JP6928889B2 - 搬送装置及び印刷装置 - Google Patents
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Description
図1は、本実施形態におけるインクジェット記録装置の概略構成を示す模式図である。
本実施形態のインクジェット記録装置1は、主に、給紙部100、画像形成部200、乾燥部300、排紙部400から構成されている。インクジェット記録装置1においては、給紙部100から給紙されるシート材としての記録材である用紙Pに対し、画像形成部200で画像形成用の液体であるインクにより画像を形成する。そして、用紙上に付着したインクを乾燥部300において乾燥させた後、用紙を排紙部400から排紙する。
給紙部100は、主に、複数の用紙Pが積載される給紙トレイ110と、給紙トレイ110から用紙を1枚ずつ分離して送り出す給送装置120と、用紙を画像形成部200へ送り込むレジストローラ対130とから構成されている。給送装置120には、ローラやコロを用いた装置や、エア吸引を利用した装置など、あらゆる給送装置を用いることが可能である。給送装置120により給紙トレイ110から送り出された用紙は、その先端がレジストローラ対130に到達した後、レジストローラ対130が所定のタイミングで駆動することにより、画像形成部200へ給紙される。なお、本実施形態において、給紙部100は、画像形成部200へ用紙Pを送り出すものであれば、その構成に制限はない。
画像形成部200は、主に、給紙された用紙Pを受け取る受け取り胴201と、受け取り胴201によって搬送された用紙Pを外周面に担持して搬送する用紙担持ドラム210と、用紙担持ドラム210に担持された用紙Pに向けてインクを吐出するインク吐出部220と、用紙担持ドラム210によって搬送された用紙Pを乾燥部300へ受け渡す受け渡し胴202とから構成されている。
乾燥部300は、主に、画像形成部200で用紙P上に付着したインクを乾燥させるための乾燥機構301と、画像形成部200から搬送されてくる用紙Pを搬送する搬送機構302とから構成されている。画像形成部200から搬送されてきた用紙Pは、搬送機構302に受け取られた後、乾燥機構301を通過するように搬送され、排紙部400へ受け渡される。乾燥機構301を通過する際、用紙P上のインクには乾燥処理が施され、これによりインク中の水分等の液分が蒸発し、用紙P上にインクが固着するとともに、用紙Pのカールが抑制される。
排紙部400は、主に、複数の用紙Pが積載される排紙トレイ410から構成されている。乾燥部300から搬送されてくる用紙Pは、排紙トレイ410上に順次積み重ねられて保持される。なお、本実施形態において、排紙部400は、用紙Pを排紙するものであれば、その構成に制限はない。
本実施形態のインクジェット記録装置1は、給紙部100、画像形成部200、乾燥部300、排紙部400から構成されているが、他の機能部を適宜追加してもよい。例えば、給紙部100と画像形成部200との間に画像形成の前処理を行う前処理部を追加したり、乾燥部300と排紙部400との間に画像形成の後処理を行う後処理部を追加したりすることができる。
また、「液体」は、ヘッドから吐出可能な粘度や表面張力を有するものであればよく、特に限定されないが、常温、常圧下において、または加熱、冷却により粘度が30mPa・s以下となるものであることが好ましい。より具体的には、水や有機溶媒等の溶媒、染料や顔料等の着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料、DNA、アミノ酸やたんぱく質、カルシウム等の生体適合材料、天然色素等の可食材料、などを含む溶液、懸濁液、エマルジョンなどであり、これらは例えば、インクジェット用インク、表面処理液等の用途で用いることができる。
また、「印刷装置」は、液体吐出ヘッドとシート材とが相対的に移動する装置があるが、これに限定するものではない。具体例としては、液体吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、液体吐出ヘッドを移動させないライン型装置などが含まれる。
次に、本実施形態における乾燥部300の詳細について説明する。
図2は、本実施形態における乾燥部300を示す正面図である。
図3は、本実施形態における乾燥部300を用紙搬送方向に対して直交する面で切断したときの断面図である。
本実施形態の搬送機構302は、主に、ベルト搬送機構320と、用紙押さえ機構330とから構成されている。ベルト搬送機構320は、2つの支持ローラ322,323に掛け渡された無端状の搬送ベルト321A,321Bの表面上に用紙Pの幅方向各端部領域P2を担持して、搬送ベルト321A,321Bの表面移動に伴って用紙Pを搬送する。用紙押さえ機構330は、搬送ベルト321A,321Bの表面上に担持された用紙Pを搬送ベルト321A,321Bの表面に向けて押し付け、主にベルト搬送機構320による用紙搬送性を高める機能を果たす。
図5は、送風領域を通過する用紙Pに送風ファン311からの風が当たる様子を示す説明図である。
本実施形態において、搬送ベルト321A,321Bの表面に担持された用紙Pは、乾燥機構301の乾燥チャンバー313の内部を通過する際、用紙Pの画像面(被送風面)の略法線方向から送風ファン311の送風(例えば20[m/s]程度)を受ける。このとき、本実施形態の搬送ベルト321A,321Bは、送風ファン311により送風される送風領域内に位置する用紙部分、具体的には、搬送ベルト321A,321Bと端部押さえベルト331A,331Bとの間に挟持される用紙幅方向各端部領域P2を除いた用紙Pの内側領域(以下「幅方向中央領域」という。)P1を、その用紙Pの画像面(被送風面)の裏側から担持していない。そのため、用紙Pの画像面(被送風面)に送風ファン311からの風が当たったときに、用紙Pが風に押されて撓み、用紙Pの幅方向各端領域P2で用紙のズレが生じ、搬送不良が発生し得る。
仮に、送風領域内に位置する用紙部分の幅方向中央領域P1を非通風性(風が通り抜けることができない)の支持部材によって支持する構成とした場合、例えば、上述した搬送ベルト321A,321Bに代えて用紙Pの裏面全体をベルト面上に担持する非通風性の搬送ベルトを用いる構成であった場合、送風領域内に用紙Pが進入する前に送風ファン311からの風が非通風性の支持部材の面に当たり、その非通風性の支持部材の面に沿って進む気流が生じる。このように生じる気流は、用紙搬送方向上流側から搬送されてくる用紙Pの先端部に向かい、端部押さえベルト331A,331Bとの間に挟持されていない用紙の幅方向中央領域P1をバタつかせ、搬送不良を生じさせるおそれがある。
次に、本実施形態における乾燥部300の一変形例について説明する。
上述した実施形態では、インクが吐出されて画像が形成された後の用紙を乾燥する乾燥部300の例であったが、本変形例は、上述した前処理部において所定の処理液を用紙Pに塗布等により付与する処理を行い、画像形成部200でインクが吐出されて画像が形成される前に、処理液が付与された用紙を乾燥させる乾燥部に適用したものである。
本変形例は、上述した実施形態に係るインクジェット記録装置1に対し、給紙部100と画像形成部200との間に、前処理部500及び乾燥部300’を追加した点を除いて、基本構成については上述した実施形態と同様である。また、追加される乾燥部300’の基本構成についても上述した実施形態と同様である。したがって、以下、上述した実施形態とは異なる点を中心に説明する。
本変形例の前処理部500は、給紙部100から給紙された用紙Pに処理液を塗布する塗布装置510を備えている。処理液としては、例えば、用紙の表面に塗布することで用紙の表面を改質する改質材が挙げられる。具体的には、予め用紙にムラなく塗布しておくことで、インクの水分を速やかに用紙に浸透させるとともに色成分を増粘させ、更には乾燥も早めることによって滲み(フェザリング、ブリーディング等)や裏抜けを防止し、生産性(単位時間当たりの画像出力枚数)を上げることを可能にする定着剤(セット剤)が挙げられる。
(態様A)
用紙P等のシート材に向けて送風する送風ファン311等の送風手段と、前記送風手段により送風される送風領域を通過するように該シート材を搬送する搬送機構302等の搬送手段とを備えた乾燥部300等の搬送装置において、支持ワイヤ325やメッシュ状のベルト部材328,328’等の通風可能なシート材支持部材が、前記シート材の中央領域P1を被送風面の裏面から支持し、前記搬送手段は、シート材搬送方向に直交するシート材幅方向の端部領域P2を挟持して該シート材を搬送することを特徴とする。
本態様によれば、通風可能なシート材支持部材により裏面から支持されているシート材のシート材幅方向の端部領域が挟持されている。そのため、シート材の周囲で、シート材の被送風面に当たる風とシート材支持部材を吹き抜ける風とがぶつかって気流が乱れても、シート材の縁がバタつくことが抑制され、安定したシート搬送を実現できる。
前記態様Aにおいて、前記搬送手段は、前記端部領域P2を搬送ベルト321A,321Bあるいはメッシュ状のベルト部材328’等の表面移動部材と端部押さえベルト331A,331B等の押さえ部材とで挟持して、該表面移動部材の表面移動に伴って前記シート材を搬送することを特徴とする。
これによれば、シート材の端部領域を挟持する構成を用いてシート材を搬送することができる。
前記態様Bにおいて、前記押さえ部材は、前記表面移動部材と等速移動可能に構成されていることを特徴とする。
本態様によれば、表面移動部材と押さえ部材との間に挟持されるシート材がスリップして、シート材が蛇行したり、シート材にキズが生じたりすることを抑制できる。
前記態様A〜Cのいずれかの態様において、前記シート材支持部材は、メッシュ状のベルト部材328’であることを特徴とする。
仮にシート材支持部材が非通風性部材であった場合、送風領域内にシート材が進入する前に送風手段からの風がシート材支持部材に当たり、そのシート材支持部材に沿って進む気流を生じさせる。このように生じる気流は、シート材搬送方向上流側から搬送されてくるシート材の先端部に向かい、シート材先端部をバタつかせ、搬送不良を生じさせるおそれがある。これに対し、シート材支持部材が通風可能な部材であれば、送風手段からの風の少なくとも一部はシート材支持部材を通過できるので、シート材支持部材に沿ってシート材の先端部に向かう気流の勢いが減少し、シート材先端部がバタつくことが抑制され、安定したシート搬送を実現できる。本態様によれば、シート材支持部材の占有面積を小さくでき、あるいは、送風手段からの風が通り抜ける隙間を大きくできるので、シート材先端部に向かう気流の勢いを減少させる効果が高く、シート材先端部の幅方向中央領域P1のバタつき抑制効果が高い。
前記態様A〜Cのいずれかの態様において、前記シート材支持部材は、ワイヤやメッシュ等の線状部材によって構成されていることを特徴とする。
仮にシート材支持部材が非通風性部材であった場合、送風領域内にシート材が進入する前に送風手段からの風がシート材支持部材に当たり、そのシート材支持部材に沿って進む気流を生じさせる。このように生じる気流は、シート材搬送方向上流側から搬送されてくるシート材の先端部に向かい、シート材先端部をバタつかせ、搬送不良を生じさせるおそれがある。これに対し、シート材支持部材が通風可能な部材であれば、送風手段からの風の少なくとも一部はシート材支持部材を通過できるので、シート材支持部材に沿ってシート材の先端部に向かう気流の勢いが減少し、シート材先端部がバタつくことが抑制され、安定したシート搬送を実現できる。本態様によれば、シート材支持部材の占有面積を小さくでき、あるいは、送風手段からの風が通り抜ける隙間を大きくできるので、シート材先端部に向かう気流の勢いを減少させる効果が高く、シート材先端部の幅方向中央領域P1のバタつき抑制効果が高い。
前記態様A〜Cのいずれかの態様において、前記シート材支持部材は、ベルト部材に多数の貫通孔が形成された多孔ベルトであることを特徴とする。
仮にシート材支持部材が非通風性部材であった場合、送風領域内にシート材が進入する前に送風手段からの風がシート材支持部材に当たり、そのシート材支持部材に沿って進む気流を生じさせる。このように生じる気流は、シート材搬送方向上流側から搬送されてくるシート材の先端部に向かい、シート材先端部をバタつかせ、搬送不良を生じさせるおそれがある。これに対し、シート材支持部材が通風可能な部材であれば、送風手段からの風の少なくとも一部はシート材支持部材を通過できるので、シート材支持部材に沿ってシート材の先端部に向かう気流の勢いが減少し、シート材先端部がバタつくことが抑制され、安定したシート搬送を実現できる。本態様によれば、シート材支持部材の占有面積を小さくでき、あるいは、送風手段からの風が通り抜ける隙間を大きくできるので、シート材先端部に向かう気流の勢いを減少させる効果が高く、シート材先端部の幅方向中央領域P1のバタつき抑制効果が高い。
前記態様A〜Fのいずれかの態様において、前記シート材支持部材は、シート材搬送方向へ移動可能に構成されていることを特徴とする。
これによれば、シート材支持部材とシート材裏面との接触による搬送抵抗を小さくでき、より安定した搬送性を実現できる。
前記態様A〜Gのいずれかの態様において、シート材の被送風面の法線方向における前記シート材支持部材の位置が、前記端部領域が挟持される挟持位置よりも前記送風手段から離れた位置となるように配置されていることを特徴とする。
これによれば、送風手段による風を受けてシート材の挟持箇所でシート材のズレが生じない状況においては、シート材支持部材とシート材裏面との接触がなく、搬送抵抗を軽減して、より安定した搬送性を実現できる。この場合でも、送風手段による風を受けてシート材挟持箇所でシート材のズレが生じたときには、シート材裏面がシート材支持部材で支持され、搬送不良が抑制される。
用紙P等のシート材にインク等の液体を吐出させる液体吐出ヘッド220C,220M,220Y,220K等の液体吐出手段と、前記液体吐出手段により液体が付着したシート材に送風を行うとともに該シート材を搬送する乾燥部300等の搬送装置とを備えたインクジェット記録装置等の印刷装置において、前記搬送装置として、前記態様A〜Hのいずれかの態様に係る搬送装置を用いたことを特徴とする。
これによれば、搬送装置における安定したシート搬送を実現された印刷装置を提供できる。
用紙P等のシート材にインク等の液体を吐出させる液体吐出ヘッド220C,220M,220Y,220K等の液体吐出手段と、前記液体吐出手段のシート材搬送方向上流側で、前記液体が吐出される前のシート材に処理液501を付与する塗布装置510等の前処理手段と、前記液体吐出手段のシート材搬送方向上流側で、前記前処理手段により処理液が付与されたシート材に送風を行うとともに該シート材を搬送する乾燥部等の搬送装置とを備えたインクジェット記録装置等の印刷装置において、前記搬送装置として、前記態様A〜Hのいずれかの態様に係る搬送装置を用いたことを特徴とする。
これによれば、搬送装置における安定したシート搬送を実現された印刷装置を提供できる。
100 給紙部
200 画像形成部
210 用紙担持ドラム
220 インク吐出部
220C,220M,220Y,220K 液体吐出ヘッド
300 乾燥部
301 乾燥機構
302 搬送機構
311 送風ファン
312 輻射ヒータ
313 乾燥チャンバー
320 ベルト搬送機構
321A,321B 搬送ベルト
322,323 支持ローラ
324 バックアップコロ
325 支持ワイヤ
326,327 支持プーリ
328 メッシュ状のベルト部材
329 多孔ベルト
330 用紙押さえ機構
331A,331B 端部押さえベルト
332〜336 支持ローラ
337 加重コロ
400 排紙部
510 塗布装置
501 処理液
Claims (10)
- シート材に向けて送風する送風手段と、前記送風手段により送風される送風領域を通過するように該シート材を搬送する搬送手段とを備えた搬送装置において、
通風可能なシート材支持部材が、前記送風領域内で前記シート材の中央領域を被送風面の裏面に当接して支持し、
前記搬送手段は、シート材搬送方向に直交するシート材幅方向の端部領域を挟持して該シート材を搬送することを特徴とする搬送装置。 - 請求項1に記載の搬送装置において、
前記搬送手段は、前記端部領域を表面移動部材と押さえ部材とで挟持して、該表面移動部材の表面移動に伴って前記シート材を搬送することを特徴とする搬送装置。 - 請求項2に記載の搬送装置において、
前記押さえ部材は、前記表面移動部材と等速移動可能に構成されていることを特徴とする搬送装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の搬送装置において、
前記シート材支持部材は、メッシュ状のベルト部材であることを特徴とする搬送装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の搬送装置において、
前記シート材支持部材は、線状部材によって構成されていることを特徴とする搬送装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の搬送装置において、
前記シート材支持部材は、ベルト部材に多数の貫通孔が形成された多孔ベルトであることを特徴とする搬送装置。 - 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の搬送装置において、
前記シート材支持部材は、シート材搬送方向へ移動可能に構成されていることを特徴とする搬送装置。 - 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の搬送装置において、
シート材の被送風面の法線方向における前記シート材支持部材の位置が、前記端部領域が挟持される挟持位置よりも前記送風手段から離れた位置となるように配置されていることを特徴とする搬送装置。 - シート材に液体を吐出させる液体吐出手段と、
前記液体吐出手段により液体が付着したシート材に送風を行うとともに該シート材を搬送する搬送装置とを備えた印刷装置において、
前記搬送装置として、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の搬送装置を用いたことを特徴とする印刷装置。 - シート材に液体を吐出させる液体吐出手段と、
前記液体吐出手段のシート材搬送方向上流側で、前記液体が吐出される前のシート材に処理液を付与する前処理手段と、
前記液体吐出手段のシート材搬送方向上流側で、前記前処理手段により処理液が付与されたシート材に送風を行うとともに該シート材を搬送する搬送装置とを備えた印刷装置において、
前記搬送装置として、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の搬送装置を用いたことを特徴とする印刷装置。
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JP2017077091A Active JP6928889B2 (ja) | 2016-05-20 | 2017-04-07 | 搬送装置及び印刷装置 |
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