、例えば、炭化水素基(アルキル基など)が挙げられる。
なお、R、R及びRは、同一又は異なる基であってもよい。
また、上記式(2)において、シリル基Yとしては、前記例示のシリル基(トリアルキルシリル基など)などが挙げられる。
具体的な開始剤(又はケテンシリルアセタール)としては、例えば、式(2)においてR及びRがアルキル基である化合物{例えば、1−アルコキシ−1−(トリアルキルシロキシ)−2−アルキル−1−プロペン[例えば、1−メトキシ−1−(トリメチルシロキシ)−2−メチル−1−プロぺン(ジメチルケテンメチルトリメチルシリルアセタール)、1−エトキシ−1−(トリメチルシロキシ)−2−メチル−1−プロペン、1−メトキシ−1(トリエチルシロキシ)−2−メチル−1−プロペン、1−t−ブトキシ−(トリメチルシロキシ)−2−メチル−1−プロぺンなどの1−C1−10アルコキシ−1−(トリC1−10アルキルシロキシ)−2−C1−10アルキル−1−プロペン]、1−アルコキシ−1−(トリアルケニルシロキシ)−2−アルキル−1−プロペン[例えば、1−メトキシ−1−(トリアリルシロキシ)−2−メチル−1−プロペンなどの1−C1−10アルコキシ−1−(トリC2−10アルケニルシロキシ)−2−C1−10アルキル−1−プロペン]、1−アルコキシ−1−(トリシクロアルキルアルキルシロキシ)−2−アルキル−1−プロペン[例えば、1−メトキシ−1−(トリシクロヘキシルメチルシロキシ)−2−メチル−1−プロぺンなどの1−C1−10アルコキシ−1−(トリC3−10シクロアルキルC1−4アルキルシロキシ)−2−C1−10アルキル−1−プロペン]、1−アルコキシ−1−(トリアリールシロキシ)−2−アルキル−1−プロペン[例えば、1−メトキシ−1−(トリフェニルシロキシ)−2−メチル−1−プロペンなどの1−C1−10アルコキシ−1−(トリC6−10アリールシロキシ)−2−C1−10アルキル−1−プロペン]、1−アルコキシ−1−(トリアラルキルシロキシ)−2−アルキル−1−プロペン[例えば、1−ブトキシ−1−(トリベンジルシロキシ)−2−メチル−1−プロペンなどの1−C1−10アルコキシ−1−(トリC6−10アリールC1−4アルキルシロキシ)−2−C1−10アルキル−1−プロペン]、1−アルコキシ−1−(アリールジアルキルシロキシ)−2−アルキル−1−プロペン[例えば、1−メトキシ−1−(フェニルジメチルシロキシ)−2−メチル−1−プロペンなどの1−C1−10アルコキシ−1−(C6−10アリールジC1−10アルキルシロキシ)−2−C1−10アルキル−1−プロペン]などの式(2)においてRがアルキル基である化合物;
1−アルケニルオキシ−1−(トリアルキルシロキシ)−2−アルキル−1−プロペン[例えば、1−アリルオキシ−1−(トリメチルシロキシ)−2−メチル−1−プロペンなどの1−C2−10アルケニルオキシ−1−(トリC1−10アルキルシロキシ)−2−C1−10アルキル−1−プロペン]などの式(2)においてRがアルケニル基である化合物;
1−アラルキルオキシ−1−(トリアルキルシロキシ)−2−アルキル−1−プロペン[例えば、1−ベンジルオキシ−1−(トリブチルシロキシ)−2−エチル−1−プロペンなどの1−C6−10アリールC1−4アルキルオキシ−1−(トリC1−10アルキルシロキシ)−2−C1−10アルキル−1−プロペン]などの式(2)においてRがアラルキル基である化合物;
1−アルコキシアルコキシ−1−(トリアルキルシロキシ)−2−アルキル−1−プロペン[例えば、1−(2−メトキシ−1−エトキシ)−1−(トリメチルシロキシ)−2−メチル−1−プロぺンなどの1−C1−10アルコキシC1−10アルコキシ−1−(トリC1−10アルキルシロキシ)−2−C1−10アルキル−1−プロペン]、1−(アルコキシアルコキシ)アルコキシ−1−(トリアルキルシロキシ)−2−アルキル−1−プロペン[例えば、1−[2−(2−メトキシ−1−エトキシ)エトキシ]−1−(トリメチルシロキシ)−2−メチル−1−プロぺンなどの1−(C1−10アルコキシC1−10アルコキシ)C1−10アルコキシ−1−(トリC1−10アルキルシロキシ)−2−C1−10アルキル−1−プロペン]などの式(2)においてRがアルコキシアルキル基である化合物など}などが挙げられる。
開始剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
開始剤の割合は、ポリマー(A)の分子量や重合度に応じて選択でき、特に限定されないが、例えば、モノマー(a)1モルに対して、0.000001モル以上(例えば、0.000005〜1モル)、0.00001モル以上(例えば、0.00001〜0.5モル)、0.0001モル以上(例えば、0.0005〜0.1モル)などであってもよい。
本発明では、高い開始剤効率で重合できる場合が多いため、開始剤の割合を、モノマー(a)1モルに対して、0.1モル以下、0.05モル以下、0.02モル以下、0.01モル以下、0.005モル以下などとすることもできる。
(触媒)
GTPは、触媒(反応促進剤)として、ジ(フルオロスルホニル)イミド類の存在下で行うことができる。ジ(フルオロスルホニル)イミド類は、反応系(反応器中)において生成させてもよい。
なお、反応(GTP)は、少なくともジ(フルオロスルホニル)イミド類の存在下で行うことができればよく、ジ(フルオロスルホニル)イミド類と他の触媒とを組み合わせて行ってもよい。
ジ(フルオロスルホニル)イミド類の割合は、特に限定されないが、モノマー(a)1モルに対して、例えば、0.5モル以下(例えば、0.0000001〜0.3モル)、好ましくは0.1モル以下(例えば、0.000001〜0.07モル)、さらに好ましくは0.05モル以下(例えば、0.00001〜0.03モル)、特に0.01モル以下(例えば、0.00005〜0.005モル)であってもよい。
ジ(フルオロスルホニル)イミド類の割合は、ポリマー(A)の所望の分子量などにもよるが、開始剤1モルに対して、100モル以下(例えば、50モル以下)程度の範囲から選択してもよく、例えば、30モル以下(例えば、20モル以下)、さらに好ましくは10モル以下(例えば、5モル以下)、特に3モル以下(例えば、2モル以下)であってもよく、1モル以下(0.5モル以下、0.3モル以下、0.2モル以下、0.1モル以下など)であってもよい。
なお、開始剤1モルに対するジ(フルオロスルホニル)イミド類の割合(下限値)は、例えば、0.00001モル、0.00005モル、0.0001モル、0.0005モル、0.001モル、0.005モル、0.01モル、0.05モルなどであってもよい。
重合(GTP)は媒体(反応媒体)中で行ってもよい。媒体(溶媒)としては、重合が進行する限り、特に限定されず、脂肪族又は脂環族炭化水素類(例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなど)、芳香族炭化水素類(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなど)、ハロゲン系溶媒(例えば、クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素、ブロモホルム、トリクロロエタン、クロロベンゼンなど)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)、エステル類(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、エーテル類[例えば、鎖状エーテル類(例えば、ジエチルエーテルなど)、環状エーテル類(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど)など]、カーボネート類(例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなど)、アミド類(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなど)などが挙げられる。
また、反応は、超臨界流体(例えば、二酸化炭素など)中で行ってもよい。
反応媒体は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
反応媒体の割合は、特に限定されないが、例えば、モノマー(a)1質量部に対して、2000質量部以下(例えば、0.1〜1000質量部)、好ましくは500質量部以下(例えば、0.5〜200質量部)、さらに好ましくは100質量部以下(例えば、1〜50質量部)程度であってもよい。
なお、反応系は、重合が進行する限り、水を含む系であってもよいが、極力、水(さらにはプロトン性溶媒)を含まないのが好ましい。そのため、GTPにおいて使用する各成分(ジ(フルオロスルホニル)イミド類、開始剤、溶媒など)は、必要に応じて脱水処理したものを使用してもよい。
反応温度は、特に限定されず、リビング重合の制御の程度、重合反応性やこれらのバランスなどに応じて適宜選択でき、例えば、100℃以下、好ましくは50℃以下(例えば、30℃以下)、さらに好ましくは20℃以下(例えば、10℃以下)などであってもよく、0℃以下(−10℃以下、−20℃以下など)であってもよい。反応温度の下限も特に限定されず、例えば、−150℃、−100℃、−80℃、−70℃、−60℃などであってもよい。
なお、重合反応において、各成分は、重合開始の段階ですべて反応器に仕込んでいてもよく、重合の進行とともに添加してもよい。例えば、GTPはリビング的に進行するため、異種のモノマー(a)を段階的に添加することで、ポリマー(A)としてブロック共重合体を効率よく得ることができる。このような場合、各成分の添加速度は、反応器の容量等に応じて適宜選択できる。添加時間もまた同様に適宜選択できる。
なお、各成分の添加は、連続的であってもよく、間欠的であってもよい。また、添加速度は一定であってもよく、変更してもよい。
重合は、撹拌下で行ってもよい。また、重合は、不活性雰囲気下(窒素、ヘリウム、アルゴン中など)で行ってもよい。
重合時間は、重合成分の量、重合温度などに応じて適宜選択でき、特に限定されないが、例えば、30分以上、好ましくは3時間以上、さらに好ましくは5時間以上などであってもよい。
[ポリマー(A)及び開始剤効率]
上記のようにして、ポリマー(A)が得られる。
なお、ポリマー(A)は、精製(脱溶媒など)して回収してもよい。
ポリマー(A)は、モノマー(a)を重合成分とするポリマーであり、前記重合成分を反映した骨格を有する。
なお、モノマー(a)として2種以上のモノマーを使用する場合には、共重合体(コポリマー)が得られる。共重合体の構造は、モノマーの組み合わせや添加の順序などに応じて適宜選択でき、ランダム、ブロックなどのいずれであってもよい。
ポリマー(A)の数平均分子量(Mn)は、特に限定されず、用途等に応じて選択でき、例えば、1000以上(例えば、1500〜1000000)、好ましくは2000以上(例えば、2500〜500000)、さらに好ましくは3000以上(例えば、5000〜300000)程度であってもよい。
ポリマー(A)の分子量分布[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]は、例えば、5以下(例えば、1〜4)、好ましくは3以下(例えば、1〜2)、さらに好ましくは1.5以下(例えば、1〜1.4)、特に1.35以下(例えば、1〜1.3)程度であってもよく、1.2以下(例えば、1.15以下)などとすることもできる。
本発明では、比較的高い開始剤効率で重合を行うことができる。例えば、開始剤効率は、使用するモノマー、開始剤、触媒の種類や量などにもよるが、20%以上、好ましくは30%以上、さらに好ましくは40%以上であってもよく、50%以上などとすることもできる。
そのため、本発明では、開始剤を有効に利用でき、所望の分子量(重合度)のポリマーを効率よく得やすい。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の範囲に含まれる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
なお、重合体の分子量は以下のように測定した。
[重合体の数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)の測定]
検出器にRIを備える液体クロマトグラフィー(カラム:Inertsil WP300 Diol(ジーエルサイエンス社製)、カラム温度:30℃、流量;1mL/分、溶媒:テトラヒドロフラン(THF))により、ポリスチレンの標準分子量サンプルを用いて検量線を作成した。
そして得られた重合体をTHFに溶解させて測定し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
また、モノマーの反応率は以下のようにして測定した。
[反応率の測定]
検出器にPDA(フォトダイオードアレイ)を備える液体クロマトグラフィー(カラム:BEH−C18(ウォーターズ社製)、カラム温度:40℃、流量;0.3mL/min、溶媒:アセトニトリル/水(44重量%/56重量%)に対して、リン酸/リン酸2水素カリウムカリウム(0.5重量%/0.3重量%)を溶解)、検出波長:254nm)により、内標として添加したベンゼンに対する検出強度から求めた反応混合物中のモノマー濃度を反応前後での変化から反応率を算出した。
[実施例及び参考例]
露点が−30℃以下に管理されたグローブボックス内でシュレンク管に、表に示す所定量の触媒を秤量して密栓した。グローブボックスからシュレンク管を取り出し、2.5mLのジクロロメタン(和光純薬製、超脱水試薬)を投入して触媒を溶解させ、−40℃まで冷却し、触媒液を得た。
アルゴン気流下、25mLの反応容器に、ジクロロメタン(和光純薬製、超脱水試薬)10mL、表に示す所定量のモノマー[クロトン酸エチル(東京化成(製)、CaHで脱水し、単蒸留したもの)又は桂皮酸メチル(東京化成製)]、表に示す所定量の開始剤(ジメチルケテンメチルトリメチルシリルアセタール)を投入後、スターラーを回転させて、−40℃まで冷却した。
冷却後、調製した触媒液を投入して重合を開始させ、所定時間経過後、反応液にメタノールを投入し、クエンチした。
クエンチ後の反応液における、残存モノマーの量(モノマーの反応率)及びポリマーの数平均分子量を測定し、これらの測定値と、仕込んだ各成分の量から、下記式で表される開始剤効率を算出した。
開始剤効率(%)=(m1/m2)×100
(式中、m1は開始剤がすべて重合に使用されたと仮定した場合のポリマーの分子量(理論分子量)、m2は生成したポリマーの数平均分子量(Mn)を示す。)
結果を下記表に示す。なお、下記表において、触媒の種類は以下の通りである。
HFSI:ジ(フルオロスルホニル)イミド(Inorg.Chem.1998,37,6295記載の方法で合成したもの、下記化合物)
HTFSI:ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(東京化成製、下記化合物)
CHTf:ペンタフルオロフェニル ビス(トリフルオロメタンスルホニル)メタン(東京化成製)
(式中、Tfはトリフルオロメタンスルホニル基を示す。)
TMSFSI:N−(トリメチルシリル)ジ(フルオロスルホニル)イミド(Tetrahedron Lett.1993,7355記載の方法で合成したもの、下記化合物)
(式中、TMSはトリメチルシリル基を示す。)
上記表の結果から明らかなように、実施例の触媒によれば、高い開始剤効率で重合(GTP)できた。また、得られるポリマーの分子量分布も狭く、理想的に重合(リビング重合)が進行することもわかった。
本発明によれば、触媒、特にグループトランスファー重合用の触媒を提供できる。

Claims (6)

  1. ジ(フルオロスルホニル)イミド類を含むグループトランスファー重合用触媒。
  2. ジ(フルオロスルホニル)イミド類が、下記式(1)で表される化合物である請求項1記載の触媒。
    RN(SOF) (1)
    (式中、Rは水素原子又は置換されていてもよいシリル基を示す。)
  3. モノマー(a)を重合成分とするポリマー(A)の製造方法であって、ジ(フルオロスルホニル)イミド類の存在下で、モノマー(a)をグループトランスファー重合する、ポリマー(A)の製造方法。
  4. ジ(フルオロスルホニル)イミド類が、下記式(1)で表される化合物である請求項3記載の製造方法。
    RN(SOF) (1)
    (式中、Rは水素原子又は置換されていてもよいシリル基を示す。)
  5. モノマー(a)が、β位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステルを含む請求項3又は4記載の製造方法。
  6. ジ(フルオロスルホニル)イミド類を、モノマー(a)1モルに対して、0.00001〜0.03モルの割合で使用する請求項3〜5のいずれかに記載の製造方法。
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JP7377489B2 (ja) 2019-11-01 2023-11-10 株式会社日本触媒 β置換不飽和カルボン酸エステル重合体の製造方法

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