しかし、特許文献1に開示された構成では、吸気通路の外形を変えずに内周面に肉を盛るようにして突部を設けているため、突部を設けた分だけ重量が増加するほか、ユーザ等が突部を削って流路形状を変更できるという課題があった。
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決し、簡単な構造で吸気通路の軽量化を図ると共に流路形状の変更を防ぐことができる吸気通路構造を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明は、エンジン(18)の吸気ポート(37)に接続されると共に、スロットルバルブ(42)を有するスロットルボディ(41)を含む複数の部品を連結してなる吸気通路(30)に適用される吸気通路構造において、前記複数の部品に、前記吸気通路(30)の内周面側に突出する突部(60,160,360)が形成された絞り部品(50,150,350)が含まれており、前記絞り部品(50,150,350)は、前記突部(60,160,360)が形成された絞り通路部(55,155,355)の両側に、上流側および下流側の部品と連結するための円筒状の連結部(52,56,152,156,352,356)を設けた構成とされており、前記絞り通路部(55,155,355)の外周面(62,162,362)が、前記突部(60)の形状に合わせて径方向内側に凹んでおり、前記凹ませた外周面(62,162,362)の最凹部(62a,162a,362a)が、前記連結部(52,56,152,156,352,356)の内周面(52a,56a,152a,156a,352a,356a)より径方向内側に位置する点に第1の特徴がある。
また、前記絞り通路部(55,155,355)の肉厚が一定である点に第2の特徴がある。
また、前記絞り部品(50,150,350)が、前記スロットルボディ(41)の上流側に連結されるコネクティングチューブである点に第3の特徴がある。
また、前記絞り部品(50,150,350)が弾性体で形成されており、前記絞り通路部(55,155,355)の外周面(62,162,362)に、前記連結部(52,56,152,156,352,356)との間を連結するリブ(54,154,354)が立設している点に第4の特徴がある。
また、前記吸気通路(30)が直線状に形成されている点に第5の特徴がある。
また、前記突部(60)の頂部(60a)によって絞られる絞り開口(59)が、前記連結部(52,56)と同心の円形断面を有する点に第6の特徴がある。
また、前記突部(160)が、前記絞り通路部(155)の車体下方側から径方向内側に向けて突出しており、前記突部(160)によって、流路方向に対して略垂直な壁部(160c)が形成される点に第7の特徴がある。
さらに、前記突部(360)の頂部(360a)によって絞られる絞り開口(359)が、前記連結部(352,356)から車体下方側に偏心した位置を中心とする横長の楕円断面を有する点に第8の特徴がある。
第1の特徴によれば、エンジン(18)の吸気ポート(37)に接続されると共に、スロットルバルブ(42)を有するスロットルボディ(41)を含む複数の部品を連結してなる吸気通路(30)に適用される吸気通路構造において、前記複数の部品に、前記吸気通路(30)の内周面側に突出する突部(60,160,360)が形成された絞り部品(50,150,350)が含まれており、前記絞り部品(50,150,350)は、前記突部(60,160,360)が形成された絞り通路部(55,155,355)の両側に、上流側および下流側の部品と連結するための円筒状の連結部(52,56,152,156,352,356)を設けた構成とされており、前記絞り通路部(55,155,355)の外周面(62,162,362)が、前記突部(60)の形状に合わせて径方向内側に凹んでおり、前記凹ませた外周面(62,162,362)の最凹部(62a,162a,362a)が、前記連結部(52,56,152,156,352,356)の内周面(52a,56a,152a,156a,352a,356a)より径方向内側に位置するので、絞り部品の内周面に大きな突部を設ける場合でも、突部が形成されている部分の肉厚を抑えて吸気通路の重量増加を防ぐことができる。また、突部を削ろうとすると絞り通路部の外壁が肉薄となって強度が低下することから、ユーザ等が突部を削って流路形状を変更することを防止できる。
第2の特徴によれば、前記絞り通路部(55,155,355)の肉厚が一定であるので、絞り部品の軽量化を図ると共に、流路形状の変更を防止する効果を高めることができる。
第3の特徴によれば、前記絞り部品(50,150,350)が、前記スロットルボディ(41)の上流側に連結されるコネクティングチューブであるので、スロットルバルブの上流側で吸入空気量を絞ることで、エンジン音を低減しつつスロットルバルブにかかる圧力負荷を低減することができる。
第4の特徴によれば、前記絞り部品(50,150,350)が弾性体で形成されており、前記絞り通路部(55,155,355)の外周面(62,162,362)に、前記連結部(52,56,152,156,352,356)との間を連結するリブ(54,154,354)が立設しているので、絞り部品を弾性体で形成することで上流側および下流側の部品と連結する作業が容易になると共に、リブによって剛性を高めることで絞り通路部の耐変形性を高めることが可能となる。
第5の特徴によれば、前記吸気通路(30)が直線状に形成されているので、吸気通路を構成する各部品の結合剛性が高めやすく、かつ吸気通路を曲げる力が生じにくいことで、絞り部品の変形を防ぐことができる。
第6の特徴によれば、前記突部(60)の頂部(60a)によって絞られる絞り開口(59)が、前記連結部(52,56)と同心の円形断面を有するので、絞り通路部の剛性を周方向で均等にすることが容易となる。
第7の特徴によれば、前記突部(160)が、前記絞り通路部(155)の車体下方側から径方向内側に向けて突出しており、前記突部(160)によって、流路方向に対して略垂直な壁部(160c)が形成されるので、混合気の吹き返しによって空気より重い混合気が吸気通路の車体下方側の内周面に沿って逆流した場合でも、これを突部の壁部で受け止めることが可能となる。これにより、吹き返された混合気がエアクリーナボックスまで届いてエアフィルタに付着することを防ぐことができる。
第8の特徴によれば、前記突部(360)の頂部(360a)によって絞られる絞り開口(359)が、前記連結部(352,356)から車体下方側に偏心した位置を中心とする横長の楕円断面を有するので、吸気流路が絞られることでエンジン音を低減するほか、絞り開口が車体下方側にオフセット配置されていることで、スロットルバルブの開動作に伴って吸気通路が開口し始める車体下方側に絞り開口が位置することとなり、特に、スロットル開度が低開度であるときの混合気の流入をスムーズに行うことが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る吸気通路構造を適用した自動二輪車1の左側面図である。自動二輪車1は、動力源としてのエンジン18の駆動力を後輪WRに伝達して走行するオフロードタイプの鞍乗型車両である。
車体フレーム2の車体前方端部には、不図示のステアリングステムを揺動自在に軸支するヘッドパイプ5が設けられている。前輪WFを回転自在に軸支する左右一対のフロントフォーク15は、ヘッドパイプ5の上下でステアリングステムに固定されたトップブリッジ7およびボトムブリッジ10によって支持されている。トップブリッジ7の上部には、操向ハンドル6が取り付けられている。
エンジン18は車体フレーム2の下部に配設されており、車体フレーム2の後端下部には、後輪WRを回転自在に軸支するスイングアーム22の前端部を揺動自在に軸支するピボット20が配設されている。スイングアーム22の前方側は、リヤクッション21によって車体フレーム2に吊り下げられている。ピボット20の下方には左右一対の足乗せステップ19が取り付けられている。
操向ハンドル6の前方には、ヘッドパイプ5側に固定されたヘッドライト12、左右一対のウインカ装置13、速度計や距離計等の情報を表示するメータ装置8、ヘッドライト12の周囲までを覆うスクリーン9が配設されている。ウインカ装置13の下方には、フロントフォーク15に固定されたフロントフェンダ14が配設されている。
操向ハンドル6とシート28との間には、車体フレーム2に固定される燃料タンク4が配設されている。シート28の下方にはサイドカウル29が配設されており、シート28の後方にはシートカウル27が配設されている。フロントフォーク15の車幅方向外側には、左右一対のラジエータシュラウド11が配設されている。ラジエータシュラウド10の後部には、左右一対のサイドカウル3が連結されている。シートカウル27の後部には、尾灯装置25および左右一対の後側ウインカ装置26が配設されており、尾灯装置25の下方にはリヤフェンダ24が配設されている。
エンジン18のシリンダ16の車体前方側に設けられる排気ポートには、燃焼ガスをマフラ23に導く排気管17が接続されている。一方、シリンダ16の車体後方側設けられる吸気ポートには、本願発明に係る吸気通路構造を適用した吸気通路30が接続されている。吸気通路30の上流側には、エアクリーナボックス70が接続されている。
図2は、自動二輪車1の吸気通路30まわりの一部拡大断面図である。前記したように、エンジン18のシリンダヘッド16には、排気管17が接続される排気ポート35および吸気通路30が接続される吸気ポート37が形成されている。シリンダヘッド16には、吸排気バルブの動弁機構33および点火プラグ34が設けられており、シリンダヘッド16の上部開口は、シリンダヘッドカバー32で覆われている。シリンダヘッドカバー32の上方に配置される燃料タンク4の底部には、吸気通路30に設けられるインジェクタ43に燃料を圧送する燃料ポンプ31が配設されている。
吸気通路30の後端部は、エアクリーナボックス70の前面部に連結されている。吸気通路30およびエアクリーナボックス70の下方には、リザーバタンク38を有するリヤクッション21が配設されており、エアクリーナボックス70の車体前方側には、リザーバタンク38との干渉を避ける逃げ部70aが形成されている。エアクリーナボックス70は、逃げ部70aが形成された前側半体73と、エアフィルタ74を収納する後側半体76とからなる。後側半体76の上面には、シート28の下方から外気を吸入する吸気パイプ75が取り付けられている。吸気パイプ75の後方には、スタータモータやヘッドライト等に電力を供給するバッテリ39が配設されている。
エアクリーナボックス70の前側半体73は、さらに、前部分71と後部分72とを結合して構成されており、前部分71に形成された開口に吸気通路30の後端部が挿入固定されている。吸気ポート37とエアクリーナボックス70との間に直線状の吸気流路を形成する吸気通路30は、車体前方側から、ゴム等の弾性体からなる連結リング40、インジェクタ43およびスロットルバルブ42を備える金属製のスロットルボディ41、ゴム等の弾性体からなるコネクティングチューブ50、硬質の合成樹脂等からなる吸気ファンネル44、と並ぶ各部品を互いに連結して構成されている。本実施形態では、吸気通路30を直線状に形成することで各構成部品の結合剛性が高めやすく、かつ吸気通路30を曲げる力が生じにくいレイアウトとされている。
図3は、図2の吸気通路30まわりの一部拡大図である。連結リング40の車幅方向右側側面には、吸気ポートに排気ガスを還流するEGR弁の制御負圧を取り出す貫通孔45が設けられている。連結リング40の下流側端部は、吸気ポート37を構成する金属製のパイプ部材の上流側端部外周を覆って、薄板状のバンド40aによって締め付け固定されている。また、連結リング40の上流側端部は、スロットルボディ41の下流側端部外周を覆って、薄板状のバンド40bによって締め付け固定されている。そして、コネクティングチューブ50の下流側端部は、スロットルボディ41の上流側端部外周を覆って、薄板状のバンド47によって締め付け固定されており、コネクティングチューブ50の上流側端部は、吸気ファンネル44の下流側端部外周を覆って、薄板状のバンド48によって締め付け固定されている。車両の組立時や整備時には、連結リング40およびコネクティングチューブ50の弾性力によって、各部品の着脱作業を容易に行うことができるほか、バンド47,48で締め付けることで気密性が高められ、さらに、エンジン18の振動がスロットルボディ41やエアクリーナボックス70に伝わることを防ぐことができる。
本実施形態に係るコネクティングチューブ50は、その内周面側に大きく突出する突部が設けられることで、吸入空気の流路を狭める絞り部品として機能するように構成されている。この突部を有するコネクティングチューブ50がスロットルボディ41の上流側に連結されることで、エンジン音を低減しつつ、バタフライ式のスロットルバルブ42にかかる吸入空気の圧力負荷を低減することが可能となる。
図4は、コネクティングチューブ(以下、絞り部品と示すこともある)50の斜視図である。また、図5は絞り部品50の側面図、図6は絞り部品50をエンジン側から見た正面図、図7は図6のVII-VII線断面図、図8は図5のVIII-VIII線断面図である。
絞り部品50は、内周側に突出する突部60が形成された絞り通路部55の両端部に、円筒状の第1連結部52および第2連結部56を設けた構成とされている。スロットルボディ41の端部外周に連結される第1連結部52の外周部には、バンド47の位置決め突起53が設けられており、吸気ファンネル44の端部外周に連結される第2連結部56の外周部には、バンド48の位置決め突起57が設けられている。位置決め突起53,57が形成される外周部の両側には、バンド47,48の流路方向の位置をガイドするリブが全周に渡って立設している。また、組立時の誤組を防止するため、第1連結部52の端面にはスロットルボディ41への係合突起51が設けられ、第2連結部56のガイドリブ端面には組み付け方向の指標板58が設けられている。
第1連結部52にスロットルボディ41を連結すると、第1連結部52の内周面52aにスロットルボディ41の端部外周が接するため、第1連結部52における吸気流路は、スロットルボディ41の内周面によって構成される。また、第2連結部56に吸気ファンネル44を連結すると、第2連結部56の内周面56aに吸気ファンネル44の端部外周が接するため、第2連結部56における吸気流路は、吸気ファンネル44の内周面によって構成される。第1連結部52および第2連結部56における吸気流路は略同一の円形断面とされる。
これに対し、絞り通路部55は、板厚が均一の円筒部材の側面を径方向内側に凹ませたような構成とされている。本実施形態に係る突部60は、両側の連結部における吸気流路を、頂部60aによって形成される円形の絞り開口59に向かってテーパ状に絞る形状とされており、絞り通路部55の外周面62は突部60に沿った形状となっている。そして、外周面62の最凹部62aは、第1連結部52および第2連結部56の内周面52a,56aより径方向内側に位置している。
上記したように、絞り部品50の絞り通路部55は、肉厚が略一定(例えば、4mm)の板部材で形成されているため、絞り部品50の内周側に大きな突部60を設ける場合でも絞り部品50の重量増加を抑えることができる。また、突部60を削ろうとすると、絞り通路部55の外壁が肉薄となって強度が低下することから、ユーザ等が突部60を削って流路形状を変更することを防止することができる。
絞り通路部55の外周面62には、第1連結部52と第2連結部56との間を連結するリブ54が設けられている。絞り通路部55とほぼ同じ板厚で流路方向に沿って設けられるリブ54は、90度間隔で計4枚が設けられており、これにより、重量の増加を抑えながら絞り通路部55の剛性および耐変形性が高められている。なお、リブ54の側面には、組立時の誤組を防ぐための刻印等を設けてもよい。
図9は、本発明の第2実施形態に係る絞り部品150を適用した吸気通路30aの構造を示す断面図である。また、図10は絞り部品150の側面図、図11は絞り部品150をエンジン側から見た正面図、図12は図11のXII-XII線断面図である。
絞り部品150は、前記実施形態に示した絞り部品50に対して、絞り通路部155の形状のみが異なる構成とされる。絞り通路部155の内周側に突出する突部160は、吸気流路の車体下方側の略半分を埋める形状とされている。突部160の頂部160aは車幅方向に沿う形状とされており、絞り開口159に向かって流路形状を徐々に絞るテーパ部160bと、流路方向に対して垂直な壁部160cとが構成されている。
この絞り通路部155の形状によれば、吸気流路が絞られることで、エンジン音を低減しつつ、スロットルバルブ42にかかる吸入空気の圧力負荷を低減するほか、混合気の吹き返しによって空気より重い混合気が吸気通路30aの車体下方側の内周面に沿って逆流した場合でも、これを壁部160cで受け止めることが可能となる。これにより、吹き返された混合気がエアクリーナボックス70まで届いてエアフィルタ74に付着することを防ぐことができる。
また、前記した絞り部品50と同様に、絞り部品150の絞り通路部155は、肉厚が略一定の板部材で形成されており、突部160を設ける場合でも絞り部品150の重量増加を抑えることができる。また、突部160を削ろうとすると、絞り通路部155の外壁が肉薄となって強度が低下することから、ユーザ等が突部160を削って流路形状を変更することを防止することができる。また、突部160に対応する位置で、絞り通路部155の外周面162には、第1連結部152と第2連結部156との間を連結するリブ154が設けられており、これにより、重量の増加を抑えながら絞り通路部155の剛性および耐変形性が高められている。
図13は、本発明の第3実施形態に係る絞り部品250の断面図である。絞り部品250は、前記実施形態に示した絞り部品50に対して、絞り通路部255の形状が異なる構成とされる。絞り通路部255の内周側に突出する突部260は、吸気流路の車体上方側から下方側に突出する有底箱状とされ、上部に形成される開口には蓋部材280が嵌合されており、突部260のエンジン側の側面には貫通孔270が形成される。
この絞り通路部255によれば、突部260によって吸気流路が絞り開口259に絞られるほか、突部260の外周面262と蓋部材280とで囲まれる空間がレゾネータチャンバとして機能することとなり、吸気音の低減を図ることが可能となる。
図14は、吸気通路30の後端部を構成する吸気ファンネル44とエアクリーナボックス70との接合構造を示す断面図である。吸気ファンネル44は、エアクリーナボックス70を構成する前半体73の前部分71に形成された開口77に対して、車体後方側から挿入される。そして、開口77の周囲を構成する第1フランジ部71aおよび吸気ファンネル44の後端に形成される第2フランジ部44aの部分が、図示矢印部分において全周に渡って熱溶着処理される。第2フランジ部44aの車体下方側は、吸気ファンネル44から車体下方に向けて立設する板部材の端部に形成されており、開口77に対する支持剛性が高められている。
図15は、熱溶着部分の拡大断面図である。前部分71の第1フランジ部71aには、円環状の第1環状突起71bが全周に渡って設けられている。また、吸気ファンネル44の第2フランジ部44aのエンジン側の面には、円環状の第2環状突起44bが全周に渡って設けられている。第1突起71bは、前部分71の内壁71cに2本の溝を設けることで形成され、さらに、第1環状突起71bの頂部は、内壁71cより低い位置に形成されている。
前部分71の開口77の車体後方側から吸気ファンネル44を挿入していくと、第1環状突起71bの天井面が第2環状突起44bの天井面に接すると共に、第2フランジ部44aが第1フランジ71aの内壁71cに当接する。熱溶着処理は、前部分71の内側から、第2環状突起44bを第1環状突起71bに押し付けるようにして行われる。
上記した構成によれば、第1フランジ部71aと第2フランジ部44aとを熱溶着処理によって固定する際に、互いの環状突起の天井面が接触するだけでなく、環状突起の径方向内側および外側において第1フランジ部71aの内壁71cと第2フランジ部44aの一面とが接触するので、熱溶着時に環状突起に均一な応力をかけることが可能となり、熱溶着処理による結合剛性を高めることができる。
図16は、連結リング40の断面図である。連結リング40の車幅方向右側面には、吸気ポートに排気ガスを還流するEGR弁の制御負圧を取り出すための第1貫通孔45が設けられている。また、車幅方向左側側面には、チャコールキャニスタに吸着された蒸発ガスを取り入れるための第2貫通孔46が設けられている。
連結リング40は左右対称形状とされており、貫通孔45,46の外側に突出する筒状部40aも同じ形状とされる。これにより、貫通孔45,46を配管85,86に接続するための金属製のパイプジョイント80も共通化して生産コストを低減できる。パイプジョイント80は、鍔部82を挟んで、吸入流路の内側に突出する内側パイプ83および配管85,86を挿管するための外側パイプ81を有する構成とされる。
図17は、本発明の第4実施形態に係る絞り部品350の斜視図である。また、図18は絞り部品350の側面図、図19は絞り部品350をエンジン側から見た正面図、図20は図18のXX-XX線断面図である。
絞り部品350は、図4〜8に示した絞り部品50に対して、絞り通路部355およびリブ354の形状のみが異なる構成とされる。絞り部品350は、内周側に突出する突部360が形成された絞り通路部355の両端部に、円筒状の第1連結部352および第2連結部356を設けた構成とされている。スロットルボディ41の端部外周に連結される第1連結部352の外周部には、バンド47の位置決め突起353が設けられており、吸気ファンネル44の端部外周に連結される第2連結部356の外周部には、バンド48の位置決め突起357が設けられている。位置決め突起353,357が形成される外周部の両側には、バンド47,48の流路方向の位置をガイドするリブが全周に渡って立設している。また、組立時の誤組を防止するため、第1連結部352の端面にはスロットルボディ41への係合突起351が設けられ、第2連結部356のガイドリブ端面には組み付け方向の指標板358が設けられている。
第1連結部352にスロットルボディ41を連結すると、第1連結部352の内周面352aにスロットルボディ41の端部外周が接するため、第1連結部352における吸気流路は、スロットルボディ41の内周面によって構成される。また、第2連結部356に吸気ファンネル44を連結すると、第2連結部356の内周面356aに吸気ファンネル44の端部外周が接するため、第2連結部356における吸気流路は、吸気ファンネル44の内周面によって構成される。第1連結部352および第2連結部356における吸気流路は略同一の円形断面とされる。
これに対し、絞り通路部355は、板厚が均一の円筒部材の側面を径方向内側に凹ませたような構成とされている。本実施形態に係る突部360は、両側の連結部における吸気流路を、頂部360aによって車体下方寄りの位置に偏心して形成される絞り開口359に向かってテーパ状に絞る形状とされており、絞り通路部355の外周面362は突部360に沿った形状となっている。絞り開口359は、長軸を車幅方向に指向させた略楕円形状とされる。そして、外周面362の最凹部362aは、第1連結部352および第2連結部356の内周面352a,356aより径方向内側に位置している。
この絞り通路部355の形状によれば、吸気流路が絞られることでエンジン音を低減するほか、絞り開口359が車体下方側にオフセット配置されていることで、スロットルバルブ42の開動作に伴って吸気通路が開口し始める車体下方側に絞り開口359が位置することとなり、特に、スロットル開度が低開度であるときの混合気の流入をスムーズに行うことが可能となる。
絞り通路部355の外周面362には、第1連結部352と第2連結部356との間を連結するリブ354が設けられている。絞り通路部355とほぼ同じ板厚で流路方向に沿って設けられるリブ354は、90度間隔で計3枚が設けられており、これにより、重量の増加を抑えながら絞り通路部355の剛性および耐変形性が高められている。
上記したように、本発明に係る吸気通路構造によれば、吸気通路を構成する部品に、突部が形成された絞り通路部の両側に円筒状の連結部を設けた絞り部品が含まれており、絞り通路部の外周面が突部の形状に合わせて径方向内側に凹んでおり、凹ませた外周面の最凹部が連結部の内周面より径方向内側に位置するので、絞り部品の内周面に大きな突部を設ける場合でも、突部が形成されている部分の肉厚を抑えて吸気通路の重量増加を防ぐことが可能となる。また、突部を削ると絞り通路部の外壁が肉薄となって強度が低下することから、ユーザ等が突部を削って流路形状を変更することを防止することができる。
なお、自動二輪車の構造や形態、吸気通路の形状や構造、吸気ポートの形状、スロットルボディや吸気フェンネルの形状や構造、絞り部品の形状や材質等は、上記実施形態に限られず、種々の変更が可能である。例えば、突部の頂部によって絞られる開口の位置は、流路方向または径方向に種々の変形が可能である。本発明に係る吸気通路構造は、自動二輪車に限られず、エンジンの吸気ポートとエアクリーナボックスとの間を吸気通路で連結する種々の車両に適用することができる。
操向ハンドル6とシート28との間には、車体フレーム2に固定される燃料タンク4が配設されている。シート28の下方にはサイドカウル29が配設されており、シート28の後方にはシートカウル27が配設されている。フロントフォーク15の車幅方向外側には、左右一対のラジエータシュラウド11が配設されている。ラジエータシュラウド11の後部には、左右一対のサイドカバー3が連結されている。シートカウル27の後部には、尾灯装置25および左右一対の後側ウインカ装置26が配設されており、尾灯装置25の下方にはリヤフェンダ24が配設されている。