JP2018115335A - β位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル重合体及び共重合体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】金属ルイス酸およびシリル化剤を用いない触媒を用いて製造した、β位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル(単量体A)の重合体。
【解決手段】GTP重合反応開始剤、及び一般式(1)又は(2)で表される有機酸触媒に、以下の一般式(3)で表される単量体A、又は、単量体A及びそれと異なるα,β−不飽和カルボン酸エステルを接触させて重合することを特徴とする、単量体Aの重合体又は共重合体の製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】GTP重合反応開始剤、及び一般式(1)又は(2)で表される有機酸触媒に、以下の一般式(3)で表される単量体A、又は、単量体A及びそれと異なるα,β−不飽和カルボン酸エステルを接触させて重合することを特徴とする、単量体Aの重合体又は共重合体の製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、β位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステルのグループトラン
スファー重合方法に関する。
スファー重合方法に関する。
グループトランスファー重合(GTP)は、分子量分布の狭いアクリル酸エステル重合体を合成する優れた技術である。GTPは、O.W. Websterらにより、シリルケテンアセタールを開始剤、トリス(ジメチルアミノ)スルホニウムビフルオリドを触媒として用いたメチルメタクリレート重合体を得る方法として1983年に開発された手法である(非特許文
献1)。
献1)。
これに対し、クロトン酸エステルは、α,β−不飽和カルボン酸エステルの中でもβ位
のメチル基の存在により、1990年代の始め頃まで重合しない化合物であると言われてきた。現在でも合成例は非常に少なく、またアクリル酸エステル重合体の合成法として知られているラジカル重合は、未だに達成されていない。
のメチル基の存在により、1990年代の始め頃まで重合しない化合物であると言われてきた。現在でも合成例は非常に少なく、またアクリル酸エステル重合体の合成法として知られているラジカル重合は、未だに達成されていない。
Websterらの手法の改良として、1997年に右手、畑田らにより、シリルケテンアセター
ルを開始剤、ヨウ化トリメチルシランなどのケイ素系添加剤とヨウ化水銀あるいは希土類トリフラートなどの金属ルイス酸を触媒とするクロトン酸メチルおよびアクリル酸エステルのグループトランスファー重合が報告された(非特許文献2〜3,特許文献1〜2)。その後、触媒などの重合条件の異なるいくつかの報告がなされたが、いずれも金属ルイス酸とシリル添加剤を組み合わせた触媒系が用られている(非特許文献4〜7)。
また、クロトン酸エステル重合体の製造方法として、アルキルリチウムおよびアルキルマグネシウムを用いたアニオン重合も報告されているが、この方法ではトリフェニルメチル基などの立体的に嵩高い置換基を持つ物にしか用いる事が出来ない(非特許文献8〜1
0)。
ルを開始剤、ヨウ化トリメチルシランなどのケイ素系添加剤とヨウ化水銀あるいは希土類トリフラートなどの金属ルイス酸を触媒とするクロトン酸メチルおよびアクリル酸エステルのグループトランスファー重合が報告された(非特許文献2〜3,特許文献1〜2)。その後、触媒などの重合条件の異なるいくつかの報告がなされたが、いずれも金属ルイス酸とシリル添加剤を組み合わせた触媒系が用られている(非特許文献4〜7)。
また、クロトン酸エステル重合体の製造方法として、アルキルリチウムおよびアルキルマグネシウムを用いたアニオン重合も報告されているが、この方法ではトリフェニルメチル基などの立体的に嵩高い置換基を持つ物にしか用いる事が出来ない(非特許文献8〜1
0)。
O.W. Webster, W.R. Hertler, D.Y. Sogah, W. B. Farnham, and T. V. RajanBabu, J. Am. Chem. Soc., 1983, 105, 5706-5708
K. Ute, T. Tarao, and K. Hatada, Polymer Journal, 1997, 29, 957-958
K. Ute, H. Ohnuma, and T. Kitayama, Polymer Journal, 2000, 32, 1060-1062
K. Ute, T. Tarao, S. Hongo, H. Ohnuma, K. Hatada, and T. Kitayama, Polymer Journal, 1999, 31, 177-183
K. Ute, T. Tarao, S. Nakao, and T. Kitayama, Polymer, 2003, 44, 7869-7874
K. Ute, T. Tarao, and T. Kitayama, Polymer Journal, 2005, 37, 578-583l
K. Ute, H. Ohnuma, I. Shimizu, and T. Kitayama, Polymer Journal, 2006, 38, 999-1003
T. Kitano, T. Fujimoto, and M. Nagasawa, Macromolecules, 1974, 7, 719-724
K. Ute, T. Asada, Y. Nabeshima, and K. Hatada, Macromolecules, 1993, 26, 7086-7088
K. Ute, T. Asada, and K. Hatada, Macromolecules, 1996, 29,1904-1909
クロトン酸エステル重合体を製造する従来技術は、ヨウ化水銀や希土類トリフラートなどの金属ルイス酸を触媒として用い、ヨウ化トリメチルシランなどのシリル化剤を添加する触媒系を用いている。この方法は、触媒として用いた水銀の毒性に関する人体への影響、希土類金属が非常に高価であること、また、金属およびシリル化剤由来の不溶性成分が製品へ残留する可能性が問題となる。
本発明は、この様な状況下為されたものであり、金属ルイス酸およびシリル化剤を用いない、触媒を用いたβ位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル重合体及び共重合体の新規な製造方法を提供することを課題とする。
本発明は、この様な状況下為されたものであり、金属ルイス酸およびシリル化剤を用いない、触媒を用いたβ位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル重合体及び共重合体の新規な製造方法を提供することを課題とする。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、特定の有機酸触媒を用いることによって、上記の課題に合致した、金属ルイス酸およびシリル化剤を用いない、有機酸触媒を用いたβ位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル重合体及び共重合体の製造方法が達成されることを知見し、本発明を完成した。本発明の製造方法では、これまで必須であった金属ルイス酸およびシリル化剤を使用しないため、製造する重合体に金属およびケイ素由来の不溶性成分が残留せず、材料物性に影響を与える心配がない。
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
<1> グループトランスファー重合反応開始剤、及び以下の一般式(1)又は一般式(2)で表される有機酸触媒に、以下の一般式(3)で表されるβ位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル、又は、一般式(3)で表されるβ位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル及びそれと異なるα,β−不飽和カルボン酸エステルを接触させて重合することを特徴とする、β位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル重合体又は共重合体の製造方法。
<1> グループトランスファー重合反応開始剤、及び以下の一般式(1)又は一般式(2)で表される有機酸触媒に、以下の一般式(3)で表されるβ位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル、又は、一般式(3)で表されるβ位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル及びそれと異なるα,β−不飽和カルボン酸エステルを接触させて重合することを特徴とする、β位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル重合体又は共重合体の製造方法。
(式(1)中、R1は置換又は非置換のアリール基、Rf1及びRf2は互いに独立してパ
ーフルオロアルキル基を示す。)
ーフルオロアルキル基を示す。)
(式(2)中、R2は水素原子、−OR3、炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐アルキル基、又はトリアルキルシリル基であり、R3は水素原子、炭素数1〜12の直鎖もしくは分
岐アルキル基を示し、Rf3及びRf4は互いに独立してパーフルオロアルキル基を示す。
)
岐アルキル基を示し、Rf3及びRf4は互いに独立してパーフルオロアルキル基を示す。
)
(式(3)中、R4は炭素数1〜12の直鎖又は分岐アルキル基、置換又は非置換のアリ
ール基、アミノ基を示し、R5は炭素数1〜12の直鎖又は分岐アルキル基、置換又は非
置換のアリール基を示す。)
<2> 前記一般式(1)におけるR1が、フェニル基、ナフチル基、2,4,6−トリ
メチルフェニル基、4−(トリフルオロメチル)フェニル基、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、ペンタフルオロフェニル基、又はパーフルオロビフェニル基であることを特徴とする、<1>に記載のβ位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル重合体又は共重合体の製造方法。
<3> 前記一般式(1)におけるRf1及びRf2が、共にトリフルオロメチル基であることを特徴とする、<1>又は<2>に記載のβ位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル重合体又は共重合体の製造方法。
<4> 前記一般式(2)におけるR2が、水素原子又はトリメチルシリル基であること
を特徴とする、<1>〜<3>のいずれかに記載のβ位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル重合体又は共重合体の製造方法。
<5> 前記一般式(2)におけるRf3及びRf4が、共にトリフルオロメチル基であることを特徴とする、<1>〜<4>のいずれかに記載のβ位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル重合体又は共重合体の製造方法。
<6> 前記一般式(3)におけるR5が、炭素数1〜4の直鎖又は分岐アルキル基であ
ることを特徴とする、<1>〜<5>のいずれかに記載のβ位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル重合体又は共重合体の製造方法。
<7> 前記グループトランスファー重合反応開始剤が、以下の一般式(4)で表されるグループトランスファー重合反応開始剤であることを特徴とする、<1>〜<6>のいずれかに記載のβ位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル重合体又は共重合体の製造方法。
ール基、アミノ基を示し、R5は炭素数1〜12の直鎖又は分岐アルキル基、置換又は非
置換のアリール基を示す。)
<2> 前記一般式(1)におけるR1が、フェニル基、ナフチル基、2,4,6−トリ
メチルフェニル基、4−(トリフルオロメチル)フェニル基、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、ペンタフルオロフェニル基、又はパーフルオロビフェニル基であることを特徴とする、<1>に記載のβ位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル重合体又は共重合体の製造方法。
<3> 前記一般式(1)におけるRf1及びRf2が、共にトリフルオロメチル基であることを特徴とする、<1>又は<2>に記載のβ位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル重合体又は共重合体の製造方法。
<4> 前記一般式(2)におけるR2が、水素原子又はトリメチルシリル基であること
を特徴とする、<1>〜<3>のいずれかに記載のβ位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル重合体又は共重合体の製造方法。
<5> 前記一般式(2)におけるRf3及びRf4が、共にトリフルオロメチル基であることを特徴とする、<1>〜<4>のいずれかに記載のβ位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル重合体又は共重合体の製造方法。
<6> 前記一般式(3)におけるR5が、炭素数1〜4の直鎖又は分岐アルキル基であ
ることを特徴とする、<1>〜<5>のいずれかに記載のβ位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル重合体又は共重合体の製造方法。
<7> 前記グループトランスファー重合反応開始剤が、以下の一般式(4)で表されるグループトランスファー重合反応開始剤であることを特徴とする、<1>〜<6>のいずれかに記載のβ位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル重合体又は共重合体の製造方法。
(式(4)中、Zは(OR9)3-x(R9)xであり、R6、R7、R8及びR9は、互いに独立して水素原子、酸素原子を1又は2個含んでいてもよい、炭素数1〜20の飽和若しくは不飽和の脂肪族、脂環族若しくは芳香族の有機基を示し、Xは0、1、2又は3である。)
<8> 前記一般式(4)におけるR9が、CH3、CH2CH3又はC6H5であり、Xが3であることを特徴とする、<7>に記載のβ位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル重合体又は共重合体の製造方法。
<9> 前記重合は、−40℃〜20℃で開始することを特徴とする、<1>〜<8>のいずれかに記載のβ位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル重合体又は共重合体の製造方法。
<10> <1>〜<9>のいずれかに記載のβ位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル重合体又は共重合体の製造方法により製造されたことを特徴とする、β位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル重合体又は共重合体。
<8> 前記一般式(4)におけるR9が、CH3、CH2CH3又はC6H5であり、Xが3であることを特徴とする、<7>に記載のβ位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル重合体又は共重合体の製造方法。
<9> 前記重合は、−40℃〜20℃で開始することを特徴とする、<1>〜<8>のいずれかに記載のβ位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル重合体又は共重合体の製造方法。
<10> <1>〜<9>のいずれかに記載のβ位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル重合体又は共重合体の製造方法により製造されたことを特徴とする、β位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル重合体又は共重合体。
これまでクロトン酸エステル重合体の製造方法において、金属ルイス酸を触媒に用いた例はいくつか報告されてきたが有機酸を触媒に用いた報告は一例もない。本発明によれば、クロトン酸エステル重合体等のβ位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル重合体及び共重合体の製造方法において、これまでの従来技術で必須であった金属ルイス酸とシリル系添加剤を用いずに有機酸のみで触媒活性が発現し、金属由来の不純物やシリル系の不溶性成分が生成物に混入する心配がなくなる。また、有機酸は様々な置換基の修飾が可能であり、ポリスチレンやシリカゲルなど不溶性担体への固定化を行うことが出来る。このような固体酸触媒を用いれば、反応後に触媒を濾過するのみで分離することが可能となるため、得られる重合体の高純度化が容易であり、従来に比べて低コストで製造が可能となる。
すなわち、本発明によれば、金属ルイス酸およびシリル化剤を用いない、有機酸触媒を用いたβ位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル重合体及び共重合体の新規な製造方法を提供することができる。
すなわち、本発明によれば、金属ルイス酸およびシリル化剤を用いない、有機酸触媒を用いたβ位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル重合体及び共重合体の新規な製造方法を提供することができる。
<1>β位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル重合体又は共重合体の製造方法
本発明は、グループトランスファー重合反応開始剤、及び以下の一般式(1)又は一般式(2)で表される有機酸触媒に、以下の一般式(3)で表されるβ位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル、又は、一般式(3)で表されるβ位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル及びそれと異なるα,β−不飽和カルボン酸エステルを接触させて重合することを特徴とする、β位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル重合体又は共重合体の製造方法に関する。
本発明は、グループトランスファー重合反応開始剤、及び以下の一般式(1)又は一般式(2)で表される有機酸触媒に、以下の一般式(3)で表されるβ位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル、又は、一般式(3)で表されるβ位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル及びそれと異なるα,β−不飽和カルボン酸エステルを接触させて重合することを特徴とする、β位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル重合体又は共重合体の製造方法に関する。
(式(1)中、R1は置換又は非置換のアリール基、Rf1及びRf2は互いに独立してパ
ーフルオロアルキル基を示す。)
ーフルオロアルキル基を示す。)
(式(2)中、R2は水素原子、−OR3、炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐アルキル基、又はトリアルキルシリル基であり、R3は水素原子、炭素数1〜12の直鎖もしくは分
岐アルキル基を示し、Rf3及びRf4は互いに独立してパーフルオロアルキル基を示す。)
岐アルキル基を示し、Rf3及びRf4は互いに独立してパーフルオロアルキル基を示す。)
(式(3)中、R4は炭素数1〜12の直鎖又は分岐アルキル基、置換又は非置換のアリ
ール基、アミノ基を示し、R5は炭素数1〜12の直鎖又は分岐アルキル基、置換又は非
置換のアリール基を示す。)
ール基、アミノ基を示し、R5は炭素数1〜12の直鎖又は分岐アルキル基、置換又は非
置換のアリール基を示す。)
<グループトランスファー重合反応開始剤>
本発明の方法には、β位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル及びα,β−不飽和カルボン酸エステルにおいてグループトランスファー重合反応を開始させるた
めに、グループトランスファー重合反応開始剤を使用する。使用できるグループトランスファー重合反応開始剤は特に限定されず、従来のグループトランスファー重合反応で用いられている開始剤を使用することができる。例えば、上記特許文献1,2等に開示されるグループトランスファー重合反応開始剤を用いることができる。
本発明の方法には、β位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル及びα,β−不飽和カルボン酸エステルにおいてグループトランスファー重合反応を開始させるた
めに、グループトランスファー重合反応開始剤を使用する。使用できるグループトランスファー重合反応開始剤は特に限定されず、従来のグループトランスファー重合反応で用いられている開始剤を使用することができる。例えば、上記特許文献1,2等に開示されるグループトランスファー重合反応開始剤を用いることができる。
特に限定はされないが、グループトランスファー重合反応開始剤は、一般式(4)で表される化合物が好ましい。
(式(4)中、Zは(OR9)3-x(R9)xであり、R6、R7、R8及びR9は、互いに独立して水素原子、酸素原子を1又は2個含んでいてもよい、炭素数1〜20の飽和若しくは不飽和の脂肪族、脂環族若しくは芳香族の有機基を示し、Xは0、1、2又は3である。)
更には、一般式(4)においてR9がCH3、CH2CH3又はC6H5であり、Xが3である化合物が好ましい。
更には、一般式(4)においてR6、R7及びR8が互いに独立して炭素数1〜12、好
ましくは炭素数1〜7の脂肪族、脂環族又は芳香族の基である化合物が好ましい。
ましくは炭素数1〜7の脂肪族、脂環族又は芳香族の基である化合物が好ましい。
一般式(4)で表される重合反応開始剤の具体例としては、例えば1−メトキシ−1−(トリメチルシロキシ)−2−メチル−1−プロぺン、1−エトキシ−1−(トリメチルシロキシ)−2−メチル−1−プロペン、1−メトキシ−1(トリエチルシロキシ)1−プロペン、1−メトキシ−1−(トリアリルシロキシ)−2−メチル−1−プロペン、1−メトキシ−1−(トリシクロヘキシルメチルシロキシ)−2−メチル−1−プロぺン、1−メトキシ−1−(トリフェニルシロキシ)−2−メチル−1−プロぺン、1−ブトキシ−1−(トリベンジルシロキシ)−2−メチル−1−プロペン、1−メトキシ−1−(フェニルジメチルシロキシ)−2−メチル−1−プロペン、1−アリルオキシ−1−(トリメチルシロキシ)−2−メチル−1−プロペン、1−ベンジルオキシ−1−(トリブチルシロキシ)−2−エチル−1−プロペン、1−tert−ブチルオキシ−(トリメチルシロキシ)−2−メチル−1−プロぺン、1−(2−メトキシ−1−エトキシ)−1−(トリメチルシロキシ)−2−メチル−1−プロぺン、1−[2−(2−メトキシ−1−エトキシ)エトキシ]−1−(トリメチルシロキシ)−2−メチル−1−プロぺン等が挙げられる。
このような化合物は、有機合成における常法を用いて合成することができる。また、市販のものを用いることもできる。
このような化合物は、有機合成における常法を用いて合成することができる。また、市販のものを用いることもできる。
<有機酸触媒>
本発明の方法には、グループトランスファー重合反応開始剤を活性化させる触媒として、有機酸触媒を使用する。有機酸触媒は一般式(1)又は一般式(2)で表される化合物を用いる。
本発明の方法には、グループトランスファー重合反応開始剤を活性化させる触媒として、有機酸触媒を使用する。有機酸触媒は一般式(1)又は一般式(2)で表される化合物を用いる。
(式(1)中、R1は置換又は非置換のアリール基、Rf1及びRf2は互いに独立してパ
ーフルオロアルキル基を示す。)
ーフルオロアルキル基を示す。)
(式(2)中、R2は水素原子、−OR3、炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐アルキル基、又はトリアルキルシリル基であり、R3は水素原子、炭素数1〜12の直鎖もしくは分
岐アルキル基を示し、Rf3及びRf4は互いに独立してパーフルオロアルキル基を示す。)
岐アルキル基を示し、Rf3及びRf4は互いに独立してパーフルオロアルキル基を示す。)
有機酸触媒として、一般式(1)又は一般式(2)で表される化合物を2種以上組み合わせて用いることも可能である。
一般式(1)におけるR1としては、置換又は非置換のフェニル基、ナフチル基、ビフ
ェニル基等のアリール基を挙げることができ、アリール基の置換基としては、メチル基等の炭素数1〜4の低級アルキル基、トリフルオロメチル基等の炭素数1〜4のハロゲン化低級アルキル基、フッ素等のハロゲン原子、アルコキシ基、スルホニル基、アミノ基等を例示することができる。かかるR1としては、フェニル基、ナフチル基、2,4,6−ト
リメチルフェニル基、4−(トリフルオロメチル)フェニル基、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、ペンタフルオロフェニル基、p−トリル基、m−トリル基、メシチル基、キシリル基、ビフェニル基、パーフルオロビフェニル基、p−クロロフェニル基、o−クロロフェニル基等を具体的に挙げることができる。
ェニル基等のアリール基を挙げることができ、アリール基の置換基としては、メチル基等の炭素数1〜4の低級アルキル基、トリフルオロメチル基等の炭素数1〜4のハロゲン化低級アルキル基、フッ素等のハロゲン原子、アルコキシ基、スルホニル基、アミノ基等を例示することができる。かかるR1としては、フェニル基、ナフチル基、2,4,6−ト
リメチルフェニル基、4−(トリフルオロメチル)フェニル基、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、ペンタフルオロフェニル基、p−トリル基、m−トリル基、メシチル基、キシリル基、ビフェニル基、パーフルオロビフェニル基、p−クロロフェニル基、o−クロロフェニル基等を具体的に挙げることができる。
一般式(2)におけるR2としては、水素原子、−OR3で示される水酸基もしくはメトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐アルキル基、又はトリメチルシリル基、トリエチルシリル基等のトリアルキルシリル基を挙げることができる。かかるR2としては、水素原子、水酸基、メトキシ基、エトキシ基、トリメチル
シリル基、トリエチルシリル基等を具体的に挙げることができる。
シリル基、トリエチルシリル基等を具体的に挙げることができる。
一般式(1)及び一般式(2)におけるRf1、Rf2、Rf3及びRf4としては、互いに同一又は異なっていてもよいパーフルオロアルキル基、好ましくはトリフルオロメチル基等の炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基を示し、これらを含む−SO2Rf1、−SO2Rf2、−SO2Rf3及び−SO2Rf4としては、トリフルオロメチルスルホニル基、パーフルオロエチルスルホニル基、パーフルオロプロピルスルホニル基、パーフルオロイソプロピルスルホニル基、パーフルオロブチルスルホニル基、パーフルオロイソブチルスルホニル基、パーフルオロペンチルスルホニル基、パーフルオロイソペンチルスルホニル基、パーフルオロネオペンチルスルホニル基等を具体的に例示することができる。
一般式(1)及び一般式(2)の化合物としては、フェニルビス(トリフリル)メタン、2−ナフチルビス(トリフリル)メタン、1−ナフチルビス(トリフリル)メタン、2,4,6−トリメチルフェニルビス(トリフリル)メタン、4−(トリフルオロメチル)フェニルビス(トリフリル)メタン、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルビス(トリフリル)メタン、ペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メタン、{4−(ペンタフルオロフェニル)−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル}ビス(トリフリル)メタン、ビス(トリフルオロメタン)スルフォンイミド、トリメチルシリルビス(トリフルオロメタン)スルフォンイミド、N-(トリフルオロメタンスルフォニル)ノナフルオロブタンスルフォンイミド、N-トリメチルシリル-N-(トリフルオロメタンスルフォニル
)ノナフルオロブタンスルフォンイミド、トリメチルシリルビス(ノナフルオロブタン)スルフォンイミド等を具体的に例示することができる。
)ノナフルオロブタンスルフォンイミド、トリメチルシリルビス(ノナフルオロブタン)スルフォンイミド等を具体的に例示することができる。
本発明における有機酸触媒は、上記のような公知の有機酸触媒を用いることができる。その製造方法も公知であり、例えば特開2002−338539号公報に記載の方法等により、製造することができる。
本発明における有機酸触媒は、ポリスチレン等の高分子化合物、シリカゲル等の固体担体として通常使用される担体に担持させて、固体有機酸触媒として使用することもできる。固体有機酸触媒を用いれば、重合後に濾過をするだけで精製が可能である。
本発明における有機酸触媒は、上記のような公知の有機酸触媒を公知の高分子化合物、シリカゲル等の固体担体に、共有結合による化学吸着、ファンデルワールス力による物理吸着等により担持させて用いることができる。その製造方法も公知であり、例えば国際公開パンフレット第2002/048098号に記載の方法等により、製造することができる。
<β位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル重合体又は共重合体>
本発明の方法において、単量体(モノマー)としてのβ位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル又はβ位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル及びそれと異なるα,β−不飽和カルボン酸エステルを、上記成分と接触させて重合することにより、β位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル重合体(ポリマー)、及びβ位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステルとそれと異なるα,β−不飽和カルボン酸エステルとの共重合体(コポリマー)を製造することができる。
特に限定はされないが、具体的には、β位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステルは、一般式(3)で表される化合物を用いることができる。
本発明の方法において、単量体(モノマー)としてのβ位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル又はβ位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル及びそれと異なるα,β−不飽和カルボン酸エステルを、上記成分と接触させて重合することにより、β位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル重合体(ポリマー)、及びβ位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステルとそれと異なるα,β−不飽和カルボン酸エステルとの共重合体(コポリマー)を製造することができる。
特に限定はされないが、具体的には、β位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステルは、一般式(3)で表される化合物を用いることができる。
(式(3)中、R4は炭素数1〜12の直鎖又は分岐アルキル基、置換又は非置換のアリ
ール基、アミノ基を示し、R5は炭素数1〜12の直鎖又は分岐アルキル基、置換又は非
置換のアリール基を示す。)
ール基、アミノ基を示し、R5は炭素数1〜12の直鎖又は分岐アルキル基、置換又は非
置換のアリール基を示す。)
かかるR4としては、通常、炭素数1〜12の直鎖又は分岐アルキル基、置換又は非置
換のアリール基、アミノ基であり、好ましくは炭素数1〜7の直鎖又は分岐アルキル基、フェニル基、メトキシフェニル基、アミノ基であり、より好ましくは炭素数1〜5の直鎖又は分岐アルキル基であり、更に好ましくは炭素数1〜4の直鎖又は分岐アルキル基であり、最も好ましくはメチル基である。
かかるR5としては、通常、炭素数1〜12の直鎖又は分岐アルキル基、置換又は非置
換のアリール基であり、好ましくは炭素数1〜8の直鎖又は分岐アルキル基、フェニル基、トリル基であり、より好ましくは炭素数1〜4の直鎖又は分岐アルキル基である。
一般式(3)で表されるβ位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステルとしては、例えば、クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、クロトン酸−n−プロピル、クロトン酸イソプロピル、クロトン酸−n−ブチル、クロトン酸イソブチル、クロトン酸−sec−ブチル、クロトン酸−tert−ブチル、クロトン酸トリル、ケイ皮酸メチル、ケイ皮酸エチル、ケイ皮酸−n−プロピル、ケイ皮酸イソプロピル、ケイ皮酸−n−ブチル、ケイ皮酸イソブチル、ケイ皮酸−sec−ブチル、ケイ皮酸−tert−ブチル、3−(4−メトキシフェニル)アクリル酸エチル、エチルtrans−2−ヘキセノエート等を具体的に挙げることができる。
特に限定はされないが、β位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル重合
体(ポリマー)としては、好ましくはクロトン酸エステルモノマー、又はケイ皮酸エステルモノマーからなるポリマーが挙げられる。β位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステルとそれと異なるα,β−不飽和カルボン酸エステルとの共重合体(コポリマー)としては、好ましくはクロトン酸エステルモノマー、又はケイ皮酸エステルモノマーと(メタ)アクリル酸エステルモノマーからなるコポリマーが挙げられる。
換のアリール基、アミノ基であり、好ましくは炭素数1〜7の直鎖又は分岐アルキル基、フェニル基、メトキシフェニル基、アミノ基であり、より好ましくは炭素数1〜5の直鎖又は分岐アルキル基であり、更に好ましくは炭素数1〜4の直鎖又は分岐アルキル基であり、最も好ましくはメチル基である。
かかるR5としては、通常、炭素数1〜12の直鎖又は分岐アルキル基、置換又は非置
換のアリール基であり、好ましくは炭素数1〜8の直鎖又は分岐アルキル基、フェニル基、トリル基であり、より好ましくは炭素数1〜4の直鎖又は分岐アルキル基である。
一般式(3)で表されるβ位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステルとしては、例えば、クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、クロトン酸−n−プロピル、クロトン酸イソプロピル、クロトン酸−n−ブチル、クロトン酸イソブチル、クロトン酸−sec−ブチル、クロトン酸−tert−ブチル、クロトン酸トリル、ケイ皮酸メチル、ケイ皮酸エチル、ケイ皮酸−n−プロピル、ケイ皮酸イソプロピル、ケイ皮酸−n−ブチル、ケイ皮酸イソブチル、ケイ皮酸−sec−ブチル、ケイ皮酸−tert−ブチル、3−(4−メトキシフェニル)アクリル酸エチル、エチルtrans−2−ヘキセノエート等を具体的に挙げることができる。
特に限定はされないが、β位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル重合
体(ポリマー)としては、好ましくはクロトン酸エステルモノマー、又はケイ皮酸エステルモノマーからなるポリマーが挙げられる。β位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステルとそれと異なるα,β−不飽和カルボン酸エステルとの共重合体(コポリマー)としては、好ましくはクロトン酸エステルモノマー、又はケイ皮酸エステルモノマーと(メタ)アクリル酸エステルモノマーからなるコポリマーが挙げられる。
β位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステルとそれと異なるα,β−不飽和カルボン酸エステルとの共重合体を構成する、単量体としてのα,β−不飽和カルボン酸エステルは特に限定されず、各種のものを用いることができる。例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−tert−ブチル、(メタ)アクリル酸−n−ペンチル、(メタ)アクリル酸−n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸−n−オクチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸−3−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロメチル、(メタ)アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチル等の(メタ)アクリル酸系モノマー;無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル;フマル酸、フマル酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル;上記一般式(3)で表されるα,β−不飽和カルボン酸エステルが挙げられる。これらは、単独で用いても良いし、複数を共重合させても構わず、更にアニオン重合性の他のモノマーと共重合しても構わない。なかでも、生成物の物性等から、(メタ)アクリル酸エステルモノマー、クロトン酸エステルモノマー、ケイ皮酸エステルモノマーが好ましい。(メタ)アクリル酸エステルモノマーとして、より好ましくは、アクリル酸エステルモノマーであり、更に好ましくは、アクリル酸メチル、アクリル酸エチルである。
ここで、「一般式(3)で表されるβ位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル及びそれと異なるα,β−不飽和カルボン酸エステル」とは、「一般式(3)で表されるβ位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル及びそれと異なる一般式(3)で表されるβ位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル」であっても、「一般式(3)で表されるβ位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル及びそれと異なる一般式(3)で表されるものではないα,β−不飽和カルボン酸エステル」であってもよい。
ここで、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を表す。
このような化合物は、有機合成における常法を用いて合成することができる。また、市販のものを用いることもできる。
ここで、「一般式(3)で表されるβ位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル及びそれと異なるα,β−不飽和カルボン酸エステル」とは、「一般式(3)で表されるβ位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル及びそれと異なる一般式(3)で表されるβ位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル」であっても、「一般式(3)で表されるβ位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル及びそれと異なる一般式(3)で表されるものではないα,β−不飽和カルボン酸エステル」であってもよい。
ここで、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を表す。
このような化合物は、有機合成における常法を用いて合成することができる。また、市販のものを用いることもできる。
<2>製造方法
本発明の方法により、グループトランスファー重合反応開始剤、及び一般式(1)又は一般式(2)で表される有機酸触媒に、β位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸
エステル、又は、β位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル及びそれと異なるα,β−不飽和カルボン酸エステルを接触させて重合することにより、β位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル重合体又は共重合体を製造することができる。
本発明の方法により、グループトランスファー重合反応開始剤、及び一般式(1)又は一般式(2)で表される有機酸触媒に、β位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸
エステル、又は、β位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル及びそれと異なるα,β−不飽和カルボン酸エステルを接触させて重合することにより、β位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル重合体又は共重合体を製造することができる。
<重合条件>
(使用量)
β位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル1モル又はβ位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル及びそれと異なるα,β−不飽和カルボン酸エステルの合計1モルに対するグループトランスファー重合反応開始剤の使用量は0.0001〜0.1モル、好ましくは0.001〜0.05モル、更に好ましくは0.005〜0.02モルの範囲が適当である。β位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル1モル又はβ位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル及びそれと異なるα,β−不飽和カルボン酸エステルの合計1モルに対する有機酸触媒の使用量は0.0001〜0.02モル、好ましくは0.0002〜0.01モル、更に好ましくは0.0005〜0.008モルの範囲が適当である。
(使用量)
β位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル1モル又はβ位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル及びそれと異なるα,β−不飽和カルボン酸エステルの合計1モルに対するグループトランスファー重合反応開始剤の使用量は0.0001〜0.1モル、好ましくは0.001〜0.05モル、更に好ましくは0.005〜0.02モルの範囲が適当である。β位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル1モル又はβ位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステル及びそれと異なるα,β−不飽和カルボン酸エステルの合計1モルに対する有機酸触媒の使用量は0.0001〜0.02モル、好ましくは0.0002〜0.01モル、更に好ましくは0.0005〜0.008モルの範囲が適当である。
(溶媒)
本発明の重合反応は溶剤の存在下又は非存在下のいずれも可能であるが、モノマー、グループトランスファー重合反応開始剤、有機酸触媒を溶解又は分散し得る溶剤の存在下で行うことが好ましい。
本発明の重合反応は溶剤の存在下又は非存在下のいずれも可能であるが、モノマー、グループトランスファー重合反応開始剤、有機酸触媒を溶解又は分散し得る溶剤の存在下で行うことが好ましい。
溶媒の種類としては特に限定されず、例えば、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂肪族又は脂環族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの脂肪族置換又は非置換の芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、トリクロロエタン、ブロモホルム、クロロベンゼンなどのハロゲン置換脂肪族炭化水素類;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサン、ジフェニルエーテル、アニソール、ジメトキシベンゼンなどの環状又は非環状のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒;あるいはそれらの中から選ばれる成分からなる混合溶剤など、本重合系を阻害しない溶媒系が挙げられる。また、超臨界流体CO2を媒体とする
系においても重合を行うことができる。
系においても重合を行うことができる。
溶剤の使用量には特に制限はないが経済性の観点からモノマー1gに対し100ml以下の範囲が好ましい。溶剤は通常用いられる方法で水などのプロティックな不純物などの重合阻害物を極力除去精製したものを用いることが好ましい。
(温度、雰囲気)
反応温度は、特に限定はされないが、−100℃〜+40℃、好ましくは−90℃〜+20℃、更に好ましくは−80℃〜+10℃、最も好ましくは−40℃〜0℃が適用される。重合体の分子量やリビング性をより良く制御しようとする場合には、低温の方が好ましいが、本発明の場合には、−5℃以上の温度でも高度な制御が可能である。好ましい方法は、重合反応に用いる成分を予め冷却し、低温、好ましくは−40℃〜20℃で重合を開始する方法である。反応時間は上記反応条件の設定に依存するが通常1〜350時間、好ましくは5〜150時間、更に好ましくは10〜130時間、最も好ましくは12〜48時間が適用される。反応の際には静置又は撹拌のいずれも適用出来る。又、反応は窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気、又は真空中など、重合反応の阻害物質が実質的に存在しない環境で行われることが好ましい。
反応温度は、特に限定はされないが、−100℃〜+40℃、好ましくは−90℃〜+20℃、更に好ましくは−80℃〜+10℃、最も好ましくは−40℃〜0℃が適用される。重合体の分子量やリビング性をより良く制御しようとする場合には、低温の方が好ましいが、本発明の場合には、−5℃以上の温度でも高度な制御が可能である。好ましい方法は、重合反応に用いる成分を予め冷却し、低温、好ましくは−40℃〜20℃で重合を開始する方法である。反応時間は上記反応条件の設定に依存するが通常1〜350時間、好ましくは5〜150時間、更に好ましくは10〜130時間、最も好ましくは12〜48時間が適用される。反応の際には静置又は撹拌のいずれも適用出来る。又、反応は窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気、又は真空中など、重合反応の阻害物質が実質的に存在しない環境で行われることが好ましい。
共重合反応におけるモノマーの添加法は、反応開始時に総てのモノマーの全量を反応系に存在させてもよいし、1種又は2種以上を存在させて重合反応を開始し、目的の重合率の時点で逐次残部のモノマーを加えて反応を継続して行うこともできる。後者の方法を目的重合体に応じて適合させることによって、いわゆるブロック共重合体を得ることができる。単独重合反応及び共重合反応のいずれにおいても重合反応終了時、酸又は塩基触媒の存在下、又は非存在下で水又はアルコールと処理することにより重合体の片末端をカルボン酸又はエステル基に転換することができる。この転換は重合反応後重合体を一旦単離した後行うこともできる。
上記重合条件は、使用する単量体、目的とする重合体及び共重合体の物性等に応じて調整可能である。
上記重合条件は、使用する単量体、目的とする重合体及び共重合体の物性等に応じて調整可能である。
<3>重合体及び共重合体
本発明の重合体及び共重合体の分子量分布、すなわち、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量と数平均分子量の比は、特に限定されないが、好ましくは1.5未満であり、好ましくは1.4以下であり、より好ましくは1.3以下であり、さらに好ましくは1.2以下であり、特に好ましくは1.1以下である。本発明でのGPC測定においては、通常、移動相としてTHFあるいはクロロホルムを用い、測定はポリスチレンゲルカラムにておこない、数平均分子量等は標準PMMA換算あるいは標準ポリスチレン換算で求めることができる。
本発明の重合体及び共重合体の分子量分布、すなわち、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量と数平均分子量の比は、特に限定されないが、好ましくは1.5未満であり、好ましくは1.4以下であり、より好ましくは1.3以下であり、さらに好ましくは1.2以下であり、特に好ましくは1.1以下である。本発明でのGPC測定においては、通常、移動相としてTHFあるいはクロロホルムを用い、測定はポリスチレンゲルカラムにておこない、数平均分子量等は標準PMMA換算あるいは標準ポリスチレン換算で求めることができる。
本発明の重合体及び共重合体の数平均分子量は特に制限はないが、好ましくは4000以上、より好ましくは10000以上、さらに好ましくは20000以上である。
以下、実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
乾燥アルゴン雰囲気下、ガラス反応器に50 mmolのクロトン酸エチル、0.50 mmolの1−メトキシ−1−(トリメチルシロキシ)−2−メチル−1−プロペン(MTS)及びジクロロ
メタン20 mLを加え、−40 ℃に冷却した。0.050 mmolの1−[ビス(トリフルオロメタン
スルフォニル)メチル]−2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゼン(C6F5CHTf2)が溶解
したジクロロメタン溶液5 mLを−40 ℃に冷却した後、この溶液に加えた。−40 ℃で36時間攪拌した後10 mLのメタノールを加えて反応を停止させ、減圧下で揮発成分を留去した
。残渣を真空下室温で乾燥したところ、粗収率は100%であった。粗生成物をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により分析した結果、数平均分子量(Mn)は21,600 g/mol、重量平均分子量(Mw)は26,800 g/mol、分子量分布(Mw/Mn)は1.24であった。粗生成物をクロロホルムに溶解し、その溶液を大量のヘキサンに加えて重合物を沈殿させた。析出した重合体を濾過し、ヘキサンで数回洗浄後、真空下室温で24時間乾燥させた。(ここで得られた重合体を「ヘキサン不溶部」とする。)収率は96%であった。上記、濾過過程で得
られた濾液について、溶媒を留去した。(ここで得られた重合体を「ヘキサン可溶部」とする。)収率は2%であった。
乾燥アルゴン雰囲気下、ガラス反応器に50 mmolのクロトン酸エチル、0.50 mmolの1−メトキシ−1−(トリメチルシロキシ)−2−メチル−1−プロペン(MTS)及びジクロロ
メタン20 mLを加え、−40 ℃に冷却した。0.050 mmolの1−[ビス(トリフルオロメタン
スルフォニル)メチル]−2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゼン(C6F5CHTf2)が溶解
したジクロロメタン溶液5 mLを−40 ℃に冷却した後、この溶液に加えた。−40 ℃で36時間攪拌した後10 mLのメタノールを加えて反応を停止させ、減圧下で揮発成分を留去した
。残渣を真空下室温で乾燥したところ、粗収率は100%であった。粗生成物をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により分析した結果、数平均分子量(Mn)は21,600 g/mol、重量平均分子量(Mw)は26,800 g/mol、分子量分布(Mw/Mn)は1.24であった。粗生成物をクロロホルムに溶解し、その溶液を大量のヘキサンに加えて重合物を沈殿させた。析出した重合体を濾過し、ヘキサンで数回洗浄後、真空下室温で24時間乾燥させた。(ここで得られた重合体を「ヘキサン不溶部」とする。)収率は96%であった。上記、濾過過程で得
られた濾液について、溶媒を留去した。(ここで得られた重合体を「ヘキサン可溶部」とする。)収率は2%であった。
<実施例2〜実施例18>
実施例1において、1−メトキシ−1−(トリメチルシロキシ)−2−メチル−1−プロペン(MTS)の使用量、C6F5CHTf2の使用量、反応時間、反応温度の異なる例を試験した。結果を表1にまとめた。得られた重合体の分子量分布(Mw/Mnn)が非常にシャープであることから「リビング性」を有していることが解る。また、望みの数平均分子量を持った重合体を得る事が可能である。
また、グループトランスファー重合反応開始剤の量にもよるが、グループトランスファー重合反応開始剤:有機酸触媒(モル比)が、2:1〜10:1程度であれば、重合反応を行うことが可能である。
実施例1において、1−メトキシ−1−(トリメチルシロキシ)−2−メチル−1−プロペン(MTS)の使用量、C6F5CHTf2の使用量、反応時間、反応温度の異なる例を試験した。結果を表1にまとめた。得られた重合体の分子量分布(Mw/Mnn)が非常にシャープであることから「リビング性」を有していることが解る。また、望みの数平均分子量を持った重合体を得る事が可能である。
また、グループトランスファー重合反応開始剤の量にもよるが、グループトランスファー重合反応開始剤:有機酸触媒(モル比)が、2:1〜10:1程度であれば、重合反応を行うことが可能である。
<実施例19>
C6F5CHTf2の代わりに、1−[ビス(トリフルオロメタンスルフォニル)メチル]−2,
3,4,5,6−ペンタフルオロベンゼンをポリスチレンレジンに担持させた固体有機酸触
媒である、ビス(トリフルオロメタンスルフォニル)メチル−2,3,4,5−テトラフル
オロフェニルポリスチレンレジン(PS-C6F4CHTf2)(東京化成製)を用い、24時間攪拌した以外は実施例1と同様にして重合反応および後処理を行い、重合体を得た。ヘキサン不溶部の数平均分子量(Mn)は28,000 g/mol、重量平均分子量(Mw)は49,900 g/mol、分子量分布(Mw/Mn)は1.78であった。
C6F5CHTf2の代わりに、1−[ビス(トリフルオロメタンスルフォニル)メチル]−2,
3,4,5,6−ペンタフルオロベンゼンをポリスチレンレジンに担持させた固体有機酸触
媒である、ビス(トリフルオロメタンスルフォニル)メチル−2,3,4,5−テトラフル
オロフェニルポリスチレンレジン(PS-C6F4CHTf2)(東京化成製)を用い、24時間攪拌した以外は実施例1と同様にして重合反応および後処理を行い、重合体を得た。ヘキサン不溶部の数平均分子量(Mn)は28,000 g/mol、重量平均分子量(Mw)は49,900 g/mol、分子量分布(Mw/Mn)は1.78であった。
<実施例20〜実施例25>
実施例1において、基質として表2に示したものを用い、条件を下記のように変更して試験した。結果を表2にまとめた。各種のβ位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステルの重合体を得る事が可能である。
実施例1において、基質として表2に示したものを用い、条件を下記のように変更して試験した。結果を表2にまとめた。各種のβ位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステルの重合体を得る事が可能である。
<実施例26〜実施例28、比較例1〜3>
実施例1において、触媒として以下に記載のものを用い、条件を下記のように変更して試験した。結果を表3にまとめた。本発明で使用される各種有機酸触媒により、クロトン酸エステルの重合体を得る事が可能である。
実施例1において、触媒として以下に記載のものを用い、条件を下記のように変更して試験した。結果を表3にまとめた。本発明で使用される各種有機酸触媒により、クロトン酸エステルの重合体を得る事が可能である。
<実施例29〜31>
実施例1において、クロトン酸エチルと同時にMMAを加える事により試験した。結果を表4にまとめた。本発明で使用される有機酸触媒により、クロトン酸エステルとMMAとのランダム共重合体を得る事が可能である。
実施例1において、クロトン酸エチルと同時にMMAを加える事により試験した。結果を表4にまとめた。本発明で使用される有機酸触媒により、クロトン酸エステルとMMAとのランダム共重合体を得る事が可能である。
<実施例32>
実施例1において、クロトン酸エチルを重合した後にさらにMMAを加える事により試験した。結果を表5にまとめた。本発明で使用される有機酸触媒により、クロトン酸エステルとMMAとのブロック共重合体を得る事が可能である。
実施例1において、クロトン酸エチルを重合した後にさらにMMAを加える事により試験した。結果を表5にまとめた。本発明で使用される有機酸触媒により、クロトン酸エステルとMMAとのブロック共重合体を得る事が可能である。
<実施例33〜実施例36>
実施例1において、基質として表6に示したものを用い、条件を下記のように変更して試験した。結果を表6にまとめた。各種のβ位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステルの重合体を得る事が可能である。
実施例1において、基質として表6に示したものを用い、条件を下記のように変更して試験した。結果を表6にまとめた。各種のβ位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステルの重合体を得る事が可能である。
<実施例37〜実施例38>
実施例1において、MMAを重合した後に、クロトン酸エステルを加える事により試験した。結果を表7にまとめた。本発明で使用される有機酸触媒により、MMAとクロトン酸エステルとのブロック共重合体を得る事が可能である。
実施例1において、MMAを重合した後に、クロトン酸エステルを加える事により試験した。結果を表7にまとめた。本発明で使用される有機酸触媒により、MMAとクロトン酸エステルとのブロック共重合体を得る事が可能である。
<実施例39〜実施例42>
実施例1において、基質として表8に示したものを用い、条件を下記のように変更して試験した。結果を表8にまとめた。各種のβ位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステルの重合体を得る事が可能である。
実施例1において、基質として表8に示したものを用い、条件を下記のように変更して試験した。結果を表8にまとめた。各種のβ位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステルの重合体を得る事が可能である。
<実施例43〜実施例44>
実施例1において、基質として表9に示したものを用い、条件を下記のように変更して
試験した。結果を表9にまとめた。各種のβ位に置換基を有するα,β‐不飽和カルボン酸エステルの重合体を得る事が可能である。
実施例1において、基質として表9に示したものを用い、条件を下記のように変更して
試験した。結果を表9にまとめた。各種のβ位に置換基を有するα,β‐不飽和カルボン酸エステルの重合体を得る事が可能である。
本発明は、光学機器、光通信部品等の各種工業品に応用できる。
Claims (5)
- 下記式(3a)で表されるβ位に置換基を有する第1のα,β−不飽和カルボン酸エステル及びそれと異なる第2のα、β−不飽和カルボン酸エステルとの共重合体であって、
前記第2のα、β−不飽和カルボン酸エステルが、メタアクリル酸系モノマー又は下記式(3a)で表されるβ位に置換基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステルである共重合体。
R4aCH=CHC(O)OR5 (3a)
(式(3a)中、R4aは炭素数1〜12の直鎖又は分岐アルキル基、置換又は非置換のアリール基を示し、R5は炭素数1〜12の直鎖又は分岐アルキル基、置換又は非置換のアリール基を示す。) - R5は炭素数1〜12の直鎖又は分岐アルキル基である請求項1に記載の共重合体。
- 前記第1のα,β−不飽和カルボン酸エステルが、R4aが炭素数1〜12の直鎖又は分岐アルキル基である前記式(3a)で表されるα,β−不飽和カルボン酸エステルである請求項1又は2に記載の共重合体。
- ブロック共重合体である請求項1〜3のいずれか1項に記載の共重合体。
- 前記第2のα、β−不飽和カルボン酸エステルがメタアクリル酸系モノマーである請求項1〜4のいずれか1項に記載の共重合体。
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