JP2018165320A - (メタ)アクリル酸エステル系重合体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明はまた、(メタ)アクリル酸エステル系重合体を製造する方法であって、上記製造方法は、(メタ)アクリル酸エステルを含む単量体成分を重合する工程と、上記重合工程で得られた生成物を吸着剤で処理する工程とを含むことを特徴とする(メタ)アクリル酸エステル系重合体の製造方法でもある。
また、本発明の(メタ)アクリル酸エステル系重合体の製造方法は上述の構成よりなり、(メタ)アクリル酸エステル系重合体の熱安定性を高めることができる製造方法であることから、可塑剤として使用される(メタ)アクリル酸エステル系重合体の製造方法として好適である。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
本発明の(メタ)アクリル酸エステル系重合体は、熱重量分析において、加熱前の重量に対する、200℃で30分間加熱した後の重量減少率が10%以下であることを特徴とする。このような条件で測定した熱重量分析における重量減少率が10%以下である(メタ)アクリル酸エステル系重合体は、合成樹脂と高温で混錬する際にも熱分解が充分に抑制され、熱安定性に優れた可塑剤として好適に用いることができる。
上記重量減少率は、9%以下であることが好ましい。より好ましくは、8%以下であり、更に好ましくは、7%以下である。
(メタ)アクリル酸エステル系重合体の熱重量分析は、実施例に記載の方法で行うことができる。
CH2=CR0COOR1 (1)
(式中、R0は、水素原子又はメチル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシアルキル基を表す。R1は炭素数1〜30の1価の有機基を表す。)で表される構造であることが好ましい。
上記式(1)中、R1の1価の有機基は、炭素数1〜18のものが好ましく、炭素数1〜8のものがより好ましい。R1は、直鎖状の基であってもよく、分岐状の基であってもよく、環状の基であってもよいが、直鎖状または分岐状の基であることが好ましい。
R1の1価の有機基としては、アルキル基(直鎖状、分岐状、環状等)、アルケニル基(直鎖状、分岐状、環状等)、アリール基、ヘテロアリール基等が例示され、これらは置換基を有していても良い。該置換基としては、水酸基、アルコキシ基、アミノ基、チオール基、カルボキシ基、カルボキシエステル基、カルボキシアミド基、スルホン酸基、リン酸基、アルキル基、アリール基、アリール基、ヘテロアリール基等が例示され、置換基はさらに置換基を有していても良い。置換基(置換基1)が更に置換基(置換基2)を有する構造とは、置換基(置換基1)が有する水素原子の1つ又は複数が置換基(置換基2)に置き換わった構造を意味する。
これらの中でも、上記式(1)におけるR1が置換基を有するアルキル基、または置換基を有しないアルキル基である構造に該当する(メタ)アクリル酸アルキルエステル類、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル類、(メタ)アクリル酸パーフルオロアルキルエステル類等が好ましい。より好ましくは、上記式(1)におけるR1が置換基を有しないアルキル基である構造に該当する(メタ)アクリル酸アルキルエステル類である。
なお、置換基を有するアルキル基とは、アルキル基の水素原子の1または2以上が置換基で置換された構造を有する基を表す。
本発明の(メタ)アクリル酸エステル系重合体は、その他の単量体に由来する構造単位を含む。その他の単量体に由来する構造単位とは、その他の単量体が重合して形成される構造と同じ構造を有する構造単位であり、(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位は含まれない。(メタ)アクリル酸エステル、その他の単量体の例示は上記のとおりであり、本発明の(メタ)アクリル酸エステル系重合体に含まれる(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位、その他の単量体に由来する構造単位の好ましい含有量は、上記本発明の(メタ)アクリル酸エステル系重合体の原料となる単量体成分に含まれる(メタ)アクリル酸エステル、その他の単量体の含有量とそれぞれ同じである。
(メタ)アクリル酸エステル系重合体の重量平均分子量は、実施例に記載の方法により測定することができる。
(メタ)アクリル酸エステル系重合体の末端ビニル基の含有量は、実施例に記載の方法で測定することができる。
(メタ)アクリル酸エステル系重合体の酸価は、実施例に記載の方法で測定することができる。
上述したように、本発明の(メタ)アクリル酸エステル系重合体は熱安定性に優れた可塑剤として好適に用いることができ、例えば、アクリル樹脂に添加したときに、アクリル樹脂フィルム等の耐折り曲げ性を向上させたり、耐ブリードアウト性を発現させたりすることができる。
本発明の可塑剤は、本発明の(メタ)アクリル酸エステル系重合体のみからなるものであってもよく、その他の成分を含んでいてもよいが、可塑剤全体100質量%に対する本発明の(メタ)アクリル酸エステル系重合体の割合は、80質量%以上であることが好ましい。より好ましくは、90質量%以上である。
本発明はまた、(メタ)アクリル酸エステル系重合体を製造する方法であって、該製造方法は、(メタ)アクリル酸エステルを含む単量体成分を重合する工程と、該重合工程で得られた生成物を吸着剤で処理する工程とを含む(メタ)アクリル酸エステル系重合体の製造方法でもある。
上述した特許文献1にはアクリル系重合体を含む可塑剤が開示されているが、特許文献1に記載の製造方法に比べて、本発明の(メタ)アクリル酸エステル系重合体の製造方法で製造することで、得られる(メタ)アクリル酸エステル系重合体をより熱安定性の高いものとすることができる。
重合開始剤としては、例えば、ジ−t−ブチルパーオキシド、ジ−t−アミルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン等のジアルキルパーオキシド、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーベンゾエート、t−アミルパーオキシイソノナノエート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等のパーオキシエステル、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン等のパーオキシケタール、t−ブチルハイドロパーオキシド等のハイドロパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド、ジラウリルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネート、等の有機過酸化物;過酸化水素などの無機過酸化物;2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1、1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、ジメチル1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボキシレート)、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)などのアゾ系開始剤等の1種又は2種以上を用いることができる。
これらの重合開始剤は、分子量をより適切な範囲に設定しやすくなる傾向にあることで好ましい。
また、これらの重合開始剤の中でも、ジアルキルパーオキシド、パーオキシエステル、パーオキシケタール、ジアシルパーオキサイドから選択される1種または2種以上の有機過酸化物を使用すると、得られる(メタ)アクリル酸エステル系重合体の高温状態でも酸成分を発生させないものである点から好ましい。
重合開始剤は、最終生成物中に残存していると、高温状態で分解する等により酸成分を発生させて樹脂を劣化させたり、異臭、着色の原因となることがある。このため、得られる(メタ)アクリル酸エステル系重合体をより熱安定性の高いものとする点から重合開始剤の使用量を抑えることが好ましく、重合工程を単量体成分に含まれる単量体の合計100質量%に対して重合開始剤含有量が0.5質量%以下の条件で行うことは、本発明の(メタ)アクリル酸エステル系重合体の製造方法の好適な実施形態の1つである。この場合、単量体成分に含まれる単量体の合計100質量%に対する重合開始剤含有量は、より好ましくは、0.2質量%以下であり、更に好ましくは、0.1質量%以下である。
なお、最終生成物中の開始剤残渣はLC−MS等一般的な分析手法を用いることで定量可能である。
上記重合開始剤の具体例のうち、10時間半減期温度が100℃以下である重合開始剤に該当するものは、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジメチル1,1−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボキシレート)、ジラウリルパーオキシド、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートである。
連鎖移動剤を使用する場合、その使用量は、単量体成分に含まれる単量体の合計100質量%に対して0.1〜5質量%とすることが好ましい。より好ましくは、0.5〜2質量%である。
これらの中でも、酢酸ブチル又はトルエンが好ましい。酢酸ブチルやトルエンは、適度な沸点を有するため、重合工程を加圧状態で行った場合でも内部の圧力が高くなり過ぎず、また、反応後に溶媒を留去することも難しくない。また、酢酸ブチルやトルエンは適度な連鎖移動剤としての効果を有する点でも好ましい。
溶媒の使用量は特に制限されないが、単量体成分に含まれる単量体の合計100質量%に対して50〜900質量%とすることが好ましい。より好ましくは、200〜500質量%である。
また、上記溶媒とその他有機溶媒を併用する場合、上記溶媒とその他有機溶媒の質量比は、90/10〜10/90が好ましく、80/20〜20/80がより好ましく、50/50〜30/70がよりさらに好ましい。
上記重合工程は、常圧、加圧、減圧のいずれの圧力条件で行ってもよい。
また上記重合工程は、大気雰囲気下で行ってもよく、窒素、ヘリウムやアルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。不活性雰囲気下で行う場合、反応器(重合釜等)に不活性ガスを添加しながら重合反応を実施しても良く、予め反応器を不活性気体で置換した後に重合反応を実施しても良い。
吸着剤で処理する工程で使用する吸着剤は特に制限されず、物理吸着によるもの、化学吸着によるもののいずれのものであってもよいが、特に開始剤残渣や酸に対して吸着能を有するものが好ましい。
物理吸着剤としては、活性炭、モレキュラーシーブ等が挙げられる。
化学吸着剤としては、シリカゲル、活性白土、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム等の周期表第1〜13属の金属元素の酸化物;水酸化アルミニウム、等の周期表第1〜13属の金属元素の水酸化物;ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、等の周期表第1〜13属の金属元素の酸化物と二酸化ケイ素との複合体;マグネシウム・アルミニウム固溶体、等の周期表第1〜14属の金属元素2種の複合酸化物;周期表第1〜14属の金属元素2種を含む層状複水酸化物、等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
上記化学吸着剤の具体例のうち、化学吸着により酸またはアルカリ吸着能を有する無機化合物としては、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム等が挙げられる。
また上記のとおり、吸着剤としては開始剤残渣や酸に対して吸着能を有するものが好ましく、そのような吸着剤としては、協和化学工業(株)のキョーワード200、300、500、600、700、2000等が挙げられる。
加熱攪拌する時間は、充分な不純物の除去と重合体の製造効率とを考えると、1〜120分であることが好ましい。より好ましくは、5〜90分であり、更に好ましくは、10〜60分である。
溶媒を添加する場合、溶媒の使用量は、重合体100質量%に対して、100〜900質量%であることが好ましい。より好ましくは、100〜400質量%である。
上記吸着処理工程は、常圧、加圧の圧力条件で行ってもよい。
また上記吸着処理工程は、大気雰囲気下で行ってもよく、窒素、ヘリウムやアルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。
加熱状態でろ過を行う場合の温度は、40〜100℃であることが好ましい。より好ましくは、50〜100℃であり、更に好ましくは、60〜100℃である。
<分子量測定>
重合体の重量平均分子量、数平均分子量は、以下の装置及び条件によりGPC(ゲルパーミネーションクロマトクラフィー)で測定した。
装置:東ソー HLC−8320
カラム:guardcolumn superHL、TSKgel Super H2000
カラム温度:40℃
注入量:10μL
移動相:テトラヒドロフラン(和光試薬特級 安定剤含有)
流速:0.6mL/min
検出器:RI
検量線:TSK standard POLYSTYRENE
<末端ビニル基量測定>
(メタ)アクリル酸エステル系重合体の1H−NMRより、5.6ppm、6.2ppm付近の末端ビニル基由来のピークと4ppm付近の(メタ)アクリル酸エステルの酸素に近いメチレン鎖に由来するピークとの比より、繰り返し単位に対するビニル基のモル比(mol%)を求めた。
<酸価>
200mLナスフラスコに試料5gと滴定溶剤A(和光純薬工業(株)社製、2−プロパノール:49.0−50.0v/v%、トルエン:49.0−50.0v/v%溶液)100mL、指示薬溶液(p−ナフトールベンゼン0.1gを滴定溶剤Aに溶解させた溶液)0.5mLを入れ、均一な溶液になるまで降り混ぜた。
ビュレットを用いて0.1mol/L KOH/イソプロパノール(iPrOH)溶液で滴定し、溶液の色が黄橙色から緑色に変わるまでに要した溶液の量(V1)を読み取った。
同様に試料なしで試験を行い、中和に要した量(V0)をブランクの値とした。
これらの値を下の計算式に当てはめて、酸価を算出した。
酸価(mgKOH/g)=(56.1×0.1×(V1−V0))/m (m:試料の質量(g))
実施例1
(重合工程)
容量1500mlの加圧式攪拌槽型反応装置に、溶媒として酢酸ブチル189質量部を加えて密栓し、窒素ガスにより加圧、解圧を繰り返して反応器内部を窒素で置換した。電熱ヒーターにより、反応器内温度を200℃まで昇温した後、パーロイルL(日油(株)社製、製品名:パーロイルL、開始剤)6.3質量部を酢酸ブチル(反応器へ初期添加した溶媒と同じ種類の溶媒)262.7質量部へ均一に混合した開始剤溶液と、ブチルアクリレート((メタ)アクリル酸エステル、以下BA)125部を酢酸ブチル42質量部へ均一に混合したモノマー溶液を、高圧定量ポンプを用いてそれぞれ同時に反応器へ、2時間かけて連続的に投入し、反応器内の温度を200℃に保ったまま、60分間保持した。
その後、冷却し、反応器内の圧力が十分に低下したことを確認した後、解圧して内容物を取り出し、溶媒を除去した。さらに残存溶媒や残存モノマー等の低沸点成分を減圧留去することで、無色透明の重合体を得た。なお、残存単量体は1000ppm未満であった。さらに吸着剤処理工程を実施し、無色透明の重合体(本発明の(メタ)アクリル酸エステル系重合体(1))を得た。
得られた重合体の重量平均分子量は2260、数平均分子量は1310、重合度10.2、末端ビニル基は10.0mol%、酸価は0.03mgKOH/gであった。
冷却管を備え付けた1000mlナスフラスコに、上記重合工程で得られた(メタ)アクリル酸エステル系重合体(1)82質量部、酢酸ブチル294質量部、吸着剤(協和化学工業(株)社製Mg、Al含有ハイドロタルサイト、製品名:キョーワード500SH)2.9質量部を加え、100℃に加熱したオイルバスにつけ、60分間加熱攪拌した。その溶液をメンブレンフィルター(ADVANTEC,PTFE, 0.1μm)を用いて、およそ60℃で熱時濾過した。濾液を濃縮し、低沸点成分を減圧留去することで、無色透明の重合体(本発明の(メタ)アクリル酸エステル系重合体(1))を得た。
実施例1において、吸着剤処理工程を実施しなかった他は、実施例1と同様にして無色透明の重合体(本発明の(メタ)アクリル酸エステル系重合体(2))を得た。なお、残存単量体は1000ppm未満であった。
本発明の(メタ)アクリル酸エステル系重合体(2)の重量平均分子量は2090、数平均分子量は1300、重合度は10.1、末端ビニル基量は8.1mol%、酸価は0.30mgKOH/gであった。
実施例2において、開始剤をVE−073(和光純薬工業(株)社製、製品名:VE−073、開始剤)に変更した他は、実施例2と同様にして無色透明の重合体(本発明の(メタ)アクリル酸エステル系重合体(3))を得た。なお、残存単量体は1000ppm未満であった。
本発明の(メタ)アクリル酸エステル系重合体(3)の重量平均分子量は2060、数平均分子量は1240、重合度は9.6、末端ビニル基量は7.1mol%、酸価は0.02mgKOH/gであった。
実施例1において、開始剤溶液の代わりに酢酸ブチル溶液269部を使用し、開始剤を使用しなかった他は、実施例1と同様にして無色透明の重合体(本発明の(メタ)アクリル酸エステル系重合体(4))を得た。なお、残存単量体は1000ppm未満であった。
本発明の(メタ)アクリル酸エステル系重合体(4)の重量平均分子量は2890、数平均分子量は1460、重合度は11.4、末端ビニル基量は8.9mol%、酸価は0.02mgKOH/gであった。
実施例4において、酢酸ブチル溶液の代わりにトルエン溶液を使用した他は、実施例4と同様にして無色透明の重合体(本発明の(メタ)アクリル酸エステル系重合体(5))を得た。なお、残存単量体は1000ppm未満であった。
本発明の(メタ)アクリル酸エステル系重合体(5)の重量平均分子量は1980、数平均分子量は1270、重合度は9.9、末端ビニル基量は8.5mol%、酸価は0.01mgKOH/gであった。
実施例2において、開始剤をV−601(和光純薬工業(株)社製、製品名:V−601、開始剤)に変更した他は、実施例2と同様にして無色透明の重合体(本発明の(メタ)アクリル酸エステル比較重合体(1))を得た。なお、残存単量体は1000ppm未満であった。
本発明の(メタ)アクリル酸エステル比較重合体(1)の重量平均分子量は1900、数平均分子量は1170、重合度は9.1、末端ビニル基量は8.2mol%、酸価は0.01mgKOH/gであった。
実施例1〜5の(メタ)アクリル酸エステル系重合体(1)〜(5)は、いずれも200℃、30分加熱後の熱重量減少が少なく、熱安定性の高い重合体であることが確認された。
<熱重量分析>
分析装置:Bruker axs社製 TG−DTA2000SA
分析条件:総測定時間48min、測定温度範囲20−200℃(昇温速度:10.0deg/min、200℃到達後30分保持)
サンプリング間:1.0sec
雰囲気:N2 50mL/min
重量減少率は、測定前の重量から測定後の重量を差し引いた重量を、測定前の重量で割ることで算出した。
実施例6
実施例1において、開始剤をパーブチルDに変更した他は、実施例1と同様にして無色透明の重合体(本発明の(メタ)アクリル酸エステル系重合体(6))を得た。なお、残存単量体は1000ppm未満であった。
本発明の(メタ)アクリル酸エステル系重合体(6)の重量平均分子量は1770、数平均分子量は1130、重合度は8.8、末端ビニル基量は3.0mol%、酸価は0.02mgKOH/gであった。
実施例6において、吸着処理工程を実施しなかった他は、実施例6と同様にして無色透明の重合体(本発明の(メタ)アクリル酸エステル比較重合体(2))を得た。なお、残存単量体は1000ppm未満であった。
本発明の(メタ)アクリル酸エステル比較重合体(2)の重量平均分子量は1680、数平均分子量は1010、重合度は7.9、末端ビニル基量は2.1mol%、酸価は0.08mgKOH/gであった。
Claims (6)
- (メタ)アクリル酸エステルを含む単量体成分を原料とする(メタ)アクリル酸エステル系重合体であって、
該(メタ)アクリル酸エステル系重合体は、熱重量分析において、加熱前の重量に対する、200℃で30分間加熱した後の重量減少率が10%以下である
ことを特徴とする(メタ)アクリル酸エステル系重合体。 - 前記(メタ)アクリル酸エステル系重合体は、重量平均分子量が500〜5000であることを特徴とする請求項1に記載の(メタ)アクリル酸エステル系重合体。
- 請求項1又は2に記載の(メタ)アクリル酸エステル系重合体を含む可塑剤。
- (メタ)アクリル酸エステル系重合体を製造する方法であって、
該製造方法は、(メタ)アクリル酸エステルを含む単量体成分を重合する工程と、
該重合工程で得られた生成物を吸着剤で処理する工程とを含む
ことを特徴とする(メタ)アクリル酸エステル系重合体の製造方法。 - 前記吸着剤は、化学吸着により酸またはアルカリ吸着能を有する無機化合物であることを特徴とする請求項4に記載の(メタ)アクリル酸エステル系重合体の製造方法。
- 前記重合工程は、単量体成分に含まれる単量体の合計100質量%に対して重合開始剤含有量が0.5質量%以下であるか、又は、10時間半減期温度が100℃以下である重合開始剤を使用するかの少なくとも一方を満たす条件で行われることを特徴とする請求項4又は5に記載の(メタ)アクリル酸エステル系重合体の製造方法。
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