JP2011168350A - シート搬送装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】画質を低下させることがなくシート材を搬送でき、騒音や設置コスト及び消費電力の低減等を図ることが可能なシート搬送装置を提供する。
【解決手段】本発明は、シート材Pに画像を形成するための画像形成部3を備えた画像形成装置1に搭載されるシート搬送装置である。シート搬送装置は、表面にシート材Pを担持して搬送する搬送ベルト18と、搬送ベルト18の裏面側からエアを吸引してシート材Pを搬送ベルト18に吸着させるエア吸着手段21〜24と、シート材Pを帯電させて当該シート材Pを搬送ベルト18に静電吸着させる静電吸着手段33とを備える。前記静電吸着手段33が、画像形成部3よりもシート搬送方向の下流側に配設されるように構成した。画像形成後のシート材Pを静電吸着手段33による静電吸着力とエア吸着手段22〜24によるエア吸着力とによって搬送ベルト18に吸着可能に構成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等の画像形成装置に搭載されるシート搬送装置、及びそれを備えた画像形成装置に関する。
複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等の画像形成装置において、用紙などのシート材を搬送する搬送手段として、搬送ベルトを用いたものがある。また、搬送ベルトにシート材を吸着させる方法として、搬送ベルトの裏面側からエアを吸引してシート材を搬送ベルトに吸着させるエア吸着方法と、シート材を帯電させて当該シート材を搬送ベルトに静電吸着させる静電吸着方法とが知られている。ただし、エア吸着方法と静電吸着方法には、それぞれ長所と短所がある。
エア吸着方法は、吸引力を発生させるためのファン等のエア吸引装置が必要であり、その駆動によって騒音が生じる欠点がある。また、搬送距離が長くなり、吸着させる範囲が増えると、それに伴い必要なエア吸引装置の設置数も増加しなければならないため、設置コストや消費電力の増加、装置の大型化を招く。また、搬送ベルトの裏面に支持ローラなどがある場合、その部分では吸着力を発揮することが困難であり、吸着力が弱まってシート材のスキュー等の搬送不良が生じる虞がある。
一方、静電吸着方法は、機械的な駆動部がないためエア吸着方法に比べて騒音が小さい利点がある。また、静電吸着方法では、一旦、シート材を搬送ベルトに静電吸着させると、シート材に電荷が残留している間は吸着力を発揮することができるため、搬送ベルトの裏面に支持ローラなどがあっても、その部分において吸着力を発揮することが可能である。また、静電吸着力は比較的長く持続できるため、搬送距離が長くなるのに伴う設置コストや消費電力の増加が小さい。
しかし、静電吸着力は、温度や湿度等の環境条件の影響を受けやすいといった欠点がある。また、静電吸着方法をインクジェット式の画像形成装置に用いた場合は、シート材にインクが付着すると、シート材の抵抗率が低下することによりシート材に蓄えられていた電荷がリークするため、静電吸着力が低下する問題がある。これに対し、上記エア吸着方法は、吸着力が環境条件の影響を受けにくく、インクジェット式の画像形成装置においても、上記のような吸着力の低下が生じることはない。
従来、エア吸着方法と静電吸着方法の両方を用いたインクジェット式の画像形成装置が提案されている(特許文献1参照)。この画像形成装置では、画像形成部よりも用紙搬送方向の上流側に帯電器を配設し、用紙が画像形成部に至る前までは、静電引力によって用紙を静電吸着するように構成している。また、用紙が画像形成部に至ってからは、用紙のインク吸収により静電吸着力が低下するため、エア吸引力によって用紙をエア吸着するようにしている。
しかしながら、上記従来の画像形成装置は、エア吸着方法と静電吸着方法を併用しているものの、用紙が画像形成部に至ってからはエア吸着力に頼っているため、エア吸着方法のみを用いた場合の上記欠点を有している。また、同画像形成装置では、画像形成部よりも用紙搬送方向の上流側で用紙を帯電させているため、その帯電によって発生した電場がインクジェットから吐出されたインク滴の軌道に影響を与えて画質が低下する虞がある。
本発明は、斯かる事情に鑑み、画質を低下させることがなくシート材を搬送できると共に、騒音や設置コスト及び消費電力の低減等を図ることが可能なシート搬送装置、及びそのシート搬送装置を備えた画像形成装置を提供しようとするものである。
請求項1の発明は、シート材に画像を形成するための画像形成部を備えた画像形成装置に搭載されるシート搬送装置であって、表面にシート材を担持して搬送する搬送ベルトと、当該搬送ベルトの裏面側からエアを吸引してシート材を前記搬送ベルトに吸着させるエア吸着手段と、シート材を帯電させて当該シート材を前記搬送ベルトに静電吸着させる静電吸着手段とを備えたシート搬送装置において、前記静電吸着手段が、前記画像形成部よりもシート搬送方向の下流側に配設されるように構成し、画像形成後のシート材を前記静電吸着手段による静電吸着力と前記エア吸着手段によるエア吸着力とによって前記搬送ベルトに吸着可能に構成したものである。
静電吸着力とエア吸着力とを併用してシート材を搬送ベルトに吸着させることができるので、エア吸着手段を単独で用いる場合に比べて、エア吸着手段の風量や設置数を少なくすることができ、騒音や、設置コスト及び消費電力の低減を図れる。また、搬送ベルトの裏面に部材が配設してある箇所など、エア吸着手段では吸着力を発揮させ難い箇所においても、静電吸着手段による吸着力を発揮することができ、シート材のスキュー等の搬送不良を防止することが可能である。また、静電吸着手段は、画像形成部よりもシート搬送方向の下流側に配設されるように構成しているので、シート材の帯電によって発生した電場が画像形成に影響を与えて画質が低下する虞がない。
請求項2の発明は、請求項1に記載のシート搬送装置において、前記静電吸着手段を、非接触でシート材を帯電させる帯電器としたものである。
静電吸着手段を非接触でシート材を帯電させる帯電器としたことにより、帯電器がシート材に接触することによるシート材の汚れの発生を防止することができる。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載のシート搬送装置において、前記静電吸着手段のシート搬送方向の上流側でエアを吸引する前記エア吸着手段のエア吸引力よりも、前記静電吸着手段のシート搬送方向の下流側でエアを吸引する前記エア吸着手段のエア吸引力が小さくなるように制御可能に構成したものである。
ここで、「エア吸引力が小さくなる」には、エア吸引力を全く発揮しない場合も含まれる。
静電吸着手段のシート搬送方向の下流側では、静電吸着力とエア吸引力との併用でシート材を吸着させることができるので、静電吸着手段のシート搬送方向の上流側よりも下流側において、エア吸引力を小さくすることが可能である。これにより、静電吸着手段のシート搬送方向の下流側において、エア吸着手段の出力を低くしたり、設置数を少なくしたりすることができるので、騒音や設置コスト及び消費電力の低減を図れる。
請求項4の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載のシート搬送装置において、使用雰囲気の温度と湿度との少なくとも一方を検知する環境検知手段を設け、その環境検知手段の検知結果に基づいて、前記静電吸着手段のシート搬送方向の下流側でエアを吸引する前記エア吸着手段のエア吸引力を変更可能に構成したものである。
これにより、静電吸着力が低下するような温度又は湿度の場合、エア吸着手段のエア吸引力を大きくすることにより、シート材を搬送ベルトに確実に吸着させて搬送することができる。一方、静電吸着力が良好に発揮される温度又は湿度の場合は、反対にエア吸引手段のエア吸引力を小さくすることにより、騒音や消費電力の低減を効果的に図れる。
請求項5の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載のシート搬送装置において、シート材に形成される画像情報を検知可能な画像情報検知手段を設け、その画像情報検知手段の検知結果に基づいて、前記静電吸着手段のシート搬送方向の下流側でエアを吸引する前記エア吸着手段のエア吸引力を変更可能に構成したものである。
これにより、形成された画像が静電吸着力を低下させるような画像である場合は、エア吸着手段のエア吸引力を大きくすることにより、シート材を搬送ベルトに確実に吸着させて搬送することができる。一方、形成された画像が静電吸着力を良好に発揮できる画像である場合は、反対にエア吸引手段のエア吸引力を小さくすることにより、騒音や消費電力の低減を効果的に図れる。
請求項6の発明は、請求項1から5のいずれか1項に記載のシート搬送装置において、シート材の種類を検知するシート種類検知手段又はシート材の種類を入力するシート種類入力手段を設け、前記シート種類検知手段の検知情報又は前記シート種類入力手段の入力情報に基づいて、前記静電吸着手段のシート搬送方向の下流側でエアを吸引する前記エア吸着手段のエア吸引力を変更可能に構成したものである。
これにより、静電吸着力が低下するようなシート材の種類である場合は、エア吸着手段のエア吸引力を大きくすることにより、シート材を搬送ベルトに確実に吸着させて搬送することができる。一方、静電吸着力が良好に発揮されるシート材の種類である場合は、反対にエア吸引手段のエア吸引力を小さくすることにより、騒音や消費電力の低減を効果的に図れる。
請求項7の発明は、請求項1から8のいずれか1項に記載のシート搬送装置において、前記静電吸着手段のシート搬送方向の下流側でエアを吸引する前記エア吸着手段において、所定条件に基づいて予め設定されたエア吸引力を、任意に変更可能に構成したものである。
これにより、使用者等が各種条件に基づいてエア吸引力を適宜調整することができ、制御方法の選択肢が広がると共に使用環境に適した制御を行うことが可能となる。
請求項8の発明は、請求項1から7のいずれか1項に記載のシート搬送装置において、前記搬送ベルトを、複数のローラによって張架された無端状のベルトとしたものである。
搬送ベルトがこのような構成である場合、特にローラによってベルトが張架された箇所ではエア吸着力を発揮し難いが、上記のように静電吸着手段を用いて吸着させることにより、そのエア吸着力を発揮し難い箇所においてもシート材を吸着させることができ、シート材のスキュー等の搬送不良を防止することが可能である。
請求項9の発明は、請求項1から8のいずれか1項に記載のシート搬送装置において、前記画像形成部を、シート材上にインクを吐出して画像を形成するインクジェット式の画像形成部としたものである。
上記のように、静電吸着手段を画像形成部よりもシート搬送方向の下流側に配設しているので、シート材の帯電によって発生した電場がインクジェットから吐出されたインク滴の軌道に影響を与えて画質が低下する虞がない。このため、インクジェット式の画像形成装置において、良好な画像形成を行うことが可能である。
請求項10の発明は、請求項1から9のいずれか1項に記載のシート搬送装置を備えた画像形成装置である。
画像形成装置が、請求項1から9のいずれか1項に記載のシート搬送装置を備えているので、これらのシート搬送装置による上記効果が得られる。
本発明によれば、静電吸着力とエア吸着力とを併用することができるので、エア吸着手段を単独で用いる場合に比べて、騒音や、設置コスト及び消費電力の低減を図れる。また、エア吸着手段では吸着力を発揮させ難い箇所においても、静電吸着手段による吸着力を発揮することができ、シート材のスキュー等の搬送不良を防止することが可能である。また、本発明によれば、静電吸着手段を画像形成部よりもシート搬送方向の下流側に配設することにより、シート材の帯電によって発生した電場が画像形成に影響を与えて画質が低下する虞がないので、良好な画像形成を実現可能である。
本発明のシート搬送装置を搭載したインクジェットプリンタの概略構成図である。 本発明の制御系を示すブロック図である。 前記プリンタに設けた操作パネルの紙種選択モードの表示部を示す図である。 前記操作パネルにおける風量設定モードの表示部の一例を示す図である。 前記操作パネルにおける風量設定モードの表示部の一例を示す図である。
以下、本発明に係る実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
まず、図1に基づいて、本発明のシート搬送装置を搭載した画像形成装置の全体構成について説明する。
図1において、符号1は、本発明に係る画像形成装置としてのインクジェットプリンタの装置本体である。当該装置本体1には、画像読取部2と、画像形成部3と、給紙部4等が配設されている。
画像読取部2は、原稿台上に置かれた原稿を、密着イメージセンサー(図示せず)を配した読み取り位置に給紙し、当該密着イメージセンサーによる画像読み取り後に、原稿排出トレイ(図示せず)に原稿を排紙するように構成されている。画像形成部3は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のライン型インクジェットヘッド10Y,10M、10C,10Kを有する画像形成ヘッドユニット11を備えている。給紙部4には、シート材としての用紙Pを収容した複数の給紙カセット12が配設されている。各給紙カセット12には、収容されている用紙Pを送り出すための供給ローラ13が設けてある。各供給ローラ13の用紙搬送方向下流側には、用紙Pを一枚ずつ分離するためのフィードリバースローラ対50a,50b,51a,51bが配設されている。また、本実施形態では、装置本体1の図の右側に、別の給紙部としての給紙装置6が配設されている。給紙装置6又は給紙カセット12から供給された用紙は、画像形成部3で画像が形成された後、最終的に装置本体1の図の左側に設けられた排紙トレイ20に排出されるようになっている。また、画像形成後の用紙に、ステイプル処理、折り処理、穿孔処理及び製本処理等のいわゆる後処理を施す後処理装置(フィニッシャ)を設けてもよい。
図1において、二点鎖線は用紙が搬送される搬送経路である。また、その二点鎖線に付された矢印の方向は、用紙の搬送方向を示す。本実施形態では、搬送経路は、第1〜第5搬送経路A〜Eによって構成されている。
第1搬送経路Aは、上記給紙カセット12又は給紙装置6から供給された用紙を画像形成部3へ案内するための搬送経路である。詳しくは、第1搬送経路Aは、給紙カセット12から給紙された用紙を画像形成部3へ案内するための縦方向及び横方向の搬送経路と、給紙装置6から給紙された用紙を画像形成部3へ案内するための横方向の搬送経路とが、途中で合流して構成されている。また、第1搬送経路Aにおいて、合流箇所の搬送方向上流側には、用紙のスキュー補正と搬送タイミングの調整を行うレジストローラ対25a,25bが配設されている。
第2搬送経路Bは、画像形成後の用紙を機外へ排出するための搬送経路であり、第1搬送経路Aから水平方向に直進するように配設されている。第2搬送経路Bの搬送方向下流端側には、用紙を機外に排出するための排出ローラ対26a,26bが配設されている。また、排出ローラ対26a,26bよりも、搬送方向上流側には、用紙のカールを除去するためのデカーラ部90が設けられている。デカーラ部90としては、例えば、3つのコロを対向させてそれらの間にカール矯正のための湾曲経路を形成したものや、ソフトローラにハードローラを当接させてその当接部にカール矯正のための湾曲経路を形成したものなど、既存の従来技術を採用可能である。
第3搬送経路Cは、第1搬送経路Aの搬送方向下流側から下方へ伸び、装置本体1の下部で上方へ引き返して、第2搬送経路Bのデカーラ部90の上流側で合流している。また、第3搬送経路Cの搬送方向上流側で、第2搬送経路Bと分かれている箇所には、用紙を第2搬送経路Bと第3搬送経路Cのいずれかに選択して案内するための切換爪28が配設されている。また、第3搬送経路Cの途中には、正逆回転可能な反転搬送ローラ対27a,27bが配設されている。反転搬送ローラ対27a,27bが正回転する場合は、用紙は図の下方の排出方向へと搬送され、反転搬送ローラ対27a,27bが逆回転する場合は、用紙は前記排出方向とは逆方向(図の上方)へ搬送されるようになっている。また、反転搬送ローラ対27a,27bの正回転時の搬送方向(排出方向)の上流側には、用紙の後端を検知する検知センサ95が配設されている。
第4搬送経路Dは、第3搬送経路Cの反転搬送ローラ対27a,27bよりも正回転時の搬送方向(排出方向)の上流側で分岐し、第1搬送経路Aに合流するように配設されている。また、第4搬送経路Dが第3搬送経路Cから分岐する箇所には、第3搬送経路Cから逆送される用紙を第4搬送経路Dへ案内するための切換爪29が配設されている。
第5搬送経路Eは、第3搬送経路Cの反転搬送ローラ対27a,27bよりも正回転時の搬送方向(排出方向)の上流側で分岐し、第3搬送経路Cの下流側で合流するように配設されている。また、第5搬送経路Eが第3搬送経路Cから分岐する箇所には、第3搬送経路Cから逆送される用紙を第5搬送経路Eへ案内するための切換爪30が配設されている。
また、装置本体1には、上記搬送経路に沿って用紙を搬送するための各種搬送手段を備えたシート搬送装置が搭載されている。このシート搬送装置は、搬送手段の1つとして、画像形成部3の下方に配設された搬送ベルト18を備える。搬送ベルト18は、無端状のベルトで構成されており、1つの駆動ローラ14と3つの従動ローラ15,16,17によって張架されている。また、搬送ベルト18には、テンションローラ19によって所定の張力が付与されている。駆動ローラ14は図示しない駆動装置によって回転駆動可能となっており、駆動ローラ14が回転することによって、搬送ベルト18は図の矢印方向に回転するようになっている。また、従動ローラ15と従動ローラ17の用紙搬送方向の下流側には、それぞれ用紙を検知する用紙検知センサ35,36が設けてある。
ここで、搬送ベルト18上で用紙を担持して搬送する搬送面(搬送経路)は、水平状に配設された第1ストレート搬送部S1と、その搬送方向下流側に連設された円弧状の第1曲げ搬送部M1と、その搬送方向下流側に傾斜して連設された第2ストレート搬送部S2と、その搬送方向下流側に連設された円弧状の第2曲げ搬送部M2と、その搬送方向下流側に傾斜して連設された第3ストレート搬送部S3とによって構成されている。
また、シート搬送装置は、搬送ベルト18の裏面側からエアを吸引して用紙を搬送ベルト18に吸着させるエア吸着手段を備えている。このエア吸着手段は、搬送ベルト18の裏面側に配設された導風路としての第1〜第4吸引ダクト21〜24と、各吸引ダクト21〜24からそれぞれ独立してエア吸引するエア吸引手段としての吸引用ファン(図示省略)を有している。上記搬送ベルト18には、エアを吸引するための多数の小孔が形成されており、これら小孔から各吸引ダクト21,22,23,24を介してエアを吸引することにより、搬送ベルト18上に用紙を吸着させる仕組みとなっている。
各吸引ダクトの配設位置について詳しく説明すると、第1吸引ダクト21は、画像形成部3の下方で第1ストレート搬送部S1に対向して配設されている。第2吸引ダクト22は、第1曲げ搬送部M1の用紙搬送方向上流側近傍で第1ストレート搬送部S1に対向して配設されている。第3吸引ダクト23は、第2ストレート搬送部S2に対向した位置に配設されている。また、第4吸引ダクト24は、第3ストレート搬送部S3に対向した位置に配設されている。
また、シート搬送装置は、搬送ベルト18に用紙を静電吸着させる静電吸着手段を備える。静電吸着手段は、搬送ベルト18上で用紙を帯電させる帯電手段としての帯電器33によって構成されている。図1に示すように、帯電器33は、画像形成部3よりも用紙搬送方向の下流側に配設されている。一方、搬送ベルト18は、その表面に絶縁層、裏面に導電層を有する多層構造となっている。また、搬送ベルト18を張架する駆動ローラ14、従動ローラ15,16,17、テンションローラ19のうちの少なくとも1つが、表面を導電性の金属で構成したローラで構成され、それが図示しないアースに接続されている。帯電器33によって用紙を帯電させると、用紙の表面に蓄えられた電荷と、アース接続された搬送ベルト18の逆極性の電荷とによって発生する電気的な引力で、用紙が搬送ベルト18に吸着される仕組みとなっている。
上記帯電器33としては、非接触型のコロナ帯電器、特に用紙表面電位を制御しやすいスコロトロン型帯電器を採用することが望ましい。接触型の帯電器を適用することも可能であるが、帯電器が用紙の画像形成面と接触することで汚れると、その汚れが次に通過する用紙に付着して画質が低下する虞がある。
また、搬送ベルト18上の用紙担持領域の下流側、つまり第3ストレート搬送部S3の用紙搬送方向下流側には、用紙に溜まった電荷を除電する除電手段としての除電器34が配設されている。除電器34としては、例えば、除電ブラシ等の接触型のものを使用することができるが、除電ブロア等の非接触型のものを使用した方が、用紙上の画像を乱す虞がないため望ましい。
また、搬送ベルト18の外周側には、搬送ベルト18で搬送される用紙にエアを吹き付けるエア吹き付け手段としての第1エア吹き付け装置31と第2エア吹き付け装置32が設けてある。第1エア吹き付け装置31は、第1曲げ搬送部M1(又は従動ローラ16の位置)よりも用紙搬送方向の下流側に配設されている。第2エア吹き付け装置32は、第2曲げ搬送部M2(又は従動ローラ17の位置)よりも用紙搬送方向の下流側に配設されている。
また、別の搬送手段としての搬送ベルト39が、第2搬送経路Bに配設されている。この搬送ベルト39も、多数の小孔が形成された無端状のベルトで構成され、駆動ローラ37及び従動ローラ38によって張架されている。また、その搬送ベルト39の下方には、搬送ベルト39に形成された小孔からエアを吸引するための吸引ダクト40が配設されている。この吸引ダクト40にも、図示しない吸引用ファンが設けられている。そして、その吸引用ファンを駆動させることによって、搬送ベルト39の小孔からエアを吸引して、用紙を搬送ベルト39上に吸着できるようになっている。
また、その他の搬送手段として、複数の搬送ローラ52a,52b〜61a,61bが配設されている。各搬送ローラの中で、用紙の画像形成面側に接触する方のローラ(図1の符号56a,57a,58a,59a,60a,61a,61bで示すローラ)には、画像形成面との接触面積が小さいローラを採用している。具体的には、それらのローラは、プラスチック製又はゴム製のローラ部材の表面にセラミック等の砥粒を多数接着して構成されている。これにより、ローラは画像形成面に対して点接触することができ、画像形成面の乱れが生じにくくなる。また、用紙の画像形成面側に接触するローラを、薄肉の金属等で形成した拍車ローラで構成してもよい。この場合も、ローラが画像形成面に対して点接触となるため、同様に画像形成面の乱れが生じにくくなる。また、同様に、上記排出ローラ対26a,26bの両方のローラと、上記反転搬送ローラ対27a,27bの用紙の画像形成面側に接触する方のローラ27aも、画像形成面との接触面積が小さいローラで構成されおり、画像形成面の乱れを生じにくくしている。
さらに、本実施形態では、用紙の画像形成面の乱れを防止するために、上流側と下流側のローラ間の線速差を極力無くすようにしている。これにより、上流側と下流側のローラ間で、用紙が撓むことによって画像形成面が搬送ガイド板に当接したり、反対に用紙が引っ張られることによって画像形成面がローラと擦れたりするのを防止することが可能となる。上流側と下流側のローラ間の線速をほぼ一定にするには、例えば、上流側のローラにワンウェイクラッチを設けたり、上流側と下流側のローラを同じ駆動モータで駆動させたりすることによって可能である。
以下、図1を参照しつつ、本発明に係るインクジェットプリンタの基本動作について説明する。
印刷開始の指示があると、給紙カセット12又は給紙装置6から用紙Pが送り出される。送り出された用紙Pは、レジストローラ対25a,25bに突き当たって一時停止される。これにより、用紙のスキューが補正される。その後、所定のタイミングでレジストローラ対25a,25bの回転を開始し、用紙Pが搬送ベルト18上へ搬送される。用紙Pは、第1吸引ダクト21のエア吸引によって搬送ベルト18上に吸着され、その状態で搬送ベルト18が回転することにより、用紙Pは画像形成ヘッドユニット11の下方へ搬送される。また、このとき、用紙検知センサ35によって用紙Pの先端が検知される。そして、この用紙検知センサ35の検知に基づいて、画像形成ヘッドユニット11が所定のタイミングで駆動され、画像読取部2で読み取った原稿の画像情報に基づいて、各色のインクジェットヘッド10Y,10M,10C,10Kのノズルから用紙Pにインクが吐出される。かくして、用紙P上にフルカラー画像が形成される。
また、4つのインクジェットヘッド10Y,10M,10C,10Kのいずれか1つを使用して単色画像を形成したり、2つ又は3つのインクジェットヘッドを使用して、2色又は3色の画像を形成したりすることも可能である。また、この間の搬送ベルト18の速度は極力変動しないように制御されているが、実際はその速度変動を図示しない検知装置によって検知することにより、用紙位置に合わせた正確なタイミングでインクの吐出が行われる。
上記画像形成部3で画像が形成された用紙Pをそのまま機外に排出する場合は、切換爪28を図の点線で示す位置に配設して、用紙Pを水平方向に直進させる。そして、用紙Pは第2搬送経路Bに配設した搬送ベルト39上へと搬送され、吸引ダクト40のエア吸引によって用紙Pは搬送ベルト39上に吸着される。その状態で搬送ベルト39が回転することにより、用紙Pは下流へと搬送され、デカーラ部90で用紙のカールが除去された後、排出ローラ対26a,26bによって用紙Pは機外へと排出される。
また、上記画像形成後の用紙Pを、第3搬送経路Cを通過させてから機外に排出する場合は、切換爪28を図の実線で示す位置に配設し、用紙Pを第1搬送経路Aから第3搬送経路Cへと案内できるようにする。この状態で搬送ベルト18が回転することにより、用紙Pは第1〜第4吸引ダクト21〜24のエア吸引によって搬送ベルト18に吸着されつつ第3搬送経路Cへと搬送されるが、搬送ベルト18上の第1曲げ搬送部M1と第2曲げ搬送部M2の位置ではそれぞれ従動ローラ16,17が存在するため、その箇所においてエア吸着力を発揮することができない。そのため、この場合は、帯電器33によって用紙Pを帯電させ、用紙Pと搬送ベルト18との間に静電吸着力を発生させることにより、第1曲げ搬送部M1と第2曲げ搬送部M2の位置においても吸着力が発揮されるようにする。
しかし、第1曲げ搬送部M1では搬送経路(又は搬送ベルト18)が曲がっているため、上記のように静電吸着力を作用させても、用紙Pを搬送ベルト18に確実に吸着させにくく、用紙の厚さや剛性、その他の条件によっては、用紙Pの前端が第1曲げ搬送部M1の搬送方向下流側において浮き上がって、画像形成面が切換爪28等の周辺部材に強く当接する可能性がある。
そこで、第1曲げ搬送部M1の搬送方向下流側に配設した第1エア吹き付け装置31によって、用紙Pにエアを吹き付けて、用紙Pを搬送ベルト18(又は搬送経路)に沿う方向へ曲げるようにしている。これにより、用紙Pの先端を切換爪28等に強く当接させることなく搬送することができる。そして、エアによって曲げられた用紙Pは、第3吸引ダクト23のエア吸引によって搬送ベルト18に吸着される。また、特に用紙Pの剛性が大きい場合は、第1エア吹き付け装置31によって用紙Pの先端を曲げると、反対に用紙Pの後端が第1曲げ搬送部M1の搬送方向上流側で搬送ベルト18から浮き上がることがある。このような場合は、第2吸引ダクト22によってエア吸引を行い、用紙Pの後端が浮き上がらないようにする。なお、上述のように、各吸引ダクトは独立して吸引可能に構成されているため、第2吸引ダクト22のエア吸引動作は、他の吸引ダクトの動作の影響を受けずに制御することができる。
用紙Pが第2曲げ搬送部M2の位置に搬送されると、この位置でも搬送経路(又は搬送ベルト18)が曲がっているため、上記第1曲げ搬送部M1と同様に用紙Pが搬送ベルト18から浮き上がる可能性ある。そのため、ここでは、第2エア吹き付け装置32によって、用紙Pにエアを吹き付けて、用紙Pを搬送ベルト18(又は搬送経路)に沿う方向へ曲げるようにする。こうして、吹き付けエアによって曲げられた用紙Pは、第4吸引ダクト24のエア吸引によって搬送ベルト18に吸着される。
その後、用紙Pが除電器34を通過するとき、用紙Pに溜まった電荷が除電され、静電吸着力が解除される。そして、用紙Pは、駆動ローラ14の位置で搬送ベルト18から離脱して、反転搬送ローラ対27a,27bへと搬送される。また、切換爪29と切換爪30は、用紙Pの通過を妨げないように、それぞれ図の実線に示す位置に配設されている。反転搬送ローラ対27a,27bへ到達した用紙Pは、正回転する反転搬送ローラ対27a,27bと、その搬送方向下流側に配設した複数の搬送ローラによって第2搬送経路Bへと搬送される。そして、用紙Pは、デカーラ部90でカールが除去された後、排出ローラ対26a,26bによって機外へと排出される。
以上のように、第3搬送経路Cは、反転搬送ローラ対27a,27bを正回転させた場合は、用紙を排出する方向へと案内する排出路として機能する。また、この場合、用紙は第3搬送経路Cを通過することによって、下方へ迂回してから第2搬送経路Bへ案内されるため、用紙Pを排出までの搬送経路を長くすることができ、十分にインクを乾かしてから用紙Pを排出することが可能となる。
また、両面印刷を行う場合は、画像形成部3において画像が形成された用紙Pを、第1搬送経路Aから第3搬送経路Cへ搬送する。この場合も、用紙Pは、搬送ベルト18によって斜め下方へと搬送されるが、ここでの搬送動作は、上記第3搬送経路Cを通過させて用紙Pを排出する場合と同様に行われる。そして、この場合は、用紙Pの後端が検知センサ95で検知されたとき、その検知信号に基づいて、反転搬送ローラ対27a,27bの正回転が停止される。その後、第4搬送経路Dの分岐箇所にある切換爪29を図の点線の位置に切り換え、用紙Pを第4搬送経路Dへ案内できる状態にする。この状態で、反転搬送ローラ対27a,27bを逆回転させることにより、用紙Pを逆送して第4搬送経路Dへ案内する。これにより、用紙Pは前後が反転された状態で第4搬送経路Dへと搬送される。この場合、第3搬送経路Cは、用紙を前後反転させて搬送する反転路として機能する。
そして、用紙Pは、第4搬送経路Dを通って第1搬送経路Aへ案内され、表裏が反転された状態で再度画像形成部3へと搬送される。このように、第4搬送経路Dは、第3搬送経路Cから逆送された用紙Pを、両面印刷を行うために再度第1搬送経路Aへと案内する両面搬送経路として機能する。そして、画像形成部3において用紙Pの裏面に表側の場合と同様にして画像が形成される。
両面に画像が形成された用紙Pは、第1搬送経路Aから第2搬送経路Bへ水平方向に搬送される。このとき、第1搬送経路Aと第2搬送経路Bとの間の切換爪28は、図の点線の位置に切り換えられている。また、第1搬送経路Aから第2搬送経路Bへと用紙Pを搬送する際、第1エア吹き付け装置31からのエア吹き付け、及び帯電器33による用紙Pの帯電は行わない。そして、用紙Pは、第2搬送経路Bに配設した搬送ベルト39によって上記と同様に下流へ搬送され、デカーラ部90で用紙のカールが除去された後、排出ローラ対26a,26bによって機外へと排出される。
また、片面印刷でページ順積載を行う場合は、画像形成部3において画像が形成された用紙Pを、第1搬送経路Aから第3搬送経路Cへ搬送する。ここでの搬送ベルト18による搬送動作も、上記第3搬送経路Cを通過させて用紙Pを排出する場合と同様である。そして、この場合、用紙Pの後端が反転搬送ローラ対27a,27bの位置に到達したとき、反転搬送ローラ対27a,27bの正回転を停止する。その後、第5搬送経路Eの分岐箇所にある切換爪30を図の点線の位置に切り換え、用紙Pを第5搬送経路Eへ案内できる状態にする。この状態で、反転搬送ローラ対27a,27bを逆回転させることにより用紙Pを逆送させ、用紙Pは第5搬送経路Eへと搬送される。そして、用紙Pは、第5搬送経路Eを通って第2搬送経路Bへと送られる。このように、第5搬送経路Eは、第3搬送経路Cで逆送される用紙Pを、画像形成部3へと案内せずにそのまま第2搬送経路Bへと案内するための搬送経路として機能する。その後、用紙Pは、デカーラ部90でカールが除去された後、排出ローラ対26a,26bによって機外へと排出される。これにより、用紙Pは、前後及び表裏が反転された状態で排出され、ページ順に揃えた状態で排紙トレイ20上に積載される。
以下、本発明の特徴部分について詳しく説明する。
図2は、本発明の制御系を示すブロック図である。図2に示す符号42〜44は、図1に示す第2〜第4吸引ダクト22〜24を介してエア吸引力を発生させる第2〜第4吸引用ファンであり、同図に示す符号71及び72は、図1に示す第1・第2エア吹き付け装置31,32に設けた第1・第2吹き付け用ファンである。詳しくは、第2吸引用ファン42は第2吸引ダクト22に接続され、第3吸引用ファン43は第3吸引ダクト23に接続され、第4吸引用ファン44は第4吸引ダクト24に接続されている。また、第1エア吹き付け用ファン71は第1エア吹き付け装置31に設けられ、第2エア吹き付け用ファン72は第2エア吹き付け装置32に設けられている。
図2に示すように、各吸引用ファン42〜44と、各吹き付け用ファン71,72は、制御部9によって出力を制御可能に構成されている。また、本プリンタは、シート種類入力手段8と、環境検知手段81と、画像情報検知手段82を備えており、これらの手段によって入力された情報又は検知された情報は制御部9へと送信されるようになっている。そして、制御部9は、受信した情報に基づいて、各吸引用ファン42〜44及び各吹き付け用ファン71,72を制御するように構成されている。
本実施形態では、シート種類入力手段8は、インクジェットプリンタの装置本体に設けてある操作パネル8としている。また、本プリンタに接続されたパソコン等を、シート材の種類(紙種)を入力するシート種類入力手段とすることも可能である。また、特有のセンサによってシート材の種類(紙種)を検知するシート種類検知手段70を設け、そのシート種類検知手段70の検知情報に基づいて、制御部9が各吸引用ファン42〜44及び各吹き付け用ファン71,72を制御するように構成してもよい。その場合は、使用者による入力作業を不要にすることが可能である。上記環境検知手段81は、本プリンタの内側又は外側の使用雰囲気の温度を検知する温度検知センサと湿度を検知する湿度検知センサを有する。また、上記画像情報検知手段82は、画像形成部3に入力される画像のデータから、画像の種類(例えば、文字画像、文字及び写真画像、写真画像、ベタ中心画像)や画像面積等の画像情報を検知する手段であり、1つ又は複数の情報処理装置から構成される。上記画像情報検知手段82が画像の種類を検知することによって、各画像の種類ごとにインクジェットヘッドから吐出される総インク量を検知できるようにしている。また、上記制御部9は、装置本体に搭載されたCPU等で構成されている。
図3は、操作パネル8の紙種選択モードの表示部を示す。
操作パネル8は、タッチパネル式の液晶表示部で構成されており、本実施形態では、「標準紙」「薄紙」「厚紙」「特厚紙」のいずれかを選択して入力可能となっている。例えば、「標準紙」は55〜70K紙程度、「薄紙」は45K紙未満、「厚紙」は110〜135K紙程度、「特厚紙」は180K紙以上としている。また、それら以外の紙種を任意設定することも可能である。
また、図4及び図5は、操作パネル8の風量設定モードの表示部を示す。
図4は、常温で常湿の場合における、第1吹き付け用ファン71の風量の設定例を示している。第1吹き付け用ファン71の風量は、用紙の種類と画像の種類ごとに分けて、吹き付けを全く行わない「無し」と、風量の少ない「少」と、風量が中程度の「中」と、風量の多い「多」とに設定されている。
図4に示すように、風量は、紙種が「薄紙」から「特厚紙」へ厚くなるにつれて多くなるように設定されている。これは、紙種が厚くなると剛性が大きくなり曲がりにくくなることから、吹き付ける風量を多くして用紙を搬送経路(又は搬送ベルト)に沿わせて曲げるためである。また、「文字」よりも「文字+写真」の画像、「文字+写真」よりも「写真」の画像、「写真」よりも「ベタ中心」の画像の方が、用紙に含まれるインク量が多くなり、用紙にインクが多く含まれると、それに伴い上記帯電器33で帯電させた用紙の電荷がリークしやすく静電吸着力が低下する傾向にある。そのため、用紙に含まれるインク量が多い画像の種類ほど、すなわち、画像の種類が、「文字」から「ベタ中心」へ移るにつれて風量を多くするように設定して吸着力不足を補うようにしている。
また、図5は、低温で低湿の場合における第1吹き付け用ファン71の風量の設定例を示している。
図5に示す低温で低湿の場合も、基本的には、上記図4に示す常温で常湿の場合と同様に、厚い紙種、又は用紙に含まれるインク量が多い画像の種類ほど、風量を多く設定している。しかし、図4と図5を比較すると、常温で常湿の場合(図4に示す設定例)は、低温で低湿の場合(図5に示す設定例)に比べて、風量を同等又はそれより多く設定している。このように、温度又は湿度が高い場合に風量を多く設定しているのは、使用雰囲気の温度又は湿度が高くなって、上記帯電器33で帯電させた用紙の電荷がリークして静電吸着力が低下しても、風量を多く設定して吸着力不足を補うためである。また、図示省略するが、高温で高湿の場合の風量は、常温で常湿の場合と同等かそれより多くなるように設定する。
以上、図4及び図5に基づいて、第1吹き付け用ファン71の風量の設定例について説明したが、第2吹き付け用ファン72の風量(吹き付け量)や、第2〜第4吸引用ファン42〜44においても、上記第1吹き付け用ファン71と同様に、温度及び湿度が高い、用紙の厚さが厚い、又は用紙に含まれるインク量が多いほど、風量(吹き付け量又は吸引量)が多くなるように設定されている。
各装置の風量を調整する場合は、まず、使用者等が操作パネル8で入力した紙種の厚さ、環境検知手段81が検知した温度及び湿度、画像情報検知手段82が検知した画像情報が、制御部9に送信され、制御部9において受信した情報に基づき上記操作パネル8に示す設定値を制御テーブルとして用いて風量を決定する。そして、決定された風量となるように、各吹き付け用ファン71,72及び各吸引用ファン42〜44の出力を制御する。なお、各装置の風量を、シート種類、使用雰囲気の温度及び湿度、画像情報のうち、少なくとも1つに基づいて制御するように構成してもよい。
また、使用者等は、温度及び湿度、紙種、画像の種類等の上記各種条件に基づいて予め設定された各装置の風量(出力値)を、操作パネル8上で任意に変更可能となっている。これにより、使用者等が各種条件に基づいて風量を適宜調整することができ、制御方法の選択肢が広がると共に使用環境に適した制御を行うことが可能となる。例えば、風量の設定値を記憶するための図示しない記憶装置は、プリンタの工場出荷時の状態で予め設定された設定値(初期値)を記憶する部分と、使用者等が任意に設定した設定値を記憶する部分とを有している。また、操作パネル8には、「工場出荷時へ戻す」のボタンが設けられており、これを押すことによって、使用者等が設定した設定値を、予め設定された設定値(初期値)にリセットすることができるようになっている。これにより、使用者等の誤設定による用紙搬送性能の低下を容易に解消することが可能である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。
以上のように、本発明によれば、帯電器33でシート材を帯電させることによる静電吸着力と、第2〜第4吸引ダクト22〜24からの吸引によるエア吸着力とによって、シート材(用紙)を搬送ベルト18上に吸着させるようにしているので、エア吸着力のみでシート材を吸着させる場合に比べて、エア吸引装置の風量や設置数を少なくすることができ、騒音や、設置コスト及び消費電力の低減を図れる。また、搬送ベルト18の裏面にローラ等の部材が配設してある箇所など、エア吸着手段では吸着力を発揮させ難い箇所においても、静電吸着手段による吸着力を発揮することができ、シート材のスキュー等の搬送不良を防止することが可能である。
また、本発明では、静電吸着手段としての帯電器33を、画像形成部3よりもシート搬送方向の下流側に配設しているので、シート材の帯電によって発生した電場がインクジェットから吐出されたインク滴の軌道に影響を与えて画質が低下する虞がない。従って、本発明によれば、インクジェット式の画像形成装置において良好な画像形成を実現できる。
なお、本発明に係るシート搬送装置は、図1に示すインクジェットプリンタ以外に、電子写真方式の画像形成部を備えたプリンタや、複写機、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等の画像形成装置にも搭載可能である。この場合も、シート材の帯電によって発生した電場が画像形成に与える影響を回避することが可能である。
また、上述のように、温度及び湿度、シート材の種類、画像情報等の各種条件に基づいて、第1・第2吹き付け用ファン71,72及び第2〜第4吸引用ファン42〜44の出力を制御するように構成した場合は、各種条件に適した風量でエアを吹き付け又は吸引することができる。これにより、シート材が厚く曲がりにくい場合や、静電吸着力が低下する条件の場合は、風量を多くしてエアの吹き付け力又は吸引力を高めることにより、シート材を搬送ベルトに確実に吸着させて搬送することができる。一方、シート材が薄い場合や、静電吸着力が良好に発揮される場合は、反対に風量を少なくすることにより、騒音や消費電力の低減を効果的に図れる。このように、各種条件に基づいて風量を制御することにより、必要最小限の風量によってシート材の安定した搬送を実現でき、シート材が周辺部材に当接することによる画像の乱れやスキュー、ジャムなどの不具合を防止することができると共に、騒音や消費電力のより一層の低減を図ることが可能となる。
3 画像形成部
8 操作パネル(シート種類入力手段)
9 制御部(制御手段)
18 搬送ベルト(搬送手段)
21 第1吸引ダクト
22 第2吸引ダクト
23 第3吸引ダクト
24 第4吸引ダクト
33 帯電器(静電吸着手段)
70 シート種類検知手段
71 第1吹き付け用ファン
72 第2吹き付け用ファン
81 環境検知手段
82 画像情報検知手段
P 用紙(シート材)
特開2008−230819号公報

Claims (10)

  1. シート材に画像を形成するための画像形成部を備えた画像形成装置に搭載されるシート搬送装置であって、表面にシート材を担持して搬送する搬送ベルトと、当該搬送ベルトの裏面側からエアを吸引してシート材を前記搬送ベルトに吸着させるエア吸着手段と、シート材を帯電させて当該シート材を前記搬送ベルトに静電吸着させる静電吸着手段とを備えたシート搬送装置において、
    前記静電吸着手段が、前記画像形成部よりもシート搬送方向の下流側に配設されるように構成し、画像形成後のシート材を前記静電吸着手段による静電吸着力と前記エア吸着手段によるエア吸着力とによって前記搬送ベルトに吸着可能に構成したことを特徴とするシート搬送装置。
  2. 前記静電吸着手段を、非接触でシート材を帯電させる帯電器とした請求項1に記載のシート搬送装置。
  3. 前記静電吸着手段のシート搬送方向の上流側でエアを吸引する前記エア吸着手段のエア吸引力よりも、前記静電吸着手段のシート搬送方向の下流側でエアを吸引する前記エア吸着手段のエア吸引力が小さくなるように制御可能に構成した請求項1又は2に記載のシート搬送装置。
  4. 使用雰囲気の温度と湿度との少なくとも一方を検知する環境検知手段を設け、
    その環境検知手段の検知結果に基づいて、前記静電吸着手段のシート搬送方向の下流側でエアを吸引する前記エア吸着手段のエア吸引力を変更可能に構成した請求項1から3のいずれか1項に記載のシート搬送装置。
  5. シート材に形成される画像情報を検知可能な画像情報検知手段を設け、
    その画像情報検知手段の検知結果に基づいて、前記静電吸着手段のシート搬送方向の下流側でエアを吸引する前記エア吸着手段のエア吸引力を変更可能に構成した請求項1から4のいずれか1項に記載のシート搬送装置。
  6. シート材の種類を検知するシート種類検知手段又はシート材の種類を入力するシート種類入力手段を設け、
    前記シート種類検知手段の検知情報又は前記シート種類入力手段の入力情報に基づいて、前記静電吸着手段のシート搬送方向の下流側でエアを吸引する前記エア吸着手段のエア吸引力を変更可能に構成した請求項1から5のいずれか1項に記載のシート搬送装置。
  7. 前記静電吸着手段のシート搬送方向の下流側でエアを吸引する前記エア吸着手段において、所定条件に基づいて予め設定されたエア吸引力を、任意に変更可能に構成した請求項1から6のいずれか1項に記載のシート搬送装置。
  8. 前記搬送ベルトを、複数のローラによって張架された無端状のベルトとした請求項1から7のいずれか1項に記載のシート搬送装置。
  9. 前記画像形成部を、シート材上にインクを吐出して画像を形成するインクジェット式の画像形成部とした請求項1から8のいずれか1項に記載のシート搬送装置。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載のシート搬送装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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