JP2018149507A - 触媒及びアルデヒド類の製造方法 - Google Patents

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【課題】カルボン酸類を気相中で水素化してアルデヒド類を製造する際に用いる触媒であって、長時間(例えば、200時間)反応経過後もカルボン酸類転化率及びアルデヒド類への選択率を高く維持でき、工業的に有用な触媒を提供する。また、長時間経過後もカルボン酸類転化率及びアルデヒド類への選択率を高く維持でき、工業的に有用なアルデヒド類の製造方法を提供する。【解決手段】本発明の触媒は、カルボン酸類から気相中で水素化することによりアルデヒド類を製造するための触媒であって、触媒成分としてパラジウムと鉄を含み、高温水素雰囲気下において、前記触媒のコアにパラジウムが存在し、当該コアの周りにパラジウム鉄合金の層が存在し、前記触媒の最も外側に酸化鉄の層が存在する。【選択図】図1

Description

本発明は、カルボン酸類からアルデヒド類を製造するための触媒、及び当該触媒を用いてカルボン酸類から水素化によりアルデヒド類を製造する方法に関する。
アルデヒド類は、各種有機化学合成用の中間体等として、工業的に極めて重要な化合物であり、酢酸エチル、過酢酸、ピリジン誘導体、ペンタエリスリトール、クロトンアルデヒド、パラアルデヒドなどの原料として大量に使用されている。
現在、アルデヒド類は、工業的には主にエチレンや末端オレフィンの酸化又はヒドロホルミル化により製造されている。しかし、これらの原料は、いずれも石油由来の化合物であり、近年の石油類の高騰や資源枯渇問題から、より安定的かつ安価に入手可能な化合物を原料とする製造方法が望まれている。ここで、アルデヒド類の中でも特に工業的に大量に製造されているアセトアルデヒドに着目すると、過去にはアセトアルデヒドは、その酸化により酢酸を製造するための原料として利用されており、必然的に酢酸は、アセトアルデヒドより高価な化合物であった。しかしながら、1970年代に酢酸の製造方法が、メタノールのカルボニル化法(所謂モンサント法)に転換すると、酢酸とアセトアルデヒドの価格順位は逆転し、酢酸の水素還元によるアセトアルデヒドの製造が経済的に十分成立する状況となった。さらに、現在アセトアルデヒドは、上述のようにエチレンを原料として製造されているのに対し、酢酸は、メタノールと一酸化炭素といういずれも非石油原料から合成可能な原料から製造されているため、原料の安定確保、資源保護、地球環境保護の面からも酢酸を原料とするアセトアルデヒドの製造は好ましいと言える。
上述のような状況から、酢酸の水素還元によるアセトアルデヒドの合成が既にいくつかなされている。以下に列挙すると、ジェラルド・シー・タスティンらは、酸化鉄に2.5〜90重量%のパラジウムを添加した触媒を開示した(特許文献1)。ヴィクター・ジェイ・ジョンストンらは、シリカ及び炭素からなる担体上にパラジウムと第2成分として、鉄、銅、金、及びカリウムからなる金属群を担持したパラジウム担持触媒を開示した(特許文献2)。R.ペストマンらは、酢酸から水素化によりアセトアルデヒドを製造する方法として、白金担持酸化鉄触媒を用いることにより、高選択的にアセトアルデヒドが得られることを開示した(非特許文献1)。また、R.ペストマンらは、酢酸から水素化によりアセトアルデヒドを製造する方法として、酸化鉄触媒を用いることにより、高選択的にアセトアルデヒドが得られることを開示した(非特許文献2)。
特開平11−322658号公報 特表2011−529494号公報
JOURNAL OF CATALYSIS vol.168, 255-264 (1997) JOURNAL OF CATALYSIS vol.148, 261-269 (1994)
本発明者らは、上述の先行技術文献に基づき、カルボン酸類を気相中で水素化し、アルデヒド類を工業的に製造するための触媒について検証を行ったところ、従来のパラジウム担持酸化鉄触媒、特に、酸化鉄に対するパラジウムの量が少ない触媒(例えば、本願比較例1:酸化鉄(Fe23換算)100重量部に対して、パラジウム(Pd)が2重量部である触媒)では、反応初期は良好なカルボン酸類の転化率であるが、反応時間の経過により、転化率が悪化することが分かった。
したがって、本発明の目的は、カルボン酸類を気相中で水素化してアルデヒド類を製造する際に用いる触媒であって、長時間(例えば、200時間)反応経過後もカルボン酸類転化率及びアルデヒド類への選択率を高く維持でき、工業的に有用な触媒を提供することにある。また、本発明の目的は、長時間経過後もカルボン酸類転化率及びアルデヒド類への選択率を高く維持でき、工業的に有用なアルデヒド類の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、意外にも触媒のコアにパラジウムが存在し、当該コアの周りにパラジウム鉄合金の層が存在し、前記触媒の最も外側に酸化鉄の層が存在する特有の構造を有することで、長時間経過後もカルボン酸類の転化率、及びカルボン酸類の水素化におけるアルデヒド類の選択率を高く維持できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、カルボン酸類から気相中で水素化することによりアルデヒド類を製造するための触媒であって、触媒成分としてパラジウムと鉄を含み、高温水素雰囲気下において、前記触媒のコアにパラジウムが存在し、当該コアの周りにパラジウム鉄合金の層が存在し、前記触媒の最も外側に酸化鉄の層が存在する構造を有する触媒を提供する。
また、本発明は、コアに存在する前記パラジウムの粒子径が、最大で20nm以下である前記の触媒を提供する。
また、本発明は、最も外側に存在する前記酸化鉄の層の厚みが、最大で20nm以下である前記の触媒を提供する。
また、本発明は、前記カルボン酸類が酢酸であり、前記アルデヒド類がアセトアルデヒドである前記の触媒を提供する。
また、本発明は、ペレット状又は球状に成形された前記の触媒を提供する。
また、本発明は、カルボン酸類から気相中で触媒を用いて水素化することによりアルデヒド類を製造する方法であって、前記触媒が、前記の触媒であるアルデヒド類の製造方法を提供する。
また、本発明は、前記カルボン酸類が酢酸であり、前記アルデヒド類がアセトアルデヒドである前記のアルデヒド類の製造方法を提供する。
本発明の触媒は、触媒のコアにパラジウムが存在し、当該コアの周りにパラジウム鉄合金の層が存在し、前記触媒の最も外側に酸化鉄の層が存在する構造を有するため、カルボン酸類の水素化において、長時間(例えば、200時間)反応経過後もカルボン酸類の転化率及びアルデヒド類の選択率を高く維持することができる。また、本発明のアルデヒド類の製造方法によれば、カルボン酸類の転化率、及びアルデヒド類の選択率に優れる。
本発明の触媒の高温、水素雰囲気下における推定断面構造の一例を表した模式図である。 本発明のアルデヒド類の製造方法の一例を示す概略フロー図である。 比較例1の触媒をTEM(透過型電子顕微鏡)で観測したときの画像である。 実施例2の触媒をTEM(透過型電子顕微鏡)で観測したときの画像である。 比較例4の触媒をTEM(透過型電子顕微鏡)で観測したときの画像である。 比較例1の触媒をXAFS(X線吸収微細構造解析)で局所構造を解析したときの動径分布関数のスペクトルである。 実施例1の触媒をXAFS(X線吸収微細構造解析)で局所構造を解析したときの動径分布関数のスペクトルである。 水素還元前の実施例1の触媒をSTEM(走査透過型電子顕微鏡)で結晶構造を観測したときの画像である。 水素還元前の実施例1の触媒をEDX(エネルギー分散型X線分光分析器)の測定箇所を示す画像である。 水素還元後の実施例1の触媒をSTEM(走査透過型電子顕微鏡)で結晶構造を観測したときの画像である。 水素還元後の実施例1の触媒のEDX(エネルギー分散型X線分光分析器)での測定箇所を示す画像である。 水素還元後の実施例2の触媒をSTEM(走査透過型電子顕微鏡)で結晶構造を観測したときの画像である。 水素還元後の実施例2の触媒のEDX(エネルギー分散型X線分光分析器)での測定箇所を示す画像である。
[触媒]
本発明の触媒は、カルボン酸類から気相中で水素化することによりアルデヒド類を製造するための触媒(アルデヒド類製造用触媒)であって、触媒成分としてパラジウムと鉄を含み、高温水素雰囲気下において、前記触媒のコア(中心部位)にパラジウム(Pd)が存在し、当該コア(中心部位)の周りにパラジウム鉄合金(Pd−Fe)の層が存在し、前記触媒の最も外側に酸化鉄(例えば、Fe23)の層が存在する構造を有する。本発明の触媒の推定断面構造の一例を模式図で表すと図1となる。前記高温水素雰囲気下とは、例えば、温度が200〜400℃の水素存在下であり、カルボン酸類を気相中で水素化してアルデヒド類を製造する際に水素と接触する還元処理雰囲気下である。なお、本発明の触媒は、カルボン酸類を水素化してアルデヒド類を製造する際に、水素化の化学反応の速度を速める働きをする物質である。
本発明の触媒は、コアに存在するパラジウムの粒子径を一定以下とした場合に、特に長時間経過後もカルボン酸類の転化率及びカルボン酸類の水素化におけるアルデヒド類の選択率を高く維持することができる。コアに存在するパラジウムの粒子径は、最大で、例えば、20nm以下(例えば、2〜20nm)、好ましくは16nm以下、より好ましくは14nm以下、さらに好ましくは12nm以下、最も好ましくは10nm以下である。すなわち、コアに存在するパラジウムの最大粒子径は、例えば、20nm以下(例えば、2〜20nm)、好ましくは16nm以下、より好ましくは14nm以下、さらに好ましくは12nm以下、最も好ましくは10nm以下である。パラジウムの粒子径が上記範囲であると、鉄はアルデヒドよりもカルボン酸類を選択的に水素化すると考えられるため、パラジウム近傍に存在する鉄の割合が増加し、パラジウム近傍の鉄はコーキングされ難くなる(鉄カーバイドが生成し難くなる)と考えられる。パラジウムの粒子径は、例えば、TEM(透過型電子顕微鏡)、STEM(走査透過型電子顕微鏡)で測定することができる。なお、前記パラジウムの粒子径は、通常、パラジウムの一次粒子の粒子径のことを意味する。
前記触媒のコアに存在するパラジウム(Pd)は、主にパラジウム(Pd−Pd)単体を意味する。触媒のコアにおけるパラジウム元素の重量割合は、観測される元素全量に対して、例えば50重量%以上、好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは80重量%以上である。また、触媒のコアにおけるパラジウム元素の元素割合は、観測される元素全量に対して、例えば40%以上、好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上である。前記割合は、例えばEDX(エネルギー分散型X線分光分析器)で元素分析を行うことで測定できる。
当該コアの周りに存在するパラジウム鉄合金の層におけるパラジウム鉄合金(Pd−Fe)は、パラジウム(Pd)元素が鉄(Fe)と結合した構造を意味し、パラジウム(Pd)又は鉄(Fe)は、酸素原子等のそれ以外の元素と結合していてもよい。当該コアの周りにおけるパラジウム元素と鉄元素の合計の重量割合は、観測される元素全量に対して、例えば60重量%以上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは80重量%以上、さらに好ましくは85重量%以上である。また、当該コアの周りにおけるパラジウム元素と鉄元素の合計の元素割合は、観測される元素全量に対して、例えば50%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上である。前記割合は、例えばEDX(エネルギー分散型X線分光分析器)で元素分析を行うことで測定できる。
本発明の触媒は、最も外側に存在する酸化鉄の層の厚みを一定以下とした場合に、高温水素雰囲気下において失活しやすい酸化鉄が単独で存在する部分が少なく、パラジウムとの接触面が多い、且つその界面がパラジウム鉄合金(Pd−Fe)となる構造となり、特に長時間経過後もカルボン酸類の転化率及びカルボン酸類の水素化におけるアルデヒド類の選択率を高く維持することができる。前記酸化鉄は、例えば、FeO、Fe23、Fe34等であり、酸化鉄の層の厚みは、最大で、例えば、20nm以下(例えば、2〜20nm)、好ましくは15nm以下、より好ましくは10nm以下、さらに好ましくは8nm以下、最も好ましくは6nm以下である。すなわち、酸化鉄の層の最大厚みは、例えば、20nm以下(例えば、2〜20nm)、好ましくは15nm以下、より好ましくは10nm以下、さらに好ましくは8nm以下、最も好ましくは6nm以下である。酸化鉄の層の厚みが上記範囲であると、パラジウム粒子近傍の酸化鉄の割合を一定量以上に保つことができ、反応時間経過により酸化鉄がカーバイド化しにくく、触媒活性(カルボン酸類の転化率)が低下しくい。酸化鉄の層の厚みは、例えば、TEM(透過型電子顕微鏡)、STEM(走査透過型電子顕微鏡)で測定することができる。
前記触媒の最も外側に存在する酸化鉄の層における鉄元素(Fe)の重量割合は、観測される元素全量に対して、例えば30重量%以上、好ましくは40重量%以上、より好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは60重量%以上である。また、当該酸化鉄における鉄元素の元素割合は、観測される元素全量に対して、例えば30%以上、好ましくは40%以上、より好ましくは50%以上、さらに好ましくは60%以上である。前記割合は、例えばEDX(エネルギー分散型X線分光分析器)で元素分析を行うことで測定できる。
本発明の触媒の構造の特定は、例えば、TEM(透過型電子顕微鏡)、XAFS(X線吸収微細構造解析)、STEM(走査透過型電子顕微鏡)、EDX(エネルギー分散型X線分光分析器)などの機器を用いたり、COパルス吸着法にて触媒表面の金属の状態を観測したりすることで行うことができる。
特に、TEM(透過型電子顕微鏡)では、触媒におけるパラジウム等の一次粒子の大きさや割合を観測することができる。XAFS(X線吸収微細構造解析)では、パラジウムや酸化鉄等の触媒中の局所構造を解析することができ、これによりパラジウム(Pd−Pd)単体、パラジウム鉄合金(Pd−Fe)などの結合割合を知ることができる。STEM(走査透過型電子顕微鏡)では、触媒内部での結晶構造を観察することができ、さらにEDX(エネルギー分散型X線分光分析器)を用いることで触媒内部の結晶構造における各元素の割合を求めることができる。また、COパルス吸着法により、触媒表面の吸着量を測定することにより触媒表面に露出している金属及びその割合を知ることができる。よって、これらの分析等を適宜組み合わせることで触媒の内部構造を含む触媒全体の構造を観察することができる。
本発明の触媒の形状は、例えば、ペレット状(円柱状)、球状等が挙げられる。触媒の大きさとしては、ペレット状のものである場合、長径が、例えば0.1〜20mm程度であり、好ましくは0.3〜15mmであり、より好ましくは0.5〜10mmであり、さらに好ましくは1〜8mmである。また、平均の長径が、例えば0.3〜10mm程度であり、好ましくは0.5〜8mmであり、より好ましくは0.8〜6mmであり、さらに好ましくは1〜4mmである。前記触媒の大きさとしては、球状のものである場合、直径が、例えば0.1〜15mm程度であり、好ましくは0.2〜10mmであり、より好ましくは0.5〜8mmであり、さらに好ましくは1〜6mmである。また、平均の直径が、例えば0.2〜10mm程度であり、好ましくは0.5〜8mmであり、より好ましくは0.8〜6mmであり、さらに好ましくは1〜4mmであり、特に好ましくは1〜3mmである。前記触媒が上記範囲でない場合や大きなサイズの板状やブロック状等のものである場合、適宜、適切な大きさになるように触媒を破砕や整粒をしてもよい。
また、本発明の触媒では、上記以外に本願発明の効果を損なわない範囲で、シリカ等を担体や希釈剤として共存させたり、酸化ゲルマニウム、酸化スズ、酸化バナジウム、酸化亜鉛等の金属酸化物を含有させたりすることができる。
本発明の触媒における触媒成分としては、少なくともパラジウム及び鉄を含む。なお、前記パラジウムは、パラジウム元素(Pd)を含むものであればよく、酸化パラジウム等のパラジウムの酸化物等であってもよい。また、前記鉄は、鉄元素(Fe)を含むものであればよく、酸化鉄等の酸化物等であってもよい。
前記触媒成分としては、本発明の効果を損なわない範囲で、前記パラジウム及び鉄以外のその他の成分を含んでもよい。その他の成分としては、例えば、チタン、バナジウム、ジルコニウム、ルテニウム、ロジウム、オスミウム、イリジウム、白金などの白金族金属、カリウム、ニッケル、スズ、亜鉛、モリブデン、セリウム、銅、銀、金などが挙げられる。
本発明の触媒におけるパラジウムと鉄の組成比としては、パラジウム(Pd元素換算)の含有量が、鉄(Fe23換算)100重量部に対して、例えば、35〜90重量部であり、好ましくは37〜85重量部、より好ましくは38〜82重量部、さらに好ましくは40〜80重量部である。パラジウムの含有量が上記範囲であると、触媒のコアにパラジウムが存在し、当該コアの周りにパラジウム鉄合金が存在し、触媒の最も外側に鉄(Fe)が存在する本発明特有の構造を形成することができる。
前記パラジウム(Pd元素換算)の含有量は、触媒成分全量(100重量%)に対して、例えば、25〜48重量%であり、好ましくは26〜47重量%であり、より好ましくは28〜45重量%である。パラジウムの含有量が上記範囲であると、長時間反応経過後もカルボン酸類の転化率、カルボン酸類の水素化におけるアルデヒド類の選択率を高く維持できる。上記パラジウムの含有量は、同程度のカルボン酸類転化率及びアルデヒド類への選択率であれば、コストの観点から少ないことが好ましい。
前記鉄(Fe23換算)の含有量は、触媒成分全量(100重量%)に対して、例えば、30〜75重量%であり、好ましくは35〜70重量%であり、より好ましくは40〜65重量%であり、さらに好ましくは56〜71重量%である。鉄の含有量が上記範囲であると、十分な触媒活性を保ち、アルデヒド類等への高い選択率が得られる。
前記パラジウム(Pd元素換算)と前記鉄(Fe23換算)の合計重量は、前記触媒成分全体(100重量%)に対して、例えば80重量%以上であり、好ましくは85重量%以上であり、より好ましくは90重量%以上である。前記パラジウムと前記鉄の割合が一定以上であると、良好な触媒活性が得られる。
前記パラジウムと前記鉄以外のその他の成分の合計重量は、触媒成分全体(100重量%)に対して、例えば20重量%以下であり、好ましくは15重量%以下であり、より好ましくは10重量%以下である。
なお、前記鉄(Fe23換算)の含有量は、Fe23以外の酸化形態(例えば、FeO)や鉄単体であっても、元素分析より鉄(Fe)の量を算出し、Fe23に換算することにより求めることができる。
前記カルボン酸類とは、分子内に少なくとも1つのカルボキシル基を有する有機酸である。カルボン酸類としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、アクリル酸、安息香酸などが挙げられる。前記アルデヒド類とは、分子内に少なくとも1つのホルミル基を有する炭化水素化合物である。前記アルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブタナール、ペンタナール、アクロレイン、ベンズアルデヒドなどが挙げられる。
本発明の触媒では、前記カルボン酸類が酢酸であり、前記アルデヒド類がアセトアルデヒドであることが好ましい。
(触媒の製造方法)
本発明の触媒は、例えば(1)触媒成分又はその前駆体を含む混合溶液を調製する工程、(2)(1)で調製した混合溶液を蒸発乾固及び乾燥する工程、及び(3)(2)で乾燥させた触媒を焼成する工程を含む方法により製造することができる。必要に応じて、上記以外に(2)で乾燥させた触媒を破砕、及び整粒する工程等の他の工程を含んでもよい。
(1)触媒成分又はその前駆体を含む混合溶液を調製する工程では、例えば、パラジウム及び鉄の調製原料等を加え、撹拌することにより混合溶液を調製する。必要に応じて、触媒の調製原料に溶媒を加えてもよい。
前記パラジウムの調製原料としては、例えばPd(NO32硝酸溶液、酢酸パラジウム等を用いることができる。前記鉄の調製原料としては、例えばFe(NO32・9H2O、FeSO4・7H2O、酸化鉄(例えばFe23)等を用いることができる。パラジウム及び鉄の調製原料としては、市販のものを用いることができる。なお、パラジウム及び鉄の調製原料は、1種を単独で、又は2種以上を組合せて使用することができる。
なお、鉄の調製原料として硫酸鉄等の非熱分解性の対イオンを有する化合物を使用する場合は、鉄塩溶液の蒸発乾固法は使えず、例えば、硫酸鉄を使用する場合、アンモニア等のアルカリ沈殿剤を添加して不溶性の鉄化合物として沈殿させた後、沈殿を十分水洗して硫酸イオンを除去する必要がある。なお、鉄は、焼成することにより酸化鉄として触媒中に存在することとなる。
パラジウムと鉄の含有比としては、パラジウム(Pd元素換算)の含有量が、鉄(Fe23換算)100重量部に対して、例えば35〜90重量部であり、好ましくは37〜85重量部、より好ましくは38〜82重量部、さらに好ましくは40〜80重量部である。上記パラジウムと鉄の含有比となるように、パラジウム及び鉄の調製原料を配合することが好ましい。
前記溶媒としては、例えば、水、アルコール、トルエン等が挙げられるが、中でも水が好ましい。前記溶媒の使用量は、加えた触媒成分を分散又は溶解できる分量であれば特に制限されないが、使用する触媒成分全量100重量部に対して、例えば100〜5000重量部であり、好ましくは300〜1000重量部である。また、パラジウムの塩は、鉄、その他の卑金属塩と比較して析出し易いため、混合溶液にクエン酸、EDTA等のキレート剤を共存させることも、触媒活性向上に有効である。前記キレート剤の配合量は、溶媒100重量部に対し、例えば10〜1000重量部である。
(2)(1)で調製した混合溶液を蒸発乾固及び乾燥する工程における蒸発乾固は、例えば50〜150℃の温度で3〜48時間行う。また、乾燥は、例えば50〜200℃の温度で1〜48時間行う。前記の蒸発乾固と乾燥は、分けずに一度に行ってもよい。前記の蒸発乾固と乾燥は、一般的な電気炉などを用いて空気雰囲気下で行うことができる。必要に応じて、乾燥後の触媒を適切な大きさになるように破砕や整粒などにより成形して、ペレット状又は球状にしてもよい。
(3)(2)で乾燥させた触媒を焼成する工程における焼成は、例えば100〜600℃の温度で1〜24時間行う。前記焼成は、一般的な電気炉などを用いて空気雰囲気下で行うことができる。また、焼成は、100〜600℃の温度範囲で適宜段階的に温度変化させて行ってもよく、例えば100〜300℃で1〜6時間、その後300〜500℃で2〜8時間焼成させてもよい。本発明の触媒では、特に急激な温度上昇による発熱を防ぎ、パラジウムの一次粒子径の肥大化を抑制するために、段階的に温度を上げることが好ましい。焼成は、前記(2)の蒸発乾固や乾燥と分けずに一度に行ってもよい。なお、鉄の成分は、焼成することにより酸化鉄として触媒中に存在することとなる。
[アルデヒド類の製造方法]
本発明のアルデヒド類の製造方法は、触媒成分としてパラジウムと鉄を含む本発明の触媒の存在下、気相中でカルボン酸類から水素化によりアルデヒド類を製造する方法である。本発明のアルデヒド類の製造方法では、水素化は、水素(H2)ガスを用いることが好ましい。
前記カルボン酸類とは、分子内に少なくとも1つのカルボキシル基を有する有機酸である。カルボン酸類としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、アクリル酸、安息香酸等が挙げられる。前記アルデヒド類とは、分子内に少なくとも1つのホルミル基を有する炭化水素化合物である。前記アルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブタナール、ペンタナール、アクロレイン、ベンズアルデヒドなどが挙げられる。なお、本発明のアルデヒド類の製造方法では、原料であるカルボン酸類に対応したアルデヒド類が得られる。
本発明のアルデヒド類の製造方法では、前記カルボン酸類が酢酸であり、前記アルデヒド類がアセトアルデヒドであることが好ましい。
図2は、本発明のアルデヒド類の製造方法の一例を示す概略フロー図である。特に図2は、アセトアルデヒドを目的物とする場合の概略フロー図である。
図2に示す例では、水素ガスは水素設備Pからライン1により供給され、コンプレッサーI−1で加圧され、バッファータンクJ−1を経て、ライン2の循環ガスと合流して、ライン3により蒸発器A(カルボン酸類蒸発器)に仕込まれる。蒸発器Aには、カルボン酸類タンクK−1からポンプN−1を用いてライン4よりカルボン酸類が供給され、気化したカルボン酸類が水素ガスと共に熱交換器(加熱器)L−1、L−2で加熱され、ライン5より本発明の触媒を充填した反応器Bに仕込まれる。蒸発器Aには循環ポンプN−2が備えられている。反応器Bでカルボン酸類は水素化され、主生成物のアルデヒド類やエタノール等のアルコール類のほか、非凝縮性のメタン、エタン、エチレン、二酸化炭素、凝縮性のアセトン等のケトン類、水などが生成する。また、他にプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン等の炭素数2以上の炭化水素が生成する。
カルボン酸類の水素化は、公知の方法で行うことができる。例えば、カルボン酸類を触媒成分としてパラジウムと鉄を含む本発明の触媒の存在下で水素と反応させる。本発明のアルデヒド類の製造方法では、カルボン酸類の水素化に用いる前に、予め、水素と接触させることにより還元処理を施すことが好ましい。還元処理は、例えば200〜400℃、且つ0.1〜5MPaの条件下、水素(H2)ガスを30〜300ml/min流通させることにより行われる。
線速度は、例えば、10〜20000mm/sであり、好ましくは50〜10000mm/sであり、より好ましくは200〜3000mm/sである。線速度が上記範囲であると、カルボン酸類の水素化においてアルデヒド類の選択率を向上させることができる。なお、前記線速度とは、反応圧力と反応温度による体積補正を行った体積流量を反応管の断面積で割った値を意味する。
反応器での反応温度は、例えば、250〜400℃、好ましくは270〜350℃である。反応温度が高すぎるとアセトン等のケトン類の副生が増大し、アルデヒド類等の選択率が低下しやすくなる。反応器での反応圧力は、常圧、減圧、加圧下のいずれであってもよいが、例えば、0〜10MPa、好ましくは0.1〜3MPaの範囲である。反応器での接触時間は、例えば、0.1〜1secであり、好ましくは0.1〜0.5secである。
反応器への水素とカルボン酸類の供給比(モル比)は、例えば、水素/カルボン酸類=0.5〜50、好ましくは水素/カルボン酸類=2〜25である。
反応器におけるカルボン酸類の転化率は80%以下(例えば5〜80%)であることが望ましい。カルボン酸類の転化率が80%を超えると、副生物(酢酸エチル等)が生成しやすくなり、アルデヒド類の選択率が低下する。したがって、反応器における滞留時間、水素の流通速度を、カルボン酸類の転化率が80%以下となるように調整することが望ましい。
カルボン酸類と水素との反応により、前述したように、主に、未転化のカルボン酸類、未転化の水素、反応で生成したアルデヒド類、アルコール類、水、及びその他の生成物(酢酸エチル等のカルボン酸類、アセトン等のケトン類)からなるガス状反応生成物が得られる。
前記ガス状反応生成物から非凝縮性ガスと凝縮性成分とを分離し、該凝縮性成分を反応液とすることができる。前記ガス状反応生成物から非凝縮性ガスと凝縮性成分とを分離する方法としては、例えば、カルボン酸類を水素化した反応流体を吸収塔に仕込み、該反応流体中の凝縮成分を吸収液で吸収することにより、凝縮性成分と非凝縮性のガスとを分離できる(吸収工程)。前記の副生する炭素数2以上の炭化水素の少なくとも一部は、吸収液で吸収される。本発明のアルデヒド類の製造方法においては、このような吸収液に吸収された凝縮性成分(凝縮性成分と吸収液の混合物)も「反応液」に含める。なお、前記吸収工程では、非凝縮性ガスの一部が吸収液に溶解するが、吸収塔の缶出液の圧力を減じることにより、吸収液に溶解した非凝縮性ガスを放散させ、該非凝縮性ガス放散後の液を吸収塔にリサイクルする工程(放散工程)を設けることにより、水素と他の非凝縮性ガス成分とを効率よく分離できる。
前記吸収工程では、例えば、カルボン酸類を水素化した反応流体を吸収塔に仕込み、該反応流体中の凝縮成分を吸収液で吸収するとともに、非凝縮性ガスを吸収液に溶解する。この吸収工程は、通常、反応工程で得られた反応流体と吸収液とを吸収塔に供給し、吸収塔内で両者を接触させることにより行われる。吸収塔としては、特に限定されず、公知乃至周知のガス吸収装置、例えば、充填塔、棚段塔、スプレー塔、濡れ壁塔などを使用できる。
また、前記放散工程では、吸収塔の缶出液の圧力を減じて吸収液に溶解した非凝縮性ガスを放散し、該非凝縮性ガス放散後の液を吸収塔にリサイクルする。この放散工程は、通常、吸収工程で得られた吸収塔の缶出液(凝縮成分および非凝縮性ガスを吸収、溶解した後の吸収液)を圧力を減じた放散塔に供給し、非凝縮性ガスを放散することにより行われる。放散塔としては、特に限定されず、公知乃至周知のガス放散装置、例えば、充填塔、棚段塔、スプレー塔、濡れ壁塔、気液分離器などを使用できる。
図2に示す例では、反応器Bから流出した反応流体はライン6により前記熱交換器L−1を経た後、熱交換器(冷却器)M−1、M−2で冷却され、ライン7より吸収塔Cの下方部に仕込まれる。吸収塔Cには、吸収液として、ライン9より後述する放散塔Dの缶出液(以後、「循環液」と称する場合がある)が仕込まれる。循環液は主に非凝縮性ガスである水素、メタン、エタン、エチレン、二酸化炭素を吸収、溶解する。また、循環液以外の吸収液(以後、「吸収塔補給液」と称する場合がある)として、ライン11より共沸溶剤(水と共沸する溶剤)を多く含む留出上相液を吸収液として仕込んでもよい。吸収塔補給液は非凝縮性ガスとともに低沸点の凝縮性成分であるアルデヒド類を吸収する。なお、留出上相液は、ライン15を通り冷却器M−3を経てライン11に供給される。放散塔Dの缶出液(ライン9)(循環液)及び留出上相液(ライン11)(吸収塔補給液)の吸収塔Cへの仕込位置は、アルデヒド類および非凝縮性ガスの吸収効率等を考慮して適宜選択できるが、前記循環液は吸収塔Cの中段部へ、前記吸収塔補給液は吸収塔Cの上方部へ仕込むのが好ましい。
吸収塔Cの缶出液は、反応液タンクK−2に供されるライン14と放散塔Dに仕込まれるライン8に分かれる。ライン14の缶出液は、反応液として反応液タンクK−2に貯留される。必要に応じてこの貯留された反応液を、精製工程に供してもよい。ライン8は放散塔Dで減圧され、ライン10より吸収液に溶解した非凝縮性ガスである水素、メタン、エタン、エチレン、二酸化炭素が放散され、該非凝縮性ガス放散後の液はライン9より吸収塔Cにリサイクルされる。Q−2はベントである。
吸収塔Cに仕込まれる吸収液としては、吸収塔Cの缶出液(循環液)のみでもよいが、アルデヒド類が沸点20℃と低いアセトアルデヒドである場合は、アセトアルデヒドの回収率を向上させるため、アセトアルデヒドを含まない吸収液が好ましい。例えば、吸収液としては、未反応のカルボン酸類と副生した水とを共沸蒸留により分離する際に使用する共沸溶剤含有液のほか、吸収塔Cの缶出液からアルデヒド類を分離した後の液等の酢酸水溶液が好ましい。
吸収液として前記共沸溶剤含有液を用いる場合、共沸溶剤含有液中の共沸溶剤含有量は、例えば、10重量%以上、好ましくは30重量%以上、より好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは75重量%以上である。
前記共沸溶剤は、水と共沸混合物を形成して沸点を下げ、かつ、水と分液することでカルボン酸類と水の分離を容易にする。共沸溶剤の例としては、エステルとしては、ギ酸イソプロピル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、ギ酸イソアミル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸イソプロピルなどが、ケトンとしては、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、エチルプロピルケトンなどが、脂肪族炭化水素としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどが、脂環式炭化水素としては、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサンなどが、芳香族炭化水素としては、ベンゼン、トルエンなどが挙げられる。
これらの中でも、酢酸エチルは、カルボン酸類の水素化の副生成物として存在しやすいため、共沸溶剤の回収工程を省略することができるので、共沸溶剤として好ましい。
また、酢酸プロピル(沸点102℃)、酢酸イソブチル(沸点117℃)、酢酸sec-ブチル(沸点112℃)、プロピオン酸イソプロピル(沸点110℃)、酪酸メチル(沸点102℃)、イソ酪酸エチル(沸点110℃)など、常圧における沸点が100℃から118℃のエステルは、水との共沸混合物の水の比率が高く、かつ、酢酸より沸点が低いため、カルボン酸類と水の分離をより容易にする。また、これらのエステルは、エタノールとも共沸しないか、または、エタノールとの共沸混合物のエタノールの比率が低く、共沸溶剤の分離・回収が比較的容易である。したがって、常圧における沸点が100℃から118℃のエステルも共沸溶剤として好ましい。
また、非凝縮性ガスとして存在しやすいメタンは、極性の高い酢酸水溶液よりも極性の低い共沸溶剤によく溶解するため、共沸溶剤は、非凝縮性ガスの吸収液に適している。
吸収塔Cに供給される前記吸収塔補給液(ライン11)の供給量と反応流体(ライン7)の供給量との比(重量比)は、例えば、前者/後者=0.1〜10であり、好ましくは前者/後者=0.3〜2である。また、吸収塔Cに供給される前記循環液(ライン9)の量と反応流体(ライン7)の供給量との比(重量比)は、例えば、前者/後者=0.05〜20であり、好ましくは前者/後者=0.1〜10である。
吸収塔Cの段数(理論段数)は、例えば1〜20、好ましくは3〜10である。また、吸収塔Cにおける温度は、例えば0〜70℃であり、吸収塔Cにおける圧力は、例えば、0.1〜5MPa(絶対圧)である。
放散塔Dにおける温度は、例えば、0〜70℃である。放散塔Dにおける圧力は、吸収塔Cの圧力より低ければよく、例えば、0.05〜4.9MPa(絶対圧)である。吸収塔Cの圧力と放散塔Dの圧力との差(前者−後者)は、非凝縮性ガスの放散効率やアルデヒド類のロス抑制の観点から適宜選択できるが、例えば、0.05〜4.9MPa、好ましくは0.5〜2MPaである。
本発明のアルデヒド類の製造方法におけるアルデヒド類の選択率は、反応条件によっても異なるが、例えば、30〜90%であり、好ましくは40〜90%である。なお、アルデヒド類の選択率や収率は、前記反応液をガスクロマトグラフィー等で分析することにより求めることができる。
本発明のアルデヒド類の製造方法により得られる、アルデヒド類の純度は、例えば、90.0重量%以上であり、好ましくは95.0重量%以上であり、さらに好ましくは98.0重量%以上である。なお、得られたアルデヒド類は、必要に応じてさらに蒸留などにより精製し、さらに純度を高めることもできる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
[実施例1]
Fe(NO33・9H2O(関東化学(株)社製、製品No.16026-00)18.25g、及び無水クエン酸(和光純薬(株)社製、商品コード:030-05525)7.89gをPd(NO32硝酸溶液((株)フルヤ金属社製、Pd含有量4.5重量%)31.74gに加え、均一な混合溶液とした。上記の混合溶液を70℃で12時間乾燥させて蒸発乾固した後、110℃で1時間、140℃で1時間、200℃で2時間、400℃で5時間焼成し、長径2.0〜2.8mm程度の大きさに打錠成型することにより打錠ペレット型触媒を得た(Pd/Fe23重量比=40/100)。
[実施例2]
Fe(NO33・9H2Oの使用量を14.19g、無水クエン酸の使用量を12.28g、Pd(NO32硝酸溶液の使用量を49.38gとしたこと以外は実施例1と同様にして実施例2の打錠ペレット型触媒を得た(Pd/Fe23重量比=80/100)。
[比較例1−4]
Fe(NO33・9H2O、無水クエン酸、及びPd(NO32硝酸溶液の使用量を下記表1のようにしたこと以外は実施例1と同様にして比較例1−4の打錠ペレット型触媒を得た。
(触媒の反応性の評価)
実施例1、2及び比較例1−4で得られた触媒を用い、下記の方法で酢酸を原料とし、気相中で水素化することによりアセトアルデヒドを製造した。なお、触媒の反応性の評価は、酢酸を気化し、水素ガスとともに気体として反応器に供給可能であり、触媒を取り付けることができ、加熱可能な反応管を有する反応系を用いて行った。また、反応管を通過した気体は、反応管の出口に設けたコンデンサーからの凝縮液及び非凝縮成分からなるオフガスに分け、各々をガスクロマトグラフィー(GC)にて分析した。
内径10mmのSUS316製反応管に、上記で得られた触媒を1.0ml充填し、まず、反応管に水素ガスを2.4L/hr(0℃/1atm換算、以下同じ)で流通させながら、電気炉により触媒層の温度を300℃に昇温し、12時間保持して触媒を活性化した。次に、水素ガス流量12.57L/hr、酢酸を0.076ml/minとして反応管に仕込んだ(酢酸は触媒層の手前で気化され、水素ガスとの混合ガスとして反応管を通過させた)。反応管に仕込んだ後、電気炉の温度を315℃に昇温し、反応管の出口の背圧弁により反応管内圧力を0.4MPaに昇圧した。上記の反応条件で24時間反応を継続した後、凝縮液及びオフガスを分析し、反応評価をした。この評価結果を表2に示す。また、上記の反応条件で200時間反応を継続した評価結果を表3に示す。
表2、3に示す通り、実施例2のときに最も高い酢酸転化率を示した。表2、3の酢酸転化率にから分かるように反応時間経過200時間による酢酸転化率低下は、比較例2が最も大きく、実施例2が最も小さい。また、実施例1と比較例2の反応時間経過200時間による酢酸転化率を比較すると、実施例1ではそれ程低下していないのに比べて、比較例2では大きく低下していることが分かる。
[TEM測定]
比較例1、実施例2、及び比較例4の触媒を試料とし、それぞれの試料の任意の箇所について、下記のTEM(透過型電子顕微鏡)により極微細構造の確認を行った。TEMで観測された、それぞれの触媒の画像を図3〜5に示す。図3が比較例1、図4が実施例2、図5が比較例4である。なお、図3〜5における右側のTEM画像は、左側のTEM画像を拡大しものである。
装置の機種:日本電子(株)社製 「JEM−1400Plus」
加速電圧:120kV
図3〜5のTEM画像において、黒くなっている部分がパラジウムの一次粒子であり、少し透過して見える部分が酸化鉄の層である。図3〜5のTEM画像を参照すると、酸化鉄に対するパラジウム重量比が増加するほど酸化鉄の層の割合が少なくなっていく傾向にあることが分かる。比較例1(図3)は、実施例2(図4)及び比較例4(図5)と比較して酸化鉄の割合が多いことが分かる。触媒におけるパラジウム重量比が増加するにつれてパラジウムの一次粒子径が肥大化していく傾向があることが分かるTEMから測定される、それぞれのパラジウムの一次粒子径は、比較例1(図3)が約5〜15nm、実施例2(図4)が約5〜25nm、比較例4(図5)が約5〜50nmである。また、それぞれの酸化鉄の層の厚みは、比較例1(図3)が約1〜100nm、実施例2(図4)が約1〜20nm、比較例4(図5)が約1〜20nmである。比較例4では、パラジウムが凝集して、パラジウムの一次粒子径が肥大化したため、触媒の反応における活性点となるパラジウム鉄合金もしくはパラジウム鉄合金近傍の酸化鉄が酢酸と接する表面積が低下したと考えられる。その結果として、上記表3から分かるとおり、反応時間経過によりアセトアルデヒドの選択率が低下した。また、比較例3においても、反応時間経過によりアセトアルデヒドの選択率が低下していることから、比較例4と同様にパラジウムが凝集して、パラジウムの一次粒子径が肥大化していると考えられる。
[XAFS測定]
比較例1及び実施例1の触媒を試料とし、それぞれの試料の任意の箇所について下記のXAFS(X線吸収微細構造解析)装置により、空気中及び水素雰囲気下(水素中)で昇温しながらの局所構造の解析(in situ XAFS)を行った。解析により得られた動径分布関数のスペクトルを図6及び7に示す。図6が比較例1、図7が実施例1のスペクトルである。
装置の機種:大型放射光実験施設SPring−8 「BL14B2」
図6及び7を参照すると、室温、空気中に比べて、室温、水素中でPd−Oのピークが低下し、Pd−Pdのピークが上昇しているため、水素雰囲気下で酸化パラジウム(Pd−O)がパラジウム(Pd−Pd)に還元されていることを確認した。また、水素中でPd−Feピークが確認され、水素雰囲気下でパラジウム鉄合金(Pd−Fe)が形成されていることを確認した。また、図6及び7の400℃、水素中でもPd−Pdのピークが確認されることから、パラジウム単体が一定の割合が残っており、パラジウム(Pd−Pd)とパラジウム鉄合金(Pd−Fe)が共存していることが確認された。図7の実施例1では、図6の比較例1に比べて、Pd−Feピークが高いことから、パラジウム重量が多い程、パラジウム鉄合金(Pd−Fe)を形成しやすく、触媒におけるパラジウム鉄合金の割合が多いことが分かる。また、温度が高い程Pd−Feピークが高くなることから、温度が上昇するにつれて、パラジウム鉄合金(Pd−Fe)を形成しやすいことが分かる。
[COパルス吸着法による表面吸着量測定]
標準試料と比較例1について、下記装置を用いて、下記表4に示す前処理条件、下記パルス測定条件でCOパルス吸着法による表面吸着量測定を行った。測定結果を下記表5に示す。
前処理条件:
パルス測定条件:温度設定50℃、キャリアガスHe、吸着ガスCO/He
装置の機種:マイクロトラック・ベル(株)社製 「BELCAT‐B」
表5を参照すると、標準試料であるPt/Al23に対しPd/Fe23触媒は、単位吸着量及び金属分散度が小さいため、300℃で水素処理した場合にCO吸着が少ないことが確認された。よって、Pt/Al23の場合、触媒表面に多く白金が露出しているのに対し、Pd/Fe23の場合、高温水素雰囲気下において触媒表面にパラジウムは存在せず、パラジウムが酸化鉄などの鉄由来である酸化物の膜で覆われていると考えられる。また、TEMで確認したパラジウムの一次粒子径との相関もないと考えられ、パラジウムの一次粒子径が大きい本願実施例1、2及び本願比較例2〜4においても同様に高温、水素雰囲気下において触媒表面にパラジウムは存在せず、パラジウムが酸化鉄の膜で覆われていると考えられる。
[STEM測定及びEDXによる元素分析]
実施例1及び2の触媒を試料とし、300℃での水素還元前後についてSTEM(走査透過型電子顕微鏡)により結晶構造の確認を行った。また、STEMで撮影した透過画像の特定のポイント(Pt.)について、EDX(エネルギー分散型X線分光分析器)による元素(特性X線の種類)を分析した。この確認及び分析に用いた装置は、下記のとおりである。図8〜13はSTEMにより観測した画像であり、表6〜8は元素分析の結果である。なお、表6〜8におけるAt%は、観測された原子全量に対する原子比という意味である。
装置の機種:(株)日立ハイテクノロジーズ社製 走査透過電子顕微鏡 「HD−2700」(EDX付)
図8は、水素還元前の実施例1の触媒をSTEMにより観測した画像である(左:二次電子像、中:暗視野像、右:明視野像)。図8を参照すると、暗視野像(中)ではパラジウムと考えられる白くコントラストのついた部位が見られる。
図9は、水素還元前の実施例1の触媒のEDXの測定箇所を示す画像(明視野像)である。図9中の+1、+2、及び+3は、EDXの測定箇所を示し、表6に当該測定箇所での元素分析の結果を示す。表6(図9)のEDX結果では、+1及び+2と、+3を比較すると分かるように、同じ触媒の部位でも測定箇所により、パラジウム(Pd)と鉄(Fe)が観測される箇所とパラジウム(Pd)のみが観測される箇所があることが分かる。これはパラジウム(Pd)が鉄(Fe)に覆われている部位とパラジウム(Pd)が鉄(Fe)で覆われていない部位があることを示している。このように水素還元前の実施例1の触媒では、パラジウムが酸化鉄に覆われている部位と酸化鉄で覆われていない部位が共存していることが分かる。
図10は、水素還元後の実施例1の触媒をSTEMにより観測した画像である(左:二次電子像、中:暗視野像、右:明視野像)。図10を参照すると、二次電子像(左)ではパラジウムが触媒表面上に出ている様子は見られない。STEMにより観測される水素還元後の実施例1の触媒のパラジウムの一次粒子径は、約5〜10nmであり、酸化鉄の層の厚みは、約1〜10nmである。
図11は、水素還元後の実施例1の触媒のEDXの測定箇所を示す画像(暗視野像)である。図11中の+1、+2、及び+3は、EDXの測定箇所を示し、表7に当該測定箇所での元素分析の結果を示す。表7(図11)のEDX結果では、+1(触媒表面近傍)が鉄(Fe)と酸素(O)のみであり、+2、+3と触媒の中心部位にいくにつれて、鉄(Fe)と酸素(O)の合計割合が減り、パラジウム(Pd)の割合が高くなっていることが分かる。これは触媒表面近傍では酸化鉄のみであり、中心部位程パラジウムの割合が大きいことを示している。以上のことから実施例1の触媒は300℃、水素還元処理することによりパラジウムやパラジウム鉄合金が酸化鉄で覆われている構造を形成していることが考えられる。これはパラジウム近傍にある酸化鉄が鉄に還元されながらパラジウムとパラジウム鉄合金を形成し、さらに、これらを覆うような形で空気中に存在する酸素により酸化された酸化鉄が存在するためと考えられる。また、実施例1の触媒は、上記の触媒の反応性の評価のように、実際にアルデヒド類を製造する装置での反応においても、水素還元処理された鉄は酢酸等の酸素により酸化され酸化鉄になっていると考えられる。
図12は、水素還元後の実施例2の触媒をSTEMにより観測した画像である(左:二次電子像、中:暗視野像、右:明視野像)。図12を参照すると、二次電子像(左)ではパラジウムが触媒表面上に出ている様子は見られない。
図13は、水素還元後の実施例2の触媒のEDXの測定箇所を示す画像(暗視野像)である。図13中の+1、+2、及び+3は、EDXの測定箇所を示し、表8に当該測定箇所での元素分析の結果を示す。表8(図13)のEDX結果では、+3及び+1の触媒表面近傍と+2の中心部位、いずれも一定以上のパラジウム(Pd)が存在することが分かった。これは触媒表面近傍、中心部位の両方においてパラジウムの割合が大きいことを示している。以上より、300℃、水素還元処理後の実施例2の触媒では、パラジウム鉄合金が酸化鉄で覆われている部分があるが、パラジウム鉄合金が酸化鉄で覆われていない部位も存在することが考えられる。
図8〜13のSTEM測定及び表6〜8のEDXによる元素分析の結果より、本発明の触媒(実施例1及び2)は、高温、水素雰囲気下において、コアがパラジウム(Pd)、その周りがパラジウム鉄合金(Pd−Fe)の層、最外殻が酸化鉄の層で覆われている触媒構造を形成することを確認した。
[CHN元素分析]
200時間反応した比較例1、2及び実施例1、2の触媒について、触媒を2mg秤量し下記の装置を用いて、CHN(炭素、水素、窒素)元素分析を行った。標準試料にアンチピリンを用いて検量線を作成し、キャリブレーションとしてアセトアニリドを分析した。
装置の機種:(株)ジェイ・サイエンス・ラボ マイクロコーダー 「JM10」
表9のCHN元素分析の結果より、実施例1及び2では比較例1及び2に比べて、カーバイド(C)生成が減量していることが確認された。よって、実施例1及び2では、H2が活性化され、パラジウム(Pd)もしくはパラジウム鉄合金(Pd−Fe)近傍の酸化鉄は適度な還元状態が維持されているためカーバイド(C)が生成し難い環境が形成、もしくは生成したカーバイドがH2によりメタン等になり分解されていると考えられる。
これらの結果から、本発明の触媒は、高温水素雰囲気下において失活しやすい鉄(Fe)が単独で存在する部分が少なく、パラジウム(Pd)との接触面が多い、且つその界面がパラジウム鉄合金(Pd−Fe)となる構造すなわち、図1に模式図として断面構造の一例として記載したような、コアがパラジウム(Pd)、その周りがパラジウム鉄合金(Pd−Fe)、最外殻が酸化鉄で覆われている構造を効率良く形成する。本発明の触媒は、このような特有の触媒構造を有するため、パラジウム鉄合金、もしくはパラジウム鉄合金近傍の鉄が活性点として機能し、高い酢酸転化率、アセトアルデヒド選択率を示すと考えられる。このため、本発明の触媒は、反応時間経過によるコーキング化(カーバイドの生成)が抑制され反応成績が低下し難くなっていると考えられる。
A 蒸発器
B 反応器
C 吸収塔
D 放散塔
I−1〜I−2 コンプレッサー
J−1〜J−3 バッファータンク
K−1 カルボン酸類タンク
K−2 反応液タンク
L−1〜L−2 加熱器
M−1〜M−4 冷却器(クーラー)
N−1〜N−3 ポンプ(送液ポンプ)
P 水素設備(水素ボンベ)
Q−1〜Q−2 ベント
1〜15 ライン

Claims (7)

  1. カルボン酸類から気相中で水素化することによりアルデヒド類を製造するための触媒であって、触媒成分としてパラジウムと鉄を含み、高温水素雰囲気下において、前記触媒のコアにパラジウムが存在し、当該コアの周りにパラジウム鉄合金の層が存在し、前記触媒の最も外側に酸化鉄の層が存在する構造を有する触媒。
  2. コアに存在する前記パラジウムの粒子径が、最大で20nm以下である請求項1に記載の触媒。
  3. 最も外側に存在する前記酸化鉄の層の厚みが、最大で20nm以下である請求項1又は2に記載の触媒。
  4. 前記カルボン酸類が酢酸であり、前記アルデヒド類がアセトアルデヒドである請求項1〜3のいずれか1項に記載の触媒。
  5. ペレット状又は球状に成形された請求項1〜4のいずれか1項に記載の触媒。
  6. カルボン酸類から気相中で触媒を用いて水素化することによりアルデヒド類を製造する方法であって、前記触媒が、請求項1〜5のいずれか1項に記載の触媒であるアルデヒド類の製造方法。
  7. 前記カルボン酸類が酢酸であり、前記アルデヒド類がアセトアルデヒドである請求項6に記載のアルデヒド類の製造方法。
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