JP6485480B2 - 車両の後部車体構造 - Google Patents

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本発明は、サスペンションハウジングを備えた車両の後部車体構造に関し、車体の生産技術分野に属する。
特許文献1に開示されているように、車体後部には、車体前後方向に延びるサイドフレームと、後輪を収容するホイールハウスとに跨がって、サスペンションのダンパを支持する支持部を有するサスペンションハウジングが設けられることがある。
一般に、ダンパは、車体上方側に向かって車体幅方向内側に傾斜して配置されるため、後輪のバンプ時にダンパからサスペンションハウジングに入力される荷重には、車体幅方向の内向きの成分が含まれる。このような荷重がサスペンションハウジングの支持部に集中すると、サスペンションハウジングにおいて、支持部が車室内側に倒れるような変形(以下、「内倒れ変形」という)が生じやすくなる。
特許文献1に開示されたサスペンションハウジングには、その支持部の前端部を補強する補強壁部が設けられている。補強壁部の下端部は、サイドフレームにおけるクロスメンバとの連結部に連結されていることから、サスペンションからサスペンションハウジングに荷重が入力されたとき、該荷重の一部は、補強壁部を経由してクロスメンバに伝達され得るようになっている。
このように、サスペンションからサスペンションハウジングに入力される荷重をクロスメンバに伝達できるようにした後部車体構造では、車体後部での荷重分散がなされることで、サスペンションハウジングの内倒れ変形を抑制することが可能である。
特開2009−137374号公報
しかしながら、車体後部におけるクロスメンバとダンパなどのサスペンション部材との位置関係は、車種によって様々であり、サスペンション部材がクロスメンバよりも車体後方側に離れて配置されている場合には、サスペンション部材を支持するサスペンションハウジングの支持部も、クロスメンバから車体後方側に離れて配置されることになる。
この場合、特許文献1に開示されたようにサスペンションハウジングの支持部の前端部が補強壁部で補強された構成を採用したところで、補強壁部からその車体前方側に離れて位置するクロスメンバへの荷重伝達を効果的になし得ないため、サスペンション部材からサスペンションハウジングに入力された荷重を効果的に分散させることができない。
そこで、本発明は、サスペンション部材からサスペンションハウジングに入力された荷重を、サスペンション部材よりも車体前方側に配置されたクロスメンバへ効果的に伝達させることで、車体後部における効果的な荷重分散を図ることを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る車両の後部車体構造は次のように構成したことを特徴とする。
本願の請求項1に記載の発明は、
車体後部の側面部に設けられたホイールハウスと、
前記ホイールハウスの車体幅方向内側において車体前後方向に延びるサイドフレームと、
車体幅方向に延設され、長さ方向の端部において前記サイドフレームに連結されたクロスメンバと、
前記サイドフレームの車体幅方向外側に配設されたサスペンション部材と、
前記サスペンション部材を支持する支持部、及び、該支持部よりも車体前方側において車体上下方向に延設されて下端部において前記クロスメンバに連結されたブレース部を有し、前記サイドフレームと前記ホイールハウスとを連結するサスペンションハウジングと、を備えた車両の後部車体構造であって、
前記サスペンションハウジングは、車体前後方向に連続して開断面状又は閉断面状に形成され、前記支持部から前記ブレース部に荷重を伝達する荷重伝達部を有することを特徴とする。
なお、本明細書でいう「開断面状」の部分とは、長さ方向に直交する方向に開放した内部空間を有する断面部分を意味する。また、本明細書でいう「開断面状又は閉断面状に形成」には、全長に亘って「開断面状」に形成されること、及び、全長に亘って「閉断面状」に形成されることだけでなく、長さ方向の一部において「開断面状」に形成され、長さ方向の残りの部分において「閉断面状」に形成されることも含まれるものとする。
請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、
前記荷重伝達部は、前記支持部の前端部を前記ブレース部に連結させる連結面部を有することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、前記請求項2に記載の発明において、
前記連結面部は、車体前方側に向かって車体下方側に傾斜して配置されていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、前記請求項2または請求項3に記載の発明において、
前記ブレース部の内部に補強リブが設けられ、
前記連結面部は、前記支持部の前端部から前記補強リブに向かって延びるように設けられていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、前記請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の発明において、
前記サスペンションハウジングは、前記支持部における車体幅方向外側の縁部から車体上方側に立ち上がるように設けられて前記ホイールハウスに接合される接合面部、及び、前記連結面部の後端部と前記接合面部とに跨がって設けられたリブを有し、
前記リブの下端部は、車体幅方向において前記連結面部の後端部の略全幅に亘って設けられていることを特徴とする
請求項6に記載の発明は、前記請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の発明において、
前記荷重伝達部は、前記連結面部の車体幅方向内側縁部から車体下方側に延びる側面部を有することを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、前記請求項6に記載の発明において、
前記側面部の車体上下方向の幅は、車体前方側に向かって次第に小さくなっていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、後輪のバンプ時に、サスペンション部材からサスペンションハウジングの支持部に入力された荷重を、該支持部の車体前方側に設けられた荷重伝達部及びブレース部を経由してクロスメンバに効果的に伝達できるため、サスペンションハウジングの支持部を車室内側に倒す方向の荷重が効果的に分散されることで、サスペンションハウジングの内倒れ変形を効果的に抑制することができる。
請求項2に記載の発明によれば、サスペンション部材から支持部に荷重が入力されたとき、支持部から連結面部を経由させてブレース部へ効果的に荷重を伝達させることができる。
請求項3に記載の発明によれば、支持部からブレース部への荷重伝達が、車体前方側に向かって車体下方側に傾斜した連結面部を経由して行われることで、車体上下方向の下向きの成分を含む荷重をブレース部に入力させることができる。そのため、ブレース部において、その上端から下端へ向かう方向の荷重伝達を実現しやすくなることで、ブレース部からその下端側のクロスメンバへの荷重伝達をスムーズに行うことができ、これにより、車体各部への荷重分散効果を高めることができる。
請求項4に記載の発明によれば、ブレース部における連結面部からの荷重入力部が補強リブによって補強されるため、ブレース部の荷重伝達機能の向上を図ることができる。
請求項5に記載の発明によれば、サスペンションハウジングの支持部及び連結面部が、リブ及び接合面部を介してホイールハウスに効果的に支持されるとともに、支持部及び連結面部の面剛性がリブによって高められる。また、支持部からリブに伝達された荷重は、リブの下端部から連結面部の後端部の全幅に亘って分散して入力される。そのため、連結面部における応力の分散を図ることができ、これにより、連結面部における支持部からブレース部への荷重伝達機能を良好に発揮することができる。
請求項6に記載の発明によれば、荷重伝達部の連結面部と側面部とを経由させて、支持部からブレース部への荷重伝達を効果的に行うことができる。
請求項7に記載の発明によれば、支持部から側面部を経由させたブレース部への荷重伝達を効果的に行うことができる。
本発明の一実施形態に係る車両の後部車体構造を車室内側から見た斜視図。 同後部車体構造を車室外側から見た側面図。 同後部車体構造を車体前方側から見た図1のA−A線断面図。 サスペンションハウジングを車室内側の斜め上方から見た斜視図。 サスペンションハウジングを車室外側の斜め下方から見た斜視図。 サスペンションハウジングを車室外側から見た側面図。 サスペンションハウジングを車体上方側から見た図6のB−B線断面図。 サスペンションハウジングの一部を車体下方側から見た底面図。 サスペンションハウジングを車体前方側から見た図6のC−C線、D−D線、E−E線の各断面図。 サスペンションハウジングを車体後方側から見た図6のF−F線断面図。 サスペンションハウジングとホイールハウスインナとの接合部及びその周辺部を車室外側の斜め下方から見た斜視図。 サスペンションハウジングとサイドフレームとの連結部及びその周辺部を車室外側の斜め前方から見た斜視図。 サスペンションハウジング及びその周辺部を車体上方側から見た平面図。 サスペンションハウジングの後側荷重伝達部及びその周辺部を車室内側の斜め後方から見た斜視図。 同後側荷重伝達部及びその周辺部を車体上方側から見た図1のG−G線断面図。 同後側荷重伝達部及びその周辺部を車体前方側から見た図1のH−H線断面図。 変形例に係るサスペンションハウジングを車室内側の斜め上方から見た斜視図。 同サスペンションハウジングを車室外側の斜め下方から見た斜視図。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る車両の後部車体構造を説明する。なお、添付図面の各図には、車体幅方向の一方側(車体右側)の車体構造が図示されているが、他方側(車体左側)も同様に構成されている。また、添付図面の各図において、前/後、内/外、及び、上/下で記された方向は、それぞれ、車体前後方向、車体幅方向、及び、車体上下方向を示している。
[全体構成]
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る車両の後部車体構造を有する自動車1は、車室内空間の床部を構成するフロアパネル2と、フロアパネル2の車体幅方向外側縁部に沿って車体前後方向に延びるサイドフレーム6と、ルーフパネル(図示せず)の車体幅方向外側縁部に沿って車体前後方向に延びるルーフサイドレール10と、ルーフサイドレール10から車体下方側に延びる複数のピラー部12,14とを備えている。
サイドフレーム6、ルーフサイドレール10及び各ピラー部12,14は、それぞれ左右一対設けられているが、添付図面の各図では車体右側のもののみが図示されている。
フロアパネル2には、車体前方側部分の床面に比べて車体後方側部分の床面を高くする段差が形成されるように傾斜部3が設けられている。これにより、乗員の居室空間の床面に比べて、その車体後方側の荷室空間の床面が高く配置されている。フロアパネル2には、傾斜部3よりも車体後方側部分、すなわち荷室空間の床部を構成する部分において、車体下方側に膨出したタイヤパン4が設けられている。
サイドフレーム6には、フロアパネル2の傾斜部3に合わせて、車体後方側に向かって車体上方側に傾斜したキックアップ部7が設けられている。左右のサイドフレーム6間には、車体幅方向に延びるクロスメンバ5が架設されている。クロスメンバ5の車体幅方向端部は、サイドフレーム6におけるキックアップ部7の後端部に連結されている。
クロスメンバ5は、フロアパネル2に沿って配置されており、クロスメンバ5とフロアパネル2との間には、車体幅方向に連続する閉断面が形成されている。これにより、左右のサイドフレーム6間での荷重伝達を、クロスメンバ5を介して効果的に行うことが可能となっている。
図3の断面図に示すように、サイドフレーム6は、相互に接合されたアッパフレーム部材8及びロアフレーム部材9を備えている。アッパフレーム部材8及びロアフレーム部材9は、例えば、鋼板等の金属板をプレス成形してなるものである。
アッパフレーム部材8は、サイドフレーム6の上面を構成する上壁部8a、上壁部8aの車体幅方向内側縁部から車体下方側に延びる内側壁部8b、内側壁部8bの下縁部から車体幅方向内側に延びるフランジ部8c、及び、上壁部8aの車体幅方向外側縁部から車体上方側に延びる外側壁部8dを備えている。
ロアフレーム部材9は、アッパフレーム部材8の上壁部8aの車体下方側に対向配置されてサイドフレーム6の下面を構成する下壁部9a、下壁部9aの車体幅方向内側縁部から車体上方側に延びる内側壁部9b、内側壁部9bの上縁部から車体幅方向内側に延びるフランジ部9c、及び、下壁部9aの車体幅方向内側縁部から車体上方側に延びる外側壁部9dを備えている。
ロアフレーム部材9のフランジ部9cは、アッパフレーム部材8のフランジ部8cの下面にフロアパネル2を挟んで重ねられている。アッパフレーム部材8のフランジ部8c、フロアパネル2、及びロアフレーム部材9のフランジ部9cは、3枚重ねの状態で例えば溶接によって相互に接合されている。
ロアフレーム部材9の外側壁部9dは、アッパフレーム部材8の外側壁部8d及び内側壁部8b、並びにロアフレーム部材9の内側壁部9bに対して、これらの車体幅方向外側に対向配置されている。外側壁部9dの上縁部は、アッパフレーム部材8の外側壁部8dの車体幅方向外側の面に重ねられており、該外側壁部8dに例えば溶接によって接合されている。
以上のように構成されたサイドフレーム6では、アッパフレーム部材8とロアフレーム部材9との間に、車体前後方向に連続する閉断面が形成されている。
複数のピラー部としては、図示を省略したAピラー(フロントピラー)及びBピラー(センタピラー)、並びに、図1及び図2に示すCピラー(クォータピラー)12及びDピラー(リヤピラー)14が、車体前方側からこの順で配置されている。図1及び図2に示すように、Cピラー12とDピラー14との間にはクォータウインドウ16が設けられ、Cピラー12とBピラー(図示せず)との間には後席乗降用のリヤドア開口部18が設けられている。
自動車1は、リヤドア開口部18の車体後方側に隣接する部分において車体の側面部を構成するサイドパネル20と、該サイドパネル20の下縁に沿って設けられた後輪用のホイールハウス24とを備えている。サイドパネル20及びホイールハウス24の前下端部は、車体前後方向に延びるサイドシル30(図1参照)の後端部に接続されている。
サイドパネル20は、車体上下方向に連ねて配設されたアッパパネル21とロアパネル22とを備えている。アッパパネル21の下端部とロアパネル22の上端部とは、例えば溶接によって相互に接合されている。
ホイールハウス24は、サイドパネル20から車体幅方向外側に膨出するホイールハウスアウタ25(図2参照)と、サイドパネル20から車体幅方向内側に膨出するホイールハウスインナ26(図1参照)とを備えている。
ホイールハウスアウタ25及びホイールハウスインナ26は、例えば、鋼板等の金属板をプレス成形してなるものである。図3に示すように、ホイールハウスアウタ25は、例えば、サイドパネル20のロアパネル22と一体に設けられている。ホイールハウスインナ26は、ロアパネル22の車室内側の面に例えば溶接によって接合されている。
図2に示すように、Cピラー12は、車体上下方向に延びるアウタピラー部材32を備えている。アウタピラー部材32は、車体幅方向内側に開放した例えば断面ハット状の部材である。アウタピラー部材32は、その開放部がサイドパネル20によって塞がれるように配置されており(図1参照)、例えば溶接によってサイドパネル20の車室外側の面に接合されている。これにより、Cピラー12では、アウタピラー部材32とサイドパネル20との間において、車体上下方向に連続する閉断面が形成されている。
アウタピラー部材32の上端部は、例えば溶接によってルーフサイドレール10に接合され、アウタピラー部材32の下端部は、例えば溶接によってホイールハウスアウタ25の上面部に接合されている。これにより、Cピラー12は、ホイールハウス24とルーフサイドレール10とを連結しており、これらの間での荷重伝達機能を担っている。
また、サイドパネル20の車室外側の面には、Cピラー12よりも車体後方側において車体上下方向に延びる外側補強部材34が、例えば溶接によって接合されている。外側補強部材34は、車体幅方向内側に開放した断面ハット状の部材であり、サイドパネル20との間で車体上下方向に連続する閉断面を形成している。
外側補強部材34は、その下端部においてホイールハウスアウタ25の上面部に例えば溶接によって接合され、上端部においてDピラー14に例えば溶接によって接合されている。このようにしてホイールハウスアウタ25とDピラー14とを連結する外側補強部材34は、ホイールハウス24とDピラー14との間での荷重伝達機能を果たす荷重伝達部材である。
[ホイールハウスインナ]
図1及び図3に示すように、ホイールハウスインナ26は、サイドフレーム6の車体幅方向外側に隣接して配置された車体側面視略半円状の縦壁部26aと、該縦壁部26aの周縁部から車体幅方向外側に向かって延びる周壁部26bと、該周壁部26bの車体幅方向外側の周縁部から径方向外側に拡がるフランジ部26cとを備えている。フランジ部26cは、例えば溶接によってロアパネル22に接合されている。
ホイールハウスインナ26の縦壁部26aにおける車体前後方向中央部には、車体幅方向外側に凹んだ窪み部26dが、車体上下方向に延びる溝状に形成されている。縦壁部26aの下縁部には切欠26e(図11及び図12参照)が設けられている。なお、図11及び図12では、サスペンション40の図示が省略されている。
ホイールハウスインナ26には、前記切欠26eを車体幅方向内側から塞ぐようにサスペンションハウジング50が接合されている。サスペンションハウジング50の構成については後に説明する。
図1及び図14に示すように、ホイールハウスインナ26には、車体上方側且つ車体幅方向外側に向かって延びる荷重伝達部27が設けられている。荷重伝達部27は、縦壁部26a及び周壁部26bから車室内側に膨出するようにホイールハウスインナ26と一体に設けられている。
荷重伝達部27は、縦壁部26aの窪み部26dよりも車体後方側に配置されている。荷重伝達部27は、縦壁部26aの車体上下方向中間部から車体上方側に向かって縦壁部26aと周壁部26bとの間のコーナ部まで縦壁部26aに沿って延び、さらに、前記コーナ部から車体幅方向外側に向かってフランジ部26cまで周壁部26bに沿って延びている。荷重伝達部27の車体前後方向の幅は、その上端側に向かうに従って次第に大きくなっている。
図15の断面図に示すように、荷重伝達部27は、例えば、車室外側に向かって開放した断面ハット状である。荷重伝達部27は、その長さ方向の略全長に亘って同様の断面形状を有する。すなわち、荷重伝達部27は、車体上下方向に連続して開断面状に形成されている。
荷重伝達部27は、前面部27a、側面部27b及び後面部27cを有する。前面部27aは側面部27bの前縁部から、後面部27cは側面部27bの後縁部からそれぞれ車体幅方向外側に延びるように設けられている。
前面部27aは、車体幅方向外側に向かって車体前方側に傾斜して配置され、後面部27cは、車体幅方向外側に向かって車体後方側に傾斜して配置されている。側面部27bと前面部27aとの間、及び、側面部27bと後面部27cとの間には、それぞれ鈍角のコーナ部が形成されている。これにより、荷重伝達部27の断面形状は、車体幅方向外側に向かって拡開した形状となっている。
図1に示すように、荷重伝達部27の上端部は、サイドパネル20を挟んで外側補強部材34の下端部に対向配置されている。これにより、荷重伝達部27と外側補強部材34がサイドパネル20を介して相互に連結されていることで、ホイールハウスインナ26から外側補強部材34への効果的な荷重伝達が可能となっている。
[サイドブレース]
ホイールハウスインナ26の窪み部26dよりも車体前方側には、クロスメンバ5とCピラー12とを連結させるサイドブレース36が配設されている。サイドブレース36は、クロスメンバ5の端部からCピラー12の下端部にかけて、ホイールハウスインナ26の車室内側の面に沿いながら車体幅方向外側且つ車体上方側へ延びるように設けられている。
サイドブレース36は、ホイールハウスインナ26に例えば溶接によって接合された上側ブレース部材38と、後述のサスペンションハウジング50に一体に設けられ、上側ブレース部材38の下端部に連結されたブレース部77とを備えている。
上側ブレース部材38は、車室外側に開放する断面ハット状の長尺部材である。上側ブレース部材38は、例えば、ホイールハウスインナ26よりも厚肉の鋼板からなる高剛性部材である。上側ブレース部材38の下端部は、例えばSPR(セルフピアシングリベット)によってブレース部77に接合され、上側ブレース部材38の上端部は、例えば溶接によってサイドパネル20のロアパネル22に接合されている。
上側ブレース部材38の上端部は、サイドパネル20を挟んでアウタピラー部材32の下端部に対向配置されている。これにより、サイドブレース36とCピラー12が相互に連結されていることで、サイドブレース36とCピラー12との間での荷重伝達を効果的に果たすことができる。
サイドブレース36における上側ブレース部材38よりも車体下方側部分は、サスペンションハウジング50のブレース部77で構成されている。ブレース部77の構成については、サスペンションハウジング50の構成の説明と併せて後に説明する。
[サスペンション]
図3に示すように、後輪用のサスペンション40は、サイドフレーム6とホイールハウスインナ26とを連結するように設けられた後述のサスペンションハウジング50に支持されている。
サスペンション40は、主な構成要素として、車輪と車体との間に介在されて衝撃を吸収するコイルスプリング44、及び、車輪と車体との間で伸縮可能に設けられてコイルスプリング44の振動を吸収するダンパ41を備えている。
ダンパ41は、サイドフレーム6の車体幅方向外側に隣接して、車体上下方向に延びるように配設されている。ダンパ41は、ピストンロッド42とシリンダ43を備えている。シリンダ43に対してピストンロッド42が摺動することで、ダンパ41がその軸心方向に伸縮するように構成されている。ダンパ41の軸心は、車体上下方向に対して、車体上方側に向かって車体幅方向の内側に傾斜(オフセット)して配置されている。
シリンダ43の下端部(図示せず)は、ナックル等を介して車輪に連結されている。シリンダ43の長さ方向中間部には、ロアスプリングシート47が取り付けられている。ロアスプリングシート47は、例えば溶接によって、シリンダ43の外周面に固定されている。
ピストンロッド42は、シリンダ43から車体上方側に突出して設けられている。ピストンロッド42の上端部ないし上端近傍部にはアッパマウント45が取り付けられている。アッパマウント45は、サスペンションハウジング50における後述の支持面部52に固定されている。これにより、ダンパ41の上端部は、アッパマウント45及びサスペンションハウジング50を介して車体に連結されている。
アッパマウント45の車体下方側且つロアスプリングシート47の車体上方側の位置には、アッパスプリングシートとして機能する後述のスプリング受部72が、サスペンションハウジング50に一体に設けられている。スプリング受部72は、アッパマウント45を介してピストンロッド42に固定され、ロアスプリングシート47は、シリンダ43に固定されていることから、ダンパ41の軸心方向におけるスプリング受部72とロアスプリングシート47との間隔は、ダンパ41の伸縮に応じて変化するようになっている。
コイルスプリング44は、ダンパ41を取り巻くように、該ダンパ41と概ね同軸上に配置されている。なお、コイルスプリング44の荷重軸は、ダンパ41の軸心に対して必ずしも一致していなくてもよく、ダンパ41の軸心に対して傾斜して配置されていてもよい。
コイルスプリング44は、サスペンションハウジング50のスプリング受部72とロアスプリングシート47との間に介装されている。コイルスプリング44とスプリング受部72との間には、シートラバー46が介在されており、これにより、後輪のバンプ時における衝撃の緩和ひいては異音の低減が図られている。
また、サスペンション40は、ダンパ41の軸心上に配置されたバンプストッパ48を有する。バンプストッパ48は、例えば、軸方向位置に応じて外径が変化する筒状部材であり、例えばゴム又はウレタンからなる。バンプストッパ48は、ピストンロッド42の外側に嵌合されており、軸方向においてシリンダ43とサスペンションハウジング50の支持面部52との間に配置されている。
[サスペンションハウジング]
図4〜図6には、サスペンションハウジング50の全体が図示されている。サスペンションハウジング50は、例えば、ダイカストによって成形されたアルミニウム合金製の部材である。
[支持面部]
サスペンションハウジング50は、サスペンション40のダンパ41を支持する支持面部52を備えている。支持面部52は、車体上下方向に交差するように配置された板状部である。支持面部52は、車体幅方向の幅に比べて車体前後方向の幅が大きくなるような細長い形状を有する。支持面部52の車体幅方向の幅は、該支持面部52の車体前後方向の中央において最大とされ、車体前方側及び車体後方側の端部に向かってそれぞれ次第に小さくなっている。
支持面部52の車体前後方向中央部には、ダンパ41のピストンロッド42を挿通させるための貫通穴53が設けられている。また、支持面部52には、複数のボルト挿通穴54,55が設けられている。ボルト挿通穴54,55は、例えば、貫通穴53よりも車体前方側及び車体後方側に1つずつ設けられている。貫通穴53及び前後一対のボルト挿通穴54,55は、支持面部52の長さ方向に間隔を空けて並んで配置されている。
図3に示すように、支持面部52は、サイドフレーム6よりも車体幅方向外側且つ車体上方側において、ダンパ41の軸心に直交するように配置されている。支持面部52の上面には、サスペンション40のアッパマウント45が取り付けられている。アッパマウント45は、例えば、ボルト挿通穴54,55に挿通されたボルト49(図13及び図14参照)によって、支持面部52に固定されている。ボルト49による締結部は、ダンパ41の車体前方側及び車体後方側にそれぞれ設けられている。ダンパ41は、アッパマウント45を介して支持面部52に固定されている。
図3〜図6に示すように、サスペンションハウジング50は、支持面部52における車体幅方向外側の縁部から車体上方側に立ち上がってホイールハウスインナ26に連結される上側接合面部69を備えている。上側接合面部69は、車体前後方向に間隔を空けて配置された複数の接合部R1,R2,R3,R4(図11参照)において、例えばSPRによってホイールハウスインナ26における切欠26eの上側周縁部に接合されている。
[接続部]
また、サスペンションハウジング50は、支持面部52をサイドフレーム6に接続させる接続部56を備えている。接続部56は、車体幅方向に交差するように配置されてサイドフレーム6に連結される下側接合面部58、下側接合面部58の上縁部から車体幅方向外側に延びる中段床部59、及び、中段床部59の車体幅方向外側の縁部から車体上方側に向かって支持面部52の車体幅方向内側の縁部まで延びる縦壁部60を有する。
図9(a)、図9(b)、及び図9(c)は、それぞれ、サスペンションハウジング50を車体前方側から見た図6のC−C線断面図、D−D線断面図、及びE−E線断面図である。図9(a)〜図9(c)に示すように、車体前後方向から見たサスペンションハウジング50の断面形状は、下側接合面部58から中段床部59、縦壁部60及び支持面部52を経由して上側接合面部69に至る部分において、車体幅方向外側に向かうに従って高くなる階段状となっている。
図4〜図6に示すように、下側接合面部58は、車体前後方向に延びるように帯状に形成されている。下側接合面部58の下縁は、波状に蛇行しながら車体前後方向に延設されている。下側接合面部58は、サイドフレーム6の外側壁部8dの車室内側の面に重ねて配置され(図3参照)、長さ方向に間隔を空けた複数箇所において例えばSPRによってサイドフレーム6に接合される。
車体前後方向において、下側接合面部58は、支持面部52よりも長く形成されている。下側接合面部58の前端は、支持面部52の前端よりも車体前方側に位置し、下側接合面部58の後端は、支持面部52の後端よりも車体後方側に位置している。
中段床部59は、車体前後方向に延びるように細長く形成されている。中段床部59の車体幅方向内側の縁部は、車体上下方向から見て、車体幅方向の内側に向かって僅かに膨出するような円弧状に形成されている。
図3に示すように、中段床部59は、車体幅方向外側に向かって僅かに車体上方側に傾斜して配置されている。中段床部59と下側接合面部58との間には、鈍角のコーナが形成されている。
図4に示すように、縦壁部60の車体前後方向中央部は、支持面部52から車体下方側に延びる周壁部62の車体幅方向内側端部で構成されており、縦壁部60における周壁部62よりも車体前方側及び車体後方側の各部は、平板状に形成されている。
[周壁部]
図4〜図7に示すように、周壁部62は、車体上下方向に延びる円筒状とされている。図8に示すように、周壁部62の内周面は、支持面部52の貫通穴53よりも大径とされ、軸方向から見て該貫通穴53と同心円状に配置されている。
図3に示すように、周壁部62は、支持面部52の車体下方側に配置されたサスペンション40のバンプストッパ48を包囲するように配置されている。このようにして周壁部62内にバンプストッパ48が収容されることで、バンプストッパ48を異物や水などから保護できる。
図4〜図7に示すように、サスペンションハウジング50には、周壁部62の車体前方側において前壁部63、周壁部62の車体後方側において後壁部64がそれぞれ設けられている。前壁部63及び後壁部64は、それぞれ、車体前後方向に交差するように配置された平板状の壁部であり、支持面部52から車体下方側に延びるように設けられている。
図7に示すように、前壁部63は、周壁部62の軸方向から見て該周壁部62の前端における接線方向に沿って配置されており、後壁部64は、周壁部62の軸方向から見て該周壁部62の後端における接線方向に沿って配置されている。
[スプリング受部]
図5に示すように、サスペンションハウジング50には、前述のスプリング受部72が、中段床部59から車体幅方向外側に突出して設けられている。スプリング受部72は、周壁部62の下端部に設けられている。より具体的に、スプリング受部72は、周壁部62の下縁から径方向外側にフランジ状に拡がるように設けられている。これにより、スプリング受部72の中央部には、周壁部62の内周面で構成された貫通穴が形成されており、該貫通穴に、ダンパ41のピストンロッド42が挿通される(図3参照)。
図3に示すように、スプリング受部72は、サイドフレーム6よりも車体幅方向外側且つ車体上方側に配置されており、サスペンション40のコイルスプリング44の上端部を、例えばシートラバー46を介して支持している。このように、本実施形態のサスペンションハウジング50は、支持面部52によってダンパ41を支持するだけでなく、中段床部59に設けられたスプリング受部72を利用して、コイルスプリング44も支持できるようになっている。
また、周壁部62の下端部に設けられたスプリング受部72が中段床部59に連なっていることにより、周壁部62は、その下端側において、スプリング受部72を介して中段床部59に連結されている。さらに、周壁部62の上端側は支持面部52に連結されていることから、支持面部52と中段床部59とは、周壁部62を介して相互に連結されていることになる。これにより、下側接合面部58、中段床部59、縦壁部60、及び支持面部52からなる階段状断面の変形が効果的に抑制されている。
図5及び図8に示すように、スプリング受部72の下面は、略円形の輪郭を有している。すなわち、スプリング受部72においてコイルスプリング44からの荷重を受ける部分は、前記貫通穴の外周部からスプリング受部72の外周部に亘る環状部分で構成されており、これにより、スプリング受部72の面積の最小化が図られている。
スプリング受部72の周縁部には、スプリング受部72から車体下方側に突出した突出部73,74,75が設けられている。突出部73,74,75は、周方向に間隔を空けて複数設けられている。
複数の突出部73,74,75は、例えば、スプリング受部72の車体幅方向外側の半部の周縁に沿って連続して延びる平面視半円状の第1突出部73、スプリング受部72の中心よりも車体幅方向内側かつ車体前方側の部分の周縁に沿って平面視円弧状に延びる第2突出部74、及び、スプリング受部72の中心よりも車体幅方向内側かつ車体後方側の部分の周縁に沿って平面視円弧状に延びる第3突出部75を有する。第1、第2、第3突出部73,74,75は、周方向において互いに間隔を空けて配置されている。
このようにしてスプリング受部72の周縁部に設けられた突出部73,74,75は、シートラバー46及びコイルスプリング44の上端部を径方向に位置決めする位置決め機能を有するとともに、スプリング受部72の面剛性を高める高剛性部としても機能する。これにより、スプリング受部72によるコイルスプリング44の支持強度が高められている。
なお、本実施形態では、上記の突出部73,74,75からなる高剛性部が、スプリング受部72の周縁部に沿って断続的に延びるように設けられているが、高剛性部は、スプリング受部72の周縁部の全周に亘って連続的に設けられてもよい。
[スプリング受部とサイドフレームとの連結]
また、サスペンションハウジング50は、スプリング受部72をサイドフレーム6に連結させるためにスプリング受部72から下方に突出して設けられた被連結部73a,73bを有する。
被連結部73a,73bは、車体前後方向に間隔を空けて前後一対設けられている。各被連結部73a,73bは、車体前後方向に交差するリブ状部であり、第1突出部73の周方向端部に連ねて設けられている。また、各被連結部73a,73bは、第1突出部73の下端よりも車体下方側に突出している。前側の被連結部73aは、第2突出部74の車体前方側に隣接して配置されており、後側の被連結部73bは、第3突出部75の車体後方側に隣接して配置されている。
図12に示すように、スプリング受部72は、その車体下方側に設けられた上記の被連結部73a,73bと連結部材101,102とを介して、サイドフレーム6に連結されている。
連結部材101,102は、車体前後方向に間隔を空けて前後一対設けられている。これらの連結部材101,102は、例えば、鋼板等の金属板をプレス成形してなるものである。
各連結部材101,102は、車体前後方向に交差するように配置されてスプリング受部72に連結される第1連結面部103、車体幅方向に交差するように配置されてサイドフレーム6の車体幅方向外側に連結される第2連結面部104、及び、車体上下方向に交差するように配置されてサイドフレーム6の車体下方側に連結される第3連結面部105を有する。
第2連結面部104は、サイドフレーム6の車体幅方向外側の面に例えば溶接によって接合されている。第3連結面部105は、第2連結面部104の下縁部から車体幅方向内側に延びるように設けられ、サイドフレーム6の車体下方側の面に例えば溶接によって接合されている。
前側の連結部材101において、第1連結面部103は、第2連結面部104の前縁部から車体幅方向外側に延びるように設けられている。第1連結面部103は、車体前後方向から見て、例えば、車体下方側に向かって先細りする三角形状とされている。第1連結面部103の上端部は、サスペンションハウジング50の前側の被連結部73aの例えば車体後方側の面に、例えばSPRによって接合されている。
後側の連結部材102において、第1連結面部103は、第2連結面部104の後縁部から車体幅方向外側に延びるように設けられている。第1連結面部103は、車体前後方向から見て、例えば、車体下方側に向かって先細りする三角形状とされている。第1連結面部103の上端部は、サスペンションハウジング50の後側の被連結部73bの例えば車体前方側の面に、例えばSPRによって接合されている。
各連結部材101,102は、第1連結面部103における車体幅方向外側縁部に連なるフランジ部106を更に有する。前側の連結部材101におけるフランジ部106は、第1連結面部103から車体前方側に延びるように設けられ、後側の連結部材102におけるフランジ部106は、第1連結面部103から車体後方側に延びるように設けられている。各フランジ部106の下端部は、第3連結面部105に連なっている。
なお、前後の連結部材101,102は、第2連結面部104同士、又は第3連結面部105同士の少なくとも一方が連なるように、一体に設けられてもよい。
上記のように、スプリング受部72は、被連結部73a,73b及び連結部材101,102を介してサイドフレーム6に連結されていることにより、サスペンション40のコイルスプリング44(図3参照)から荷重が入力されたときの挙動に関して、サイドフレーム6との一体化が図られている。
[縦壁部の高剛性部]
図4及び図7に示すように、縦壁部60には、周壁部62の前端部に沿って車体上下方向に延びる溝状の前側窪み部67、及び、周壁部62の後端部に沿って車体上下方向に延びる溝状の後側窪み部68が設けられている。前側窪み部67及び後側窪み部68は、それぞれ縦壁部60の全高に亘って設けられている。
また、縦壁部60には、縦壁部60における前側窪み部67よりも車体前方側部分から車体幅方向内側に突出した前側リブ65、及び、縦壁部60における後側窪み部68よりも車体後方側部分から車体幅方向内側に突出した後側リブ66が設けられている。前側リブ65及び後側リブ66は、それぞれ車体上下方向に延びるように設けられている。また、前側リブ65及び後側リブ66は、それぞれ縦壁部60の全高に亘って設けられている。
上記の窪み部67,68及びリブ65,66は、縦壁部60において車体上下方向に延びるように設けられた高剛性部であり、これらの高剛性部によって、縦壁部60の面剛性が高められている。
図4に示すように、車体幅方向から見て、縦壁部60における前側リブ65の車体前後方向位置と、支持面部52における前側のボルト挿通穴54の車体前後方向位置とは互いに重複している。また、車体前後方向において、縦壁部60における後側リブ66の車体前後方向位置と、支持面部52における後側のボルト挿通穴55の車体前後方向位置とは互いに重複している。
このように、車体幅方向から見て、縦壁部60の各リブ65,66の車体前後方向位置は、ボルト49によるアッパマウント45の締結部(図13及び図14参照)の車体前後方向位置と重複している。したがって、支持面部52においてダンパ41からの荷重が入力される締結部及びその周辺部を、縦壁部60におけるリブ65,66が設けられた部分によって効果的に支持できる。
[ブレース部及び前側荷重伝達部]
サスペンションハウジング50における支持面部52よりも車体前方側部分には、サイドブレース36(図1参照)の一部を構成するブレース部77、及び、支持面部52からブレース部77に荷重を伝達する前側荷重伝達部80が設けられている。
ブレース部77は、支持面部52よりも車体前方側において車体上下方向に延びるように設けられている。ブレース部77は、車室外側に開放した開断面部で構成されている。ブレース部77の開口部は、ホイールハウスインナ26によって車室外側から塞がれており(図11参照)、これにより、ブレース部77とホイールハウスインナ26との間に、車体上下方向に連続する閉断面が形成されている。ブレース部77の車体幅方向内側の側面は、車体上方側に向かって車体幅方向外側に傾斜して配置されている。
図4〜図6に示すように、ブレース部77は、車体前後方向に交差するように配置された前面部77a、前面部77aにおける車体幅方向内側縁部から車体後方側に延びる側面部77b、及び、側面部77bにおける車体後方側の縁部から車体幅方向外側に延びて前面部77aの車体後方側に対向配置される後面部77cを有する。
ブレース部77の内部には、補強リブ78,79が設けられており、これにより、ブレース部77の断面変形が抑制されている。補強リブ78,79は、例えば、車体上下方向に間隔を空けて配置された上側補強リブ78及び下側補強リブ79である。
各補強リブ78,79は、その車体前方側縁部において前面部77aに、車体幅方向内側縁部において側面部77bに、車体後方側縁部において後面部77cに連結されている。これにより、ブレース部77の内部空間は、各補強リブ78,79によって車体上下方向に仕切られている。
図6に示すように、上側補強リブ78と下側補強リブ79は、車体前方側に向かって車体下方側に傾斜して配置されている。上側補強リブ78と下側補強リブ79は、車体幅方向から見て、互いに略平行に配置されている。
また、図4及び図5に示すように、ブレース部77は、側面部77bの車体上方側縁部から車体幅方向外側に延びる上面部77d、上面部77dの車体幅方向外側縁部から車体上方側に延びる上側フランジ部77e、上面部77dの車体前方側縁部と上側フランジ部77eの車体前方側縁部とに跨がる前側リブ77f、及び、上面部77dの車体後方側縁部と上側フランジ部77eの車体後方側縁部とに跨がる後側リブ77gを有する。前側リブ77fは、前面部77aの上端部で構成されており、後側リブ77gは、後面部77cの上端部で構成されている。
さらに、ブレース部77は、前面部77aの車体幅方向内側縁部から車体前方側に延びる前側接合面部77h、側面部77bの下縁部から車体幅方向内側に延びる内側接合面部77i、及び、後面部77cの下縁部から車体後方側に延びる後側接合面部77jを有する。
前側接合面部77hは、車体上下方向に間隔を空けて配置された複数の接合部R10,R11,R12,R13(図11参照)において、例えばSPRによってホイールハウスインナ26に接合されている。また、内側接合面部77iはクロスメンバ5に、後側接合面部77jはサイドフレーム6に、それぞれ例えばSPRによって接合されている(図1参照)。
図1に示すように、ブレース部77の上端部には、上側ブレース部材38の下端部が上面部77d、前側リブ77f及び後側リブ77gを覆い隠すように車室内側から重ねて配置され、例えばSPRによって接合されている。これにより、ブレース部77の上端部が上側ブレース部材38の下端部に連結されることで、上側ブレース部材38とブレース部77からなるサイドブレース36が構成されている。
また、ブレース部77の下端部は、内側接合面部77iにおいてクロスメンバ5に接合されることで、該クロスメンバ5の車体幅方向外側端部に連結されている。これにより、サイドブレース36とクロスメンバ5との間での荷重伝達が可能となっている。
図4及び図5に示すように、サスペンションハウジング50において、支持面部52と前側荷重伝達部80との間には、車体前後方向に交差する面に沿って配置された仕切壁部70が設けられている。
仕切壁部70を挟んだ車体前方側には、上側接合面部69を車体前方側に延長させてなる延長面部83が設けられている。延長面部83は、ホイールハウスインナ26に対して、その切欠26eの前側周縁の接合部R8(図11参照)において、例えばSPRによって接合されている。
仕切壁部70は、上側接合面部69の前縁部、支持面部52の前縁部、及び縦壁部60の前縁部を互いに繋ぐように設けられている。仕切壁部70は、支持面部52の前縁部よりも車体幅方向内側及び車体上方側にそれぞれ突出して配置されており、仕切壁部70における支持面部52よりも車体上方側に突出した部分は、例えば、車体上方側に向かって先細りする三角形状のリブ70aを構成している(図4参照)。
仕切壁部70における支持面部52よりも車体下方側部分は、車体前後方向から見て、例えば、車体下方側に向かって先細りする三角形状に形成されている(図5参照)。仕切壁部70の下端部は、中段床部59の車体幅方向外側縁部に連なっている。
前側荷重伝達部80は、支持面部52の前縁部をブレース部77の後面部77cに連結させる連結面部81を有する。連結面部81は、車体上下方向に交差する面に沿って配置されており、仕切壁部70から車体前方側に延びるように設けられている。連結面部81は、車体幅方向から見て車体前方側に向かって車体下方側に傾斜して配置されている(図6参照)。
連結面部81の車体幅方向外側縁部は、コーナ部を介して延長面部83の下縁部に連なっている。すなわち、連結面部81は、延長面部83の下縁部から車体幅方向内側に延びるように設けられている。
車体上下方向において、連結面部81の後縁部は、支持面部52と略同じ高さ位置に配置されている。すなわち、連結面部81の後縁部は、仕切壁部70を介して支持面部52の前縁部に連結されている。上述のリブ70aは、上側接合面部69と延長面部83との境界部と、連結面部81の後縁部とに跨がって設けられている。リブ70aの下端部は、車体幅方向において連結面部81の後縁部の略全幅に亘って設けられている(図13参照)。
このようにして設けられたリブ70a、上側接合面部69、及び延長面部83を介して、支持面部52及び連結面部81は、ホイールハウスインナ26に効果的に支持されるとともに、支持面部52及び連結面部81の面剛性がリブ70aによって高められている。また、サスペンション40のダンパ41から支持面部52に荷重が入力されたとき、支持面部52から直接又は上側接合面部69を介してリブ70aに伝達された荷重は、リブ70aの下端部から連結面部81の後端部の全幅に亘って分散して入力される。
さらに、前側荷重伝達部80は、連結面部81の車体幅方向内側縁部から車体下方側に延びる側面部82を有する。側面部82は、仕切壁部70の車体幅方向内側縁部から車体前方側に延びるように設けられている。側面部82の下縁部は、コーナ部を介して中段床部59の車体幅方向外側縁部に連なっている。側面部82の車体上下方向の幅は、車体前方側に向かって次第に小さくなっている。
図10に示すように、前側荷重伝達部80は、連結面部81と側面部82とからなるL字状の開断面を形成している。すなわち、前側荷重伝達部80は、車体前後方向に連続して開断面状に形成されている。
なお、前側荷重伝達部80で形成される断面部は、必ずしも開断面でなくてもよく、前側荷重伝達部80の一部又は全体において、サスペンションハウジング50と例えばホイールハウスインナ26等の別部材との間に閉断面が形成されるようにしてもよいし、サスペンションハウジング50単体で閉断面が形成されるようにしてもよい。
サスペンションハウジング50は、前側荷重伝達部80においてはホイールハウスインナ26に接合されていないが、前側荷重伝達部80の車体上方側に隣接する上記の接合部R8においてホイールハウスインナ26に接合されると共に、前側荷重伝達部80の車体下方側に隣接する接合部R9においても例えばSPRによってホイールハウスインナ26に接合されている。接合部R9は、車体前後方向において側面部82が占める領域において下側接合面部58に設けられている。
以上のように、サスペンションハウジング50では、支持面部52と、その車体前方側に離間して配置されたブレース部77との間に前側荷重伝達部80が設けられている。これにより、サスペンション40のダンパ41から支持面部52に荷重が入力されたとき、支持面部52からブレース部77への荷重伝達を、前側荷重伝達部80を経由させることで効果的になし得る。
また、この荷重伝達が、車体前方側に向かって車体下方側に傾斜した連結面部81を経由して行われることで、車体上下方向の下向きの成分を含む荷重をブレース部77に入力させることができる。そのため、ブレース部77において、その上端から下端へ向かう方向の荷重伝達を実現しやすくなることで、ブレース部77からその下端側のクロスメンバ5への荷重伝達をスムーズに行うことができ、これにより、車体各部への荷重分散効果を高めることができる。
図6に示すように、前側荷重伝達部80の連結面部81は、支持面部52の前端部から、ブレース部77の内部に設けられた上側補強リブ78に向かって延びるように設けられている。また、上側補強リブ78の後端部は、車体上下方向において、前側荷重伝達部80の連結面部81の前端部と略同じ高さ位置に配置されている。
このような連結面部81と上側補強リブ78との位置関係により、ブレース部77における連結面部81からの荷重入力部は、上側補強リブ78によって効果的に補強されている。また、上側補強リブ78は、車体前方側に向かって車体下方側へ傾斜して配置されているため、上側補強リブ78において、その上端から下端に向かう方向の荷重伝達をなし得る。したがって、前側荷重伝達部80からブレース部77に入力された荷重を、ブレース部77においてその下端側へ効果的に伝達することができる。
また、ブレース部77の内部に設けられた下側補強リブ79の後端部は、車体上下方向において、前側荷重伝達部80の側面部82の前下端部と略同じ高さ位置に配置されている。これにより、ブレース部77において、前側荷重伝達部80の下端部からの荷重入力部は下側補強リブ79によって効果的に補強されている。さらに、車体前方側に向かって車体下方側へ傾斜して配置された下側補強リブ79は、その上端から下端に向かう方向の荷重伝達をなし得る。したがって、前側荷重伝達部80からブレース部77を経由したクロスメンバ5への荷重伝達をより効果的に行うことができる。
[後側荷重伝達部]
図4〜図6に示すように、サスペンションハウジング50における支持面部52よりも車体後方側部分には、サスペンション40から支持面部52に入力された荷重をホイールハウスインナ26の荷重伝達部27に伝達する後側荷重伝達部85が設けられている。
サスペンションハウジング50において、後側荷重伝達部85と支持面部52との間には、車体前後方向に交差する面に沿って配置された仕切壁部71が設けられている。
仕切壁部71は、上側接合面部69の後縁部、支持面部52の後縁部、及び縦壁部60の後縁部を互いに繋ぐように設けられている。仕切壁部71は、支持面部52の後縁部よりも車体幅方向内側及び車体上方側にそれぞれ突出して配置されている。
仕切壁部71における支持面部52よりも車体下方側部分は、車体前後方向から見て、例えば、車体下方側に向かって先細りする三角形状に形成されている(図5参照)。仕切壁部71の下端部は、中段床部59の車体幅方向外側縁部に連なっている。
サスペンションハウジング50において、支持面部52の車体後方側には、支持面部52を後側荷重伝達部85に連絡させる連絡面部84が設けられている。連絡面部84は、車体上下方向に交差するように配置されており、仕切壁部71から車体後方側に延びるように設けられている。車体上下方向において、連絡面部84は、支持面部52に対して略同じ又は車体下方側に隣接する高さ位置に配置されている。これにより、連絡面部84は、仕切壁部71を介して支持面部52の車体後方側に連なっている。
また、サスペンションハウジング50において、連絡面部84の車体後方側には、仕切壁部71の車体後方側に対向する後壁部92と、後壁部92の車体幅方向外側縁部から車体後方側に延びる後側接合面部94とが設けられている。連絡面部84は、仕切壁部71と後壁部92との間に架設されている。後側接合面部94は、車体上下方向に間隔を空けて配置された複数の接合部R5,R6,R7(図11参照)において、例えばSPRによってホイールハウスインナ26に接合されている。
さらに、サスペンションハウジング50は、連絡面部84の車体幅方向内側縁部から車体下方側に延びる側壁部91を備えている。側壁部91は、仕切壁部71の車体幅方向内側縁部と後壁部92の車体幅方向内側縁部との間に架設されている。側壁部91の下端部は、中段床部59の車体幅方向外側縁部に連なっている。
上記の仕切壁部71及び後壁部92における連絡面部84よりも車体下方側の各部分と、側壁部91とは、連絡面部84から車体下方側に延びる下側延長部90を備えている。下側延長部90は、車体幅方向外側に向かって開放した断面コ字状に形成されている(図7参照)。すなわち、下側延長部90は、車体上下方向に連続して開断面状に形成されている。
なお、下側延長部90で形成される断面部は、必ずしも開断面でなくてもよく、下側延長部90の一部又は全体において、サスペンションハウジング50と例えばホイールハウスインナ26等の別部材との間に閉断面が形成されるようにしてもよいし、サスペンションハウジング50単体で閉断面が形成されるようにしてもよい。
図4に示すように、下側延長部90の車体上方側には、車体前後方向に互いに間隔を空けて対向配置された前側リブ71a及び後側リブ92aが設けられている。各リブ71a,92aは、例えば、車体上方側に向かって先細りする三角形状に形成されている。
前側リブ71aは、仕切壁部71における連絡面部84よりも車体上方側に突出した部分で構成され、上側接合面部69の後縁部と連絡面部84の前縁部とに跨がって設けられている。前側リブ71aの下端部は、車体幅方向において連絡面部84の前縁部の略全幅に亘って設けられている。
後側リブ92aは、後壁部92における連絡面部84よりも車体上方側に突出した部分で構成され、後側接合面部94の前縁部と連絡面部84の後縁部とに跨がって設けられている。後側リブ92aは、車体幅方向において連絡面部84の後縁部の略全幅に亘って設けられている。
後側荷重伝達部85は、連絡面部84の車体幅方向外側縁部から車体上方側に延びるように設けられている。後側荷重伝達部85は、上側接合面部69の後縁部から車体幅方向内側に延びる前面部86、前面部86の車体幅方向内側縁部から車体後方側に延びる側面部87、及び、側面部87の後縁部から車体幅方向外側に延びる後面部88を有する。後面部88の車体幅方向外側縁部は、後側接合面部94の前縁部に連なっている。
前面部86は、車体幅方向外側に向かって車体前方側に傾斜して配置されている。後面部88は、車体幅方向外側に向かって車体後方側に傾斜して配置されている。側面部87と前面部86との間、及び、側面部87と後面部88との間には、それぞれ鈍角のコーナ部が形成されている。これにより、後側荷重伝達部85の断面形状は、車体幅方向外側に向かって拡開したハット形状となっている。このように、後側荷重伝達部85では、車体幅方向外側に向かって開放した開断面が車体上下方向に連続して形成されている。
なお、後側荷重伝達部85で形成される断面部は、必ずしも開断面でなくてもよく、後側荷重伝達部85の一部又は全体において、サスペンションハウジング50と例えばホイールハウスインナ26等の別部材との間に閉断面が形成されるようにしてもよいし、サスペンションハウジング50単体で閉断面が形成されるようにしてもよい。
図13及び図14に示すように、後側荷重伝達部85は、ホイールハウスインナ26の荷重伝達部27の下端部の車室内側の面に重ねて配置されている。図15に示すように、後側荷重伝達部85の断面形状は、荷重伝達部27の車室内側の面に沿った形状である。後側荷重伝達部85の前面部86、側面部87、及び後面部88は、荷重伝達部27の下端部における前面部27a、側面部27b、及び後面部27cの車室内側の面にそれぞれ接している。これにより、後側荷重伝達部85は、荷重伝達部27の下端部に連結されている。
後側荷重伝達部85の前縁部は上記の前側リブ71aを介して、後側荷重伝達部85の後縁部は上記の後側リブ92aを介して、それぞれ連絡面部84に連結されている。これにより、連絡面部84の面剛性の向上が図られつつ、後側荷重伝達部85の断面変形が抑制されている。
また、後側荷重伝達部85の前面部86の前縁部は、前側リブ71aの車体幅方向外側縁部と一体化されることで、後面部88の後縁部は、後側リブ92aの車体幅方向外側縁部と一体化されることで、それぞれ厚肉に形成されている。これにより、前面部86及び後面部88の面剛性が高められている。
さらに、後側荷重伝達部85の側面部87は、前側リブ71a及び後側リブ92aと共に、車体幅方向内側に開放した開断面を形成している。これら側面部87、前側リブ71a、及び後側リブ92aからなる開断面は、後側荷重伝達部85の開断面と一体となって、車体上下方向に連続している。これにより、前後のリブ71a,92aは、後側荷重伝達部85と共に、連絡面部84から車体上方側への荷重伝達機能を果たし得る。
また、後側荷重伝達部85は、前後一対のリブ71a,92aによって車体幅方向内側から支持されていることにより、連絡面部84に対して後側荷重伝達部85が車体幅方向内側に倒れるような変形が効果的に抑制されている。そのため、ホイールハウスインナ26の荷重伝達部27に対する後側荷重伝達部85の連結状態が良好に維持されやすくなっている。
図11に示すように、サスペンションハウジング50は、後側荷重伝達部85の車体前方側に隣接する接合部R1と、後側荷重伝達部85の車体後方側に隣接する接合部R5において、例えばSPRによってホイールハウスインナ26に接合されている。これにより、ホイールハウスインナ26の荷重伝達部27の下端部に対する後側荷重伝達部85の相対変位が効果的に抑制されていることで、荷重伝達部27の下端部に対する後側荷重伝達部85の連結状態が良好に維持されている。
以上のように、サスペンションハウジング50の支持面部52は、連絡面部84及び後側荷重伝達部85を介して、ホイールハウスインナ26の荷重伝達部27に連結されている。したがって、サスペンション40からサスペンションハウジング50の支持面部52に入力された荷重は、連絡面部84及び後側荷重伝達部85を経由してホイールハウスインナ26の荷重伝達部27に効果的に伝達される。
また、連絡面部84及び後側荷重伝達部85は、下側延長部90によって車体下方側から支持されていることにより、連絡面部84の変形及び後側荷重伝達部85の変位が効果的に抑制されている。そのため、支持面部52から連絡面部84及び後側荷重伝達部85を経由したホイールハウスインナ26の荷重伝達部27への荷重伝達を効果的に実現できるようになっている。
さらに、図16に示すように、ホイールハウスインナ26の荷重伝達部27は、サスペンションハウジング50の後側荷重伝達部85と、ホイールハウス24から車体上方側に延びる前述の外側補強部材34の下端部とを連結している。したがって、サスペンションハウジング50からホイールハウスインナ26の荷重伝達部27に伝達された荷重は、外側補強部材34を経由して車体の上方側に効果的に伝達される。
[作用効果]
以上のように構成されたサスペンションハウジング50では、後輪のバンプ時において、サスペンション40のダンパ41から支持面部52に入力された荷重、及び、サスペンション40のコイルスプリング44からスプリング受部72に入力された荷重は、前側荷重伝達部80及びブレース部77を経由してクロスメンバ5やサイドフレーム6等の車体下部に伝達されると共に、後側荷重伝達部85等を経由して車体上部に伝達されることで、車体後部の各部に効果的に分散される。
サスペンションハウジング50における荷重伝達に関して、より具体的には、支持面部52に入力された荷重は、前側荷重伝達部80を経由してブレース部77に伝達されるとともに、連絡面部84を経由して後側荷重伝達部85に伝達される。
また、スプリング受部72に入力された荷重は、周壁部62、前壁部63、後壁部64、及び縦壁部60を経由して支持面部52に伝達されるとともに、中段床部59を経由して前側荷重伝達部80及び下側延長部90にも伝達され得る。スプリング受部72から中段床部59を経由して下側延長部90に伝達された荷重は、その車体上方側に連なる後側荷重伝達部85に伝達され得る。
支持面部52及びスプリング受部72から後側荷重伝達部85に伝達された荷重は、その車体上方側に連結されたホイールハウス24の荷重伝達部27、及び、更にその車体上方側に連結された外側補強部材34を経由して、Dピラー14等の車体上部に伝達される。
したがって、サスペンション40のダンパ41及びコイルスプリング44から、サスペンションハウジング50の支持面部52及びスプリング受部72に、車体幅方向の内向きの成分を含む荷重が入力されても、この荷重による応力が支持面部52及びスプリング受部72に集中することが抑制されることで、サスペンションハウジング50が車室内側に倒れるような変形(内倒れ変形)を効果的に抑制することができる。
さらに、スプリング受部72が連結部材101,102を介してサイドフレーム6に連結されていることにより、スプリング受部72とサイドフレーム6の挙動の一体化が図られているため、後輪のバンプ時において、サイドフレーム6に対するスプリング受部72の相対変位が抑制されることで、サスペンションハウジング50の内倒れ変形をより効果的に抑制することができる。
[変形例]
図17及び図18には、変形例に係るサスペンションハウジング150が示されている。なお、図17及び図18において、図1〜図16に示す上述のサスペンションハウジング50の構成要素と同じものについては、図1〜図16と同じ符号が付されている。
図17及び図18に示すサスペンションハウジング150では、前側荷重伝達部180の構成が、上述のサスペンションハウジング50と異なっている。前側荷重伝達部180は、支持面部52の車体前方側に隣接して配置された連絡部184と、該連絡部184を介して支持面部52をブレース部77に連結させる上側連結面部181及び下側連結面部182とを備えている。
図17及び図18に示すように、連絡部184は、仕切壁部70における支持面部52に対して略同じ高さ位置又は僅かに車体上方側の位置から車体前方側に延びる上面部185と、上面部185の前縁部から車体下方側に延びて仕切壁部70の車体前方側に対向配置された前面部186と、上面部185の車体幅方向内側縁部から車体下方側に向かって中段床部59の車体幅方向外側縁部まで延びて、仕切壁部70及び前面部186の車体幅方向内側縁部間に跨がる側面部187とを有する。このように構成された連絡部184は、車体前後方向に連続してL字状の開断面を形成している。
上面部185は、車体前方側に向かって車体下方側に傾斜している。上側連結面部181及び下側連結面部182は、上面部185と同様に、車体前方側に向かって車体下方側に傾斜している。
上側連結面部181は、上面部185の車体前方側に連なるように設けられており、上面部185の前縁部とブレース部77の後面部77cとの間に架設されている。下側連結面部182は、上側連結面部181の車体下方側に間隔を空けて、車体幅方向から見て上側連結面部181と略平行に配置されている。下側連結面部182は、連絡部184の前面部186とブレース部77の後面部77cとの間に架設されている。
上側連結面部181及び下側連結面部182の車体幅方向外側には、車体幅方向に交差するように配置された側壁部183が設けられている。側壁部183の上端部は、車体後方側に延びて上側接合面部69に連なっている。上側連結面部181及び下側連結面部182は、側壁部183から車体幅方向内側に突出するように設けられている。
このようにして設けられた上側連結面部181及び下側連結面部182は、側壁部183と共に、車体幅方向内側に開放したコ字状の開断面を車体前後方向に連続して形成している。
以上のように構成された前側荷重伝達部180においても、車体前後方向に連続する開断面が形成されていることにより、支持面部52からブレース部77への荷重伝達を効果的に行うことができる。したがって、支持面部52から前側荷重伝達部180及びブレース部77を経由したクロスメンバ5への効果的な荷重分散を実現できる。
以上、上述の実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
例えば、上述の実施形態では、サスペンションハウジング50,150において、支持面部52からブレース部77へ荷重を伝達する前側荷重伝達部80,180が、開断面状に形成される例を説明したが、前側荷重伝達部は閉断面状に形成されてもよい。
また、上述の実施形態では、サスペンションハウジング50のスプリング受部72をサイドフレーム6に連結させる連結部材101,102(図12参照)が、サスペンションハウジング50とは別体である例を説明したが、スプリング受部72は、サスペンションハウジング50と一体に設けられた連結部を介して、サイドフレーム6に連結されてもよい。
さらに、上述の実施形態では、サスペンションハウジング50がアルミニウム合金製である例を説明したが、サスペンションハウジング50の材料は、特に限定されるものでなく、例えば、アルミニウム合金以外の金属材料、又はCFRP(炭素繊維強化プラスチック)等であってもよい。また、サスペンションハウジング50は、必ずしもダイカスト成形品でなくてもよく、例えば、鋳造品、鍛造品、又はプレス成形品であってもよい。さらに、サスペンションハウジング50は、必ずしも全体が一体に成形されなくてもよく、複数の部材を接合して形成されたものであってもよい。
さらに、上述の実施形態において、ホイールハウス24の荷重伝達部27は、ホイールハウスインナ26で構成されているが(図13〜図16参照)、荷重伝達部27は、ホイールハウスインナ26とこれに取り付けられた別部材とで構成されてもよいし、ホイールハウスインナ26に取り付けられた部材のみで構成されてもよい。また、上述の実施形態において、荷重伝達部27は、全長に亘って開断面状に形成されているが、荷重伝達部27の一部又は全体は、閉断面状に形成されてもよい。
なお、本明細書でいう「高剛性部」とは、その周囲の部分に比べて変形し難くなるように構成された部分を意味する。「高剛性部」の具体例としては、凸部、凹部、リブ、或いは、厚肉部などが挙げられる。
以上のように、本発明によれば、サスペンション部材からサスペンションハウジングに入力された荷重を、サスペンション部材よりも車体前方側に配置されたクロスメンバへ効果的に伝達させることで、効果的な荷重分散を図り得る後部車体構造が提供されることから、この種の車体構造を有する自動車の製造産業分野において好適に利用される可能性がある。
1 自動車
2 フロアパネル
5 クロスメンバ
6 サイドフレーム
10 ルーフサイドレール
12 Cピラー
14 Dピラー
20 サイドパネル
24 ホイールハウス
25 ホイールハウスアウタ
26 ホイールハウスインナ
27 ホイールハウスの荷重伝達部
32 アウタピラー部材
34 外側補強部材
36 サイドブレース
38 上側ブレース部材
40 サスペンション
41 ダンパ
42 ピストンロッド
43 シリンダ
44 コイルスプリング
46 シートラバー
48 バンプストッパ
50 サスペンションハウジング
52 支持面部(支持部)
56 接続部
58 下側接合面部
59 中段床部
60 縦壁部
62 周壁部
63 前壁部
64 後壁部
67,68 窪み部
65,66 リブ
69 上側接合面部
70a リブ
73,74,75 突出部
77 ブレース部
78,79 補強リブ
80 前側荷重伝達部
81 連結面部
82 側面部
84 連絡面部
85 後側荷重伝達部
90 下側延長部
101,102 連結部材
150 サスペンションハウジング
180 前側荷重伝達部
181 上側連結面部
182 下側連結面部
184 連絡部

Claims (7)

  1. 車体後部の側面部に設けられたホイールハウスと、
    前記ホイールハウスの車体幅方向内側において車体前後方向に延びるサイドフレームと、
    車体幅方向に延設され、長さ方向の端部において前記サイドフレームに連結されたクロスメンバと、
    前記サイドフレームの車体幅方向外側に配設されたサスペンション部材と、
    前記サスペンション部材を支持する支持部、及び、該支持部よりも車体前方側において車体上下方向に延設されて下端部において前記クロスメンバに連結されたブレース部を有し、前記サイドフレームと前記ホイールハウスとを連結するサスペンションハウジングと、を備えた車両の後部車体構造であって、
    前記サスペンションハウジングは、車体前後方向に連続して開断面状又は閉断面状に形成され、前記支持部から前記ブレース部に荷重を伝達する荷重伝達部を有することを特徴とする車両の後部車体構造。
  2. 前記荷重伝達部は、前記支持部の前端部を前記ブレース部に連結させる連結面部を有することを特徴とする請求項1に記載の車両の後部車体構造。
  3. 前記連結面部は、車体前方側に向かって車体下方側に傾斜して配置されていることを特徴とする請求項2に記載の車両の後部車体構造。
  4. 前記ブレース部の内部に補強リブが設けられ、
    前記連結面部は、前記支持部の前端部から前記補強リブに向かって延びるように設けられていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の車両の後部車体構造。
  5. 前記サスペンションハウジングは、前記支持部における車体幅方向外側の縁部から車体上方側に立ち上がるように設けられて前記ホイールハウスに接合される接合面部、及び、前記連結面部の後端部と前記接合面部とに跨がって設けられたリブを有し、
    前記リブの下端部は、車体幅方向において前記連結面部の後端部の略全幅に亘って設けられていることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の車両の後部車体構造。
  6. 前記荷重伝達部は、前記連結面部の車体幅方向内側縁部から車体下方側に延びる側面部を有することを特徴とする請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の車両の後部車体構造。
  7. 前記側面部の車体上下方向の幅は、車体前方側に向かって次第に小さくなっていることを特徴とする請求項6に記載の車両の後部車体構造。
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