JP2014124934A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】記録媒体の搬送面から浮いている一端部と他の部分とで温度差が生じるのを抑制できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】吐出ヘッドで液滴が吐出された前記記録媒体の一端部を把持して搬送面から浮かせた状態で搬送する搬送手段と、前記搬送手段で搬送される前記記録媒体へ光を照射して加熱乾燥する光照射手段と、前記搬送手段に設けられ、前記搬送面から浮かせた前記記録媒体の一端部を覆って前記光照射手段からの光を減光する減光部材と、を有する。
【選択図】図4

Description

本発明は、光を照射して記録媒体を加熱乾燥する画像形成装置に関する。
インク(液滴)が吐出された記録媒体の描画面へ赤外線ヒータ(光照射手段)から赤外光を照射して記録媒体を加熱乾燥するインクジェット記録装置(画像形成装置)がある(例えば、特許文献1)。このようなインクジェット記録装置において、記録媒体の一端部を把持して搬送面から浮かせ、その他の部分を搬送面に接触させて引き摺りながら搬送するチェーングリッパを備えたものがある。
特開2010−164787号公報
しかしながら、チェーングリッパで搬送される記録媒体へ赤外線ヒータから赤外光を照射すると、記録媒体の一端部は搬送手段に把持されて搬送面から浮いているので、搬送面を伝って熱が逃げずに他の部分より温度が上昇する。その結果、記録媒体の一端部と他の部分とで温度差が生じて光沢ムラが発生する虞がある。
本発明は上記事実を考慮し、記録媒体の搬送面から浮いている一端部と他の部分とで温度差が生じるのを抑制できる画像形成装置を提供することを課題とする。
本発明の第1態様に係る画像形成装置は、吐出ヘッドで液滴が吐出された記録媒体の一端部を把持して搬送面から浮かせた状態で搬送する搬送手段と、前記搬送手段で搬送される前記記録媒体へ光を照射して加熱乾燥する光照射手段と、前記搬送手段に設けられ、前記搬送面から浮かせた前記記録媒体の一端部を覆って前記光照射手段からの光を減光する減光部材と、を有する。
上記の発明によれば、吐出ヘッドで液滴が吐出された記録媒体は、搬送手段に一端部が把持されて搬送面から浮いた状態となる。また、記録媒体の一端部を除いた他の部分は、搬送面に接触しており、搬送手段に引き摺られながら搬送される。ここで、搬送手段で搬送される記録媒体に対して光照射手段から赤外光が照射されると、赤外光の輻射熱により記録媒体が加熱される。このとき、記録媒体の搬送面に接触している部分は、搬送面を伝って記録媒体の熱が逃げる。一方、記録媒体の一端部は、搬送面から浮いているので熱が逃げないが、減光部材に覆われているので、光照射手段から照射された光が減光されて他の部分より加熱されにくくなっている。これにより、記録媒体の一端部と他の部分との間に温度差が生じるのを抑制できる。
本発明の第2態様に係る画像形成装置は、第1態様において、前記光照射手段は、前記記録媒体へ赤外光を照射する赤外線ヒータであり、前記減光部材は、赤外光をカットするIRカットフィルターである。
上記の発明によれば、IRカットフィルターが赤外光(IR:infrared rays)をカットして記録媒体の一端部へ照射される赤外光を減光するので、記録媒体の一端部が加熱されにくくなる。なお、ここでいうカットとは、赤外光を完全に遮蔽するものに限らず、赤外光の一部だけを遮蔽するものも含む。
本発明の第3態様に係る画像形成装置は、第1態様又は第2態様において、前記減光部材は、複数の貫通孔が形成された多孔板である。
上記の発明によれば、多孔板に形成された貫通孔の大きさや数を変更することで、記録媒体の一端部へ照射される赤外光の光量を変更できる。
本発明の第4態様に係る画像形成装置は、第3態様において、前記多孔板の前記貫通孔は、前記記録媒体の搬送方向の下流側から上流側に向けて前記多孔板の開口率が大きくなるように形成されている。
上記の発明によれば、搬送面から浮いている記録媒体の一端部のうち、搬送方向上流側の部分は、搬送面からあまり浮いておらず、熱が逃げやすいので、この搬送方向上流側の部分を覆う多孔板の開口率を大きくすることで、搬送方向下流側の部分より多くの光を照射させて温度差が生じるのを抑制できる。
本発明の第5態様に係る画像形成装置は、第1態様〜第4態様の何れか1つの態様において、前記搬送手段は、一対の回転体に巻き掛けられた無端状のチェーンと、前記チェーンに設けられ、前記記録媒体の一端部を把持して前記チェーンの外周側で前記記録媒体を搬送する把持爪を備えたグリッパと、を有し、前記減光部材は、前記グリッパに設けられ、前記チェーンの内周側に配置されている。
上記の発明によれば、グリッパに設けられた把持爪が記録媒体の一端部を把持してチェーンの外周側で記録媒体を搬送する。また、グリッパに設けられた減光部材は、チェーンの内周側に配置されている。これにより、減光部材が記録媒体に干渉して搬送の妨げとなるのを抑制できる。
本発明の第6態様に係る画像形成装置は、第5態様において、前記減光部材は、前記記録媒体を覆う搬送方向の長さを調節可能に前記グリッパに取り付けられている。
上記の発明によれば、光照射手段から照射された光が減光される記録媒体の搬送方向の長さを調節できる。
本発明の第7態様に係る画像形成装置は、第1態様〜第6態様の何れか1つの態様において、前記搬送面は、前記記録媒体を吸引する吸引孔を備えたガイドプレートで構成されている。
上記の発明によれば、搬送される記録媒体に張力を作用させ、記録媒体にシワが発生するのを抑制できる。また、シワで陰となる部分を無くすことで光照射手段からの光を均等に照射できる。
本発明の第8態様に係る画像形成装置は、第7態様において、前記ガイドプレートの内部に、冷却液が流れる冷却流路を備えている。
上記の発明によれば、光照射手段から照射された光でガイドプレートの表面が加熱されて温度が上昇するのを抑制できる。
本発明の第9態様に係る画像形成装置は、第1態様〜第8態様の何れか1つの態様において、前記吐出ヘッドが吐出する液滴は、紫外光を照射して硬化させるUVインクであり、前記UVインクが吐出された前記記録媒体へ紫外光を照射するUV照射手段を備え、前記減光部材は、紫外光を透過する材質で形成されている。
上記の発明によれば、記録媒体の一端部を減光部材で覆っていてもUV照射手段でUVインクを硬化できる。なお、ここでいう透過とは、紫外光を全て透過するものに限らず、紫外光の一部を透過するものも含む。
本発明の第10態様に係る画像形成装置は、第1態様〜第9態様の何れか1つの態様において、前記搬送面の温度を検出する温度検出センサを備え、前記光照射手段は、前記温度検出センサが検出した前記搬送面の温度が閾値より高くなれば前記記録媒体へ照射する光の照射強度を弱くし、前記温度検出センサが検出した温度が閾値より低くなれば前記記録媒体へ照射する光の照射強度を強くする。
上記の発明によれば、搬送面に接している記録媒体の他端部が過加熱されたり、あるいは加熱不足となるのを抑制できる。
本発明は上記構成としたので、記録媒体の搬送面から浮いている一端部と他の部分とで温度差が生じるのを抑制できる。
本発明の第1実施形態に係る画像形成装置を示す正面図である。 本発明の第1実施形態に係る加熱乾燥処理部を示す断面図である。 本発明の第1実施形態に係る第1ガイドプレートを示す平面図である。 (A)は、本発明の第1実施形態に係るグリッパを示す斜視図であり、(B)は、図4(A)のB−B線断面図である。 本発明の第1実施形態に係るIRカットフィルターへ赤外光が照射された状態を示す要部拡大断面図である。 本発明の第2実施形態に係るグリッパを示す斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る多孔板へ赤外光が照射された状態を示す要部拡大断面図である。 本発明の第3実施形態に係る加熱乾燥処理部を示す断面図である。 本発明の第3実施形態の変形例に係るグリッパを示す斜視図である。
<第1実施形態>
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態の一例について説明する。
図1は、本発明に係る画像形成装置としてのインクジェット記録装置の第1実施形態を示す全体構成図である。
(全体構成)
このインクジェット記録装置10は、枚葉の用紙(記録媒体)Pに水性UVインク(水性媒体を使用したUV硬化型のインク)を用いてインクジェット方式で画像を記録するインクジェット記録装置であり、主として、用紙Pを給紙する給紙部12と、給紙部12から給紙された用紙Pの表面(描画面)に所定の処理液を付与する処理液付与部14と、処理液付与部14で処理液が付与された用紙Pの乾燥処理を行う処理液乾燥処理部16と、処理液乾燥処理部16で乾燥処理が施された用紙Pの表面に水性UVインクを用いてインクジェット方式で画像を記録する画像記録部18と、画像記録部18で画像が記録された用紙Pの乾燥処理を行う加熱乾燥処理部20と、加熱乾燥処理部20で乾燥処理された用紙Pに紫外光(UV光)を照射して画像を定着させるUV照射処理部22と、UV照射処理部22でUV照射処理された用紙Pを排紙する排紙部24と、を備えている。
(給紙部)
給紙部12は、給紙台30に積載された用紙Pを1枚ずつ処理液付与部14に給紙する。給紙手段の一例としての給紙部12は、主として、給紙台30と、サッカー装置32と、給紙ローラ対34と、フィーダボード36と、前当て38と、給紙ドラム40とで構成されている。
用紙Pは、多数枚が積層された束の状態で給紙台30に載置される。給紙台30は、図示しない給紙台昇降装置によって昇降可能に設けられる。給紙台昇降装置は、給紙台30に積載された用紙Pの増減に連動して、その駆動が制御され、束の最上位に位置する用紙Pが常に一定の高さに位置するように、給紙台30を昇降させる。
記録媒体としての用紙Pは、特に限定されないが、一般のオフセット印刷などで使用される汎用の印刷用紙(いわゆる上質紙、コート紙、アート紙などのセルロースを主体とする用紙)を用いることができる。本例では塗工紙が用いられる。塗工紙は、一般に表面処理されていない上質紙や中性紙等の表面にコート材を塗布してコート層を設けたものである。具体的には、アート紙、コート紙、軽量コート紙、微塗工紙などが好適に用いられる。
サッカー装置32は、給紙台30に積載されている用紙Pを上から順に1枚ずつ取り上げて、給紙ローラ対34に給紙する。サッカー装置32は、昇降自在かつ揺動自在に設けられたサクションフット32Aを備え、このサクションフット32Aによって用紙Pの上面を吸着保持して、用紙Pを給紙台30から給紙ローラ対34に移送する。この際、サクションフット32Aは、束の最上位に位置する用紙Pの先端側の上面を吸着保持して、用紙Pを引き上げ、引き上げた用紙Pの先端を給紙ローラ対34を構成する一対のローラ34A、34Bの間に挿入する。
給紙ローラ対34は、互いに押圧当接された上下一対のローラ34A、34Bで構成される。上下一対のローラ34A、34Bは、一方が駆動ローラ(ローラ34A)、他方が従動ローラ(ローラ34B)とされ、駆動ローラ(ローラ34A)は、図示しないモータに駆動されて回転する。モータは、用紙Pの給紙に連動して駆動され、サッカー装置32から用紙Pが給紙されると、そのタイミングに合わせて駆動ローラ(ローラ34A)を回転させる。上下一対のローラ34A、34Bの間に挿入された用紙Pは、このローラ34A、34Bにニップされて、ローラ34A、34Bの回転方向(フィーダボード36の設置方向)に送り出される。
フィーダボード36は、用紙幅に対応して形成され、給紙ローラ対34から送り出された用紙Pを受けて、前当て38までガイドする。このフィーダボード36は、下方に向けて傾斜して設置され、その搬送面の上に載置された用紙Pを搬送面に沿って滑らせて前当て38までガイドする。
フィーダボード36には、用紙Pを搬送するためのテープフィーダ36Aが幅方向に間隔をおいて複数設置される。テープフィーダ36Aは、無端状に形成され、図示しないモータに駆動されて回転する。フィーダボード36の搬送面に載置された用紙Pは、このテープフィーダ36Aによって送りが与えられて、フィーダボード36の上を搬送される。
また、フィーダボード36の上には、リテーナ36Bとコロ36Cとが設置される。
リテーナ36Bは、用紙Pの搬送面に沿って前後に縦列して複数配置される(本例では2つ)。このリテーナ36Bは、用紙幅に対応した幅を有する板バネで構成され、搬送面に押圧当接されて設置される。テープフィーダ36Aによってフィーダボード36の上を搬送される用紙Pは、このリテーナ36Bを通過することにより、凹凸が矯正される。なお、リテーナ36Bは、フィーダボード36との間に用紙Pを導入しやすくするため、後端部がカールして形成される。
コロ36Cは、前後のリテーナ36Bの間に配設される。このコロ36Cは、用紙Pの搬送面に押圧当接されて設置される。前後のリテーナ36Bの間を搬送される用紙Pは、このコロ36Cによって上面が抑えられながら搬送される。
前当て38は、用紙Pの姿勢を矯正する。この前当て38は、板状に形成され、用紙Pの搬送方向と直交して配置される。また、図示しないモータに駆動されて、揺動可能に設けられる。フィーダボード36の上を搬送された用紙Pは、その先端が前当て38に当接されて、姿勢が矯正される(いわゆる、スキュー防止)。前当て38は、給紙ドラム40への用紙の給紙に連動して揺動し、姿勢を矯正した用紙Pを給紙ドラム40に受け渡す。
給紙ドラム40は、前当て38を介してフィーダボード36から給紙される用紙Pを受け取り、処理液付与部14へと搬送する。給紙ドラム40は、円筒状に形成され、図示しないモータに駆動されて回転する。給紙ドラム40の外周面上には、グリッパ40Aが備えられ、このグリッパ40Aによって用紙Pの先端が把持される。給紙ドラム40は、グリッパ40Aによって用紙Pの先端を把持して回転することにより、用紙Pを周面に巻き掛けながら、処理液付与部14へと用紙Pを搬送する。
給紙部12は、以上のように構成される。給紙台30の上に積載された用紙Pは、サッカー装置32によって上から順に1枚ずつ引き上げられて、給紙ローラ対34に給紙される。給紙ローラ対34に給紙された用紙Pは、その給紙ローラ対34を構成する上下一対のローラ34A、34Bによって前方に送り出され、フィーダボード36の上に載置される。フィーダボード36の上に載置された用紙Pは、フィーダボード36の搬送面に設けられたテープフィーダ36Aによって搬送される。そして、その搬送過程でリテーナ36Bによってフィーダボード36の搬送面に押し付けられ、凹凸が矯正される。フィーダボード36によって搬送された用紙Pは、先端が前当て38に当接されることにより、傾きが矯正され、その後、給紙ドラム40に受け渡される。そして、その給紙ドラム40によって処理液付与部14へと搬送される。
(処理液付与部)
処理液付与部14は、用紙Pの表面(描画面)に所定の処理液を付与する。この処理液付与部14は、主として、用紙Pを搬送する処理液付与ドラム42と、処理液付与ドラム42によって搬送される用紙Pの印刷面に所定の処理液を付与する処理液付与ユニット44とで構成されている。
処理液付与ドラム42は、給紙部12の給紙ドラム40から用紙Pを受け取り、処理液乾燥処理部16へと用紙Pを搬送する。処理液付与ドラム42は、円筒状に形成され、図示しないモータに駆動されて回転する。処理液付与ドラム42の外周面上には、グリッパ42Aが備えられ、このグリッパ42Aによって用紙Pの先端が把持される。処理液付与ドラム42は、このグリッパ42Aによって用紙Pの先端を把持して回転することにより、用紙Pを周面に巻き掛けながら、処理液乾燥処理部16へと用紙Pを搬送する(1回転で1枚の用紙Pを搬送する。)。処理液付与ドラム42と給紙ドラム40は、互いの用紙Pの受け取りと受け渡しのタイミングが合うように、回転が制御される。すなわち、同じ周速度となるように駆動されるとともに、互いのグリッパの位置が合うように駆動される。
処理液付与ユニット44は、処理液付与ドラム42によって搬送される用紙Pの表面に処理液をローラ塗布する。この処理液付与ユニット44は、主として、用紙Pに処理液を塗布する塗布ローラ44Aと、処理液が貯留される処理液槽44Bと、処理液槽44Bに貯留された処理液を汲み上げて、塗布ローラ44Aに供給する汲み上げローラ44Cとで構成される。汲み上げローラ44Cは、塗布ローラ44Aに押圧当接して設置されるとともに、一部を処理液槽44Bに貯留された処理液に浸漬させて設置される。この汲み上げローラ44Cは、処理液を計量して汲み上げ、塗布ローラ44Aの周面に一定の厚さで処理液を付与する。塗布ローラ44Aは、用紙幅に対応して設けられ、用紙Pに押圧当接されて、その周面に付与された処理液を用紙Pに塗布する。塗布ローラ44Aは、図示しない当接離間機構に駆動されて、処理液付与ドラム42の周面に当接する当接位置と、処理液付与ドラム42の周面から離間する離間位置との間を移動する。当接離間機構は、用紙Pの通過タイミングに合わせて、塗布ローラ44Aを移動させ、処理液付与ドラム42によって搬送される用紙Pの表面に処理液を塗布する。
なお、本例では、処理液をローラ塗布する構成としているが、処理液を付与する方法は、これに限定されるものではない。この他、インクジェットヘッドを用いて付与する構成やスプレーにより付与する構成を採用することもできる。
処理液付与部14は、以上のように構成される。給紙部12の給紙ドラム40から受け渡された用紙Pは、処理液付与ドラム42で受け取られる。処理液付与ドラム42は、用紙Pの先端をグリッパ42Aで把持して、回転することにより、用紙Pを周面に巻き掛けて搬送する。この搬送過程で塗布ローラ44Aが用紙Pの表面に押圧当接され、用紙Pの表面に処理液が塗布される。
ここで、この用紙Pの表面に塗布する処理液は、後段の画像記録部18で用紙Pに打滴する水性UVインク中の色材を凝集させる機能を有する処理液が塗布される。このような処理液を用紙Pの表面に塗布して水性UVインクを打滴することにより、汎用の印刷用紙を用いた場合であっても、着弾干渉等を起こすことなく、高品位な印刷を行うことができる。
(処理液乾燥処理部)
処理液乾燥処理部16は、表面に処理液が付与された用紙Pを乾燥処理する。この処理液乾燥処理部16は、主として、用紙Pを搬送する処理液乾燥処理ドラム46と、用紙搬送ガイド48と、処理液乾燥処理ドラム46によって搬送される用紙Pの印刷面に熱風を吹き当てて乾燥させる処理液乾燥処理ユニット50とで構成されている。
処理液乾燥処理ドラム46は、処理液付与部14の処理液付与ドラム42から用紙Pを受け取り、画像記録部18へと用紙Pを搬送する。処理液乾燥処理ドラム46は、円筒状に組んだ枠体で構成され、図示しないモータに駆動されて回転する。処理液乾燥処理ドラム46の外周面上には、グリッパ46Aが備えられ、このグリッパ46Aによって用紙Pの先端が把持される。処理液乾燥処理ドラム46は、このグリッパ46Aによって用紙Pの先端を把持して回転することにより、画像記録部18に用紙Pを搬送する。なお、本例の処理液乾燥処理ドラム46は、外周面上の2カ所にグリッパ42Aが配設され、1回の回転で2枚の用紙Pが搬送できるように構成されている。処理液乾燥処理ドラム46と処理液付与ドラム42は、互いの用紙Pの受け取りと受け渡しのタイミングが合うように、回転が制御される。すなわち、同じ周速度となるように駆動されるとともに、互いのグリッパの位置が合うように駆動される。
用紙搬送ガイド48は、処理液乾燥処理ドラム46による用紙Pの搬送経路に沿って配設され、用紙Pの搬送をガイドする。
処理液乾燥処理ユニット50は、処理液乾燥処理ドラム46の内側に設置され、処理液乾燥処理ドラム46によって搬送される用紙Pの表面に向けて熱風を吹き当てて乾燥処理する。本例では、2台の処理液乾燥処理ユニット50が、処理液乾燥処理ドラム内に配設され、処理液乾燥処理ドラム46によって搬送される用紙Pの表面に向けて熱風を吹き当てる構成とされている。
処理液乾燥処理部16は、以上のように構成される。処理液付与部14の処理液付与ドラム42から受け渡された用紙Pは、処理液乾燥処理ドラム46で受け取られる。処理液乾燥処理ドラム46は、用紙Pの先端をグリッパ46Aで把持して、回転することにより、用紙Pを搬送する。この際、処理液乾燥処理ドラム46は、用紙Pの表面(処理液が塗布された面)を内側に向けて搬送する。用紙Pは、処理液乾燥処理ドラム46によって搬送される過程で処理液乾燥処理ドラム46の内側に設置された処理液乾燥処理ユニット50から熱風が表面に吹き当てられて、乾燥処理される。すなわち、処理液中の溶媒成分が除去される。これにより、用紙Pの表面にインク凝集層が形成される。
(画像記録部)
画像記録部18は、用紙Pの印刷面にC、M、Y、Kの各色のインク(水性UVインク)の液滴を打滴して、用紙Pの印刷面にカラー画像を描画する。この画像記録部18は、主として、用紙Pを搬送する画像記録ドラム52と、画像記録ドラム52によって搬送される用紙Pを押圧して、用紙Pを画像記録ドラム52の周面に密着させる用紙押さえローラ54と、用紙PにC、M、Y、Kの各色のインク滴を吐出する吐出ヘッドの一例としてのインクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kと、用紙Pに記録された画像を読み取るインラインセンサ58と、インクミストを捕捉するミストフィルタ60と、ドラム冷却ユニット62とで構成されている。
画像記録ドラム52は、処理液乾燥処理部16の処理液乾燥処理ドラム46から用紙Pを受け取り、加熱乾燥処理部20へと用紙Pを搬送する。画像記録ドラム52は、円筒状に形成され、図示しないモータに駆動されて回転する。画像記録ドラム52の外周面上には、グリッパ52Aが備えられ、このグリッパ52Aによって用紙Pの先端が把持される。画像記録ドラム52は、このグリッパ52Aによって用紙Pの先端を把持して回転することにより、用紙Pを周面に巻き掛けながら、加熱乾燥処理部20へと用紙Pを搬送する。また、画像記録ドラム52は、その周面に多数の吸引孔(図示せず)が所定のパターンで形成される。画像記録ドラム52の周面に巻き掛けられた用紙Pは、この吸引孔から吸引されることにより、画像記録ドラム52の周面に吸着保持されながら搬送される。これにより、高い平滑性をもって用紙Pを搬送することができる。
なお、この吸引孔からの吸引は一定の範囲でのみ作用し、所定の吸引開始位置から所定の吸引終了位置との間で作用する。吸引開始位置は、用紙押さえローラ54の設置位置に設定され、吸引終了位置は、インラインセンサ58の設置位置の下流側に設定される(たとえば、加熱乾燥処理部20に用紙を受け渡す位置に設定される。)。すなわち、少なくともインクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kの設置位置(画像記録位置)とインラインセンサ58の設置位置(画像読取位置)では、用紙Pが画像記録ドラム52の周面に吸着保持されるように設定される。
なお、用紙Pを画像記録ドラム52の周面に吸着保持させる機構は、上記の負圧による吸着方法に限らず、静電吸着による方法を採用することもできる。
また、本例の画像記録ドラム52は、外周面上の2カ所にグリッパ52Aが配設され、1回の回転で2枚の用紙Pが搬送できるように構成されている。画像記録ドラム52と処理液乾燥処理ドラム46は、互いの用紙Pの受け取りと受け渡しのタイミングが合うように、回転が制御される。すなわち、同じ周速度となるように駆動されるとともに、互いのグリッパの位置が合うように駆動される。
用紙押さえローラ54は、画像記録ドラム52の用紙受取位置(処理液乾燥処理ドラム46から用紙Pを受け取る位置)の近傍に配設される。この用紙押さえローラ54は、ゴムローラで構成され、画像記録ドラム52の周面に押圧当接させて設置される。処理液乾燥処理ドラム46から画像記録ドラム52に受け渡された用紙Pは、この用紙押さえローラ54を通過することによりニップされ、画像記録ドラム52の周面に密着させられる。
4台のインクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kは、画像記録ドラム52による用紙Pの搬送経路に沿って一定の間隔をもって配置される。このインクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kは、用紙幅に対応したラインヘッドで構成され、ノズル面が画像記録ドラム52の周面に対向するように配置される。各インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kは、ノズル面に形成されたノズル列から、画像記録ドラム52に向けてインクの液滴を吐出することにより、画像記録ドラム52によって搬送される用紙Pに画像を記録する。
なお、上記のように、各インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kから吐出させるインクは、水性UVインクが用いられる。水性UVインクは、打滴後に紫外光を照射することにより、硬化させることができる。
インラインセンサ58は、画像記録ドラム52による用紙Pの搬送方向に対して、最後尾のインクジェットヘッド56Kの下流側に設置され、インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kで記録された画像を読み取る。このインラインセンサ58は、たとえば、ラインスキャナで構成され、画像記録ドラム52によって搬送される用紙Pからインクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kによって記録された画像を読み取る。
なお、インラインセンサ58の下流側には、インラインセンサ58に近接して接触防止板59が設置される。この接触防止板59は、搬送の不具合等によって用紙Pに浮きが生じた場合に、用紙Pがインラインセンサ58に接触するのを防止する。
ミストフィルタ60は、最後尾のインクジェットヘッド56Kとインラインセンサ58との間に配設され、画像記録ドラム52の周辺の空気を吸引してインクミストを捕捉する。このように、画像記録ドラム52の周辺の空気を吸引してインクミストを捕捉することにより、インラインセンサ58へのインクミストの進入を防止でき、読み取り不良等の発生を防止できる。
ドラム冷却ユニット62は、画像記録ドラム52に冷風を吹き当てて、画像記録ドラム52を冷却する。このドラム冷却ユニット62は、主として、エアコン(図示せず)と、そのエアコンから供給される冷気を画像記録ドラム52の周面に吹き当てるダクト62Aとで構成される。ダクト62Aは、画像記録ドラム52に対して、用紙Pの搬送領域以外の領域に冷気を吹き当てて、画像記録ドラム52を冷却する。本例では、画像記録ドラム52のほぼ上側半分の円弧面に沿って用紙Pが搬送されるので、ダクト62Aは、画像記録ドラム52のほぼ下側半分の領域に冷気を吹き当てて、画像記録ドラム52を冷却する構成とされている。具体的には、ダクト62Aの吹出口が、画像記録ドラム52のほぼ下側半分を覆うように円弧状に形成され、画像記録ドラム52のほぼ下側半分の領域に冷気が吹き当てられる構成とされている。
ここで、画像記録ドラム52を冷却する温度は、インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kの温度(特にノズル面の温度)との関係で定まり、インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kの温度よりも低い温度となるように冷却される。これにより、インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kに結露が生じるのを防止することができる。すなわち、インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kよりも画像記録ドラム52の温度を低くすることにより、画像記録ドラム側に結露を誘発することができ、インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kに生じる結露(特にノズル面に生じる結露)を防止することができる。
画像記録部18は、以上のように構成される。処理液乾燥処理部16の処理液乾燥処理ドラム46から受け渡された用紙Pは、画像記録ドラム52で受け取られる。画像記録ドラム52は、用紙Pの先端をグリッパ52Aで把持して、回転することにより、用紙Pを搬送する。画像記録ドラム52に受け渡された用紙Pは、まず、用紙押さえローラ54を通過することにより、画像記録ドラム52の周面に密着される。これと同時に画像記録ドラム52の吸着穴から吸引されて、画像記録ドラム52の外周面上に吸着保持される。用紙Pは、この状態で搬送されて、各インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kを通過する。そして、その通過時に各インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56KからC、M、Y、Kの各色のインクの液滴が表面に打滴されて、表面にカラー画像が描画される。用紙Pの表面にはインク凝集層が形成されているので、フェザリングやブリーディング等を起こすことなく、高品位な画像を記録することができる。
インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kによって画像が記録された用紙Pは、次いで、インラインセンサ58を通過する。そして、そのインラインセンサ58の通過時に表面に記録された画像が読み取られる。この記録画像の読み取りは必要に応じて行われ、読み取られた画像から吐出不良等の検査が行われる。読み取りを行う際は、画像記録ドラム52に吸着保持された状態で読み取りが行われるので、高精度に読み取りを行うことができる。また、画像記録直後に読み取りが行われるので、たとえば、吐出不良等の異常を直ちに検出することができ、その対応を迅速に行うことができる。これにより、無駄な記録を防止できるとともに、損紙の発生を最小限に抑えることができる。
この後、用紙Pは、吸着が解除された後、加熱乾燥処理部20へと受け渡される。
(加熱乾燥処理部)
加熱乾燥処理部20は、画像記録後の用紙Pを乾燥処理し、用紙Pの表面に残存する液体成分を除去する。加熱乾燥処理部20は、主として、画像が記録された用紙Pを搬送する搬送手段の一例としてのチェーングリッパ64と、チェーングリッパ64によって搬送される用紙Pにバックテンション(張力)を作用させるバックテンション付与機構66と、チェーングリッパ64によって搬送される用紙Pへ光を照射して加熱乾燥する光照射手段の一例としての赤外線ヒータ68とで構成されている。
チェーングリッパ64は、加熱乾燥処理部20、UV照射処理部22、排紙部24において共通して使用される用紙搬送機構であり、画像記録部18から受け渡された用紙Pを受け取って、排紙部24まで搬送する。
このチェーングリッパ64は、主として、画像記録ドラム52に近接して設置される回転体としての第1スプロケット64Aと、排紙部24に設置される第2スプロケット64Bと、第1スプロケット64Aと第2スプロケット64Bとに巻き掛けられる無端状のチェーン64Cと、チェーン64Cの走行をガイドする複数のチェーンガイド(図示せず)と、チェーン64Cに一定の間隔をもって取り付けられる複数のグリッパ78とで構成される。第1スプロケット64Aと、第2スプロケット64Bと、チェーン64Cと、チェーンガイドとは、それぞれ一対で構成され、用紙Pの幅方向の両側に配設される。グリッパ78は、一対で設けられるチェーン64Cに掛け渡されて設置される(図4参照)。
第1スプロケット64Aは、画像記録ドラム52から受け渡される用紙Pをグリッパ78で受け取ることができるように、画像記録ドラム52に近接して設置されている。この第1スプロケット64Aは、図示しない軸受に軸支されて、回転自在に設けられるとともに、図示しないモータに歯車を介して連結されている。第1スプロケット64A及び第2スプロケット64Bに巻き掛けられるチェーン64Cは、このモータを駆動することにより走行する。
第2スプロケット64Bは、画像記録ドラム52から受け取った用紙Pを排紙部24で回収できるように、排紙部24に設置される。すなわち、この第2スプロケット64Bの設置位置が、チェーングリッパ64による用紙Pの搬送経路の終端とされる。この第2スプロケット64Bは、図示しない軸受に軸支されて、回転自在に設けられる。
チェーン64Cは、無端状に形成され、第1スプロケット64Aと第2スプロケット64Bとに巻き掛けられる。
チェーンガイドは、所定位置に配置されて、チェーン64Cが所定の経路を走行するようにガイドする(=用紙Pが所定の搬送経路を走行して搬送されるようにガイドする。)。本例のインクジェット記録装置10では、第2スプロケット64Bが第1スプロケット64Aよりも高い位置に配設されている。このため、チェーン64Cが、途中で傾斜するような走行経路が形成される。具体的には、第1水平搬送経路70Aと、傾斜搬送経路70Bと、第2水平搬送経路70Cとで構成される。
第1水平搬送経路70Aは、第1スプロケット64Aと同じ高さに設定され、第1スプロケット64Aに巻き掛けられたチェーン64Cが、水平に走行するように設定される。第2水平搬送経路70Cは、第2スプロケット64Bと同じ高さに設定され、第2スプロケット64Bに巻き掛けられたチェーン64Cが、水平に走行するように設定される。傾斜搬送経路70Bは、第1水平搬送経路70Aと第2水平搬送経路70Cとの間に設定され、第1水平搬送経路70Aと第2水平搬送経路70Cとの間を結ぶように設定される。
チェーンガイドは、この第1水平搬送経路70Aと、傾斜搬送経路70Bと、第2水平搬送経路70Cとを形成するように配設される。具体的には、少なくとも第1水平搬送経路70Aと傾斜搬送経路70Bとの接合ポイント、及び、傾斜搬送経路70Bと第2水平搬送経路70Cとの接合ポイントに配設される。
グリッパ78は、チェーン64Cに一定の間隔をもって複数取り付けられる。このグリッパ78の取り付け間隔は、画像記録ドラム52からの用紙Pの受け取り間隔に合わせて設定される。すなわち、画像記録ドラム52から順次受け渡される用紙Pをタイミングを合わせて画像記録ドラム52から受け取ることができるように、画像記録ドラム52からの用紙Pの受け取り間隔に合わせて設定される。グリッパ78の詳細は後述する。
チェーングリッパ64は、以上のように構成される。上記のように、第1スプロケット64Aに接続されたモータ(図示せず)を駆動すると、チェーン64Cが走行する。チェーン64Cは、画像記録ドラム52の周速度と同じ速度で走行する。また、画像記録ドラム52から受け渡される用紙Pが、各グリッパ78で受け取れるようにタイミングが合わせられる。
バックテンション付与機構66は、チェーングリッパ64によって先端を把持されながら搬送される用紙Pにバックテンション(張力)を付与する。このバックテンション付与機構66は、主として、加熱乾燥処理部20に配置される搬送面としての第1ガイドプレート72と、UV照射処理部22に配置される第2ガイドプレート82と、を備えている。
図2に示すように、第1ガイドプレート72は、用紙幅に対応した幅を有する中空状のボックスプレートで構成されている。第1ガイドプレート72は、上面72Aに形成される多数の吸引孔200と、第1ガイドプレート72の中央部の下部側に配置されて多数の吸引孔200から空気を吸引する吸引ファン202と、を備えている。また、第1ガイドプレート72の下部側には、吸引ファン202により多数の吸引孔200から吸引した空気を吐き出すための排気管204が接続されている。
図示を省略するが、第2ガイドプレート82も同様に、用紙幅に対応した幅を有する中空状のボックスプレートで構成されており、上面に形成された多数の吸引孔と、多数の吸引孔から空気を吸引する吸引ファンと、空気を吐き出すための排気管と、を備えている。
第1ガイドプレート72は、チェーングリッパ64による用紙Pの搬送経路(=チェーンの走行経路)に沿って配設され、用紙Pの搬送面となる。具体的には、第1水平搬送経路70Aを走行するチェーン64Cに沿って配設され、チェーン64Cから所定距離だけ離間して配設されている。また、第2ガイドプレート82は、傾斜搬送経路70Bを走行するチェーン64Cに沿って配設され、チェーン64Cから所定距離だけ離間して配設されている。チェーングリッパ64によってチェーン64Cの外周側で搬送される用紙Pは、描画面とは反対側の面が、第1ガイドプレート72の上面及び第2ガイドプレート82の上面に接触して、引き摺られながら搬送される。
第1ガイドプレート72の上面には、多数の吸引孔200が所定のパターンで多数形成される(図3参照)。上記のように、第1ガイドプレート72は、中空のボックスプレートで形成されており、吸引ファン202は、このガイドプレート72の中空部(内部)を吸引する。
第1ガイドプレート72の吸引孔200から空気が吸引されることにより、チェーングリッパ64のグリッパ78に先端部が把持された用紙Pの後端部が吸引孔200に吸引される。これにより、チェーングリッパ64によって搬送される用紙Pにバックテンション(張力)が付与される。第2ガイドプレート82でも、同様にチェーングリッパ64によって搬送される用紙Pの後端部が吸引孔に吸引され、グリッパ78に先端部が把持された用紙Pにバックテンションが付与される。
上記のように、第1ガイドプレート72は、第1水平搬送経路70Aを走行するチェーン64Cに沿って配設され、第2ガイドプレート82は、傾斜搬送経路70Bを走行するチェーン64Cに沿って配設されるので、第1水平搬送経路70Aと傾斜搬送経路70Bとを搬送されている間、バックテンションが付与される。
赤外線ヒータ68は、チェーン64Cの内周側(図中上方)に設置されており、光源68Aと、光源68Aより上方に設けられ光源68Aの上半分を囲んで配置された反射板68Bとで構成されている。本実施形態では、光源68Aの一例として、石英管の内部にフィラメントを備えた光源を用いているが、これに限らず、赤外光を発光できる光源であれば、構成は特定しない。
赤外線ヒータ68は、第1水平搬送経路70Aを搬送される用紙Pに対して赤外光を照射し、その輻射熱で用紙Pを加熱乾燥する。また、赤外線ヒータ68は、第1水平搬送経路70Aに沿って複数台配置されており、用紙Pが第1水平搬送経路70Aを搬送されている間、赤外線ヒータ68が用紙Pへ赤外光を照射する。本実施形態では、一例として、第1水平搬送経路70Aに沿って5台の赤外線ヒータ68が設けられている。また、それぞれの赤外線ヒータ68は、図示しない制御部に接続されており、制御部からの命令で赤外線ヒータ68の出力が変更され赤外線の照射強度を調節可能に構成されている。
なお、赤外線ヒータ68の設置数は、赤外線ヒータ68の処理能力や用紙Pの搬送速度(=印刷速度)等に応じて設定される。すなわち、画像記録部18から受け取った用紙Pが第1水平搬送経路70Aを搬送されている間に乾燥させることができる設置数に設定される。したがって、第1水平搬送経路70Aの長さも、この赤外線ヒータ68の能力を考慮して設定される。
加熱乾燥処理部20は、以上のように構成される。画像記録部18の画像記録ドラム52から受け渡された用紙Pは、チェーングリッパ64で受け取られる。チェーングリッパ64は、用紙Pの先端部をグリッパ78で把持し、平面状の第1ガイドプレート72に用紙Pの後端部を接触させた状態で搬送する。チェーングリッパ64に受け渡された用紙Pは、まず、第1水平搬送経路70Aを搬送される。この第1水平搬送経路70Aを搬送される過程で、用紙Pへ赤外線ヒータ68から赤外光が照射され、その輻射熱で加熱乾燥処理が施される。この際、用紙Pは、バックテンション付与機構66によってバックテンション(張力)が付与されながら乾燥処理が施される。
なお、本実施形態では、赤外線ヒータ68から赤外光を照射して用紙Pを加熱乾燥する構成としたが、これに限らず、赤外光以外の光を照射して用紙Pを加熱乾燥してもよく、例えば、遠赤外線や、紫外光(UV)などを用いて加熱乾燥してもよい。
(UV照射処理部)
UV照射処理部22は、水性UVインクが吐出された用紙Pへ紫外光を照射して、UVインクで形成された画像を定着させる。このUV照射処理部22は、図1に示すように、主として、用紙Pを搬送するチェーングリッパ64と、チェーングリッパ64によって搬送される用紙Pにバックテンションを付与するバックテンション付与機構66と、チェーングリッパ64によって搬送される用紙Pに紫外光を照射するUV照射手段の一例としてのUV照射ユニット74とで構成されている。
上記のように、チェーングリッパ64とバックテンション付与機構66は、加熱乾燥処理部20及び排紙部24と共に共通して使用される。
UV照射ユニット74は、チェーン64Cの内周側(特に傾斜搬送経路70Bを構成する部位)に設置され、傾斜搬送経路70Bを搬送される用紙Pの表面に紫外光を照射する。このUV照射ユニット74は、UVランプを備え、傾斜搬送経路70Bに沿って複数配設される。そして、傾斜搬送経路70Bを搬送される用紙Pの表面に向けて紫外光を照射する。このUV照射ユニット74の設置数は、用紙Pの搬送速度(=印刷速度)等に応じて設定される。すなわち、用紙Pが傾斜搬送経路70Bを搬送されている間に照射した紫外光によって画像を定着させることができるように設定される。したがって、傾斜搬送経路70Bの長さも、この用紙Pの搬送速度等を考慮して設定される。
UV照射処理部22は、以上のように構成される。チェーングリッパ64に搬送されて加熱乾燥処理部20で乾燥処理が施された用紙Pは、傾斜搬送経路70Bを搬送される。傾斜搬送経路70Bでは、チェーングリッパ64は、用紙Pの先端をグリッパ78で把持して、第2ガイドプレート82に沿わせて用紙Pを搬送する。この傾斜搬送経路70Bを搬送される過程で用紙Pは、チェーングリッパ64の内部に設置されたUV照射ユニット74によりUV照射処理が施される。すなわち、UV照射ユニット74から表面に向けて紫外光が照射される。この際、用紙Pは、バックテンション付与機構66によってバックテンションが付与されながらUV照射処理が施される。これにより、用紙Pの変形を抑えながらUV照射処理を施すことができる。また、UV照射処理部22は、傾斜搬送経路70Bに設置されており、傾斜搬送経路70Bには傾斜した第2ガイドプレート82が設置されているため、たとえ、用紙Pが搬送途中でグリッパ78から落下した場合であっても、第2ガイドプレート82上を滑らせて排出させることができる。
(排紙部)
排紙部24は、一連の画像記録処理が行われた用紙Pを回収する。この排紙部24は、主として、UV照射された用紙Pを搬送するチェーングリッパ64と、用紙Pを積み重ねて回収する排紙台76とで構成されている。
上記のように、チェーングリッパ64は、加熱乾燥処理部20及びUV照射処理部22と共に共通して使用される。チェーングリッパ64は、排紙台76の上で用紙Pを開放し、排紙台76の上に用紙Pをスタックさせる。
排紙台76は、チェーングリッパ64から開放された用紙Pを積み重ねて回収する。この排紙台76には、用紙Pが整然と積み重ねられるように、用紙当て(前用紙当て、後用紙当て、横用紙当て等)が備えられる(図示せず)。
また、排紙台76は、図示しない排紙台昇降装置によって昇降可能に設けられる。排紙台昇降装置は、排紙台76にスタックされる用紙Pの増減に連動して、その駆動が制御され、最上位に位置する用紙Pが常に一定の高さに位置するように、排紙台76を昇降させる。
(搬送面及びグリッパの詳細)
次に、本実施形態のインクジェット記録装置10の主要部であるグリッパ64及び搬送面となる第1ガイドプレート72について、さらに詳しく説明する。
図3に示すように、第1ガイドプレート72は、平面視で略矩形状に形成されており、第1ガイドプレート72の上面72Aの中央部には、蓋220が取り付けられている。蓋220には、温度検出センサとしてのサーミスタ124が取り付けられており、サーミスタ124が第1ガイドプレート72の上面72Aの温度を検出し、図示しない制御部へ温度データを伝達している。
第1ガイドプレート72の上面72Aには、多数の吸引孔200が所定のパターンで形成されている。また、第1ガイドプレート72の内部の上面72A側には、冷却液が流れる冷却流路210が設けられている。冷却流路210は、長尺状の1本の流路を第1ガイドプレート72の用紙Pの搬送方向の一端部から他端部まで蛇行させて配置された構成とされている。
この冷却流路210の一方の接続口212Aには、流入流路としての第1流路104が接続されており、第1流路104から冷却液が接続口212Aを介して冷却流路210に導入されるようになっている。そして、蛇行するように配置された冷却流路210を冷却液が流れることで、第1ガイドプレート72の少なくとも上面72A側が冷却される。冷却流路210の接続口212Aと反対側の端部である他方の接続口212Bには、戻り流路としての第2流路106が接続されており、冷却流路210から冷却液が接続口212Bを介して第2流路106に排出されるようになっている。
図示を省略するが、第2ガイドプレート82は、第1ガイドプレート72とほぼ同じ構成であり、内部に蛇行するように冷却流路210が設けられており、冷却液により第2ガイドプレート82の上面側が冷却されるようになっている。また、第1ガイドプレート72に設けられた冷却流路210と、第2ガイドプレート82に設けられた冷却流路は、チラーに接続され、循環流路とされている。
なお、冷却流路210を流れる冷却液としては、水(清水、純水)、エチレングリコール水溶液(不凍液)等が使用される。本実施形態では、一例として清水を冷却液として使用している。
第1ガイドプレート72及び第2ガイドプレート82と対向して配置されたチェーングリッパ64には、図1に示すように、用紙Pの先端部(一端部)を把持する複数のグリッパ78が等間隔に設けられている。図4(A)に示すように、グリッパ78は、用紙Pの幅方向に対向して互いに平行に巻き掛けられた一対のチェーン64Cに掛け渡されており、主として、用紙Pの幅方向に延びた長尺状の基部78Aと、基部78Aの下端部に取り付けられた複数の把持爪78B(図2参照)と、基部78Aの上面に取り付けられた減光部材としてのIRカットフィルター80とで構成されている。
基部78Aは、平面視で用紙Pの幅方向を長手方向とする矩形状の部材であり、基部78Aの長手方向の両端部がそれぞれチェーン64Cに連結されている。
基部78Aの下端部には、基部78Aと平行に図示しない回転軸が回転可能に軸支されており、この回転軸には、複数の把持爪78Bが用紙Pの幅方向に間隔を空けて回転可能に取り付けられている。
回転軸は、反時計回りに付勢されており、把持爪78Bの先端部が基部78Aの下面に当接した状態となっている。また、用紙Pを受け渡す際には、把持爪78Bを時計回りに回転し、把持爪78Bと基部78Aとの間に隙間を開けて用紙Pを挿入し、再び把持爪78Bを閉じることで用紙Pを挟持して搬送する。
基部78Aの上面には、金属製のホルダー79が複数のボルト82で固定されている(本実施形態では、一例として4本のボルト82で固定されている)。ホルダー79は、搬送方向に延びる一対の腕部79Aを備えており、この腕部79Aには、平面視で略矩形状の石英ガラスで形成されたIRカットフィルター80が保持されている。具体的には、図4(B)に示すように、腕部79Aの互いに向き合う面に形成されたスリット状の溝部79BへIRカットフィルター80がはめ込まれており、腕部79Aに取り付けられた抜け止め部材で抜け止めされている。ここで、IRカットフィルター80とホルダー79とでは熱膨張係数が異なるため、溝部79BとIRカットフィルター80との間に隙間を設けている。また、IRカットフィルター80は、用紙Pの幅より広幅に形成されており、用紙Pの第1ガイドプレート72から浮いた一端部を覆っている。
図2に示すように、用紙Pの幅方向からIRカットフィルター80を見ると、IRカットフィルター80の先端側(基部78Aから遠い側)が根本側より下方に位置するように斜めに取り付けられている。さらに、IRカットフィルター80は、チェーン64Cの内周側に配置されており、画像記録ドラム52から用紙Pを受け取る際にIRカットフィルター80が画像記録ドラム52に接触して搬送の邪魔にならないように構成されている。
ここで、IRカットフィルター80は、赤外線ヒータ68から照射される赤外光(IR:infrared rays)の一部を透過させ、残りの赤外光を吸収(遮蔽)して、用紙Pへ照射される赤外光を減光する。なお、赤外光の透過率(吸収率)は、赤外線ヒータ68から照射される赤外光の強度などに応じて適宜設定される。また、IRカットフィルター80は、UV照射ユニット74から照射された紫外光を透過する材質で形成するのが好ましい。
なお、本実施形態では、ホルダー79を基部78Aの上面にボルト82で固定したが、これに限らず、他の取付構造を採用してもよい。例えば、基部78Aの上面にピンを立設させ、ホルダー79にピンと係合する取付孔を形成してもよい。また、IRカットフィルター80を基部78Aに対して抜き差しすることで着脱可能な構成としてもよい。
(作用効果)
次に、本実施形態に係るインクジェット記録装置10の作用並びに効果について説明する。
ユーザーがインクジェット記録装置10の運転を起動させ、画像の記録を開始すると、図1に示すように、給紙部12から用紙Pが給紙され、上述したように画像記録部18で用紙PへUVインクが吐出される。UVインクが吐出された用紙Pは、画像記録ドラム52からチェーングリッパ64へ受け渡される。このとき、図2に示すように、チェーングリッパ64に取り付けられたIRカットフィルター80は、チェーン64Cの内周側に設けられているので、グリッパ78が用紙Pを受け取る際にIRカットフィルター80が邪魔になることがない。
グリッパ78の把持爪78Bで用紙Pを把持して画像記録ドラム52から用紙Pを受け取った後、グリッパ78は第1水平搬送経路70Aへ用紙Pを搬送する。このとき、用紙Pの先端部は把持爪78Bに把持されて第1ガイドプレート72から浮いており、その他の部分は、第1ガイドプレート72の上面と接触しているので、グリッパ78は、用紙Pの一部を引き摺りながら搬送する。
第1水平搬送経路70Aへ搬送された用紙Pは、チェーン64Cの内周側に配置された赤外線ヒータ68から赤外線が照射され、その輻射熱により加熱乾燥される。このとき、用紙Pの第1ガイドプレート72に接触している部分は、吸引孔200で吸引されているので、用紙Pに張力が作用し、用紙Pが引き伸ばされた状態となる。これにより、陰が無くなり均等に赤外光が照射され、乾燥ムラを抑制できる。また、シワの発生も抑制できる。
ここで、用紙Pの第1ガイドプレート72と接触している部分が赤外線ヒータ68で加熱されて第1ガイドプレート72の表面温度より用紙Pの温度が上がると、用紙Pに蓄積された熱が第1ガイドプレート72へ逃がされ、用紙Pの温度は、第1ガイドプレート72の温度へ近づく。このようにして、用紙Pが過加熱されることなく加熱乾燥処理を行うことができる。
一方、用紙Pの搬送方向の下流側の先端部は、図5に示すように、IRカットフィルター80に覆われているので、赤外線ヒータ68から照射される赤外光が直接照射されず、減光された赤外光が照射されている。
用紙Pの先端部は、第1ガイドプレート72から浮いているので、熱が逃げにくくなっているが、一方で、用紙Pの先端部へ照射される赤外光の光量は、他の部分へ照射される赤外光の光量よりも少ないので、用紙Pの先端部は加熱されにくくなっている。
以上のように第1ガイドプレート72から浮いている用紙Pの先端部の温度上昇を抑制することで、用紙Pの先端部と、それ以外の部分(第1ガイドプレート72に接触している部分)との温度差を小さくすることができる。
なお、本実施形態に係るIRカットフィルター80は、図2に示すように、グリッパ78に把持された用紙Pの先端部と略平行となるように斜めに取り付けられているが、これに限らず、赤外線ヒータ68から照射される赤外光を減光できれば、例えば第1ガイドプレート72と略平行に取り付けてもよい。
また、IRカットフィルター80は、平面視で矩形状に形成されていたが、これに限らず、用紙Pの先端部を覆っていれば、他の形状でもよい。例えば、用紙Pの幅方向の中央部が他の部分より加熱され易ければ、用紙Pの幅方向の中央部を覆うような形状にして、用紙Pの幅方向の中央部へ照射される赤外光を減光してもよい。
さらに、本実施形態では、IRカットフィルター80をチェーン64Cの内周側に配置して画像記録ドラム52と接触しない構成としたが、これに限らず、チェーン64Cの外周側まで延ばしてもよい。この場合、例えば、IRカットフィルター80を可撓性の部材で形成すれば、グリッパ78が画像記録ドラム52から用紙Pを受け取る際に、IRカットフィルター80が撓んで画像記録ドラム52が傷付くのを抑制できる。
また、本実施形態では、赤外線ヒータ68の出力値を一定の値としているが、これに限らず、赤外線ヒータ68の出力値を制御してもよい。具体的には、図3に示すように、第1ガイドプレート72に設けられたサーミスタ124が測定した第1ガイドプレート72の上面72Aの温度に応じて、制御部が赤外線ヒータ68の出力値を変更する構成でもよい。この場合、例えば、第1ガイドプレート72の上面72Aの温度が設定値(閾値)より高くなれば、赤外線ヒータ68の出力を下げて赤外光の照射強度を弱くすることで、用紙Pが過加熱されるのを抑制できる。
また、サーミスタ124が測定した第1ガイドプレート72の上面72Aの温度が設定値(閾値)より低くなれば、赤外線ヒータ68の出力を上げて赤外光の照射強度を強くすることで、用紙Pが加熱不足となるのを抑制できる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係るインクジェット記録装置90について説明する。なお、前述した第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図6に示すように、本実施形態に係るインクジェット記録装置90のチェーングリッパ64に設けられたグリッパ78には、第1実施形態のIRカットフィルター80の代わりに、複数の貫通孔92Aを備えた多孔板92が基部78Aに取り付けられている。
多孔板92は、搬送面としての第1ガイドプレート72に対して斜めに取り付けられており、第1ガイドプレート72から浮いている用紙Pの先端部を覆っている(図2参照)。多孔板92としては、複数の貫通孔92Aが均等に形成された金属製の板材や、複数の貫通孔が均等に形成された樹脂製の板材が用いられる。本実施形態では、一例として、開口率が30%程度のパンチングメタルを用いている。
また、本実施形態では、基部78Aから延出している部分のみに貫通孔92Aを形成しているが、これに限らず、多孔板92の前面に均等に貫通孔92Aを形成してもよい。
本実施形態に係るインクジェット記録装置90によれば、図7に示すように、多孔板92へ照射された赤外線ヒータ68の赤外光のうち、貫通孔92Aを通過した赤外光のみが用紙Pへ照射され、その他の部分に照射された赤外光は、多孔板92に遮蔽されて用紙Pへ照射されない。
以上のように、複数の貫通孔92Aが形成された多孔板92で用紙Pの先端部を覆うことで、用紙Pの先端部に照射される赤外光が減光され、用紙Pの先端部の温度が先端部以外の部分の温度より高くなるのを抑制できる。これにより、赤外線ヒータ68で加熱乾燥された用紙Pの先端部と、それ以外の部分との温度差を小さくできる。
ここで、貫通孔92Aの大きさや数は、多孔板92に要求される光の減光能力に応じて適宜設定すればよい。例えば、開口率が50%となるように貫通孔92Aの大きさと数を設定した場合、約半分の赤外光が貫通して用紙Pへ照射される。
また、用紙Pの先端部に照射される赤外光の光量を変更する場合、多孔板92の貫通孔92Aの大きさ又は数を調整するだけでよい。さらに、搬送方向に沿って開口率を変化させてもよい。この場合、例えば、第1ガイドプレート72からあまり浮いていない部分を覆う多孔板92の開口率を他の部分より大きくすることで、より多くの赤外光を照射させることができる。
なお、本実施形態に係る多孔板92は、特別な表面処理を施していないが、表面に光を反射させる反射膜を形成してもよい。この場合、多孔板92へ照射された赤外光が反射膜に当たって反射され、多孔板92自体が加熱されるのを抑制できる。
また、本実施形態に係る多孔板92は、パンチングメタル(金属)を用いたが、これに限らず、赤外光を吸収して紫外光を透過する材質で多孔板92を形成してもよい。この場合、UV照射処理部22でUV照射ユニット74から照射される紫外光は、多孔板92に遮蔽されずに用紙Pの先端部へ照射され、UVインクの定着不良が発生するのを抑制できる。その他の作用については、第1実施形態と同様である。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係るインクジェット記録装置100について説明する。なお、前述した第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図8に示すように、本発明に係るインクジェット記録装置100は、チェーングリッパ64で搬送する用紙Pの厚みに応じてIRカットフィルター102の長さを調節するものである。本実施形態では、一例として、変更した用紙Pの厚みに応じて所定の長さのIRカットフィルター102が保持されたホルダー101をグリッパ78へ取り付けるように構成されている。
以下、第1実施形態で使用していた用紙P(図中二点鎖線図)より厚みが厚い用紙P1を搬送して画像を形成する場合について説明する。用紙Pより厚みが厚い用紙P1は、用紙Pと比べて撓みにくくなっている。このため、用紙P1の先端部をグリッパ78の把持爪78Bで把持して第1ガイドプレート72から持ち上げると、用紙P1の第1ガイドプレート72の上面72Aから浮いている部分の搬送方向の長さは、用紙Pの浮いている部分の搬送方向の長さより長くなっている。
従って、第1実施形態と同様のIRカットフィルター80を使用して用紙P1を搬送すれば、用紙P1の第1ガイドプレート72から浮いている部分の一部において、赤外線ヒータ68からの赤外光が減光されずに照射され、用紙P1の浮いている部分と浮いていない部分との温度差を十分に小さくできないことがある。
本実施形態では、用紙P1を搬送する場合、事前にユーザーがグリッパ78の上面のボルト82を緩めてホルダー79を基部78Aから取り外し、IRカットフィルター80より搬送方向の長さが長いIRカットフィルター102が保持されたホルダー101を基部78Aへ取り付ける。これにより、用紙P1の第1ガイドプレート72から浮いている部分をIRカットフィルター102で覆うことができ、厚みの厚い用紙P1であっても、第1ガイドプレート72から浮いている先端部と浮いていない部分との温度差を小さくできる。
なお、本実施形態に係るIRカットフィルター102は、搬送方向上流側の端部が屈曲して第1ガイドプレート72と略平行に延びているが、これに限らず、屈曲部のないIRカットフィルター102を用いてもよい。この場合、IRカットフィルター102の端部がチェーン64Cの外側(図中下方)まで延びていれば、画像記録部18から用紙P1を受け取る際に、画像記録ドラム52とIRカットフィルター102とが接触することがある。このため、可撓性のIRカットフィルターを用いるのが好ましい。
また、本実施形態では、ホルダー101を取り替えることで、用紙Pの第1ガイドプレート72から浮いている部分を覆う構成としたが、これに限らず、例えば、ホルダー79は取り外さずに、IRカットフィルター80だけを取り替えてもよい。また、図9に示すように、ホルダー103の取付孔を搬送方向に延びる長孔103Aとし、用紙Pを覆う長さを変更する際は、ボルト82を緩めてホルダー103を所定の長さだけスライドさせる構成としてもよい。この場合、用紙Pを覆う部分を微調整できる。
以上、本発明の第1実施形態〜第3実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得ることは言うまでもない。例えば、IRカットフィルター80に複数の貫通孔を均等に形成して多孔板92としてもよい。
10 インクジェット記録装置(画像形成装置)
56C〜56K インクジェットヘッド(吐出ヘッド)
64 チェーングリッパ(搬送手段)
64A 第1スプロケット(回転体)
64B 第2スプロケット(回転体)
64C チェーン(搬送手段)
68 赤外線ヒータ(光照射手段)
72 第1ガイドプレート(搬送面)
74 UV照射ユニット
78 グリッパ(搬送手段)
80 IRカットフィルター(減光部材)
92 多孔板
92A 貫通孔
102 IRカットフィルター(減光部材)
103 IRカットフィルター(減光部材)
124 サーミスタ(温度検出センサ)
200 吸引孔
210 冷却流路
P 用紙(記録媒体)

Claims (10)

  1. 吐出ヘッドで液滴が吐出された記録媒体の一端部を把持して搬送面から浮かせた状態で搬送する搬送手段と、
    前記搬送手段で搬送される前記記録媒体へ光を照射して加熱乾燥する光照射手段と、
    前記搬送手段に設けられ、前記搬送面から浮かせた前記記録媒体の一端部を覆って前記光照射手段からの光を減光する減光部材と、
    を有する画像形成装置。
  2. 前記光照射手段は、前記記録媒体へ赤外光を照射する赤外線ヒータであり、
    前記減光部材は、赤外光をカットするIRカットフィルターである請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記減光部材は、複数の貫通孔が形成された多孔板である請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記多孔板の前記貫通孔は、前記記録媒体の搬送方向の下流側から上流側に向けて前記多孔板の開口率が大きくなるように形成されている請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記搬送手段は、一対の回転体に巻き掛けられた無端状のチェーンと、
    前記チェーンに設けられ、前記記録媒体の一端部を把持して前記チェーンの外周側で前記記録媒体を搬送する把持爪を備えたグリッパと、
    を有し、
    前記減光部材は、前記グリッパに設けられ、前記チェーンの内周側に配置されている請求項1〜4の何れか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記減光部材は、前記記録媒体を覆う搬送方向の長さを調節可能に前記グリッパに取り付けられている請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記搬送面は、前記記録媒体を吸引する吸引孔を備えたガイドプレートで構成されている請求項1〜6の何れか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記ガイドプレートの内部に、冷却液が流れる冷却流路を備えた請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記吐出ヘッドが吐出する液滴は、紫外光を照射して硬化させるUVインクであり、
    前記UVインクが吐出された前記記録媒体へ紫外光を照射するUV照射手段を備え、
    前記減光部材は、紫外光を透過する材質で形成されている請求項1〜8の何れか1項に記載の画像形成装置。
  10. 前記搬送面の温度を検出する温度検出センサを備え、
    前記光照射手段は、前記温度検出センサが検出した前記搬送面の温度が閾値より高くなれば前記記録媒体へ照射する光の照射強度を弱くし、前記温度検出センサが検出した温度が閾値より低くなれば前記記録媒体へ照射する光の照射強度を強くする請求項1〜9の何れか1項に記載の画像形成装置。
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CN107633626A (zh) * 2017-09-14 2018-01-26 深圳怡化电脑股份有限公司 介质回收设备、金融自助终端及介质回收方法
US11740575B2 (en) 2019-07-10 2023-08-29 Fujifilm Business Innovation Corp. Fixing device and image forming apparatus

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