JP2018154500A - 搬送装置、印刷装置及び乾燥装置 - Google Patents
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Abstract
Description
図1は、本実施形態におけるインクジェット記録装置の概略構成を示す模式図である。
本実施形態のインクジェット記録装置1は、主に、給紙部100、画像形成部200、乾燥部300、排紙部400から構成されている。インクジェット記録装置1においては、給紙部100から給紙されるシート材としての記録材である用紙Pに対し、画像形成部200で画像形成用の液体であるインクにより画像を形成する。そして、用紙上に付着したインクを乾燥部300において乾燥させた後、用紙を排紙部400から排紙する。なお、乾燥部300は、本願発明の「乾燥装置」でもある。
給紙部100は、主に、複数の用紙Pが積載される給紙トレイ110と、給紙トレイ110から用紙を1枚ずつ分離して送り出す給送装置120と、用紙を画像形成部200へ送り込むレジストローラ対130とから構成されている。給送装置120には、ローラやコロを用いた装置や、エア吸引を利用した装置など、あらゆる給送装置を用いることが可能である。給送装置120により給紙トレイ110から送り出された用紙は、その先端がレジストローラ対130に到達した後、レジストローラ対130が所定のタイミングで駆動することにより、画像形成部200へ給紙される。なお、本実施形態において、給紙部100は、画像形成部200へ用紙Pを送り出すものであれば、その構成に制限はない。
画像形成部200は、主に、給紙された用紙Pを受け取って用紙担持ドラム210へ渡す渡し胴201と、渡し胴201によって搬送された用紙Pを外周面に担持して搬送する用紙担持ドラム210と、用紙担持ドラム210に担持された用紙Pに向けてインクを吐出するインク吐出部220と、用紙担持ドラム210によって搬送された用紙Pを乾燥部300へ受け渡す受け渡し胴202とから構成されている。
乾燥部300は、主に、画像形成部200で用紙P上に付着したインクを乾燥させるための乾燥機構301と、画像形成部200から搬送されてくる用紙Pを搬送する搬送機構302とから構成されている。画像形成部200から搬送されてきた用紙Pは、搬送機構302に受け取られた後、乾燥機構301を通過するように搬送され、排紙部400へ受け渡される。乾燥機構301を通過する際、用紙P上のインクには乾燥処理が施され、これによりインク中の水分等の液分が蒸発し、用紙P上にインクが固着するとともに、用紙Pのカールが抑制される。
排紙部400は、主に、複数の用紙Pが積載される排紙トレイ410から構成されている。乾燥部300から搬送されてくる用紙Pは、排紙トレイ410上に順次積み重ねられて保持される。なお、本実施形態において、排紙部400は、用紙Pを排紙するものであれば、その構成に制限はない。
本実施形態のインクジェット記録装置1は、給紙部100、画像形成部200、乾燥部300、排紙部400から構成されているが、他の機能部を適宜追加してもよい。例えば、給紙部100と画像形成部200との間に画像形成の前処理を行う前処理部を追加したり、乾燥部300と排紙部400との間に画像形成の後処理を行う後処理部を追加したりすることができる。
また、「液体」は、ヘッドから吐出可能な粘度や表面張力を有するものであればよく、特に限定されないが、常温、常圧下において、または加熱、冷却により粘度が30mPa・s以下となるものであることが好ましい。より具体的には、水や有機溶媒等の溶媒、染料や顔料等の着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料、DNA、アミノ酸やたんぱく質、カルシウム等の生体適合材料、天然色素等の可食材料、などを含む溶液、懸濁液、エマルジョンなどであり、これらは例えば、インクジェット用インク、表面処理液等の用途で用いることができる。
また、「印刷装置」は、液体吐出ヘッドとシート材とが相対的に移動する装置があるが、これに限定するものではない。具体例としては、液体吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、液体吐出ヘッドを移動させないライン型装置などが含まれる。
次に、本実施形態における乾燥部300の詳細について説明する。
図2は、本実施形態における乾燥部300を示す正面図である。
図3は、本実施形態における乾燥部300を用紙搬送方向に対して直交する面で切断したときの断面図である。
図8は、本実施形態における乾燥部300の構成を示す斜視図である。
図9は、本実施形態における乾燥部300の搬送機構302を構成する負圧手段としての吸引機構330を示す斜視図である。
本実施形態の吸引機構330は、主に、搬送ベルト325の内周面(裏面)によって囲まれたベルト内空間に配置される吸引チャンバー341と、ベルト内空間の外側に配置される減圧チャンバー342と、吸引チャンバー341及び減圧チャンバー342を連通させる接続通路としての連結ダクト343と、減圧チャンバー342及び吸引装置350を接続する吸引ダクト344とから構成されている。
本実施形態の吸引機構330は、搬送ベルト325における用紙を担持するベルト部分の裏面に対して距離をあけて対向配置される複数の吸引口345a,345bを介して吸引手段としての吸引装置350により吸引することで、搬送ベルト325の裏面側の空間を負圧状態にする負圧手段として機能する。
このグラフは、用紙幅方向の位置(用紙の幅方向中央からの距離)を横軸にとり、用紙裏面に生じる圧力を縦軸にとったものである。
次に、本実施形態における吸引機構330の一変形例(以下、本変形例を「変形例1」という。)について説明する。
上述した実施形態では、搬送ベルト325のベルト内空間に位置する吸引チャンバー341に横方向から連結ダクト343を接続して吸引チャンバー341内を横方向から吸引する構成であった。これに対し、本変形例1では、吸引装置350によって吸引される減圧空間としての減圧チャンバー342が、接続通路としての連結ダクト343を介して、搬送ベルト325における用紙を担持するベルト部分の裏面の略法線方向から、吸引通路としての吸引チャンバー341’に接続される構成を採用している。
なお、本変形例1における吸引機構330’の基本構成は、上述した実施形態の吸引機構330と同様であるため、以下、上述した実施形態とは異なる点を中心に説明する。
図17は、本変形例1における乾燥部300を横方向(搬送ベルト325の裏面に略平行な方向であって用紙搬送方向に対して直交する方向)からみたときの説明図である。
図18は、本変形例1の吸引機構330’における吸引用チャンバー部340’の内部構造を示す断面図である。
次に、本実施形態における吸引機構330の他の変形例(以下、本変形例を「変形例2」という。)について説明する。
上述した実施形態や変形例1では、吸引装置350が搬送ベルト325のベルト内空間の外側に配置された構成であった。これに対し、本変形例2では、吸引装置350’を搬送ベルト325のベルト内空間に配置される構成を採用している。
なお、本変形例2における吸引機構330’’の基本構成は、上述した実施形態の吸引機構330と同様であるため、以下、上述した実施形態とは異なる点を中心に説明する。
図20は、本変形例2における吸引機構330’’における吸引用チャンバー部340’’を用紙搬送方向に直交する断面に沿って切断したときの断面図である。
次に、本実施形態における吸引機構330の更に他の変形例(以下、本変形例を「変形例3」という。)について説明する。
図21は、本変形例3における吸引機構330における吸引用チャンバー部340を用紙搬送方向に直交する断面に沿って切断したときの断面図である。
なお、本変形例3における吸引機構330の基本構成は、上述した実施形態の吸引機構330と同様であるため、以下、上述した実施形態とは異なる点を中心に説明する。
次に、本実施形態における吸引機構330の更に他の変形例(以下、本変形例を「変形例3」という。)について説明する。
図23は、本変形例4の吸引機構330における通気孔347aの一構成例を示す平面図である。
なお、本変形例4における吸引機構330の基本構成は、上述した実施形態の吸引機構330と同様であるため、以下、上述した実施形態とは異なる点を中心に説明する。
次に、本実施形態における搬送機構302の一変形例(以下、本変形例を「変形例5」という。)について説明する。
図25は、本変形例5における乾燥部300を示す正面図である。
なお、本変形例5における乾燥部300の基本構成は、上述した実施形態の乾燥部300と同様であるため、以下、上述した実施形態とは異なる点を中心に説明する。
次に、本実施形態における搬送機構302の他の変形例(以下、本変形例を「変形例6」という。)について説明する。
上述した実施形態や変形例1〜5では、支持部材を無端ベルト状部材である搬送ベルト325で構成し、搬送ベルト325の表面に吸着させた用紙Pを搬送ベルト325の表面移動に伴って搬送する構成であった。これに対し、本変形例6では、通気構造を有するプラテン327で支持部材を構成するとともに、支持部材とは別の用紙搬送機構328によりプラテン327の表面に吸着させた状態で用紙Pをプラテン327の表面に沿って摺動させて搬送する構成を採用する。
本変形例6の吸引機構330は、吸引用チャンバー部340の上部を塞ぐように設けられていた搬送ベルト325の代わりに、通気構造を有するプラテン327が吸引用チャンバー部340の上部を塞ぐように設けられている点を除いて、上述した実施形態と同様である。
次に、本実施形態における乾燥部300の一変形例(以下、本変形例を「変形例7」という。)について説明する。
上述した実施形態(各変形例1〜6を含む。)では、インクが吐出されて画像が形成された後の用紙Pを乾燥する乾燥部300の例であったが、本変形例7は、上述した前処理部において所定の処理液501を用紙Pに塗布等により付与する処理を行い、画像形成部200でインクが吐出されて画像が形成される前に、処理液501が付与された用紙Pを乾燥させる乾燥部300に適用したものである。
本変形例7の前処理部は、給紙部100から給紙された用紙Pに処理液501を塗布する塗布装置510を備えている。処理液501としては、例えば、用紙Pの表面に塗布することで用紙Pの表面を改質する改質材が挙げられる。具体的には、予め用紙Pにムラなく塗布しておくことで、インクの水分を速やかに用紙に浸透させるとともに色成分を増粘させ、更には乾燥も早めることによって滲み(フェザリング、ブリーディング等)や裏抜けを防止し、生産性(単位時間当たりの画像出力枚数)を上げることを可能にする定着剤(セット剤)が挙げられる。
(態様A)
通気構造を有する搬送ベルト325やプラテン327等の支持部材の裏面側の上チャンバー部341A等の空間を負圧状態にすることで該支持部材の表面上に用紙P等の被搬送体を吸着させて搬送する乾燥部300等の搬送装置であって、前記支持部材の表面に向けて送風する送風ファン311等の送風手段と、前記支持部材の裏面に対して距離をあけて対向配置される複数の吸引口345a〜345dを介して吸引装置350,350’、軸流ファン351等の吸引手段により吸引することで、前記空間を負圧状態にする吸引機構330,330’,330’等の負圧手段とを有し、前記空間内における前記複数の吸引口と前記支持部材の裏面との間に、各吸引口よりも開口面積の小さい複数の通気孔347aを備えた流路抵抗部材347等の区画部材を、前記支持部材の裏面から離間して配置したことを特徴とする。
被搬送体が支持部材よりも小さい場合、被搬送体によって塞がれない支持部材部分から負圧空間へ気体が流入し、その気体が複数の吸引口へ流れ込むことで、支持部材の全体を塞ぐことのできる大きな被搬送体である場合よりも、負圧空間の負圧状態が低下した状況になる。このような状況であっても、その複数の吸引口に近い負圧空間部分であれば、比較的高い負圧状態を維持することができる。よって、その複数の吸引口が対向している支持部材部分には、被搬送体を吸着させる十分な吸着力を生じさせることができ、支持部材の他の部分の吸着力が不十分であっても、支持部材上に被搬送体を吸着させて搬送することが可能である。
しかしながら、同じ負圧空間に開口している複数の吸引口から吸引手段によって吸引する場合、各吸引口から先の流路抵抗を均一化することが困難である。そのため、被搬送体によって塞がれない支持部材部分から負圧空間へ流入した気体の各吸引口を通る流路間の流路抵抗の差を均一化することが困難であり、各吸引口から単位時間当たりに吸引できる気体量(以下「吸引能力」という。)を均一化することは困難である。そのため、被搬送体が支持部材よりも小さく、被搬送体によって塞がれない支持部材部分から負圧空間へ気体が流入する状況下では、支持部材上に被搬送体を吸着させる吸着力が、吸引能力の高い吸引口が対向している支持部材部分に偏ってしまい、吸引能力の低い吸引口が対向している支持部材部分の吸着力が不十分となり、搬送性の悪化を招く。
本態様において、被搬送体によって塞がれない支持部材部分から負圧空間へ流入した気体は、区画部材の通気孔を通って複数の吸引口へと流れ込むことになる。本態様では、各吸引口に対向する区画部材部分にそれぞれ備わっている1つ又は2つ以上の通気孔は、それぞれの吸引口よりも開口面積(当該通気孔の数が2つ以上であれば、それらの通気孔の合計開口面積)が小さい。そのため、当該区画部材の無い構成と比較して、被搬送体によって塞がれない支持部材部分から負圧空間へ流入した空気が各吸引口に向かって流れる流路部分の流路抵抗が高まる。このように各吸引口までの流路部分の流路抵抗が高まることで、各吸引口から先の流路部分の流路抵抗の影響が流路全体の流路抵抗に占める割合を相対的に小さくできる。これにより、吸引手段によって吸引される単位時間当たりの気体量のうち、吸引能力が高い吸引口から吸い込まれる気体と吸引能力が低い吸引口から吸い込まれる気体との比率が変わり、両者の吸引口間における吸引能力の差を小さくすることができる。その結果、支持部材上に被搬送体を吸着させる吸着力の偏りを小さくできるので、同じ負圧空間に開口している複数の吸引口を吸引手段によって吸引する構成において支持部材よりも小さい被搬送体を搬送する場合の搬送性を改善することができる。
ところが、支持部材の表面に向けて送風する送風手段が設けられている場合、被搬送体が送風手段による送風領域内へ進入する前に、送風領域内に存在する支持部材の表面に送風手段からの風が当たる。このとき、区画部材が支持部材の裏面に接触するように配置されていると、区画部材の壁面部分(通気孔が形成されていない区画部材部分)が支持部材の通気構造を塞いでしまい、送風手段からの風が支持部材を通過できず、支持部材の表面に沿って進むように気流を生じさせる。この気流が被搬送体の搬送方向上流側から送風領域内へ進入してくる被搬送体の先端部に向かい、被搬送体の先端部を捲り上げ、被搬送体の搬送不良を引き起こすおそれがある。また、支持部材の表面に沿って進むように気流が被搬送体の搬送方向下流側へ向かうと、送風領域を通過した被搬送体の後端部を捲り上げ、被搬送体の搬送不良を引き起こすおそれがある。
本態様においては、区画部材が支持部材の裏面から離間して配置されているため、区画部材の壁面部分が支持部材の通気構造を塞がず、送風手段からの風が支持部材を通過でき、支持部材の裏面と区画部材との間の負圧空間領域内に引き入れられる。これにより、支持部材の表面に沿って進む気流の勢いを低減させることができ、上述した被搬送体の捲り上げ等を抑制して、当該気流による被搬送体の搬送不良を抑制できる。
前記態様Aにおいて、前記負圧手段は、前記複数の吸引口を介して前記空間に連通する下チャンバー部341B,341B’等の吸引通路内を前記吸引手段で吸引することにより、前記空間を負圧状態にすることを特徴とする。
これによれば、複数の吸引口から離れた場所に吸引手段を設置することが可能となり、レイアウトの自由度が高まる。
前記態様Bにおいて、前記負圧手段は、前記支持部材の裏面に略平行な方向であって前記被搬送体の搬送方向に対して直交する横方向から前記吸引通路内を前記吸引手段により吸引することを特徴とする。
これによれば、支持部材の裏面と対向する位置に吸引手段を設けないレイアウトを採用できる。
前記態様Cにおいて、前記支持部材は、搬送ベルト325等の無端ベルト状部材で構成されており、前記無端ベルト状部材の裏面によって囲まれたベルト内空間の外側に位置して前記吸引手段により吸引される減圧チャンバー342等の減圧空間が、連結ダクト343等の接続通路を介して前記吸引通路に前記横方向から接続されており、前記接続通路は、前記複数の吸引口が開口している搬送方向範囲にわたって前記吸引通路に開口していることを特徴とする。
これによれば、接続通路が複数の吸引口の開口している搬送方向範囲の一部分のみで前記吸引通路に開口している場合よりも、被搬送体の搬送方向における吸引ムラを低減することができる。
前記態様Bにおいて、前記負圧手段は、前記吸引手段により吸引される減圧チャンバー342等の減圧空間が、連結ダクト343等の接続通路を介して前記支持部材の裏面の略法線方向から前記吸引通路に接続されており、前記接続通路は、前記吸引通路に開口している前記複数の吸引口との非対向箇所で、前記吸引通路に開口していることを特徴とする。
これによれば、接続通路がいずれかの吸引口の対向箇所に開口している場合と比べて、吸引口間の吸引能力の差を小さくすることができる。
前記態様B〜Eのいずれかの態様において、前記吸引通路内には、前記複数の吸引口の各々から前記吸引手段へ向かう各吸引流路間を仕切る仕切部材348,348’が配置されていることを特徴とする。
これによれば、仕切られた各吸引流路の流路断面積を調整して各吸引口間の流路抵抗の差を小さくすることができ、吸引口間の吸引能力の差が小さくなりやすい。
前記態様Bにおいて、前記吸引手段(軸流ファン351等)は、前記複数の吸引口に設置されていることを特徴とする。
これによれば、吸引手段を複数の吸引口に設置したレイアウトを採用できる。
前記態様A〜Gのいずれかの態様において、前記支持部材は、搬送ベルト325等の無端ベルト状部材と、前記被搬送体を吸着させて搬送する該無端ベルト状部材の搬送箇所を該無端ベルト状部材の裏面から下支えするベルト支持ロッド349等の下支え部材とから構成されていることを特徴とする。
これによれば、支持部材の裏面と区画部材との間の離間状態を維持することができ、より高い搬送性を得ることができる。
前記態様A〜Hのいずれかの態様において、前記支持部材(プラテン327等)の表面に対して前記被搬送体が相対移動するように該被搬送体を搬送する用紙搬送機構328等の搬送部材を有することを特徴とする。
これによれば、支持部材の表面に吸着させた状態で被搬送体を支持部材の表面に沿って摺動させて搬送する構成を採用することができる。
前記態様A〜Iのいずれかの態様において、前記複数の吸引口のうちの少なくとも1つの吸引口345c,345dについて、該吸引口を介して前記空間内を前記吸引手段で吸引可能な開口状態等の吸引可能状態と、該吸引口を介して前記空間内を前記吸引手段で吸引不能な閉口状態等の吸引不能状態とを切り替える開閉機構360等の切替手段を有することを特徴とする。
これによれば、被搬送体を支持部材の表面に吸着させる効果に実質的に寄与しない吸引口を吸引不能状態に切り替えることで、その吸引口からの吸い込みを無くして、他の吸引口の吸引能力を確保することができる。
前記態様A〜Jのいずれかの態様において、前記支持部材を通過して前記空間に流れ込む気体を前記吸引口に向けて整流させる分割壁363’等の整流手段を有することを特徴とする。
これによれば、支持部材を通過して前記空間に流れ込んだ気体による気流の乱れが前記空間の内部で発生しにくくなり、より安定した吸引力を発揮することができる。
前記態様A〜Kのいずれかの態様において、前記区画部材における前記各吸引口に対向した領域の通気孔の開口率は、前記区画部材における前記各吸引口に対向していない領域の通気孔の開口率よりも小さいことを特徴とする。
これによれば、各吸引口に作用する吸引力が、区画部材の吸引口と対向しない部分に作用するようになり、より広範囲にわたって被搬送体を支持部材に吸着させることができる。
用紙P等の被搬送体にインク等の液体を吐出させる液体吐出ヘッド220C,220M,220Y,220K等の液体吐出手段と、前記被搬送体を搬送する乾燥部300等の搬送装置とを備えたインクジェット記録装置等の印刷装置において、前記搬送装置として、前記態様A〜Lのいずれかの態様に係る搬送装置を用いたことを特徴とする。
本態様によれば、安定した搬送性を有する印刷装置を実現できる。
前記態様Mにおいて、前記搬送装置は、前記液体吐出手段の被搬送体搬送方向下流側に配置されることを特徴とする。
本態様によれば、液体が付着した被搬送体に送風を行う印刷装置において、安定した搬送性を得ることができる。
前記態様Mにおいて、前記液体吐出手段の被搬送体搬送方向上流側で、前記液体が吐出される前の被搬送体に処理液501を付与する塗布装置510等の前処理手段を有し、前記搬送装置は、前記液体吐出手段の被搬送体搬送方向上流側で、かつ、前記前処理手段の被搬送体搬送方向下流側に配置されることを特徴とする。
本態様によれば、処理液が付着した被搬送体に送風を行う印刷装置において、安定した搬送性を得ることができる。
乾燥装置であって、前記態様A〜Lのいずれかの態様に係る搬送装置を備え、前記送風手段は、前記被搬送体を乾燥するための風を該被搬送体に付与することを特徴とする。
本態様によれば、被搬送体を乾燥させる乾燥装置において、安定した搬送性を得ることができる。
100 給紙部
200 画像形成部
220C,220M,220Y,220K 液体吐出ヘッド
300 乾燥部
301 乾燥機構
302 搬送機構
311 送風ファン
312 輻射ヒータ
313 乾燥チャンバー
320 ベルト搬送機構
325 搬送ベルト
325’ 支持ワイヤー
327 プラテン
328 用紙搬送機構
329 移動ベルト
329a 爪部
330,330’,330’’ 吸引機構
340,340’,340’’ 吸引用チャンバー部
341,341’,341’’ 吸引チャンバー
341A 上チャンバー部
341A1 第一上チャンバー部
341A2 第二上チャンバー部
341B,341B’ 下チャンバー部
342 減圧チャンバー
343 連結ダクト
344 吸引ダクト
345,345’’ 吸引口プレート
345a,345b,345c,345d 吸引口
347 流路抵抗部材
347a 通気孔
348,348’ 仕切部材
349 ベルト支持ロッド
350,350’ 吸引装置
351 軸流ファン
352 排気ダクト
360 開閉機構
361 蓋部材
362 駆動部
363,363’ 分割壁
400 排紙部
501 処理液
510 塗布装置
Claims (16)
- 通気構造を有する支持部材の裏面側の空間を負圧状態にすることで該支持部材の表面上に被搬送体を吸着させて搬送する搬送装置であって、
前記支持部材の表面に向けて送風する送風手段と、
前記支持部材の裏面に対して距離をあけて対向配置される複数の吸引口を介して吸引手段により吸引することで、前記空間を負圧状態にする負圧手段とを有し、
前記空間内における前記複数の吸引口と前記支持部材の裏面との間に、各吸引口よりも開口面積の小さい複数の通気孔を備えた区画部材を、前記支持部材の裏面から離間して配置したことを特徴とする搬送装置。 - 請求項1に記載の搬送装置において、
前記負圧手段は、前記複数の吸引口を介して前記空間に連通する吸引通路内を前記吸引手段で吸引することにより、前記空間を負圧状態にすることを特徴とする搬送装置。 - 請求項2に記載の搬送装置において、
前記負圧手段は、前記支持部材の裏面に略平行な方向であって前記被搬送体の搬送方向に対して直交する横方向から前記吸引通路内を前記吸引手段により吸引することを特徴とする搬送装置。 - 請求項3に記載の搬送装置において、
前記支持部材は、無端ベルト状部材で構成されており、
前記無端ベルト状部材の裏面によって囲まれたベルト内空間の外側に位置して前記吸引手段により吸引される減圧空間が、接続通路を介して前記吸引通路に前記横方向から接続されており、
前記接続通路は、前記複数の吸引口が開口している搬送方向範囲にわたって前記吸引通路に開口していることを特徴とする搬送装置。 - 請求項2に記載の搬送装置において、
前記負圧手段は、前記吸引手段により吸引される減圧空間が、接続通路を介して前記支持部材の裏面の略法線方向から前記吸引通路に接続されており、
前記接続通路は、前記吸引通路に開口している前記複数の吸引口との非対向箇所で、前記吸引通路に開口していることを特徴とする搬送装置。 - 請求項2乃至5のいずれか1項に記載の搬送装置において、
前記吸引通路内には、前記複数の吸引口の各々から前記吸引手段へ向かう各吸引流路間を仕切る仕切部材が配置されていることを特徴とする搬送装置。 - 請求項2に記載の搬送装置において、
前記吸引手段は、前記複数の吸引口に設置されていることを特徴とする搬送装置。 - 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の搬送装置において、
前記支持部材は、無端ベルト状部材と、前記被搬送体を吸着させて搬送する該無端ベルト状部材の搬送箇所を該無端ベルト状部材の裏面から下支えする下支え部材とから構成されていることを特徴とする搬送装置。 - 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の搬送装置において、
前記支持部材の表面に対して前記被搬送体が相対移動するように該被搬送体を搬送する搬送部材を有することを特徴とする搬送装置。 - 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の搬送装置において、
前記複数の吸引口のうちの少なくとも1つの吸引口について、該吸引口を介して前記空間内を前記吸引手段で吸引可能な吸引可能状態と、該吸引口を介して前記空間内を前記吸引手段で吸引不能な吸引不能状態とを切り替える切替手段を有することを特徴とする搬送装置。 - 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の搬送装置において、
前記支持部材を通過して前記空間に流れ込む気体を前記吸引口に向けて整流させる整流手段を有することを特徴とする搬送装置。 - 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の搬送装置において、
前記区画部材における前記各吸引口に対向した領域の通気孔の開口率は、前記区画部材における前記各吸引口に対向していない領域の通気孔の開口率よりも小さいことを特徴とする搬送装置。 - 被搬送体に液体を吐出させる液体吐出手段と、
前記被搬送体を搬送する搬送装置とを備えた印刷装置において、
前記搬送装置として、請求項1乃至12のいずれか1項に記載の搬送装置を用いたことを特徴とする印刷装置。 - 請求項13に記載の印刷装置において、
前記搬送装置は、前記液体吐出手段の被搬送体搬送方向下流側に配置されることを特徴とする印刷装置。 - 請求項13に記載の印刷装置において、
前記液体吐出手段の被搬送体搬送方向上流側で、前記液体が吐出される前の被搬送体に処理液を付与する前処理手段を有し、
前記搬送装置は、前記液体吐出手段の被搬送体搬送方向上流側で、かつ、前記前処理手段の被搬送体搬送方向下流側に配置されることを特徴とする印刷装置。 - 請求項1乃至12のいずれか1項に記載の搬送装置を備え、
前記送風手段は、前記被搬送体を乾燥するための風を該被搬送体に付与することを特徴とする乾燥装置。
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