JP2018145065A - ガラス微粒子堆積体の製造方法および製造装置 - Google Patents
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Abstract
Description
ガラス微粒子生成用のバーナに流量制御機構でガラス原料の流量を制御しつつ供給し、軸方向に往復移動するとともに回転する出発材に、ガラス微粒子の堆積層を形成するガラス微粒子堆積体の製造方法であって、
前記流量制御機構で制御する前記ガラス原料の流量を変えずに、前記堆積層の両端部を形成する際に前記バーナへ供給する前記ガラス原料の流量を、前記両端部以外の部分を形成する際に前記バーナへ供給する前記ガラス原料の流量よりも少なくする。
軸方向に往復移動するとともに回転する出発材に、ガラス微粒子生成用のバーナでガラス微粒子の堆積層を形成する際に、前記バーナにガラス原料を供給するガラス原料供給装置を備えたガラス微粒子堆積体の製造装置であって、
前記ガラス原料供給装置は、
ガラス原料の流量制御機構と、
前記流量制御機構から前記バーナに前記ガラス原料を流す供給配管ラインと、
前記流量制御機構から除害装置に前記ガラス原料を流す排ガス配管ラインと、
圧力制御機構と、
を備えており、
前記排ガス配管ラインは、
開度調整弁と、
前記ガラス原料とは異なる第二のガスを、前記開度調整弁の下流に設けられた合流ポイントにおいて合流させる前記第二のガスの配管ラインと、
前記合流ポイント付近において前記排ガス配管ライン内の圧力を測定する圧力計と、を備え、
前記圧力制御機構は、
前記圧力計で測定される圧力が所定の圧力となるように前記第二のガスの配管ラインの流量を制御する機構である。
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
本発明の一態様に係るガラス微粒子堆積体の製造方法は、
(1)ガラス微粒子生成用のバーナに流量制御機構でガラス原料の流量を制御しつつ供給し、軸方向に往復移動するとともに回転する出発材に、ガラス微粒子の堆積層を形成するガラス微粒子堆積体の製造方法であって、
前記流量制御機構で制御する前記ガラス原料の流量を変えずに、前記堆積層の両端部を形成する際に前記バーナへ供給する前記ガラス原料の流量を、前記両端部以外の部分を形成する際に前記バーナへ供給する前記ガラス原料の流量よりも少なくする。
上記方法は、堆積層の両端部を形成する際にも流量制御機構で制御するガラス原料の流量を変えないので、流量を変えてから一定流量に落ち着くまでの流量変動がない。これにより、流量変動に起因する非有効部の発生を抑え、製造されるガラス微粒子堆積体の有効部が短くなることを抑制できる。また、両端部を形成する際には、バーナへ供給するガラス原料の流量を少なくするので、製造されるガラス微粒子堆積体に対して脱水及び焼結を行って透明化する際に気泡の発生を抑制し、気泡によるガラス微粒子堆積体の破損を抑制することができる。
ガラスの屈折率を調整するための添加剤としての四塩化ゲルマニウムがバーナへ供給するガラス原料に含まれる場合、バーナへ供給する四塩化ゲルマニウムの流量が不安定になることが抑制されるので、製造されるガラス微粒子堆積体の屈折率分布を安定化させることができる。
前記開度調整弁の開度を調整し、前記堆積層の両端部を形成する際に前記バーナへ供給する前記ガラス原料の流量を、前記両端部以外の部分を形成する際に前記バーナへ供給する前記ガラス原料の流量よりも少なくする。
分岐配管ラインにガラス原料を流すことで、流量制御機構で制御するガラス原料の流量を変えずに、バーナへ供給するガラス原料の流量を減らすことができる。また、開度調整弁の開度を調整することで流量を徐々にさげて徐々にもどすことができ、バーナへ供給するガラス原料の流量を減らす際に急激に流量が変化しないので、非有効部に急にガラス原料が入らなくなることによる歪の発生を抑制する。
前記堆積層の両端部を形成する際に、前記除害装置に前記ガラス原料を流すとともに、前記分岐配管ライン内の圧力を所定の圧力に調整する。
分岐配管ライン内の出口に除害装置が設けられている場合は、分岐配管ライン内に負圧がかかるため、分岐配管ライン内と供給配管ライン内とで圧力差が生じる。分岐配管ライン内の圧力を所定の圧力に調整することで、供給配管ライン内との圧力差を無くすことができる。これにより、堆積層の両端部を形成する際に例えば開度調整弁を全開にして、供給配管ライン側に流れるガラス原料の流量をターゲットとする流量に合わせやすくできる。
(5)軸方向に往復移動するとともに回転する出発材に、ガラス微粒子生成用のバーナでガラス微粒子の堆積層を形成する際に、前記バーナにガラス原料を供給するガラス原料供給装置を備えたガラス微粒子堆積体の製造装置であって、
前記ガラス原料供給装置は、
ガラス原料の流量制御機構と、
前記流量制御機構から前記バーナに前記ガラス原料を流す供給配管ラインと、
前記流量制御機構から除害装置に前記ガラス原料を流す排ガス配管ラインと、
圧力制御機構と、
を備えており、
前記排ガス配管ラインは、
開度調整弁と、
前記ガラス原料とは異なる第二のガスを、前記開度調整弁の下流に設けられた合流ポイントにおいて合流させる前記第二のガスの配管ラインと、
前記合流ポイント付近において前記排ガス配管ライン内の圧力を測定する圧力計と、を備え、
前記圧力制御機構は、
前記圧力計で測定される圧力が所定の圧力となるように前記第二のガスの配管ラインの流量を制御する機構である。
上記構成によれば、当該製造装置は、流量制御機構で制御するガラス原料の流量を変えずに、堆積層の両端部を形成する際にバーナへ供給するガラス原料の流量を、両端部以外の部分を形成する際にバーナへ供給するガラス原料の流量よりも少なくすることができる。これにより、製造されるガラス微粒子堆積体の有効部が短くなることを抑制し、ガラス微粒子堆積体を脱水及び焼結させて透明化する際に破損することを抑制することができる。
また、排ガス配管ライン内には除害装置から負圧がかかり、排ガス配管ライン内と供給配管ライン内とで圧力差が生じる。排ガス配管ライン内の圧力を圧力制御機構によって所定の圧力とすることで、供給配管ライン内との圧力差を無くすことができる。これにより、堆積層の両端部を形成する際に例えば開度調整弁を全開にして、供給配管ライン側に流れるガラス原料の流量をターゲットとする流量に合わせやすくできる。
本発明の実施形態に係るガラス微粒子堆積体の製造方法および製造装置の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。
なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
図1に示すように、ガラス微粒子堆積体の製造装置1は、外周面にガラス微粒子が堆積される出発ガラスロッド2を備えている。出発ガラスロッド2の両端にはダミー棒3が融着により接続されており、その一方のダミー棒(上方側)3は、支持棒4に固定され吊り下げられている。支持棒4は、昇降回転装置5により、回転されるとともに上下方向に往復移動される。すなわち、昇降回転装置5により出発ガラスロッド2を駆動制御する。
OVD法は、例えば、反応容器6内で出発ガラスロッド2を軸方向に往復移動させるとともに回転させながら、その外周に、四塩化ケイ素(SiCl4),四塩化ゲルマニウム(GeCl4),シロキサン等のガラス原料ガスを、H2等の燃料ガスとO2等の助燃ガスとともにバーナ8から吹き付ける。そして、火炎加水分解反応によりガラス微粒子を生成して堆積させ、ガラス微粒子堆積体として円柱状ガラス母材を合成する。
以後、反応容器6内で出発ガラスロッド2を軸方向に往復移動させて堆積層Mを多層に積層し、所定の外径のガラス微粒子堆積体が形成される。形成されたガラス微粒子堆積体は、中央の有効部の両側がテーパー状の非有効部となっている。
形成されたガラス微粒子堆積体は、焼結炉(図示省略)で脱水加熱処理されて透明ガラス化される。
ガラス原料供給装置10は、ガスを供給する流路として、原料ガス供給部12からバーナ8等に向けてガラス原料ガスを供給する原料ガス供給ラインL1と、パージガス供給部13からバーナ8等に向けて不活性のパージガス(例えば、N2)を供給するパージガス供給ラインL2とを備えている。また、ガラス原料供給装置10は、原料ガス供給ラインL1とパージガス供給ラインL2とが合流された合流ラインL3と、合流ラインL3から分岐してバーナ8に向かう供給配管ラインL4と、合流ラインL3から分岐して除害装置11に向かう排ガス配管ラインL5(分岐配管ラインの一例)とを備えている。さらに、ガラス原料供給装置10は、パージガス供給ラインL2から分岐して上記排ガス配管ラインL5に合流する第二のガス配管ラインL6を備えている。
前回のトラバース(上端部Mbから下端部Maまで)において、有効部が終了するガラス微粒子の堆積位置S1において、開度調整弁17を開放させる制御信号が制御部(図示省略)から出力される。この制御信号に基づいて、開度調整弁17が駆動され開度調整弁17の開度が0%から徐々に大きくなる。これにより、合流ラインL3の流量制御機構16から供給される一定流量F1のガラス原料ガスは、排ガス配管ラインL5へ流れ始め、その流量が開度調整弁17の開度に応じて0から徐々に増加していく。反対に供給配管ラインL4へ流れていたガラス原料ガスの流量はF1から徐々に減少していく。排ガス配管ラインL5へ流れるガラス原料ガスは除害装置11へ排出され、供給配管ラインL4へ流れるガラス原料ガスはバーナ8へ供給される。
また、両端部Ma,Mbおよびその近傍を形成する際には、例えば、流量制御機構16から供給されるガラス原料ガスの一部を排ガス配管ラインL5に流すことで、バーナ8へ供給するガラス原料ガスの流量を少なくする。これにより、製造されるガラス微粒子堆積体に対して脱水及び焼結を行って透明化する際に気泡の発生を抑制し、気泡によるガラス微粒子堆積体の破損を抑制することができる。
2 出発ガラスロッド
6 反応容器
8 バーナ
10 ガラス原料供給装置
11 除害装置
12 原料ガス供給部
13 パージガス供給部
16 流量制御機構
17 開度調整弁
18 圧力制御機構
19 合流ポイント
20 圧力計
L4 供給配管ライン
L5 排ガス配管ライン(分岐配管ラインの一例)
L6 第二のガス配管ライン
M 堆積層
Ma 下端部
Mb 上端部
Claims (5)
- ガラス微粒子生成用のバーナに流量制御機構でガラス原料の流量を制御しつつ供給し、軸方向に往復移動するとともに回転する出発材に、ガラス微粒子の堆積層を形成するガラス微粒子堆積体の製造方法であって、
前記流量制御機構で制御する前記ガラス原料の流量を変えずに、前記堆積層の両端部を形成する際に前記バーナへ供給する前記ガラス原料の流量を、前記両端部以外の部分を形成する際に前記バーナへ供給する前記ガラス原料の流量よりも少なくする、ガラス微粒子堆積体の製造方法。 - 前記ガラス原料は、四塩化ゲルマニウムを含む、請求項1に記載のガラス微粒子堆積体の製造方法。
- 前記流量制御機構から前記バーナに前記ガラス原料を流す供給配管ラインと、前記供給配管ラインの途中で前記供給配管ラインから分岐する分岐配管ラインと、前記分岐配管ラインの途中に配置された開度調整弁と、が設けられており、
前記開度調整弁の開度を調整し、前記堆積層の両端部を形成する際に前記バーナへ供給する前記ガラス原料の流量を、前記両端部以外の部分を形成する際に前記バーナへ供給する前記ガラス原料の流量よりも少なくする、請求項1または請求項2に記載のガラス微粒子堆積体の製造方法。 - 前記分岐配管ラインの出口には除害装置が設けられており、
前記堆積層の両端部を形成する際に、前記除害装置に前記ガラス原料を流すとともに、前記分岐配管ライン内の圧力を所定の圧力に調整する、請求項3に記載のガラス微粒子堆積体の製造方法。 - 軸方向に往復移動するとともに回転する出発材に、ガラス微粒子生成用のバーナでガラス微粒子の堆積層を形成する際に、前記バーナにガラス原料を供給するガラス原料供給装置を備えたガラス微粒子堆積体の製造装置であって、
前記ガラス原料供給装置は、
ガラス原料の流量制御機構と、
前記流量制御機構から前記バーナに前記ガラス原料を流す供給配管ラインと、
前記流量制御機構から除害装置に前記ガラス原料を流す排ガス配管ラインと、
圧力制御機構と、
を備えており、
前記排ガス配管ラインは、
開度調整弁と、
前記ガラス原料とは異なる第二のガスを、前記開度調整弁の下流に設けられた合流ポイントにおいて合流させる前記第二のガスの配管ラインと、
前記合流ポイント付近において前記排ガス配管ライン内の圧力を測定する圧力計と、を備え、
前記圧力制御機構は、
前記圧力計で測定される圧力が所定の圧力となるように前記第二のガスの配管ラインの流量を制御する機構である、ガラス微粒子堆積体の製造装置。
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