JP2018166160A - Rfid用基板およびrfidタグ - Google Patents

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Abstract

【課題】異なる容量値を有する半導体素子に対応するRFID用基板タグ及びRFIDタグを提供する。【解決手段】RFIDタグ100は、複数のセラミック絶縁層1aが積層された絶縁基板と、絶縁基板の第1の面に設けられ、半導体素子5に接続される複数の接続パッド2と、絶縁基板の内部に設けられ、互いに接続されておらず、巻回中心が同一である複数のコイル31、32、32と、複数のコイルのそれぞれの一端部と接続された複数の電極から成り、絶縁基板1の第1の面に設けられている第1コイル端子41と、複数のコイルのそれぞれの他端部と接続された複数の電極から成り、絶縁基板の第1の面に設けられている第2コイル端子42とを備えている。第1コイル端子41の第1電極411が複数の接続パッド2の1つに接続されており、第2コイル端子42の第1電極421が複数の接続パッドの他の1つに接続されている。【選択図】図2

Description

本発明は、RFID用基板およびRFIDタグに関するものである。
近年、電子マネー用のICカードや在庫管理用のタグとして、RFID(Radio Frequency IDentification)システムを用いた非接触型の情報通信手段が広く使われるようになってきている。例えば、RFIDシステムとしてはHF帯の周波数を用いた電磁誘導式のものがあり、このHF帯のRFIDタグとして、コイルを内蔵する基板上に半導体素子が搭載されたものがある。半導体素子に送受される情報は、外部機器との間で無線(RF)通信によって行なわれる。外部機器から送信される電波に伴う磁束によってコイルで誘導電流が生じ、情報の書き込みおよび取り出しを含む半導体素子の作動に必要な電力が供給される(例えば、特許文献1等を参照。)。
国際公開第2011/108340号
このようなRFIDタグでは、通信のための周波数が、搭載される半導体素子に内蔵されている容量と基板に内蔵されたコイルによるインダクタンス成分とによる共振周波数によって設定される。そのため、半導体素子の容量に応じたインダクタンスを有する基板が必要となる。RFIDタグに用いられる半導体素子が内蔵する容量値は、よく用いられるものでも数種類あり、数種類の基板を準備しなければならなかった。RFIDタグは、さまざまな製品に取り付けられて用いられることもあり、安価であることも重要な要求特性の1つである。半導体素子の容量値に応じた基板を準備すると基板のコストが高くなり、RFIDタグのコストも高くなるので、異なる容量値を有する半導体素子に対応できる基板が求められていた。
本開示のRFID用基板は、複数のセラミックスからなる絶縁層が積層された絶縁基板と、該絶縁基板の第1の面に設けられており、半導体素子に接続される複数の接続パッドと、前記絶縁基板の内部に設けられ、互いに電気的に接続されておらず、巻回中心が同一である複数のコイルと、該複数のコイルのそれぞれの一端部と電気的に接続された複数の電極から成り、前記絶縁基板の前記第1の面に設けられている第1コイル端子と、前記複数のコイルのそれぞれの他端部と電気的に接続された複数の電極から成り、前記絶縁基板の前記第1の面に設けられている第2コイル端子と、を備えており、前記第1コイル端子の前記複数の電極のうちの第1電極が前記複数の接続パッドのうちの1つに接続されており、前記第2コイル端子の前記複数の電極のうちの第1電極が前記複数の接続パッドのうちの他の1つに接続されている。
本開示のRFIDタグは、上記構成のRFID用基板と、該RFID用基板の前記接続パッドに接続された半導体素子とを備えている。
本開示の1つの態様の配線基板によれば、上記構成であることから、第1コイル端子および第2コイル端子のそれぞれの複数の電極間を電気的に接続することで複数のコイルを
並列に接続して、第1電極に接続されたコイルによるインダクタンスより小さいインダクタンスとすることができる。すなわち、並列接続することが可能なコイルを複数有することで、1つの基板で複数のインダクタンスを設定でき、内蔵容量の異なる複数の半導体素子に対応することが可能な基板となる。
本開示の1つの態様のRFIDタグによれば、上記構成の配線基板を含むことから、コストが低減されたRFIDタグを提供することができる。
(a)はRFID用基板およびRFIDタグの一例を示す斜視図であり、(b)は(a)のB−B線における断面図であり、(c)は(a)のC−C線における断面図である。 図1に示すRFID用基板およびRFIDタグの分解斜視図である。 RFID用基板およびRFIDタグの他の一例を示す分解斜視図である。 RFID用基板およびRFIDタグの他の一例を示す分解斜視図である。 RFID用基板およびRFIDタグの他の一例を示す分解斜視図である。 (a)はRFID用基板およびRFIDタグの他の一例を示す斜視図であり、(b)は(a)のB−B線における断面図であり、(c)は(a)のC−C線における断面図である。 図6に示すRFID用基板およびRFIDタグの分解斜視図である。 (a)は図6に示すRFID用基板のA部を拡大して示す平面図であり、(b)および(c)は他の例を示す平面図である。 (a)および(b)は図1に示すRFID用基板における第1コイル端子および第2コイル端子の電極間を導電性接続材で電気的に接続した例を示したものである。 RFID用基板およびRFIDタグの他の一例を示す分解斜視図である。
RFID用基板およびRFIDタグについて、添付の図面を参照して説明する。なお、以下の説明における上下の区別は便宜的なものであり、実際に配線基板等が使用されるときの上下を限定するものではない。図1(a)は、本開示のRFID用基板10およびRFIDタグ100の一例を示す斜視図であり、(b)は(a)のB−B線における断面図であり、(c)は(a)のC−C線における断面図である。図2は、図1に示すRFID用基板10およびRFIDタグ100の分解斜視図である。図3は、RFID用基板10およびRFIDタグ100の他の例を示す分解斜視図である。
RFIDタグ100は、RFID用基板10と、RFID用基板10上に搭載された半導体素子5とで基本的に構成されている。図1〜図3に示す例においては、RFID用基板10の上面に設けられた接続パッド2に半導体素子5の端子電極(図示せず)が接続され、半導体素子5は封止材6で覆われている。
そして、RFID用基板10は、複数のセラミックスからなる絶縁層1aが積層された絶縁基板1と、絶縁基板1の第1の面に設けられており、半導体素子5に接続される複数の接続パッド2と、絶縁基板1の内部に設けられ、互いに電気的に接続されておらず、巻回中心が同一である複数のコイル31,32,33と、複数のコイル31,32,33のそれぞれの一端部と電気的に接続された複数の電極(第1電極411,第2電極412,第3電極413)から成り、絶縁基板1の第1の面に設けられている第1コイル端子41と、複数のコイル31,32,33のそれぞれの他端部と電気的に接続された複数の電極421,422,423から成り、絶縁基板1の第1の面に設けられている第2コイル端子42とを備えており、第1コイル端子41の複数の電極411,412,413のうちの第1電極411が複数の接続パッド2のうちの1つに接続されており、第2コイル端子
42の複数の電極(第1電極421,第2電極422,第3電極423)のうちの第1電極421が複数の接続パッド2のうちの他の1つに接続されている。
RFID用基板10がこのような構成を有していることから、第1コイル端子41および第2コイル端子42のそれぞれの複数の電極間を導電性接続材で電気的に接続することで複数のコイル31,32,33が並列に接続され、第1電極41に接続されたコイル31によるインダクタンスより小さいインダクタンスとすることができる。並列接続するコイルを増やすことで、インダクタンスをより小さくすることができ、1つのRFID用基板10で複数のインダクタンスを設定できる。所望のインダクタンスとなるコイルを複数設けてそのうちの1つを選択して接続パッド(すなわち半導体素子)と接続する場合は、1つでインダクタンスの小さいコイル、例えば線幅の大きいコイルを設けなければならないので、RFID基板が大きくなる。これに対して、本開示のRFID用基板10においては、幅の小さいコイル31,32,33を並列に接続して小さいインダクタンスを設定するので小型化することができる。
図1〜図3に示す例においては、それぞれ大きさ(平面視の外寸)の異なる3つのコイル31,32,33が絶縁基板1の内部に設けられている。大きさの小さいコイル31は、それぞれ異なる絶縁層1aの層間に設けられた3つの小さいコイル導体31aと、絶縁層1aを貫通してこれらを直列に接続する貫通導体31bとで構成されている。大きさの大きいコイル33もまた、それぞれ異なる絶縁層1aの層間に設けられた3つの大きいコイル導体33aと、これらを直列に接続する貫通導体33bとで構成されている。そして、大きさがこれらの中間のコイル32もまた、それぞれ異なる絶縁層1aの層間に設けられた3つの大きさが中間のコイル導体32aと、これらを直列に接続する貫通導体32bとで構成されている。そして、3つのコイル31,32,33のそれぞれの一端部は、貫通導体31b、32b、33bを介して第1コイル端子41に電気的に接続されており、3つのコイル31,32,33のそれぞれの他端部は、貫通導体31b、32b、33bを介して第2コイル端子42に電気的に接続されている。なお、貫通導体31b,32b,33bは、図2および図3においては、両端が黒丸の破線で示している。
また、図1〜図3に示す例においては、小さいコイル31のコイル導体31a、中間のコイル32のコイル導体32aおよび大きいコイル33のコイル導体33aが同じ層間に設けられている。このように、複数のコイル31,32,33が、絶縁層1aの複数の層間に設けられており、1つの層間において、互いに電気的に接続されていない、巻回中心が同じで大きさの異なる複数のコイル導体31a,32a,33aを有しているものとすることができる。
このような構成にすると、複数のコイル31,32,33を設けても絶縁層1aの層数が増えず絶縁基板1の厚みが厚くならないのでRFID用基板10およびRFIDタグ100を薄型化することができる。また、コイル導体31,32,33とコイル端子41,42とをつなぐ貫通導体31b,32b,33bも短くできるので損失が小さい。
図4および図5は、いずれもRFID用基板10およびRFIDタグ100の他の例を示す分解斜視図である。図2に示す例に対して、3つのコイル31,32,33が、それぞれ絶縁層1aの積層方向に3つのコイル導体31a,32a,33aを有する点等は同じであるが、3つのコイル31,32,33のコイル導体31a,32a,33aが互いに異なる層間に設けられている点において異なっている。
図4に示す例においては、図2に示す例における3つのコイル導体31a,32a,33aがその上(の層間)に設けられている3つ絶縁層1aをそれぞれ3つの絶縁層1aに分けるとともに、3つに分けられた絶縁層1aのそれぞれの上(の層間)に元の3つのコ
イル導体31a,32a,33aを1つずつ設けたようになっている。図2に示す例における上の絶縁層1aの上(の層間)に設けられた上のコイル導体31a,32a,33aは、図4における上の3つの絶縁層1aの上(の層間)に設けられ、図2における中の絶縁層1aの上(の層間)に設けられた中のコイル導体31a,32a,33aは、図4における中の3つの絶縁層1aの上(の層間)に設けられ、図2における下の絶縁層1aの上(の層間)に設けられた下のコイル導体31a,32a,33aは、図4における下の3つの絶縁層1aの上(の層間)に設けられている。図2に示す例においては、3つのコイル31,32,33は絶縁層1aの積層方向において同じ位置に配置されているのに対して、図4に示す例においては、3つのコイルは絶縁層1aの1層分ずつずれて、互いに一部が重なって配置されている。
図5に示す例においては、大きさの小さいコイル導体31aで構成されるコイル31と、大きさの大きいコイル導体33aで構成されるコイル33と、大きさがこれらの中間のコイル導体32aで構成されるコイル32の3つのコイルを有している点では、図2および図4に示す例と同じであるが、上の3つの絶縁層1aの層間に小さいコイル導体31aが設けられ、中の3つの絶縁層1aの層間に大きさが中間のコイル導体32aが設けられ、下の3つの絶縁層1aの層間に大きいコイル導体33aが設けられている。図2に示す例においては、3つのコイル31,32,33は絶縁層1aの積層方向において同じ位置に配置されているのに対して、図5に示す例においては、絶縁基板1の内部において、絶縁基板1の第1の面側から順に、大きさの小さいコイル31、大きさが中間のコイル32、大きさの大きいコイル33が配置され、3つのコイル31,32,33は絶縁層1aの積層方向において互いに重なることなく配置されている。
図4および図5に示す例においては、1つの層間には1つのコイル導体31a,32a,33aしか配置されていないので、コイル導体31a,32a,33aの大きさや形状に関して自由度があり、インダクタンスの設計が容易になる。
図1および図2に示す例においては、大きさの小さいコイル31の一端部が第1コイル端子41の第1電極411に接続され、同じく大きさの小さいコイル31の他端部が第2コイル端子42の第1電極421に接続されている。すなわち、大きさの小さいコイル31が接続パッド2に電気的に接続されている。このように、複数のコイル導体31a,32a,33aのうち、最も内側のコイル導体31aの一端部が第1コイル端子41の第1電極411に接続され、他端部が第2コイル端子42の第1電極421に接続されているRFID用基板10とすることができる。
このような構成にすると、複数のコイル31,32,33を構成するコイル導体31a,32a,33aの内寸が異なる場合に、これらを並列接続してインダクタンスを調整しても、複数のコイル31,32,33が並列接続されたコイルの内寸(最少内寸)は変化しないので、特性の変化を小さく抑えることができる。
大きさの大きい、外側のコイル導体33aは長さが長いのでインダクタンスが大きくなりやすく、外側のコイル導体33aを用いてインダクタンスを大きく減らすには、その幅を大きくしなければならず、RFID用基板10が大きくなってしまう場合がある。そのため、図3に示す例のように、複数のコイル導体31a,32a,33aのうち、最も外側のコイル導体33aの一端部が第1コイル端子41の第1電極411に接続され、他端部が第2コイル端子42の第1電極421に接続されているRFID用基板10とすることができる。
このような構成とした場合には、インダクタンスを減らすのに内側のコイル導体31a,32aを使うことになり、内側のコイル導体31a,32aは長さが短いので、インダ
クタンスが大きいコイルとする場合でもコイル導体31a,32aの幅をあまり大きくする必要がないので、RFID用基板10を小型化しやすい。
図6(a)はRFID用基板およびRFIDタグの他の一例を示す斜視図であり、図6(b)は図6(a)のB−B線における断面図であり、図6(c)は図6(a)のC−C線における断面図である。図7は、図6に示すRFID用基板およびRFIDタグの分解斜視図である。図8(a)は図6に示すRFID用基板のA部を拡大して示す平面図であり、図8(b)および図8(c)は他の例を示す平面図である。
図6および図7に示す例のRFID用基板10は、図1および図2に示す例のRFID用基板10に対して、第2絶縁層1bが1層追加されている点が異なる。接続パッド2および第1コイル端子41および第2コイル端子42が形成された最上層の絶縁層1a、すなわち絶縁基板1の第1の面の上にさらに第2絶縁層1bが積層されている。そして、積層された絶縁層1aには第1貫通孔1b1および第2貫通孔1b2が形成されている。このように、絶縁基板1の第1の面の上にさらに第2絶縁層1bが積層されており、積層された第2絶縁層1bが、内側に複数の接続パッド2が配置される1つの第1貫通孔1b1と、内側に第1コイル端子41の電極411,412,413および第2コイル端子42の電極421,422,423のそれぞれの少なくとも一部が配置される複数の第2貫通孔1b2とを備えているRFID用基板10とすることができる。
このような構成とすると、第1貫通孔1b1の内面と第1貫通孔1b1内の第1の面とで凹部が形成され、この凹部の底面には接続パッド2が配置されているので、接続パッド2に接続して半導体素子5をRFID用基板10に搭載すると、半導体素子5は凹部の内側面すなわち第2絶縁層1bに囲まれるので、半導体素子5が周囲の物に衝突して損傷する可能性がより低減される。すなわち、半導体素子5の保護性能の高いRFID用基板10となる。また、第2貫通孔1b2によって、第1コイル端子41の電極411,412,413および第2コイル端子42の電極421,422,423のそれぞれの少なくとも一部が露出されるので、電極間を導電性接続材で電気的に接続してインダクタンスを調整することができる。第2貫通孔1b2を設けずに、第1の面の上に積層された第2絶縁層1bの上に第1コイル端子41および第2コイル端子42を設けて、インダクタンスを調整するようにすることもできるが、この場合は、コイル31,32,33と接続するための貫通導体31b、32b、33bの長さが追加した第2絶縁層1bの厚みの分だけ増える。第2貫通孔1b2を設けることで貫通導体31b、32b、33bの長さを長くする必要がないので、低損失なものとすることができる。また、第1貫通孔1b1と第2貫通孔1b2とに分けていることで、第1コイル端子41の電極間または第2コイル端子42の電極間を導電性接続材で電気的に接続する際に、導電性接続材が接続パッド2まで広がってしまい、不要な接続(短絡)、例えば接続パッド2間つまり半導体素子の端子間の短絡が発生してしまう可能性を低減することができる。
第2貫通孔1b2は、図8(b)に示す例のように、第1コイル端子41の複数の電極411,412,413を露出させるものと、第2コイル端子42の複数の電極421,422,423を露出させるものの2つで構成することもできるし、図8(c)に示す例のように、第1コイル端子41の複数の電極411,412,413のそれぞれ、および第2コイル端子42の複数の電極421,422,423のそれぞれを露出させるもので構成することもできる。また、第2貫通孔1b2は、図8(a)(および図6、図7)に示す例のように、第1コイル端子41および第2コイル端子42における、隣り合う電極のそれぞれの一部とこれらの間のみを露出させる複数のもので構成することもできる。図8(a)に示す例の場合は、図8(b)に示す例に対して、第1コイル端子41の複数の電極411,412,413間で不所望の電極間に導電性接続材が広がることがないので、所望の電極間だけを接続して調整することが容易になる。また、図8(c)に示す例に
おいては、導電性接続材による電極間の接続は、第2絶縁層1bの上面を経由して接続するのに対して、図8(a)に示す例においては、隣接する電極は同一面上で、最短距離で接続することができるので、導電性接続材による接続にともなうインダクタンスの増加が小さく、また損失も小さいものとなる。
図9は、図1に示す例のRFID用基板10における第1コイル端子41および第2コイル端子42の電極間を導電性接続材43で電気的に接続した例を示し、図9(a)は、第1コイル端子41における第1電極411と第2電極412との間、および第2コイル端子42における第1電極421と第2電極422との間を接続した例であり、図9(b)は、さらに、第1コイル端子41における第2電極412と第3電極413との間、および第2コイル端子42における第2電極422と第3電極423との間を接続した例である。例えば、図1に示す例のRFID用基板10においては、1つのコイル31だけが接続パッド2に接続されているので、その1つのコイル31による第1のインダクタンス成分を内蔵しており、この第1のインダクタンス成分と搭載される半導体素子5に内蔵されている第1の容量成分とによる共振周波数がRFIDタグ100の通信に用いられる。第1の容量成分より大きい第2の容量成分を内蔵している半導体素子5aを搭載し、同じ周波数で通信をするRFIDタグ100aとする場合には、図9(a)に示す例のように、第1コイル端子41における第1電極411と第2電極412との間、および第2コイル端子42における第1電極421と第2電極422との間を接続して、2つコイル31,32が並列に接続されて、その2つのコイル31,32により小さくなった第2のインダクタンス成分を内蔵するRFID用基板10aが用いられる。また、第2の容量成分よりさらに大きい第3の容量成分を内蔵している半導体素子5bを搭載し、同じ周波数で通信をするRFIDタグ100bとする場合には、図9(b)に示す例のように、第1コイル端子41における第1電極411と第2電極412との間および第2電極412と第3電極413との間、ならびに第2コイル端子42における第1電極421と第2電極422との間および第2電極422と第3電極423とを接続して、3つコイル31,32,33が並列に接続されて、その3つのコイル31,32,33によりさらに小さくなった第3のインダクタンス成分を内蔵するRFID用基板10bが用いられる。
このように、図9に示したRFID用基板10a,10bは、接続パッド2に接続される半導体素子5a,5bに内蔵されている容量成分の大きさに応じて、第1コイル端子41の複数の電極411,412,413間および第2コイル端子42の複数の電極421,422,423間が電気的に接続されているRFID用基板10a,10bである。例えば導電性ペーストのような導電性接続材43で電極間を接続するだけで、内蔵する容量成分が異なる、複数種類の半導体素子5a,5bに容易に対応したRFID用基板10a,10bとすることができる。内蔵するコイル31,32,33の数によって対応可能な半導体素子5,5a,5bの種類が決まる。
本開示のRFIDタグ100は、上述したように、上記のRFID用基板10と、RFID用基板10の接続パッド2に接続された半導体素子5とを備えている。半導体素子5に内蔵された回路と、半導体素子5に接続されたRFID用基板10に内蔵された回路(主にコイル31,32,33)とで得られる共振周波数が、RFIDタグ100とRFIDシステムのリーダライタ等の外部機器との通信に用いられる周波数となる。
従来のRFIDタグでは、複数の半導体素子5,5a,5bに対応するためには複数のRFID用基板を準備しなければならなかったので、RFID用基板のコストが高くなってしまうものであった。しかしながら、本開示のRFID用基板10は、導電性接続材43で第1コイル端子41および第2コイル端子42電極間を接続するという簡単な追加工をするだけで複数の半導体素子5,5a,5bに対応できるのでコストが抑えられたものとなる。よって、このコストが抑えられたRFID用基板10を用いたRFIDタグ10
0もまた、低コストのものとなる。
なお、上記の説明においては、図面等において3つのコイル31,32,33を区別しやすくするために、3つのコイル31,32,33は互いに大きさ(平面視の外寸)が異なるものである例で説明したが、図10に示す例のように、3つのコイル31,32,33は互いに大きさ(平面視の外寸)が同じものとすることができる。ここで、図10は、RFID用基板およびRFIDタグの他の一例を示す分解斜視図であり、図5に示す例における、コイル31,32のコイル導体31a,32aの平面視の外寸を、コイル33のコイル導体33aの外寸と同じにした例を示している。この例においては、各コイル31,32,33のコイル導体31a,32a,33aの外寸は同じであるが、内寸が異なっている。すなわち、各コイル31,32,33のコイル導体31a,32a,33aは幅が異なっている。また、図4に示す例における、コイル31,32のコイル導体31a,32aについても同様に、平面視の外寸をコイル33のコイル導体33aの外寸と同じにすることができる。図5および図10に示す例のように、絶縁基板1の内部において、複数のコイル31,32,33が絶縁層1aの積層方向において互いに重なることなく配置され、複数のコイル31,32,33を並列接続してインダクタンスを小さくする場合には、絶縁基板1の第1の面から離れて配置されたコイル33と第1コイル端子41の第1電極411および第2コイル端子の第1電極421とを接続することができる。コイル31,32,33と第1コイル端子41の第1電極411および第2コイル端子の第1電極421とを接続する貫通導体31b,32b,33bもインダクタンス成分となるので、コイル31,32を並列接続する際には貫通導体31b、32bによるインダクタンス成分が小さい方がより容易にインダクタンスを小さくすることができる。
絶縁基板1は、RFID用基板10の基本的な構造部分であり、RFID用基板10(およびRFIDタグ100)としての機械的な強度の確保、および複数の接続パッド2同士の間、接続パッド2とこれに接続されていないコイル32,33との間、および複数のコイル31,32,33同士の間の絶縁性の確保等の機能を有している。ここで、絶縁基板1の第1の面の上に第2絶縁層1bが積層さている場合についても、第2絶縁層1bを含めて絶縁基板1として説明する。絶縁基板1は、例えば上から見たときに(平面視において)正方形状等の四角形状である。
絶縁基板1の寸法は、例えば、四角形の一辺の長さが2mm〜10mmで、厚みが0.3mm〜3mmとすることができる。絶縁基板1が、図6〜図8に示す例のように、第2絶縁層1bを有する場合であれば、第1貫通孔1b1の平面視の寸法は、搭載される半導体素子5の寸法より一回り大きいものであり、例えば、四角形の一辺の長さが1mm〜8mmとすることができる。また、第2貫通孔1b2の平面視の寸法は、例えば、0.1mm〜1mm×0.1mm〜3mmとすることができる。
絶縁基板1は、例えば酸化アルミニウム質焼結体、ガラスセラミック焼結体、ムライト質焼結体または窒化アルミニウム質焼結体等のセラミック材料を含む絶縁材料からなる複数の絶縁層1aが積層されて形成されている。例えば、図1に示す例では、同じ厚みの絶縁層1aが4層積層されているが、絶縁層1aの厚みは同一でなくてもよいし、絶縁層1aの層数もこれに限られるものではない。第2絶縁層1bは絶縁層1aと同様のものである。
絶縁基板1は、例えばガラスセラミック焼結体からなる場合であれば、次のようにして製作することができる。まず、ガラス成分となる酸化ケイ素、酸化ホウ素およびフィラー成分となる酸化アルミニウム等の粉末を主成分とする原料粉末を、有機溶剤、バインダと混練してスラリーとするとともに、このスラリーをドクターブレード法またはリップコータ法等の成形方法でシート状に成形して絶縁基板1の絶縁層1aおよび第2絶縁層1bと
なるセラミックグリーンシート(以下、グリーンシートともいう)を作製する。次に、複数のグリーンシートを積層して積層体を作製する。第2絶縁層1bの第1貫通孔1b1および第2貫通孔1b2は、第2絶縁層1bとなるセラミックグリーンシートに金型等を用いて貫通孔を設けておけばよい。その後、この積層体を約900〜1000℃程度の温度で焼成
することによって絶縁基板1を製作することができる。
絶縁基板1を含むRFID用基板10は、このようなRFID用基板10となる複数の基板領域が母基板に配列された多数個取り基板として製作することもできる。複数の基板領域を含む母基板を、基板領域毎に分割して複数のRFID用基板10をより効率よく製作することもできる。この場合には、母基板のうち基板領域の境界に沿って分割用の溝が設けられていてもよい。また、多数個取り基板の各基板領域に半導体素子5を搭載した後に、これを分割して複数のRFIDタグ100を得るようにしてもよい。
絶縁基板1の第1の面には、接続パッド2と第1コイル端子41の第1電極411とを接続する第1接続配線41a、他の接続パッド2と第2コイル端子42の第1電極421とを接続する第2接続配線42aが設けられている。また、絶縁基板1の内部(絶縁層1a間)には、第1コイル端子41の電極411,412,413に接続された貫通導体31b,32b,33bとコイル導体31a,32a,33aの一端部とを接続するに内部配線層31c,32c,33c、および第2コイル端子42の電極421,422,423に接続された貫通導体31b,32b,33bとコイル導体31a,32a,33aの他端部とを接続する内部配線層31c,32c,33cが設けられている。内部配線層31c,32c,33cを設けて、異なるコイル31,32,33間が貫通導体31b,32b,33bによって短絡しないようにしている。
接続パッド2、コイル導体31a,32a,33a、内部配線層31c,32c,33c第1コイル端子41の電極411,412,413、第2コイル端子42の電極421,422,423、第1接続配線41aおよび第2接続配線42a(以下、これらをまとめて配線ともいう。)は、例えば、タングステン、モリブデン、マンガン、銅、銀、パラジウム、金、白金、ニッケルまたはコバルト等の金属、またはこれらの金属を含む合金の金属材料を導体材料として主に含むものである。このような金属材料は、メタライズ層またはめっき層等の金属層として絶縁基板1の表面に設けられている。この金属層は、1層でもよく、複数層でもよい。また、メタライズ層で絶縁基板1の内部に設けられている。
配線は、例えば、銅のメタライズ層である場合には、銅の粉末を有機溶剤および有機バインダと混合して作製した金属ペーストを絶縁基板1となるセラミックグリーンシートの所定位置にスクリーン印刷法等の方法で印刷して焼成する方法で形成することができる。また、このうち、接続パッド2等の絶縁基板1の表面に設けられているメタライズ層の露出表面には、電解めっき法または無電解めっき法等のめっき法でニッケルおよび金等のめっき層がさらに被着されていてもよい。この場合、前述したように多数個取り基板の形態でRFID用基板10またはRFIDタグ100を製作する際に、複数の基板領域の配線導体を互いに電気的に接続させておけば、複数のセンサ用RFID用基板10の配線導体に一括してめっき層を被着させることもできる。また、貫通導体31b,32b,33bは、上記の金属ペーストの印刷に先駆けてセラミックグリーンシートの所定の位置に貫通孔を設け、上記と同様の金属ペーストをこの貫通孔に充填しておくことで形成することができる。
コイル31,32,33は、RFIDシステムのリーダライタ等の外部機器から送信される電波に伴う磁束によって誘導電流を発生させるアンテナの機能を有している。また、RFID用基板10に内蔵された回路における主なインダクタンス成分となる部分である。図1〜図10に示す例のRFID用基板10は、3つのコイル31,32,33を備え
ているが、上述したように、内蔵するコイル31,32,33の数によって対応可能な半導体素子5の種類が決まるので、対応させたい半導体素子の数に応じた数にすればよく、その数が2〜5程度であれば、RFID用基板10が不要に大きくなることがない。コイル31,32,33は、それぞれの巻回中心が同一となるように配置されていることから、並列接続されるコイルの数が変わってもコイルの巻回中心は変わらず、安定して磁束が発生する。
コイル31,32,33のコイル導体31a,32a,33aの平面視の形状は、矩形状あるいは円形状の渦巻きであり、巻き数はRFID用基板10の寸法内に収まる巻き数にすればよく、通常は1〜5回程度である。また、図1〜図10に示す例では、RFID用基板10(絶縁基板1)の厚み方向に3つのコイル導体31a,32a,33aが設けられて各コイル31,32,33が構成されているが、これに限られずコイル導体31a,32a,33aを3層以上設けてもよく、通常は1〜20層程度である。
また、コイル導体31a,32a,33aの幅は例えば、50μm〜200μm程度であり、コイル導体31a,32a,33a全体の平面視の外縁は絶縁基板1の平面視の外辺に近ければ近いほどよく、例えば、絶縁基板1の外辺から50μm〜1mm程度内側まで形成される。
上述したように、半導体素子5に内蔵された回路と、半導体素子5に接続されたRFID用基板10に内蔵された回路とで得られる共振周波数が、RFIDタグ100とRFIDシステムのリーダライタ等の外部機器との通信に用いられる周波数となる。そして、搭載される半導体素子5を変えても同じ共振周波数を得るために、RFID用基板10は複数のコイル31,32,33を備えている。半導体素子5に内蔵される容量値が変わることに対応するために、複数のコイル31,32,33を並列接続することでインダクタンス値を変えるものである。よって、対応させたい半導体素子5の容量値に応じたインダクタンス値となるように、各コイル31,32,33のコイル導体31a,32a,33aの形状、数、寸法等を設定すればよい。
コイル31,32,33は半導体素子5と電気的に接続されている。これは、コイル導体31,32,33に発生した電流(電力)を半導体素子5に供給し、半導体素子5を作動(物品情報の書き込みおよび読み取り)させるためである。これによってRFIDタグ100とリーダライタとの間で各種の情報の送受が行なわれる。図1〜図10に示す例は、RFID用基板10の接続パッド2と半導体素子5とが、接続部材であるはんだバンプ(図示せず)で直接接続されている例を示している。
半導体素子5は、はんだや導電性接着剤等の導電性接続部材で接続パッド2と電気的および機械的に接続してもよいし、はんだや導電性接着剤等の導電性接続部材で電気的に接続するとともに、エポキシ樹脂等の樹脂接着剤を接合材として用いて機械的に固定してもよい。あるいは、樹脂接着剤で絶縁基板1上に固定してボンディングワイヤで接続パッド2に電気的に接続してもよい。
また、半導体素子5は、保護のために封止材6で覆うことができる。図1〜図5、図9および図10に示す例では、半導体素子5とその周囲の絶縁基板1の上面のみを覆っているが、絶縁基板1の上面(RFID用基板10の上面)の全面を覆ってもよい。また、図6〜図8に示す例では、第2絶縁層1bの第1貫通孔1b1内、すなわち半導体素子5が底面に搭載された凹部内を封止材6で充填することで、半導体素子5を覆っている。このような封止材6は、例えばエポキシやフェノール等の熱硬化樹脂を用いることができる。例えば、封止材6となる液状の樹脂を印刷機やディスペンサを用いて半導体素子5およびその周囲に塗布して硬化させることで封止することができる。封止材6の形状は、液状の
樹脂の粘度や塗布方法によって、図2に示す例のような形状や図3に示す例のような形状とすることができるが、特に限定されるものではない。
なお、封止材6は、磁性体粒子を含んでいてもよい。半導体素子5は通常は平面視で配線基板1の中央部に搭載されるので、半導体素子5とコイル31,32,33の巻回中心部とは平面透視で重なる位置にある。そのため、コイル31,32,33の巻回中心部に磁性体が存在することとなり、封止材6中の磁性体によって磁束がコイル31,32,33の巻回中心部に集束されやすくなる。磁性体粒子は、ボンディングワイヤ同士、接続パッド2同士、あるいは半導体素子上に形成された回路同士が磁性体粒子を介して電気的に接続されないように、また、封止材6中の磁性体粒子の量を増やしてより透磁率の高いものとするために、絶縁性のものを用いることができる。絶縁性の磁性体としては、例えば、Mn−Zn系フェライトを用いることができる。磁性体粒子が導電性である場合は、その表面に絶縁処理を施すことができる。この場合、例えばリン酸塩等各種成分を適用することができる。
1・・・絶縁基板
1a・・・絶縁層
1b・・・第2絶縁層
1b1・・・第1貫通孔
1b2・・・第2貫通孔
2・・・接続パッド
31、32、33・・・コイル
31a、32a、33a・・・コイル導体
31b、32b、33b・・・貫通導体
31c、32c、33c・・・内部配線層
41・・・第1コイル端子
411・・・第1コイル端子の第1電極
412・・・第1コイル端子の第2電極
413・・・第1コイル端子の第3電極
41a・・・第1接続配線
42・・・第2コイル端子
421・・・第2コイル端子の第1電極
422・・・第2コイル端子の第2電極
423・・・第2コイル端子の第3電極
42a・・・第2接続配線
43・・・導電性接続材
5、5a、5b・・・半導体素子
6・・・封止材
10、10a、10b・・・RFID用基板
100、100a、100b・・・RFIDタグ

Claims (7)

  1. 複数の絶縁層が積層された絶縁基板と、
    該絶縁基板の第1の面に設けられており、半導体素子に接続される複数の接続パッドと、前記絶縁基板の内部に設けられ、互いに電気的に接続されておらず、巻回中心が同一である複数のコイルと、
    該複数のコイルのそれぞれの一端部と電気的に接続された複数の電極から成り、前記絶縁基板の前記第1の面に設けられている第1コイル端子と、
    前記複数のコイルのそれぞれの他端部と電気的に接続された複数の電極から成り、前記絶縁基板の前記第1の面に設けられている第2コイル端子と、を備えており、
    前記第1コイル端子の前記複数の電極のうちの第1電極が前記複数の接続パッドのうちの1つに接続されており、
    前記第2コイル端子の前記複数の電極のうちの第1電極が前記複数の接続パッドのうちの他の1つに接続されているRFID用基板。
  2. 前記複数のコイルは、前記絶縁層の複数の層間に設けられており、1つの該層間において、互いに電気的に接続されていない、巻回中心が同じで大きさの異なる複数のコイル導体を有している請求項1に記載のRFID用基板。
  3. 前記複数のコイル導体のうち、最も内側のコイル導体の一端部が前記第1コイル端子の前記第1電極に接続され、他端部が前記第2コイル端子の前記第1電極に接続されている請求項2に記載のRFID用基板。
  4. 前記複数のコイル導体のうち、最も外側のコイル導体の一端部が前記第1コイル端子の前記第1電極に接続され、他端部が前記第2コイル端子の前記第1電極に接続されている請求項2に記載のRFID用基板。
  5. 前記絶縁基板の前記第1の面の上にさらに第2絶縁層が積層されており、該絶縁層は、内側に前記複数の接続パッドが配置される1つの第1貫通孔と、内側に前記第1コイル端子および前記第2コイル端子の前記複数の電極のそれぞれの少なくとも一部が配置される複数の第2貫通孔とを備えている請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のRFID用基板。
  6. 前記接続パッドに接続される前記半導体素子に内蔵されている容量成分の大きさに応じて、前記第1コイル端子の前記複数の電極間および前記第2コイル端子の前記複数の電極間が電気的に接続されている請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のRFID用基板。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のRFID用基板と、
    該RFID用基板の前記接続パッドに接続された半導体素子と、を備えているRFIDタグ。
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