JP2009039885A - 記録装置 - Google Patents

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Takayuki Nishinohara
隆行 西ノ原
Mitsuru Kurata
満 蔵田
Yoshihiro Koyama
慶博 小山
Yasuyuki Fujinami
康行 藤浪
Tomoaki Masaki
友章 正木
Masayuki Matsuyama
将之 松山
Takashi Watanabe
隆 渡辺
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Abstract

【課題】 記録シートをプラテンに吸着させる吸引手段を備えた記録装置において、装置本体内で発生する騒音が装置本体外へ漏れる量を低減する。装置本体外へ漏れる騒音量を使用する記録シートの幅サイズに応じて最小限に抑制することを可能にする。
【解決手段】 記録中の記録シートを支持するプラテン33に設けられた複数の吸引孔33aから外気を吸引して記録シートをプラテンに吸着させる吸引手段500と、記録シートを装置本体外へ排出するための排出口65と、を備えた記録装置である。かかる記録装置において、そこで、排出口を開閉する開閉手段600を具備し、開閉手段は、搬送される記録シートが複数の吸引孔を覆った後に排出口を開口する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、画像情報に基づいて記録ヘッドにより記録を行う記録装置に関し、特に、記録シートをプラテンに吸着させる吸引手段を備えた記録装置に関する。
プリンタ、複写機あるいはファクシミリ等の機能を有する記録装置は、画像情報に基づいて記録ヘッドにより記録媒体に画像を記録するように構成されている。記録ヘッドの記録方式には、インクジェット式、レーザービーム式、熱転写式、感熱式、ワイヤドット式など、種々の方式がある。また、パーソナルコンピュータやデジタルカメラからの画像情報を記録する手段としても、様々な形態の記録装置が提案されている。また、記録動作の形態には、記録シートを走査する主走査と記録シートを搬送する副走査を用いるシリアルタイプと、副走査のみで記録していくラインタイプなどがある。シリアルタイプでは、往復移動するキャリッジに記録ヘッドを搭載し、キャリッジの移動(主走査)に同期した1ラインの記録と、所定ピッチの紙送り(副走査)とを交互に繰り返すことで、記録媒体である記録シートの全領域における記録が行われる。
ところで、記録装置から発生する騒音には、装置内のファンの動作による流体音、記録シートを搬送するときの搬送音、キャリッジの駆動機構の動作音などがあり、これらの騒音を低減することを要請されている。また、記録ヘッドと記録シートとの間に所定の隙間を維持しながら記録を行う記録装置(例えばインクジェット記録装置)においては、プラテンに設けた複数の吸引孔により記録シートをプラテン面に吸着させることも行われている。この場合は、吸引孔から吸気騒音が発生することになる。従来の記録装置では、これらの騒音を低減する方法として、例えば、装置全体を外装カバーで覆うことにより周囲に漏れる騒音量を低減する方法が採られている。
しかしながら、外装カバーで覆う方法では、次のような不都合があった。すなわち、記録装置には記録した記録シートを排出するための排出口が必要であり、その部分に開口部が存在している。また、この排出口は記録シートの最大サイズに見合った寸法が必要であり、そのため、装置内部で生じた騒音エネルギーがこの開口部から漏れる割合が大きいという不都合があった。このような不都合を解消する遮音装置が特許文献1に開示されている。この遮音装置は、外装カバーに形成された排紙用開口部を開閉するための開閉部材を設け、待機状態では開閉部材を閉じ位置に保持しておき、記録動作に伴う記録シートの排出が開始されると開閉部材を開き位置に移動させるように構成されている。
特開平10−104902号公報
しかしながら、従来の遮音装置では、装置の待機状態における冷却ファンの回転により発生する風切音にだけしか考慮されていなかった。そのため、ロール紙を使用するインクジェット記録装置などにおいて記録動作の際に漏れ出る騒音や排紙口の開閉タイミングについても考慮されておらず、このような場合の騒音低減効果が不十分なものであった。ポスターやCAD図面など、B0サイズややA0サイズなどの大判の記録シートに記録ヘッドからインクを吐出して記録を行う場合、記録シートとしてロール紙から巻出される連続紙が主に使用されている。記録装置では、記録ヘッドと対向する位置で記録シートを支持するためのガイド手段であるプラテンが配設されている。積載部から給送された記録シートは搬送ローラによりプラテン上の記録開始位置へ搬送され、そこから記録ヘッドによる記録動作と搬送ローラによる紙送りを繰り返しながら記録シート全体に対する画像記録が行われる。画像を記録された記録シートは排紙口を通して装置本体外へ排出される。
このような記録装置において記録画質を良好に保つためには、プラテン上の記録シートを記録ヘッドに対して一定の位置及び姿勢に保つことを要請される。このことは、一定の距離をもって対向する記録ヘッドからインク滴を飛翔させて記録するインクジェット記録装置において特に精確さが要請される。そのためには、記録シートがプラテン上を通過する際にプラテン面から浮き上がることを防止する必要がある。また、記録ヘッドと記録シートとの距離を一定に保った状態で搬送する必要がある。記録シートとしてロール紙を使用する場合は、シート先端部のカール癖に起因して記録ヘッドと記録シートとの距離の不均一又は不安定になることを防ぐ必要がある。これに対処するための一方法として、プラテンに吸引手段を設け、記録シートを吸引してプラテン面に密着させる方法が採られている。この吸引手段は、通常、プラテン面に形成された複数の吸引孔と各吸引孔から外気を吸引するファンとで構成されている。
このように記録シートをプラテン面に吸引するために複数の吸引孔を設ける構成においては、記録シートの先端がプラテンを通過する際に記録シートによって覆われていない吸引孔が存在する。そして、かかる吸引孔を外気が通過することによる風きり音により騒音が増加するという不都合があった。また、搬送速度を落として高密度の画像を記録する低速記録モードでは、多量のインクを含んで伸びた記録シートがプラテン面から浮きあがるコックリング現象が生じる。その結果、記録シートと記録ヘッドが擦れて画質低下の原因となることがある。従来、コックリング現象による記録シートの浮きあがりを防ぐために、吸引ファンに供給する電圧を大きくして吸着力を大きくする方法が採られていた。しかし、この方法では、通常の密度で記録するときよりもファンによる騒音が大きくなるという不都合があった。
以上に説明したように、記録媒体としてロール紙を使用する大判の記録装置においては、記録動作中に記録シートをプラテン面に吸着させるための吸引動作に起因して大きな騒音が発生するという課題があった。また、記録シートを排出する開口部は使用可能な最大幅の記録シートが通過できるよう開口面積で設計されていた。従って、例えばA2幅に対応した記録装置においては、A4幅の記録シートに記録するときでもA2幅に対応した広い開口面積の開口部から排出することになる。このため、必要以上に広い開口部を開いたまま記録することになり、記録動作による大きな騒音が装置外へ漏出するという不都合があった。
本発明はこのような技術的課題に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、記録シートの先端がプラテンの吸引孔を覆っていないときに生じる風切り音により発生する騒音の装置本体外への漏出量を低減することができる記録装置を提供することである。また、本発明の目的は、最大幅の記録シートより幅の小さい記録シートに記録する際に、装置本体外へ漏出する騒音量を低減することができる記録装置を提供することである。また、本発明の目的は、高密度画像を低速記録モードで記録するときに発生する吸引ファンの騒音の装置本体外への漏出量を低減することができる記録装置を提供することである。
本発明は、画像情報に基づいて記録シートに記録する記録ヘッドと、記録シートを前記記録ヘッドと対向した位置で支持するプラテンと、前記プラテンに設けられた複数の吸引孔から外気を吸引して記録シートを該プラテンに吸着させる吸引手段と、記録シートを前記プラテンに沿って搬送するための搬送手段と、記録シートを装置本体外へ排出するための排出口と、を備えた記録装置において、前記排出口を開閉する開閉手段を具備し、前記開閉手段は、前記搬送手段により搬送される記録シートが前記複数の吸引孔を覆った後に前記排出口を開口するように制御されることを特徴とする。
本発明は、画像情報に基づいて記録シートに記録する記録ヘッドと、記録シートを前記記録ヘッドと対向した位置で支持するプラテンと、前記プラテンに設けられた複数の吸引孔から外気を吸引して記録シートを該プラテンに吸着させる吸引手段と、記録シートを前記プラテンに沿って搬送するための搬送手段と、記録シートを装置本体外へ排出するための排出口と、前記プラテンの搬送下流側に配され記録シートを前記排出口へ搬送する排紙手段と、を備えた記録装置において、前記排出口を開閉する開閉手段を具備し、前記開閉手段は、前記搬送手段により搬送される記録シートの先端が前記排紙手段に到達した後に前記排出口を開口するように制御されることを特徴とする。
本発明によれば、記録シートの先端がプラテンの吸引孔を覆っていないときに生じる風切り音により発生する騒音の装置本体外への漏出量を低減することができる記録装置が提供される。また、本発明によれば、最大幅の記録シートより幅の小さい記録シートに記録する際に、装置本体外へ漏出する騒音量を低減することができる記録装置が提供される。また、本発明によれば、高密度画像を低速記録モードで記録するときに発生する吸引ファンの騒音の装置本体外への漏出量を低減することができる記録装置が提供される。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を具体的に説明する。なお、各図面を通して同一符号は同一又は対応部分を示すものである。
〔第1の実施形態〕
図1は第1の実施形態に係る記録装置の縦断面図である。図2は第1の実施形態に係る記録装置の右前方から見た斜視図である。図3は第1の実施形態に係る記録装置の装置内構成を右前方から見た斜視図である。図4は第1の実施形態に係る記録装置の装置内構成を右後方から見た斜視図である。本実施形態は、例えば最大でA2幅のロール状の記録シート(ロール紙)に記録可能な記録装置を例示する。図1〜図4において、記録装置には、定寸にカットされた記録シート(カット紙)を給送する給紙部100と、ロール状に巻回された長尺の記録シート(ロール紙)を巻出しながら給送するロール紙給紙部200とを備えている。記録装置は上カバー2及び下カバー9からなる外装部によって覆われている。または記録装置は、各機構部も各部材の動作を制御するための制御部(不図示)及び電源部(不図示)を備えている。
各給紙部から給送された記録シートは、搬送ローラ14等で構成された搬送手段により、画像を記録する記録部300を通して搬送される。給紙部100はカセット内に積載された記録シート(カット紙)を1枚ずつ分離して給送する。給紙部200はセットされたロール状の記録シート(ロール紙)を巻出して連続紙の状態で給送する。記録部300は搬送ローラ14で搬送される記録シートに対し、記録ヘッド42により画像情報に基づいて画像を記録する。記録された記録シートは排出口65から装置本体外へ排出される。本実施形態に係る記録装置には、排出口65を開閉するための開閉手段600が設けられている。
図1〜図3において、装置本体の後部は外装部の一部を形成する後カバー3により覆われており、装置本体の下部には記録シート(カット紙)を積載状態で収納するカセット1が着脱自在に装着されている。装置の後部には、ロール紙セット部6が設けられている。装置の前部には、排出口65から排出される記録シートを保持するための排紙トレイ4が取り付けられている。セットされたロール紙5から巻出された連続紙に記録する場合は、記録した部分を切断した後に排紙トレイ4上に載置される。
ここで、記録シートの給送動作について説明する。まず、カット紙に記録するときの流れについて説明する。図1において、カセット1内に積載されたカット紙は、給送ローラ71により1枚ずつ分離されて送り出され、中間ローラ72とピンチローラ73のニップへ送り込まれる。次いで、カット紙は、中間ローラ72の回転によりUターン搬送パス74を通して中間ローラ14とピンチローラ15のニップへ送り込まれ、中間ローラ14の回転により搬送されて搬送ローラ16とピンチローラ17のニップに突き当たる。そこで、搬送ローラ16を回転させ、記録シートを記録部300の記録開始位置まで搬送する。記録ヘッド42は、記録シートの幅方向に往復移動可能なキャリッジ41に搭載されている。キャリッジ41は、キャリッジモータ(不図示)により、記録シート幅方向に延びるガイドシャフト43及びガイドレール(不図示)に沿って往復移動させられる。
そこで、キャリッジ41の移動(主走査)による1ライン分の記録と所定ピッチの搬送(副走査)を交互に繰り返しながらカット紙の全体の記録が行われる。カット紙の先端部は記録部300内をある距離だけ搬送されたところで排紙ローラ18と拍車19のニップに送り込まれ、搬送ローラ16と同期回転する排紙ローラ18によっても搬送力を付与される。搬送ローラ16及び排紙ローラ18で搬送されながら記録されたカット紙は、排紙ローラ18により排出口65から装置外へ送り出され、排紙トレイ4に載置される。
次に、ロール紙に記録するときの流れについて説明する。なお、図1中にP及びGで示す線はロール紙5から巻出された連続紙Pの搬送パスを示す。ロール紙5は、ユーザーによってロール紙セット部6にセットされる。セットされたロール紙5は、その先端が離間した中間ローラ14とピンチローラ15の間を通過するまで、ユーザーによってロール紙ガイド7を通して送り込まれる。ロール紙ガイド7には、送り込まれるロール紙先端が容易に通過するように、回転自在なガイドコロ8が複数箇所に配されている。ロール紙ガイド7の搬送下流側であって、カット紙搬送パス(Uターン搬送パス)74との合流点付近にジャムセンサ21が配されている。共通の中間ローラ14及びピンチローラ15はジャムセンサ21の搬送下流側に配されている。中間ローラ14は不図示の搬送モータにより駆動される。
ロール紙の先端部が送り込まれたことはジャムセンサ21によって検知される。ロール紙の給送が検知されると、ピンチローラ15を中間ローラ14に圧接するとともに、中間ローラ14を回転駆動することによりロール紙を搬送する。さらに、送り出されたロール紙Pは、搬送ローラ16の回転により記録開始位置まで搬送される。中間ローラ14の搬送下流側には記録シートの先端及び後端を検知するエッジセンサ22が配置されており、記録シート(カット紙も含む)が搬送されてきたことが検知される。また、中間ローラ14と搬送ローラ16との間には記録シートの幅を検知するためのシート幅センサ(不図示)も配置されている。本実施形態では、このシート幅センサによって、搬送されてきた記録シートの幅がA4幅以下、A4幅〜A3幅、A3幅〜A2幅のいずれであるかを検出する。
搬送ローラ16の搬送速度は中間ローラ14の搬送速度よりも若干大きくなるように設定されている。その理由は、中間ローラ14の搬送速度の方が大きい場合は、搬送されてくる記録シートにループが形成される。このループが大きくなるとロール紙ガイド7などに接触し、搬送ローラ16の負荷が変動して搬送量が不安定になりやすいからである。また、搬送ローラ16の搬送力は中間ローラ14の搬送力よりも大きくなるように設定されている。これにより、記録シートは中間ローラ14に対して若干滑りながら搬送ローラ16により搬送される。
記録部300においては、ロール紙5から巻出された連続紙Pに対しても、キャリッジ41に搭載された記録ヘッド42により、上述のカット紙の場合と同様の動作で記録が行われる。つまり、連続紙に対しても、キャリッジ41の移動(主走査)による1ライン分の記録と搬送ローラ16によるピッチ搬送(副走査)を交互に繰り返しながら記録シートに記録していく。記録ヘッド42と対向する位置には記録シートを支持するプラテン33が配設されている。プラテン33の搬送下流側に下流プラテン34が配されている。下流プラテン34の搬送下流側には排紙ローラ18及び拍車19を具備する排紙手段が配設されている。記録シートPは記録部300内をある距離だけ搬送されたところで排紙ローラ18と拍車19のニップでも挟持され、排紙ローラ18によっても搬送力を付与されながら搬送される。そして、連続紙の場合は、画像を記録されながら、排紙ローラ18を通して排出口65から装置本体外へ送り出される。1頁分の領域の画像記録を終了した連続紙は、プラテン33と排紙ローラ18との間に配されたカッター(不図示)によって切断される。切断された記録シートは排紙トレイ4上に載置される。継続して記録する場合は、搬送ローラ16等の搬送手段を逆方向に駆動し、その先端部が記録開始位置にくるまで逆搬送する。そこから、同様にして次の記録を開始する。
記録部300についてさらに説明する。本実施形態に係る記録装置はインクジェット記録装置であり、画像情報に基づいて記録ヘッドから記録シートへインクを吐出して記録するように構成されている。記録ヘッド42は交換可能なカートリッジで構成されている。記録ヘッド42の記録シートと対向する吐出面には、それぞれ異なるインクを吐出する複数の吐出口列が形成されている。各吐出口列は、複数の微細な吐出口を1列に配列して構成されている。また、記録ヘッド42は、各吐出口内に設けられた電気熱変換素子を画像情報に基づいて選択的に駆動し、発熱によってインク中に生じた膜沸騰の圧力によって吐出口よりインクを吐出するものである。
記録ヘッド42を搭載したキャリッジ41はガイドシャフト43及びガイドレール(不図示)に沿って矢印H方向に往復移動可能に案内支持されている。キャリッジ41の往復移動は、不図示のキャリッジモータにより、プーリ45を回って張架されたタイミングベルト46を介して行われる。記録ヘッド42の吐出面と対向する位置には、記録される記録シートを案内支持するためのプラテン33が配置されている。プラテン33及び下流プラテン34からなるガイド手段の搬送下流側には、搬送ローラ16と同期駆動される排紙ローラ18が配置されている。排紙ローラ18には拍車19が従動回転可能に押圧され、搬送力を付与している。本実施形態では、記録動作中の記録シートの搬送及び排出は搬送モータ(不図示)により同期駆動される中間ローラ14、搬送ローラ16及び排紙ローラ18を備えた搬送手段により行われる。なお、排紙ローラ18はプラテン33の搬送下流側に配された排紙手段を構成しており、従って、排紙手段は搬送手段の一部で構成されている。
装置本体の電気回路から記録ヘッド42への信号の送信及び電力の供給は、フレキシブルケーブル47によって行われる。フレキシブルケーブル47の一端はキャリッジ41上の基板に接続されており、記録ヘッド42はこの基板に電気的に接続されている。キャリッジ41にはエンコーダセンサ48が取り付けられ、装置本体側にはスケール49が張設されている。エンコーダセンサ48でスケール49を読み取ることにより、記録ヘッド42の主走査方向の位置及び速度が検出される。
キャリッジ41の移動範囲内であって記録領域を外れた所定位置(通常、キャリッジのホームポジション)には、記録ヘッド42のインク吐出性能を維持回復するための回復機構部(不図示)が配設されている。この回復機構部には、記録ヘッド42の吐出口を覆うことでインクの蒸発やゴミの付着などを防止するキャップが設けられている。このキャップは、吐出口から排出されるインクを受けるためにも使用される。また、キャップには、該キャップ内に負圧を作用させるための吸引ポンプ等の負圧発生手段が接続されている。吐出口をキャップで密閉した状態で負圧発生手段を作動させることにより、吐出口からインクを吸引し、吐出口内のインクをリフレッシュさせる吸引回復処理が行われる。さらに、この回復機構部には、記録ヘッドの吐出面に付着したインクやほこり等をワイパーで拭き取り除去するためのワイピング手段が設けられている。
排紙ローラ18に押圧される拍車19は、記録シートの記録面と円周上の突起部のみで接触する撥水性の高い材料で作られ、記録直後の未定着画像に接触しても画質に影響を与えない構造になっている。本実施形態では、主走査方向の所定間隔ごとに複数個の拍車が配置されている。記録シートを記録ヘッド42と対向する位置で案内支持するプラテン33には、搬送される記録シートPをプラテン面に吸着させることで記録ヘッド42に対する記録面の位置を規制するための吸引手段500が設けられている。
次に吸引手段500について説明する。図1〜図4において、吸引手段500は、プラテン33、下流プラテン34、吸引ダクト50及び吸引ファン52を備えている。吸引ダクト50はプラテン33の下側に位置決め固定されており、吸引ダクト50の上部には吸引用開口が形成されている。プラテン33の上面(プラテン面)には所定配列をなして複数の吸引孔が形成されており、吸引ダクト50の上記吸引用開口は、複数の吸引孔33aと対応する位置に形成されており、全ての吸引孔33aをカバーする広さを有する。吸引ダクト50の下部には吸引ファン52が取り付けられている。吸引ダクト50の下部の吸引ファン52の吸引口に対応する位置には開口部50c(図1)が形成されている。
吸引手段500は次のように動作する。記録シートがプラテン33上に搬送されてきたとき、吸引ファン52を作動させることにより、吸引ダクト50を通してプラテン33の各吸引孔33aから外気(空気)を吸引する。各吸引孔33aから吸引された外気は吸引ファン52の排気口52aから排出される。このような吸引動作により記録シートはプラテン33に吸着される。プラテン33に吸着された記録シートは、搬送ローラ16等の搬送手段により、プラテンに沿って搬送される。インクジェット記録装置では、高密度画像を形成する低速記録モードにおいては、打込みインク量が多量になり、記録シートが伸びることになる。この記録シートの伸びにより、記録シートがプラテン33面から浮き上がるコックリング現象が発生し、記録シートが記録ヘッドと擦れて記録画質の劣化などの不都合を生じることがある。
このような記録シートの伸びに起因する不都合を解消するために、記録シートの先端がプラテン33上に位置しているときに吸引ファン52への供給電圧を高くして吸引手段500の吸引力を高めることが行われている。これは、高密度画像を記録する低速記録モードなどで、記録シートをプラテンに吸着させる吸着力を強くするためである。プラテン33の搬送下流側には、排紙ローラ18及び拍車19からなる排紙手段(搬送手段の一部)が配されている。この排紙手段は、記録シートを排出口65へ搬送するとともに、排出口65から装置本体外へ排出する。本実施形態では、記録されて搬送されてくる記録シートが排紙ローラ18と拍車19のニップに挟持された後では、記録シートが搬送ローラ16及び排紙ローラ18の両ローラによりで挟持搬送されるため、記録シートの浮きが小さくなる。このため、本実施形態では、記録シートの先端が排紙手段18、19に到達した後では、記録シートをプラテンに吸着させる吸着力を弱くしている。これは、記録シートの先端がプラテン33上にあるときの上記高電圧に比べ、吸引ファン52への供給電圧を低下させて吸引手段500の吸引力を低下させることにより行われる。
図5は記録シートを装置本体外へ排出するための排出口65を開閉する開閉手段600の正面図であり、(a)は開閉部材60が上部に位置するときを示し、(b)は開閉部材60が下部に位置するときを示す。図1及び図5において、開閉手段600は、開閉部材60、駆動プーリ61、開閉ベルト62、従動プーリ63、案内部材64及び開閉モータ(不図示)を備えている。駆動プーリ61と従動プーリ62との間に歯付きタイミングベルトからなる開閉ベルト62が張架されており、駆動プーリ61は不図示の開閉モータにより回転駆動可能である。開閉部材60は、突起部60aを介して開閉ベルト62の一部に連結されている。また、開閉部材60は、上下方向に立設された丸軸からなる案内部材64に沿って上下に移動可能である。開閉部材60は、開閉モータで駆動プーリ61を矢印K方向に回転させると、開閉ベルト62と共に下方へ移動する。また、開閉モータの逆方向の駆動により駆動プーリ61を矢印Kと逆方向に回転させると、下降した開閉部材60を上昇させることができる。
開閉手段600は、記録シートを排出するための排出口65を開閉するとともに排出口65の開口面積を変更するように構成されている。つまり、開閉手段600は、排出口65の開口面積を変更する開口面積変更機構を具備している。以下に、開口面積変更機構について説明する。開閉部材60の下辺には、幅が異なる複数の切欠きが段階状に形成されている。図示の例では、図示左端部までの幅(全幅)がQである開閉部材60の下辺に、幅Nの第1の切欠きと幅Mの第2の切欠きが形成されている。本実施形態では、第1の切欠きの幅NはA3サイズのシート幅に対応した長さであり、第2の切欠きの幅MはA4サイズのシート幅に対応した長さである。また、開閉部材60の図示左端部までの幅Qは記録装置で使用可能な最大サイズであるA2サイズのシート幅に対応している。そして、排出口65は、最大サイズA2のシート幅Qと略同じ幅寸法(以下では幅Qで示す)の開口で形成されている。
図6は開閉手段600の構成及び動作を示す正面図である。図6において、(a)は開閉部材60が排出口65より上昇位置にあって開口幅(開口面積)が最大のQである状態を示す。(b)は(a)から開閉部材60を下降させることにより排出口65の一部を閉じて開口幅をA3サイズ対応のNにしたときの状態を示す。(c)は(b)から開閉部材を下降させて開口幅をA4サイズ対応のMにしたときの状態を示す。(d)は(c)から開閉部材を下降させて排出口65を閉じたときの状態を示す。このように、本実施形態では、排出口65の幅Qは使用可能な最大サイズA2の幅に対応しており、開閉部材60を下方へ移動させていくに従って、排出口65の開口幅が徐々に狭くなっていき、最終的に閉じるように構成されている。なお、排出口65は、上カバー2と下カバー9との間の合わせ目に形成されている。
開閉部材60の移動量(上下位置)は使用する記録シートの幅に応じて制御され、これにより、排出口65の開口幅(幅が零の閉じ状態を含む)が制御される。A2サイズを使用するときは開閉部材60を上部に移動させる。そして、A3サイズを使用するときは切欠き幅Nが排出口65の位置にくるまで移動させ、A4サイズを使用するときは切欠き幅Mが排出口65の位置にくるまで移動させる。記録シートを排出しないときは、開閉部材60を下方へ移動させて排出口65を塞いでしまう。このように使用される記録シートの幅に対応するように排出口65の開口面積を変更することにより、装置内部の騒音が外部に漏れ出る量を低減することができる。また、記録シートを排出しないときは排出口65を全て塞ぐことにより、装置内部から漏れ出る騒音をさらに低減することができる。
上述の開閉手段600の動作を制御するための制御部は、記録装置全体を制御するためのメイン制御部の一部として設けられている。メイン制御部には、マイクロプロセッサなどのCPU、CPUの制御プログラムや各種データを記録しているROM、並びに、CPUのワークエリアとして使用されるとともに各種データを一時的に保存するためのRAMなどが設けられている。キャリッジモータ(不図示)、搬送モータ(不図示)、吸引ファン52及び開閉モータ(不図示)などの各モータの駆動回路、並びに各種センサはメイン制御部に接続されている。この各種センサの一部として、記録シートの前後端を検知するエッジセンサ22(図1)、キャリッジ41の位置を検知するエンコーダセンサ48(図1)、記録シートの幅を検出するシート幅検出手段としてのシート幅センサ(不図示)などが設けられている。上記の各モータは、それぞれ制御部からの命令に従って駆動される。
図7は高速記録モードにおける排出口の開閉動作のシーケンスを示す図であり、図8は低速記録モードにおける排出口の開閉動作のシーケンスを示す図である。 図7及び図8において、矢印Rは記録シートの搬送方向を示す。先ず、図1及び図7を用いて、A2幅のロール紙に高速で低密度画像を記録するときの開閉部材60の開閉動作について説明する。図7(a)は記録シートが搬送手段である搬送ローラ16で挟持され、吸引ファン52の駆動を開始したときの状態を示す。図7(b)はプラテン上を搬送されていく記録シートの先端部により吸引孔33aが搬送上流から順に覆われていく状態を示す。図7(c)は記録シートにより複数の吸引孔の全てが覆われた後に排出口65が開口されるときの状態を示す。
図1及び図7において、使用者がロール紙5をセットしその先端部をロール紙ガイド7に沿って送り込んでいく。ジャムセンサ21でロール紙先端を検知すると、搬送モータ16の駆動により中間ローラ14及び搬送ローラ16が回転駆動される。さらに送り込むとロール紙先端が中間ローラ14とピンチローラ15により挟持され、ロール紙は搬送下流側へ搬送されていく。このとき、中間ローラ14と搬送ローラ16の間に配されたシート幅センサ(不図示)によってロール紙5の幅を検出する。A2幅を使用する場合は、A3幅より大きくA2幅より小さいことが検出される。そして、搬送ローラ16とピンチローラ17で挟持されると、搬送モータの駆動を停止して待機状態に移行する。このとき、開閉部材60は図6(d)及び図7(a)に示すような閉じた状態にある。
次いで、記録装置に接続されたコンピュータ等からA2幅の記録シートに記録する旨の指令がくると、制御部であるCPUは搬送モータ16及び吸引ファン52の駆動を開始する。搬送モータの駆動により、中間ローラ14、搬送ローラ16及び排紙ローラ18が回転を開始する。すると、記録シート(ロール紙)Pの先端が搬送ローラ16によってガイド手段であるプラテン33上へ搬送される。そして、記録シートPの先端がプラテン33上を搬送されていくことで、図7(b)に示すように、プラテン面に配列された複数の吸引孔33aは該記録シートによって搬送上流側から順に覆われていく。全ての吸引孔33aが覆われた後、不図示の開閉モータを作動させて開閉部材60を上方へ移動させる。
次いで、記録シートPが記録開始位置まで搬送されると、搬送モータを停止して記録シートの搬送を停止させる。そこで、キャリッジモータを駆動してキャリッジ41及び記録ヘッド42を主走査方向移動させ、この移動に同期して記録ヘッド42を画像情報に基づいて駆動する。これにより、記録シートP上に1ライン分の記録が行われる。インクジェット記録装置の場合、記録ヘッドの吐出面に配された吐出口からインクを吐出することにより記録が行われる。1ライン分の記録が終了すると、再度搬送モータを作動させて搬送ローラ16を所定量だけ回転させ、記録シートPを所定ピッチだけ搬送する。所定ピッチだけ搬送したところで搬送モータを停止し、キャリッジ41を移動させながら次の1ライン分の記録を行う。このような1ライン分の記録と所定ピッチの搬送とを交互に繰り返すことにより、記録シートに画像を記録していく。
画像記録中でも開閉部材60の開閉移動を続けることができる。本実施形態では、搬送手段(搬送ローラ)16により搬送される記録シートPが複数の吸引孔33aの全てを覆った後に排出口65を開口させるように制御される。そして、排出口65の開口面積がシート幅センサ(不図示)により検出されたシート幅に対応した大きさになったところで、開閉モータを停止させる。ここでは、図6(a)及び図7(c)に示すように排出口65が開放されてA2幅に対応した広さになったところで開閉部材60が停止する。1ページ分の画像情報を記録した後、搬送ローラ16をさらに回転させて記録シートPの画像記録された箇所を排出口65から装置本体外へ送り出す。その後、排紙ローラ18と排出口65との間に配された不図示のカッターにより記録シート(ロール紙)を幅方向に切断する。切断された画像記録された側の記録シートは、装置本体外へ排出される。
ロール紙Pを切断した後、開閉モータ(不図示)を逆方向に作動させて開閉部材60を下方へ移動させて排出口65を閉じる。そして、搬送モータ(不図示)を記録動作時と逆方向に回転させる駆動を開始し、搬送ローラ16、排紙ローラ18及び中間ローラ14を逆方向に回転させる。これにより切断された後のロール紙5を搬送上流方向へ逆搬送し、シート先端部が搬送ローラ16とピンチローラ17に挟持される位置まで戻されたところで搬送モータ(不図示)を停止し、再び図7(a)の待機状態にする。
以上の低密度画像を記録するための高速記録モードにおけるシーケンスは、使用する記録シートPがA2幅である場合を例に挙げて説明したが、A3幅やA4幅の記録シートに高速記録モードで記録する場合もほぼ同様である。この場合は、開閉部材60を移動させて排出口65の開口面積(開口幅)を変えるときの開閉部材の停止位置のみが異なる。すなわち、A3幅に記録するときは、不図示のシート幅センサにより、使用されている記録シートの幅がA3幅(A4幅より大かつA3幅以下)であることが検出される。その検出結果に基づいて、排出口65が図6(b)に示すようなA3幅に対応する位置になるように開閉部材60を移動させる。また、A4幅に記録するときは、不図示のシート幅センサにより、使用されている記録シートの幅がA4幅(A4幅以下)であることが検出される。その検出結果に基づいて、排出口65が図6(c)に示すようなA4幅に対応する位置になるように開閉部材60を移動させる。
以上説明したように、低密度画像を記録する高速記録モードでは、排出口65を開閉するための開閉手段600は、搬送ローラ16等の搬送手段により搬送される記録シートPが複数の吸引孔33aを覆った後に排出口を開口するように制御される。このため、プラテン33上の吸引孔33aがシート先端で覆われていないときに生じる風切り音の発生を低減または防止することができ、風切り音による騒音の装置外への漏れ量を低減または無くすことができる。また、使用する記録シートの幅に対応した大きさの開口面積だけ排出口65を開口させるので、装置外に漏れ出る騒音の量を有効に低減することができる。
次に、図1及び図8を用いて、A2幅のロール紙に低速で高密度画像を記録するときの開閉部材60の開閉動作について説明する。低速記録モードでは、前述の高速記録モードに比べ、画像インクを含んだ記録シートがプラテン33上で浮き上がったり波打ったりするコックリング現象が生じやすくなる。本実施形態では、コックリング現象により記録シートPが記録ヘッド42と擦れることを防止するため、吸引手段500による記録シートの吸着力を大きくするように構成されている。つまり、記録シートがプラテン33上にあり、かつシート先端が未だ排紙ローラ18に到達していないときに、吸引ファン52への供給電圧を大きく設定することにより、プラテン吸引により記録シートをプラテン面に吸着させる力を大きくしている。また、シート先端が排紙ローラ18と拍車19に挟持された後では、記録シートの浮きが小さくなるため、吸引ファン52への供給電圧を低く設定している。
図1及び図8を用いて、まず、低速で高密度画像を記録する低速記録モードでA2幅のロール紙に記録するときの開閉部材60の開閉動作について説明する。図8(a)は記録シートの先端部が搬送ローラ16からなる搬送手段録で挟持され、吸引ファン52の駆動を開始したときの状態を示す。図8(b)は記録シートにより複数の吸引孔33aが順に覆われ、吸引ファン52の供給電圧を増大させて記録シートを強い吸引力でプラテン33に吸着させている状態を示す。図8(c)は記録シートの先端が排紙ローラ18で挟持されて吸引ファン52への供給電圧を低くし、開閉部材60の移動を開始するときの状態を示す。図8(d)は開閉部材60を上方へ移動させて排出口65を開口させたときの状態を示す。
図1及び図8において、使用者がロール紙5をセットしその先端部をロール紙ガイド7に沿って送り込んでいく。ジャムセンサ21でロール紙先端を検知すると、搬送モータ16の駆動により中間ローラ14及び搬送ローラ16が回転駆動される。さらに送り込むとロール紙先端が中間ローラ14とピンチローラ15によりロール紙は搬送下流側へ搬送されていく。このとき、中間ローラ14と搬送ローラ16の間に配されたシート幅センサ(不図示)によって記録シート8(ロール紙5)の幅を検出する。A2幅の場合は、A3幅より大きくA2幅より小さいことが検出される。そして、搬送ローラ16とピンチローラ17で挟持されると、搬送モータの駆動を停止して待機状態に移行する。このとき、開閉部材60は図6(d)及び図8(a)に示すような閉じ状態にある。
次いで、記録装置に接続されたコンピュータ等からA2幅の記録シートに記録する旨の指令がくると、制御部であるCPUは搬送モータ16及び吸引ファン52の駆動を開始する。このときの吸引ファン52への供給電圧は高速記録モードの際よりも大きな電圧に設定されている。搬送モータの駆動により、中間ローラ14、搬送ローラ16及び排紙ローラ18が回転を開始する。すると、記録シートPの先端が搬送ローラ16によってガイド手段であるプラテン33上へ搬送される。そして、記録シートPの先端がプラテン33上を搬送されていくことで、図8(b)に示すように、プラテン面に配列された複数の吸引孔33aは該記録シートによって搬送上流側から順に覆われていく。
記録シートが画像形成位置まで搬送されると、搬送モータを停止して記録シートの搬送を停止させる。そこで、キャリッジモータを駆動してキャリッジ41及び記録ヘッド42を主走査方向移動させ、この移動に同期して記録ヘッド42を画像情報に基づいて駆動する。これにより、記録シートに1ライン分の記録が行われる。インクジェット記録装置では、記録ヘッドの吐出面に配列された吐出口からインクを吐出することにより記録が行われる。1ライン分の記録が終了すると、再度搬送モータを駆動して搬送ローラ16を所定量だけ回転させ、記録シートを所定ピッチだけ搬送する。所定ピッチだけ搬送したところで搬送モータを停止し、キャリッジを移動させながら次の1ライン分の記録を行う。このような1ライン分の記録と所定ピッチの搬送とを交互に繰り返すことにより、記録シートに画像を記録していく。記録シートの先端が排紙ローラ18と拍車19に挟持された後、吸引ファン52の供給電圧を低くする。そして、開閉部材60を上方へ移動させて排出口65を開口させ、図6(a)及び図8(d)に示すような開放状態にする。
画像記録中でも開閉部材60の開閉移動を続けることができる。排出口65の開口面積がシート幅センサ(不図示)により検出されたシート幅に対応した大きさになったところで、開閉部材60を停止させる。ここでは、図6(a)及び図8(d)に示すように排出口65が開放さてA2幅に対応した広さになったところで開閉モータが停止する。1ページ分の画像情報を記録した後、搬送ローラ16及び排紙ローラ18をさらに回転させて記録シート(ロール紙)Pの画像記録された箇所を排出口65から装置本体外へ送り出す。その後、排紙ローラ18と排出口65との間に配された不図示のカッターにより記録シートを幅方向に切断する。切断された画像記録された側の記録シートは、装置本体外へ排出される。ロール紙Pを切断した後、開閉モータ(不図示)を逆方向に作動させて開閉部材60を下方へ移動させて排出口65を閉じる。そして、搬送モータ(不図示)を記録動作時と逆方向に回転させる駆動を開始し、搬送ローラ16、排紙ローラ18及び中間ローラ14を逆方向に回転させる。これにより切断された後のロール紙5を搬送上流方向へ逆搬送し、シート先端部が搬送ローラ16とピンチローラ17に挟持される位置まで戻されたところで搬送モータ(不図示)を停止し、再び図8(a)の待機状態にする。
以上の高密度画像を記録するための低速記録モードにおけるシーケンスは、使用する記録シートPがA2幅である場合を例に挙げて説明したが、A3幅やA4幅の記録シートに低速記録モードで記録する場合もほぼ同様である。この場合は、開閉部材60を移動させて排出口65の開口面積(開口幅)を変えるときの開閉部材の停止位置のみが異なる。すなわち、A3幅に記録するときは、不図示のシート幅センサにより、使用されている記録シートの幅がA3幅(A4幅より大かつA3幅以下)であることが検出される。その検出結果に基づいて、排出口65が図6(b)に示すようなA3幅に対応する位置になるように開閉部材60を移動させる。また、A4幅に記録するときは、不図示のシート幅センサにより、使用されている記録シートの幅がA4幅(A4幅以下)であることが検出される。その検出結果に基づいて、排出口65が図6(c)に示すようなA4幅に対応する位置になるように開閉部材60を移動させる。
以上説明したように、高密度画像を記録する低速記録モードでは、排出口65を開閉するための開閉手段600は次のように制御される。つまり、搬送ローラ16からなる搬送手段により搬送される記録シートPの先端が排紙ローラ18からなる排紙手段に到達した後に排出口65を開口するように制御される。このため、プラテン33上の吸引孔33aがシート先端で覆われていないときに生じる風切り音の発生を低減または防止することができ、風切り音による騒音の装置外への漏れ量を低減または無くすことができる。また、記録シートの先端が排紙ローラ18と拍車19に挟持され、吸引ファン52への供給電圧を低く設定した後に排出口65を開口させるので、吸引ファン52への供給電圧増加による騒音の漏れ量も低減させることができる。さらに、使用する記録シートの幅に対応した大きさの開口面積だけ排出口65を開口させるので、装置外に漏れ出る騒音の量を有効に低減することができる。
以上説明した第1の実施形態によれば、シート幅センサにより検出された記録シートの幅に対応して開閉部材60を移動させることにより、排出口65を記録シートの幅に対応した広さだけ開口するように構成されている。つまり、記録シートを装置本体外へ排出する排出口65を開閉するための開閉手段600に、排出口65の開口面積を記録シートの幅に対応した広さに規制するための開口面積変更機構が設けられている。また、記録シートの排出に支障を来さない範囲で排出口65を閉じておくように構成されている。このような構成によれば、排出口を無駄に開いたままにすることを無くし、それにより、装置内から装置外へ漏れ出る騒音の量を効果的に低減することができる。
また、プラテン33の吸引孔33aが開放されているときには排出口65が開閉部材60により覆われており、吸引孔33aがシート先端によって覆われた後では開閉部材60が移動して排出口が開放される。これにより、プラテンの吸引孔33aがシート先端で覆われていないときに生じる風切り音による騒音が装置本体外へ漏れる量を効果的に低減させることができる。さらに、低速記録モードで高密度画像を記録する場合に、記録シートの先端部が排紙ローラ18と拍車19に挟持されて吸引ファン52への供給電圧を低く設定した後に排出口65を開く構成となっている。このため、吸引ファン52への供給電圧を増加してコックリッグを防止する構成においても、騒音の発生及び騒音の漏れ量を低減させることができる。
なお、本実施形態では、記録シートの幅に応じて排出口65の開口面積(開口幅)を3段階に変更する場合を例示したが、これは、開閉部材60の形状を選定することにより2段階もしくは4段階以上に変更できるように構成しても良い。また、シート幅センサにおいて検出できるシート幅の種類数についても、使用する記録シートの種類等に応じて適宜の数の段階に設定することができる。
〔第2の実施形態〕
図9は第2の実施形態に係る記録装置を右前方から見た斜視図である。第1の実施形態では、シート幅検出手段としてのシート幅センサにより検出されたシート幅に応じて排出口65の開口面積を変更するように構成した。これに対し、本実施形態では、入力手段により与えられた記録シートの幅データを受信するデータ制御手段を具備している。そして、開口面積変更手段は、入力手段により与えられた記録シートの幅データに基づいて排出口65の開口面積を変更するように制御される。図9において、記録装置の外装部には操作部800が設けられている。操作部800は、情報を表示する液晶表示部と、記録シートの種類やサイズなどを入力するための操作ボタンとを具備している。また、操作部800は、記録装置のメイン制御部と接続されている。
ユーザーは、記録シートをセットすると、該記録シートの種類やシート幅(サイズ)を入力する。入力手段により入力された情報(データ)はメイン制御部を通してRAMに格納される。記録された記録シートを装置本体外へ排出するときの排出口65の開閉動作のシーケンスは第1の実施形態とほぼ同じである。本実施形態は、第1の実施形態と比べ、開閉部材60を移動させて排出口65の開口面積を変更するときのシート幅の認識手段だけが異なっている。ユーザーは操作部800からシート幅の情報を入力する。入力されてRAMに格納されたシート幅のデータに基づいて開閉モータ(不図示)を作動させ、排出口65の開口面積(開口幅)がシート幅と対応するように開閉部材60を移動させる。本実施形態は、以上の点で前述の第1の実施形態と相違し、その他の点では前述の第1の実施形態と同じ構成を有する。
以上説明したように、本実施形態では、ユーザーが記録シートのシート幅情報を操作部800を通じて入力する場合を示した。しかし、本実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、記録装置に接続されたコンピュータなどの外部入力装置から入力されたシート幅データに基づいて、排出口65の開口面積がシート幅に対応するように、開閉モータ(不図示)の駆動により開閉部材60を移動させるように制御しても良い。従って、図9の第2の実施形態によっても、前述の第1の実施形態の場合と同様の作用効果を奏することができる。
なお、以上の実施形態では、インクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置を例に挙げて説明した。本発明は、熱転写方式、感熱式、レーザービーム式、ワイヤードット式など、他の記録方式の画像形成装置にも同様に適用可能である。また、以上の実施形態では、キャリッジとともに主走査移動する記録ヘッドを用いるシリアルタイプの記録装置を例に挙げて説明した。本発明は、これに限定されることなく、シート幅方向に長い記録ヘッドを用いて記録シートの搬送(副走査)のみで記録するラインタイプの記録装置に対しても同様に適用可能である。また、本発明は、プリンタ、ファクシミリ、複写機等の単体の画像形成装置の他、複合機器やシステム構成などにおける画像形成装置に対しても同様に適用可能である。
第1の実施形態に係る記録装置の縦断面図である。 第1の実施形態に係る記録装置の右前方から見た斜視図である。 第1の実施形態に係る記録装置の装置内構成を右前方から見た斜視図である。 第1の実施形態に係る記録装置の装置内構成を右後方から見た斜視図である。 記録シートの排出口を開閉する開閉手段0の正面図であり、(a)は開閉部材60が上部に位置するときを示し、(b)は開閉部材60が下部に位置するときを示す。 開閉手段の構成及び動作を示す正面図である。(a)は排出口の開口幅が最大である状態を示す。(b)は排出口の一部を閉じて開口幅をA3サイズ対応にしたときの状態を示す。(c)は排出口の開口幅をA4サイズ対応にしたときの状態を示す。(d)は開閉部材を下降させて排出口を閉じたときの状態を示す。 低密度画像を高速で記録する高速記録モードにおける排出口の開閉動作のシーケンスを示す図である。(a)は記録シートが搬送ローラで挟持され、吸引ファンの駆動を開始したときの状態を示す。(b)は記録シートの先端部によりプラテンの吸引孔が順に覆われていく状態を示す。(c)は記録シートにより全ての吸引孔が覆われた後に排出口が開口されるときの状態を示す。 高密度画像を低速で記録する低速記録モードにおける排出口の開閉動作のシーケンスを示す図である。(a)は記録シートの先端部が搬送ローラで挟持され、吸引ファンの駆動を開始したときの状態を示す。(b)は記録シートにより吸引孔が順に覆われ、吸引ファンの供給電圧を増大させて記録シートを強い吸引力でプラテンに吸着させる状態を示す。(c)は記録シートの先端が排紙ローラで挟持されて吸引ファンへの供給電圧を低くし、開閉部材の移動を開始するときの状態を示す。(d)は開閉部材を上方へ移動させて排出口を開口させたときの状態を示す。 第2の実施形態に係る記録装置を右前方から見た斜視図である。
符号の説明
5 ロール紙
16 搬送ローラ(搬送手段)
18 排紙ローラ(排紙手段)
33 プラテン(ガイド手段)
33a 吸引孔
41 キャリッジ
42 記録ヘッド
50 吸引ダクト
52 吸引ファン
60 開閉部材
65 排出口
80 操作部
500 吸引手段
600 開閉手段
P 記録シート

Claims (6)

  1. 画像情報に基づいて記録シートに記録する記録ヘッドと、記録シートを前記記録ヘッドと対向した位置で支持するプラテンと、前記プラテンに設けられた複数の吸引孔から外気を吸引して記録シートを該プラテンに吸着させる吸引手段と、記録シートを前記プラテンに沿って搬送するための搬送手段と、記録シートを装置本体外へ排出するための排出口と、を備えた記録装置において、
    前記排出口を開閉する開閉手段を具備し、
    前記開閉手段は、前記搬送手段により搬送される記録シートが前記複数の吸引孔を覆った後に前記排出口を開口するように制御されることを特徴とする記録装置。
  2. 画像情報に基づいて記録シートに記録する記録ヘッドと、記録シートを前記記録ヘッドと対向した位置で支持するプラテンと、前記プラテンに設けられた複数の吸引孔から外気を吸引して記録シートを該プラテンに吸着させる吸引手段と、記録シートを前記プラテンに沿って搬送するための搬送手段と、記録シートを装置本体外へ排出するための排出口と、前記プラテンの搬送下流側に配され記録シートを前記排出口へ搬送する排紙手段と、を備えた記録装置において、
    前記排出口を開閉する開閉手段を具備し、
    前記開閉手段は、前記搬送手段により搬送される記録シートの先端が前記排紙手段に到達した後に前記排出口を開口するように制御されることを特徴とする記録装置。
  3. 前記開閉手段は、前記排出口の開口面積を変更する開口面積変更機構を具備することを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。
  4. 記録シートの幅を検出するシート幅検出手段を有し、前記開口面積変更手段は、前記シート幅検出手段により検出された記録シートの幅に対応して前記排出口の開口面積を変更することを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
  5. 入力手段により与えられた記録シートの幅データを受信するデータ制御手段を具備し、前記開口面積変更手段は、前記入力手段により与えられた記録シートの幅データに基づいて前記排出口の開口面積を変更するように制御されることを特徴とする請求項3に記載の記録装置
  6. 前記搬送手段は前記プラテンの搬送上流側に配された搬送ローラと該プラテンの搬送下流側に配された排紙ローラとを具備し、記録シートの先端が前記プラテン上に位置しているときは前記吸引手段の吸引力を強くし、記録シートの先端が前記排紙ローラに到達した後では前記吸引手段の吸引力を低下させることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の記録装置。
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CN102765263A (zh) * 2012-07-11 2012-11-07 杭州大正恒科技有限责任公司 一种打印机装置

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