JP2018152941A - ケーブルクランプ - Google Patents
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Abstract
Description
締付リングは、ゴムブッシュが嵌合する円環状に形成されており、周方向に並ぶ複数の押圧部を有している。押圧部は、ケーブルの長手方向に延びるとともに締付リングの周方向の一方に傾斜する第1の押圧片と、ケーブルの長手方向に延びるとともに締付リングの周方向の他方に傾斜する第2の押圧片とによって先端側が凸になるV字状に形成されている。
このケーブルクランプは、本体に締付キャップが螺着されることによって締付リングの径が小さくなるように構成されている。締付リングの径が小さくなることにより、ゴムブッシュがケーブルに押し付けられ、ケーブルがケーブルクランプによって保持されるとともに、配電盤や中継ボックスのケーブル貫通部がシールされる。
このように締付レバー6が変形すると、ゴムブッシュ7の先端部が締付レバー6によって押され、ゴムブッシュ7の先端部の径が小さくなってゴムブッシュ7がケーブル4に密着する。
このため、ケーブルクランプは、使用するケーブル径に合わせたものが選定される。
ケーブルクランプを選定するにあたっては、ケーブル径に適合するものを在庫品の中から持ち出して使用する場合がある。これを実現するためには、使用可能なケーブル径が異なる複数種類のケーブルクランプを予め用意して保管しておく必要がある。
特に、特許文献1に示すケーブルクランプでは、ゴムブッシュが締付リングに挟まれ易くなる。このようにゴムブッシュがいびつに変形したり、締付リングに挟まれると、防水特性を確保し難くなり、十分な防水機能を得ることが難くなる。
また、特許文献1に示すケーブルクランプにおいてケーブル径幅を広くすると、締付リングの変形が大きくなるために、締付リングへの負荷が大きくなり、締付リングに部分的なクラックが発生し易くなるという不具合も生じる。
また、この締付リングにおいては、上述したように2段階の変形動作で変形するために、図13に示す締付レバーのように、すなわち基端側が固定された状態で先端側が倒れるように変形する場合と較べると、絶縁体ブッシュの収縮する角度が緩やかになる。
したがって、本発明によれば、変形による応力を分散する構造により応力集中による自身の破壊を防ぎ、かつより多い可動域をもつ締付リングにより、弾性体ブッシュの変形がいびつになることを防ぎながら、使用可能なケーブル径の幅を拡げることが可能なケーブルクランプを提供することができる。
図1に示すケーブルクランプ11は、被取付部材12に取付けられており、被取付部材12を貫通するケーブル13を保持している。被取付部材12は、図示してはいないが、例えば配電盤や中継ボックスなどの壁である。図1において被取付部材12より上側は、配電盤や中継ボックスの外である。以下において各部品を説明するにあたっては、便宜上、被取付部材12から配電盤や中継ボックスの外に向かう方向の一端側を先端側といい、これとは反対側を基端側という。
ニップル14は、円筒状に形成されており、図2に示すように、長手方向の中央部に位置するフランジ部15と、このフランジ部15より先端側(図2においては左下側)に位置する先端部16と、フランジ部15より基端側に位置する基端部17とによって構成されている。
また、先端部16には、基端側へ向かうにしたがって次第に径が小さくなるテーパー面からなるニップル側受け面22が形成されている。この実施の形態においては、このニップル側受け面22が本発明でいう「第1のテーパー面」に相当する。この実施の形態においては、ニップル側受け面22に複数の第1のリブ23が設けられている。
周壁部32の外側には、工具(図示せず)を係合させるための係合面32aが形成されている。
押圧部33は、周壁部32から先端側に向かうにしたがって次第に径が小さくなる形状に形成されている。この押圧部33の最も径が小さくなる部分には、ケーブル13が通される円形穴34が形成されている。
ゴムブッシュ41は、ケーブル13の保持とシールとを行うためにケーブル13に密着するもので、ケーブル13を挿通可能な円筒状にゴム材料によって形成されている。なお、このゴムブッシュ41を形成する材料はゴム材料に限定されることはなく、弾性を有する材料であれば、プラスチック材料を用いることができる。この実施の形態においては、このゴムブッシュ41が本発明でいう「弾性体ブッシュ」に相当する。
第2の機能部は、余肉部43に隣接して位置する小径部44である。この小径部44は、ゴムブッシュ41の他の部位より外径が小さく形成されている。この小径部44の外径は、後述する締付リング42が嵌合する径である。
第1の押圧片52の基端部は、隣り合う他の押圧部51の第2の押圧片53に接続されている。これらの第1および第2の押圧片52,53の基端部には、図5に示すように、上述した基端側テーパー面46が形成されている。
なお、これらのスリット54,57の壁面が傾斜する方向は、図9および図10に示すように、図7および図8に示した場合と較べて締付リング42の周方向において反対方向とすることができる。
図1に示すようにケーブル径が相対的に大きいケーブル13が通されている場合は、このように締付リング42の径が小さくなることによって、ゴムブッシュ41がケーブル13の周面の全域に密着した状態で圧縮される。
締付リング42の先端部がゴムブッシュ41の余肉部43を径方向の内側に向けて強く押すと、余肉部43の一部が軸線方向に押し出されるように変形する。
締付リング42が収縮するときに押圧部51は、これらの壁面57a,57bどうしが基端側から徐々に接触するように変位する。これらの壁面57a,57bは上述したように傾斜面であるから、この収縮時に押圧部51が締付リング42の軸心を中心とする螺旋に沿うように変位する。
このため、締付リング42が収縮するときにゴムブッシュ41が先端側スリット57の中に挟み込まれ難くなる。
第1の理由は、締付リング42が2段階の変形動作で変形することによりゴムブッシュ41の傾斜する部分の勾配(角度α)が緩やかになるからである。
第2の理由は、厚い余肉部43が変形するときの反力により、ゴムブッシュ41の先端部が周方向にバランスよく収縮するためである。
第3の理由は、締付リング42の押圧部51が螺旋に沿うように変位してゴムブッシュ41が押圧部51どうしの間に噛み込まれることがないためである。
このため、このケーブルクランプ11によれば、ゴムブッシュ41のつぶれ方がいびつになるようなことがなく、ケーブル径が小さいケーブル13であってもゴムブッシュ41がケーブル13の全周に密着して高いシール性が得られる。
したがって、この実施の形態によれば、変形による応力を分散する構造により応力集中による自身の破壊を防ぎ、かつより多い可動域をもつ締付リング42により、ゴムブッシュ41の変形がいびつになることを防ぎながら、使用可能なケーブル径の幅を拡げることが可能なケーブルクランプを提供することができる。
この実施の形態によれば、締付リング42が収縮するときに押圧部51の基端側も先端側と同様に、締付リング42の軸心を中心とする螺旋に沿うように変位する。
このため、締付リング42が収縮するときにゴムブッシュ41が基端側スリット54の中に挟み込まれ難くなる。
このため、締付キャップ21をニップル14にねじ込むときに締付リング42が締付キャップ21と一体に回ることがない。また、締付キャップ21が緩むときには第1のリブ23と第2のリブ36とが回り止めとして機能する。
Claims (5)
- 円筒状に形成され、先端部の外周部分に雄ねじが形成されかつ内周部分に基端側へ向かうにしたがって次第に径が小さくなる第1のテーパー面が形成されたニップルと、
前記雄ねじに先端側から螺合する雌ねじが形成されかつ先端側へ向かうにしたがって次第に径が小さくなる第2のテーパー面が形成された締付キャップと、
円筒状に形成され、先端部が前記ニップルの前記先端部から突出する状態で前記ニップルの中に挿入された弾性体ブッシュと、
可撓性を有する材料によって環状に形成されるとともに、基端部に前記第1のテーパー面に嵌合する第3のテーパー面が形成されかつ先端部に前記第2のテーパー面に嵌合する第4のテーパー面が形成され、前記弾性体ブッシュの前記先端部の外周部分に嵌合した締付リングとを備え、
前記締付リングは、周方向に並ぶ複数の押圧部を有し、
前記押圧部は、
前記締付リングの軸線方向に延びるとともに周方向の一方に向けて傾斜する第1の押圧片と、
前記軸線方向に延びるとともに周方向の他方に向けて傾斜する第2の押圧片とによって先端側が凸になるV字状に形成され、
互いに隣り合う前記押圧部どうしの間に生じる先端側スリットの最大幅は、各押圧部の前記第1の押圧片と前記第2の押圧片との間に生じる基端側スリットの最大幅より大きいことを特徴とするケーブルクランプ。 - 請求項1記載のケーブルクランプにおいて、
前記先端側スリットの両側の壁面は、前記締付リングの径方向の内側に向かうにしたがって次第に前記周方向の一方側に偏って位置する傾斜面であることを特徴とするケーブルクランプ。 - 請求項2記載のケーブルクランプにおいて、
前記基端側スリットの両側の壁面は、前記先端側スリットの壁面が傾斜する方向と同一方向に傾斜する傾斜面であることを特徴とするケーブルクランプ。 - 請求項1ないし請求項3のうちいずれか一つに記載のケーブルクランプにおいて、
前記第1のテーパー面には、前記押圧部に係合する第1の突起が設けられ、
前記第2のテーパー面には、前記押圧部に係合する第2の突起が設けられ、
前記締付リングが第1の突起を乗り越えて前記第1のテーパー面に対して回るときの抵抗は、前記第2のテーパー面の前記第2の突起が前記締付リングに対して乗り越えて回るときの抵抗より大きいことを特徴とするケーブルクランプ。 - 請求項4記載のケーブルクランプにおいて、
前記第1の突起は、前記締付リングの全ての前記押圧部に係合する位置に設けられていることを特徴とするケーブルクランプ。
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