JP2018154809A - ゲル状組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶解温度が低く、安定なゲル化剤組成物を提供する。【解決手段】(A)式(I):(式中、R1及びR2はそれぞれ独立に炭素原子数1〜7の直鎖又は分枝鎖のアルキル基を示し、R3は炭素原子数3〜15の直鎖又は分枝鎖のアルキル基を示し、nは1又は2を示す)で表わされるN−アシル酸性アミノ酸ジアルキルアミドの少なくとも1種、及び(B)炭素数3〜22の脂肪酸又は炭素数3〜22の脂肪酸及び炭素数8〜22の高級アルコールを含む組成物、又は(A)及び(E)N−アシルアミノ酸を含む組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、N−アシル酸性アミノ酸ジアルキルアミドを含有する組成物及びその製造方法に関する。
N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジブチルアミドやN−2−エチルヘキサノイルグルタミン酸ジブチルアミドなどのアミド結合を3つ以上有するアミノ酸誘導体の分子には、油をゲル化できる能力があり、固形化粧料、液状化粧料の形状安定化や感触改良に使用されている。アミド結合を多く有するアミノ酸系ゲル化剤を使って油をゲル化する際に、これらの分子をまず油中に均一に溶解させる必要がある。しかし、これらのゲル化剤を油に均一に溶解させるために非常に高い温度で加熱する必要があり、製造面において取扱いが困難なことが知られている(特許文献1)。
また、ある程度の強度のゲル状組成物を製造するためには、油分の中に一定濃度以上のゲル化剤の配合が必要であるが、油分中のゲル化剤の濃度が高ければ高い程、ゲル化剤の溶解にはより高い温度での加熱が必要となる。
例えば、N−2−エチルヘキサノイルグルタミン酸ジブチルアミドは、流動パラフィン等の一般的な油分への溶解温度が150℃(ゲル化剤を1重量%溶解させる場合)〜180℃(ゲル化剤を2重量%溶解させる場合)と高く、油性基剤中に均一に混合しようとした場合には、150℃以上の非常に高い温度条件で加熱溶解する必要があった。このため、N−2−エチルヘキサノイルグルタミン酸ジブチルアミドを油性の化粧料基剤中に配合しようとした場合に、熱の影響によって他の配合成分が劣化あるいは不活化又は蒸発してしまうといった問題が生じていた。
この問題を解決するため、ゲル化剤の溶解に優れている溶剤にゲル化剤を予め溶解させ、この溶液を油分中に添加することで油分または油分配合処方のゲル化が試みられている。ゲル化剤を溶解させる溶剤としてこれまでは高級アルコール類、例えばイソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、オレイルアルコールなどが使われている。また、ポリオール系の溶剤、特にジオール系の溶剤も使用されてきた(特許文献2、3)。しかし、これらの溶剤を使用してもゲル化剤の溶解温度は100℃〜120℃であり、高い温度が必要であった。
いっぽう、ポリオールとしてジプロピレングリコール、そして高級アルコールとしてオクチルドデカノールを同時に利用することでゲル化剤の溶解温度を70℃〜100℃まで下げることができることが報告されている(特許文献4、[0073]等)。しかし、この混合溶剤中に溶解できるゲル化剤の総濃度が小さく、12重量%以上のゲル化剤(ゲル化剤総量/溶剤総量=12重量%)を溶解することができなかった(特許文献4、実施例1)。
また、アミノ酸誘導体ゲル化剤の場合、ゲル化剤の再溶解温度がゲル化剤の溶解温度より低くなるという特徴を利用して、より低温でゲル化剤と溶媒の溶液を作ることでき、この溶液を用いて油をゲル化する技術も知られている。すなわち、ゲル化剤の粉体を溶剤中に加温して均一に溶解させた後、冷却させて得られた固形の混合物を再び加温して溶解しうる温度(再溶解温度と言う)はゲル化剤の粉体を溶解させる温度よりも低くなるという技術を利用したものである。しかし、この技術を利用しても、10重量%以上の高用量のゲル化剤を含有する、ゲル化剤及び溶媒からなる固形の混合物を70℃以下の温度で再溶解させることが難しいことが知られていた(特許文献4)。
WO2013/118921 WO2011/112799 US8999304号公報 US20090317345号公報
本発明の課題は、適度な温度条件下で、安定性の高い化粧品等の製造に最適で、高濃度のゲル化剤を含むゲル化剤組成物及びそれを使用したゲル状組成物を提供することにある。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意研究した結果、溶剤として炭素数3〜22の脂肪酸を用いると一般の溶剤よりもかなり低い温度で、高用量のゲル化剤を溶解させることができること、当該溶剤に溶解させたゲル化剤を用いて油をゲル化すると、安定性のよい(汗かき現象の無い)ゲル状組成物を製造することができることを初めて見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下の態様を含む。
[1](A)式(I):
(式中、R及びRはそれぞれ独立に炭素原子数1〜7の直鎖又は分枝鎖のアルキル基を示し、Rは炭素原子数3〜15の直鎖又は分枝鎖のアルキル基を示し、nは1又は2を示す)で表わされるN−アシル酸性アミノ酸ジアルキルアミドの少なくとも1種、及び(B)炭素数3〜22の脂肪酸又は炭素数3〜22の脂肪酸及び炭素数8〜22の高級アルコール
を含む組成物。
[2]式(I)で表わされるN−アシル酸性アミノ酸ジアルキルアミドが、N−2−エチルヘキサノイルグルタミン酸ジブチルアミド及びN−ラウロイルグルタミン酸ジブチルアミドからなる群から選択される少なくとも1種である[1]に記載の組成物。
[3]式(I)で表わされるN−アシル酸性アミノ酸ジアルキルアミドが、N−2−エチルヘキサノイルグルタミン酸ジブチルアミド及びN−ラウロイルグルタミン酸ジブチルアミドである[1]に記載の組成物。
[4](B)の脂肪酸が、IOBが0.3以上の脂肪酸である[1]〜[3]のいずれかに記載の組成物。
[4−1](B)の脂肪酸が、乳酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、イソステアリン酸、2−ヘキシルデカン酸、2−エチルヘキサン酸及びイソノナン酸からなる群から選択される少なくともひとつである[4]に記載の組成物。
[4−2](B)の脂肪酸が、ミリスチン酸及びイソステアリン酸からなる群から選択される少なくともひとつである[4]に記載の組成物。
[4−3](B)の高級アルコールが、イソステアリルアルコール、2−ヘキシルデシルアルコール及び2−オクチルドデカノールからなる群から選択される少なくともひとつである[1]〜[3]のいずれかに記載の組成物。
[5](A)1重量部に対して(B)を0.8〜20重量部含む[1]〜[4]のいずれかに記載の組成物。
[5−1](A)1重量部に対して(B)を0.2〜20重量部含む[1]〜[4]のいずれかに記載の組成物。
[6]ゲル化剤である[1]〜[5]のいずれかに記載の組成物。
[7]再溶解温度が80℃以下である[1]〜[6]のいずれかに記載の組成物。
[8][1]〜[7]のいずれかに記載の組成物にさらに(C)油剤を含む組成物。
[8−1](C)油剤が、流動パラフィン、シクロペンタシロキサン、エチルヘキサン酸セチル、パルミチン酸セチル、アーモンド油、小麦胚芽油、ホホバ油、メドウフォーム油、マカデミアナッツ油及び合成ワックスからなる群から選択される少なくともひとつである[8]に記載の組成物。
[9]組成物総重量に対して、(A)0.1〜30重量%、(B)0.1〜80重量%及び(C)1〜99.8重量%を含む[8]に記載の組成物。
[10]さらに(D)乳化剤を含む[8]又は[9]に記載の組成物。
[10−1](D)乳化剤がジオレイン酸ポリグリセリル−10、イソステアリン酸PEG−8グリセリル、ヤシ油脂肪酸ポリグリセリル−10、ヤシ油脂肪酸ポリグリセリル−3、トリイソステアリン酸PEG−40グリセリル、イソステアリン酸PEG−40グリセリル、イソステアリン酸PEG−50水添ヒマシ油、ポリソルベート60、テトラオレイン酸ソルベス−30、ステアリン酸グリセリル(SE)及びイソステアリン酸PEG−15水添ヒマシ油からなる群から選択される少なくともひとつである[10]に記載の組成物。
[11]組成物総重量に対して、(A)0.1〜30重量%、(B)0.1〜80重量%、(C)1〜99.7重量%及び(D)0.1〜80重量%を含む[10]に記載の組成物。
[11−1]組成物総重量に対して、(A)0.1〜30重量%、(B)0.01〜80重量%、(C)1〜99.79重量%及び(D)0.1〜80重量%を含む[10]に記載の組成物。
[12]ゲル状である[8]〜[11]のいずれかに記載の組成物。
[13]化粧品、香粧品、医薬部外品、芳香剤、トイレタリ製品、キャンドル又は画材用である[8]〜[12]のいずれかに記載の組成物。
[14]着色が抑制された[1]〜[13]のいずれかに記載の組成物。
[15]苦味が抑制された[1]〜[13]のいずれかに記載の組成物。
[16]以下の(A)を(B)に100℃以下で溶解する工程を含む、(A)及び(B)を含む組成物の製造方法:
(A)式(I):
(式中、R及びRはそれぞれ独立に炭素原子数1〜7の直鎖又は分枝鎖のアルキル基を示し、Rは炭素原子数3〜15の直鎖又は分枝鎖のアルキル基を示し、nは1又は2を示す)で表わされるN−アシル酸性アミノ酸ジアルキルアミドの少なくとも1種
(B)炭素数3〜22の脂肪酸又は炭素数3〜22の脂肪酸及び炭素数8〜22の高級アルコール。
[17]式(I)で表わされるN−アシル酸性アミノ酸ジアルキルアミドが、N−2−エチルヘキサノイルグルタミン酸ジブチルアミド及びN−ラウロイルグルタミン酸ジブチルアミドからなる群から選択される少なくとも1種である[16]に記載の方法。
[18]式(I)で表わされるN−アシル酸性アミノ酸ジアルキルアミドが、N−2−エチルヘキサノイルグルタミン酸ジブチルアミド及びN−ラウロイルグルタミン酸ジブチルアミドである[17]に記載の方法。
[19](B)が、IOBが0.3以上の脂肪酸である[16]〜[18]のいずれかに記載の方法。
[20](A)1重量部に対して(B)0.8〜20重量部に溶解する[16]〜[19]のいずれかに記載の方法。
[20−1](A)1重量部に対して(B)0.2〜20重量部に溶解する[16]〜[19]のいずれかに記載の方法。
[21](A)を(B)に溶解させた溶解物を(C)油剤に100℃以下で溶解する工程をさらに含む[16]〜[20]のいずれかに記載の製造方法。
[22]さらに(D)乳化剤を添加する工程を含む[21]に記載の製造方法。
[23]上記(A)を(B)に100℃以下で溶解する工程を含む、(A)及び(B)を含む組成物の着色抑制方法。
[24]上記(A)を(B)に100℃以下で溶解する工程を含む、(A)及び(B)を含む組成物の苦味抑制方法。
[25]上記(A)を(B)に100℃以下で溶解する工程及び(A)を(B)に溶解した溶解物を(C)に100℃以下で混合する工程を含む、(A)、(B)及び(C)を含む組成物の着色抑制方法。
[26]上記(A)を(B)に100℃以下で溶解する工程及び(A)を(B)に溶解した溶解物を(C)に100℃以下で混合する工程を含む、(A)、(B)及び(C)を含む組成物の苦味抑制方法。
[27](A)式(I):


(式中、R及びRはそれぞれ独立に炭素原子数1〜7の直鎖又は分枝鎖のアルキル基を示し、Rは炭素原子数3〜15の直鎖又は分枝鎖のアルキル基を示し、nは1又は2を示す)で表わされるN−アシル酸性アミノ酸ジアルキルアミドの少なくとも1種、及び(E)N−アシルアミノ酸
を含む組成物。
[28]式(I)で表わされるN−アシル酸性アミノ酸ジアルキルアミドが、N−2−エチルヘキサノイルグルタミン酸ジブチルアミド及びN−ラウロイルグルタミン酸ジブチルアミドからなる群から選択される少なくとも1種である[27]に記載の組成物。
[29]式(I)で表わされるN−アシル酸性アミノ酸ジアルキルアミドが、N−2−エチルヘキサノイルグルタミン酸ジブチルアミド及びN−ラウロイルグルタミン酸ジブチルアミドである[27]に記載の組成物。
[30](E)が、N−アシル中性アミノ酸である[27]〜[29]のいずれかに記載の組成物。
[31](E)が、N−デカノイルプロリン、N−ラウロイルサルコシン、N−ヤシ油脂肪酸アシルアラニン、N−ヤシ油脂肪酸アシルバリン、N−ヤシ油脂肪酸アシルスレオニン及びN−オクタノイル−N−メチル−β−アラニンからなる群から選択される少なくともひとつである[30]に記載の組成物。
[32](A)1重量部に対して(E)を0.2〜20重量部含む[27]〜[31]のいずれかに記載の組成物。
[33]ゲル化剤である[27]〜[32]のいずれかに記載の組成物。
[34]再溶解温度が80℃以下である[27]〜[33]のいずれかに記載の組成物。
[35][27]〜[34]のいずれかに記載の組成物にさらに(C)油剤を含む組成物。
[36](C)油剤が、流動パラフィン、シクロペンタシロキサン、エチルヘキサン酸セチル、パルミチン酸セチル、アーモンド油、小麦胚芽油、ホホバ油、メドウフォーム油、マカデミアナッツ油及び合成ワックスからなる群から選択される少なくともひとつである[35]に記載の組成物。
[37]組成物総重量に対して、(A)0.1〜30重量%、(E)0.01〜80重量%及び(C)1〜99.89重量%を含む[35]又は[36]に記載の組成物。
[38]さらに(D)乳化剤を含む[35]〜[37]のいずれかに記載の組成物。
[39](D)乳化剤がジオレイン酸ポリグリセリル−10、イソステアリン酸PEG−8グリセリル、ヤシ油脂肪酸ポリグリセリル−10、ヤシ油脂肪酸ポリグリセリル−3、トリイソステアリン酸PEG−40グリセリル、イソステアリン酸PEG−40グリセリル、イソステアリン酸PEG−50水添ヒマシ油、ポリソルベート60、テトラオレイン酸ソルベス−30、ステアリン酸グリセリル(SE)及びイソステアリン酸PEG−15水添ヒマシ油からなる群から選択される少なくともひとつである[38]に記載の組成物。
[40]組成物総重量に対して、(A)0.1〜30重量%、(E)0.01〜80重量%、(C)1〜99.79重量%及び(D)0.1〜80重量%を含む[39]に記載の組成物。
[41]ゲル状である[35]〜[40]のいずれかに記載の組成物。
[42]化粧品、香粧品、医薬部外品、芳香剤、トイレタリ製品、キャンドル又は画材用である[35]〜[41]のいずれかに記載の組成物。
[43]着色が抑制された[27]〜[42]のいずれかに記載の組成物。
[44]苦味が抑制された[27]〜[42]のいずれかに記載の組成物。
[45]以下の(A)を(E)に100℃以下で溶解する工程を含む、(A)及び(E)を含む組成物の製造方法:
(A)式(I):


(式中、R及びRはそれぞれ独立に炭素原子数1〜7の直鎖又は分枝鎖のアルキル基を示し、Rは炭素原子数3〜15の直鎖又は分枝鎖のアルキル基を示し、nは1又は2を示す)で表わされるN−アシル酸性アミノ酸ジアルキルアミドの少なくとも1種
(E)N−アシルアミノ酸。
[46](A)を(E)に溶解させた溶解物を(C)油剤に100℃以下で溶解する工程をさらに含む[45]に記載の製造方法。
[47]さらに(D)乳化剤を添加する工程を含む[46]に記載の製造方法。
本発明のゲル化剤組成物を化粧品や香粧品の製造に使用する際には、従来のような非常に高い温度での処理を施す必要がなく、容易に製造することができ、化粧品等の製造工程を大幅に簡素化できる。
本発明により、汗かき現象(発汗現象)が抑制された安定性の高いゲル状組成物を提供することができる。
本発明により、高温で劣化する成分や香料等の高温で揮発する成分も化粧品等に配合することができる。
本発明により、成分の劣化による着色及び苦味の発現率が極めて低い組成物を提供することができる。
本発明によれば、伸びがよくべたつきもなく、また高温での粘度も低下しない化粧品を提供することができる。
本発明は、(A)N−アシル酸性アミノ酸ジアルキルアミドならびに(B)炭素数3〜22の脂肪酸又は炭素数3〜22の脂肪酸及び炭素数8〜22の高級アルコールを含む組成物(組成物I又はゲル化剤組成物と称する)及び組成物Iに(C)油剤または(C)及び(D)乳化剤を含む組成物(組成物II又はゲル状組成物と称する)及びそれらの製造方法に関する。
組成物Iは、溶解性が悪い(A)を(B)と組み合わせて得られる組成物であって、再溶解温度が低くなるためハンドリング性に優れ、成分の劣化を低減できる組成物である。
(A)N−アシル酸性アミノ酸ジアルキルアミド
本発明におけるN−アシル酸性アミノ酸ジアルキルアミド(A)は、式(I)で表される。
式中、R及びRはそれぞれ独立に炭素原子数1〜7の直鎖又は分枝鎖のアルキル基を示す。炭素原子数1〜7の直鎖又は分枝鎖のアルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、及びヘプチル基等が挙げられる。少量で有効なゲル強度を発揮できるという観点で、炭素原子数3〜5の直鎖又は分枝鎖のアルキル基が好ましく、ブチル基がより好ましい。R及びRがともに炭素原子数3〜5の直鎖又は分枝鎖のアルキル基であることがより好ましく、R及びRがともにブチル基であることがさらに好ましい。
式中、Rは炭素原子数3〜15の直鎖又は分枝鎖のアルキル基を示す。炭素原子数3〜15の直鎖又は分枝鎖のアルキル基としては、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、1−エチルペンチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、tert−オクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、及びペンタデシル基等が挙げられる。少量で有効なゲル強度を発揮できるという観点で、好ましいものは炭素原子数5〜13の直鎖又は分枝鎖のアルキル基であり、より好ましいものは炭素原子数7〜11の直鎖又は分枝鎖のアルキル基であり、最も好ましいものは1−エチルペンチル基、又はウンデシル基である。
nは1又は2を示す。nが1の場合には、(A)はN−アシルアスパラギン酸ジアルキルアミドとなり、nが2の場合には、(A)はN−アシルグルタミン酸ジアルキルアミドとなる。少量で有効なゲル強度を発揮できるという観点で、nが2(N−アシルグルタミン酸ジアルキルアミド)であることが好ましい。
具体的なN−アシル酸性アミノ酸ジアルキルアミド(A)としては、N−ヘキサノイルグルタミン酸ジイソプロピルアミド、N−ヘキサノイルグルタミン酸ジブチルアミド、N−ヘキサノイルグルタミン酸ジ−sec−ブチルアミド、N−ヘキサノイルグルタミン酸ジイソブチルアミド、N−オクタノイルグルタミン酸ジイソプロピルアミド、N−オクタノイルグルタミン酸ジブチルアミド、N−オクタノイルグルタミン酸ジ−sec−ブチルアミド、N−オクタノイルグルタミン酸ジイソブチルアミド、N−2−エチルヘキサノイルグルタミン酸ジメチルアミド、N−2−エチルヘキサノイルグルタミン酸ジエチルアミド、N−2−エチルヘキサノイルグルタミン酸ジプロピルアミド、N−2−エチルヘキサノイルグルタミン酸ジイソプロピルアミド、N−2−エチルヘキサノイルグルタミン酸ジブチルアミド、N−2−エチルヘキサノイルグルタミン酸ジ−sec−ブチルアミド、N−2−エチルヘキサノイルグルタミン酸ジイソブチルアミド、N−2−エチルヘキサノイルグルタミン酸ジペンチルアミド、N−2−エチルヘキサノイルグルタミン酸ジヘキシルアミド、N−デカノイルグルタミン酸ジイソプロピルアミド、N−デカノイルグルタミン酸ジブチルアミド、N−デカノイルグルタミン酸ジ−sec−ブチルアミド、N−デカノイルグルタミン酸ジイソブチルアミド、N−ラウロイルグルタミン酸ジメチルアミド、N−ラウロイルグルタミン酸ジエチルアミド、N−ラウロイルグルタミン酸ジプロピルアミド、N−ラウロイルグルタミン酸ジイソプロピルアミド、N−ラウロイルグルタミン酸ジブチルアミド、N−ラウロイルグルタミン酸ジ−sec−ブチルアミド、N−ラウロイルグルタミン酸ジイソブチルアミド、N−ラウロイルグルタミン酸ジペンチルアミド、N−ラウロイルグルタミン酸ジヘキシルアミド、N−パルミトイルグルタミン酸ジイソプロピルアミド、N−パルミトイルグルタミン酸ジブチルアミド、N−パルミトイルグルタミン酸ジ−sec−ブチルアミド、N−パルミトイルグルタミン酸ジイソブチルアミド、N−ミリストイルグルタミン酸ジイソプロピルアミド、N−ミリストイルグルタミン酸ジブチルアミド、N−ミリストイルグルタミン酸ジ−sec−ブチルアミド、N−ミリストイルグルタミン酸ジイソブチルアミド、N−2−エチルヘキサノイルアスパラギン酸ジイソプロピルアミド、N−2−エチルヘキサノイルアスパラギン酸ジブチルアミド、N−2−エチルヘキサノイルアスパラギン酸ジ−sec−ブチルアミド、N−2−エチルヘキサノイルアスパラギン酸ジイソブチルアミド、N−ラウロイルアスパラギン酸ジイソプロピルアミド、N−ラウロイルアスパラギン酸ジブチルアミド、N−ラウロイルアスパラギン酸ジ−sec−ブチルアミド、及びN−ラウロイルアスパラギン酸ジイソブチルアミド等が挙げられ、好ましくは、N−2−エチルヘキサノイルグルタミン酸ジイソプロピルアミド、N−2−エチルヘキサノイルグルタミン酸ジブチルアミド、N−2−エチルヘキサノイルグルタミン酸ジ−sec−ブチルアミド、N−2−エチルヘキサノイルグルタミン酸ジイソブチルアミド、N−ラウロイルグルタミン酸ジイソプロピルアミド、N−ラウロイルグルタミン酸ジブチルアミド、N−ラウロイルグルタミン酸ジ−sec−ブチルアミド及びN−ラウロイルグルタミン酸ジイソブチルアミドであり、より好ましくはN−2−エチルヘキサノイルグルタミン酸ジブチルアミド及びN−ラウロイルグルタミン酸ジブチルアミドである。(A)として、1種以上のN−アシル酸性アミノ酸ジアルキルアミドを使用することができる。
なかでも(A)として、N−2−エチルヘキサノイルグルタミン酸ジブチルアミド(A1)及びN−ラウロイルグルタミン酸ジブチルアミド(A2)が好ましい。(A1)及び(A2)を使用する場合、その重量比(A1):(A2)は、特に限定されないが、通常1:1000〜100:1であり、1:100〜20:1が好ましく、1:10〜10:1がより好ましく、2:3がさらに好ましい。
式(I)で表されるN−アシル酸性アミノ酸ジアルキルアミドは、光学異性体又はジアステレオマーなどの立体異性体、任意の立体異性体の混合物、あるいはラセミ体を用いてもよい。
(B)炭素数3〜22の脂肪酸又は炭素数3〜22の脂肪酸及び炭素数8〜22の高級アルコール
本発明における(B)は、炭素原子3〜22個を有する脂肪酸又は該脂肪酸に炭素数8〜22の高級アルコールを加えた混合物である。
脂肪酸の炭素原子の数は、処方の安定性、油剤との相溶性そして組成物の溶解温度を下げる観点から、通常3〜22個であり、3〜20が好ましく、8〜18が特に好ましい。
本発明における(B)において、脂肪酸の極性の指標となる、有機性値(Organic Value=OV)と無機性値(Inorganic Value=IV)の比から求めた値(IV/OV=IOB(Inorganic Organic Balance)〕値(以下IOB値と略する)は通常0.3以上である。
組成物の溶解温度を下げる観点からはIOB値は0.35以上が好ましく、0.4以上がより好ましい。上限は特に限定されないが、通常6以下であり、好ましくは5以下である。
IOB値は、化合物の分子構造から有機概念図の考えに基づいて計算することができる(甲田善生ほか著、“新版 有機概念図―基礎と応用”新版第1刷発行、日本、東京、三共出版株式会社、2008年10月、p.13−26)。
脂肪酸としては、飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸が挙げられるが、特に限定されない。
飽和脂肪酸としては、乳酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸(カプロン酸)、ヘプタン酸、オクタン酸(カプリル酸)、ノナン酸、デカン酸(カプリン酸)、ドデカン酸(ラウリン酸)、テトラデカン酸(ミリスチン酸)、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸(パルミチン酸)、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸(ステアリン酸)、イコサン酸(アラキジン酸)、ヘンイコシル酸、ドコサン酸(ベヘン酸)などの直鎖飽和脂肪酸及びイソステアリン酸、2−ヘキシルデカン酸、2−エチルヘキサン酸、イソノナン酸、12−ヒドロキシステアリン酸などの分枝鎖飽和脂肪酸が挙げられる。なかでも乳酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、イソステアリン酸、2−ヘキシルデカン酸、2−エチルヘキサン酸、イソノナン酸等が好ましく、乳酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、イソステアリン酸がより好ましく、カプリン酸、ミリスチン酸、イソステアリン酸、乳酸がさらに好ましく、ミリスチン酸、イソステアリン酸が特に好ましく、ミリスチン酸が最も好ましい。
不飽和脂肪酸としては、9−ヘキサデセン酸(パルミトレイン酸)、cis−9−オクタデセン酸(オレイン酸)、11−オクタデセン酸(バクセン酸)、cis,cis−9,12−オクタデカジエン酸(リノール酸)、9,12,15−オクタデカトリエン酸((9,12,15)−リノレン酸)、5,8,11,14−イコサテトラエン酸(アラキドン酸)などが挙げられる。なかでもリノール酸が好ましい。
本発明において(B)は炭素数3〜22の脂肪酸及び高級アルコールであってもよい。
(B)の高級アルコールとしては、炭素数8〜22のアルコールが挙げられるが、炭素数12〜18のアルコールが好ましい。
具体例としては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、2−オクチルドデカノール、オレイルアルコール、2−ヘキシルデシルアルコール、イソステアリルアルコールなどが挙げられるが、イソステアリルアルコール、2−ヘキシルデシルアルコール、2−オクチルドデカノールなどが好ましく、2−ヘキシルデシルアルコール、2−オクチルドデカノールがより好ましい。
当該高級アルコールの含有量としては、通常炭素数3〜22の脂肪酸1重量部に対して0.1〜30重量部、好ましくは0.5〜25重量部、より好ましくは0.5〜20重量部である。より好ましくは1.5重量部以上、さらに好ましくは2重量部以上である。
本発明の組成物I中の(B)としては、ミリスチン酸及びイソステアリン酸からなる群より選択される少なくともひとつの脂肪酸、及びイソステアリルアルコール、2−ヘキシルデシルアルコール及び2−オクチルドデカノールからなる群より選択される少なくともひとつの高級アルコールを含む混合物が好ましい。
本発明の組成物I中の(B)の含有量は、組成物Iの安定性、組成物Iの溶解温度の低下という観点から、(A)1重量部に対して、(B)は、通常20重量部以下、好ましくは10重量部以下、より好ましくは4重量部以下であり、通常0.8重量部以上、好ましくは1重量部以上、より好ましくは1.5重量部以上、さらに好ましくは2重量部以上である。
また別の態様において本発明の組成物I中の(B)の含有量は、組成物Iの安定性、組成物Iの溶解温度の低下という観点から、(A)1重量部に対して、(B)は、通常20重量部以下、好ましくは10重量部以下、より好ましくは4重量部以下であり、通常0.2重量部以上、好ましくは0.5重量部以上、より好ましくは0.8重量部以上、さらに好ましくは1重量部以上である。
本発明の(A)及び(B)を含む組成物I中の(A)の含有量は、組成物Iの調製時の溶解温度と、化粧品等へ配合した際に十分なゲル化能を発揮するという観点から、組成物I総重量に対して、通常0.1重量%以上であり、1重量%以上が好ましく、3重量%以上がより好ましく、20重量%以上がさらに好ましい。また通常70重量%以下であり、40重量%以下が好ましく、30重量%以下がより好ましい。
また本発明の(A)及び(B)を含む組成物I中の(B)の含有量は、組成物の安定性、組成物の溶解温度の低下という観点から、組成物I総重量に対して、通常99重量%以下であり、95重量%以下が好ましく、90重量%以下がより好ましく、また通常0.5重量%以上であり、1重量%以上が好ましく、10重量%以上がより好ましく、20重量%以上がさらに好ましい。
また別の態様では、本発明の(A)及び(B)を含む組成物I中の(B)の含有量は、組成物の安定性、組成物の溶解温度の低下という観点から、組成物I総重量に対して、通常99重量%以下であり、95重量%以下が好ましく、90重量%以下がより好ましい。また通常0.05重量%以上であり、0.5重量%以上が好ましく、1重量%以上がより好ましく、4重量%以上がさらに好ましく、10重量%以上が特に好ましく、60重量%以上が最も好ましい。
組成物Iの具体例としては、(A)が(A1):(A2)=2:3及び(B)がミリスチン酸又はイソステアリン酸(未中和)の場合に、組成物I総重量に対して、(A)の含有量が20重量%以上及び(B)の含有量が10〜20重量%の組成物が好ましいものとして挙げられる。
また別の組成物Iの具体例としては、(A)が(A1):(A2)=2:3及び(B)がミリスチン酸及びイソステアリン酸(未中和)から選択される少なくともひとつの脂肪酸及びイソステアリルアルコール、2−ヘキシルデシルアルコール及び2−オクチルドデカノールから選択される少なくともひとつの高級アルコールの混合物の場合に、組成物I総重量に対して、(A)の含有量が20重量%以上及び(B)脂肪酸の含有量が10〜20重量%及び高級アルコールの含有量が50重量%以上の組成物が好ましいものとして挙げられる。
本発明において(A)は、通常100℃以下、好ましくは95℃以下、より好ましくは90℃以下で、(B)中において均一に溶解される。
本発明の(A)及び(B)を含む組成物Iの形態(形状)は、液状、粉状、固体、ゲル状またはクリーム状等が挙げられ、なかでも粉状、固体、ゲル状や液状が好ましく、より好ましくは固体、ゲル状である。
本明細書中、固形またはゲル状になった組成物Iを再び加温し均一な溶液になった時の温度を「再溶解温度」という。
本発明の(A)及び(B)を含む組成物Iの再溶解温度は、100℃以下、好ましくは80℃以下、より好ましくは70℃以下、さらに好ましくは70℃未満、特に好ましくは65℃以下、最も好ましくは60℃以下である。下限は溶解することができれば特に限定されないが、通常20℃以上である。
本発明の組成物Iにおいては、上記(A)及び(B)を含んでいれば、本発明の効果を損なわない範囲で、他の添加物を配合してもかまわない。
上記組成物Iを(C)油剤又は(C)及び(D)乳化剤に混合することによって得られる組成物IIも本発明のひとつである。
(C)油剤
本発明における(C)は、脂肪酸及び高級アルコール以外の通常化粧品や医薬品等に用いられる油剤であれば特に制約なく使用することができ、液状油剤、半固体状油剤、固体状油剤などが挙げられ、好ましくは液状油剤である。
具体的には、流動パラフィン、軽質イソパラフィン、流動イソパラフィン、水添(水素添加)ポリイソブテン、スクワラン、スクワレン等の直鎖又は分枝の炭化水素油;シア脂、アーモンド油、ホホバ油、オリーブ油、ホホバ種子油、トウモロコシ胚芽油、小麦胚芽油、メドウフォーム油、ヒマワリ油、マカデミアナッツ油等の植物油;液状ラノリン等の動物性油脂;ミリスチン酸イソプロピル、エチルヘキサン酸セチル、パルミチン酸エチルヘキシル、パルミチン酸セチル、パルミチン酸イソプロピル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、トリイソステアリン、トリエチルヘキサノイン等の脂肪酸エステル・多価アルコール脂肪酸エステル等のエステル油;ラウロイルサルコシンイソプロピル(エルデュウ(登録商標)SL-205)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル/オクチルドデシル)、ミリストイルメチルアミノプロピオン酸ヘキシルデシル、ラウロイルグルタミン酸ジヘキシルデシル、ラウロイルグルタミン酸ジイソステアリル、ラウロイルグルタミン酸ジオクチルドデシル、ラウロイルグルタミン酸ビス(ヘキシルデシル/オクチルドデシル)、ラウロイルグルタミン酸ジオクチルドデシル、ステアロイルグルタミン酸ジオクチルドデシルなどのアシルアミノ酸エステル類;N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル/2−オクチルドデシル)などのフィトステロールエステル類;シクロペンタシロキサン、ジメチルポリシロキサン、ジメチルシクロポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、高級アルコール変性オルガノポリシロキサン、ビスフェニルプロピルジメチコン等のシリコーン油、フルオロポリエーテル、パーフルオロアルキルエーテルシリコーン等のフッ素油等のシリコーン油などの液状油剤;
イソステアリン酸コレステリル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、マカダミアナッツ油脂肪酸コレステリル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル/ベヘニル/オクチルドデシル)等のコレステロールエステル類;N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル/ベヘニル/2−オクチルドデシル)、ミリストイルメチル−β−アラニン(フィトステリル/デシルテトラデシル)イソステアリン酸フィトステリル、オレイン酸フィトステリル等のフィトステロールエステル類;ヘキサオキシステアリン酸ジペンタエリトリット、ロジン酸ジペンタエリトリット等のジペンタエリトリット脂肪酸エステル類;トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、トリ(カプリル/カプリン/ミリスチン/ステアリン酸)グリセリド等のトリグリセリド類;硬化油等の部分的に水素添加されたトリグリセリド類;ラノリン、ラノステロール類、ワセリン等の半固体状油剤;
動物性ワックス、植物性ワックス、鉱物性ワックス、合成ワックス等、具体的には、コメヌカロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ミツロウ、ゲイロウ、セレシン、固形パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、ポリオレフィンワックス等の固体状油剤が挙げられる。
なかでも、汎用性の観点から、ワセリン、固形パラフィン、流動パラフィン、水添(水素添加)ポリイソブテンなどの炭化水素油;エチルヘキサン酸セチル、パルミチン酸セチル、パルミチン酸エチルヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリド、トリエチルヘキサノイン、トリイソステアリンなどの脂肪酸エステル油;シア脂、アーモンド油、小麦胚芽油、ホホバ種子油、ホホバ油、オリーブ油、メドウフォーム油、マカデミアナッツ油などの植物油;シクロペンタシロキサン、ビスフェニルプロピルジメチコンなどのシリコーン油;N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル/2−オクチルドデシル)などのフィトステロールエステル類、ラウロイルサルコシンイソプロピルなどのアシルアミノ酸エステル油、合成ワックスなどが好ましく、流動パラフィン、シクロペンタシロキサン、エチルヘキサン酸セチル、パルミチン酸セチル、アーモンド油、小麦胚芽油、ホホバ油、メドウフォーム油、マカデミアナッツ油合成ワックス等がより好ましく、流動パラフィン、エチルヘキサン酸セチル、小麦胚芽油等がさらに好ましい。
本発明の組成物II中の(C)の含有量は、感触が良く、汗かきの少ない安定な組成物が得られるという観点から、組成物II総重量に対して、通常1重量%以上、好ましくは5重量%以上、より好ましくは6重量%、さらに好ましくは10重量%以上、さらにより好ましくは20重量%以上、特に好ましくは40重量%以上、最も好ましくは50重量%以上であり、上限は通常99.9重量%以下、好ましくは95重量%以下、より好ましくは90重量%以下、さらに好ましくは85重量%以下である。
溶解温度が低く、汗かきの少ない安定な組成物IIが得られるという観点から、(A)、(B)及び(C)を含む組成物は、組成物IIの総重量に対して、(A)0.1〜30重量%、(B)0.1〜80重量%及び(C)1〜99.8重量%を含有し、(A)0.2〜15重量%、(B)0.2〜40重量%及び(C)5〜95重量%を含有するのが好ましく、(A)0.5〜10重量%、(B)0.5〜20重量%及び(C)6〜90重量%を含有することがより好ましい。
また別の態様では、溶解温度が低く、汗かきの少ない安定な組成物IIが得られるという観点から、(A)、(B)及び(C)を含む組成物は、組成物IIの総重量に対して、(A)0.1〜30重量%、(B)0.01〜80重量%及び(C)1〜99.89重量%を含有し、(A)0.2〜15重量%、(B)0.02〜40重量%及び(C)5〜95重量%を含有するのが好ましく、(A)0.5〜10重量%、(B)0.05〜20重量%及び(C)6〜90重量%を含有することがより好ましい。
また本発明の組成物IIにおいては、上記(A)〜(C)に加えて、(D)乳化剤を配合することによりさらに安定性が向上し、さらに油の相溶性を高めることができる。
(D)乳化剤
本発明における乳化剤は、化粧品や医薬品等に使用されているものであれば特に限定されないが、ノニオン系乳化剤が挙げられる。
ノニオン系乳化剤の中でも、油との相溶性の観点から通常HLB5〜16又はHLB5〜17のノニオン系乳化剤が使用される。なかでも処方の汗かきを減らし安定性向上の観点からHLB8〜17の乳化剤が好ましく、HLB8〜16の乳化剤がより好ましく、HLB10〜16の乳化剤がさらに好ましい。また、油との相溶性の観点からHLB5〜8の乳化剤も好ましく使用される。
また、HLBの低いノニオン界面活性剤及びHLBの高い界面活性剤を混合して使用することも可能である。
HLB10〜16の乳化剤としては、テトラオレイン酸ソルベス−60(テトラオレイン酸ポリオキシエチレン(60)ソルビット)、イソステアリン酸PEG(ポリエチレングリコール)−8グリセリル、ヤシ油脂肪酸PEG(ポリエチレングリコール)−7グリセリル、ジオレイン酸ポリグリセリル−10、ジイソステアリン酸ポリグリセリル−10、トリラウリン酸ポリグリセリル−10、トリカプリル酸ヘキサグリセリル、ヤシ油脂肪酸ポリグリセリル−10、ヤシ油脂肪酸ポリグリセリル−3、トリイソステアリン酸PEG(ポリエチレングリコール)−40グリセリル、イソステアリン酸PEG(ポリエチレングリコール)−40グリセリル、イソステアリン酸PEG(ポリエチレングリコール)−50水添(水素添加)ヒマシ油、ポリソルベート60、テトラオレイン酸ソルベス−30、ステアリン酸グリセリル(SE:自己乳化型)などが挙げられ、HLB17の乳化剤としてはステアリン酸PEG(ポリエチレングリコール)−100が挙げられる。
HLB5〜10未満の乳化剤としてステアリン酸ポリグリセリル−2、オレイン酸ポリグリセリル−2、セスキカプリル酸ポリグリセリル−2、トリイソステアリン酸PEG(ポリエチレングリコール)−20グリセリル、イソステアリン酸PEG(ポリエチレングリコール)−15水添(水素添加)ヒマシ油、オレイン酸PEG(ポリエチレングリコール)−6ソルビタンなどが挙げられる。
なかでも、ジオレイン酸ポリグリセリル−10、イソステアリン酸PEG−8グリセリル、ヤシ油脂肪酸ポリグリセリル−10、ヤシ油脂肪酸ポリグリセリル−3、トリイソステアリン酸PEG−40グリセリル、イソステアリン酸PEG−40グリセリル、イソステアリン酸PEG−50水添ヒマシ油、オレイン酸ポリグリセリル−2、ポリソルベート60、テトラオレイン酸ソルベス−30、ステアリン酸グリセリル(SE)、イソステアリン酸PEG−15水添ヒマシ油が好ましく、ジオレイン酸ポリグリセリル−10、イソステアリン酸PEG−8グリセリル、ヤシ油脂肪酸ポリグリセリル−10、ヤシ油脂肪酸ポリグリセリル−3、トリイソステアリン酸PEG−40グリセリル、イソステアリン酸PEG−40グリセリル、イソステアリン酸PEG−50水添ヒマシ油、ポリソルベート60、テトラオレイン酸ソルベス−30、ステアリン酸グリセリル(SE)、イソステアリン酸PEG−15水添ヒマシ油がより好ましい。
本発明の組成物II中の(D)の含有量は、組成物の安定性(汗かきを無くす効果)及び油の相溶性向上という観点から、組成物IIの総重量に対して、通常0.1重量%以上、好ましくは5重量%以上、より好ましくは12重量%、さらに好ましくは15重量%以上であり、上限は通常80重量%以下、好ましくは50重量%以下、より好ましくは40重量%以下、さらに好ましくは30重量%以下である。
組成物IIの安定性及びクレンジング機能の観点から、(A)、(B)、(C)及び(D)を含む組成物は、組成物II総重量に対して、通常(A)0.1〜30重量%、(B)0.1〜80重量%、(C)1〜99.7重量%及び(D)0.1〜80重量%を含有し、(A)0.2〜15重量%、(B)0.2〜40重量%、(C)2〜95重量%及び(D)1〜68重量%を含有するのが好ましく、(A)0.5〜10重量%、(B)0.5〜20重量%、(C)5〜90重量%及び(D)5〜50重量%を含有することがより好ましい。
また別の態様においては、組成物IIの安定性及びクレンジング機能の観点から、(A)、(B)、(C)及び(D)を含む組成物は、組成物II総重量に対して、通常(A)0.1〜30重量%、(B)0.01〜80重量%、(C)1〜99.79重量%及び(D)0.1〜80重量%を含有し、(A)0.2〜15重量%、(B)0.02〜40重量%、(C)2〜95重量%及び(D)1〜68重量%を含有するのが好ましく、(A)0.5〜10重量%、(B)0.05〜20重量%、(C)5〜90重量%及び(D)5〜50重量%を含有することがより好ましい。
本発明の組成物IIの形態(形状)は特に限定されるものではないが、例えばゲル状、液状、粒子状、固形状、棒状、球状、シート状等が挙げられる。中でもゲル状、固形状、球状が好ましい。
本発明の組成物の溶解時のpHとしては、通常pH2を超え10未満であるが、3以上が好ましく、4以上がより好ましく、また8以下が好ましく、7.5以下がより好ましい。
本発明の成分(A)〜(D)を含む組成物IIの均一に溶解する温度は、通常100℃以下であり、90℃以下が好ましく、80℃以下がより好ましい。したがって化粧品や香粧品の製造に使用する際には、従来のように非常に高い温度処理を施す必要がなく、化粧品等を容易に製造することができ、化粧品等の製造工程を大幅に簡素化できる。
本発明においては、組成物I及び組成物IIの組成にすることで、保存中または製造直後から認められる組成物の着色を抑制しうる。着色は成分の劣化により発現するものであり、組成物Iの場合には、(B)の劣化に由来する着色が挙げられ、組成物IIの場合には(B)、(C)、(D)及び香料、多価アルコール、(D)以外の界面活性剤等の劣化に由来する着色が挙げられる。
本発明においては、組成物I及び組成物IIの組成にすることで、組成物の苦味を抑制することができる。組成物の苦味とは、組成物Iの場合には、(A)由来の苦味が挙げられ、組成物IIの場合には(A)及び(C)由来の苦味が挙げられる。
また本発明の組成物は、各種キレート剤、制汗活性成分、ノニオン系乳化剤以外の界面活性剤、各種添加剤、各種粉体、A以外のゲル化剤等の通常化粧料に使用し得る成分を本発明の効果を阻害しない範囲で配合することもできる。
各種キレート剤としては、特に制限はないが、好ましくはトリエチレンテトラミン、2−テノイルトリフルオロアセトン、チオグリコール酸、酒石酸、コハク酸、8−キノリノール、ピリジン−2,6−ジカルボン酸、ピリジン、1,10−フェナントロリン、8−ヒドロキシキノリン−5−スルホン酸、グリシン、2,2’−ピリジルエチレンジアミン、オーリントリカルボン酸、キシレノールオレンジ、5−スルホサリチル酸、サリチル酸、ピロカテコール−3,5−ジスルホネート、4,5−ジヒドロキシベンゼン−1,3−ジスルホン酸、1,2−ジアミノシクロヘキサン−N,N,N’,N’−四酢酸、クエン酸、オキサレート、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸、アセチルアセトン、及びそれらの塩からなる群より選択されるキレート剤及びそれらの混合物などが挙げられる。
制汗活性成分としては、クロルヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、硫酸アルミニウム、酸化亜鉛、パラフェノールスルホン酸亜鉛、及びジルコニルクロリドをアルミニウムヒドロキシド及びアルミニウムクロルヒドロキシドと反応させることで製造されたジルコニウムアルミニウム複合体からなる群より選択される1種又はそれらの混合物が挙げられる。ここで言う、制汗活性成分とは、皮膚を強力に収斂させることによって汗の発生を抑える成分のことである。
ノニオン系乳化剤以外の界面活性剤としては、例えば、N−長鎖脂肪酸アシル−N−メチルタウリン塩、アルキルサルフェート及びそのアルキレンオキシド付加物、脂肪酸アミドエーテルサルフェート、脂肪酸の金属塩及び弱塩基塩、スルホコハク酸系界面活性剤、アルキルフォスフェート及びそのアルキレンオキシド付加物、アルキルエーテルカルボン酸等のアニオン界面活性剤;アルキルアンモニウムクロライド、ジアルキルアンモニウムクロライドなどの脂肪族アミン塩、それらの4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩などの芳香族4級アンモニウム塩、脂肪酸アシルアルギニンエステル等のカチオン界面活性剤;並びにカルボキシベタインなどのベタイン型界面活性剤、アミノカルボン酸型界面活性剤、イミダゾリン型界面活性剤等の両性界面活性剤等が挙げられる。
各種添加剤としては、例えば、グリシン、アラニン、セリン、スレオニン、アルギニン、グルタミン酸、アスパラギン酸、イソロイシン、ロイシン、バリンなどのアミノ酸類;ピロリドンカルボン酸及びそのナトリウム又は亜鉛塩、ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸を含むポリアミノ酸及びその塩、アラビアゴム類、アルギン酸塩、キサンタンガム、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸塩、キチン、キトサン、水溶性キチン、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジウム、ポリビニルピロリドン誘導体、四級アンモニウムカチオン化プロテイン、コラーゲン分解物及びその誘導体、アシル化タンパク等の水溶性高分子;マンニトールなどの糖アルコール及びそのアルキレンオキシド付加物;動植物抽出物、核酸、ビタミン、酵素、抗炎症剤、殺菌剤、防腐剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、制汗剤、顔料、色素、酸化染料、pH調整剤、パール剤、湿潤剤、1,3−ブチレングリコール等の多価アルコール等を挙げることができる。
各種粉体としては、例えば、ナイロンビーズ、シリコーンビーズ等の樹脂粉体、ナイロンパウダー、金属脂肪酸石鹸、黄酸化鉄、赤色酸化鉄、黒酸化鉄、酸化クロム、酸化コバルト、カーボンブラック、群青、紺青、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化セリウム、雲母チタン、窒化ホウ素、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、炭化珪素、色素、レーキ、セリサイト、マイカ、タルク、カオリン、板状硫酸バリウム、バタフライ状硫酸バリウム、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化鉄等が挙げられ、更にシリコーン処理、フッ素化合物処理、シランカップリング剤処理、シラン処理、有機チタネート処理、アシル化リジン処理、脂肪酸処理、金属石鹸処理、油剤処理、アミノ酸処理等の表面処理が施してあっても構わない。
(A)以外のゲル化剤としては、本発明の(A)以外のゲル化剤であれば特に限定されないが、例えばデキストリン誘導体からなるゲル化剤、アミド結合を複数有する高分子重合体またはその誘導体からなるゲル化剤が挙げられる。デキストリン誘導体からなるゲル化剤としては、(パルミチン酸/ヘキシルデカン酸)デキストリン、パルミチン酸デキストリン、パルミチン酸/エチルヘキシル酸)デキストリン、ミリスチン酸デキストリン、ステアリン酸イヌリンなどが挙げられる。高分子重合体またはその誘導体からなるゲル化剤としてはポリアミド−3、ポリアミド−8、ポリアミド−5などが挙げられる。
また本発明の組成物Iは、化粧品、香粧品、医薬品及び医薬部外品等の基剤、感触改良剤、増粘剤、安定化剤、ゲル化剤として用いることができる。基剤とは、化粧品等の原料のうち、その製品に形を与えるために主に使われる成分のことで、賦形剤とも呼ばれるものである。
さらに本発明の組成物IIは、そのままで、又は前記成分を配合し、化粧品、香粧品、医薬部外品、芳香剤、トイレタリ製品、キャンドル及び画材として用いることができる。
本発明の組成物IIを配合した化粧品、香粧品、医薬品及び医薬部外品の形状は特に限定されるものではないが、例えばペースト状、ゲル状、クリーム状、粒子状、固形状、棒状、球状、シート状等が挙げられる。中でもペースト状、ゲル状、固形状、球状が好ましく、ペースト状、ゲル状がより好ましく、その溶状は透明または白濁でありうる。
化粧品、香粧品及び医薬部外品の具体例としては、制汗剤、リップスティック、口紅、日焼け防止剤、固形ファンデーション、コンシーラー、化粧下地、クレンジング剤等の固形製剤、洗顔料、クレンジングジェル、乳液、マッサージクリーム、コールドクリーム、モイスチャージェル、パック、アフターシェイビングジェル、乳液状ファンデーション、チーク、マスカラ、シャンプー、リンス、育毛剤、トリートメント、ヘアコンディショナー、チック、セットローション、ヘアクリーム、ヘアワックス、ヘアムース、パーマ液、染毛剤、ヘアカラー、ヘアマニキュア、日焼け止めオイル、ハンドソープ、口腔内洗浄剤等のゲルもしくはゲル分散物または乳化物、芳香剤、及び湿布薬等が挙げられる。好ましくは、制汗剤、口紅、リップスティック、クリーム、乳液、日焼け防止剤であり、制汗剤、口紅、クリーム、乳液、日焼け防止剤がより好ましい。
医薬品の具体例としては、軟膏、クリーム、ゲル剤等の外用剤、貼付剤や座薬等が挙げられる。
本発明の組成物IIを含む化粧品、香粧品、医薬品及び医薬部外品は、常法に従って製造することができる。
本発明は、(A)N−アシル酸性アミノ酸ジアルキルアミドならびに(E)N−アシルアミノ酸を含む組成物(組成物III又はゲル化剤組成物と称する)及び組成物IIIに(C)油剤または(C)及び(D)乳化剤を含む組成物(組成物IV又はゲル状組成物と称する)及びそれらの製造方法も含まれる。本発明におけるN−アシルアミノ酸は、未中和体が好ましい。
組成物IIIは、溶解性が悪い(A)を(E)と組み合わせて得られる組成物であって、再溶解温度が低くなるためハンドリング性に優れ、成分の劣化を低減できる組成物である。
N−アシルアミノ酸のアシル基としては、炭素原子数8〜22の飽和又は不飽和脂肪酸より誘導される、直鎖または分枝鎖のものを使用できる。アシル基の具体例としては、オクタノイル基、ノナノイル基、デカノイル基、ウンデカノイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、オレオイル基、リノレイル基、天然由来の混合脂肪酸(例、ヤシ油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸、パーム油脂肪酸)より誘導されるアシル基等が挙げられる。好ましくは、オクタノイル基、デカノイル基、ラウロイル基、ヤシ油脂肪酸より誘導されるアシル基である。
N−アシルアミノ酸のアミノ酸としては、特に限定されないが、中性アミノ酸が好ましく、グリシン、アラニン、N−メチル−β−アラニン、スレオニン、サルコシン、β−アラニン、フェニルアラニン、プロリン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、ヒドロキシプロリン、アミノ酪酸、アミノカプロン酸等が挙げられる。これらのアミノ酸はL体、D体又はDL体の何れでも良い。これらのうち1種類を使用しても良いし、上記群から選ばれる2種以上を混合して使用しても構わない。なかでも、プロリン、アラニン、バリン、スレオニン、サルコシン、N−メチル−β−アラニンが好ましい。
なお、不斉炭素原子を有するアミノ酸に関しては、光学活性体またはラセミ体のいずれでもよい。
N−アシルアミノ酸の具体例としては、N−デカノイルプロリン、N−ラウロイルサルコシン、N−ヤシ油脂肪酸アシルアラニン、N−ヤシ油脂肪酸アシルバリン、N−ヤシ油脂肪酸アシルスレオニン、N−オクタノイル−N−メチル−β−アラニンが挙げられる。
本発明において使用される成分(E)N−アシルアミノ酸は、例えば、公知の方法により得ることができる。具体的には、中性アミノ酸と脂肪酸ハライドとのショッテンバウマン反応等により得ることができる。
本発明の組成物III中の(E)の含有量は、組成物IIIの安定性、組成物IIIの溶解温度の低下という観点から、(A)1重量部に対して、(E)は、通常20重量部以下、好ましくは10重量部以下、より好ましくは4重量部以下であり、通常0.2重量部以上、好ましくは0.5重量部以上、より好ましくは0.8重量部以上、さらに好ましくは1重量部以上である。
本発明の(A)及び(E)を含む組成物III中の(A)の含有量は、組成物Iの調製時の溶解温度と、化粧品等へ配合した際に十分なゲル化能を発揮するという観点から、組成物III総重量に対して、通常0.1重量%以上であり、1重量%以上が好ましく、3重量%以上がより好ましい。また通常70重量%以下であり、40重量%以下が好ましく、30重量%以下がより好ましい。
また本発明の(A)及び(E)を含む組成物III中の(E)の含有量は、組成物の安定性、組成物の溶解温度の低下という観点から、組成物III総重量に対して、通常99重量%以下であり、95重量%以下が好ましく、90重量%以下がより好ましい。また通常0.05重量%以上であり、0.5重量%以上が好ましく、1重量%以上がより好ましく、4重量%以上がさらに好ましい。
本発明において(A)は、通常100℃以下、好ましくは95℃以下、より好ましくは90℃以下で(E)中において均一に溶解される。
本発明の(A)及び(E)を含む組成物IIIの形態(形状)は、液状、粉状、固体、ゲル状またはクリーム状等が挙げられ、なかでも粉状、固体、ゲル状や液状が好ましく、より好ましくは固体、ゲル状である。
本明細書中、固形またはゲル状になった組成物IIIを再び加温し均一な溶液になった時の温度を「再溶解温度」という。
本発明の(A)及び(E)を含む組成物IIIの再溶解温度は、100℃以下、好ましくは80℃以下、より好ましくは70℃以下、さらに好ましくは70℃未満、特に好ましくは65℃以下、最も好ましくは60℃以下である。下限は溶解することができれば特に限定されないが、通常20℃以上である。
本発明の組成物IIIにおいては、上記(A)及び(E)を含んでいれば、本発明の効果を損なわない範囲で、他の添加物を配合してもかまわない。
上記組成物IIIを上記(C)油剤又は(C)及び(D)乳化剤に混合することによって得られる組成物IVも本発明のひとつである。
本発明の組成物IV中の(C)の含有量は、感触が良く、汗かきの少ない安定な組成物が得られるという観点から、組成物IV総重量に対して、通常1重量%以上、好ましくは5重量%以上、より好ましくは6重量%、さらに好ましくは10重量%以上、さらにより好ましくは20重量%以上、特に好ましくは40重量%以上、最も好ましくは50重量%以上であり、上限は通常99.9重量%以下、好ましくは95重量%以下、より好ましくは90重量%以下、さらに好ましくは85重量%以下である。
溶解温度が低く、汗かきの少ない安定な組成物IVが得られるという観点から、(A)、(E)及び(C)を含む組成物は、組成物IVの総重量に対して、(A)0.1〜30重量%、(E)0.01〜80重量%及び(C)1〜99.89重量%を含有し、(A)0.2〜15重量%、(E)0.02〜40重量%及び(C)5〜95重量%を含有するのが好ましく、(A)0.5〜10重量%、(E)0.05〜20重量%及び(C)6〜90重量%を含有することがより好ましい。
また本発明の組成物IVにおいては、上記(A)、(E)及び(C)に加えて、(D)乳化剤を配合することによりさらに安定性が向上し、さらに油の相溶性を高めることができる。
本発明の組成物IV中の(D)の含有量は、組成物の安定性(汗かきを無くす効果)及び油の相溶性向上という観点から、組成物IVの総重量に対して、通常0.1重量%以上、好ましくは5重量%以上、より好ましくは12重量%、さらに好ましくは15重量%以上であり、上限は通常80重量%以下、好ましくは50重量%以下、より好ましくは40重量%以下、さらに好ましくは30重量%以下である。
組成物IVの安定性及びクレンジング機能の観点から、(A)、(E)、(C)及び(D)を含む組成物は、組成物IV総重量に対して、通常(A)0.1〜30重量%、(E)0.01〜80重量%、(C)1〜99.79重量%及び(D)0.1〜80重量%を含有し、(A)0.2〜15重量%、(E)0.02〜40重量%、(C)2〜95重量%及び(D)1〜68重量%を含有するのが好ましく、(A)0.5〜10重量%、(E)0.05〜20重量%、(C)5〜90重量%及び(D)5〜50重量%を含有することがより好ましい。
本発明の組成物IVの形態(形状)は特に限定されるものではないが、例えばゲル状、液状、粒子状、固形状、棒状、球状、シート状等が挙げられる。中でもゲル状、固形状、球状が好ましい。
本発明の組成物III及びIVの溶解時のpHとしては、通常pH2を超え10未満であるが、3以上が好ましく、4以上がより好ましく、また8以下が好ましく、7.5以下がより好ましい。
本発明の成分(A)、(E)、(C)及び(D)を含む組成物IVの均一に溶解する温度は、通常100℃以下であり、90℃以下が好ましく、80℃以下がより好ましい。したがって化粧品や香粧品の製造に使用する際には、従来のように非常に高い温度処理を施す必要がなく、化粧品等を容易に製造することができ、化粧品等の製造工程を大幅に簡素化できる。
本発明においては、組成物III及び組成物IVの組成にすることで、保存中または製造直後から認められる組成物の着色を抑制しうる。着色は成分の劣化により発現するものであり、組成物IIIの場合には、(B)の劣化に由来する着色が挙げられ、組成物IVの場合には(E)、(C)、(D)及び香料、多価アルコール、(D)以外の界面活性剤等の劣化に由来する着色が挙げられる。
本発明においては、組成物III及び組成物IVの組成にすることで、組成物の苦味を抑制することができる。組成物の苦味とは、組成物IIIの場合には、(A)由来の苦味が挙げられ、組成物IVの場合には(A)及び(C)由来の苦味が挙げられる。
また本発明の組成物III及びIVは、上記組成物I及びIIで述べた通常化粧料に使用し得る成分を本発明の効果を阻害しない範囲で配合することもできる。
また本発明の組成物IIIは、化粧品、香粧品、医薬品及び医薬部外品等の基剤、感触改良剤、増粘剤、安定化剤、ゲル化剤として用いることができる。基剤とは、化粧品等の原料のうち、その製品に形を与えるために主に使われる成分のことで、賦形剤とも呼ばれるものである。
さらに本発明の組成物IVは、そのままで、又は前記成分を配合し、化粧品、香粧品、医薬部外品、芳香剤、トイレタリ製品、キャンドル及び画材として用いることができる。
本発明の組成物IVを配合した化粧品、香粧品、医薬品及び医薬部外品の形状は特に限定されるものではないが、例えばペースト状、ゲル状、クリーム状、粒子状、固形状、棒状、球状、シート状等が挙げられる。中でもペースト状、ゲル状、固形状、球状が好ましく、ペースト状、ゲル状がより好ましく、その溶状は透明または白濁でありうる。
化粧品、香粧品及び医薬部外品の具体例は上記組成物Iと同じものが挙げられる。
本発明の組成物IVを含む化粧品、香粧品、医薬品及び医薬部外品は、常法に従って製造することができる。
本発明には、(A)を(B)に100℃以下で溶解する工程を含む、(A)及び(B)を含む組成物の製造方法(組成物Iの製造方法)も含まれる。
通常(A)1重量部に対して、20重量部以下、好ましくは10重量部以下、より好ましくは4重量部以下、通常0.8重量部以上、好ましくは1重量部以上、より好ましくは2重量部以上の(B)に溶解する。
溶解温度は通常100℃以下であり、98℃以下が好ましく、95℃以下がより好ましく、90℃以下がさらに好ましく、下限は通常20℃以上であり、40℃以上が好ましい。
溶解に要する時間は、均一になるまでに要する時間であり、通常10〜120分、好ましくは20〜90分、より好ましくは30〜60分である。必要に応じて撹拌する。また均一に溶解し得られた溶解液を冷却する工程を含んでもよい。
得られた組成物Iはゲル化剤として使用することができ、かかる組成物Iの再溶解温度は、100℃以下、好ましくは80℃以下、より好ましくは70℃以下、さらに好ましくは70℃未満、特に好ましくは65℃以下、最も好ましくは60℃以下であり、下限は通常20℃以上である。各成分の定義等は既述に準じる。
さらに以下(1)及び(2)の工程を含む、(A)〜(C)を含む組成物の製造方法(組成物IIの製造方法)も本発明に含まれる:
(1)(A)を(B)に100℃以下で溶解する工程
(2)(A)を(B)に溶解させた溶解物(固体、ゲル状又は液状の組成物I)を(C)に100℃以下で混合する(溶解する)工程。
この方法には、上記工程(1)の後に(A)を(B)に溶解させた溶解物(組成物I)を冷却後80℃以下で再溶解する工程を含んでもよい。
(2)において、通常(A)及び(B)の溶解物の合計量は、(A)、(B)及び(C)の総重量に対して、0.1〜70重量%、好ましくは1〜50重量%、より好ましくは5〜40重量%である。
(2)における混合する(溶解する)際の温度は通常100℃以下であり、90℃以下が好ましく、80℃以下がより好ましく、下限は通常20℃以上であり、30℃以上が好ましく、40℃以上がより好ましい。
混合(溶解)は、例えば混合物をオイルバスやヒーターを用いて加熱することにより行われる。
(2)における混合(溶解)に要する時間は、均一になるまでに要する時間であり、通常10〜120分、好ましくは20〜60分、より好ましくは30〜40分である。必要に応じて撹拌し、均一になれば、冷却して組成物を得る。
得られた組成物はゲル状組成物として使用することができる。各成分の定義等は既述に準じる。
上記製造方法は、さらに(3)(D)を添加する工程を含んでもよい。
通常(A)〜(D)を含む組成物の総重量に対して、(D)の量は0.1〜80重量%、好ましくは1〜68重量%、より好ましくは5〜50重量%である。
(D)を添加する時期は、上記(2)の前でも後でもよい。(C)に(D)を添加しても、(2)で得られた溶解物に(D)を添加してもよいが、(D)を(C)に添加する工程が好ましい。
(3)における混合(溶解)する際の温度は通常100℃以下であり、90℃以下が好ましく、80℃以下がより好ましく、下限は通常20℃以上であり、30℃以上が好ましく、40℃以上がより好ましい。
(3)における混合(溶解)に要する時間は、均一になるまでに要する時間であり、通常10〜120分、好ましくは20〜60分、より好ましくは30〜40分である。必要に応じて撹拌し、均一になれば、冷却して組成物を得る。各成分の定義等は既述に準じる。
本発明には、(A)を(B)に100℃以下で溶解する工程を含む、(A)及び(B)を含む組成物の着色を抑制する方法(組成物Iの着色抑制方法)も含まれる。
また本発明には、(A)を(B)に100℃以下で溶解する工程を含む、(A)及び(B)を含む組成物の苦味を抑制する方法(組成物Iの苦味抑制方法)も含まれる。
各成分及び条件の定義等は既述に準じる。
本発明には、(A)を(B)に100℃以下で溶解する工程及び(A)を(B)に溶解した溶解物を(C)に100℃以下で混合する(溶解する)工程を含む、(A)〜(C)を含む組成物の着色を抑制する方法(組成物IIの着色抑制方法)も含まれる。
また本発明には、(A)を(B)に100℃以下で溶解する工程及び(A)を(B)に溶解した溶解物を(C)に100℃以下で混合する(溶解する)工程を含む、(A)〜(C)を含む組成物の苦味を抑制する方法(組成物IIの苦味抑制方法)も含まれる。
各成分及び条件の定義等は既述に準じる。
本発明には、(A)を(E)に100℃以下で溶解する工程を含む、(A)及び(E)を含む組成物の製造方法(組成物IIIの製造方法)も含まれる。
通常(A)1重量部に対して、20重量部以下、好ましくは10重量部以下、より好ましくは4重量部以下、通常0.8重量部以上、好ましくは1重量部以上、より好ましくは2重量部以上の(E)に溶解する。
溶解温度は通常100℃以下であり、98℃以下が好ましく、95℃以下がより好ましく、90℃以下がさらに好ましく、下限は通常20℃以上であり、40℃以上が好ましい。
溶解に要する時間は、均一になるまでに要する時間であり、通常10〜120分、好ましくは20〜90分、より好ましくは30〜60分である。必要に応じて撹拌する。また均一に溶解し得られた溶解液を冷却する工程を含んでもよい。
得られた組成物IIIはゲル化剤として使用することができ、かかる組成物IIIの再溶解温度は、100℃以下、好ましくは80℃以下、より好ましくは70℃以下、さらに好ましくは70℃未満、特に好ましくは65℃以下、最も好ましくは60℃以下であり、下限は通常20℃以上である。各成分の定義等は既述に準じる。
さらに以下(1)及び(2)の工程を含む、(A)、(E)及び(C)を含む組成物の製造方法(組成物IIの製造方法)も本発明に含まれる:
(1)(A)を(E)に100℃以下で溶解する工程
(2)(A)を(E)に溶解させた溶解物(固体、ゲル状又は液状の組成物I)を(C)に100℃以下で混合する(溶解する)工程。
この方法には、上記工程(1)の後に(A)を(E)に溶解させた溶解物(組成物I)を冷却後80℃以下で再溶解する工程を含んでもよい。
(2)において、通常(A)及び(E)の溶解物の合計量は、(A)、(E)及び(C)の総重量に対して、0.1〜70重量%、好ましくは1〜50重量%、より好ましくは5〜40重量%である。
(2)における混合する(溶解する)際の温度は通常100℃以下であり、90℃以下が好ましく、80℃以下がより好ましく、下限は通常20℃以上であり、30℃以上が好ましく、40℃以上がより好ましい。
混合(溶解)は、例えば混合物をオイルバスやヒーターを用いて加熱することにより行われる。
(2)における混合(溶解)に要する時間は、均一になるまでに要する時間であり、通常10〜120分、好ましくは20〜60分、より好ましくは30〜40分である。必要に応じて撹拌し、均一になれば、冷却して組成物を得る。
得られた組成物はゲル状組成物として使用することができる。各成分の定義等は既述に準じる。
上記製造方法は、さらに(3)(D)を添加する工程を含んでもよい。
通常(A)、(E)、(C)及び(D)を含む組成物の総重量に対して、(D)の量は0.1〜80重量%、好ましくは1〜68重量%、より好ましくは5〜50重量%である。
(D)を添加する時期は、上記(2)の前でも後でもよい。(C)に(D)を添加しても、(2)で得られた溶解物に(D)を添加してもよいが、(D)を(C)に添加する工程が好ましい。
(3)における混合(溶解)する際の温度は通常100℃以下であり、90℃以下が好ましく、80℃以下がより好ましく、下限は通常20℃以上であり、30℃以上が好ましく、40℃以上がより好ましい。
(3)における混合(溶解)に要する時間は、均一になるまでに要する時間であり、通常10〜120分、好ましくは20〜60分、より好ましくは30〜40分である。必要に応じて撹拌し、均一になれば、冷却して組成物を得る。各成分の定義等は既述に準じる。
本発明には、(A)を(E)に100℃以下で溶解する工程を含む、(A)及び(E)を含む組成物の着色を抑制する方法(組成物IIIの着色抑制方法)も含まれる。
また本発明には、(A)を(E)に100℃以下で溶解する工程を含む、(A)及び(E)を含む組成物の苦味を抑制する方法(組成物IIIの苦味抑制方法)も含まれる。
各成分及び条件の定義等は既述に準じる。
本発明には、(A)を(E)に100℃以下で溶解する工程及び(A)を(E)に溶解した溶解物を(C)に100℃以下で混合する(溶解する)工程を含む、(A)、(E)及び(C)を含む組成物の着色を抑制する方法(組成物IVの着色抑制方法)も含まれる。
また本発明には、(A)を(E)に100℃以下で溶解する工程及び(A)を(E)に溶解した溶解物を(C)に100℃以下で混合する(溶解する)工程を含む、(A)、(E)及び(C)を含む組成物の苦味を抑制する方法(組成物IVの苦味抑制方法)も含まれる。
各成分及び条件の定義等は既述に準じる。
次に、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
再溶解温度の評価
グラスバイアルに成分(B)の適量を測り取り、成分(A)の適量を成分(B)に添加後、オイルバス中で加温、撹拌し成分(A)を成分(B)中に均一に溶解させた。均一に溶解した溶液を3時間以上室温において冷却した。固形またはゲル状の混合物をオイルバス中で加温・撹拌した際、再び均一な溶液になった温度を温度計で測り、再溶解温度として評価した。
成分(A)として、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジブチルアミドは、味の素株式会社製のアミノ酸系ゲル化剤「GP−1」、N−2−エチルヘキサノイルグルタミン酸ジブチルアミドは、味の素株式会社製のアミノ酸系ゲル化剤「EB−21」を使用し(以下同様)、GP−1:EB−21=3:2に調製した(試験例1)。
また、試験例2ではGP−1:EB−21=1:3〜1:4の割合で使用した。
試験例1及び試験例2では、再溶解温度が、
60℃以下の場合は、とても好ましい「A」
60℃を超えて70℃以下の場合は、好ましい「B」
70℃を超える場合は、好ましくない「C」
として評価した。
油との相溶性
表1に記載の各種油剤のそれぞれ(2g)を別々の透明なグラスバイアルに測り取り、各油剤に溶剤である成分(B)の(1g)を添加し、60℃の設定のオイルバスにおいて1時間混合した。一日静置して外観を目視で判断した。
判定基準は下記の表中の6カテゴリーの油剤と溶剤の相溶性を
少なくとも3カテゴリー以上の油剤と分層する場合は、好ましくない「D」
少なくとも2カテゴリーの油剤と分層する場合は、あまり好ましくない「C」
1カテゴリーの油剤と分層する場合は、好ましい「B」
すべてのカテゴリーの油剤と均一に溶解する場合は、とても好ましい「A」
として評価をした。
<試験例1>
表2−1、2−2及び2−3に記載の割合(重量%)の(A)及び(B)の混合物20gをグラスバイアルに入れ、上述のように溶解温度及び再溶解温度を測定し評価した。(B)の油剤との相溶性を上述のように評価した。結果は表2−1〜2−3に示した。
成分(A)として、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジブチルアミドは、味の素株式会社製のアミノ酸系ゲル化剤「GP−1」、N−2−エチルヘキサノイルグルタミン酸ジブチルアミドは、味の素株式会社製のアミノ酸系ゲル化剤「EB−21」を使用し(以下同様)、GP−1:EB−21=3:2に調製した。



表2−1、2−2及び2−3に示す通り、溶剤に脂肪酸または脂肪酸及び高級アルコールを使用することにより、(A)を90℃以下で溶解することができまた再溶解温度がさらに低く、70℃以下になることを確認した。一方高級アルコール単独での溶解温度は100℃以上と高く、再溶解温度も80℃よりも高かった。ペンチレングリコールは各種油剤と混合しても時間が経つと分層し油剤との相溶性が好ましくなかった。このように、ポリオールの利用によりゲル化剤の溶解温度を下げることができてもポリオールは非極性油剤と相溶性が悪いため油に添加した際に油と相分離を起こすことがわかった(比較例1−5)。
<試験例2>
表3に記載の割合(重量%)の(A)及び(B)の混合物20gをグラスバイアルに入れ、上述のように溶解温度及び再溶解温度を測定し評価した。また(B)の油剤との相溶性を上述のように評価した。結果は表3に示した。
表3に示す通り、溶剤に脂肪酸を使用することにより、高用量の(A)を90℃以下で溶解することができ、また再溶解温度がさらに低く、70℃以下になることを確認した。一方高級アルコール単独では溶解温度が120℃以上と高く、再溶解温度も100℃以上であった。
<試験例3>
表4に記載の割合(重量%)に従い、(A)〜(D)の混合物の合計量が20gになるように、グラスバイアルに成分(B)を測り取り、成分(A)を成分(B)に添加後、オイルバス中で加温、撹拌し成分(A)を成分(B)中に均一に溶解させた。均一に溶解した溶液を3時間以上室温において冷却した。冷却により、固形またはゲル状になった(A)及び(B)の均一混合物をオイルバス中で再溶解温度にて加温・撹拌し、再び均一な溶液にした。また、別の透明グラスバイアルに成分(C)または成分(C)及び成分(D)の混合物を測り取り、均一に混合・溶解した。最後に、(B)と(A)の混合溶液を成分(C)または成分(C)及び成分(D)の混合溶液に添加し80℃で撹拌して混合した。このように得られた(A)〜(D)混合物からなる各種組成物について以下の基準で評価した。80℃で撹拌しても混合しなかった場合、(A)〜(D)の混合物を更に高い温度で加温し、均一に混合させた。
透明性の確認
加温・撹拌して均一にした溶液を3時間以上室温(25℃)において冷却し、グラスバイアル内の混合物の透明性を目視で確認(25℃)し、
透明の場合は、好ましい「A」
白濁のゲルの場合は、好ましくない「B」
として評価した。
組成物の汗かきの評価
加温・撹拌して均一にした溶液を3時間以上室温において冷却して得られた固形またはゲル状の混合物を−5℃から40℃のサイクルに連続的に温度を変えることができる装置内に3サイクル分の時間保管した。その後ゲル状の混合物を装置から取り出し、常温・常湿の環境に12時間保管した。そのゲル状混合物の表面を目視で観察(25℃)し、表面に液滴が
確認できた場合は、汗かきありとして、好ましくない「B」
確認できない場合は、汗かき無しとして、好ましい「A」
として評価した。
A)〜(D)の混合物の均一混合温度が80℃以下
上記試験例3の方法において調製した(A)〜(D)の混合物を
80℃で均一に混合できた場合、好ましい「A」
80℃では均一に混合できず粒状や固形状のものが溶液中に確認できる場合、好ましくない「B」
として評価した。
結果を表4−1及び4−2に示す。
表4−1に示す通り、実施例の組成物は、80℃以下で均一に混合することができ、汗かき現象もなく安定なゲル状組成物が得られたことを確認した。なおA+Bの実施例1−1〜1−8の組成物はいずれも同じ結果が得られているので8個の結果をひとつにまとめて示す。2−1〜2−2の結果も同様である。
いっぽう、表4−2に示す通りポリオールの利用によりゲル状組成物の溶解温度を下げることができても、ポリオールは非極性油剤と相溶性が悪いため油に添加した際に油と相分離を起こす。そのため、ポリオールを溶剤として使用した場合、組成物の安定性が低下することがわかった(比較例3−2〜3−8)。
<試験例4>
各種溶剤の極性の指標となるIOB値(無機性値/有機性値)を既存の方法により計算した(甲田善生ほか著、“新版 有機概念図―基礎と応用”新版第1刷発行、日本、東京、三共出版株式会社、2008年10月、p.13−26)。各溶剤のIOB値を表5に示す。

<試験例5>
表6に示した処方(実施例5)の製造方法:
予め均一に溶解して調製した成分群iの固形状混合物を70℃で加熱して再溶解させた。成分群iiを別に80℃で加熱・混合した後、成分群iを成分群iiに加え、80℃で均一に混合した。予め溶解しておいたiiiと、ivを80℃で加熱混合した。iii+ivにi+iiをホモミキサーにて攪拌しながら加えた(3000rpm、80±3℃、3分間)。30℃まで冷却し、製品とした。
官能評価
専門パネラー6名により、実施例5の伸びの良さ及びべたつきのなさを下記基準により評価してもらった。
<伸びの良さ>
1)伸びがとても良い・・・・・4点
2)伸びが良い・・・・・・・・3点
3)伸びがあまり良くない・・・2点
4)伸びが全く良くない・・・・1点
<べたつきのなさ>
1)全くべたつかない・・・・・4点
2)べたつかない・・・・・・・3点
3)少しべたつく・・・・・・・2点
4)とてもべたつく・・・・・・1点
専門パネラー6名の評価の平均点を基に以下のように判断した。結果は表7に示した。
とても好ましい(A) :評価平均点3.5以上
やや好ましい(B) :評価平均点2.5以上3.5未満
あまり好ましくない(C):評価平均点1.5以上2.5未満
全く好ましくない(D) :評価平均点1.5未満
高温での粘度低下の評価
最終製品を40℃に加温しB型粘度計((Digital Viscometer, Tokyo Keiki社製、ローターNo.4、30rpm、30秒、25℃)を用いて粘度の低減を求めた。粘度の低減の範囲が常温の粘度の10%以内であれば処方の高温での粘度低下は好ましい(A)と判断し、粘度低減が10%よりも大きい場合、粘度低下は好ましくない(B)と判断した。結果は表7に示した。
<試験例6>
成分の劣化の評価
グラスバイアルに成分(B)の適量を測り取り、成分(A)の適量を成分(B)に添加後、オイルバス中で加温、撹拌し成分(A)を成分(B)中に均一に溶解させた。均一に溶解した溶液を3時間以上室温において冷却した。その後、表8の各処方をそれぞれの再溶解温度で溶解させ3時間以上室温において冷却した。このような再溶解・冷却操作を5回繰り返して行った。溶解温度及び再溶解温度を測定し表8に示した。溶解成分(A)として、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジブチルアミドは、味の素株式会社製のアミノ酸系ゲル化剤「GP−1」、N−2−エチルヘキサノイルグルタミン酸ジブチルアミドは、味の素株式会社製のアミノ酸系ゲル化剤「EB−21」を使用し、GP−1:EB−21=3:2に調製した。得られた混合物に関しては専門パネラー6名により、表8の処方の着色を目視で確認し下記基準により評価した。また、表8の処方の3mg程度を舌に乗せ口の中にいれた。30秒後に感じられた苦味を下記基準により評価した。
<着色のなさ>
1)着色が全くない・・・・・4点
2)着色がない・・・・・・・3点
3)少し着色がある・・・・・2点
4)非常に着色がある・・・・1点
<苦味のなさ>
1)全く苦味がない・・・・・4点
2)あまり苦味がない・・・・3点
3)少し苦味を感じる・・・・2点
4)かなり苦味を感じる・・・1点
専門パネラー6名の評価の平均点を基に以下のように判断した。結果は表8に示した。
とても好ましい(A) :評価平均点3.5以上
やや好ましい(B) :評価平均点2.5以上3.5未満
あまり好ましくない(C):評価平均点1.5以上2.5未満
全く好ましくない(D) :評価平均点1.5未満
<試験例7>
表9に記載の割合(重量%)の(A)及び(E)の混合物20gをグラスバイアルに入れ、試験例1と同様に溶解温度及び再溶解温度を測定し評価した。(E)の油剤との相溶性を試験例1と同様に評価した。結果は表9に示した。
成分(A)として、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジブチルアミドは、味の素株式会社製のアミノ酸系ゲル化剤「GP−1」、N−2−エチルヘキサノイルグルタミン酸ジブチルアミドは、味の素株式会社製のアミノ酸系ゲル化剤「EB−21」を使用し(以下同様)、GP−1:EB−21=3:2に調製した。
表9に示す通り、溶剤にアシルアミノ酸を使用することにより、(A)を90℃以下で溶解することができ、また再溶解温度がさらに低く、70℃以下になることを確認した。
上記組成物Iを利用した参考処方例を下記に示した。これらの処方は安定性が高く、参考処方2以外の処方は透明性が非常に高く、更に使用の際、非常に滑らかな感触を付与することができる。加えて、これらの処方は100℃以下の温度で作成することが可能である。
参考処方1
ナチュラルリップ処方:
参考処方2
ワセリンスティック処方:
参考処方3
リップティント処方:
参考処方4
クリアリップスティック処方:
参考処方5
サンケアスティック処方:
本発明の組成物を使用すれば、化粧品、香粧品や医薬部外品等に配合される成分を損なうことなく、外観の美しい化粧品等を簡便に製造することができる。

Claims (47)

  1. (A)式(I):


    (式中、R及びRはそれぞれ独立に炭素原子数1〜7の直鎖又は分枝鎖のアルキル基を示し、Rは炭素原子数3〜15の直鎖又は分枝鎖のアルキル基を示し、nは1又は2を示す)で表わされるN−アシル酸性アミノ酸ジアルキルアミドの少なくとも1種、及び(B)炭素数3〜22の脂肪酸又は炭素数3〜22の脂肪酸及び炭素数8〜22の高級アルコール
    を含む組成物。
  2. 式(I)で表わされるN−アシル酸性アミノ酸ジアルキルアミドが、N−2−エチルヘキサノイルグルタミン酸ジブチルアミド及びN−ラウロイルグルタミン酸ジブチルアミドからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1に記載の組成物。
  3. 式(I)で表わされるN−アシル酸性アミノ酸ジアルキルアミドが、N−2−エチルヘキサノイルグルタミン酸ジブチルアミド及びN−ラウロイルグルタミン酸ジブチルアミドである請求項1に記載の組成物。
  4. (B)の脂肪酸が、IOBが0.3以上の脂肪酸である請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. (B)の脂肪酸が、乳酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、イソステアリン酸、2−ヘキシルデカン酸、2−エチルヘキサン酸及びイソノナン酸からなる群から選択される少なくともひとつである請求項4に記載の組成物。
  6. (B)の高級アルコールが、イソステアリルアルコール、2−ヘキシルデシルアルコール及び2−オクチルドデカノールからなる群から選択される少なくともひとつである請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
  7. (A)1重量部に対して(B)を0.2〜20重量部含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
  8. ゲル化剤である請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物。
  9. 再溶解温度が80℃以下である請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の組成物にさらに(C)油剤を含む組成物。
  11. (C)油剤が、流動パラフィン、シクロペンタシロキサン、エチルヘキサン酸セチル、パルミチン酸セチル、アーモンド油、小麦胚芽油、ホホバ油、メドウフォーム油、マカデミアナッツ油及び合成ワックスからなる群から選択される少なくともひとつである請求項10に記載の組成物。
  12. 組成物総重量に対して、(A)0.1〜30重量%、(B)0.01〜80重量%及び(C)1〜99.89重量%を含む請求項10又は11に記載の組成物。
  13. さらに(D)乳化剤を含む請求項10〜12のいずれか1項に記載の組成物。
  14. (D)乳化剤が、ジオレイン酸ポリグリセリル−10、イソステアリン酸PEG−8グリセリル、ヤシ油脂肪酸ポリグリセリル−10、ヤシ油脂肪酸ポリグリセリル−3、トリイソステアリン酸PEG−40グリセリル、イソステアリン酸PEG−40グリセリル、イソステアリン酸PEG−50水添ヒマシ油、ポリソルベート60、テトラオレイン酸ソルベス−30、ステアリン酸グリセリル(SE)及びイソステアリン酸PEG−15水添ヒマシ油からなる群から選択される少なくともひとつである請求項13に記載の組成物。
  15. 組成物総重量に対して、(A)0.1〜30重量%、(B)0.01〜80重量%、(C)1〜99.79重量%及び(D)0.1〜80重量%を含む請求項13又は14に記載の組成物。
  16. ゲル状である請求項10〜15のいずれか1項に記載の組成物。
  17. 化粧品、香粧品、医薬部外品、芳香剤、トイレタリ製品、キャンドル又は画材用である請求項10〜16のいずれか1項に記載の組成物。
  18. 着色が抑制された請求項1〜17のいずれか1項に記載の組成物。
  19. 苦味が抑制された請求項1〜17のいずれか1項に記載の組成物。
  20. 以下の(A)を(B)に100℃以下で溶解する工程を含む、(A)及び(B)を含む組成物の製造方法:
    (A)式(I):


    (式中、R及びRはそれぞれ独立に炭素原子数1〜7の直鎖又は分枝鎖のアルキル基を示し、Rは炭素原子数3〜15の直鎖又は分枝鎖のアルキル基を示し、nは1又は2を示す)で表わされるN−アシル酸性アミノ酸ジアルキルアミドの少なくとも1種
    (B)炭素数3〜22の脂肪酸又は炭素数3〜22の脂肪酸及び炭素数8〜22の高級アルコール。
  21. 式(I)で表わされるN−アシル酸性アミノ酸ジアルキルアミドが、N−2−エチルヘキサノイルグルタミン酸ジブチルアミド及びN−ラウロイルグルタミン酸ジブチルアミドからなる群から選択される少なくとも1種である請求項20に記載の方法。
  22. 式(I)で表わされるN−アシル酸性アミノ酸ジアルキルアミドが、N−2−エチルヘキサノイルグルタミン酸ジブチルアミド及びN−ラウロイルグルタミン酸ジブチルアミドである請求項20に記載の方法。
  23. (B)が、IOBが0.3以上の脂肪酸である請求項20〜22のいずれか1項に記載の方法。
  24. (A)1重量部に対して(B)0.2〜20重量部に溶解する請求項20〜23のいずれか1項に記載の方法。
  25. (A)を(B)に溶解させた溶解物を(C)油剤に100℃以下で溶解する工程をさらに含む請求項20〜24のいずれか1項に記載の製造方法。
  26. さらに(D)乳化剤を添加する工程を含む請求項25に記載の製造方法。
  27. (A)式(I):


    (式中、R及びRはそれぞれ独立に炭素原子数1〜7の直鎖又は分枝鎖のアルキル基を示し、Rは炭素原子数3〜15の直鎖又は分枝鎖のアルキル基を示し、nは1又は2を示す)で表わされるN−アシル酸性アミノ酸ジアルキルアミドの少なくとも1種、及び(E)N−アシルアミノ酸
    を含む組成物。
  28. 式(I)で表わされるN−アシル酸性アミノ酸ジアルキルアミドが、N−2−エチルヘキサノイルグルタミン酸ジブチルアミド及びN−ラウロイルグルタミン酸ジブチルアミドからなる群から選択される少なくとも1種である請求項27に記載の組成物。
  29. 式(I)で表わされるN−アシル酸性アミノ酸ジアルキルアミドが、N−2−エチルヘキサノイルグルタミン酸ジブチルアミド及びN−ラウロイルグルタミン酸ジブチルアミドである請求項27に記載の組成物。
  30. (E)が、N−アシル中性アミノ酸である請求項27〜29のいずれか1項に記載の組成物。
  31. (E)が、N−デカノイルプロリン、N−ラウロイルサルコシン、N−ヤシ油脂肪酸アシルアラニン、N−ヤシ油脂肪酸アシルバリン、N−ヤシ油脂肪酸アシルスレオニン及びN−オクタノイル−N−メチル−β−アラニンからなる群から選択される少なくともひとつである請求項30に記載の組成物。
  32. (A)1重量部に対して(E)を0.2〜20重量部含む請求項27〜31のいずれか1項に記載の組成物。
  33. ゲル化剤である請求項27〜32のいずれか1項に記載の組成物。
  34. 再溶解温度が80℃以下である請求項27〜33のいずれか1項に記載の組成物。
  35. 請求項27〜34のいずれか1項に記載の組成物にさらに(C)油剤を含む組成物。
  36. (C)油剤が、流動パラフィン、シクロペンタシロキサン、エチルヘキサン酸セチル、パルミチン酸セチル、アーモンド油、小麦胚芽油、ホホバ油、メドウフォーム油、マカデミアナッツ油、シクロペンタシロキサン及び合成ワックスからなる群から選択される少なくともひとつである請求項35に記載の組成物。
  37. 組成物総重量に対して、(A)0.1〜30重量%、(E)0.01〜80重量%及び(C)1〜99.89重量%を含む請求項35又は36に記載の組成物。
  38. さらに(D)乳化剤を含む請求項35〜37のいずれか1項に記載の組成物。
  39. (D)乳化剤が、ジオレイン酸ポリグリセリル−10、イソステアリン酸PEG−8グリセリル、ヤシ油脂肪酸ポリグリセリル−10、ヤシ油脂肪酸ポリグリセリル−3、トリイソステアリン酸PEG−40グリセリル、イソステアリン酸PEG−40グリセリル、イソステアリン酸PEG−50水添ヒマシ油、ポリソルベート60、テトラオレイン酸ソルベス−30、ステアリン酸グリセリル(SE)及びイソステアリン酸PEG−15水添ヒマシ油からなる群から選択される少なくともひとつである請求項38に記載の組成物。
  40. 組成物総重量に対して、(A)0.1〜30重量%、(E)0.01〜80重量%、(C)1〜99.79重量%及び(D)0.1〜80重量%を含む請求項39に記載の組成物。
  41. ゲル状である請求項35〜40のいずれか1項に記載の組成物。
  42. 化粧品、香粧品、医薬部外品、芳香剤、トイレタリ製品、キャンドル又は画材用である請求項35〜41のいずれか1項に記載の組成物。
  43. 着色が抑制された請求項27〜42のいずれか1項に記載の組成物。
  44. 苦味が抑制された請求項27〜42のいずれか1項に記載の組成物。
  45. 以下の(A)を(E)に100℃以下で溶解する工程を含む、(A)及び(E)を含む組成物の製造方法:
    (A)式(I):


    (式中、R及びRはそれぞれ独立に炭素原子数1〜7の直鎖又は分枝鎖のアルキル基を示し、Rは炭素原子数3〜15の直鎖又は分枝鎖のアルキル基を示し、nは1又は2を示す)で表わされるN−アシル酸性アミノ酸ジアルキルアミドの少なくとも1種
    (E)N−アシルアミノ酸。
  46. (A)を(E)に溶解させた溶解物を(C)油剤に100℃以下で溶解する工程をさらに含む請求項45に記載の製造方法。
  47. さらに(D)乳化剤を添加する工程を含む請求項46に記載の製造方法。
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