JP2014181130A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】記録媒体の搬送不良による画像傷の発生防止と、記録媒体の吸着皺の発生防止とを両立できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】液滴が付与されて画像が記録された記録媒体Pを吸着部71、72に吸着しながら搬送部材78で搬送する。吸着部の吸着力は吸着力変更手段で変更可能となっており、記録媒体のサイズ等に対応した吸着力を発生させることで、記録媒体の搬送不良による画像傷の発生防止と、記録媒体の吸着皺の発生防止とを両立できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、記録媒体に液滴を吐出し、画像を形成する画像形成装置に関する。
液滴により画像の形成された記録媒体を、複数の吸引孔が形成された搬送面に吸着させて引き摺りながら搬送する画像形成装置がある(特許文献1参照)。
特開2013−39820号公報
例えば、搬送する記録媒体のサイズが大きくなると、搬送面の吸引孔の閉塞面積が大きくなって吸着力が高くなる。一方、記録媒体のサイズが小さくなると、記録媒体で閉塞している吸引孔の閉塞面積が小さくなって吸着力が低下する。これらの吸着力の変化は記録媒体にバタツキ(搬送不良)を生ずる原因となり、記録媒体が装置内の部材に触れて画像傷を誘発する懸念がある。懸念がある。
また、液滴量が多い画像が形成された記録媒体は軟らかくなるため、大きな吸着力が作用する記録媒体に吸着皺を発生する懸念がある。
本発明は上記事実を考慮し、記録媒体の搬送不良による画像傷の発生防止と、記録媒体の吸着皺の発生防止とを可能とする画像形成装置を提供することを課題とする。
請求項1に係る画像形成装置は、記録媒体に液滴を吐出して前記記録媒体に画像を形成する画像形成部と、前記画像が形成された前記記録媒体を把持して前記記録媒体を搬送する搬送部材と、前記搬送部材により搬送される前記記録媒体を吸着し、張力を付与する吸着部と、前記吸着部の吸着力を変更する吸着力変更手段と、を備えている。
請求項1に係る画像形成装置では、画像形成部において、記録媒体に液滴が吐出されて記録媒体に画像が形成される。画像が形成された記録媒体は、搬送部材で搬送される。吸着部は、搬送部材により搬送される記録媒体を吸着することで、記録媒体に張力を付与し、皺の発生を抑制する。
ここで、吸着力変更手段は、吸着部の吸着力を変更することで、記録媒体の搬送不良による画像傷の発生と、記録媒体の吸着皺の発生とを抑制することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記吸着力変更手段は、前記記録媒体のサイズに応じて前記吸着部の吸着力を変更する。
請求項2に記載の画像形成装置では、吸着力変更手段が記録媒体のサイズに応じて吸着部の吸着力を変更する。これにより、吸着部において、記録媒体のサイズに応じた最適な吸着力を得ることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の画像形成装置において、前記吸着力変更手段は、前記記録媒体の厚みに応じて前記吸着部の吸着力を変更する。
請求項3に記載の画像形成装置では、吸着力変更手段が記録媒体の厚みに応じて吸着部の吸着力を変更する。これにより、吸着部において、記録媒体の厚みに応じた適切な吸着
力を得ることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の画像形成装置において、前記吸着力変更手段は、前記記録媒体への前記液滴の付着量に応じて前記吸着部の吸着力を変更する。
請求項4に記載の画像形成装置では、吸着力変更手段が記録媒体への液滴の付着量に応じて複数の吸着部の各々の吸着力を変更する。これにより、吸着部において、記録媒体への液滴の付着量に応じた最適な吸着力を得ることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の画像形成装置において、前記吸着力変更手段は、片面印刷か両面印刷かに応じて前記吸着部の吸着力を変更する。
請求項5に記載の画像形成装置では、吸着力変更手段が片面印刷か両面印刷かに応じて吸着部の吸着力を変更する。これにより、吸着部において、片面印刷か両面印刷かに応じた最適な吸着力を得ることができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の画像形成装置において、前記画像の形成された前記記録媒体を乾燥する乾燥手段と、前記乾燥手段の記録媒体搬送方向下流側に設けられ、前記記録媒体に紫外線を照射するUV照射手段と、を備え、前記吸着部は、前記乾燥手段と対向して配置された乾燥部吸着部と、前記UV照射手段に対向して配置されたUV照射部吸着部と、を有している。
請求項6に記載の画像形成装置では、画像の形成された記録媒体は、搬送されながら乾燥手段によって乾燥され、UV照射手段によって記録媒体に画像が定着する。そして、乾燥部吸着部とUV照射部吸着部とで、記録媒体に対して各々最適な吸着力にすることができる。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の画像形成装置において、前記乾燥部吸着部の吸着力が前記UV照射部吸着部の吸着力よりも弱く設定されている。
乾燥部吸着部において搬送される記録媒体は、液滴によってコシが弱くなる(湿潤して軟らかくなる)ため、吸着力が作用すると吸着皺を発生する懸念がある。一方、UV照射部吸着部では、乾燥された記録媒体、即ち、乾燥部吸着部において搬送される記録媒体よりもコシが強くなっている(元のコシに戻っている)。このため、乾燥部吸着部の吸着力をUV照射部吸着部の吸着力よりも弱く設定することで、乾燥部吸着部における吸着皺の発生を抑えることが出来る。
請求項8に記載の発明は、請求項6または請求項7に記載の画像形成装置において、前記乾燥部吸着部は、前記記録媒体の搬送方向に仕切壁で複数の吸着領域に仕切られている。
請求項8に記載の画像形成装置では、乾燥部吸着部が記録媒体の搬送方向に仕切壁で複数の吸着領域に仕切られているため、乾燥部吸着部において記録媒体の乾燥の進行状況、及び記録媒体の搬送の進行等に応じて、記録媒体への吸着力を最適化することができる。
請求項9に記載の発明は、請求項1〜請求項8の何れか1項に記載の画像形成装置において、前記吸着力変更手段は、記録媒体搬送方向上流側の前記吸着部の吸着力が記録媒体搬送方向下流側の前記吸着部の吸着力よりも弱くなるように吸着力を変更する。
記録媒体の状態は、例えば、液滴付着直後の記録媒体と、液滴が付着してから時間が経過した後の記録媒体とでは、記録媒体の状態、一例として、記録媒体のコシ(硬さ、曲げ剛性)が変化する場合がある。このような場合、記録媒体搬送方向上流側の吸着部の吸着力が記録媒体搬送方向下流側の吸着部の吸着力よりも弱くなるように吸着力を変更することで、記録媒体の状態に対応して最適な吸着力を付与することができる。
請求項10に記載の画像形成装置は、記録媒体に液滴を吐出して前記記録媒体に画像を記録する画像記録部と、前記画像が形成された前記記録媒体を吸着させて搬送する搬送ベルトと、前記搬送ベルトの吸着力を変更する吸着力変更手段と、を備えている。
請求項10に記載の画像形成装置は、画像形成部において、記録媒体に液滴が吐出されて記録媒体に画像が形成される。画像が形成された記録媒体は、搬送ベルトで搬送される。搬送ベルトは吸着力変更手段によって記録媒体を吸着できると共に、吸着力を変更することができる。吸着力変更手段は、搬送ベルトの吸着力を変更することで、記録媒体の搬送不良による画像傷の発生と、記録媒体の吸着皺の発生とを抑制することができる。
本発明の画像形成装置は上記構成としたので、記録媒体の搬送不良による画像傷の発生防止と、記録媒体の吸着皺の発生防止とを可能とする。
本発明の第1実施形態に係る画像形成装置を示す正面図である。 本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の渡しガイドプレート及び第1ガイドプレート、及び第2ガイドプレートの平面図である(なお、第2ガイドプレートに関しては平面状に展開している。) 本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の各ガイドプレートの内部を負圧にするための空気の流路、及び制御系を示す回路図である。 本発明の第2実施形態に係る画像形成装置の各ガイドプレートの内部を負圧にするための空気の流路、及び制御系を示す回路図である。 本発明の第5実施形態に係る画像形成装置の第1ガイドプレートの内部を負圧にするための空気の流路、及び制御系を示す回路図である。 本発明の第6実施形態に係る画像形成装置の第1ガイドプレートの一部を断面にした斜視図である。 (A)〜(C)は、本発明の第6実施形態に係る画像形成装置の第1ガイドプレートの上面に形成された吸引孔と、シャッター板に形成された貫通孔との関係を示す平面図である。 その他の実施形態に係る画像形成装置の要部の一部を断面にした側面図である。 その他の実施形態に係る画像形成装置の要部の一部を断面にした斜視図である。
<第1実施形態>
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態の一例について説明する。
図1は、本発明に係る画像形成装置としてのインクジェット記録装置の第1実施形態を示す全体構成図である。
(全体構成)
このインクジェット記録装置10は、枚葉の用紙(記録媒体)Pに水性UVインク(水性媒体を使用したUV硬化型のインク)を用いてインクジェット方式で画像を記録するインクジェット記録装置であり、主として、用紙Pを給紙する給紙部12と、給紙部12から給紙された用紙Pの表面(描画面)に所定の処理液を付与する処理液付与部14と、処理液付与部14で処理液が付与された用紙Pの乾燥処理を行う処理液乾燥処理部16と、処理液乾燥処理部16で乾燥処理が施された用紙Pの表面に水性UVインクを用いてインクジェット方式で画像を記録する画像形成部18と、画像形成部18で画像が記録された用紙Pを次に説明する加熱乾燥処理部20へ搬送する渡し部19と、画像形成部18で画像が記録された用紙Pの乾燥処理を行う加熱乾燥処理部20と、加熱乾燥処理部20で乾燥処理された用紙Pに紫外光(UV光)を照射して画像を定着させるUV照射処理部22と、UV照射処理部22でUV照射処理された用紙Pを排紙する排紙部24と、を備えている。
(給紙部)
給紙部12は、給紙台30に積載された用紙Pを1枚ずつ処理液付与部14に給紙する。給紙手段の一例としての給紙部12は、主として、給紙台30と、サッカー装置32と、給紙ローラ対34と、フィーダボード36と、前当て38と、給紙ドラム40とで構成されている。
用紙Pは、多数枚が積層された束の状態で給紙台30に載置される。給紙台30は、図示しない給紙台昇降装置によって昇降可能に設けられる。給紙台昇降装置は、給紙台30に積載された用紙Pの増減に連動して、その駆動が制御され、束の最上位に位置する用紙Pが常に一定の高さに位置するように、給紙台30を昇降させる。
記録媒体としての用紙Pは、特に限定されないが、一般のオフセット印刷などで使用される汎用の印刷用紙(いわゆる上質紙、コート紙、アート紙などのセルロースを主体とする用紙)を用いることができる。本例では塗工紙が用いられる。塗工紙は、一般に表面処理されていない上質紙や中性紙等の表面にコート材を塗布してコート層を設けたものである。具体的には、アート紙、コート紙、軽量コート紙、微塗工紙などが好適に用いられる。
サッカー装置32は、給紙台30に積載されている用紙Pを上から順に1枚ずつ取り上げて、給紙ローラ対34に給紙する。サッカー装置32は、昇降自在かつ揺動自在に設けられたサクションフット32Aを備え、このサクションフット32Aによって用紙Pの上面を吸着保持して、用紙Pを給紙台30から給紙ローラ対34に移送する。この際、サクションフット32Aは、束の最上位に位置する用紙Pの先端側の上面を吸着保持して、用紙Pを引き上げ、引き上げた用紙Pの先端を給紙ローラ対34を構成する一対のローラ34A、34Bの間に挿入する。
給紙ローラ対34は、互いに押圧当接された上下一対のローラ34A、34Bで構成される。上下一対のローラ34A、34Bは、一方が駆動ローラ(ローラ34A)、他方が従動ローラ(ローラ34B)とされ、駆動ローラ(ローラ34A)は、図示しないモータに駆動されて回転する。モータは、用紙Pの給紙に連動して駆動され、サッカー装置32から用紙Pが給紙されると、そのタイミングに合わせて駆動ローラ(ローラ34A)を回転させる。上下一対のローラ34A、34Bの間に挿入された用紙Pは、このローラ34A、34Bにニップされて、ローラ34A、34Bの回転方向(フィーダボード36の設置方向)に送り出される。
フィーダボード36は、用紙幅に対応して形成され、給紙ローラ対34から送り出された用紙Pを受けて、前当て38までガイドする。このフィーダボード36は、下方に向けて傾斜して設置され、その搬送面の上に載置された用紙Pを搬送面に沿って滑らせて前当て38までガイドする。
フィーダボード36には、用紙Pを搬送するためのテープフィーダ36Aが幅方向に間隔をおいて複数設置される。テープフィーダ36Aは、無端状に形成され、図示しないモータに駆動されて回転する。フィーダボード36の搬送面に載置された用紙Pは、このテープフィーダ36Aによって送りが与えられて、フィーダボード36の上を搬送される。
また、フィーダボード36の上には、リテーナ36Bとコロ36Cとが設置される。
リテーナ36Bは、用紙Pの搬送面に沿って前後に縦列して複数配置される(本例では2つ)。このリテーナ36Bは、用紙幅に対応した幅を有する板バネで構成され、搬送面に押圧当接されて設置される。テープフィーダ36Aによってフィーダボード36の上を搬送される用紙Pは、このリテーナ36Bを通過することにより、凹凸が矯正される。なお、リテーナ36Bは、フィーダボード36との間に用紙Pを導入しやすくするため、後端部がカールして形成される。
コロ36Cは、前後のリテーナ36Bの間に配設される。このコロ36Cは、用紙Pの搬送面に押圧当接されて設置される。前後のリテーナ36Bの間を搬送される用紙Pは、このコロ36Cによって上面が抑えられながら搬送される。
前当て38は、用紙Pの姿勢を矯正する。この前当て38は、板状に形成され、用紙Pの搬送方向と直交して配置される。また、図示しないモータに駆動されて、揺動可能に設けられる。フィーダボード36の上を搬送された用紙Pは、その先端が前当て38に当接されて、姿勢が矯正される(いわゆる、スキュー防止)。前当て38は、給紙ドラム40への用紙の給紙に連動して揺動し、姿勢を矯正した用紙Pを給紙ドラム40に受け渡す。
給紙ドラム40は、前当て38を介してフィーダボード36から給紙される用紙Pを受け取り、処理液付与部14へと搬送する。給紙ドラム40は、円筒状に形成され、図示しないモータに駆動されて回転する。給紙ドラム40の外周面上には、グリッパ40Aが備えられ、このグリッパ40Aによって用紙Pの先端が把持される。給紙ドラム40は、グリッパ40Aによって用紙Pの先端を把持して回転することにより、用紙Pを周面に巻き掛けながら、処理液付与部14へと用紙Pを搬送する。
給紙部12は、以上のように構成される。給紙台30の上に積載された用紙Pは、サッカー装置32によって上から順に1枚ずつ引き上げられて、給紙ローラ対34に給紙される。給紙ローラ対34に給紙された用紙Pは、その給紙ローラ対34を構成する上下一対のローラ34A、34Bによって前方に送り出され、フィーダボード36の上に載置される。フィーダボード36の上に載置された用紙Pは、フィーダボード36の搬送面に設けられたテープフィーダ36Aによって搬送される。そして、その搬送過程でリテーナ36Bによってフィーダボード36の搬送面に押し付けられ、凹凸が矯正される。フィーダボード36によって搬送された用紙Pは、先端が前当て38に当接されることにより、傾きが矯正され、その後、給紙ドラム40に受け渡される。そして、その給紙ドラム40によって処理液付与部14へと搬送される。
(処理液付与部)
処理液付与部14は、用紙Pの表面(描画面)に所定の処理液を付与する。この処理液付与部14は、主として、用紙Pを搬送する処理液付与ドラム42と、処理液付与ドラム42によって搬送される用紙Pの印刷面に所定の処理液を付与する処理液付与ユニット44とで構成されている。
処理液付与ドラム42は、給紙部12の給紙ドラム40から用紙Pを受け取り、処理液乾燥処理部16へと用紙Pを搬送する。処理液付与ドラム42は、円筒状に形成され、図示しないモータに駆動されて回転する。処理液付与ドラム42の外周面上には、グリッパ42Aが備えられ、このグリッパ42Aによって用紙Pの先端が把持される。処理液付与ドラム42は、このグリッパ42Aによって用紙Pの先端を把持して回転することにより、用紙Pを周面に巻き掛けながら、処理液乾燥処理部16へと用紙Pを搬送する(1回転で1枚の用紙Pを搬送する。)。処理液付与ドラム42と給紙ドラム40は、互いの用紙Pの受け取りと受け渡しのタイミングが合うように、回転が制御される。すなわち、同じ周速度となるように駆動されるとともに、互いのグリッパの位置が合うように駆動される。
処理液付与ユニット44は、処理液付与ドラム42によって搬送される用紙Pの表面に処理液をローラ塗布する。この処理液付与ユニット44は、主として、用紙Pに処理液を塗布する塗布ローラ44Aと、処理液が貯留される処理液槽44Bと、処理液槽44Bに貯留された処理液を汲み上げて、塗布ローラ44Aに供給する汲み上げローラ44Cとで構成される。汲み上げローラ44Cは、塗布ローラ44Aに押圧当接して設置されるとともに、一部を処理液槽44Bに貯留された処理液に浸漬させて設置される。この汲み上げローラ44Cは、処理液を計量して汲み上げ、塗布ローラ44Aの周面に一定の厚さで処理液を付与する。塗布ローラ44Aは、用紙幅に対応して設けられ、用紙Pに押圧当接されて、その周面に付与された処理液を用紙Pに塗布する。塗布ローラ44Aは、図示しない当接離間機構に駆動されて、処理液付与ドラム42の周面に当接する当接位置と、処理液付与ドラム42の周面から離間する離間位置との間を移動する。当接離間機構は、用紙Pの通過タイミングに合わせて、塗布ローラ44Aを移動させ、処理液付与ドラム42によって搬送される用紙Pの表面に処理液を塗布する。
なお、本例では、処理液をローラ塗布する構成としているが、処理液を付与する方法は、これに限定されるものではない。この他、インクジェットヘッドを用いて付与する構成やスプレーにより付与する構成を採用することもできる。
処理液付与部14は、以上のように構成される。給紙部12の給紙ドラム40から受け渡された用紙Pは、処理液付与ドラム42で受け取られる。処理液付与ドラム42は、用紙Pの先端をグリッパ42Aで把持して、回転することにより、用紙Pを周面に巻き掛けて搬送する。この搬送過程で塗布ローラ44Aが用紙Pの表面に押圧当接され、用紙Pの表面に処理液が塗布される。
ここで、この用紙Pの表面に塗布する処理液は、後段の画像形成部18で用紙Pに打滴する水性UVインク中の色材を凝集させる機能を有する処理液が塗布される。このような処理液を用紙Pの表面に塗布して水性UVインクを打滴することにより、汎用の印刷用紙を用いた場合であっても、着弾干渉等を起こすことなく、高品位な印刷を行うことができる。
(処理液乾燥処理部)
処理液乾燥処理部16は、表面に処理液が付与された用紙Pを乾燥処理する。この処理液乾燥処理部16は、主として、用紙Pを搬送する処理液乾燥処理ドラム46と、用紙搬送ガイド48と、処理液乾燥処理ドラム46によって搬送される用紙Pの印刷面に熱風を吹き当てて乾燥させる処理液乾燥処理ユニット50とで構成されている。
処理液乾燥処理ドラム46は、処理液付与部14の処理液付与ドラム42から用紙Pを受け取り、画像形成部18へと用紙Pを搬送する。処理液乾燥処理ドラム46は、円筒状に組んだ枠体で構成され、図示しないモータに駆動されて回転する。処理液乾燥処理ドラム46の外周面上には、グリッパ46Aが備えられ、このグリッパ46Aによって用紙Pの先端が把持される。処理液乾燥処理ドラム46は、このグリッパ46Aによって用紙Pの先端を把持して回転することにより、画像形成部18に用紙Pを搬送する。なお、本例の処理液乾燥処理ドラム46は、外周面上の2カ所にグリッパ42Aが配設され、1回の回転で2枚の用紙Pが搬送できるように構成されている。処理液乾燥処理ドラム46と処理液付与ドラム42は、互いの用紙Pの受け取りと受け渡しのタイミングが合うように、回転が制御される。すなわち、同じ周速度となるように駆動されるとともに、互いのグリッパの位置が合うように駆動される。
用紙搬送ガイド48は、処理液乾燥処理ドラム46による用紙Pの搬送経路に沿って配設され、用紙Pの搬送をガイドする。
処理液乾燥処理ユニット50は、処理液乾燥処理ドラム46の内側に設置され、処理液乾燥処理ドラム46によって搬送される用紙Pの表面に向けて熱風を吹き当てて乾燥処理する。本例では、2台の処理液乾燥処理ユニット50が、処理液乾燥処理ドラム内に配設され、処理液乾燥処理ドラム46によって搬送される用紙Pの表面に向けて熱風を吹き当てる構成とされている。
処理液乾燥処理部16は、以上のように構成される。処理液付与部14の処理液付与ドラム42から受け渡された用紙Pは、処理液乾燥処理ドラム46で受け取られる。処理液乾燥処理ドラム46は、用紙Pの先端をグリッパ46Aで把持して、回転することにより、用紙Pを搬送する。この際、処理液乾燥処理ドラム46は、用紙Pの表面(処理液が塗布された面)を内側に向けて搬送する。用紙Pは、処理液乾燥処理ドラム46によって搬送される過程で処理液乾燥処理ドラム46の内側に設置された処理液乾燥処理ユニット50から熱風が表面に吹き当てられて、乾燥処理される。すなわち、処理液中の溶媒成分が除去される。これにより、用紙Pの表面にインク凝集層が形成される。
(画像形成部)
画像形成部18は、用紙Pの印刷面にC、M、Y、Kの各色のインク(水性UVインク)の液滴を打滴して、用紙Pの印刷面にカラー画像を描画する。この画像形成部18は、主として、用紙Pを搬送する画像記録ドラム52と、画像記録ドラム52によって搬送される用紙Pを押圧して、用紙Pを画像記録ドラム52の周面に密着させる用紙押さえローラ54と、用紙PにC、M、Y、Kの各色のインク滴を吐出する吐出ヘッドの一例としてのインクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kと、用紙Pに記録された画像を読み取るインラインセンサ58と、インクミストを捕捉するミストフィルタ60と、ドラム冷却ユニット62とで構成されている。
画像記録ドラム52は、処理液乾燥処理部16の処理液乾燥処理ドラム46から用紙Pを受け取り、加熱乾燥処理部20へと用紙Pを搬送する。画像記録ドラム52は、円筒状に形成され、図示しないモータに駆動されて回転する。画像記録ドラム52の外周面上には、グリッパ52Aが備えられ、このグリッパ52Aによって用紙Pの先端が把持される。画像記録ドラム52は、このグリッパ52Aによって用紙Pの先端を把持して回転することにより、用紙Pを周面に巻き掛けながら、加熱乾燥処理部20へと用紙Pを搬送する。また、画像記録ドラム52は、その周面に多数の吸引孔(図示せず)が所定のパターンで形成される。画像記録ドラム52の周面に巻き掛けられた用紙Pは、この吸引孔から吸着されることにより、画像記録ドラム52の周面に吸着保持されながら搬送される。これにより、高い平滑性をもって用紙Pを搬送することができる。
なお、この吸引孔からの吸着は一定の範囲でのみ作用し、所定の吸着開始位置から所定の吸着終了位置との間で作用する。吸着開始位置は、用紙押さえローラ54の設置位置に設定され、吸着終了位置は、インラインセンサ58の設置位置の下流側に設定される(たとえば、加熱乾燥処理部20に用紙を受け渡す位置に設定される。)。すなわち、少なくともインクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kの設置位置(画像記録位置)とインラインセンサ58の設置位置(画像読取位置)では、用紙Pが画像記録ドラム52の周面に吸着保持されるように設定される。
なお、用紙Pを画像記録ドラム52の周面に吸着保持させる機構は、上記の負圧による吸着方法に限らず、静電吸着による方法を採用することもできる。
また、本例の画像記録ドラム52は、外周面上の2カ所にグリッパ52Aが配設され、1回の回転で2枚の用紙Pが搬送できるように構成されている。画像記録ドラム52と処理液乾燥処理ドラム46は、互いの用紙Pの受け取りと受け渡しのタイミングが合うように、回転が制御される。すなわち、同じ周速度となるように駆動されるとともに、互いのグリッパの位置が合うように駆動される。
用紙押さえローラ54は、画像記録ドラム52の用紙受取位置(処理液乾燥処理ドラム46から用紙Pを受け取る位置)の近傍に配設される。この用紙押さえローラ54は、ゴムローラで構成され、画像記録ドラム52の周面に押圧当接させて設置される。処理液乾燥処理ドラム46から画像記録ドラム52に受け渡された用紙Pは、この用紙押さえローラ54を通過することによりニップされ、画像記録ドラム52の周面に密着させられる。
4台のインクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kは、画像記録ドラム52による用紙Pの搬送経路に沿って一定の間隔をもって配置される。このインクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kは、用紙幅に対応したラインヘッドで構成され、ノズル面が画像記録ドラム52の周面に対向するように配置される。各インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kは、ノズル面に形成されたノズル列から、画像記録ドラム52に向けてインクの液滴を吐出することにより、画像記録ドラム52によって搬送される用紙Pに画像を記録する。
これらインクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kは、後述する制御装置137(図3参照。なお、図3において、インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kは図示省略)によってインク滴の吐出が制御されて用紙Pに画像を記録する。
なお、上記のように、各インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kから吐出させるインクは、水性UVインクが用いられる。水性UVインクは、打滴後に紫外光を照射することにより、硬化させることができる。
インラインセンサ58は、画像記録ドラム52による用紙Pの搬送方向に対して、最後尾のインクジェットヘッド56Kの下流側に設置され、インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kで記録された画像を読み取る。このインラインセンサ58は、たとえば、ラインスキャナで構成され、画像記録ドラム52によって搬送される用紙Pからインクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kによって記録された画像を読み取る。
なお、インラインセンサ58は、後述する制御装置137(図3参照。なお、図3において、インラインセンサ58は図示省略)に接続されており、インラインセンサ58からの画像読み取り信号は制御装置137へ送られる。
なお、インラインセンサ58の下流側には、インラインセンサ58に近接して接触防止板59が設置される。この接触防止板59は、搬送の不具合等によって用紙Pに浮きが生じた場合に、用紙Pがインラインセンサ58に接触するのを防止する。
ミストフィルタ60は、最後尾のインクジェットヘッド56Kとインラインセンサ58との間に配設され、画像記録ドラム52の周辺の空気を吸引してインクミストを捕捉する。このように、画像記録ドラム52の周辺の空気を吸引してインクミストを捕捉することにより、インラインセンサ58へのインクミストの進入を防止でき、読み取り不良等の発生を防止できる。
ドラム冷却ユニット62は、画像記録ドラム52に冷風を吹き当てて、画像記録ドラム52を冷却する。このドラム冷却ユニット62は、主として、エアコン(図示せず)と、そのエアコンから供給される冷気を画像記録ドラム52の周面に吹き当てるダクト62Aとで構成される。ダクト62Aは、画像記録ドラム52に対して、用紙Pの搬送領域以外の領域に冷気を吹き当てて、画像記録ドラム52を冷却する。本例では、画像記録ドラム52のほぼ上側半分の円弧面に沿って用紙Pが搬送されるので、ダクト62Aは、画像記録ドラム52のほぼ下側半分の領域に冷気を吹き当てて、画像記録ドラム52を冷却する構成とされている。具体的には、ダクト62Aの吹出口が、画像記録ドラム52のほぼ下側半分を覆うように円弧状に形成され、画像記録ドラム52のほぼ下側半分の領域に冷気が吹き当てられる構成とされている。
ここで、画像記録ドラム52を冷却する温度は、インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kの温度(特にノズル面の温度)との関係で定まり、インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kの温度よりも低い温度となるように冷却される。これにより、インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kに結露が生じるのを防止することができる。すなわち、インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kよりも画像記録ドラム52の温度を低くすることにより、画像記録ドラム側に結露を誘発することができ、インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kに生じる結露(特にノズル面に生じる結露)を防止することができる。
画像形成部18は、以上のように構成される。処理液乾燥処理部16の処理液乾燥処理ドラム46から受け渡された用紙Pは、画像記録ドラム52で受け取られる。画像記録ドラム52は、用紙Pの先端をグリッパ52Aで把持して、回転することにより、用紙Pを搬送する。画像記録ドラム52に受け渡された用紙Pは、まず、用紙押さえローラ54を通過することにより、画像記録ドラム52の周面に密着される。これと同時に画像記録ドラム52の吸着穴から吸引されて、画像記録ドラム52の外周面上に吸着保持される。用紙Pは、この状態で搬送されて、各インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kを通過する。そして、その通過時に各インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56KからC、M、Y、Kの各色のインクの液滴が表面に打滴されて、表面にカラー画像が描画される。用紙Pの表面にはインク凝集層が形成されているので、フェザリングやブリーディング等を起こすことなく、高品位な画像を記録することができる。
インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kによって画像が記録された用紙Pは、次いで、インラインセンサ58を通過する。そして、そのインラインセンサ58の通過時に表面に記録された画像が読み取られる。この記録画像の読み取りは必要に応じて行われ、読み取られた画像から吐出不良等の検査が行われる。読み取りを行う際は、画像記録ドラム52に吸着保持された状態で読み取りが行われるので、高精度に読み取りを行うことができる。また、画像記録直後に読み取りが行われるので、たとえば、吐出不良等の異常を直ちに検出することができ、その対応を迅速に行うことができる。これにより、無駄な記録を防止できるとともに、損紙の発生を最小限に抑えることができる。
この後、用紙Pは、吸着が解除された後、以下に説明する渡し部61を介して加熱乾燥処理部20へと受け渡される。
(渡し部)
渡し部61は、画像記録後の用紙Pを画像形成部18から受け取り、加熱乾燥処理部20へ渡す役目を有している。渡し部61は、主として、画像が記録された用紙Pを搬送する搬送手段の一例としてのチェーングリッパ64と、チェーングリッパ64によって搬送される用紙Pにバックテンション(張力)を作用させるバックテンション付与機構66とを含んで構成されている。
チェーングリッパ64は、渡し部61、加熱乾燥処理部20、UV照射処理部22、排紙部24において共通して使用される用紙搬送機構であり、画像形成部18から受け渡された用紙Pを受け取って、排紙部24まで搬送する。
このチェーングリッパ64は、主として、画像記録ドラム52に近接して設置される回転体としての第1スプロケット64Aと、排紙部24に設置される第2スプロケット64Bと、第1スプロケット64Aと第2スプロケット64Bとに巻き掛けられる無端状のチェーン64Cと、チェーン64Cの走行をガイドする複数のチェーンガイド(図示せず)と、チェーン64Cに一定の間隔をもって取り付けられる複数のグリッパ78とで構成される。第1スプロケット64Aと、第2スプロケット64Bと、チェーン64Cと、チェーンガイドとは、それぞれ一対で構成され、用紙Pの幅方向の両側に配設される。グリッパ78は、一対で設けられるチェーン64Cに掛け渡されて設置される。
グリッパ78は、用紙Pの幅方向に対向して互いに平行に巻き掛けられた一対のチェーン64Cに掛け渡されており、主として、用紙Pの幅方向に延びた長尺状の基部78Aと、基部78Aの端部に取り付けられた複数の把持爪78Bとを含んで構成されている。
第1スプロケット64Aは、画像記録ドラム52から受け渡される用紙Pをグリッパ78で受け取ることができるように、画像記録ドラム52に近接して設置されている。この第1スプロケット64Aは、図示しない軸受に軸支されて、回転自在に設けられるとともに、図示しないモータに歯車を介して連結されている。第1スプロケット64A及び第2スプロケット64Bに巻き掛けられるチェーン64Cは、このモータを駆動することにより走行する。
第2スプロケット64Bは、画像記録ドラム52から受け取った用紙Pを排紙部24で回収できるように、排紙部24に設置される。すなわち、この第2スプロケット64Bの設置位置が、チェーングリッパ64による用紙Pの搬送経路の終端とされる。この第2スプロケット64Bは、図示しない軸受に軸支されて、回転自在に設けられる。
チェーン64Cは、無端状に形成され、第1スプロケット64Aと第2スプロケット64Bとに巻き掛けられる。
チェーンガイドは、所定位置に配置されて、チェーン64Cが所定の経路を走行するようにガイドする(=用紙Pが所定の搬送経路を走行して搬送されるようにガイドする。)。本例のインクジェット記録装置10では、第2スプロケット64Bが第1スプロケット64Aよりも高い位置に配設されている。このため、チェーン64Cが、途中で傾斜するような走行経路が形成される。具体的には、渡し搬送経路69と、第1水平搬送経路70Aと、第2水平搬送経路70Bと、傾斜搬送経路70Cと、第3水平搬送経路70Dとで構成される。
渡し搬送経路69は、第1スプロケット64Aの回転中心を曲率中心とする円弧状に設定される。
第1水平搬送経路70Aは、第1スプロケット64Aと同じ高さに設定され、第1スプロケット64Aに巻き掛けられたチェーン64Cが、水平に走行するように設定される。第3水平搬送経路70Dは、第2スプロケット64Bと同じ高さに設定され、第2スプロケット64Bに巻き掛けられたチェーン64Cが、水平に走行するように設定される。傾斜搬送経路70Cは、第1水平搬送経路70Aと第3水平搬送経路70Dとの間に設定され、第1水平搬送経路70Aと第3水平搬送経路70Dとの間を結ぶように設定される。
チェーンガイドは、第1水平搬送経路70Aと、第2水平搬送経路70Bと、傾斜搬送経路70Cと、第3水平搬送経路70Dとを形成するように配設される。
グリッパ78は、チェーン64Cに一定の間隔をもって複数取り付けられる。このグリッパ78の取り付け間隔は、画像記録ドラム52からの用紙Pの受け取り間隔に合わせて設定される。すなわち、画像記録ドラム52から順次受け渡される用紙Pをタイミングを合わせて画像記録ドラム52から受け取ることができるように、画像記録ドラム52からの用紙Pの受け取り間隔に合わせて設定される。
チェーングリッパ64は、以上のように構成される。上記のように、第1スプロケット64Aに接続されたモータ(図示せず)を駆動すると、チェーン64Cが走行する。チェーン64Cは、画像記録ドラム52の周速度と同じ速度で走行する。また、画像記録ドラム52から受け渡される用紙Pが、各グリッパ78で受け取れるようにタイミングが合わせられる。
バックテンション付与機構66は、チェーングリッパ64によって先端を把持されながら搬送される用紙Pにバックテンション(張力)を付与する。このバックテンション付与機構66は、主として、渡し搬送経路69に設置される搬送面としての渡しガイドプレート71と、加熱乾燥処理部20に配置される搬送面としての第1ガイドプレート72と、UV照射処理部22に配置される第2ガイドプレート82と、を備えている。
図1、及び図2に示すように、第1ガイドプレート72は、用紙幅に対応した幅を有する中空状のボックスプレートで構成されている。第1ガイドプレート72は、上面72Aに形成される多数の吸引孔108と、第1ガイドプレート72の中央部の下部側に配置されて多数の吸引孔108から吸引した空気を吐き出すための排気管84が接続されている。
第2ガイドプレート82も第1ガイドプレート72と同様であり、用紙幅に対応した幅を有する中空状のボックスプレートで構成されている。第2ガイドプレート82は、上面82Aに形成された多数の吸引孔86と、多数の吸引孔86から吸引した空気を吐き出すための排気管88と、を備えている。
また、渡しガイドプレート71も第1ガイドプレート72と同様に、用紙幅に対応した幅を有する中空状のボックスプレートで構成されているが、図1に示すように側面視で円弧形状とされ、上面71Aに形成された多数の吸引孔90と、多数の吸引孔90から吸引した空気を吐き出すための排気管92と、を備えている。
図3に示すように、排気管92、排気管84、及び排気管88は、4分岐された接続管94を介して吸引ファン96へ接続されている。吸引ファン96は、渡しガイドプレート71に形成された多数の吸引孔90、第1ガイドプレート72に形成された多数の吸引孔108、及び第2ガイドプレート82に形成された多数の吸引孔86から吸引した空気を排気管110を介して装置外へ排出する。即ち、吸引ファン96は、渡しガイドプレート71、第1ガイドプレート72、及び第2ガイドプレート82の各々の中空部(内部)の空気を吸引して中空部を負圧とする。なお、吸引ファン96の代わりにブロア、真空ポンプ等を用いても良く、空気を吸い込むものであれば機器の種類は問わない。
図1に示すように、第1ガイドプレート72は、チェーングリッパ64による用紙Pの搬送経路(=チェーンの走行経路)に沿って配設され、用紙Pの搬送面となる。具体的には、第1水平搬送経路70Aを走行するチェーン64Cに沿って配設され、チェーン64Cから所定距離だけ離間して配設されている。また、第2ガイドプレート82も、第2水平搬送経路70Bを走行するチェーン64Cに沿って配設され、チェーン64Cから所定距離だけ離間して配設されている。チェーングリッパ64によってチェーン64Cの外周側で搬送される用紙Pは、下面が第1ガイドプレート72の上面及び第2ガイドプレート82の上面に接触して、引き摺られながら搬送される。
図3に示すように、排気管92の中間部、排気管84の中間部、及び排気管88の中間部には、各々電動式の流量調整装置(モーターダンパ等)112、流量調整装置114、及び流量調整装置116が設けられている。流量調整装置112、流量調整装置114、及び流量調整装置116は、制御装置137によって制御され、排気管92、排気管84、及び排気管88を通過する風量(各ガイドプレートの吸引孔による用紙吸着力)を調整(制御)することができる。なお、流量調整装置112、114、116は、排気管92、排気管84、及び排気管88の通風を完全に阻止すること(各ガイドプレートによる用紙吸着力を零とすること)も可能である。
渡しガイドプレート71の吸引孔90から空気が吸引されることにより、チェーングリッパ64のグリッパ78に先端部が把持された用紙Pの後端側が吸引孔90に吸着される。これにより、チェーングリッパ64によって搬送される用紙Pにバックテンション(張力)が付与される。第1ガイドプレート72でも、同様にチェーングリッパ64によって搬送される用紙Pの後端側が吸引孔108に吸着され、グリッパ78に先端部が把持された用紙Pにバックテンションが付与される。さらに、第2ガイドプレート82でも、同様にチェーングリッパ64によって搬送される用紙Pの後端側が吸引孔に吸着され、グリッパ78に先端部が把持された用紙Pにバックテンションが付与される。
上記のように、渡しガイドプレート71は、渡し搬送経路69を走行するチェーン64Cに沿って配設され、第1ガイドプレート72は、第1水平搬送経路70Aを走行するチェーン64Cに沿って配設され、第2ガイドプレート82は、第2水平搬送経路70Bを走行するチェーン64Cに沿って配設されるので、渡し搬送経路69,第1水平搬送経路70A、及び第2水平搬送経路70Bを搬送されている間、用紙Pにはバックテンションが付与される。
(加熱乾燥処理部)
図1に示すように、加熱乾燥処理部20は、画像記録後の用紙Pを乾燥処理し、用紙Pの表面に残存する液体成分を除去する。加熱乾燥処理部20は、主として、画像が記録された用紙Pを搬送する搬送手段の一例としてのチェーングリッパ64と、チェーングリッパ64によって搬送される用紙Pにバックテンション(張力)を作用させるバックテンション付与機構66と、チェーングリッパ64によって搬送される用紙Pへ光を照射して加熱乾燥する光照射手段の一例としての赤外線ヒータ68、下方に向けて(搬送される用紙Pへ向けて)乾燥風を送風する乾燥風送風ノズル118とで構成されている。
赤外線ヒータ68は、チェーン64Cの内周側(図中上方)に設置されており、図示しない光源と、光源より上方に設けられ光源の上半分を囲んで配置された反射板とで構成されている。本実施形態では、光源の一例として、石英管の内部にフィラメントを備えたものを用いているが、これに限らず、赤外光を発光できる光源であれば、構成は特定しない。
赤外線ヒータ68は、第1水平搬送経路70Aを搬送される用紙Pに対して赤外光を照射し、その輻射熱で用紙Pを加熱乾燥する。また、赤外線ヒータ68は、第1水平搬送経路70Aに沿って複数台配置されており、用紙Pが第1水平搬送経路70Aを搬送されている間、赤外線ヒータ68が用紙Pへ赤外光を照射する。本実施形態では、一例として、第1水平搬送経路70Aに沿って5台の赤外線ヒータ68が設けられている。また、それぞれの赤外線ヒータ68は、制御装置137(図3参照。なお、図3において赤外線ヒータ68は図示省略。)に接続されており、制御装置137からの命令で赤外線ヒータ68の出力が変更され赤外線の照射強度を調節可能に構成されている。
赤外線ヒータ68と乾燥風送風ノズル118とは用紙搬送方向に交互に配置されている。乾燥風送風ノズル118から送風される乾燥風を搬送中の用紙Pに当てることで、用紙Pの乾燥を促進することができる。
なお、赤外線ヒータ68の設置数は、赤外線ヒータ68の処理能力や用紙Pの搬送速度(=印刷速度)等に応じて設定される。すなわち、画像形成部18から受け取った用紙Pが第1水平搬送経路70Aを搬送されている間に乾燥させることができる設置数に設定される。したがって、第1水平搬送経路70Aの長さも、この赤外線ヒータ68の能力を考慮して設定される。
加熱乾燥処理部20は、以上のように構成される。画像形成部18の画像記録ドラム52から受け渡された用紙Pは、チェーングリッパ64で受け取られる。チェーングリッパ64は、用紙Pの先端部をグリッパ78で把持し、平面状の第1ガイドプレート72に用紙Pの後端側を接触させた状態で搬送する。チェーングリッパ64に受け渡された用紙Pは、まず、第1水平搬送経路70Aを搬送される。この第1水平搬送経路70Aを搬送される過程で、用紙Pへ赤外線ヒータ68から赤外光が照射されると共に、乾燥風送風ノズル118から乾燥風が送風され、赤外線ヒータ68の輻射熱、及び乾燥風によって加熱乾燥処理が施される。この際、用紙Pは、バックテンション付与機構66によってバックテンション(張力)が付与されながら乾燥処理が施される。
なお、本実施形態では、赤外線ヒータ68から赤外光を照射して用紙Pを加熱乾燥する構成としたが、これに限らず、赤外光以外の光を照射して用紙Pを加熱乾燥してもよく、例えば、遠赤外線や、紫外光(UV)などを用いて加熱乾燥してもよい。
(UV照射処理部)
UV照射処理部22は、水性UVインクが吐出された用紙Pへ紫外光を照射して、UVインクで形成された画像を定着させる。このUV照射処理部22は、図1に示すように、主として、用紙Pを搬送するチェーングリッパ64と、チェーングリッパ64によって搬送される用紙Pにバックテンションを付与するバックテンション付与機構66と、チェーングリッパ64によって搬送される用紙Pに紫外光を照射するUV照射手段の一例としてのUV照射ユニット74とで構成されている。
上記のように、チェーングリッパ64は、渡し部61、加熱乾燥処理部20、UV照射処理部22、及び排紙部24と共に共通して使用される。
UV照射ユニット74は、加熱乾燥処理部20の用紙搬送方向下流側のチェーン64Cの内周側(第2水平搬送経路70Bを構成する部位)に設置され、第2水平搬送経路70Bを搬送される用紙Pの表面に紫外光を照射する。このUV照射ユニット74は、UVランプ120と、UVランプ120の側方及び上方を覆い、かつ下方が開放されたUVランプカバー122とを備えており、第2水平搬送経路70Bを搬送される用紙Pの表面に向けて紫外光を照射する。
UVランプカバー122には、ダクト124が取り付けられている。ダクト124は、図示しない吸引ファンに接続されており、UVランプカバー122の下側の開口部分から空気を吸い込んで、UVランプ120の冷却を行う。
このUV照射ユニット74の設置数は、1個に限らず、複数個であっても良い。UV照射ユニット74の設置数は、用紙Pの搬送速度(=印刷速度)等に応じて設定される。すなわち、用紙Pが第2水平搬送経路70Bを搬送されている間に照射した紫外光によって画像を定着させることができるように設定される。したがって、UV照射ユニット74に対応する第2水平搬送経路70Bの長さも、この用紙Pの搬送速度等を考慮して設定される。
チェーングリッパ64に搬送されて加熱乾燥処理部20で乾燥処理が施された用紙Pは、UV照射ユニット74を搬送される。第2水平搬送経路70Bでは、チェーングリッパ64は、用紙Pの先端をグリッパ78で把持して、第2ガイドプレート82に沿わせて用紙Pを搬送する。この第2水平搬送経路70Bを搬送される過程で用紙Pは、チェーングリッパ64の内部に設置されたUV照射ユニット74によりUV照射処理が施される。すなわち、UV照射ユニット74から表面に向けて紫外光が照射される。この際、用紙Pは、バックテンション付与機構66によってバックテンションが付与されながらUV照射処理が施される。これにより、用紙Pの変形を抑えながらUV照射処理を施すことができる。
チェーングリッパ64に搬送されてUV照射処理部22で紫外光が照射された用紙Pは、傾斜搬送経路70Cを搬送される。傾斜搬送経路70Cでは、チェーングリッパ64が用紙Pの先端をグリッパ78で把持して、チェーン64Cの下側にチェーン64Cに沿って配置される傾斜ガイドプレート126に沿わせて用紙Pを搬送する。
(排紙部)
排紙部24は、一連の画像記録処理が行われた用紙Pを回収する。この排紙部24は、主として、UV照射された用紙Pを搬送するチェーングリッパ64と、用紙Pを積み重ねて回収する排紙台76とで構成されている。
上記のように、チェーングリッパ64は、加熱乾燥処理部20及びUV照射処理部22と共に共通して使用される。チェーングリッパ64は、排紙台76の上で用紙Pを開放し、排紙台76の上に用紙Pをスタックさせる。
排紙台76は、チェーングリッパ64から開放された用紙Pを積み重ねて回収する。この排紙台76には、用紙Pが整然と積み重ねられるように、用紙当て(前用紙当て、後用紙当て、横用紙当て等)が備えられる(図示せず)。
また、排紙台76は、図示しない排紙台昇降装置によって昇降可能に設けられる。排紙台昇降装置は、排紙台76にスタックされる用紙Pの増減に連動して、その駆動が制御され、最上位に位置する用紙Pが常に一定の高さに位置するように、排紙台76を昇降させる。
(搬送面及びグリッパの詳細)
次に、本実施形態のインクジェット記録装置10の主要部であるチェーングリッパ64、及び搬送面となる第1ガイドプレート72について、さらに詳しく説明する。
図2に示すように、第1ガイドプレート72は、平面視で略矩形状に形成されている 第1ガイドプレート72の上面72Aには、多数の吸引孔108が所定のパターンで形成されている。また、第1ガイドプレート72の内部の上面72A側には、冷却液が流れる冷却流路128が設けられている。冷却流路128は、長尺状の1本の流路を第1ガイドプレート72の用紙Pの搬送方向の一端部から他端部まで蛇行させて配置された構成とされている。
この冷却流路128の一方の接続口128Aには、流入流路としての第1流路130が接続されており、第1流路130から冷却液が接続口128Aを介して冷却流路128に導入されるようになっている。そして、蛇行するように配置された冷却流路128を冷却液が流れることで、第1ガイドプレート72の少なくとも上面72A側が冷却される。
第2ガイドプレート82も、第1ガイドプレート72とほぼ同じ構成であり、内部に蛇行するように冷却流路132が設けられており、冷却液により第2ガイドプレート82の上面側が冷却されるようになっている。
第1ガイドプレート72の冷却流路128の接続口128Aとは反対側の端部である他方の接続口128Bには、第2ガイドプレート82の冷却流路132の接続口132Aが接続流路134を介して接続されている。
第2ガイドプレート82の冷却流路132の接続口132Aとは反対側の端部である他方の接続口132Bには、戻り流路としての第2流路136が接続されており、冷却流路128、接続流路134、及び第2流路136を通過した冷却液が接続口132Bを介して第2流路136に排出されるようになっている。
また、第1ガイドプレート72の冷却流路128に接続された第1流路130と、第2ガイドプレート82の冷却流路132に接続された第2流路136は、図示しないチラーに接続され、循環流路とされている。なお、これら第1流路130、冷却流路128、接続流路134、冷却流路132、及び第2流路136を流れる冷却液としては、水(清水、純水)、エチレングリコール水溶液(不凍液)等が使用される。本実施形態では、一例として清水を冷却液として使用している。
図1に示すように、渡しガイドプレート71、第1ガイドプレート72、及び第2ガイドプレート82と対向して配置されたチェーングリッパ64には、用紙Pの先端部(一端部)を把持する複数のグリッパ78が等間隔に設けられている。
(制御装置)
図3に示すように、制御装置137には、インクジェット記録装置10の各種の操作、及び各種の設定を行うための操作パネル138が接続されている。
オペレーターは、操作パネル138を操作することで、インクジェット記録装置10の起動、停止、用紙Pの用紙サイズ、用紙Pの厚さ等の入力等を行うことができる。制御装置137は、用紙Pのサイズ等に応じて渡しガイドプレート71、第1ガイドプレート72、及び第2ガイドプレート82の各々の吸着力、即ち流量調整装置112、114、116を制御するためのテーブルを記憶している。
(作用効果)
次に、本実施形態に係るインクジェット記録装置10の作用並びに効果について説明する。
ユーザーがインクジェット記録装置10の運転を起動させ、画像の記録を開始すると、図1に示すように、給紙部12から用紙Pが給紙され、上述したように画像形成部18で用紙PへUVインクが吐出される。UVインクが吐出された用紙Pは、画像記録ドラム52からチェーングリッパ64へ受け渡される。
グリッパ78の把持爪78Bで用紙Pを把持して画像記録ドラム52から用紙Pを受け取った後、グリッパ78は、渡し搬送経路69へ用紙Pを搬送する。渡し搬送経路69では、用紙Pは渡しガイドプレート71の複数の吸引孔90によって渡しガイドプレート71の上面71Aに吸着されるので、用紙Pは搬送方向に張力が作用した状態で渡しガイドプレート71の上面71Aに引き摺られながら搬送される。その後、グリッパ78の把持爪78Bで把持された用紙Pは、第1水平搬送経路70Aへ搬送される。
第1水平搬送経路70Aへ搬送された用紙Pは、先ず最初に、加熱乾燥処理部20において、チェーン64Cの内周側に配置された赤外線ヒータ68から赤外線が照射されると共に、乾燥風送風ノズル118から乾燥風が送風され、輻射熱及び乾燥風により加熱乾燥される。このとき、用紙Pの第1ガイドプレート72に接触している部分は、吸引孔90で吸引されるので、用紙Pは搬送方向に張力が作用した状態で第1ガイドプレート72の上面72Aに引き摺られながら搬送される。これにより、用紙Pに陰が無くなり均等に赤外光が照射され、乾燥ムラを抑制できる。
加熱乾燥処理部20で乾燥処理された用紙Pは、グリッパ78でUV照射処理部22へ搬送される。このときも、用紙Pの第2ガイドプレート82に接触している部分は、吸引孔86で吸引されているので、用紙Pは搬送方向に張力が作用した状態で第2ガイドプレート82の上面82Aに引き摺られながら搬送される。
ここで、本実施形態のインクジェット記録装置10では、制御装置137で流量調整装置112、114、116を制御することで、排気管93、排気管84、及び排気管88の各々を通過する空気の通過量を変更でき、これにより、渡しガイドプレート71、第1ガイドプレート72、及び第2ガイドプレート82の各々の用紙吸着力を変更することができる。例えば、流量調整装置112、114、116で空気の通過量を少なくすれば用紙吸着力は弱となり、流量調整装置112、114、116で空気の通過量を多くすれば用紙吸着力は強となる。
一例として、図2に示すように、1点鎖線で示す大きいサイズの用紙Pを加熱乾燥処理部20の第1ガイドプレート72で搬送すると、搬送面の吸引孔108の閉塞された個数、即ち吸引孔108の閉塞面積が大きくなるが、2点鎖線で示す小さいサイズの用紙Pを搬送すると、用紙Pを吸着していない領域の吸引孔108は閉塞されず、小さいサイズの用紙Pで閉塞している吸引孔108による吸着力が低下する。その結果、小さいサイズの用紙Pにバタツキを生じ、装置内の部材、例えば、乾燥風送風ノズル118等に用紙Pが触れる懸念がある。
また、UV照射処理部22で用紙Pがバタつくと、用紙PがUVランプカバー122やUVランプ120等に触れて画像傷を誘発する懸念がある。
一方、用紙Pのサイズが大きい場合、上述した様に吸引孔108による吸着力が強くなる。液滴量が多い画像が形成されている用紙Pはコシが弱くなる(湿潤して軟らかくなる)ため、強い吸着力が作用すると吸着皺を発生する懸念がある。
本実施形態のインクジェット記録装置10では、上記2点の懸念を解消することができる。具体的には、インクジェット記録装置10で画像形成を行う前に、オペレーターが操作パネル138を操作して用紙Pの用紙サイズを入力する。制御装置137には、予め、用紙Pのサイズに対応する渡しガイドプレート71、第1ガイドプレート72、及び第2ガイドプレート82の各々の用紙吸着力、即ち、流量調整装置214、216、218の開閉量が記憶されている。このため、用紙サイズが入力されると、制御装置137は、用紙Pの用紙サイズに応じて流量調整装置214、216、218の制御を行う。
例えば、用紙Pの用紙サイズが大きい場合には、渡しガイドプレート71、第1ガイドプレート72、及び第2ガイドプレート82の各々の吸着力を弱めて用紙Pの搬送を行う。これにより、大きいサイズの用紙Pの吸着皺の発生を抑えることができる。
一方、用紙Pのサイズが小さい場合には、渡しガイドプレート71、第1ガイドプレート72、及び第2ガイドプレート82の各々の吸着力を強めて用紙Pの搬送を行う。これにより、小さいサイズの用紙Pのバタツキを抑えることができる。
UV照射処理部22においては、UVランプ120を冷却するためにUVランプカバー122の下側の開口部分から空気を吸い込むため、加熱乾燥処理部20に比較して用紙Pのバタツキの発生が懸念されるが、本実施形態のインクジェット記録装置10では、第2ガイドプレート82の吸着力を加熱乾燥処理部20の吸着力よりも高めることができるので、UV照射処理部22における用紙Pのバタツキを抑えることができる。
このように、本実施形態のインクジェット記録装置10では、渡しガイドプレート71、第1ガイドプレート72、及び第2ガイドプレート82の各々の吸着力を変更できるので、用紙Pのバタツキの発生の抑制、及び、吸着皺の発生の抑制を両立することができる。
なお、図1に示すように、UVランプカバー122と第2ガイドプレート82との間に、紫外線を透過する透明なガラス、合成樹脂等からなるカバー220を配置しても良い。これにより、UVランプカバー122の下側で用紙Pを吸引するような空気の流れを抑えることができ、その結果、用紙Pのバタツキを更に抑えることができ、第2ガイドプレート82吸着力を弱める(カバー220が無い場合対比で)ことも可能となる。
本実施形態のインクジェット記録装置10では、チェーングリッパ64が用紙Pの前端部を把持して用紙Pを引きながら搬送するため、各ガイドプレートにおける吸着力が過剰に強い場合には、用紙Pがチェーングリッパ64から外れることが考えられる。このため、各ガイドプレートにおける用紙Pの吸着力は、用紙Pがチェーングリッパ64から外れないように調整されることは言うまでもない。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係るインクジェット記録装置10について説明する。なお、前述した第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
第1実施形態のインクジェット記録装置10では、用紙Pの吸着力を変更(制御)するために流量調整装置214、216、218が設けられていたが、本実施形態のインクジェット記録装置10では、流量調整装置214、216、218の代わりに、図4に示すように吸引ファン222、224、226が設けられている。なお、本実施形態のインクジェット記録装置10では、第1実施形態で用いられていた吸引ファン96は省略されている。
吸引ファン222、224、226の作動は、制御装置137によって制御され、吸引ファン222、224、226は、排気管92、排気管84、及び排気管88を通過する風量を調整する。これによって、渡しガイドプレート71、第1ガイドプレート72、及び第2ガイドプレート82の各々の用紙Pの吸着力を制御することができる。
本実施形態のインクジェット記録装置10では、用紙サイズが入力されると、制御装置137は、用紙Pの用紙サイズに応じて吸引ファン222、224、226の制御を行う。
例えば、用紙Pの用紙サイズが大きい場合には、吸引ファン222、224、226の送風量を小さくして渡しガイドプレート71、第1ガイドプレート72、及び第2ガイドプレート82の各々の用紙Pの吸着力を弱めて用紙Pの搬送を行う。これにより、大きいサイズの用紙Pの吸着皺の発生を抑えることができる。
一方、用紙Pのサイズが小さい場合には、吸引ファン222、224、226の送風量を大きくして渡しガイドプレート71、第1ガイドプレート72、及び第2ガイドプレート82の各々の用紙Pの吸着力を高めて用紙Pの搬送を行う。これにより、小さいサイズの用紙Pのバタツキを抑えることができる。
このように、本実施形態のインクジェット記録装置10も、第1実施形態の本実施形態のインクジェット記録装置10と同様に、渡しガイドプレート71、第1ガイドプレート72、及び第2ガイドプレート82の各々の吸着力を変更できるので、用紙Pのバタツキの発生抑制、及び、吸着皺の発生の抑制を両立することができる。なお、その他の作用効果は、第1実施形態と同様である。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係るインクジェット記録装置10について説明する。
本実施形態のインクジェット記録装置10は、第1実施形態のインクジェット記録装置10と装置構成は同一であるが、制御が若干異なっている。
本実施形態のインクジェット記録装置10は、制御装置137に用紙Pのサイズと吸着力との関係の他に、用紙Pの厚さと吸着力との関係を記憶した制御プログラム(テーブル)が記憶されている。
制御装置137は、同じ用紙サイズでも、用紙厚が薄い場合には、渡しガイドプレート71、第1ガイドプレート72、及び第2ガイドプレート82の各々の吸着力を、用紙Pにバタツキを生じ無い範囲で低下させる。これにより、薄い用紙Pの吸着皺の発生を抑えることができる。
また、用紙Pが厚い場合で、装置内で用紙Pにバタツキを生じる懸念が無い場合に、制御装置137は、各ガイドプレートの吸着力を弱める、場合によっては吸着力を零とすることもできる。
さらに、UV照射処理部22において、吸着力が強くて厚い用紙Pの下面が第2ガイドプレート82に強く擦れて擦れ傷を生ずる懸念がある場合には、吸着力を弱くして、擦れ傷の発生を抑制することもできる。
なお、その他の作用効果は、第1実施形態と同様である。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態に係るインクジェット記録装置10について説明する。
本実施形態のインクジェット記録装置10は、第1、2実施形態のインクジェット記録装置10と装置構成は同一であるが、制御方法が若干異なっている。
インクジェット記録装置10の制御装置137は、用紙Pのサイズと吸着力との関係、用紙Pの厚さと吸着力との関係を記憶しており、当然ながら用紙Pの1枚当たりのインキ吐出量(1枚の用紙Pに画像を記録するためのインキ量)を把握している。
例えば、用紙P(1枚当たり)のインクの液滴の吐出量が多い場合には、乾燥工程前の用紙Pはコシが弱く(湿潤して軟らかくなっている)ため、搬送する際に吸着皺の発生が懸念される。
したがって、本実施形態のインクジェット記録装置10では、制御装置137が用紙Pへのインキ吐出量(即ち、用紙Pの液滴付着量)に対応して、用紙Pの乾燥前、及び乾燥中となる渡しガイドプレート71、及び第1ガイドプレート72の各々の用紙吸着力、即ち、流量調整装置214、216の開閉量を制御する。
例えば、同じ用紙サイズでも、液滴付着量が多い用紙Pの場合には、渡しガイドプレート71、及び第1ガイドプレート72の吸着力を、用紙Pにバタツキを生じ無い範囲で液滴付着量が少ない用紙P対比で低下させる。これにより、液滴付着量の多い用紙Pの吸着皺の発生を抑えることができる。
ここで、UV照射処理部22を搬送される用紙Pは、加熱乾燥処理部20で乾燥処理されているので、UV照射処理部22においては、液滴付着量に応じた吸着力の制御は行わなくても良い。
本実施形態の制御は、前述した実施形態の制御と組み合わせることができる。
なお、その他の作用効果は、第1実施形態と同様である。
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態に係るインクジェット記録装置10について説明する。なお、前述した第1〜4実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態のインクジェット記録装置10は、加熱乾燥処理部20の第1ガイドプレート72の構造が前述した実施形態とは異なっている。
図5に示すように、本実施形態の第1ガイドプレート72は、仕切壁140、仕切壁142によって用紙搬送方向(矢印A方向)に第1室144、第2室146、及び第3室148の3室に分割されている。第1室144の下部側には第1室用排気管150の一端側、第2室146の下部側には第2室用排気管152の一端側、第3室148の下部側には第3室用排気管154の一端側が接続されている。第1室用排気管150の他端側、第2室用排気管152の他端側、第3室用排気管154の他端側には、四分岐された接続管156を介して排気管84が接続されている。
また、第1室用排気管150の中間部には第1室用流量調整装置158、第2室用排気管152の中間部には第2室用流量調整装置160、第3室用排気管154の中間部には第3室用流量調整装置162が各々設けられている。これら第1室用流量調整装置158、第2室用流量調整装置160、及び第3室用流量調整装置162は、制御装置137によって作動が制御される。
本実施形態のインクジェット記録装置10では、第1室用流量調整装置158、第2室用流量調整装置160、及び第3室用流量調整装置162を制御することで、第1室144に対応する吸引孔108、第2室146に対応する吸引孔108、及び第3室148に対応する吸引孔108による用紙Pの吸着力を変更することができる。
本実施形態のインクジェット記録装置10では、例えば、第3室148、第2室146、第1室144の順に、吸着力を弱めることができる。乾燥前半で、コシが落ちている用紙Pに対して最初に対応する第1室144の吸着力を弱めることで、乾燥初期段階のコシが落ちている用紙Pの吸着皺の発生を抑え、用紙Pの乾燥が進行するにつれてコシが元に戻るので、用紙搬送方向下流側の第2室146、第3室148の順に吸着力を高めることができる。
また、第1室144、第2室146、第3室148における用紙Pの吸着力は、上記に限らず、用紙Pの厚さ等、その他諸条件に応じて制御装置137により適宜変更可能である。
なお、本実施形態では、第1室用排気管150の中間部には第1室用流量調整装置158、第2室用排気管152の中間部には第2室用流量調整装置160、第3室用排気管154の中間部には第3室用流量調整装置162が各々設けられていたが、これら流量調整装置の代わりに制御装置137で制御される吸引ファン(図示せず)を用いても良い。この場合、各給気ファンの排気は、吸引ファン96(図5では図示省略)を介さずにダクト等を介して装置外に排出しても良い。
なお、その他の作用効果は、第1実施形態と同様である。
<第6実施形態>
次に、本発明の第6実施形態に係るインクジェット記録装置10について説明する。なお、前述した実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。本実施形態のインクジェット記録装置10は、第1の実施形態等で用いた流量調整装置を用いていない構成となっている。
ここでは、代表して、第1ガイドプレート72の構造を説明する。
図6に示すように、第1ガイドプレート72の内部には、上面72Aの下面側に沿って、上面72Aに形成された複数の吸引孔108と対応する複数の貫通孔164が形成されたシャッター板166が配置されている。
シャッター板166は、第1ガイドプレート72の内壁面に形成されたリブ168によって用紙搬送方向(矢印A方向)と直行する方向(矢印B方向)にスライド可能に支持されている。このシャッター板166は、リニアアクチュエータ169によってスライドされる。
リニアアクチュエータ169は、制御装置137で駆動が制御され、図6、及び図7(A)に示すように、吸引孔108と貫通孔164とを対応させたり、図7(B)に示すように吸引孔108に対して貫通孔164をずらして、吸引孔108の開口面積を小さくしたり、図7(C)に示すように、吸引孔108を完全に塞ぐこともできる。
本実施形態では、このように吸引孔108の開口面積を変更することで、流量調整装置を用いずに吸着力を変更することができる。
また、渡しガイドプレート71、及び第2ガイドプレート82も、第1ガイドプレート72の構造と同様の構造とすることで、各々の吸着力を変更することができる。
なお、その他の作用効果は、第1実施形態と同様である。
<その他の実施形態>
以上、本発明の第1実施形態〜第6実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得ることは言うまでもない。
上記実施形態のインクジェット記録装置10では、画像を記録する前に、オペレータが、予め用紙Pのサイズ、厚さ等を入力したが、本発明はこれに限らず、用紙Pのサイズ、厚さを自動で判別する構成とすることもできる。
以下に、用紙Pのサイズ、厚さを自動判別する構成の概略を説明する。
用紙Pのサイズを検出するには、図1に示すように、給紙ローラ対34の用紙搬送方向下流側に、用紙Pを検出する光センサ228を、用紙搬送方向と直交する方向に予め決めた一定の間隔で複数配置し、制御装置137(図1では図示省略)に接続する。制御装置137は、用紙Pを検出した光センサ228の数で用紙Pの搬送方向と直交する方向の寸法を計測することができる。また、インクジェット記録装置10は、制御装置137で用紙Pの搬送速度を決めており、光センサ228が用紙Pの搬送方向の先端を検出して後端を検出するまでの時間を計測することで、用紙Pの搬送方向の寸法を計測することができる。これにより、用紙Pのサイズを自動で検出することができ、オペレーターが用紙サイズを入力する手間が省ける。
用紙Pの厚さを検出するには、シート、フィルム等の厚さを計測可能な一般的に用いられている厚み計測装置230を給紙ローラ対34の用紙搬送方向下流側に配置し、厚み計測装置230を制御装置137(図1では図示省略)に接続する。これにより、用紙Pの厚みを自動で検出することができ、オペレーターが用紙Pの厚みを入力する手間が省ける。
なお、上記実施形態のインクジェット記録装置10は、用紙Pの両面に画像を記録することもできる。この場合には、用紙Pの一方の面(片面)に画像を記録した後、排紙台76にスタックされた用紙Pの束を裏返しにして給紙台30に積載し、他方の面に画像を形成すれば良い。
用紙Pの両面に画像を記録する場合、1回目に記録した画像が下側を向いて用紙Pが装置内を搬送されるため、1回目に記録した画像が、渡しガイドプレート71、第1ガイドプレート72、及び第2ガイドプレート82の各上面に接触しながら搬送される。
渡しガイドプレート71、第1ガイドプレート72、及び第2ガイドプレート82の用紙Pに対する吸着力が強い場合、1回目に記録した画像に擦れ傷が付く懸念がある。このため、画像が記録された一方の面が下側となった用紙Pの他方の面に画像を記録する場合、一方の面に画像を記録する場合に比較して、渡しガイドプレート71、第1ガイドプレート72、及び第2ガイドプレート82の用紙Pに対する吸着力を弱めることが好ましい。これにより、1回目に記録した画像の擦れ傷を防止することができる。
ここで、用紙Pの両面に画像を記録する場合、オペレーターは、用紙Pの他方の面に画像を記録する際に、渡しガイドプレート71、第1ガイドプレート72、及び第2ガイドプレート82の用紙Pに対する吸着力を弱める様に操作パネル138を操作する。
なお、用紙Pの両面に画像を記録する場合、図1に示すように、インラインセンサ等の画像検出センサ233を、前当て38よりも用紙搬送方向上流、かつ用紙搬送経路下側に設け、画像検出センサ233が用紙Pの下面に画像が記録されていることを検出した場合、制御装置137(図1では図示省略)が渡しガイドプレート71、第1ガイドプレート72、及び第2ガイドプレート82の用紙Pに対する吸着力を弱めるように制御することもできる。これにより、オペレーターによる操作の手間を省くことができる。
上記実施形態では、記録媒体の材質が紙であったが、合成樹脂、金属、無機物質等、紙以外の材質であっても良く、複数の材料をラミネートしたものであっても良い。
上記実施形態では、負圧を用いて記録媒体である用紙Pを渡しガイドプレート71、第1ガイドプレート72、及び第2ガイドプレート82に吸引したが、本発明はこれに限らず、負圧以外の吸着力、例えば静電気による吸着力を用いて用紙Pを渡しガイドプレート71、第1ガイドプレート72、及び第2ガイドプレート82に吸引しても良い。この場合、渡しガイドプレート71、第1ガイドプレート72、及び第2ガイドプレート82に静電吸着力を発生するように静電気発生装置を設け、制御装置137で静電吸着力を制御すれば良い。
また、記録媒体が磁力で吸引できるものであれば、渡しガイドプレート71、第1ガイドプレート72、及び第2ガイドプレート82に電磁石を設け、電磁石の磁力を用いて記録媒体を吸着することもできる。この場合、制御装置137で電磁石の磁力を制御すれば良い。
なお、渡しガイドプレート71、第1ガイドプレート72、及び第2ガイドプレート82の各々の用紙搬送方向上流側に用紙Pを検出する光センサ等の用紙検出センサ(図示せず)を配置し、各用紙検出センサを制御装置137に接続し、用紙検出センサが用紙Pを検出した際に、制御装置137でガイドプレートの吸着力を制御するようにしても良い。
また、第5実施形態のインクジェット記録装置10において、図5に示すように、第2ガイドプレート82の第1室144、第2室146、及び第3室148の各々の用紙搬送方向上流側に、用紙Pを検出する光センサ等の用紙検出センサ232,234,236を配置し、用紙検出センサ232,234,236を制御装置137に接続し、用紙検出センサが用紙Pを検出した際に、制御装置137で第1室144、第2室146、及び第3室148による吸着力を変更するようにしても良い。
上記実施形態のインクジェット記録装置10では、例えば、用紙Pが第1ガイドプレート72に進入してから出るまでの間に吸着力を変更していないが、第1ガイドプレート72における用紙Pの位置、即ち、用紙Pによって塞がれる吸引孔108の数に応じて第1ガイドプレート72の吸着力を変更しても良い。
例えば、用紙Pの搬送方向先端側の一部分が第1ガイドプレート72に吸引された場合と、用紙Pの略全体が第1ガイドプレート72に吸引された場合とでは、用紙Pの単位面積当たりの吸着力(用紙Pで塞がれている吸引孔108(1個当り)の吸着力)は変わってくる。
このため、第1ガイドプレート72に接触する用紙Pの接触面積(或いは、用紙Pで塞がれている吸引孔108の数)に応じて制御装置137で第1ガイドプレート72の吸着力を連続的に変更制御することもできる。
これにより、用紙Pの単位面積当たりに作用する吸着力(吸引孔108(1個当り)の吸着力))を一定にすることができる。なお、渡しガイドプレート71、及び第2ガイドプレート82の各々の吸着力も第1ガイドプレート72と同様に制御することができ、第2ガイドプレート82の第1室144、第2室146、及び第3室148の各々の吸着力も同様に制御することができる。
上述した実施形態では、渡しガイドプレート71、第1ガイドプレート72、及び第2ガイドプレート82が各々独立して設けられていたが、本発明はこれに限らず、渡しガイドプレート71、第1ガイドプレート72、及び第2ガイドプレート82を一体的に形成しても良い。
上述した実施形態では、本発明の吸着部が中空のボックスプレートであったが、本発明はこれに限らず、吸着部は、内部が中空の円柱状(ドラム状)等、他の形状であっても良い。
上述した実施形態では、中空のボックスプレートの上面に複数の吸引孔が形成され、チェーングリッパ64で用紙Pの前端部を把持して該上面に用紙Pを引き摺りながら搬送したが、記録媒体である用紙Pは、搬送ベルトで搬送することもできる。
以下に、搬送ベルトで用紙Pを搬送する例を説明する。
図8に示すように、本実施形態のインクジェット記録装置10は、前述した実施形態のチェーングリッパ64の代わりに、搬送ベルトを用いている。
以下に、代表して第1水平搬送経路70Aの装置構成を説明する。
本実施形態においても、第1ガイドプレート72が設けられているが、前述した実施形態とは寸法が若干異なっているのみである。
図8に示すように、第1ガイドプレート72の用紙搬送方向上流側には第1プーリー240、用紙搬送方向下流側には第2プーリー242が配置されており、これら第1プーリー240及び第2プーリー242には、無端の吸着ベルト244が巻き掛けられている。
吸着ベルト244は、帆布等からなるベース244Aと、ベース244Aの表面に一体的に貼り付けられた表皮材244Bから構成されている。
この吸着ベルト244のベース244Aには、第1ガイドプレート72の吸引孔108に対応して多数の吸引孔246が形成されており、表皮材244Bには、吸引孔246よりも小径の吸引孔248が吸引孔246と同軸的に形成されている。
第1ガイドプレート72の内部を負圧にし、第1プーリー240及び第2プーリー242を図示しないモータで回転させることで吸着ベルト244が駆動(矢印C方向)される。吸着ベルト244の吸引孔246及び吸引孔248が第1ガイドプレート72の吸引孔108に対応することで、吸引孔246及び吸引孔248から空気が吸引され、用紙Pを吸着ベルト244に吸着させた状態で搬送することができる。
図示は省略するが、渡し搬送経路69、第2水平搬送経路70B、傾斜搬送経路70C、第3水平搬送経路70Dも、第1水平搬送経路70Aと同様の構成とすることができる。
本実施形態も、渡し搬送経路69、第2水平搬送経路70B、傾斜搬送経路70C、第3水平搬送経路70Dの各々の吸着力を前述した実施形態と同様にして変更することができる。
なお、本実施形態では、吸着ベルト244に吸引孔246及び吸引孔248を形成して、負圧で用紙Pを吸着ベルト244に吸着したが、吸着ベルト244に吸引孔246及び吸引孔248を形成せず、吸着ベルト244、第1プーリー240、及び第2プーリー242等を電源に接続し、吸着ベルト244に静電気を帯びさせて、用紙Pを静電気で吸着ベルト244に吸着させても良い。
また、記録媒体が磁力で吸引できるものであれば、渡しガイドプレート71、第1ガイドプレート72、及び第2ガイドプレート82に電磁石を設け、電磁石の磁力を用いて記録媒体を吸着ベルト244に吸着することもできる。
10 インクジェット記録装置(画像形成装置)
18 画像形成部
71 渡しガイドプレート(吸着部)
72 第1ガイドプレート(吸着部、乾燥部吸着部)
78 グリッパ(搬送部材)
82 第2ガイドプレート(吸着部、UV照射部吸着部)
112 流量調整装置(吸着力変更手段)
114 流量調整装置(吸着力変更手段)
116 流量調整装置(吸着力変更手段)
118 乾燥風送風ノズル(乾燥手段)
120 UVランプ(UV照射手段)
137 制御装置(吸着力変更手段)
140 仕切壁
142 仕切壁
144 第1室(吸着領域)
146 第2室(吸着領域)
148 第3室(吸着領域)
158 第1室用流量調整装置
160 第2室用流量調整装置
162 第3室用流量調整装置
166 シャッター板(吸着力変更手段)
169 リニアアクチュエータ
222 吸引ファン(吸着力変更手段)
224 吸引ファン(吸着力変更手段)
226 吸引ファン(吸着力変更手段)
244 吸着ベルト(搬送ベルト)

Claims (10)

  1. 記録媒体に液滴を吐出して前記記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
    前記画像が形成された前記記録媒体を把持して前記記録媒体を搬送する搬送部材と、
    前記搬送部材により搬送される前記記録媒体を吸着し、張力を付与する吸着部と、
    前記吸着部の吸着力を変更する吸着力変更手段と、
    を備えた画像形成装置。
  2. 前記吸着力変更手段は、前記記録媒体のサイズに応じて前記吸着部の吸着力を変更する、請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記吸着力変更手段は、前記記録媒体の厚みに応じて前記吸着部の吸着力を変更する、請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記吸着力変更手段は、前記記録媒体への前記液滴の付着量に応じて前記吸着部の吸着力を変更する、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記吸着力変更手段は、片面印刷か両面印刷かに応じて前記吸着部の吸着力を変更する、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記画像の形成された前記記録媒体を乾燥する乾燥手段と、
    前記乾燥手段の記録媒体搬送方向下流側に設けられ、前記記録媒体に紫外線を照射するUV照射手段と、を備え、
    前記吸着部は、前記乾燥手段と対向して配置された乾燥部吸着部と、前記UV照射手段に対向して配置されたUV照射部吸着部とを有する、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記乾燥部吸着部の吸着力が前記UV照射部吸着部の吸着力よりも弱く設定されている、請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 前記乾燥部吸着部は、前記記録媒体の搬送方向に仕切壁で複数の吸着領域に仕切られている、請求項6または請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記吸着力変更手段は、記録媒体搬送方向上流側の前記吸着部の吸着力が記録媒体搬送方向下流側の前記吸着部の吸着力よりも弱くなるように吸着力を変更する、請求項1〜請求項8の何れか1項に記載の画像形成装置。
  10. 記録媒体に液滴を吐出して前記記録媒体に画像を記録する画像記録部と、
    前記画像が形成された前記記録媒体を吸着させて搬送する搬送ベルトと、
    前記搬送ベルトの吸着力を変更する吸着力変更手段と、
    を備えた画像形成装置。
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