JP2018162053A - 車両の後部車体構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】車体後部において、サスペンションからの入力荷重を効果的に分散させつつ、車室内空間の拡大を図る。【解決手段】車体後部の側面部に設けられたホイールハウス24と、ホイールハウス24の車体幅方向内側において車体前後方向に延びるサイドフレーム6と、車体上下方向に延びるダンパ41、及び、該ダンパ41の軸心上に配置されたバンプストッパ48を有するサスペンション40と、ダンパ41を支持する支持面部52を有し、サイドフレーム6とホイールハウス24とを連結するサスペンションハウジング50と、を備えた車両の後部車体構造において、サスペンションハウジング50に、支持面部52から車体下方側に延びてバンプストッパ48を包囲するように配置された周壁部62を設ける。【選択図】図3

Description

本発明は、サスペンションハウジングを備えた車両の後部車体構造に関し、車体の生産技術分野に属する。
車体後部において、車体前後方向に延びるサイドフレームと、後輪を収容するホイールハウスとに跨がって、サスペンションのダンパの上端部を支持するサスペンションハウジングが設けられることがある。この種の車体構造では、後輪のバンプ時に、ダンパからサスペンションハウジングに入力された荷重が、サイドフレーム及びホイールハウスを経由して車体後部の各部に分散される。
サスペンションのダンパとして、車輪側に連結されたシリンダと、車体側に連結されたピストンロッドを備えたものが用いられる場合、シリンダよりも車体上方側において、ウレタン又はゴムからなる筒状のバンプストッパがピストンロッドの外側に嵌合されることがある。この場合、ダンパが大きく収縮したときに、シリンダと車体との間にバンプストッパが介在することで、シリンダが車体に直接衝突することが回避され、これにより、衝撃が緩和される。
通例、この種のサスペンションには、バンプストッパを収容する筒状のバンプストッパハウジングが設けられ、これにより、異物や水などの侵入が規制されることで、バンプストッパ及びダンパの保護が図られる。
この種のサスペンションが上述したサスペンションハウジングの支持面部に取り付けられる場合、サスペンションハウジングにおける前記支持面部の車体幅方向内側縁部から車体下方側に延びる縦壁部は、サスペンションのバンプストッパハウジングよりも車室内側に間隔を空けて配置されることになる。そのため、ダンパの車体幅方向位置及び傾きによっては、車体後部の荷室空間などの車室内空間において、サスペンションハウジングの縦壁部の侵入量が大きくなり、車室内空間が縮小されてしまうことがある。
一方、特許文献1に開示されているように、サイドフレームとホイールハウスとの間において、サスペンションハウジングを設けることなく、サスペンションが支持されることもある。
特許文献1の車体構造では、フロアパネルに沿ってサイドフレームの車体幅方向外側に隣接して配設されたブラケットに、サスペンションのバンプストッパハウジングの下端部が固定されており、該バンプストッパハウジングは、車室内空間に露出して配置されている。また、このサスペンションでは、ダンパと同軸上にスプリングが設けられており、バンプストッパハウジングの下端部に設けられたスプリングシートに、スプリングの上端部が支持されている。
特開2003−137140号公報
しかしながら、特許文献1に開示された車体構造では、サスペンションのダンパ及びスプリングからの入力荷重が前記ブラケットに集中しやすいことから、該ブラケットを厚肉の部材で構成するなどの強度対策が必要になる。
そこで、本発明は、車体後部において、サスペンションからの入力荷重を効果的に分散させつつ、車室内空間の拡大を図ることを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る車両の後部車体構造は次のように構成したことを特徴とする。
本願の請求項1に記載の発明は、
車体後部の側面部に設けられたホイールハウスと、
前記ホイールハウスの車体幅方向内側において車体前後方向に延びるサイドフレームと、
車体上下方向に延びるダンパ、及び、該ダンパの軸心上に配置されたバンプストッパを有するサスペンションと、
前記ダンパを支持する支持面部を有し、前記サイドフレームと前記ホイールハウスとを連結するサスペンションハウジングと、を備えた車両の後部車体構造であって、
前記サスペンションハウジングは、前記支持面部から車体下方側に延びて前記バンプストッパを包囲するように配置された周壁部を備えていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、
前記周壁部は、車体上下方向に延びる円筒状とされていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、前記請求項1又は請求項2に記載の発明において、
前記サスペンションハウジングは、前記支持面部からそれぞれ車体下方側に延びる前壁部及び後壁部を備え、
前記前壁部は、前記周壁部の軸方向から見て該周壁部の前端における接線方向に沿って配置され、
前記後壁部は、前記周壁部の軸方向から見て該周壁部の後端における接線方向に沿って配置されていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、前記請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の発明において、
前記サスペンションは、前記ダンパを取り巻くように配置されたスプリングを備え、
前記周壁部の下端部に、前記スプリングの上端部を支持するスプリング受部が設けられていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、前記請求項4に記載の発明において、
前記スプリング受部は、前記周壁部の下縁から径方向外側にフランジ状に拡がるように設けられ、
前記スプリング受部の周縁部に沿って高剛性部が設けられていることを特徴とする。
なお、本明細書でいう「高剛性部」とは、その周囲の部分に比べて変形し難くなるように構成された部分を意味する。「高剛性部」の具体例としては、凸部、凹部、リブ、或いは、厚肉部などが挙げられる。
請求項6に記載の発明は、前記請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の発明において、
前記サスペンションハウジングにおける前記サイドフレームとの連結部は、前記サイドフレームの上面に接合された上面接合部を有することを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、前記請求項6に記載の発明において、
前記サスペンションハウジングは、前記上面接合部における車体幅方向外側縁部から車体上方側に向かって前記支持面部における車体幅方向内側縁部まで延びる縦壁部と、前記上面接合部から前記縦壁部にかけて設けられた高剛性部とを更に備えていることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、前記請求項7に記載の発明において、
前記縦壁部は、前記上面接合部における車体幅方向外側縁部から車体上方側に延びる下側縦壁部と、該下側縦壁部の上縁部から車体幅方向外側に延びて前記周壁部の下縁部に連なる中段床部と、該中段床部から車体上方側に向かって前記支持面部まで延びる上側縦壁部と、前記中段床部から前記周壁部の外周面にかけて設けられた補強部と、を備えていることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、前記請求項8に記載の発明において、
前記下側縦壁部は、車体上方側に向かって車体幅方向外側に傾斜して配置されていることを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、前記請求項8または請求項9に記載の発明において、
前記中段床部の一部は、前記サスペンションのスプリングを車体上方側から受けるスプリング受部であり、
前記補強部は、前記スプリング受部の一部を段上げしてなる段上げ部であることを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、前記請求項10に記載の発明において、
前記下側縦壁部は、前記中段床部よりも車体上方側に延びて、前記段上げ部の一部を構成する上方延長部を有することを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、サスペンションハウジングの支持面部が周壁部によって車体下方側から補強されていることにより、支持面部の面剛性が高められているとともに、サスペンションのダンパから支持面部に入力された荷重は、サイドフレーム及びホイールハウスを経由して車体後部の各部に効果的に分散される。したがって、後輪のバンプ時において、サスペンションハウジングの支持面部に荷重が集中することによる局所変形を効果的に抑制できる。
また、サスペンションハウジングの周壁部にサスペンションのバンプストッパを収容できるため、サスペンションの専用部品として従来から用いられているバンプストッパハウジングを省略することができる。そのため、従来のようにサスペンションのバンプストッパハウジングよりも車体幅方向内側に間隔を空けてサスペンションハウジングの縦壁部分が配置された車体構造に比べて、サスペンションハウジングの縦壁部分をその車体幅方向外側のバンプストッパに寄せて配置することができる。したがって、サスペンションハウジングの車室内側への張り出し量が低減されることで、車体後部において、荷室空間などの車室内空間の拡大を図ることができる。
請求項2に記載の発明によれば、径方向にコンパクトな円筒状の周壁部に、バンプストッパを収容できる。
請求項3に記載の発明によれば、サスペンションハウジングの支持面部が、周壁部に加えて前壁部及び後壁部によっても車体下方側から補強されていることにより、支持面部の面剛性の更なる向上を図ることができる。
請求項4に記載の発明によれば、サスペンションハウジングにおいて、周壁部の下端部に設けられたスプリング受部を利用して、サスペンションのスプリングの上端部を支持できる。また、スプリングからスプリング受部に入力された荷重が、周壁部を経由して車体上方側に分散されることで、応力集中によるスプリング受部の局所変形を抑制でき、これにより、スプリング受部によるスプリングの高い支持強度を得ることができる。
請求項5に記載の発明によれば、フランジ状のスプリング受部の面剛性が、その周縁部に沿った高剛性部によって高められているため、スプリング受部によるスプリングの支持強度の更なる向上を図ることができる。
請求項6に記載の発明によれば、サイドフレームの上面にサスペンションハウジングの上面接合部が接合されることで、サイドフレームに対するサスペンションハウジングの確実な連結を図ることができる。また、サイドフレームの上面に対するサスペンションハウジングの相対変位を効果的に規制でき、これにより、サスペンションハウジングが車室内側に倒れるような変形(内倒れ変形)の抑制効果を高めることができる。
請求項7に記載の発明によれば、サスペンションハウジングの上面接合部と、該上面接合部の車体幅方向外側縁部から立ち上がる縦壁部とにかけて高剛性部が設けられていることにより、上面接合部と縦壁部との間のコーナ部におけるサスペンションハウジングの屈曲変形を効果的に抑制できる。したがって、サスペンションハウジングの内倒れ変形をより効果的に抑制できる。
請求項8に記載の発明では、サスペンションハウジングの縦壁部が、周壁部の下縁部に連なる中段床部を有する段状構造とされる場合において、中段床部から周壁部の外周面にかけて補強部が設けられる。これにより、中段床部と周壁部の下縁部との間のコーナ部におけるサスペンションハウジングの屈曲変形を効果的に抑制できる。したがって、サスペンションハウジングの内倒れ変形の抑制効果の更なる向上を図ることができる。
請求項9に記載の発明によれば、サスペンションハウジングの下側縦壁部が、車体上方側に向かって車体幅方向外側に傾斜して配置されていることにより、下側縦壁部が傾斜していない場合に比べて、上面接合部と下側縦壁部との間のコーナ部におけるサスペンションハウジングの屈曲変形を効果的に抑制できる。また、サスペンションハウジングにおける下側縦壁部よりも上側部分の車体幅方向内側への変位を下側縦壁部によって規制しやすくなる。したがって、サスペンションハウジングの内倒れ変形の抑制効果を更に高めることができる。
請求項10に記載の発明によれば、中段床部におけるスプリング受部の一部を段上げしてなる段上げ部を利用して、サスペンションハウジングの内倒れ変形の抑制効果を高めることができる。
請求項11に記載の発明によれば、下側縦壁部の上方延長部を利用して上記の段上げ部が構成されることで、中段床部と周壁部との間の補強を簡素な構成で実現できる。
本発明の第1実施形態に係る車両の後部車体構造を車室内側から見た斜視図。 同後部車体構造を車室外側から見た側面図。 同後部車体構造を車体前方側から見た図1のA−A線断面図。 サスペンションハウジングを車室内側の斜め上方から見た斜視図。 サスペンションハウジングを車室外側の斜め下方から見た斜視図。 サスペンションハウジングを車室外側から見た側面図。 サスペンションハウジングを車体上方側から見た図6のB−B線断面図。 サスペンションハウジングの一部を車体下方側から見た底面図。 サスペンションハウジングを車体前方側から見た図6のC−C線、D−D線、E−E線の各断面図。 サスペンションハウジングを車体後方側から見た図6のF−F線断面図。 サスペンションハウジングとホイールハウスインナとの接合部及びその周辺部を車室外側の斜め下方から見た斜視図。 サスペンションハウジングとサイドフレームとの連結部及びその周辺部を車室外側の斜め前方から見た斜視図。 サスペンションハウジング及びその周辺部を車体上方側から見た平面図。 サスペンションハウジングの後側荷重伝達部及びその周辺部を車室内側の斜め後方から見た斜視図。 同後側荷重伝達部及びその周辺部を車体上方側から見た図1のG−G線断面図。 同後側荷重伝達部及びその周辺部を車体前方側から見た図1のH−H線断面図。 本発明の第2実施形態に係る車両の後部車体構造を車室内側から見た斜視図。 同後部車体構造を車室内側から見た側面図。 第2実施形態におけるサスペンションハウジングを車室内側の斜め上方から見た斜視図。 同サスペンションハウジングを車室外側の斜め下方から見た斜視図。 第2実施形態における後部車体構造を車体前方側から見た図18のI−I線断面図。 同後部車体構造を車体前方側から見た図18のJ−J線断面図。
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る車両の後部車体構造を実施形態毎に説明する。なお、添付図面の各図には、車体幅方向の一方側(車体右側)の車体構造が図示されているが、他方側(車体左側)も同様に構成されている。また、添付図面の各図において、前/後、内/外、及び、上/下で記された方向は、それぞれ、車体前後方向、車体幅方向、及び、車体上下方向を示している。
[第1実施形態]
図1〜図16を参照しながら、第1実施形態に係る車両の後部車体構造について説明する。
[全体構成]
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る車両の後部車体構造を有する自動車1は、車室内空間の床部を構成するフロアパネル2と、フロアパネル2の車体幅方向外側縁部に沿って車体前後方向に延びるサイドフレーム6と、ルーフパネル(図示せず)の車体幅方向外側縁部に沿って車体前後方向に延びるルーフサイドレール10と、ルーフサイドレール10から車体下方側に延びる複数のピラー部12,14とを備えている。
サイドフレーム6、ルーフサイドレール10及び各ピラー部12,14は、それぞれ左右一対設けられているが、添付図面の各図では車体右側のもののみが図示されている。
フロアパネル2には、車体前方側部分の床面に比べて車体後方側部分の床面を高くする段差が形成されるように傾斜部3が設けられている。これにより、乗員の居室空間の床面に比べて、その車体後方側の荷室空間の床面が高く配置されている。フロアパネル2には、傾斜部3よりも車体後方側部分、すなわち荷室空間の床部を構成する部分において、車体下方側に膨出したタイヤパン4が設けられている。
サイドフレーム6には、フロアパネル2の傾斜部3に合わせて、車体後方側に向かって車体上方側に傾斜したキックアップ部7が設けられている。左右のサイドフレーム6間には、車体幅方向に延びるクロスメンバ5が架設されている。クロスメンバ5の車体幅方向端部は、サイドフレーム6におけるキックアップ部7の後端部に連結されている。
クロスメンバ5は、フロアパネル2に沿って配置されており、クロスメンバ5とフロアパネル2との間には、車体幅方向に連続する閉断面が形成されている。これにより、左右のサイドフレーム6間での荷重伝達を、クロスメンバ5を介して効果的に行うことが可能となっている。
図3の断面図に示すように、サイドフレーム6は、相互に接合されたアッパフレーム部材8及びロアフレーム部材9を備えている。アッパフレーム部材8及びロアフレーム部材9は、例えば、鋼板等の金属板をプレス成形してなるものである。
アッパフレーム部材8は、サイドフレーム6の上面を構成する上壁部8a、上壁部8aの車体幅方向内側縁部から車体下方側に延びる内側壁部8b、内側壁部8bの下縁部から車体幅方向内側に延びるフランジ部8c、及び、上壁部8aの車体幅方向外側縁部から車体上方側に延びる外側壁部8dを備えている。
ロアフレーム部材9は、アッパフレーム部材8の上壁部8aの車体下方側に対向配置されてサイドフレーム6の下面を構成する下壁部9a、下壁部9aの車体幅方向内側縁部から車体上方側に延びる内側壁部9b、内側壁部9bの上縁部から車体幅方向内側に延びるフランジ部9c、及び、下壁部9aの車体幅方向内側縁部から車体上方側に延びる外側壁部9dを備えている。
ロアフレーム部材9のフランジ部9cは、アッパフレーム部材8のフランジ部8cの下面にフロアパネル2を挟んで重ねられている。アッパフレーム部材8のフランジ部8c、フロアパネル2、及びロアフレーム部材9のフランジ部9cは、3枚重ねの状態で例えば溶接によって相互に接合されている。
ロアフレーム部材9の外側壁部9dは、アッパフレーム部材8の外側壁部8d及び内側壁部8b、並びにロアフレーム部材9の内側壁部9bに対して、これらの車体幅方向外側に対向配置されている。外側壁部9dの上縁部は、アッパフレーム部材8の外側壁部8dの車体幅方向外側の面に重ねられており、該外側壁部8dに例えば溶接によって接合されている。
以上のように構成されたサイドフレーム6では、アッパフレーム部材8とロアフレーム部材9との間に、車体前後方向に連続する閉断面が形成されている。
複数のピラー部としては、図示を省略したAピラー(フロントピラー)及びBピラー(センタピラー)、並びに、図1及び図2に示すCピラー(クォータピラー)12及びDピラー(リヤピラー)14が、車体前方側からこの順で配置されている。図1及び図2に示すように、Cピラー12とDピラー14との間にはクォータウインドウ16が設けられ、Cピラー12とBピラー(図示せず)との間には後席乗降用のリヤドア開口部18が設けられている。
自動車1は、リヤドア開口部18の車体後方側に隣接する部分において車体の側面部を構成するサイドパネル20と、該サイドパネル20の下縁に沿って設けられた後輪用のホイールハウス24とを備えている。サイドパネル20及びホイールハウス24の前下端部は、車体前後方向に延びるサイドシル30(図1参照)の後端部に接続されている。
サイドパネル20は、車体上下方向に連ねて配設されたアッパパネル21とロアパネル22とを備えている。アッパパネル21の下端部とロアパネル22の上端部とは、例えば溶接によって相互に接合されている。
ホイールハウス24は、サイドパネル20から車体幅方向外側に膨出するホイールハウスアウタ25(図2参照)と、サイドパネル20から車体幅方向内側に膨出するホイールハウスインナ26(図1参照)とを備えている。
ホイールハウスアウタ25及びホイールハウスインナ26は、例えば、鋼板等の金属板をプレス成形してなるものである。図3に示すように、ホイールハウスアウタ25は、例えば、サイドパネル20のロアパネル22と一体に設けられている。ホイールハウスインナ26は、ロアパネル22の車室内側の面に例えば溶接によって接合されている。
図2に示すように、Cピラー12は、車体上下方向に延びるアウタピラー部材32を備えている。アウタピラー部材32は、車体幅方向内側に開放した例えば断面ハット状の部材である。アウタピラー部材32は、その開放部がサイドパネル20によって塞がれるように配置されており(図1参照)、例えば溶接によってサイドパネル20の車室外側の面に接合されている。これにより、Cピラー12では、アウタピラー部材32とサイドパネル20との間において、車体上下方向に連続する閉断面が形成されている。
アウタピラー部材32の上端部は、例えば溶接によってルーフサイドレール10に接合され、アウタピラー部材32の下端部は、例えば溶接によってホイールハウスアウタ25の上面部に接合されている。これにより、Cピラー12は、ホイールハウス24とルーフサイドレール10とを連結しており、これらの間での荷重伝達機能を担っている。
また、サイドパネル20の車室外側の面には、Cピラー12よりも車体後方側において車体上下方向に延びる外側補強部材34が、例えば溶接によって接合されている。外側補強部材34は、車体幅方向内側に開放した断面ハット状の部材であり、サイドパネル20との間で車体上下方向に連続する閉断面を形成している。
外側補強部材34は、その下端部においてホイールハウスアウタ25の上面部に例えば溶接によって接合され、上端部においてDピラー14に例えば溶接によって接合されている。このようにしてホイールハウスアウタ25とDピラー14とを連結する外側補強部材34は、ホイールハウス24とDピラー14との間での荷重伝達機能を果たす荷重伝達部材である。
[ホイールハウスインナ]
図1及び図3に示すように、ホイールハウスインナ26は、サイドフレーム6の車体幅方向外側に隣接して配置された車体側面視略半円状の縦壁部26aと、該縦壁部26aの周縁部から車体幅方向外側に向かって延びる周壁部26bと、該周壁部26bの車体幅方向外側の周縁部から径方向外側に拡がるフランジ部26cとを備えている。フランジ部26cは、例えば溶接によってロアパネル22に接合されている。
ホイールハウスインナ26の縦壁部26aにおける車体前後方向中央部には、車体幅方向外側に凹んだ窪み部26dが、車体上下方向に延びる溝状に形成されている。縦壁部26aの下縁部には切欠26e(図11及び図12参照)が設けられている。なお、図11及び図12では、サスペンション40の図示が省略されている。
ホイールハウスインナ26には、前記切欠26eを車体幅方向内側から塞ぐようにサスペンションハウジング50が接合されている。サスペンションハウジング50の構成については後に説明する。
図1及び図14に示すように、ホイールハウスインナ26には、車体上方側且つ車体幅方向外側に向かって延びる荷重伝達部27が設けられている。荷重伝達部27は、縦壁部26a及び周壁部26bから車室内側に膨出するようにホイールハウスインナ26と一体に設けられている。
荷重伝達部27は、縦壁部26aの窪み部26dよりも車体後方側に配置されている。荷重伝達部27は、縦壁部26aの車体上下方向中間部から車体上方側に向かって縦壁部26aと周壁部26bとの間のコーナ部まで縦壁部26aに沿って延び、さらに、前記コーナ部から車体幅方向外側に向かってフランジ部26cまで周壁部26bに沿って延びている。荷重伝達部27の車体前後方向の幅は、その上端側に向かうに従って次第に大きくなっている。
図15の断面図に示すように、荷重伝達部27は、例えば、車室外側に向かって開放した断面ハット状である。荷重伝達部27は、その長さ方向の略全長に亘って同様の断面形状を有する。すなわち、荷重伝達部27は、車体上下方向に連続して開断面状に形成されている。
荷重伝達部27は、前面部27a、側面部27b及び後面部27cを有する。前面部27aは側面部27bの前縁部から、後面部27cは側面部27bの後縁部からそれぞれ車体幅方向外側に延びるように設けられている。
前面部27aは、車体幅方向外側に向かって車体前方側に傾斜して配置され、後面部27cは、車体幅方向外側に向かって車体後方側に傾斜して配置されている。側面部27bと前面部27aとの間、及び、側面部27bと後面部27cとの間には、それぞれ鈍角のコーナ部が形成されている。これにより、荷重伝達部27の断面形状は、車体幅方向外側に向かって拡開した形状となっている。
図1に示すように、荷重伝達部27の上端部は、サイドパネル20を挟んで外側補強部材34の下端部に対向配置されている。これにより、荷重伝達部27と外側補強部材34がサイドパネル20を介して相互に連結されていることで、ホイールハウスインナ26から外側補強部材34への効果的な荷重伝達が可能となっている。
[サイドブレース]
ホイールハウスインナ26の窪み部26dよりも車体前方側には、クロスメンバ5とCピラー12とを連結させるサイドブレース36が配設されている。サイドブレース36は、クロスメンバ5の端部からCピラー12の下端部にかけて、ホイールハウスインナ26の車室内側の面に沿いながら車体幅方向外側且つ車体上方側へ延びるように設けられている。
サイドブレース36は、ホイールハウスインナ26に例えば溶接によって接合された上側ブレース部材38と、後述のサスペンションハウジング50に一体に設けられ、上側ブレース部材38の下端部に連結されたブレース部77とを備えている。
上側ブレース部材38は、車室外側に開放する断面ハット状の長尺部材である。上側ブレース部材38は、例えば、ホイールハウスインナ26よりも厚肉の鋼板からなる高剛性部材である。上側ブレース部材38の下端部は、例えばSPR(セルフピアシングリベット)によってブレース部77に接合され、上側ブレース部材38の上端部は、例えば溶接によってサイドパネル20のロアパネル22に接合されている。
上側ブレース部材38の上端部は、サイドパネル20を挟んでアウタピラー部材32の下端部に対向配置されている。これにより、サイドブレース36とCピラー12が相互に連結されていることで、サイドブレース36とCピラー12との間での荷重伝達を効果的に果たすことができる。
サイドブレース36における上側ブレース部材38よりも車体下方側部分は、サスペンションハウジング50のブレース部77で構成されている。ブレース部77の構成については、サスペンションハウジング50の構成の説明と併せて後に説明する。
[サスペンション]
図3に示すように、後輪用のサスペンション40は、サイドフレーム6とホイールハウスインナ26とを連結するように設けられた後述のサスペンションハウジング50に支持されている。
サスペンション40は、主な構成要素として、車輪と車体との間に介在されて衝撃を吸収するコイルスプリング44、及び、車輪と車体との間で伸縮可能に設けられてコイルスプリング44の振動を吸収するダンパ41を備えている。
ダンパ41は、サイドフレーム6の車体幅方向外側に隣接して、車体上下方向に延びるように配設されている。ダンパ41は、ピストンロッド42とシリンダ43を備えている。シリンダ43に対してピストンロッド42が摺動することで、ダンパ41がその軸心方向に伸縮するように構成されている。ダンパ41の軸心は、車体上下方向に対して、車体上方側に向かって車体幅方向の内側に傾斜(オフセット)して配置されている。
シリンダ43の下端部(図示せず)は、ナックル等を介して車輪に連結されている。シリンダ43の長さ方向中間部には、ロアスプリングシート47が取り付けられている。ロアスプリングシート47は、例えば溶接によって、シリンダ43の外周面に固定されている。
ピストンロッド42は、シリンダ43から車体上方側に突出して設けられている。ピストンロッド42の上端部ないし上端近傍部にはアッパマウント45が取り付けられている。アッパマウント45は、サスペンションハウジング50における後述の支持面部52に固定されている。これにより、ダンパ41の上端部は、アッパマウント45及びサスペンションハウジング50を介して車体に連結されている。
アッパマウント45の車体下方側且つロアスプリングシート47の車体上方側の位置には、アッパスプリングシートとして機能する後述のスプリング受部72が、サスペンションハウジング50に一体に設けられている。スプリング受部72は、アッパマウント45を介してピストンロッド42に固定され、ロアスプリングシート47は、シリンダ43に固定されていることから、ダンパ41の軸心方向におけるスプリング受部72とロアスプリングシート47との間隔は、ダンパ41の伸縮に応じて変化するようになっている。
コイルスプリング44は、ダンパ41を取り巻くように、該ダンパ41と概ね同軸上に配置されている。なお、コイルスプリング44の荷重軸は、ダンパ41の軸心に対して必ずしも一致していなくてもよく、ダンパ41の軸心に対して傾斜して配置されていてもよい。
コイルスプリング44は、サスペンションハウジング50のスプリング受部72とロアスプリングシート47との間に介装されている。コイルスプリング44とスプリング受部72との間には、シートラバー46が介在されており、これにより、後輪のバンプ時における衝撃の緩和ひいては異音の低減が図られている。
また、サスペンション40は、ダンパ41の軸心上に配置されたバンプストッパ48を有する。バンプストッパ48は、例えば、軸方向位置に応じて外径が変化する筒状部材であり、例えばゴム又はウレタンからなる。バンプストッパ48は、ピストンロッド42の外側に嵌合されており、軸方向においてシリンダ43とサスペンションハウジング50の支持面部52との間に配置されている。
[サスペンションハウジング]
図4〜図6には、サスペンションハウジング50の全体が図示されている。サスペンションハウジング50は、例えば、ダイカストによって成形されたアルミニウム合金製の部材である。
[支持面部]
サスペンションハウジング50は、サスペンション40のダンパ41を支持する支持面部52を備えている。支持面部52は、車体上下方向に交差するように配置された板状部である。支持面部52は、車体幅方向の幅に比べて車体前後方向の幅が大きくなるような細長い形状を有する。支持面部52の車体幅方向の幅は、該支持面部52の車体前後方向の中央において最大とされ、車体前方側及び車体後方側の端部に向かってそれぞれ次第に小さくなっている。
支持面部52の車体前後方向中央部には、ダンパ41のピストンロッド42を挿通させるための貫通穴53が設けられている。また、支持面部52には、複数のボルト挿通穴54,55が設けられている。ボルト挿通穴54,55は、例えば、貫通穴53よりも車体前方側及び車体後方側に1つずつ設けられている。貫通穴53及び前後一対のボルト挿通穴54,55は、支持面部52の長さ方向に間隔を空けて並んで配置されている。
図3に示すように、支持面部52は、サイドフレーム6よりも車体幅方向外側且つ車体上方側において、ダンパ41の軸心に直交するように配置されている。支持面部52の上面には、サスペンション40のアッパマウント45が取り付けられている。アッパマウント45は、例えば、ボルト挿通穴54,55に挿通されたボルト49(図13及び図14参照)によって、支持面部52に固定されている。ボルト49による締結部は、ダンパ41の車体前方側及び車体後方側にそれぞれ設けられている。ダンパ41は、アッパマウント45を介して支持面部52に固定されている。
図3〜図6に示すように、サスペンションハウジング50は、支持面部52における車体幅方向外側の縁部から車体上方側に立ち上がってホイールハウスインナ26に連結される上側接合面部69を備えている。上側接合面部69は、車体前後方向に間隔を空けて配置された複数の接合部R1,R2,R3,R4(図11参照)において、例えばSPRによってホイールハウスインナ26における切欠26eの上側周縁部に接合されている。
[接続部]
また、サスペンションハウジング50は、支持面部52をサイドフレーム6に接続させる接続部56を備えている。接続部56は、車体幅方向に交差するように配置されてサイドフレーム6に連結される下側接合面部58、下側接合面部58の上縁部から車体幅方向外側に延びる中段床部59、及び、中段床部59の車体幅方向外側の縁部から車体上方側に向かって支持面部52の車体幅方向内側の縁部まで延びる縦壁部60を有する。
図9(a)、図9(b)、及び図9(c)は、それぞれ、サスペンションハウジング50を車体前方側から見た図6のC−C線断面図、D−D線断面図、及びE−E線断面図である。図9(a)〜図9(c)に示すように、車体前後方向から見たサスペンションハウジング50の断面形状は、下側接合面部58から中段床部59、縦壁部60及び支持面部52を経由して上側接合面部69に至る部分において、車体幅方向外側に向かうに従って高くなる階段状となっている。
図4〜図6に示すように、下側接合面部58は、車体前後方向に延びるように帯状に形成されている。下側接合面部58の下縁は、波状に蛇行しながら車体前後方向に延設されている。下側接合面部58は、サイドフレーム6の外側壁部8dの車室内側の面に重ねて配置され(図3参照)、長さ方向に間隔を空けた複数箇所において例えばSPRによってサイドフレーム6に接合される。
車体前後方向において、下側接合面部58は、支持面部52よりも長く形成されている。下側接合面部58の前端は、支持面部52の前端よりも車体前方側に位置し、下側接合面部58の後端は、支持面部52の後端よりも車体後方側に位置している。
中段床部59は、車体前後方向に延びるように細長く形成されている。中段床部59の車体幅方向内側の縁部は、車体上下方向から見て、車体幅方向の内側に向かって僅かに膨出するような円弧状に形成されている。
図3に示すように、中段床部59は、車体幅方向外側に向かって僅かに車体上方側に傾斜して配置されている。中段床部59と下側接合面部58との間には、鈍角のコーナが形成されている。
図4に示すように、縦壁部60の車体前後方向中央部は、支持面部52から車体下方側に延びる周壁部62の車体幅方向内側端部で構成されており、縦壁部60における周壁部62よりも車体前方側及び車体後方側の各部は、平板状に形成されている。
[周壁部]
図4〜図7に示すように、周壁部62は、車体上下方向に延びる円筒状とされている。図8に示すように、周壁部62の内周面は、支持面部52の貫通穴53よりも大径とされ、軸方向から見て該貫通穴53と同心円状に配置されている。
図3に示すように、周壁部62は、支持面部52の車体下方側に配置されたサスペンション40のバンプストッパ48を包囲するように配置されている。このようにして周壁部62内にバンプストッパ48が収容されることで、バンプストッパ48を異物や水などから保護できる。
図4〜図7に示すように、サスペンションハウジング50には、周壁部62の車体前方側において前壁部63、周壁部62の車体後方側において後壁部64がそれぞれ設けられている。前壁部63及び後壁部64は、それぞれ、車体前後方向に交差するように配置された平板状の壁部であり、支持面部52から車体下方側に延びるように設けられている。
図7に示すように、前壁部63は、周壁部62の軸方向から見て該周壁部62の前端における接線方向に沿って配置されており、後壁部64は、周壁部62の軸方向から見て該周壁部62の後端における接線方向に沿って配置されている。
[スプリング受部]
図5に示すように、サスペンションハウジング50には、前述のスプリング受部72が、中段床部59から車体幅方向外側に突出して設けられている。スプリング受部72は、周壁部62の下端部に設けられている。より具体的に、スプリング受部72は、周壁部62の下縁から径方向外側にフランジ状に拡がるように設けられている。これにより、スプリング受部72の中央部には、周壁部62の内周面で構成された貫通穴が形成されており、該貫通穴に、ダンパ41のピストンロッド42が挿通される(図3参照)。
図3に示すように、スプリング受部72は、サイドフレーム6よりも車体幅方向外側且つ車体上方側に配置されており、サスペンション40のコイルスプリング44の上端部を、例えばシートラバー46を介して支持している。このように、本実施形態のサスペンションハウジング50は、支持面部52によってダンパ41を支持するだけでなく、中段床部59に設けられたスプリング受部72を利用して、コイルスプリング44も支持できるようになっている。
また、周壁部62の下端部に設けられたスプリング受部72が中段床部59に連なっていることにより、周壁部62は、その下端側において、スプリング受部72を介して中段床部59に連結されている。さらに、周壁部62の上端側は支持面部52に連結されていることから、支持面部52と中段床部59とは、周壁部62を介して相互に連結されていることになる。これにより、下側接合面部58、中段床部59、縦壁部60、及び支持面部52からなる階段状断面の変形が効果的に抑制されている。
図5及び図8に示すように、スプリング受部72の下面は、略円形の輪郭を有している。すなわち、スプリング受部72においてコイルスプリング44からの荷重を受ける部分は、前記貫通穴の外周部からスプリング受部72の外周部に亘る環状部分で構成されており、これにより、スプリング受部72の面積の最小化が図られている。
スプリング受部72の周縁部には、スプリング受部72から車体下方側に突出した突出部73,74,75が設けられている。突出部73,74,75は、周方向に間隔を空けて複数設けられている。
複数の突出部73,74,75は、例えば、スプリング受部72の車体幅方向外側の半部の周縁に沿って連続して延びる平面視半円状の第1突出部73、スプリング受部72の中心よりも車体幅方向内側かつ車体前方側の部分の周縁に沿って平面視円弧状に延びる第2突出部74、及び、スプリング受部72の中心よりも車体幅方向内側かつ車体後方側の部分の周縁に沿って平面視円弧状に延びる第3突出部75を有する。第1、第2、第3突出部73,74,75は、周方向において互いに間隔を空けて配置されている。
このようにしてスプリング受部72の周縁部に設けられた突出部73,74,75は、シートラバー46及びコイルスプリング44の上端部を径方向に位置決めする位置決め機能を有するとともに、スプリング受部72の面剛性を高める高剛性部としても機能する。これにより、スプリング受部72によるコイルスプリング44の支持強度が高められている。
なお、本実施形態では、上記の突出部73,74,75からなる高剛性部が、スプリング受部72の周縁部に沿って断続的に延びるように設けられているが、高剛性部は、スプリング受部72の周縁部の全周に亘って連続的に設けられてもよい。
[スプリング受部とサイドフレームとの連結]
また、サスペンションハウジング50は、スプリング受部72をサイドフレーム6に連結させるためにスプリング受部72から下方に突出して設けられた被連結部73a,73bを有する。
被連結部73a,73bは、車体前後方向に間隔を空けて前後一対設けられている。各被連結部73a,73bは、車体前後方向に交差するリブ状部であり、第1突出部73の周方向端部に連ねて設けられている。また、各被連結部73a,73bは、第1突出部73の下端よりも車体下方側に突出している。前側の被連結部73aは、第2突出部74の車体前方側に隣接して配置されており、後側の被連結部73bは、第3突出部75の車体後方側に隣接して配置されている。
図12に示すように、スプリング受部72は、その車体下方側に設けられた上記の被連結部73a,73bと連結部材101,102とを介して、サイドフレーム6に連結されている。
連結部材101,102は、車体前後方向に間隔を空けて前後一対設けられている。これらの連結部材101,102は、例えば、鋼板等の金属板をプレス成形してなるものである。
各連結部材101,102は、車体前後方向に交差するように配置されてスプリング受部72に連結される第1連結面部103、車体幅方向に交差するように配置されてサイドフレーム6の車体幅方向外側に連結される第2連結面部104、及び、車体上下方向に交差するように配置されてサイドフレーム6の車体下方側に連結される第3連結面部105を有する。
第2連結面部104は、サイドフレーム6の車体幅方向外側の面に例えば溶接によって接合されている。第3連結面部105は、第2連結面部104の下縁部から車体幅方向内側に延びるように設けられ、サイドフレーム6の車体下方側の面に例えば溶接によって接合されている。
前側の連結部材101において、第1連結面部103は、第2連結面部104の前縁部から車体幅方向外側に延びるように設けられている。第1連結面部103は、車体前後方向から見て、例えば、車体下方側に向かって先細りする三角形状とされている。第1連結面部103の上端部は、サスペンションハウジング50の前側の被連結部73aの例えば車体後方側の面に、例えばSPRによって接合されている。
後側の連結部材102において、第1連結面部103は、第2連結面部104の後縁部から車体幅方向外側に延びるように設けられている。第1連結面部103は、車体前後方向から見て、例えば、車体下方側に向かって先細りする三角形状とされている。第1連結面部103の上端部は、サスペンションハウジング50の後側の被連結部73bの例えば車体前方側の面に、例えばSPRによって接合されている。
各連結部材101,102は、第1連結面部103における車体幅方向外側縁部に連なるフランジ部106を更に有する。前側の連結部材101におけるフランジ部106は、第1連結面部103から車体前方側に延びるように設けられ、後側の連結部材102におけるフランジ部106は、第1連結面部103から車体後方側に延びるように設けられている。各フランジ部106の下端部は、第3連結面部105に連なっている。
なお、前後の連結部材101,102は、第2連結面部104同士、又は第3連結面部105同士の少なくとも一方が連なるように、一体に設けられてもよい。
上記のように、スプリング受部72は、被連結部73a,73b及び連結部材101,102を介してサイドフレーム6に連結されていることにより、サスペンション40のコイルスプリング44(図3参照)から荷重が入力されたときの挙動に関して、サイドフレーム6との一体化が図られている。
[縦壁部の高剛性部]
図4及び図7に示すように、縦壁部60には、周壁部62の前端部に沿って車体上下方向に延びる溝状の前側窪み部67、及び、周壁部62の後端部に沿って車体上下方向に延びる溝状の後側窪み部68が設けられている。前側窪み部67及び後側窪み部68は、それぞれ縦壁部60の全高に亘って設けられている。
また、縦壁部60には、縦壁部60における前側窪み部67よりも車体前方側部分から車体幅方向内側に突出した前側リブ65、及び、縦壁部60における後側窪み部68よりも車体後方側部分から車体幅方向内側に突出した後側リブ66が設けられている。前側リブ65及び後側リブ66は、それぞれ車体上下方向に延びるように設けられている。また、前側リブ65及び後側リブ66は、それぞれ縦壁部60の全高に亘って設けられている。
上記の窪み部67,68及びリブ65,66は、縦壁部60において車体上下方向に延びるように設けられた高剛性部であり、これらの高剛性部によって、縦壁部60の面剛性が高められている。
図4に示すように、車体幅方向から見て、縦壁部60における前側リブ65の車体前後方向位置と、支持面部52における前側のボルト挿通穴54の車体前後方向位置とは互いに重複している。また、車体前後方向において、縦壁部60における後側リブ66の車体前後方向位置と、支持面部52における後側のボルト挿通穴55の車体前後方向位置とは互いに重複している。
このように、車体幅方向から見て、縦壁部60の各リブ65,66の車体前後方向位置は、ボルト49によるアッパマウント45の締結部(図13及び図14参照)の車体前後方向位置と重複している。したがって、支持面部52においてダンパ41からの荷重が入力される締結部及びその周辺部を、縦壁部60におけるリブ65,66が設けられた部分によって効果的に支持できる。
[ブレース部及び前側荷重伝達部]
サスペンションハウジング50における支持面部52よりも車体前方側部分には、サイドブレース36(図1参照)の一部を構成するブレース部77、及び、支持面部52からブレース部77に荷重を伝達する前側荷重伝達部80が設けられている。
ブレース部77は、支持面部52よりも車体前方側において車体上下方向に延びるように設けられている。ブレース部77は、車室外側に開放した開断面部で構成されている。ブレース部77の開口部は、ホイールハウスインナ26によって車室外側から塞がれており(図11参照)、これにより、ブレース部77とホイールハウスインナ26との間に、車体上下方向に連続する閉断面が形成されている。ブレース部77の車体幅方向内側の側面は、車体上方側に向かって車体幅方向外側に傾斜して配置されている。
図4〜図6に示すように、ブレース部77は、車体前後方向に交差するように配置された前面部77a、前面部77aにおける車体幅方向内側縁部から車体後方側に延びる側面部77b、及び、側面部77bにおける車体後方側の縁部から車体幅方向外側に延びて前面部77aの車体後方側に対向配置される後面部77cを有する。
ブレース部77の内部には、補強リブ78,79が設けられており、これにより、ブレース部77の断面変形が抑制されている。補強リブ78,79は、例えば、車体上下方向に間隔を空けて配置された上側補強リブ78及び下側補強リブ79である。
各補強リブ78,79は、その車体前方側縁部において前面部77aに、車体幅方向内側縁部において側面部77bに、車体後方側縁部において後面部77cに連結されている。これにより、ブレース部77の内部空間は、各補強リブ78,79によって車体上下方向に仕切られている。
図6に示すように、上側補強リブ78と下側補強リブ79は、車体前方側に向かって車体下方側に傾斜して配置されている。上側補強リブ78と下側補強リブ79は、車体幅方向から見て、互いに略平行に配置されている。
また、図4及び図5に示すように、ブレース部77は、側面部77bの車体上方側縁部から車体幅方向外側に延びる上面部77d、上面部77dの車体幅方向外側縁部から車体上方側に延びる上側フランジ部77e、上面部77dの車体前方側縁部と上側フランジ部77eの車体前方側縁部とに跨がる前側リブ77f、及び、上面部77dの車体後方側縁部と上側フランジ部77eの車体後方側縁部とに跨がる後側リブ77gを有する。前側リブ77fは、前面部77aの上端部で構成されており、後側リブ77gは、後面部77cの上端部で構成されている。
さらに、ブレース部77は、前面部77aの車体幅方向内側縁部から車体前方側に延びる前側接合面部77h、側面部77bの下縁部から車体幅方向内側に延びる内側接合面部77i、及び、後面部77cの下縁部から車体後方側に延びる後側接合面部77jを有する。
前側接合面部77hは、車体上下方向に間隔を空けて配置された複数の接合部R10,R11,R12,R13(図11参照)において、例えばSPRによってホイールハウスインナ26に接合されている。また、内側接合面部77iはクロスメンバ5に、後側接合面部77jはサイドフレーム6に、それぞれ例えばSPRによって接合されている(図1参照)。
図1に示すように、ブレース部77の上端部には、上側ブレース部材38の下端部が上面部77d、前側リブ77f及び後側リブ77gを覆い隠すように車室内側から重ねて配置され、例えばSPRによって接合されている。これにより、ブレース部77の上端部が上側ブレース部材38の下端部に連結されることで、上側ブレース部材38とブレース部77からなるサイドブレース36が構成されている。
また、ブレース部77の下端部は、内側接合面部77iにおいてクロスメンバ5に接合されることで、該クロスメンバ5の車体幅方向外側端部に連結されている。これにより、サイドブレース36とクロスメンバ5との間での荷重伝達が可能となっている。
図4及び図5に示すように、サスペンションハウジング50において、支持面部52と前側荷重伝達部80との間には、車体前後方向に交差する面に沿って配置された仕切壁部70が設けられている。
仕切壁部70を挟んだ車体前方側には、上側接合面部69を車体前方側に延長させてなる延長面部83が設けられている。延長面部83は、ホイールハウスインナ26に対して、その切欠26eの前側周縁の接合部R8(図11参照)において、例えばSPRによって接合されている。
仕切壁部70は、上側接合面部69の前縁部、支持面部52の前縁部、及び縦壁部60の前縁部を互いに繋ぐように設けられている。仕切壁部70は、支持面部52の前縁部よりも車体幅方向内側及び車体上方側にそれぞれ突出して配置されており、仕切壁部70における支持面部52よりも車体上方側に突出した部分は、例えば、車体上方側に向かって先細りする三角形状のリブ70aを構成している(図4参照)。
仕切壁部70における支持面部52よりも車体下方側部分は、車体前後方向から見て、例えば、車体下方側に向かって先細りする三角形状に形成されている(図5参照)。仕切壁部70の下端部は、中段床部59の車体幅方向外側縁部に連なっている。
前側荷重伝達部80は、支持面部52の前縁部をブレース部77の後面部77cに連結させる連結面部81を有する。連結面部81は、車体上下方向に交差する面に沿って配置されており、仕切壁部70から車体前方側に延びるように設けられている。連結面部81は、車体幅方向から見て車体前方側に向かって車体下方側に傾斜して配置されている(図6参照)。
連結面部81の車体幅方向外側縁部は、コーナ部を介して延長面部83の下縁部に連なっている。すなわち、連結面部81は、延長面部83の下縁部から車体幅方向内側に延びるように設けられている。
車体上下方向において、連結面部81の後縁部は、支持面部52と略同じ高さ位置に配置されている。すなわち、連結面部81の後縁部は、仕切壁部70を介して支持面部52の前縁部に連結されている。上述のリブ70aは、上側接合面部69と延長面部83との境界部と、連結面部81の後縁部とに跨がって設けられている。リブ70aの下端部は、車体幅方向において連結面部81の後縁部の略全幅に亘って設けられている(図13参照)。
このようにして設けられたリブ70a、上側接合面部69、及び延長面部83を介して、支持面部52及び連結面部81は、ホイールハウスインナ26に効果的に支持されるとともに、支持面部52及び連結面部81の面剛性がリブ70aによって高められている。また、サスペンション40のダンパ41から支持面部52に荷重が入力されたとき、支持面部52から直接又は上側接合面部69を介してリブ70aに伝達された荷重は、リブ70aの下端部から連結面部81の後端部の全幅に亘って分散して入力される。
さらに、前側荷重伝達部80は、連結面部81の車体幅方向内側縁部から車体下方側に延びる側面部82を有する。側面部82は、仕切壁部70の車体幅方向内側縁部から車体前方側に延びるように設けられている。側面部82の下縁部は、コーナ部を介して中段床部59の車体幅方向外側縁部に連なっている。側面部82の車体上下方向の幅は、車体前方側に向かって次第に小さくなっている。
図10に示すように、前側荷重伝達部80は、連結面部81と側面部82とからなるL字状の開断面を形成している。すなわち、前側荷重伝達部80は、車体前後方向に連続して開断面状に形成されている。
なお、前側荷重伝達部80で形成される断面部は、必ずしも開断面でなくてもよく、前側荷重伝達部80の一部又は全体において、サスペンションハウジング50と例えばホイールハウスインナ26等の別部材との間に閉断面が形成されるようにしてもよいし、サスペンションハウジング50単体で閉断面が形成されるようにしてもよい。
サスペンションハウジング50は、前側荷重伝達部80においてはホイールハウスインナ26に接合されていないが、前側荷重伝達部80の車体上方側に隣接する上記の接合部R8においてホイールハウスインナ26に接合されると共に、前側荷重伝達部80の車体下方側に隣接する接合部R9においても例えばSPRによってホイールハウスインナ26に接合されている。接合部R9は、車体前後方向において側面部82が占める領域において下側接合面部58に設けられている。
以上のように、サスペンションハウジング50では、支持面部52と、その車体前方側に離間して配置されたブレース部77との間に前側荷重伝達部80が設けられている。これにより、サスペンション40のダンパ41から支持面部52に荷重が入力されたとき、支持面部52からブレース部77への荷重伝達を、前側荷重伝達部80を経由させることで効果的になし得る。
また、この荷重伝達が、車体前方側に向かって車体下方側に傾斜した連結面部81を経由して行われることで、車体上下方向の下向きの成分を含む荷重をブレース部77に入力させることができる。そのため、ブレース部77において、その上端から下端へ向かう方向の荷重伝達を実現しやすくなることで、ブレース部77からその下端側のクロスメンバ5への荷重伝達をスムーズに行うことができ、これにより、車体各部への荷重分散効果を高めることができる。
図6に示すように、前側荷重伝達部80の連結面部81は、支持面部52の前端部から、ブレース部77の内部に設けられた上側補強リブ78に向かって延びるように設けられている。また、上側補強リブ78の後端部は、車体上下方向において、前側荷重伝達部80の連結面部81の前端部と略同じ高さ位置に配置されている。
このような連結面部81と上側補強リブ78との位置関係により、ブレース部77における連結面部81からの荷重入力部は、上側補強リブ78によって効果的に補強されている。また、上側補強リブ78は、車体前方側に向かって車体下方側へ傾斜して配置されているため、上側補強リブ78において、その上端から下端に向かう方向の荷重伝達をなし得る。したがって、前側荷重伝達部80からブレース部77に入力された荷重を、ブレース部77においてその下端側へ効果的に伝達することができる。
また、ブレース部77の内部に設けられた下側補強リブ79の後端部は、車体上下方向において、前側荷重伝達部80の側面部82の前下端部と略同じ高さ位置に配置されている。これにより、ブレース部77において、前側荷重伝達部80の下端部からの荷重入力部は下側補強リブ79によって効果的に補強されている。さらに、車体前方側に向かって車体下方側へ傾斜して配置された下側補強リブ79は、その上端から下端に向かう方向の荷重伝達をなし得る。したがって、前側荷重伝達部80からブレース部77を経由したクロスメンバ5への荷重伝達をより効果的に行うことができる。
[後側荷重伝達部]
図4〜図6に示すように、サスペンションハウジング50における支持面部52よりも車体後方側部分には、サスペンション40から支持面部52に入力された荷重をホイールハウスインナ26の荷重伝達部27に伝達する後側荷重伝達部85が設けられている。
サスペンションハウジング50において、後側荷重伝達部85と支持面部52との間には、車体前後方向に交差する面に沿って配置された仕切壁部71が設けられている。
仕切壁部71は、上側接合面部69の後縁部、支持面部52の後縁部、及び縦壁部60の後縁部を互いに繋ぐように設けられている。仕切壁部71は、支持面部52の後縁部よりも車体幅方向内側及び車体上方側にそれぞれ突出して配置されている。
仕切壁部71における支持面部52よりも車体下方側部分は、車体前後方向から見て、例えば、車体下方側に向かって先細りする三角形状に形成されている(図5参照)。仕切壁部71の下端部は、中段床部59の車体幅方向外側縁部に連なっている。
サスペンションハウジング50において、支持面部52の車体後方側には、支持面部52を後側荷重伝達部85に連絡させる連絡面部84が設けられている。連絡面部84は、車体上下方向に交差するように配置されており、仕切壁部71から車体後方側に延びるように設けられている。車体上下方向において、連絡面部84は、支持面部52に対して略同じ又は車体下方側に隣接する高さ位置に配置されている。これにより、連絡面部84は、仕切壁部71を介して支持面部52の車体後方側に連なっている。
また、サスペンションハウジング50において、連絡面部84の車体後方側には、仕切壁部71の車体後方側に対向する後壁部92と、後壁部92の車体幅方向外側縁部から車体後方側に延びる後側接合面部94とが設けられている。連絡面部84は、仕切壁部71と後壁部92との間に架設されている。後側接合面部94は、車体上下方向に間隔を空けて配置された複数の接合部R5,R6,R7(図11参照)において、例えばSPRによってホイールハウスインナ26に接合されている。
さらに、サスペンションハウジング50は、連絡面部84の車体幅方向内側縁部から車体下方側に延びる側壁部91を備えている。側壁部91は、仕切壁部71の車体幅方向内側縁部と後壁部92の車体幅方向内側縁部との間に架設されている。側壁部91の下端部は、中段床部59の車体幅方向外側縁部に連なっている。
上記の仕切壁部71及び後壁部92における連絡面部84よりも車体下方側の各部分と、側壁部91とは、連絡面部84から車体下方側に延びる下側延長部90を備えている。下側延長部90は、車体幅方向外側に向かって開放した断面コ字状に形成されている(図7参照)。すなわち、下側延長部90は、車体上下方向に連続して開断面状に形成されている。
なお、下側延長部90で形成される断面部は、必ずしも開断面でなくてもよく、下側延長部90の一部又は全体において、サスペンションハウジング50と例えばホイールハウスインナ26等の別部材との間に閉断面が形成されるようにしてもよいし、サスペンションハウジング50単体で閉断面が形成されるようにしてもよい。
図4に示すように、下側延長部90の車体上方側には、車体前後方向に互いに間隔を空けて対向配置された前側リブ71a及び後側リブ92aが設けられている。各リブ71a,92aは、例えば、車体上方側に向かって先細りする三角形状に形成されている。
前側リブ71aは、仕切壁部71における連絡面部84よりも車体上方側に突出した部分で構成され、上側接合面部69の後縁部と連絡面部84の前縁部とに跨がって設けられている。前側リブ71aの下端部は、車体幅方向において連絡面部84の前縁部の略全幅に亘って設けられている。
後側リブ92aは、後壁部92における連絡面部84よりも車体上方側に突出した部分で構成され、後側接合面部94の前縁部と連絡面部84の後縁部とに跨がって設けられている。後側リブ92aは、車体幅方向において連絡面部84の後縁部の略全幅に亘って設けられている。
後側荷重伝達部85は、連絡面部84の車体幅方向外側縁部から車体上方側に延びるように設けられている。後側荷重伝達部85は、上側接合面部69の後縁部から車体幅方向内側に延びる前面部86、前面部86の車体幅方向内側縁部から車体後方側に延びる側面部87、及び、側面部87の後縁部から車体幅方向外側に延びる後面部88を有する。後面部88の車体幅方向外側縁部は、後側接合面部94の前縁部に連なっている。
前面部86は、車体幅方向外側に向かって車体前方側に傾斜して配置されている。後面部88は、車体幅方向外側に向かって車体後方側に傾斜して配置されている。側面部87と前面部86との間、及び、側面部87と後面部88との間には、それぞれ鈍角のコーナ部が形成されている。これにより、後側荷重伝達部85の断面形状は、車体幅方向外側に向かって拡開したハット形状となっている。このように、後側荷重伝達部85では、車体幅方向外側に向かって開放した開断面が車体上下方向に連続して形成されている。
なお、後側荷重伝達部85で形成される断面部は、必ずしも開断面でなくてもよく、後側荷重伝達部85の一部又は全体において、サスペンションハウジング50と例えばホイールハウスインナ26等の別部材との間に閉断面が形成されるようにしてもよいし、サスペンションハウジング50単体で閉断面が形成されるようにしてもよい。
図13及び図14に示すように、後側荷重伝達部85は、ホイールハウスインナ26の荷重伝達部27の下端部の車室内側の面に重ねて配置されている。図15に示すように、後側荷重伝達部85の断面形状は、荷重伝達部27の車室内側の面に沿った形状である。後側荷重伝達部85の前面部86、側面部87、及び後面部88は、荷重伝達部27の下端部における前面部27a、側面部27b、及び後面部27cの車室内側の面にそれぞれ接している。これにより、後側荷重伝達部85は、荷重伝達部27の下端部に連結されている。
後側荷重伝達部85の前縁部は上記の前側リブ71aを介して、後側荷重伝達部85の後縁部は上記の後側リブ92aを介して、それぞれ連絡面部84に連結されている。これにより、連絡面部84の面剛性の向上が図られつつ、後側荷重伝達部85の断面変形が抑制されている。
また、後側荷重伝達部85の前面部86の前縁部は、前側リブ71aの車体幅方向外側縁部と一体化されることで、後面部88の後縁部は、後側リブ92aの車体幅方向外側縁部と一体化されることで、それぞれ厚肉に形成されている。これにより、前面部86及び後面部88の面剛性が高められている。
さらに、後側荷重伝達部85の側面部87は、前側リブ71a及び後側リブ92aと共に、車体幅方向内側に開放した開断面を形成している。これら側面部87、前側リブ71a、及び後側リブ92aからなる開断面は、後側荷重伝達部85の開断面と一体となって、車体上下方向に連続している。これにより、前後のリブ71a,92aは、後側荷重伝達部85と共に、連絡面部84から車体上方側への荷重伝達機能を果たし得る。
また、後側荷重伝達部85は、前後一対のリブ71a,92aによって車体幅方向内側から支持されていることにより、連絡面部84に対して後側荷重伝達部85が車体幅方向内側に倒れるような変形が効果的に抑制されている。そのため、ホイールハウスインナ26の荷重伝達部27に対する後側荷重伝達部85の連結状態が良好に維持されやすくなっている。
図11に示すように、サスペンションハウジング50は、後側荷重伝達部85の車体前方側に隣接する接合部R1と、後側荷重伝達部85の車体後方側に隣接する接合部R5において、例えばSPRによってホイールハウスインナ26に接合されている。これにより、ホイールハウスインナ26の荷重伝達部27の下端部に対する後側荷重伝達部85の相対変位が効果的に抑制されていることで、荷重伝達部27の下端部に対する後側荷重伝達部85の連結状態が良好に維持されている。
以上のように、サスペンションハウジング50の支持面部52は、連絡面部84及び後側荷重伝達部85を介して、ホイールハウスインナ26の荷重伝達部27に連結されている。したがって、サスペンション40からサスペンションハウジング50の支持面部52に入力された荷重は、連絡面部84及び後側荷重伝達部85を経由してホイールハウスインナ26の荷重伝達部27に効果的に伝達される。
また、連絡面部84及び後側荷重伝達部85は、下側延長部90によって車体下方側から支持されていることにより、連絡面部84の変形及び後側荷重伝達部85の変位が効果的に抑制されている。そのため、支持面部52から連絡面部84及び後側荷重伝達部85を経由したホイールハウスインナ26の荷重伝達部27への荷重伝達を効果的に実現できるようになっている。
さらに、図16に示すように、ホイールハウスインナ26の荷重伝達部27は、サスペンションハウジング50の後側荷重伝達部85と、ホイールハウス24から車体上方側に延びる前述の外側補強部材34の下端部とを連結している。したがって、サスペンションハウジング50からホイールハウスインナ26の荷重伝達部27に伝達された荷重は、外側補強部材34を経由して車体の上方側に効果的に伝達される。
[第1実施形態の作用効果]
以上のように構成されたサスペンションハウジング50では、支持面部52が周壁部62、前壁部63、及び後壁部64によって車体下方側から補強されていることにより、支持面部52の面剛性が高められているとともに、サスペンション40のダンパ41から支持面部52に入力された荷重、及び、サスペンション40のコイルスプリング44からスプリング受部72に入力された荷重は、前側荷重伝達部80及びブレース部77を経由してクロスメンバ5やサイドフレーム6等の車体下部に伝達されると共に、後側荷重伝達部85、ホイールハウス24の荷重伝達部27、及び外側補強部材34を経由してDピラー14等の車体上部に伝達されることで、車体後部の各部に効果的に分散される。したがって、後輪のバンプ時において、サスペンションハウジング50の支持面部52に荷重が集中することによる局所変形を効果的に抑制できる。
また、コイルスプリング44からサスペンションハウジング50のスプリング受部72に入力された荷重は、周壁部62及び縦壁部60を経由して車体上方側に分散されることで、応力集中によるスプリング受部72の局所変形を抑制できる。
したがって、サスペンション40のダンパ41及びコイルスプリング44から、サスペンションハウジング50の支持面部52及びスプリング受部72に、車体幅方向の内向きの成分を含む荷重が入力されても、この荷重による応力が支持面部52及びスプリング受部72に集中することが抑制されることで、サスペンションハウジング50が車室内側に倒れるような変形(内倒れ変形)を効果的に抑制することができる。
さらに、スプリング受部72が連結部材101,102を介してサイドフレーム6に連結されていることにより、スプリング受部72とサイドフレーム6の挙動の一体化が図られているため、後輪のバンプ時において、サイドフレーム6に対するスプリング受部72の相対変位が抑制されることで、サスペンションハウジング50の内倒れ変形をより効果的に抑制することができる。
また、サスペンションハウジング50の周壁部62にサスペンション40のバンプストッパ48を収容できるため、サスペンション40の専用部品として従来から用いられているバンプストッパハウジングを省略することができる。
そのため、従来のようにサスペンションのバンプストッパハウジングよりも車体幅方向内側に間隔を空けてサスペンションハウジングの縦壁部分が配置された車体構造に比べて、サスペンションハウジング50の縦壁部60をその車体幅方向外側のバンプストッパ48に寄せて配置することができる。したがって、サスペンションハウジング50の車室内側への張り出し量が低減されることで、車体後部において、荷室空間などの車室内空間の拡大を図ることができる。
[第2実施形態]
図17〜図22を参照しながら、第2実施形態に係る車両の後部車体構造について説明する。なお、第2実施形態において、第1実施形態と共通する構成については、説明を省略するとともに、図17〜図22において同一の符号を付している。
図17の斜視図及び図18の側面図に示すように、第2実施形態では、第1実施形態におけるサスペンションハウジング50(図1等参照)とは異なるサスペンションハウジング200が用いられている。
第2実施形態に係る車両の後部車体構造において、サスペンションハウジング200以外の構成は、概ね第1実施形態と同様である。なお、第2実施形態では、第1実施形態におけるホイールハウス24の荷重伝達部27及び上側ブレース部材38が設けられていないが、第1実施形態と同様に、荷重伝達部27及び上側ブレース部材38が設けられてもよい。
図19及び図20に示す斜視図を参照しながら、第2実施形態におけるサスペンションハウジング200の構成について説明する。
第2実施形態におけるサスペンションハウジング200は、第1実施形態におけるサスペンションハウジング50と同様、例えば、ダイカストによって成形されたアルミニウム合金製の部材である。
第1実施形態と同様、サスペンションハウジング200は、サスペンション40のダンパ41を支持する支持面部52、サスペンション40のバンプストッパ48を収容する周壁部62、クロスメンバ5に連結されたブレース部77、支持面部52からブレース部77に荷重を伝達する前側荷重伝達部80、支持面部52に入力された荷重をホイールハウスインナ26の後部に伝達する後側荷重伝達部85、及び、後側荷重伝達部85を車体下方側から支持する下側延長部90を備えている。
図19に示すように、第2実施形態におけるブレース部77では、側面部77bに、車体前後方向に並ぶ一対の凹部201,202が設けられている。これにより、ブレース部77の剛性向上が図られている。一対の凹部201,202は、ブレース部77の長さ方向中間部に設けられている。各凹部201,202は、側面部77bにおいて略四角形の輪郭を有する。各凹部201,202の周壁は、側面部77bから車体幅方向に沿って外側に延びるように配置されている。
第2実施形態における前側荷重伝達部80では、側面部82の下端部に、車体前後方向に並ぶ一対の凹部203,204が設けられている。これにより、前側荷重伝達部80の剛性向上が図られている。
前側荷重伝達部80の凹部203,204は、車体幅方向及び車体上下方向において、ブレース部77の凹部201,202とオーバラップして配置されている。一対の凹部203,204の下面は、後述の上面接合部260の前端側の一部で構成されている。前側の凹部203の前面は、ブレース部77の後面部77cで構成されている。前側の凹部203の後面、及び、後側の凹部204の前面は、これらの凹部203,204を車体前後方向に仕切る略三角形状のリブ206で構成されている。後側の凹部204の後面は、同リブ206の車体後方側に対向する略三角形状のリブ208で構成されている。当該リブ208は、仕切壁部70と同一面上に配置され、該仕切壁部70に連なっている。
図20に示すように、前側荷重伝達部80には、連結面部81の下面と側面部82の車室外側の面とに跨がる略三角形状のリブ230が設けられている。このリブ230によって、前側荷重伝達部80の内部空間が車体前後方向に仕切られている。リブ230は、上記の一対の凹部203,204を仕切るリブ206と同一面上に配置されている。このようにリブ230が設けられることで、前側荷重伝達部80の更なる剛性向上が図られている。
第2実施形態において、後側荷重伝達部85は、ホイールハウスインナ26の表面に沿うように配置された平らな板状部で構成されている。ただし、第1実施形態と同様の荷重伝達部27がホイールハウスインナ26に設けられる場合、後側荷重伝達部85は、第1実施形態と同様、荷重伝達部27の表面形状に沿うように屈曲した板状部で構成されてもよい。
第2実施形態におけるサスペンションハウジング200では、支持面部52をサイドフレーム6に連結させるための構成が、第1実施形態と異なっている。以下、具体的に説明する。
図17及び図18に示すように、サスペンションハウジング200におけるサイドフレーム6との連結部は、サイドフレーム6に接合される上面接合部260及び側面接合部262、並びに、上面接合部260から車体上方側に立ち上がる縦壁部270を備えている。
上面接合部260は、サイドフレーム6の上面に沿って車体前後方向に延びる帯板状部である。上面接合部260は、サイドフレーム6の上面に合わせて、車体後方側に向かって車体下方側に傾斜して配置されている(図18参照)。上面接合部260は、サイドフレーム6の上面を構成する上壁部8aに接合される。上壁部8aに対する上面接合部260の接合は、例えば、SPRによって、長さ方向に間隔を空けた複数箇所で行われる。
図19に示すように、上面接合部260は、支持面部52よりも前方及び後方にそれぞれ延びるように設けられている。上面接合部260における支持面部52よりも前方部は、上記の凹部203,204の下面を構成している。上面接合部260における支持面部52よりも後方部は、その車体幅方向外側縁部において、下側延長部90の下縁部と後側接合面部94の下縁部とに連なっている。
側面接合部262は、上面接合部260の車体幅方向内側縁部から車体下方側に延びるように設けられている。側面接合部262は、上面接合部260の略全長に亘って設けられている。側面接合部262は、サイドフレーム6の車室内側の側面を構成する内側壁部8bに沿って車体前後方向に延びる帯板状部である。側面接合部262は、車体上方側に向かって車体幅方向の外側に傾斜して配置されている(図21参照)。側面接合部262は、サイドフレーム6の内側壁部8bに接合される。内側壁部8bに対する側面接合部262の接合は、例えば、SPRによって、長さ方向に間隔を空けた複数箇所で行われる。
縦壁部270は、上面接合部260における車体幅方向外側縁部から車体上方側に立ち上がるように設けられている。縦壁部270は、下側縦壁部272、中段床部274、及び上側縦壁部276を有する段状構造を備え、該段状構造を介して、上面接合部260と支持面部52とを繋いでいる。
なお、支持面部52よりも前方に位置する前側荷重伝達部80の側面部82、及び、支持面部52よりも後方に位置する下側延長部90の側壁部91も、縦壁部270の一部を構成している。
図19及び図20に示すように、下側縦壁部272は、上面接合部260における車体幅方向外側縁部から車体上方側に延びるように設けられている。下側縦壁部272は、上面接合部260の略全長に亘って設けられている(図20参照)。下側縦壁部272の前端側の一部は、上記の凹部203,204(図19参照)における車室外側の面を構成し、下側縦壁部272の後端側の一部は、下側延長部90の側壁部91の下端部及び後側接合面部94の下端部を構成している。支持面部52が設けられた車体前後方向領域において、下側縦壁部272の車体上下方向寸法は、車体後方側に向かって次第に大きくなっている。
図21の断面図に示すように、下側縦壁部272は、車体上方側に向かって車体幅方向外側に傾斜して配置される。下側縦壁部272は、例えばSPRによって、サイドフレーム6の外側壁部8d,9dに接合されている。
図19に示すように、サスペンションハウジング200は、上面接合部260から下側縦壁部272にかけて設けられた高剛性部としての複数のリブ206,208,210,212,214を備えている。これらのリブ206,208,210,212,214は、上面接合部260の長さ方向に間隔を空けて並べて配置され、それぞれ、当該長さ方向に直交するように配置されている。各リブ206,208,210,212,214は、車体前後方向から見て略三角形状とされている。
これらのリブ206,208,210,212,214のうち、前側の2つのリブ206,208は、上記の凹部203,204を構成するリブである。中央のリブ210は、周壁部62の軸心と略同じ車体前後方向位置、すなわち、一対の段上げ部280,281間の車体前後方向位置に配置されている。後側の2つのリブ212,214は、下側延長部90に対応する車体前後方向位置に配置されている。より具体的に、一方のリブ212は、下側延長部90の側壁部91の前縁部と上面接合部260とを連結し、他方のリブ214は、側壁部91の後縁部と上面接合部260とを連結している。
各リブ206,208,210,212,214は、それぞれの車体前後方向位置において、上面接合部260における車体幅方向の略全部分に連結され、下側縦壁部272における車体上下方向の略全部分に連結されている。
中段床部274は、下側縦壁部272の上縁部から車体幅方向外側に延びるように設けられている。中段床部274は、一対の仕切壁部70,71間の車体前後方向領域に設けられている。中段床部274は、車体水平方向に対して略平行に配置される(図18参照)。
図20に示すように、中段床部274の一部は、サスペンション40のコイルスプリング44を車体上方側から受けるスプリング受部220である。スプリング受部220は、中段床部274の車体前後方向中間部から車体幅方向外側に突出して設けられている。
スプリング受部220は、周壁部62の下縁部から車体幅方向の両側に突出している。これにより、中段床部274は、スプリング受部220において、周壁部62の下縁部に連なっている。スプリング受部220の前縁部は、前壁部63の下縁部で構成され、スプリング受部220の後縁部は、後壁部64の下縁部で構成されている。
図21に示すように、スプリング受部220には、例えばコイルスプリングシート290及びシートラバー46を介して、コイルスプリング44の上端部が支持される。コイルスプリングシート290は、例えば、鋼板等の金属板をプレス成形してなるものであり、例えばSPRによってスプリング受部220に接合される。
なお、コイルスプリングシート290は、例えば溶接によってサイドフレーム6にも接合されてもよい。この場合、スプリング受部220がコイルスプリングシート290を介してサイドフレーム6に連結されることで、コイルスプリング44からスプリング受部220に荷重が入力されたときにおけるスプリング受部220及びサイドフレーム6の挙動の一体化が図られる。
図19及び図20に示すように、中段床部274は、スプリング受部220の一部を段上げしてなる一対の段上げ部280,281を備えている。一対の段上げ部280,281は、周壁部62の車体幅方向内側に隣接して配置されている。一対の段上げ部280,281は、車体前後方向において相互に間隔を空けて並べて配置されている。
前側の段上げ部280は、周壁部62の軸心よりも前側に配置され、該段上げ部280の前縁部は、前壁部63に沿って配置されている。後側の段上げ部281は、周壁部62の軸心よりも後側に配置され、該段上げ部281の後縁部は、後壁部64に沿って配置されている。
各段上げ部280,281は、車体下方側のみに開放した台状部である(図20参照)。各段上げ部280,281における車室内側の側面は、下側縦壁部272における上方延長部280a,281aで構成されている。上方延長部280a,281aは、下側縦壁部272を中段床部274よりも車体上方側へ真っ直ぐ延長させるように形成されている。すなわち、上方延長部280a,281aは、車体上方側に向かって車体幅方向の外側に傾斜した傾斜面となっている(図22参照)。
各段上げ部280,281における車室外側の側面は、周壁部62の一部で構成されている。各段上げ部280,281の上面部280b,281bは、周壁部62の軸心に対して略直角に配置されている。上面部280b,281bの車体幅方向外側縁部は、周壁部62の外周面に沿って配置されている。前側の段上げ部280における上面部280bの前縁部は、前壁部63に沿って配置されており、後側の段上げ部281における上面部281bの後縁部は、後壁部64に沿って配置されている。
縦壁部270は、中段床部274における周壁部62よりも前側部分及び後側部分における車体幅方向外側縁部からそれぞれ車体上方側に向かって支持面部52の車体幅方向内側縁部まで延びる上側縦壁部276を更に備えている。上側縦壁部276は、周壁部62を挟んで車体前後方向に分断して設けられている。前側の上側縦壁部276には、第1実施形態と同様の前側リブ65が設けられ、後側の上側縦壁部276には、第1実施形態と同様の後側リブ66が設けられている。
[第2実施形態の作用効果]
第2実施形態におけるサスペンションハウジング200においても、支持面部52が周壁部62及び上側縦壁部276によって車体下方側から補強されていることにより、支持面部52の面剛性が高められている。また、サスペンション40のダンパ41から支持面部52に入力された荷重、及び、サスペンション40のコイルスプリング44からスプリング受部220に入力された荷重を車体後部の各部に効果的に分散できる。したがって、後輪のバンプ時において、サスペンションハウジング200の支持面部52に荷重が集中することによる局所変形を効果的に抑制できる。
また、コイルスプリング44からサスペンションハウジング200のスプリング受部220に入力された荷重は、周壁部62及び上側縦壁部276を経由して車体上方側に分散されることで、応力集中によるスプリング受部220の局所変形を抑制できる。
したがって、サスペンション40のダンパ41及びコイルスプリング44から、サスペンションハウジング200の支持面部52及びスプリング受部220に、車体幅方向の内向きの成分を含む荷重が入力されても、この荷重による応力が支持面部52及びスプリング受部220に集中することが抑制される。そのため、サスペンションハウジング200が車室内側に倒れるような変形(内倒れ変形)を効果的に抑制することができる。
また、第2実施形態においても、サスペンションハウジング200の周壁部62にサスペンション40のバンプストッパ48を収容できるため、サスペンション40の専用部品として従来から用いられているバンプストッパハウジングを省略することができる。
そのため、従来のようにサスペンションのバンプストッパハウジングよりも車体幅方向内側に間隔を空けてサスペンションハウジングの縦壁部分が配置された車体構造に比べて、サスペンションハウジング200の縦壁部270をその車体幅方向外側のバンプストッパ48に寄せて配置することができる。したがって、サスペンションハウジング200の車室内側への張り出し量が低減されることで、車体後部において、荷室空間などの車室内空間の拡大を図ることができる。
さらに、第2実施形態では、サイドフレーム6の上面及び側面にサスペンションハウジング200の上面接合部260及び側面接合部262が接合されている。そのため、サイドフレーム6に対するサスペンションハウジング200の確実な連結が図られ、サイドフレーム6に対するサスペンションハウジング200の相対変位が効果的に規制される。
また、第2実施形態では、サスペンションハウジング200の下側縦壁部272が、車体上方側に向かって車体幅方向外側に傾斜して配置されているとともに、上面接合部260と下側縦壁部272とにかけて複数のリブ206,208,210,212,214が設けられている。そのため、上面接合部260と下側縦壁部272との間のコーナ部におけるサスペンションハウジング200の屈曲変形を効果的に抑制できる。
さらに、サスペンションハウジング200の中段床部274から周壁部62の外周面にかけて設けられた一対の段上げ部280,281が補強部として機能することで、中段床部274と周壁部62の下縁部との間のコーナ部におけるサスペンションハウジング200の屈曲変形も効果的に抑制できる。しかも、車体上方側に向かって車体幅方向外側に傾斜している下側縦壁部272によって、サスペンションハウジング200における下側縦壁部272よりも上側部分の車体幅方向内側への変位が効果的に規制される。
以上の構成により、第2実施形態によれば、サスペンションハウジング200の内倒れ変形を効果的に抑制することができる。
以上、上述の実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
例えば、上述の実施形態では、サスペンションハウジング50,200のスプリング受部72,220をサイドフレーム6に連結させる連結部材101,102(図12参照)ないしコイルスプリングシート290(図21参照)が、サスペンションハウジング50,200とは別体である例を説明したが、スプリング受部72,220は、サスペンションハウジング50,200と一体に設けられた連結部を介して、サイドフレーム6に連結されてもよい。
また、上述の実施形態では、サスペンションハウジング50,200において、支持面部52からブレース部77へ荷重を伝達する前側荷重伝達部80が、車体幅方向外側に開放した断面L字状の開断面部(図10参照)である例を説明したが、前側荷重伝達部80の断面形状は特に限定されるものでなく、例えば、車体幅方向内側に開放した開断面状、又は閉断面状であってもよい。
さらに、上述の実施形態では、サスペンションハウジング50,200がアルミニウム合金製である例を説明したが、サスペンションハウジング50,200の材料は、特に限定されるものでなく、例えば、アルミニウム合金以外の金属材料、又はCFRP(炭素繊維強化プラスチック)等であってもよい。また、サスペンションハウジング50,200は、必ずしもダイカスト成形品でなくてもよく、例えば、鋳造品、鍛造品、又はプレス成形品であってもよい。さらに、サスペンションハウジング50,200は、必ずしも全体が一体に成形されなくてもよく、複数の部材を接合して形成されたものであってもよい。
さらに、上述の第1実施形態において、ホイールハウス24の荷重伝達部27は、ホイールハウスインナ26で構成されているが(図13〜図16参照)、荷重伝達部27は、ホイールハウスインナ26とこれに取り付けられた別部材とで構成されてもよいし、ホイールハウスインナ26に取り付けられた部材のみで構成されてもよい。また、上述の第1実施形態において、荷重伝達部27は、全長に亘って開断面状に形成されているが、荷重伝達部27の一部又は全体は、閉断面状に形成されてもよい。
以上のように、本発明によれば、サスペンションからの入力荷重を効果的に分散させつつ、車室内空間の拡大を図ることができる後部車体構造が提供されることから、この種の車体構造を有する自動車の製造産業分野において好適に利用される可能性がある。
1 自動車
2 フロアパネル
5 クロスメンバ
6 サイドフレーム
10 ルーフサイドレール
12 Cピラー
14 Dピラー
20 サイドパネル
24 ホイールハウス
25 ホイールハウスアウタ
26 ホイールハウスインナ
27 ホイールハウスの荷重伝達部
32 アウタピラー部材
34 外側補強部材
36 サイドブレース
38 上側ブレース部材
40 サスペンション
41 ダンパ
42 ピストンロッド
43 シリンダ
44 コイルスプリング
46 シートラバー
48 バンプストッパ
50 サスペンションハウジング
52 支持面部
56 接続部
58 下側接合面部
59 中段床部
60 縦壁部
62 周壁部
63 前壁部
64 後壁部
67,68 窪み部
65,66 リブ
69 上側接合面部
71a リブ
73,74,75 突出部(高剛性部)
77 ブレース部
78,79 補強リブ
80 前側荷重伝達部
81 連結面部
82 側面部
84 連絡面部
85 後側荷重伝達部
90 下側延長部
91a リブ
101,102 連結部材
200 サスペンションハウジング
220 スプリング受部
206,208,210,212,214 リブ(高剛性部)
260 上面接合部
262 側面接合部
270 縦壁部
272 下側縦壁部
274 中段床部
276 上側縦壁部
280,281 段上げ部(補強部)
280a,281a 上方延長部

Claims (11)

  1. 車体後部の側面部に設けられたホイールハウスと、
    前記ホイールハウスの車体幅方向内側において車体前後方向に延びるサイドフレームと、
    車体上下方向に延びるダンパ、及び、該ダンパの軸心上に配置されたバンプストッパを有するサスペンションと、
    前記ダンパを支持する支持面部を有し、前記サイドフレームと前記ホイールハウスとを連結するサスペンションハウジングと、を備えた車両の後部車体構造であって、
    前記サスペンションハウジングは、前記支持面部から車体下方側に延びて前記バンプストッパを包囲するように配置された周壁部を備えていることを特徴とする車両の後部車体構造。
  2. 前記周壁部は、車体上下方向に延びる円筒状とされていることを特徴とする請求項1に記載の車両の後部車体構造。
  3. 前記サスペンションハウジングは、前記支持面部からそれぞれ車体下方側に延びる前壁部及び後壁部を備え、
    前記前壁部は、前記周壁部の軸方向から見て該周壁部の前端における接線方向に沿って配置され、
    前記後壁部は、前記周壁部の軸方向から見て該周壁部の後端における接線方向に沿って配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両の後部車体構造。
  4. 前記サスペンションは、前記ダンパを取り巻くように配置されたスプリングを備え、
    前記周壁部の下端部に、前記スプリングの上端部を支持するスプリング受部が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両の後部車体構造。
  5. 前記スプリング受部は、前記周壁部の下縁から径方向外側にフランジ状に拡がるように設けられ、
    前記スプリング受部の周縁部に沿って高剛性部が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の車両の後部車体構造。
  6. 前記サスペンションハウジングにおける前記サイドフレームとの連結部は、前記サイドフレームの上面に接合された上面接合部を有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の車両の後部車体構造。
  7. 前記サスペンションハウジングは、前記上面接合部における車体幅方向外側縁部から車体上方側に向かって前記支持面部における車体幅方向内側縁部まで延びる縦壁部と、前記上面接合部から前記縦壁部にかけて設けられた高剛性部とを更に備えていることを特徴とする請求項6に記載の車両の後部車体構造。
  8. 前記縦壁部は、前記上面接合部における車体幅方向外側縁部から車体上方側に延びる下側縦壁部と、該下側縦壁部の上縁部から車体幅方向外側に延びて前記周壁部の下縁部に連なる中段床部と、該中段床部から車体上方側に向かって前記支持面部まで延びる上側縦壁部と、前記中段床部から前記周壁部の外周面にかけて設けられた補強部と、を備えていることを特徴とする請求項7に記載の車両の後部車体構造。
  9. 前記下側縦壁部は、車体上方側に向かって車体幅方向外側に傾斜して配置されていることを特徴とする請求項8に記載の車両の後部車体構造。
  10. 前記中段床部の一部は、前記サスペンションのスプリングを車体上方側から受けるスプリング受部であり、
    前記補強部は、前記スプリング受部の一部を段上げしてなる段上げ部であることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の車両の後部車体構造。
  11. 前記下側縦壁部は、前記中段床部よりも車体上方側に延びて、前記段上げ部の一部を構成する上方延長部を有することを特徴とする請求項10に記載の車両の後部車体構造。
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