JP2018154723A - 接着剤および粘着剤 - Google Patents
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Description
(1)セルロースにヒドロキシアルキル基(炭素数2〜3)を導入したヒドロキシアルキルセルロースに、さらに炭素数1〜3の炭化水素基を有するアシル基を導入したセルロース誘導体を含む溶剤系接着剤(特許文献1)。
(2)セルロースにアシル基を導入したセルロース誘導体とポリシロキサンとの縮合物を含む溶剤系接着剤(特許文献2)。
<1>β−1,3−グルカンにアシル基を導入したβ−1,3−グルカン誘導体であり、下記引張試験で測定された最大点引張強さが10N以上であるβ−1,3−グルカン誘導体を含む、接着剤。
引張試験:2枚の短冊状のポリエチレンテレフタレートフィルム(長さ30mm、幅5mm)を、それぞれの端部(長さ10mm×幅5mm)のみが重なるように長手方向に並べ、該端部にβ−1,3−グルカン誘導体の5mgを挟み、該端部を温度100℃、圧力20MPa、時間1分の条件で熱プレスすることによって貼り合わせて短冊状の試験片を作製する。試験片を引張試験機に取り付け、チャック間距離30mm、引張速度3mm/minの条件で試験片の長手方向に引っ張り、最大点引張強さを求める。
<2>ホットメルト接着剤である、前記<1>の接着剤。
<3>β−1,3−グルカンにアシル基を導入したβ−1,3−グルカン誘導体であり、下記粘着力試験で測定された最大点応力が5kPa以上であるβ−1,3−グルカン誘導体を含む、粘着剤。
粘着力試験:2枚のポリテトラフルオロエチレンシートにβ−1,3−グルカン誘導体の50mgを挟み、温度100℃、圧力10MPa、時間1分の条件で熱プレスする。1枚のポリテトラフルオロエチレンシートをはがし、β−1,3−グルカン誘導体の膜を露出させる。β−1,3−グルカン誘導体の膜に、プローブ(ステンレス鋼(JIS規格:SUS304)製、直径5mm)を温度25℃、圧力98kPa、時間10秒の条件で押し付けた後、該プローブを速度0.1mm/secの条件で引き上げ、最大点応力を求める。5箇所について測定を行い、平均値を求める。
本発明の粘着剤は、藻類、菌類等によって生産される多糖類を原料とできることから環境負荷が比較的小さい。
β−1,3−グルカンは、主に藻類、菌類等によって生産される多糖類である。
β−1,3−グルカンは、β−1,3−結合によってグルコースが連結されている点で、β−1,4−結合によってグルコースが連結されているセルロースと、グルコースの結合様式が類似する。また、熱可塑性がないことも共通する。しかし、β−1,3−グルカンは、高分子鎖が三重らせん構造をとることができ、シート状の構造をとるセルロースとは高分子鎖の構造が異なっている。この構造の違いによって、β−1,3−グルカンは、セルロースとは異なる独自の物性と反応特性を有している。
β−1,3−グルカン誘導体は、β−1,3−グルカンの主鎖を構成するグルコース中の一部の水酸基がアシル基でアシル化されている。すなわち、β−1,3−グルカン誘導体は、アシル基を有する。アシル基を有するため、(i)分子鎖の並びが乱れることによって分子鎖間相互作用が弱められるとともに、(ii)水酸基による主鎖間水素結合の形成が少なくなることによって分子鎖間相互作用が弱められる。その結果、熱可塑性に優れるとともに接着性や粘着性が発現すると考えられる。
炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基が挙げられる。
脂肪族炭化水素基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよく、環構造を有していてもよい。脂肪族炭化水素基は、飽和脂肪族炭化水素基(アルキル基)であってもよく、不飽和脂肪族炭化水素基(アルケニル基またはアルキニル基)であってもよい。脂肪族炭化水素基としては、合成のしやすさ、R1の自由度の高さ等の点から、アルキル基が好ましく、直鎖状または分岐状のアルキル基がより好ましく、直鎖状のアルキル基がさらに好ましい。
具体的には、下記式(2)に示すように、β−1,3−グルカンを溶媒中に溶解させた溶液中で、塩基の存在下、アシル化剤として脂肪酸の塩化物、脂肪酸の無水物、または脂肪酸のビニル化合物を順次反応させる方法が挙げられる。
この合成法における反応温度、反応時間等の条件は、アシル化剤の種類、置換度等を考慮して適宜設定される。
脂肪酸の無水物としては、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水ブチル酸等が挙げられる。
脂肪酸のビニル化合物としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、ヘキサデセン酸ビニル、オレイン酸ビニル、リノール酸ビニル、リノレン酸ビニル等が挙げられる。
塩基としては、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン等の公知のものを用いることができる。
本発明の接着剤は、β−1,3−グルカン誘導体を含む。
本発明の接着剤は、β−1,3−グルカン誘導体のみからなるものであってもよく、必要に応じて他の成分(可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、フィラー、離形剤、着色剤、難燃助剤、難燃剤等の各種添加剤、β−1,3−グルカン誘導体以外の他の樹脂等)をさらに含んでもよい。
本発明の接着剤は、溶剤系接着剤であってもよく、ホットメルト接着剤であってもよく、環境負荷が小さい点から、ホットメルト接着剤であることが好ましい。
引張試験:2枚の短冊状のポリエチレンテレフタレートフィルム(長さ30mm、幅5mm)を、それぞれの端部(長さ10mm×幅5mm)のみが重なるように長手方向に並べ、該端部にβ−1,3−グルカン誘導体の5mgを挟み、該端部を温度100℃、圧力20MPa、時間1分の条件で熱プレスすることによって貼り合わせて短冊状の試験片を作製する。試験片を引張試験機に取り付け、チャック間距離30mm、引張速度3mm/minの条件で試験片の長手方向に引っ張り、最大点引張強さを求める。
透過率の測定:2枚の顕微鏡用カバーガラスにβ−1,3−グルカン誘導体の10mgを挟み、これらをさらに2枚のポリテトラフルオロエチレンシートに挟み、温度100℃、圧力1MPa、時間1分の条件で熱プレスする。2枚のポリテトラフルオロエチレンシートを取り外し、サンプルを得る。サンプルについて可視光領域の透過率を分光光度計によって測定する。
また、本発明の接着剤にあっては、藻類、菌類等によって生産される多糖類であるβ−1,3−グルカンを原料とできるため、環境負荷が小さい。
また、β−1,3−グルカンにアシル基を導入したβ−1,3−グルカン誘導体は、(i)分子鎖の並びが乱れることによって分子鎖間相互作用が弱められるとともに、(ii)水酸基による主鎖間水素結合の形成が少なくなることによって分子鎖間相互作用が弱められるため、熱可塑性に優れるとともに接着性が発現すると考えられる。そのため、β−1,3−グルカン誘導体を含む本発明の接着剤は、溶剤系接着剤として用いることができることは勿論、ホットメルト接着剤としても用いることができる。
このような接着剤は、さまざまな部材を接着可能である。また、β−1,3−グルカン誘導体の透明性が高いことから、光学フィルム等の透明性が要求される部材の接着剤に好適である。
本発明の粘着剤は、β−1,3−グルカン誘導体を含む。
本発明の粘着剤は、β−1,3−グルカン誘導体のみからなるものであってもよく、必要に応じて他の成分(可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、フィラー、離形剤、着色剤、難燃助剤、難燃剤等の各種添加剤、β−1,3−グルカン誘導体以外の他の樹脂等)をさらに含んでもよい。
本発明の粘着剤は、環境負荷が小さい点から、溶剤を含まないことが好ましい。
粘着力試験:2枚のポリテトラフルオロエチレンシートにβ−1,3−グルカン誘導体の50mgを挟み、温度100℃、圧力10MPa、時間1分の条件で熱プレスする。1枚のポリテトラフルオロエチレンシートをはがし、β−1,3−グルカン誘導体の膜を露出させる。β−1,3−グルカン誘導体の膜に、プローブ(ステンレス鋼(JIS規格:SUS304)製、直径5mm)を温度25℃、圧力98kPa、時間10秒の条件で押し付けた後、該プローブを速度0.1mm/secの条件で引き上げ、最大点応力を求める。5箇所について測定を行い、平均値を求める。
アシル基における炭化水素基の炭素数は、嵩高い炭化水素基の方が主鎖間の相互作用を弱める効果が高い点から、8以上が好ましく、11以上がより好ましく、13以上がさらに好ましい。炭化水素基の炭素数は、アシル基をβ−1,3−グルカンの主鎖中に導入しやすい点から、20以下が好ましく、18以下がより好ましく、17以下がさらに好ましい。
以上説明した本発明の粘着剤にあっては、粘着力試験で測定された最大点応力が5kPa以上であるβ−1,3−グルカン誘導体を含むため、粘着性に優れる。
また、本発明の粘着剤にあっては、藻類、菌類等によって生産される多糖類であるβ−1,3−グルカンを原料とできるため、環境負荷が小さい。
また、β−1,3−グルカンにアシル基を導入したβ−1,3−グルカン誘導体は、(i)分子鎖の並びが乱れることによって分子鎖間相互作用が弱められるとともに、(ii)水酸基による主鎖間水素結合の形成が少なくなることによって分子鎖間相互作用が弱められるため、熱可塑性に優れるとともに常温において粘着性が発現すると考えられる。
このような粘着剤は、さまざまな部材に粘着可能である。また、β−1,3−グルカン誘導体の透明性が高いことから、光学フィルム等の透明性が要求される部材の粘着剤に好適である。
(1H−NMR)
β−1,3−グルカン誘導体の1H−NMRスペクトルは、核磁気共鳴装置(BRUKER社製、AVANCE500spectrometer)を用いて測定した。
β−1,3−グルカン誘導体のFT−IRスペクトルは、ZnSeプリズム(日本分光社製、ATR Pro400−S)を備えたフーリエ変換赤外分光光度計(日本分光社製、FT/IR−480ST)を用いて測定した。
β−1,3−グルカン誘導体について、示差走査熱量計(DSC)(リガク社製、Thermo plus EVO II DSC8230)を用いて熱分析を行った。サンプルを走査速度10.0℃/分で25℃から230℃まで加熱した後、230℃で3分間保持した。230℃から25℃まで冷却し、5分間その温度で保持した後、同じ走査速度で250℃まで加熱した。2回目の加熱時に得られたサーモグラムを、ガラス転移温度Tgおよび融点mpの測定に用いた。
表中、mpにおける「−」は融点に相当する明瞭なピークが観測されなかったことを示す。Tgにおける「−」はガラス転移温度が観測されなかったことを示す。
2枚の短冊状のポリエチレンテレフタレートフィルム(ミノルタ社製、CF−200(D)、長さ30mm、幅5mm)を、それぞれの端部(長さ10mm×幅5mm)のみが重なるように長手方向に並べ、該端部にβ−1,3−グルカン誘導体の5mgを挟み、該端部を温度100℃、圧力20MPa、時間1分の条件で熱プレスすることによって貼り合わせて短冊状の試験片を作製した。試験片を引張試験機(エー・アンド・デイ社製、万能材料試験機テンシロンRTG−1225)に取り付け、チャック間距離30mm、引張速度3mm/minの条件で試験片の長手方向に引っ張り、最大点引張強さを求めた。
2枚のポリテトラフルオロエチレンシート(ニチアス社製、ナフロン(登録商標)PTFEシート TOMBO No.9000−S、50mm×50mm×1mm)にβ−1,3−グルカン誘導体の50mgを挟み、温度100℃、圧力10MPa、時間1分の条件で熱プレスした。1枚のポリテトラフルオロエチレンシートをはがし、β−1,3−グルカン誘導体の膜を露出させた。タックテスター(ユービーエム社製、TA−500)を用い、β−1,3−グルカン誘導体の膜に、プローブ(ステンレス鋼(JIS規格:SUS304)製、直径5mm)を温度25℃、圧力98kPa、時間10秒の条件で押し付けた後、該プローブを速度0.1mm/secの条件で引き上げ、最大点応力を求めた。5箇所について測定を行い、平均値を求めた。
2枚の顕微鏡用カバーガラス(松浪硝子工業社製、No.1S、ホウ珪酸ガラス)にβ−1,3−グルカン誘導体の10mgを挟み、これらをさらに2枚のポリテトラフルオロエチレンシート(ニチアス社製、ナフロン(登録商標)PTFEシート TOMBO No.9000−S、50mm×50mm×1mm)に挟み、温度100℃、圧力1MPa、時間1分の条件で熱プレスした。2枚のポリテトラフルオロエチレンシートを取り外し、サンプルを得た。サンプルについて可視光領域の透過率を紫外可視分光光度計(島津製作所社製、UV−2500)によって測定した。
パラミロンミリステートの合成:
パラミロン(311mg,1.918mmol)、ミリスチン酸クロリド(1853mg,7.507mmol,パラミロンのグルコースユニットに対して4当量)、およびピリジン(30mL)からなる不均一混合溶液を窒素雰囲気下、100℃で2時間加熱撹拌した。得られた薄黄色の均一溶液を放冷することによって溶液中にゲルを生じさせた。デカンテーションでゲルを取り出し、これをメタノール(100mL)に投入して撹拌洗浄した(30分、2回)。風乾(オーバーナイト)つづいて減圧加熱乾燥(100℃、6.5時間)によって薄黄色固体のパラミロンミリステートを得た(1.334g)。
1H−NMRスペクトルおよびFT−IRスペクトルによって、反応生成物を同定した。Tg、mp、引張試験の最大点引張強さ、粘着力試験の最大点応力を表1に示す。可視光領域の透過率を図1に示す。
1H−NMRスペクトル(CDCl3):δ 4.91−3.70(m),2.35−2.21(m),1.57(brs),1.25(brs),0.88(t,J=6.9).
FT−IR(cm−1):3440,2921,2852,1747,1465,1377,1147,1052,902.
パラミロンミリステートの合成:
ミリスチン酸クロリドの仕込量を4当量から5当量に変更した以外は、例1と同様の方法でパラミロンミリステートを得た。
1H−NMRスペクトルおよびFT−IRスペクトルによって、反応生成物を同定した。Tg、mp、引張試験の最大点引張強さ、粘着力試験の最大点応力を表1に示す。可視光領域の透過率を図1に示す。
1H−NMRスペクトル(CDCl3):δ 4.85−3.52(m),2.30−2.24(m),1.55(brs),1.26(brs),0.88(t,J=6.9).
FT−IR(cm−1):2921,2852,1748,1465,1376,1145,1056,912.
パラミロンミリステートの合成:
ミリスチン酸クロリドの仕込量を4当量から6当量に変更した以外は、例1と同様の方法でパラミロンミリステートを得た。
1H−NMRスペクトルおよびFT−IRスペクトルによって、反応生成物を同定した。Tg、mp、引張試験の最大点引張強さ、粘着力試験の最大点応力を表1に示す。可視光領域の透過率を図1に示す。
1H−NMRスペクトル(CDCl3):δ 4.87−3.55(m),2.25(m),1.57(brs),1.26(brs),0.88(t,J=6.9).
FT−IR(cm−1):3260,2918,2849,1749,1651,1648,1474,1463,1388,1379,1146,1054,889.
パラミロンミリステートの合成:
ミリスチン酸クロリドの仕込量を4当量から7当量に変更した以外は、例1と同様の方法でパラミロンミリステートを得た。
1H−NMRスペクトルおよびFT−IRスペクトルによって、反応生成物を同定した。Tg、mp、引張試験の最大点引張強さ、粘着力試験の最大点応力を表1に示す。可視光領域の透過率を図1に示す。
1H−NMRスペクトル(CDCl3):δ 4.87−3.50(m),2.37−2.00(m),1.57(brs),1.25(brs),0.88(t,J=6.9).
FT−IR(cm−1):2915,2848,1748,1703,1463,1380,1146,1061,719.
パラミロンミリステートの合成:
ミリスチン酸クロリドの仕込量を4当量から8当量に変更した以外は、例1と同様の方法でパラミロンミリステートを得た。
1H−NMRスペクトルおよびFT−IRスペクトルによって、反応生成物を同定した。Tg、mp、引張試験の最大点引張強さ、粘着力試験の最大点応力を表1に示す。可視光領域の透過率を図1に示す。
1H−NMRスペクトル(CDCl3):δ 4.87−3.52(m),2.37−2.11(m),1.81(brs),1.57(brs),1.25(brs),0.88(t,J=6.9).
FT−IR(cm−1):3285,2919,2849,1748,1650,1474,1464,1377,1145,1056,904.
パラミロンミリステートの合成:
ミリスチン酸クロリドの仕込量を4当量から12当量に変更した以外は、例1と同様の方法でパラミロンミリステートを得た。
1H−NMRスペクトルおよびFT−IRスペクトルによって、反応生成物を同定した。Tg、mp、引張試験の最大点引張強さ、粘着力試験の最大点応力を表1に示す。可視光領域の透過率を図1に示す。
1H−NMRスペクトル(CDCl3):δ 4.76−3.52(m),2.35(m),1.57(brs),1.25(brs),0.88(t,J=6.9).
FT−IR(cm−1):2915,2848,1712,1704,1463,1380,1073,1070,719.
パラミロンパルミテートの合成:
パラミロン(311mg,1.918mmol)、パルミチン酸クロリド(2020mg,7.349mmol,パラミロンのグルコースユニットに対して4当量)、およびピリジン(30mL)からなる不均一混合溶液を窒素雰囲気下、100℃で2時間加熱撹拌した。得られた薄黄色の均一溶液を放冷することによって溶液中にゲルを生じさせた。デカンテーションでゲルを取り出し、これをメタノール(100mL)に投入して撹拌洗浄した(30分、2回)。風乾(オーバーナイト)つづいて減圧加熱乾燥(100℃、6.5時間)によって薄黄色固体のパラミロンパルミテートを得た(1.392g)。
1H−NMRスペクトルおよびFT−IRスペクトルによって、反応生成物を同定した。Tg、mp、引張試験の最大点引張強さ、粘着力試験の最大点応力を表2に示す。可視光領域の透過率を図2に示す。
1H−NMRスペクトル(CDCl3):δ 4.88−3.52(m),2.30(m),1.58(brs),1.26(brs),0.88(t,J=6.9).
FT−IR(cm−1):3475,2920,2850,1746,1465,1375,1148,1057,880,721.
パラミロンパルミテートの合成:
パルミチン酸クロリドの仕込量を4当量から5当量に変更した以外は、例7と同様の方法でパラミロンパルミテートを得た。
1H−NMRスペクトルおよびFT−IRスペクトルによって、反応生成物を同定した。Tg、mp、引張試験の最大点引張強さ、粘着力試験の最大点応力を表2に示す。可視光領域の透過率を図2に示す。
1H−NMRスペクトル(CDCl3):δ 4.76−3.52(m),2.25(m),1.57(m),1.26(brs),0.88(t,J=6.9).
FT−IR(cm−1):2920,2851,1748,1467,1365,1145,1055,889,722.
パラミロンパルミテートの合成:
パルミチン酸クロリドの仕込量を4当量から6当量に変更した以外は、例7と同様の方法でパラミロンパルミテートを得た。
1H−NMRスペクトルおよびFT−IRスペクトルによって、反応生成物を同定した。Tg、mp、引張試験の最大点引張強さ、粘着力試験の最大点応力を表2に示す。可視光領域の透過率を図2に示す。
1H−NMRスペクトル(CDCl3):δ 4.76−3.52(m),2.29−2.25(m),1.66−1.57(m),1.26(brs),0.88(t,J=6.9).
FT−IR(cm−1):2919,2850,1747,1466,1366,1146,1059,894,721.
パラミロンパルミテートの合成:
パルミチン酸クロリドの仕込量を4当量から12当量に変更した以外は、例7と同様の方法でパラミロンパルミテートを得た。
1H−NMRスペクトルおよびFT−IRスペクトルによって、反応生成物を同定した。Tg、mp、引張試験の最大点引張強さ、粘着力試験の最大点応力を表2に示す。可視光領域の透過率を図2に示す。
1H−NMRスペクトル(CDCl3):δ 4.92−3.52(m),2.35−2.30(m),1.57−1.49(m),1.28(brs),0.88(t,J=6.9).
FT−IR(cm−1):2918,2849,1747,1706,1465,1377,1145,1060,889,720.
パラミロン(303mg,1.869mmol)、ステアリン酸クロリド(2826mg,9.329mmol,パラミロンのグルコースユニットに対して5当量)、およびピリジン(30mL)からなる不均一混合溶液を窒素雰囲気下、100℃で2時間加熱撹拌した。得られた薄黄色の均一溶液を放冷することによって溶液中にゲルを生じさせた。デカンテーションでゲルを取り出し、これをエタノール(100mL)に投入して撹拌洗浄した(30分、2回)。得られた固体をクロロホルム50mLに溶解し、得られた均一溶液をメタノール200mLに投入して白沈を得た。風乾(オーバーナイト)つづいて減圧加熱乾燥(100℃、5時間)によって白色固体のパラミロンステアレートを得た(1.652g)。
1H−NMRスペクトルおよびFT−IRスペクトルによって、反応生成物を同定した。Tg、mp、引張試験の最大点引張強さ、粘着力試験の最大点応力を表3に示す。可視光領域の透過率を図3に示す。
1H−NMRスペクトル(CDCl3):δ 4.75−3.52(m),2.25(m),1.58(m),1.26(brs),0.88(t,J=6.9).
FT−IR(cm−1):3451,2919,2851,1746,1466,1370,1152,1053,912,719.
パラミロンステアレートの合成:
ステアリン酸クロリドの仕込量を5当量から12当量に変更した以外は、例11と同様の方法でパラミロンステアレートを得た。
1H−NMRスペクトルおよびFT−IRスペクトルによって、反応生成物を同定した。Tg、mp、引張試験の最大点引張強さ、粘着力試験の最大点応力を表3に示す。可視光領域の透過率を図3に示す。
1H−NMRスペクトル(CDCl3):δ 4.86−3.52(m),2.36−2.25(m),1.57(m),1.26(brs),0.88(t,J=6.9).
FT−IR(cm−1):2917,2849,1748,1705,1465,1378,1146,1061,875,720.
パラミロン(303mg,1.869mmol)、ステアリン酸クロリド(2803mg,9.253mmol,カードランのグルコースユニットに対して5当量)、およびピリジン(30mL)からなる不均一混合溶液を窒素雰囲気下、100℃で2時間加熱撹拌した。得られた薄黄色の均一溶液を放冷することによって溶液中にゲルを生じさせた。デカンテーションでゲルを取り出し、これをエタノール(100mL)に投入して撹拌洗浄した(30分、2回)。得られた固体をクロロホルム50mLに溶解し、得られた均一溶液をメタノール200mLに投入して白沈を得た。風乾(オーバーナイト)つづいて減圧加熱乾燥(100℃、5時間)によって白色固体のカードランステアレートを得た(1.194g)。
1H−NMRスペクトルおよびFT−IRスペクトルによって、反応生成物を同定した。Tg、mp、引張試験の最大点引張強さ、粘着力試験の最大点応力を表4に示す。可視光領域の透過率を図4に示す。
1H−NMRスペクトル(CDCl3):δ 5.06−3.52(m),2.29(m),1.55(m),1.26(brs),0.88(t,J=6.9).
FT−IR(cm−1):3471,2920,2851,1745,1457,1375,1093,1077,899,720.
カードランステアレートの合成:
ステアリン酸クロリドの仕込量を5当量から12当量に変更した以外は、例13と同様の方法でカードランステアレートを得た。
1H−NMRスペクトルおよびFT−IRスペクトルによって、反応生成物を同定した。Tg、mp、引張試験の最大点引張強さ、粘着力試験の最大点応力を表4に示す。可視光領域の透過率を図4に示す。
1H−NMRスペクトル(CDCl3):δ 4.86−3.52(m),2.39−2.22(m),1.56(m),1.26(brs),0.88(t,J=6.9).
FT−IR(cm−1):2916,2849,1748,1699,1466,1375,1151,1059, 720.
溶解パルプ(307mg,1.893mmol)、ステアリン酸クロリド(2817mg,9.299mmol,セルロースのグルコースユニットに対して5当量)、およびピリジン(30mL)からなる不均一混合溶液を窒素雰囲気下、100℃で3時間加熱撹拌した。得られた薄黄色の均一溶液を放冷後にエタノール(100mL)に投入して沈殿を得た。得られた沈殿をエタノール200mLに分散して撹拌洗浄した(30分、1回)。デカンテーションで上澄液を分離後、沈殿をクロロホルム50mLに分散して室温で撹拌した。得られた均一溶液をメタノール200mLに投入して白沈を得た。風乾(オーバーナイト)つづいて減圧加熱乾燥(100℃、5時間)によって白色粉末状のセルロースステアレートを得た(1.357g)。
1H−NMRスペクトルおよびFT−IRスペクトルによって、反応生成物を同定した。Tg、mp、引張試験の最大点引張強さ、粘着力試験の最大点応力を表5に示す。可視光領域の透過率を図5に示す。
1H−NMRスペクトル(CDCl3):δ 5.10−3.52(m),2.35−2.28(m),1.56(m),1.26(brs),0.88(t,J=6.9).
FT−IR(cm−1):3567,2917,2849,1746,1467,1382,1376,1158,1079,1065,981,720.
セルロースステアレートの合成:
ステアリン酸クロリドの仕込量を5当量から12当量に変更した以外は、例15と同様の方法でセルロースステアレートを得た。
1H−NMRスペクトルおよびFT−IRスペクトルによって、反応生成物を同定した。Tg、mp、引張試験の最大点引張強さ、粘着力試験の最大点応力を表5に示す。可視光領域の透過率を図5に示す。
1H−NMRスペクトル(CDCl3):δ 5.06−3.52(m),2.34(m),1.62(m),1.26(brs),0.88(t,J=6.9).
FT−IR(cm−1):2916,2848,1704,1699,1464,1385,1379,1156,1064,890,720.
Claims (3)
- β−1,3−グルカンにアシル基を導入したβ−1,3−グルカン誘導体であり、下記引張試験で測定された最大点引張強さが10N以上であるβ−1,3−グルカン誘導体を含む、接着剤。
引張試験:2枚の短冊状のポリエチレンテレフタレートフィルム(長さ30mm、幅5mm)を、それぞれの端部(長さ10mm×幅5mm)のみが重なるように長手方向に並べ、該端部にβ−1,3−グルカン誘導体の5mgを挟み、該端部を温度100℃、圧力20MPa、時間1分の条件で熱プレスすることによって貼り合わせて短冊状の試験片を作製する。試験片を引張試験機に取り付け、チャック間距離30mm、引張速度3mm/minの条件で試験片の長手方向に引っ張り、最大点引張強さを求める。 - ホットメルト接着剤である、請求項1に記載の接着剤。
- β−1,3−グルカンにアシル基を導入したβ−1,3−グルカン誘導体であり、下記粘着力試験で測定された最大点応力が5kPa以上であるβ−1,3−グルカン誘導体を含む、粘着剤。
粘着力試験:2枚のポリテトラフルオロエチレンシートにβ−1,3−グルカン誘導体の50mgを挟み、温度100℃、圧力10MPa、時間1分の条件で熱プレスする。1枚のポリテトラフルオロエチレンシートをはがし、β−1,3−グルカン誘導体の膜を露出させる。β−1,3−グルカン誘導体の膜に、プローブ(ステンレス鋼(JIS規格:SUS304)製、直径5mm)を温度25℃、圧力98kPa、時間10秒の条件で押し付けた後、該プローブを速度0.1mm/secの条件で引き上げ、最大点応力を求める。5箇所について測定を行い、平均値を求める。
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