JP2018147740A - リチウムイオン二次電池の製造方法 - Google Patents

リチウムイオン二次電池の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】入出力特性やサイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池の製造方法を提供する。【解決手段】本発明により、(ステップ1)正極と負極と非水電解液とを電池ケースに収容して、組立体を構築する工程、ここで、上記非水電解液は、フッ素化カルボン酸エステルと、フッ素化環状カーボネートと、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドと、オキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩と、を含有する、および、(ステップ2)上記組立体をハイレートで初回充電する工程、を包含する、リチウムイオン二次電池の製造方法が提供される。【選択図】なし

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池の製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池では、耐久性の向上等を目的として、非水電解液にフッ素化溶媒を含ませることがある。例えば特許文献1には、非水電解液にフッ素化溶媒の1種であるフッ素化カルボン酸エステルを含ませることで、電池の高温保存特性を高め得る旨が記載されている。
特開2016−027548号公報
フッ素化カルボン酸エステルは耐酸化性が高く(酸化分解電位高く)、正極との副反応(非水電解液の酸化分解)を抑制するために有用である。しかしながら、フッ素化カルボン酸エステルは、その背反として耐還元性が低い。そのため、本発明者らの検討によれば、電池を組み立てた後の最初の充電時(初回充電時)に、負極と非水電解液との副反応が増大して、電池の入出力特性やサイクル特性が低下する問題があった。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、入出力特性やサイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、負極の表面に、低抵抗かつ耐還元性に優れた皮膜を形成することを考えた。そして、鋭意検討を重ね、本発明を完成させた。
本発明により、正極と負極と非水電解液とを電池ケースに収容して、組立体を構築する工程、ここで、上記非水電解液は、フッ素化カルボン酸エステルと、フッ素化環状カーボネートと、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドと、オキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩と、を含有する、および、上記組立体をハイレートで初回充電する工程、を包含する、リチウムイオン二次電池の製造方法が提供される。
上記構成の組立体をハイレートで初回充電することにより、負極の表面に、「リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド」および「オキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩」に由来する成分を含んだ良質な皮膜、具体的には低抵抗かつ高耐久な皮膜を形成することができる。このことにより、負極の耐還元性を向上して、初回充電時の副反応を抑制することができる。したがって、入出力特性やサイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池を実現することができる。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
本実施形態の製造方法は、(ステップ1)組立体の構築工程と、(ステップ2)初回充電工程とを包含する。以下、各工程について順に説明する。
≪ステップ1;組立体の構築工程≫
本工程では、正極と負極と非水電解液とを電池ケースに収容して、組立体を構築する。本工程は、典型的には、(ステップ1−A)電極体の用意工程と、(ステップ1−B)非水電解液の用意工程と、(ステップ1−C)電極体および非水電解液の収容工程と、を包含する。なお、ステップ1−Aとステップ1−Bとの順序は特に限定されない。
(ステップ1−A)電極体の用意工程
本工程では、正極と負極とを備える電極体を用意する。電極体は、正極と負極とを絶縁した状態で積層することによって作製し得る。正極と負極との絶縁には、例えばポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等の樹脂製のセパレータを用いることができる。
正極は、典型的には、正極集電体と、正極集電体上に固着された正極活物質層とを備えている。正極集電体としては、導電性の良好な金属(例えばアルミニウム)からなる導電性部材が好適である。
正極活物質層は、正極活物質を含んでいる。正極活物質としては、典型的には、リチウムコバルト系複合酸化物(例えば、LiCoO)、リチウムマンガン系複合酸化物(例えばLiMn)、リチウムニッケルマンガン系複合酸化物(例えば、LiNi0.5Mn1.5)、リチウムニッケルコバルトマンガン系複合酸化物(例えば、LiNiCoMn(ただし、0<x<1、0<y<1、0<z<1、x+y+z=1である。))等のリチウム遷移金属複合酸化物が例示される。
正極活物質は、リチウムイオン二次電池の作動電圧の範囲内において、概ね4.35V以上、例えば4.5V以上の作動上限電位(vs. Li/Li+)を有する高電位材料を含むことが好ましい。高電位材料の作動上限電位(vs. Li/Li+)は、概ね4.7V以上であって、典型的には5.5V以下、例えば5.3V以下であるとよい。これにより、高エネルギー密度の電池を安定的に実現することができる。このような高電位材料の一好適例としては、スピネル構造のリチウムニッケルマンガン系複合酸化物が挙げられる。
正極活物質層は、正極活物質以外の成分、例えば、導電材や正極バインダ、無機リン酸化合物等を含んでもよい。導電材としては、例えば、アセチレンブラック等の炭素材料が例示される。正極バインダとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等のハロゲン化ビニル樹脂が例示される。無機リン酸化合物としては、例えば、LiPO等のアルカリ金属元素を含むリン酸塩が例示される。
負極は、典型的には、負極集電体と、負極集電体上に固着された負極活物質層とを備えている。負極集電体としては、導電性の良好な金属(例えば銅)からなる導電性材料が好適である。
負極活物質層は、負極活物質を含んでいる。負極活物質としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、非晶質コート黒鉛等の黒鉛系炭素が例示される。ここで「黒鉛系炭素」とは、黒鉛の占める割合が概ね50質量%以上、典型的には80質量%以上のものを言う。
負極活物質層は、負極活物質以外の成分、例えば、増粘剤や負極バインダ等を含んでもよい。増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)等のセルロース類が例示される。負極バインダとしては、例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR)等のゴム類や、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等のハロゲン化ビニル樹脂が例示される。
(ステップ1−B)非水電解液の用意工程
本工程では、非水電解液を用意(典型的には調製)する。ここに開示される技術において、非水電解液は、(a)フッ素化カルボン酸エステルと、(b)フッ素化環状カーボネートと、(c)リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドと、(d)オキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩(以下、「オキサラト錯体リチウム塩」ということがある。)と、を含有する。非水電解液は、典型的には電池の使用環境下(典型的には−20〜+60℃、例えば−10〜+50℃の温度環境下)で液状を呈する。
(a)フッ素化カルボン酸エステルは、フッ素で置換されたカルボン酸エステル、すなわちカルボン酸エステルのフッ化物である。本実施形態において、フッ素化カルボン酸エステルは、第1のフッ素化溶媒である。フッ素化カルボン酸エステルは、フッ素原子を含むことで耐酸化性に優れ、正極での非水電解液の酸化分解を抑制するために有用である。また、他の非水溶媒に比べて誘電率が高く、電子伝導性を向上するために有用である。
フッ素化カルボン酸エステルとしては、特に限定されないが、例えば、フッ素化酢酸メチル、フッ素化酢酸エチル、フッ素化プロピオン酸メチル、フッ素化プロピオン酸エチル、酪酸メチル、酪酸イソ酪酸メチル、酪酸トリメチル酢酸メチル等のフッ素化鎖状カルボン酸エステルが例示される。フッ素化鎖状カルボン酸エステルの一好適例として、以下の式(I)で示される、α位の炭素がフッ素化されたものが挙げられる。
Figure 2018147740
式(I)において、Rは、水素、フッ素、炭素数が1〜3の非フッ素アルキル基、または炭素数が1〜3のフッ素含有アルキル基を表す。Xは、水素またはフッ素を表す。Rは、炭素数が1〜3の非フッ素アルキル基、または炭素数が1〜3のフッ素含有アルキル基である。
式(I)で示される化合物の一例として、ジフルオロ酢酸メチル(MDFA;R=H、X=F、R=CH)、2,3,3,3−テトラフルオロプロピオン酸メチル(M2333TFP;R=CF、X=H、R=CH)、2,2,3,3−テトラフルオロプロピオン酸メチル(M2233TFP;R=CHF、X=F、R=CH)等が挙げられる。
非水電解液中のフッ素化カルボン酸エステルの含有割合は、体積基準で、概ね50体積%以上、例えば70体積%以上であって、概ね95体積%以下、例えば80体積%以下であることが好ましい。
(b)フッ素化環状カーボネートは、環状カーボネートのフッ化物である。本実施形態において、フッ素化環状カーボネートは、第2のフッ素化溶媒である。フッ素化環状カーボネートは、フッ素原子を含むことで耐酸化性に優れ、正極での非水電解液の酸化分解を抑制するために有用である。また、フッ素化カルボン酸エステルに比べて低粘性であり、電荷移動抵抗を低減するために有用である。フッ素化環状カーボネートの一好適例として、以下の式(II)で示される、5員環状のフッ素化環状カーボネートが挙げられる。
Figure 2018147740
式(II)において、R,R,R,Rは、それぞれ独立して、水素、フッ素、またはフッ素含有アルキル基(例えば、炭素数が1〜5のフッ素含有アルキル基)である。R,R,R,Rは、全てが異なっていてもよいし、全てあるいは一部が同一であってもよい(ただし、R,R,R,Rの全てが水素である場合を除く)。
式(II)で示される化合物の一例として、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(MFEC;R=F、R=R=R=H)、4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(DFEC;R=R=F、R=R=H)、4−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン(TFPC;R=CF、R=R=R=H)が挙げられる。
非水電解液中のフッ素化環状カーボネートの含有割合は、体積基準で、概ね5体積%以上、例えば20体積%以上であって、概ね50体積%以下、例えば30体積%以下であることが好ましい。
(c)リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI;LiN(SOF))は、負極の表面に皮膜を形成する、所謂、皮膜形成剤として機能する。
非水電解液中のLiFSIのモル濃度は、概ね0.01mol/L以上、例えば0.05mol/L以上であって、典型的にはフッ素化溶媒に対する溶解度よりも低く、概ね1mol/L以下、例えば0.5mol/L以下であるとよい。これにより、負極の表面に良質な皮膜をより良く形成することができる。
(d)オキサラト錯体リチウム塩は、負極の表面に皮膜を形成する、所謂、皮膜形成剤として機能する。オキサラト錯体リチウム塩としては特に限定されないが、例えば、リチウムビス(オキサラト)ボレート、リチウムジフルオロオキサラトボレート等の、中心原子としてのホウ素(B)原子に少なくとも一つのシュウ酸イオン(C 2−)が配位した4配位の構造を有するB原子含有オキサラト錯体リチウム塩や、リチウムテトラフルオロオキサラトホスフェート、リチウムジフルオロビス(オキサラト)ホスフェート、リチウムトリス(オキサラト)ホスフェートの、中心原子としてのリン(P)原子に少なくとも一つのシュウ酸イオン(C 2−)が配位した6配位の構造を有するP原子含有オキサラト錯体リチウム塩が挙げられる。なかでも、フッ素化溶媒に対する溶解度が高いことから、フッ素原子を含有するオキサラト錯体リチウム塩が好ましい。
非水電解液中のオキサラト錯体リチウム塩のモル濃度は、概ね0.01mol/L以上、例えば0.05mol/L以上であって、典型的にはフッ素化溶媒に対する溶解度よりも低く、概ね1mol/L以下、例えば0.5mol/L以下であるとよい。これにより、負極の表面に良質な皮膜をより良く形成することができる。
オキサラト錯体リチウム塩のモル濃度は、LiFSIのモル濃度と同程度(例えばLiFSIのモル濃度±0.1mol/L、好ましくはLiFSIのモル濃度±0.05mol/L)であるとよい。
非水電解液は、上記4成分の他に、例えば支持塩や各種添加剤を任意に含んでもよい。
支持塩としては、典型的にはリチウム塩、例えば、LiPF、LiBF等のフッ素含有リチウム塩が挙げられる。支持塩は、非水溶媒中で解離して電荷担体を生成する。支持塩のモル濃度は、典型的にはLiFSIやオキサラト錯体リチウム塩の濃度よりも高く、具体的には、概ね0.7〜2.0mol/L、例えば0.9〜1.5mol/Lであるとよい。支持塩の濃度は、LiFSIやオキサラト錯体リチウム塩の濃度の概ね2倍以上、例えば5倍以上であって、概ね20倍以下であるとよい。
(ステップ1−C)電極体および非水電解液の収容工程
本工程では、上記電極体と上記非水電解液とを電池ケースの内部に収容する。電池ケースの材質としては、比較的軽量な金属(例えば、アルミニウム)が好適である。本工程では、組立体を気密に封止してもよいし、封止しなくてもよい。
以上のようにして、リチウムイオン二次電池の組立体を構築することができる。
≪ステップ2;初回充電工程≫
本工程では、上記構築した組立体を所定の充電レートで初回充電する。これにより、非水電解液が電気的に分解される。主には、上記皮膜形成剤の成分、すなわちリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド、および/または、オキサラト錯体リチウム塩が負極で還元分解される。そして、これら皮膜形成剤に由来する成分、例えばこれらの分解物を含んだ皮膜が、負極の表面に形成される。このことにより、非水電解液中にフッ素化溶媒、すなわちフッ素化カルボン酸エステルとフッ素化環状カーボネートとを含む態様においても、初回充電時に、負極での非水電解液の還元分解を好適に抑制することができる。
本実施形態では、初回充電をハイレートで行う。これにより、例えば初回充電を0.1〜1C程度のローレートで行う場合に比べて、良質な皮膜(例えば、低抵抗かつ耐還元性に優れた皮膜)を形成することができる。その結果、入出力特性やサイクル特性に優れるリチウムイオン二次電池を実現することができる。充電レートの上限は特に限定されないが、負極の表面に均質な皮膜を形成する観点から、典型的には10C以下、例えば5C以下とするとよい。
なお、ここでいう「ハイレート」とは、概ね1Cを超える充電レート、典型的には2C以上、好ましくは3C以上の充電レートをいう。また、1Cとは、電池の理論容量(Ah)を1時間で満充電することができる電流値を意味する。例えば理論容量が24Ahの場合は、1C=24Aである。
初回充電は、負極の電位(vs. Li/Li+)が上記皮膜形成剤の還元電位以下、すなわち、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド、および/または、オキサラト錯体リチウム塩の還元電位以下となるまで行うことが好ましい。一好適例では、負極の電位が0.1V(vs. Li/Li+)以下となるまで組立体を充電する。他の一好適例では、正負極間の電圧が4.5V以上5.0V以下となるまで組立体を充電する。初回充電では、充電状態を保ったまま所定の期間保持(エージング)することもできる。また、充電は1回でもよく、例えば放電を挟んで2回以上繰り返し行うこともできる。
以上のようにして、リチウムイオン二次電池を製造することができる。
かかる電池は、非水電解液中に少なくとも2種類のフッ素化溶媒を含んでいる。このことにより、耐酸化性に優れ、例えば初回充電時には正極での非水電解液の酸化分解がより良く抑制されている。その結果、非水電解液の酸化分解が好適に抑えられている。
また、かかる電池は、負極の表面にリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド由来の成分とオキサラト錯体リチウム塩由来の成分とを含んだ良質な皮膜を備えている。このことにより、耐還元性に優れ、例えば初回充電時には負極での非水電解液の還元分解がより良く抑制されている。その結果、非水電解液の還元分解が好適に抑えられている。
これらの相乗効果によって、ここに開示される製造方法で得られたリチウムイオン二次電池は、従来品に比べて入出力特性やサイクル特性に優れる。好適な一態様では、正極活物質の作動上限電位の引き上げによって、さらにエネルギー密度である。したがって、かかる特徴を活かして、例えばハイブリッド車両や電気車両等の移動体の動力源(駆動用電源)として好適に利用することができる。
以下、本発明に関する実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
<組立体の構築>
先ず、正極を作製した。具体的には、まず、正極活物質としてのNiMnスピネル(LiNi0.5Mn1.5)と、導電材としてのアセチレンブラック(AB)と、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを、LiNi0.5Mn1.5:AB:PVdF=87:10:3の質量比となるよう秤量し、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)と混合して、正極スラリーを調製した。この正極スラリーをアルミニウム箔(正極集電体)の表面に塗布し、乾燥させて、正極集電体上に正極活物質層を有する正極シートを作製した。
次に、負極を作製した。具体的には、まず、負極活物質としての天然黒鉛系炭素(C、平均粒径:20μm)と、バインダとしてのスチレンブタジエンゴム(SBR)と、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)とを、C:SBR:CMC=98:1:1の質量比となるよう秤量し、水と混合して、負極スラリーを調製した。この負極スラリーを銅箔(負極集電体)の表面に塗布し、乾燥させて、負極集電体上に負極活物質層を有する負極シートを作製した。
次に、上記で作製した正極シートと負極シートとを、セパレータシート(ここでは、ポリエチレン(PE)の両面にポリプロピレン(PP)が積層されたPP/PE/PPの三層構造のものを用いた。)を介在させた状態で積層し、電極体を作製した。
次に、非水電解液を調製した。具体的には、各例につき、表1に示す非水溶媒を含む混合溶媒に、支持塩としてのLiPFを1.0mol/Lの濃度となるように溶解して、ベース電解液を調製した。そして、このベース電解液に、表1に示す皮膜形成剤を添加して、各例の非水電解液を調製した。なお、表1中の皮膜形成剤の欄において、「LiFSI」は、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドを表している。また、「LiDFOB」は、リチウムジフルオロオキサラトボレートを表し、「LiBOB」は、リチウムビス(オキサラト)ボレートを表し、「LiPFO」は、リチウムジフルオロビス(オキサラト)ホスフェートを表している。
そして、上記作製した電極体と、上記調製した非水電解液とを電池ケースに収容して、電池ケースを封止した。これにより、各例の組立体をそれぞれ複数構築した。なお、試験例1〜8および比較例1〜5に係る組立体は、表1に示す通り、非水電解液(具体的には、非水溶媒および皮膜形成剤)のみが異なっている。
<初回充放電>
上記構築した組立体を、25℃の温度環境下で初回充放電した。具体的には、正負極間の電圧が4.9Vとなるまでローレート(0.3C)またはハイレート(3.0C)の充電レートで定電流充電した後、正負極間の電圧が3.5Vとなるまで0.3Cの放電レートで定電流放電した。これにより、各例の電池を製造した。
<初期容量の確認>
上記製造した電池を、25℃の温度環境下において、正負極間の電圧が4.9Vとなるまで0.2Cの充電レートで定電流充電した後、電流値が1/50Cとなるまで定電圧充電して、満充電状態とした。その後、正負極間の電圧が3.5Vとなるまで0.2Cの放電レートで定電流放電し、このときの定電流放電容量を初期容量とした。
<出力特性の評価>
上記電池を25℃の恒温槽内に設置し、放電時のIV特性を評価した。具体的には、充電深度(SOC)が30%になるまで0.3Cの充電レートで定電流充電した後、電池を−30℃の恒温槽に移動して、3C、5C、10C、15Cの放電レートでそれぞれ2秒間放電を行い、このときの電池電圧を測定した。そして、放電電流と電池電圧とをプロットして得られる近似直線の傾きから、放電時におけるIV抵抗(Ω)を算出した。結果を表1に示す。
<入力特性の評価>
上記電池を25℃の恒温槽内に設置し、充電時のIV特性を評価した。具体的には、充電深度(SOC)が60%になるまで0.3Cの充電レートで定電流充電した後、電池を−10℃の恒温槽に移動して、3C、5C、10C、15Cの充電レートでそれぞれ10秒間充電を行い、このときの電池電圧を測定した。そして、充電電流と電池電圧とをプロットして得られる近似直線の傾きから、充電時におけるIV抵抗(Ω)を算出した。結果を表1に示す。
<高温サイクル特性の評価(60℃)>
上記電池を60℃の恒温槽内に設置し、高温サイクル特性を評価した。具体的には、正負極間の電圧が4.9Vとなるまで2Cの充電レートで定電流充電した後、正負極間の電圧が3.5Vとなるまで2Cの放電レートで定電流放電する充放電操作を1サイクルとして、これを200サイクル繰り返した。そして、初期容量と同じようにして、高温サイクル試験後の電池容量(定電流放電容量)を測定し、高温サイクル試験前後の電池容量から容量維持率(%)を算出した。結果を表1に示す。
表1に基づいて、評価結果を比較検討する。
非水電解液中にフッ素化カルボン酸エステルおよび/またはフッ素化環状カーボネートを含有しない比較例1〜3では、初回充電をハイレート(3C)で行う場合、ローレート(0.3C)で行う場合よりも抵抗が増大し、入出力特性が悪化していた。また、初回充電の充電レートによるサイクル特性の差異も認められなかった。
これに対して、非水電解液中にフッ素化カルボン酸エステルとフッ素化環状カーボネートとをいずれも含有する実施例1〜8では、初回充電をハイレートで行うことで、入出力特性およびサイクル耐久性の大幅な改善が認められた。
また、試験例3,6〜8の比較から、α位の炭素がフッ素化されているフッ素化カルボン酸エステルを用いた試験例3,7,8では、α位の炭素がフッ素化されていないフッ素化カルボン酸エステル(M333TFP)を用いた試験例6に比べて、相対的に入出力特性およびサイクル特性の改善幅が大きかった。なかでも、MDFAを用いた試験例3で、入出力特性およびサイクル特性の改善幅が最も大きかった。以上のことから、入出力特性およびサイクル特性をより良く向上するためには、α位の炭素がフッ素化されているフッ素化カルボン酸エステル、特にはMDFAを用いることがより好ましいと言える。
また、試験例3〜5の比較から、フッ素含有オキサラト錯体リチウム塩を用いた試験例3,5では、非フッ素オキサラト錯体リチウム塩(LiBOB)を用いた試験例4に比べて、相対的に入出力特性およびサイクル特性の改善幅が大きかった。以上のことから、入出力特性およびサイクル特性をより良く向上するためには、フッ素含有オキサラト錯体リチウム塩を用いることがより好ましいと言える。
また、試験例3と比較例4,5との比較から、被膜形成剤として、LiFSIとオキサラト錯体リチウム塩とをいずれも含む試験例3では、LiFSIのみを含む比較例4や、オキサラト錯体リチウム塩のみを含む比較例5に比べて、相対的に入出力特性およびサイクル特性の改善幅が大きかった。
この理由は定かではないが、非水電解液中にLiFSIとオキサラト錯体リチウム塩とを共に含有することで、オキサラト錯体が還元分解して生成された皮膜中にLiFSI由来の成分が混在し、良質な皮膜が形成されたことが考えられる。
Figure 2018147740
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。

Claims (1)

  1. 正極と負極と非水電解液とを電池ケースに収容して、組立体を構築する工程、ここで、前記非水電解液は、フッ素化カルボン酸エステルと、フッ素化環状カーボネートと、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドと、オキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩と、を含有する、および、
    前記組立体をハイレートで初回充電する工程、
    を包含する、リチウムイオン二次電池の製造方法。
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