JP2018141151A - 多官能エポキシ樹脂組成物、および該多官能エポキシ樹脂組成物を硬化させてなる硬化物 - Google Patents

多官能エポキシ樹脂組成物、および該多官能エポキシ樹脂組成物を硬化させてなる硬化物 Download PDF

Info

Publication number
JP2018141151A
JP2018141151A JP2018032771A JP2018032771A JP2018141151A JP 2018141151 A JP2018141151 A JP 2018141151A JP 2018032771 A JP2018032771 A JP 2018032771A JP 2018032771 A JP2018032771 A JP 2018032771A JP 2018141151 A JP2018141151 A JP 2018141151A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
epoxy resin
polyfunctional epoxy
resin composition
general formula
curing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Abandoned
Application number
JP2018032771A
Other languages
English (en)
Inventor
雅史 柴田
Masafumi Shibata
雅史 柴田
直子 住谷
Naoko Sumiya
直子 住谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Mitsubishi Chemical Group Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Mitsubishi Chemical Holdings Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp, Mitsubishi Chemical Holdings Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Publication of JP2018141151A publication Critical patent/JP2018141151A/ja
Abandoned legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Epoxy Resins (AREA)

Abstract

【課題】低粘度で成形や加工がしやすく、さらに、ポットライフが長く、保存安定性に優れる多官能エポキシ樹脂組成物、並びに、該エポキシ樹脂組成物を硬化させてなる硬化物の提供。【解決手段】下記一般式(1)(一般式(1)において、Aは、単結合、−O−、−S−、または、置換もしくは無置換の2価の脂肪族炭化水素基を表し、lは、1または2の整数を表す。R1およびR2は、それぞれ独立して置換もしくは無置換の炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基、メトキシ基、またはハロゲン原子を表し、ここで、R1とR2は、互いに連結していてもよい。mおよびnは、それぞれ独立して0〜3の整数を表す。)で表される多官能エポキシ樹脂、と、酸無水物系硬化剤とを含有することを特徴とする、多官能エポキシ樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、多官能エポキシ樹脂組成物、該多官能エポキシ樹脂組成物を硬化させてなる
硬化物に関する。また、特に、成形性および加工性に優れた多官能エポキシ樹脂組成物に
関する。
エポキシ樹脂は、耐熱性、接着性、耐水性、機械的強度及び電気的特性に優れているこ
とから、接着剤、塗料、土木建築用材料、電気・電子機器の絶縁材料等の様々な分野で使
用されている。特に、電気・電子分野では、絶縁材料、積層材料、封止材料等において幅
広く使用されている。
特許文献1に、ビフェニル、ジフェニルメタン、またはジフェニルスルホンの誘導体を
ベースとした多官能エポキシ樹脂が開示されている。実施例で用いている硬化剤はジアミ
ノジフェニルメタンであり、硬化して得られる硬化物は、曲げ強さ、および接着性が高く
、吸水性が低いことを特徴としている。
特許文献2に、分子内の同一芳香環に結合したグリシジル基およびグリシジルエーテル
基を有する多価グリシジル化合物と、フェノール系硬化剤とを含む硬化性樹脂組成物が開
示されている。フェノール系硬化剤を用いることで、樹脂中の架橋密度を増加させており
、耐熱性、剛性、接着性などに優れている。
また、近年、特に多層回路基板などの電気・電子機器材料については、機器の小型化、
軽量化及び高機能化が進み、更なる多層化、高密度化、薄型化、軽量化、信頼性及び成形
加工性等の向上が求められている。成形性および加工性を改善したエポキシ樹脂として、
特許文献3に、部分構造として単環の脂環式炭化水素を有する、新規な多官能エポキシ樹
脂が開示されている。
また、さらに、成形や加工の充分な時間を確保し、また、保管期間を延ばして廃棄ロス
を減らし、歩留まりを向上させるために、保存安定性の向上も求められている。
特開昭63−142019号公報 特開2015−127397号公報 特開2016−204647号公報
しかしながら、特許文献1に記載の多官能エポキシ樹脂は、固形状のアミン系の硬化剤
を用いているため、保存安定性が悪く、また、多官能エポキシ樹脂と硬化剤とを混合した
組成物としたとき、常温では硬化剤を溶解しにくい、という課題があった。また、組成物
を加熱すれば硬化剤は溶解するものの、硬化反応が進んで粘度が高くなってしまうため、
成形や加工がしにくくなる。
また、特許文献2に記載の硬化性樹脂組成物は、フェノール系硬化剤の分子量が大きい
ため、保存安定性は優れると推測されるものの、成形や加工を行なうには粘度が高すぎる
という課題があった。
また、特許文献3に記載の多官能エポキシ樹脂組成物は、特許文献1や特許文献2に開
示されたエポキシ樹脂組成物よりも粘度が低く、成形性および加工性が向上しているもの
の、保存安定性をさらに向上させる必要がある。
本発明者らは上記課題を解決すべく、硬化剤である酸無水物の構造と、多官能エポキシ
樹脂との組み合わせについて鋭意検討した結果、保存安定性に優れる多官能エポキシ樹脂
組成物を見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明の要旨は、以下の[1]〜[4]に存する。
[1]多官能エポキシ樹脂と、酸無水物系硬化剤とを含有する多官能エポキシ樹脂組成物
であって、該多官能エポキシ樹脂は、
下記一般式(1)
Figure 2018141151
(一般式(1)において、Aは、単結合、−O−、−S−、または、置換もしくは無置換
の2価の脂肪族炭化水素基を表し、lは、1または2の整数を表す。RおよびRは、
それぞれ独立して置換もしくは無置換の炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基、メトキシ基、
またはハロゲン原子を表し、ここで、RとRは、互いに連結していてもよい。mおよ
びnは、それぞれ独立して0〜3の整数を表す。)、
下記一般式(2)
Figure 2018141151
(一般式(2)において、RおよびRは、一般式(1)と同義であり、oおよびpは
、それぞれ独立して0〜2の整数を表す。)、
または、下記一般式(3)
Figure 2018141151
(一般式(3)において、Rは、置換または無置換の脂肪族炭化水素基を表し、qは、
0〜3の整数を表す。rは、0または1を表し、Lは、rが0の場合は単結合を表し、r
が1の場合は−O−を表す。)
で表されるものであり、
該酸無水物系硬化剤は、下記一般式(4)
Figure 2018141151
(R〜Rは、それぞれ独立して水素原子またはメチル基を表し、Rは、炭素数1〜
3の分岐していてもよい二価の炭化水素基を表す。Xは、単結合または二重結合を表す。

で表されるものである
ことを特徴とする、多官能エポキシ樹脂組成物。
[2]さらに無機フィラーを含有し、該無機フィラーの含有量が、該多官能エポキシ樹脂
組成物の全不揮発成分の含有量に対して50重量%以上である[1]に記載の多官能エポ
キシ樹脂組成物。
[3]さらにイミダゾール系硬化促進剤を含有する[1]または[2]に記載の多官能エ
ポキシ樹脂組成物。
[4][1]〜[3]のいずれかに記載の組成物を硬化してなる多官能エポキシ樹脂硬化
物。
本発明によれば、成形や加工がしやすい低粘度と、保存安定性を両立させた多官能エポ
キシ樹脂組成物、および、該多官能エポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物を提供する
ことができる。
本発明の多官能エポキシ樹脂組成物(以下、「本発明の組成物」と称する場合がある。
)は、多官能エポキシ樹脂と、酸無水物系硬化剤とを含有する多官能エポキシ樹脂組成物
であって、該多官能エポキシ樹脂は、
下記一般式(1)
Figure 2018141151
(一般式(1)において、Aは、単結合、−O−、−S−、または、置換もしくは無置換
の2価の脂肪族炭化水素基を表し、lは、1または2の整数を表す。RおよびRは、
それぞれ独立して置換もしくは無置換の炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基、メトキシ基、
またはハロゲン原子を表し、ここで、RとRは、互いに連結していてもよい。mおよ
びnは、それぞれ独立して0〜3の整数を表す。)、
下記一般式(2)
Figure 2018141151
(一般式(2)において、RおよびRは、一般式(1)と同義であり、oおよびpは
、それぞれ独立して0〜2の整数を表す。)、
または、下記一般式(3)
Figure 2018141151
(一般式(3)において、Rは、置換または無置換の脂肪族炭化水素基を表し、qは、
0〜3の整数を表す。rは、0または1を表し、Lは、rが0の場合は単結合を表し、r
が1の場合は−O−を表す。)
で表されるものであり、
該酸無水物系硬化剤は、下記一般式(4)
Figure 2018141151
(R〜Rは、それぞれ独立して水素原子またはメチル基を表し、Rは、炭素数1〜
3の分岐していてもよい二価の炭化水素基を表す。Xは、単結合または二重結合を表す。

で表されることを特徴とするものである。
本発明の組成物に含まれる多官能エポキシ樹脂および酸無水物系硬化剤について以下に
詳細に説明する。
また、本発明の組成物は、多官能エポキシ樹脂および酸無水物系硬化剤の他に、硬化促
進剤、無機フィラー、溶媒、その他の添加剤等を含んでいてもよく、これらについても以
下に詳細に説明する。
<多官能エポキシ樹脂>
本発明の多官能エポキシ樹脂組成物に含まれる多官能エポキシ樹脂は、一般式(1)、
(2)、または(3)で表されるものである。以下、一般式(1)から順に説明する。
本発明において、一般式(1)で表される多官能エポキシ樹脂は、以下の通りである。
Figure 2018141151
(一般式(1)において、Aは、単結合、−O−、−S−、または、置換もしくは無置換
の2価の脂肪族炭化水素基を表し、lは、1または2の整数を表す。RおよびRは、
それぞれ独立して置換もしくは無置換の炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基、メトキシ基、
またはハロゲン原子を表し、ここで、RとRは、互いに連結していてもよい。mおよ
びnは、それぞれ独立して0〜3の整数を表す。)
一般式(1)において、Aは、単結合、−O−、−S−、または、置換もしくは無置換
の2価の脂肪族炭化水素基を表す。ここで、置換もしくは無置換の2価の脂肪族炭化水素
基としては、メチレン基、1,1−エチレン基、1,2−エチレン基、2,2−プロピレン
基、1,1−シクロヘキシレン基、3,3,5−トリメチル−1,1−シクロへキシレン
基、1,1−シクロドデシレン基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−
プロピレン基等が挙げられ、中でもメチレン基または2,2−プロピレン基が好ましい。
多官能エポキシ樹脂の分子量を小さくすることにより、粘度が低くなり、成形性や加工性
が向上することから、Aは、単結合、−O−、メチレン基、1,1−エチレン基、1,2
−エチレン基、2,2−プロピレン基であることが好ましく、単結合、メチレン基または
2,2−プロピレン基がさらに好ましい。
一般式(1)において、RおよびRは、それぞれ独立して置換もしくは無置換の炭
素数1〜3の脂肪族炭化水素基、メトキシ基、またはハロゲン原子を表し、RとR
、互いに連結していてもよい。ここで、置換もしくは無置換の炭素数1〜3の脂肪族炭化
水素基としては、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、ビニル基、ア
リル基、トリフルオロメチル基等が挙げられ、中でもメチル基が好ましい。多官能エポキ
シ樹脂の融点を下げて成形性を向上させる観点からは、RおよびRはメチル基が好ま
しい。また、該多官能エポキシ樹脂を硬化させてなる硬化物に難燃性を付与する観点から
は、RおよびRはハロゲン原子が好ましい。
一般式(1)において、mおよびnは、それぞれ独立して0〜3の整数を表す。多官能
エポキシ樹脂の分子量を小さくすることにより、粘度が低くなり、成形性や加工性が向上
することから、mおよびnは、0〜1であることが好ましく、0であることが特に好まし
い。
本発明の組成物に含まれる多官能エポキシ樹脂の理論エポキシ当量は、可とう性を付与
する観点からは大きいほうが好ましく、分子量を小さくして粘度を低くする観点からは小
さいほうが好ましい。具体的には、90以上であることが好ましく、95以上であること
がさらに好ましく、100以上であることが特に好ましい。一方で、160以下であるこ
とが好ましく、140以下であることがさらに好ましく、120以下であることが特に好
ましい。ここで理論エポキシ当量とは、上記一般式(1)における分子のモル質量を、一
般式(1)が有するエポキシ基の数で割った値(単位はg/当量である)を表す。
以下に、一般式(1)の具体例を示す。
Figure 2018141151
Figure 2018141151
これらの中でも、以下の化合物が好ましい。
Figure 2018141151
なお、一般式(1)で表される多官能エポキシ樹脂の製造方法は、特に限定されない。
例えば、アリル基とフェノール性水酸基を有する化合物から、フェノール性水酸基をエピ
ハロヒドリンでグリシジル化した後にアリル基を酸化してエポキシ環を形成させる方法、
及びフェノール性水酸基をアリル化した後にすべてのアリル基を酸化してエポキシ環を形
成させる方法等により製造することができる。具体的には、特開昭63−142019号
公報や特開2016−204647号公報に記載の方法で製造することができる。
また、本発明において、一般式(2)で表される多官能エポキシ樹脂は、以下の通りで
ある。
Figure 2018141151
(一般式(2)において、RおよびRは、一般式(1)と同義であり、oおよびpは
、それぞれ独立して0〜2の整数を表す。)、
一般式(2)において、RおよびRは、前記一般式(1)と同義である。
oおよびpは、それぞれ独立して0〜2の整数を表す。多官能エポキシ樹脂の分子量を
小さくすることにより、溶融状態での粘度が低くなり、エポキシ樹脂の融点以上の温度で
の成形性や加工性が向上することからoおよびpは、0であることが好ましい。一方で、
該多官能エポキシ樹脂の融点を下げて、室温付近での成形性を向上させる観点からは、o
およびpは、1〜2であることが好ましい。
以下に、一般式(2)の具体例を示す。
Figure 2018141151
また、本発明において、一般式(3)で表される多官能エポキシ樹脂は、以下の通りで
ある。
Figure 2018141151
(一般式(3)において、Rは、置換または無置換の脂肪族炭化水素基を表し、qは、
0〜3の整数を表す。rは、0または1を表し、Lは、rが0の場合は単結合を表し、r
が1の場合は−O−を表す。)
一般式(3)において、Rは、置換または無置換の脂肪族炭化水素基を表す。置換ま
たは無置換の脂肪族炭化水素基の炭素数は、1〜6が好ましく、1〜4がより好ましく、
1〜2がさらに好ましい。置換または無置換の脂肪族炭化水素基として、具体的には、メ
チル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、ビニル基、アリル
基、トリフルオロメチル基等が挙げられ、中でもメチル基が好ましい。
一般式(3)において、qは、0〜3の整数を表す。多官能エポキシ樹脂の分子量を小
さくすることにより、溶融状態での粘度が低くなり、エポキシ樹脂の融点以上の温度での
成形性や加工性が向上することからqは、0であることが好ましい。一方で、該多官能エ
ポキシ樹脂の融点を下げて、室温付近での成形性を向上させる観点からは、qは、1〜2
であることが好ましい。
一般式(3)において、rは、0または1を表し、Lは、rが0の場合は単結合を表し
、rが1の場合は−O−を表す。即ち、rが0の場合は5員環、rが1の場合は6員環と
なる。
以下に一般式(3)の具体例を示す。
Figure 2018141151
Figure 2018141151
本発明の組成物は、合成が容易であり、安価に製造できることから、これらの多官能エ
ポキシ樹脂のうち、一般式(1)で表される多官能エポキシ樹脂を含有することが好まし
い。
また、前記一般式(1)〜(3)で表される多官能エポキシ樹脂は、1種のみで用いて
も、2種以上の多官能エポキシ樹脂の組み合わせで用いてもよく、さらに、一般式(1)
〜(3)で表される多官能エポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂を組み合わせて用いてもよい
前記一般式(1)〜(3)で表される多官能エポキシ樹脂と他のエポキシ樹脂を組み合
わせて用いる場合は、本発明の組成物中のエポキシ樹脂の総量に占める、前記一般式(1
)〜(3)で表される多官能エポキシ樹脂の含有量が20重量%以上であることが好まし
く、40重量%以上であることがさらに好ましく、60重量%以上であることが特に好ま
しい。
本発明の多官能エポキシ樹脂組成物は、さらに、不純物として前記一般式(1)〜(3
)で表される多官能エポキシ樹脂が有する4個のエポキシ基のうち、1〜2個がエポキシ
基の代わりに炭素−炭素二重結合を形成しているエポキシ樹脂を含んでいてもよい。本発
明の効果を損ねない範囲においてそれらの含有量は特に限定されるものではない。
また、一般的にエポキシ樹脂には、エポキシ基が原料由来の水酸基と反応することで形
成されるオリゴマー類が含まれることが多い。本発明の多官能エポキシ樹脂組成物中にも
、前記一般式(1)〜(3)で表される多官能エポキシ樹脂由来、または、その他の含ま
れていてもよいエポキシ樹脂由来の上記オリゴマー成分を不純物として含んでいてもよい
また、その他の不純物の含有量もエポキシ当量によって見積もることができるが、不純
物が少ないほうが、本発明の多官能エポキシ樹脂を含有する組成物の加工性や保存安定性
などに優れる。よって、本発明の多官能エポキシ樹脂のエポキシ当量と、理論エポキシ当
量の比(混合物のエポキシ当量/理論エポキシ当量)は、通常1.00〜1.40が好ま
しく、1.00〜1.25がより好ましく、1.00〜1.15がさらに好ましい。
本発明の多官能エポキシ樹脂は、成形や加工がしやすくなることから、150℃でのせ
ん断粘度が200mPa・秒以下であることが好ましく、100mPa・秒以下であるこ
とがより好ましく、50mPa・秒以下であることが特に好ましい。
また、一般式(1)〜(3)で表される多官能エポキシ樹脂が25℃で固形である場合
、加工性や成型性が良くなることから、融点が低いことが好ましい。具体的には、120
℃以下であることが好ましく、100℃以下であることがより好ましく、80℃以下であ
ることがさらに好ましい。
さらに、本発明の多官能エポキシ樹脂中の塩素含有割合は、Cl換算質量で1000質
量ppm以下であることが好ましく、500質量ppm以下がさらに好ましく、100質
量ppm以下であることが特に好ましい。塩素成分の含有割合が多い場合、得られた硬化
物中にも塩素成分が残存し、硬化物の絶縁性を低下させたり、接触する金属配線等を腐食
させたりするおそれがある。
<酸無水物系硬化剤>
本発明の組成物に含まれる酸無水物系硬化剤は、下記一般式(4)
Figure 2018141151
(R〜Rは、それぞれ独立して水素原子またはメチル基を表し、Rは、炭素数1〜
3の分岐していてもよい二価の炭化水素基を表す。Xは、単結合または二重結合を表す。

で表されるものである。このような酸無水物系硬化剤を用いることで、本発明の組成物の
粘度が低くなり、成形や加工がしやすくなるという効果が得られる。
一般式(4)において、R〜Rは、それぞれ独立して水素原子もしくはメチル基を
表す。硬化物の耐熱性を向上させる観点からは、R〜Rは水素原子であることが好ま
しく、酸無水物系硬化剤の粘度や融点を下げ、成形性や加工性を向上させる観点からは、
〜Rはメチル基であることが好ましい。
一般式(4)において、Rは、炭素数1〜3の分岐していてもよい二価の炭化水素基
を表す。炭素数1〜3の分岐していてもよい二価の炭化水素基としては、メチレン基、1
,1−エチレン基、2,2−プロピレン基、1,2−エチレン基、1,3−プロピレン基
、1,2−ビニリデン基等が挙げられ、これらの中でも、メチレン基、1,2−エチレン
基、および1,2−ビニリデン基からなる群から選ばれる少なくとも一種が好ましく、入
手が容易で安価であることから、メチレン基であることが特に好ましい。
一般式(4)において、Xは、単結合または二重結合を表す。硬化物の着色を抑制した
り、耐候性を向上させたりする観点からは、Xは単結合であることが好ましく、酸無水物
系硬化剤の粘度を下げ、成形性や加工性を向上させる観点からは、Xは二重結合であるこ
とが好ましい。
以下に、一般式(4)の具体例を示す。
Figure 2018141151
これらの中でも、以下の化合物が好ましい。
Figure 2018141151
本発明の組成物では、酸無水物系の硬化剤を用いることで、粘度が低くなり、成形や加
工がしやすくなるという効果が得られる。また、特に一般式(4)で表される酸無水物系
硬化剤を用いることで、ポットライフ(可使時間)などの保存安定性が向上するという効
果が得られる。一般式(4)で表される酸無水物系硬化剤は、ビシクロ環構造により骨格
が固定されており、エポキシ樹脂との硬化反応により酸無水物基が開環した場合にも、ひ
ずみの開放が小さいため、反応性が抑えられている。これにより、ポットライフが延びる
と考えられる。なお、本発明において、ポットライフとは、組成物の粘度が初期粘度の2
倍になるまでにかかる時間を指しており、具体的には、実施例に記載の方法で測定するこ
とができる。
また、酸無水物系硬化剤の含有量に特に制限はないが、本発明の多官能エポキシ樹脂組
成物に含まれるエポキシ基に対する酸無水物基のモル比が、0.4〜1.5であることが
好ましく、0.6〜1.3であることがさらに好ましく、0.7〜1.2であることが特
に好ましい。
酸無水物系硬化剤は、1種のみで用いても、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で用
いても良く、上記の範囲外の酸無水物系硬化剤や、他の公知のエポキシ樹脂硬化剤と組み
合わせて用いてもよい。このようなエポキシ樹脂硬化剤としてはフェノール系硬化剤、エ
ステル系硬化剤、ベンゾオキサジン系硬化剤、1級及び2級アミン系硬化剤、メルカプタ
ン系硬化剤、アミド系硬化剤、ブロックイソシアネート系硬化剤等が挙げられる。2種以
上の酸無水物系硬化剤を用いた場合におけるその含有量は、合計量が上記の好ましい範囲
であることが好ましい。
酸無水物系硬化剤を他のエポキシ樹脂硬化剤と組み合わせて用いた場合には、エポキシ
基に対する全硬化剤の反応部位のモル比の合計が0.4〜1.5であることが好ましく、
0.6〜1.3であることがさらに好ましい。また、硬化剤の総量に対する酸無水物系硬
化剤の含有量は30重量%以上であることが好ましく、50重量%以上であることがさら
に好ましい。
<硬化促進剤>
本発明の多官能エポキシ樹脂組成物は、硬化促進剤を含有していてもよい。硬化促進剤
としては、イミダゾール系硬化促進剤、3級アミン系硬化促進剤、有機ホスフィン系硬化
促進剤、ホスホニウム塩系硬化促進剤、テトラフェニルボロン塩系硬化促進剤、金属系硬
化促進剤、有機酸ジヒドラジド、ハロゲン化ホウ素アミン錯体などが挙げられる。中でも
、硬化反応に対する活性が高く、耐熱性の高い硬化物が得られることから、イミダゾール
系硬化促進剤が好ましい。
イミダゾール系硬化促進剤の具体例としては、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシ
ルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−
エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチ
ルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニル
イミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウ
ンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−
シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾ
リウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト
、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリ
アジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル
−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル
−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダ
ゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミ
ダゾールイソシアヌル酸付加物、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウ
ムクロライド、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル
−4−メチル−5ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1
,2−a]ベンゾイミダゾール、2−フェニルイミダゾリン等のイミダゾール化合物及び
イミダゾール化合物とエポキシ樹脂とのアダクト体が挙げられる。これらの中でも、組成
物に容易に溶解、混合でき、均一性の高い硬化物が得られることから、2−ウンデシルイ
ミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチ
ル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−
2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエ
チル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダ
ゾール、および1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾールからなる群から選ばれる少
なくとも一種がより好ましく、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノ
エチル−2−ウンデシルイミダゾール、または1−シアノエチル−2−エチル−4−メチ
ルイミダゾールが特に好ましい。
3級アミン系硬化促進剤の具体例としては、トリエチルアミン、トリブチルアミンなど
のトリアルキルアミン類、4−ジメチルアミノピリジン、ベンジルジメチルアミン、2,
4,6,−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザビシクロ[5,
4,0]−7−ウンデセンなどの3級アミン化合物及びこれらの3級アミン化合物とエポ
キシ樹脂とのアダクト体が挙げられる。
本発明の多官能エポキシ樹脂組成物に含まれる上記イミダゾール系硬化促進剤及び上記
アミン系硬化促進剤の含有量は、本発明の多官能エポキシ樹脂組成物を短時間で充分に硬
化させやすい点では多いことが好ましい。一方、本発明の多官能エポキシ樹脂組成物の保
存安定性、熱膨張率の低さ、硬化させた硬化物への硬化促進剤の影響が出難い点では少な
いことが好ましい。具体的には、本発明の多官能エポキシ樹脂組成物に含まれるエポキシ
樹脂100重量部に対して、0.1重量部以上となるように用いることが好ましく、0.
2重量部以上となるように用いることがさらに好ましく、また、一方で、20重量部以下
となるように用いることが好ましく、10重量部以下となるように用いることがさらに好
ましい。
有機ホスフィン系硬化促進剤としては、トリフェニルホスフィン、ジフェニル(p−ト
リル)ホスフィン、トリス(アルキルフェニル)ホスフィン、トリス(アルコキシフェニ
ル)ホスフィン、トリス(アルキル・アルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(ジアル
キルフェニル)ホスフィン、トリス(トリアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(テト
ラアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(ジアルコキシフェニル)ホスフィン、トリス
(トリアルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(テトラアルコキシフェニル)ホスフィ
ン、トリアルキルホスフィン、ジアルキルアリールホスフィン、アルキルジアリールホス
フィン等の有機ホスフィン類;これらの有機ホスフィン類と有機ボロン類との錯体;、1
,4−ベンゾキノン、2,5−トルキノン、1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルベ
ンゾキノン、2,6−ジメチルベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−5−メチル−1,4
−ベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−1,4−ベンゾキノン、フェニル−1,4−ベン
ゾキノン等のキノン類、ジアゾフェニルメタンなどの化合物が付加された化合物等が挙げ
られる。ホスホニウム塩系硬化促進剤としてはエチルトリフェニルホスホニウム塩、ベン
ジルトリフェニルホスホニウム塩、テトラフェニルホスホニウム塩、メチルトリブチルホ
スホニウム塩等のホスホニウム塩類と塩化物イオン、臭化物イオン、有機リン酸イオン等
のカウンターアニオンの組み合わせ;これらの有機ホスホニウム塩類と有機ボロン類との
錯体が挙げられる。テトラフェニルボロン塩系硬化促進剤としては、2−エチル−4−メ
チルイミダゾールのテトラフェニルボロン塩、N−メチルモルホリンのテトラフェニルボ
ロン塩等が挙げられる。
本発明の多官能エポキシ樹脂組成物に含まれる上記有機ホスフィン系硬化促進剤、ホス
ホニウム塩系硬化促進剤、およびテトラフェニルボロン塩系硬化促進剤の含有量は、本発
明の多官能エポキシ樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂100重量部に対して、0.00
1重量部以上となるように用いることが好ましく、0.005重量部以上となるように用
いることがさらに好ましく、また、一方で、20重量部以下となるように用いることが好
ましく、10重量部以下となるように用いることがさらに好ましく、5重量部以下となる
ように用いることが特に好ましい。
金属系硬化促進剤としては、コバルト 、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、マンガン、スズ等
の金属の有機金属錯体又は有機金属塩などが挙げられる。有機金属錯体の具体例としては
、コバルト(II)アセチルアセトナート、コバルト(III)アセチルアセトナート等の有機コ
バルト錯体、銅(II)アセチルアセトナート等の有機銅錯体、亜鉛(II)アセチルアセトナ
ート等の有機亜鉛錯体、鉄(III)アセチルアセトナート等の有機鉄錯体、ニッケル(II)
アセチルアセトナート等の有機ニッケル錯体、マンガン(II)アセチルアセトナート等の有
機マンガン錯体などが挙げられる。有機金属塩としては、オクチル酸亜鉛、オクチル酸錫
、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸スズ、ステアリン酸亜鉛などが挙
げられる。これらのうち、溶剤溶解性、本発明の多官能エポキシ樹脂組成物の硬化性の観
点から、コバルト(II)アセチルアセトナート、コバルト(III)アセチルアセトナート、亜
鉛(II)アセチルアセトナート、ナフテン酸亜鉛、鉄(III)アセチルアセトナートが好ま
しく、コバルト(III)アセチルアセトナート、ナフテン酸亜鉛が特に好ましい。
本発明の多官能エポキシ樹脂組成物に含まれる金属系硬化促進剤の含有量は、低粗度の
絶縁層表面にピール強度に優れる導体層を形成しやすい点では多いことが好ましい。一方
、本発明の多官能エポキシ樹脂組成物が保存安定性や絶縁性に優れる点では少ないことが
好ましい。そこで、組成物中の多官能エポキシ樹脂および酸無水物系硬化剤の総量に対し
、金属系硬化剤由来の金属が500ppm以下であることが好ましく、200ppm以下
であることがさらに好ましく、また、一方で、20ppm以上であることが好ましく、3
0ppm以上であることがさらに好ましい。
また、「総説エポキシ樹脂 第1巻」(第1版、エポキシ樹脂技術協会、2003年)
の119−209頁及び「総説エポキシ樹脂 最近の進捗I」(第1版、エポキシ樹脂技
術協会、2009年)の43−84頁に記載されている硬化剤や硬化促進剤を用いても良
い。
硬化剤および硬化促進剤の種類や組み合わせ及びその量は、上述の酸無水物系硬化剤の
含有量や硬化条件、硬化物の形状、硬化物の接着性や曲げ強度などの物性などのバランス
に応じて選択すれば良い。
<無機フィラー>
本発明の多官能エポキシ樹脂組成物は、無機フィラーが含まれていてもよい。無機フィ
ラーを含んでいると、本発明の多官能エポキシ樹脂組成物を硬化させたときに、低線膨張
率、高熱伝導性、難燃性、導電性などの無機フィラーが有する物性を硬化物に付与するこ
とができる。本発明の多官能エポキシ樹脂は低粘度であることから、無機フィラーの含有
量を多くしても優れた加工性を維持しやすい。
無機フィラーの種類は、所望の物性などに応じて選択すれば良い。例えば、安価に絶縁
性の組成物を得たい場合は、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、シ
リカなどの絶縁性無機フィラーを用いることが好ましく、これらの内、特に高熱伝導率な
組成物を得たい場合は、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素などが好ましい。導電
性の組成物を得たい場合は、アルミニウム、銀、銅、炭素、炭化ケイ素などの電気伝導性
無機フィラーを用いることが好ましく、これらの内、特に加工性に優れる組成物を得たい
場合は、銀が好ましい。
また、無機フィラーには、適宜、表面処理を施してもよい。表面処理としては、アルキ
ル化処理、トリメチルシリル化処理、シリコーン処理、シランカップリング剤による処理
等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
無機フィラーの形状及び粒径については、本発明の多官能エポキシ樹脂組成物の優れた
物性が大幅に妨げられることなく、無機フィラー含有による所望の効果が発現されれば特
に限定されない。但し、無機フィラーの形状については、加工性に優れる組成物を得たい
場合は球状などの表面積が小さい無機フィラーが、無機フィラーが有する熱伝導率などの
機能が発現しやすい点では繊維状などの表面積が大きい無機フィラーが、両者のバランス
を取りやすい点では扁平状などの表面積が両者の中間の無機フィラーが各々好ましい。
無機フィラーの粒径は、本発明の多官能エポキシ樹脂組成物を硬化させてなる硬化物中
に空隙が生じ難い点では小さいことが好ましい。一方、無機フィラーが凝集せず分散しや
すい点では大きいことが好ましい。そこで、具体的には、粒径が0.05μm以上である
ことが好ましく、0.1μm以上であることがさらに好ましく、0.5μm以上であるこ
とが特に好ましく、また、一方、1000μm以下であることが好ましく、200μm以
下であることがさらに好ましく、100μm以下であることが特に好ましい。粒径は、レ
ーザー回折散乱法や沈降法などの方法により測定することができる。
本発明の多官能エポキシ樹脂組成物が無機フィラーを含む場合の無機フィラーの含有量
は、無機フィラーを用いたことによる効果が発揮されやすい点では多いことが好ましい。
一方、本発明の多官能エポキシ樹脂組成物が加工性に優れたものとなりやすい点では少な
いことが好ましい。
そこで、具体的には、無機フィラーの含有量は、組成物中の全不揮発成分の含有量に対
し10重量%以上であることが好ましく、30重量%以上であることがより好ましく、5
0重量%以上であることがさらに好ましく、70重量%以上であることが特に好ましい。
また、一方、95重量%以下であることが好ましく、92重量%以下であることがより好
ましく、90重量%以下であることがさらに好ましい。無機フィラーは、1種のみで用い
ても、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で用いても良い。2種以上の無機フィラーを
用いた場合におけるその含有量は、合計量が上記の好ましい範囲であることが好ましい。
<溶媒>
本発明の多官能エポキシ樹脂組成物は、加工時の粘度調整及び硬化させるときの取り扱
い性などのための溶媒を含有していても良い。溶媒は、本発明の多官能エポキシ樹脂を製
造するときに用いた溶媒を利用しても良い。本発明の多官能エポキシ樹脂組成物に含まれ
る溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチル
ケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類;エチレングリコー
ルモノメチルエーテル等のエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチ
ルアセトアミド等のアミド類;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコー
ル類;ヘキサン、シクロヘキサン等のアルカン類;トルエン、キシレン等の芳香族類など
が挙げられる。これらの溶媒は、1種のみで用いても、2種以上を任意の組み合わせ及び
比率で用いても良い。
溶媒を用いる場合の量は、溶媒残留により硬化物中にボイドが形成されやすいことから
、用いない又は少ないことが好ましい。なお、組成物の高粘度化に伴うクラックが発生し
難いという点では溶媒の量が多いことが好ましいので、求める粘度に応じて適宜、調整す
るとよい。
<その他の添加剤>
本発明の多官能エポキシ樹脂組成物は、上述したものの他にさらに添加剤を含んでいて
もよい。その他の添加剤としては、例えば、本発明の多官能エポキシ樹脂組成物及びこれ
を硬化させてなる硬化物と、基材との接着性を向上させるために用いるシランカップリン
グ剤やチタネートカップリング剤等のカップリング剤;保存安定性向上のために用いる紫
外線防止剤、酸化防止剤、可塑剤;はんだの酸化皮膜除去のためのフラックス;難燃剤;
着色剤;分散剤;乳化剤;低弾性化剤;希釈剤;消泡剤;イオントラップ剤等が挙げられ
る。
シランカップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−
グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エ
チルトリメトキシシラン等のエポキシシラン類;γ−アミノプロピルトリエトキシシラン
、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチ
ル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類;3−メルカプトプロ
ピルトリメトキシシラン等のメルカプトシラン類;p−スチリルトリメトキシシラン、ビ
ニルトリクロルシラン、ビニルトリス(8−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリメト
キシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン等のビニルシラン類;エポキシ系、アミノ系、ビニル系の高分子タイプのシラン類等が
挙げられる。
チタネートカップリング剤としては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、
イソプロピルトリ(N−アミノエチル・アミノエチル)チタネート、ジイソプロピルビス
(ジオクチルホスフェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファ
イト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テト
ラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチ
タネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(
ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート等が挙げられる。
本発明の多官能エポキシ樹脂組成物がカップリング剤を含む場合のカップリング剤の含
有量は、カップリング剤配合による接着効果を得やすい点では多いことが好ましい。一方
、カップリング剤がブリードアウトし難い点では少ないことが好ましい。そこで、具体的
には、本発明の多官能エポキシ樹脂組成物中の多官能エポキシ樹脂および酸無水物系硬化
剤の総量に対するカップリング剤の含有量は、0.1重量%以上、2.0重量%以下であ
ることが好ましい。カップリング剤は、1種のみで用いても、2種以上を任意の組み合わ
せ及び比率で用いても良い。2種以上のカップリング剤を用いた場合におけるその含有量
は、合計量が上記の好ましい範囲であることが好ましい。
<多官能エポキシ樹脂組成物の特性>
本発明の多官能エポキシ樹脂組成物は、成形や加工がしやすい低粘度と、保存安定性を
両立させたことが特徴である。
本発明の多官能エポキシ樹脂組成物は、成形時の作業の効率性および安全性の観点から
、硬化温度よりも低い温度で流動性を有することが好ましい。流動性を有する最低温度と
しては、100℃以下であることが好ましく、80℃以下であることがより好ましく、6
0℃以下であることが特に好ましい。組成物が流動性を有することは、例えば、組成物を
かき混ぜるなどして表面に凹凸を作った後に、所定の温度で放置して、表面が平滑に戻る
ことによって判断することができる。
また、本発明の多官能エポキシ樹脂組成物は、成形や加工がしやすくなることから、6
0℃でのせん断粘度が100Pa・秒以下であることが好ましく、50Pa・秒以下であ
ることがより好ましく、30Pa・秒以下であることがさらに好ましく、20Pa・秒以
下であることが特に好ましく、10Pa・秒以下であることが最も好ましい。また、粘度
が低すぎると、本発明の組成物中の無機フィラー等が沈降して分離を起こすことがあるた
め、粘度の下限としては、通常0.3Pa・秒以上、好ましくは1Pa・秒以上である。
本発明の多官能エポキシ樹脂組成物は、60℃におけるポットライフが、100分間以
上であることが好ましく、110分間以上であることがより好ましく、120分間以上で
あることがさらに好ましく、130分間以上であることがさらに好ましい。
さらに、本発明の多官能エポキシ樹脂組成物は、吸湿性が低いため、大気中で放置した
場合にも、酸無水物の加水分解のような劣化反応を起こしにくい。そのため、大気中で長
時間放置した場合にも、組成物の粘度が上昇しにくい。さらに、本発明の組成物を大気中
で放置した後、該組成物を硬化してなる硬化物を、大気中で放置することなく硬化した硬
化物と比較したときに、ガラス転移温度などの物性の差が小さいという特徴がある。
<硬化物>
本発明の硬化物は、本発明の多官能エポキシ樹脂組成物を硬化させることにより得るこ
とができる。
硬化方法や条件については、本発明の組成物を硬化させることができれば特に制限はな
いが、成型が容易であることから熱硬化が好ましい。本発明の組成物を熱硬化する場合、
その条件に特に制限はないが、硬化温度は、硬化物を充分に硬化させ、本来の性能を発揮
させる観点からは高い方が好ましく、生産性の向上や、硬化物の熱分解抑制の観点からは
低い方が好ましい。具体的には、硬化温度は80℃以上が好ましく、100℃以上がさら
に好ましく、また、250℃以下が好ましく、220℃以下がさらに好ましい。硬化時間
は、急激な硬化によるクラックの発生を抑制する観点からは長い方が好ましく、生産性の
向上の観点からは短い方が好ましい。具体的には、硬化時間は30分以上が好ましく、1
時間以上がさらに好ましく、また、8時間以下が好ましく、6時間以下がさらに好ましい
。この熱硬化は多段階で実施してもよく、その場合には、少なくとも一つの段階の硬化温
度と硬化時間が、上記の範囲に入ることが好ましい。
本発明の硬化物は、ガラス転移温度が高く、耐熱性に優れることが好ましい。動的粘弾
性により測定される本発明の硬化物のガラス転移温度は、例えば、本発明の多官能エポキ
シ樹脂組成物を120℃で1時間、150℃で1時間及び220℃で2時間加熱して硬化
させた場合、好ましくは190℃以上、より好ましくは210℃以上、さらに好ましくは
225℃以上、特に好ましくは235℃以上である。なお、ガラス転移温度の上限は通常
350℃である。
また、本発明の硬化物は、高温で保管した際の重量減少が小さく、熱安定性に優れる。
高温保管前後での硬化物の重量減少量を、高温保管前の硬化物の重量で割った重量減少率
は、例えば、220℃で100時間保管した場合、2重量%以下であることが好ましく、
1.5重量%以下であることがより好ましく、1重量%以下であることがさらに好ましく
、0.8重量%以下であることが特に好ましい。
本発明の硬化物は、金属等の他部材と接着させて用いる場合、周囲の部材との熱膨張差
を小さくして剥離やクラックを防止する観点から、本発明の硬化物と、周囲の部材との線
膨張率が近いことが好ましい。例えば、接着部材として銅やアルミを用いる場合、50〜
100℃における平均線膨張率が80ppm/K以下であることが好ましく、60ppm
/K以下であることがより好ましく、40ppm/K以下であることがさらに好ましく、
30ppm/K以下であることが特に好ましい。また、下限としては、5ppm/K以上
であることが好ましく、10ppm/K以上であることがより好ましい。また、170〜
200℃における平均線膨張率が100ppm/K以下であることが好ましく、80pp
m/K以下であることがより好ましく、60ppm/K以下であることがさらに好ましく
、40ppm/K以下であることが特に好ましい。また、下限としては、5ppm/K以
上であることが好ましく、10ppm/K以上であることがより好ましい。
また、本発明の硬化物は、25℃における貯蔵弾性率が1.0×10Pa以上1.0
×1011Pa以下であることが好ましく、1.0×10Pa以上5.0×1010
a以下であることが更に好ましい。25℃での貯蔵弾性率が1.0×1011Paより大
きくなると硬化収縮による残留応力により、クラックが発生しやすくなる。また1.0×
10Pa未満であると硬化物の機械的強度が十分でない。
<用途>
本発明の多官能エポキシ樹脂組成物は、上記の範囲の多官能エポキシ樹脂と酸無水物系
硬化剤を含有することにより、無機フィラーを多量に含んでいる場合にも粘度を低く抑え
ることができるため、塗布、混合、フィルム成形等のプロセスに適用するのに充分な加工
性を有し、さらに保存安定性も良好であるため、特に半導体デバイスのポッティング封止
材料等に好適に用いることができる。
そして、この組成物を硬化させた硬化物は、熱安定性に優れる。よって、接着剤、塗料
、土木建築用材料、電気・電子分野における絶縁材料などの様々な分野の材料として適用
可能である。特に、電気・電子分野における絶縁注型、積層材料、封止材料等として有用
である。本発明の多官能エポキシ樹脂組成物及びその硬化物の用途の一例としては、多層
プリント配線基板、フィルム状接着剤、液状接着剤、半導体封止材料、アンダーフィル材
料、3D−LSI用インターチップフィル、絶縁シート、プリプレグ、放熱基板等が挙げ
られる。
以下、実験例(実施例、比較例)により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、
その要旨を超えない限り、以下の実施例により限定されるものではない。なお、下記の実
施例における各種の製造条件や評価結果の値は、本発明の実施態様における上限又は下限
の好ましい値としての意味をもつものであり、好ましい範囲は、前記上限又は下限の値と
下記実施例の値又は実施例同士の値との組み合わせで規定される範囲であってもよい。
以下、実施例及び比較例で用いた測定手法、並びに材料及び試薬について説明する。
<測定手法>
実施例、及び比較例における各種測定は以下の通り行った。
(エポキシ当量)
エポキシ当量はJIS K7236:2001に準じて実施した。精秤した試料をクロ
ロホルムに溶解させ、酢酸と臭化テトラエチルアンモニウム酢酸溶液を加えた後、0.1
mol/L過塩素酸酢酸標準液によって滴定することにより求めた。終了点はクリスタル
バイオレット指示薬を用いて、判定した。
(1H−NMR分析)
合成したエポキシ樹脂の1H−NMR分析を下記の条件にて実施した。
装置:BRUKER社製 AVANCE400, 400MHz
溶媒:0.03体積%テトラメチルシラン含有重クロロホルム
積算回数:16回
後述のデータでは、1H−NMR(400MHz、CDCl3)におけるδ値を表す。
(初期粘度およびポットライフ)
多官能エポキシ樹脂組成物の60℃における粘度の継時変化を以下に記載の条件で測定
した。測定中、最も粘度が低い時の値を初期粘度とし、また、初期粘度の2倍に達するま
でに要した時間をポットライフとした。
装置:レオメータ(Anton Paar社製 MCR302)
温調システム:ペルチエ方式温度制御デバイス(P−PTD200)
及びフード型ペルチエ温調システム(H−PTD200)
プレート:20mmφパラレルプレート
測定ギャップ:0.5mm
せん断速度:7.5s−1
以下、実施例及び比較例で用いた材料、試薬について説明する。なお、合成方法につい
ては記載した方法に限定されるものではなく、任意の公知方法を適用することができる。
(合成例1)
特開昭63−142019号公報に記載の方法で、式(A)で表される多官能エポキシ
樹脂Aを合成した。この多官能エポキシ樹脂Aは室温で飴状の液体であり、エポキシ当量
は115g/eqであった。また、1H−NMRデータは以下の通りであった。
2.58−2.64(2H、m、C−グリシジル末端)、2.77−2.82(2H+
2H、m、C−グリシジル末端、O−グリシジル末端)、2.87−2.96(2H+2
H、m、C−CH2−CH−、O−グリシジル末端)、2.97−3.06(2H、m、
C−CH2−C−)、3.25(2H、m、C−CH2−C−)、3.39(2H、
m、O−CH2−C−)、3.95−4.05(2H、m、O−CH2−CH)、4.
27−4.34(2H、m、O−CH2−CH)、6.88−6.92(2H、m、Ar
)7.37−7.41(4H、m、Ar)
Figure 2018141151
(合成例2)
合成例1と同様の方法で、式(B)で表される多官能エポキシ樹脂Bを合成した。この
多官能エポキシ樹脂Bは室温で飴状の液体であり、エポキシ当量は130g/eqであった。
また、1H−NMRデータは以下の通りであった。
1.63(6H、s、Me)、2.52−2.56(2H、m、C−グリシジル末端)
、2.72−2.83(2H+2H+2H、m、C−グリシジル末端、O−グリシジル末
端、C−CH2−CH)、2.86−2.94(4H、m、O−グリシジル末端、C−C
H2−CH)、3.13−3.20(2H、m、C−CH2−C−)、3.32−3.
38(2H、m、O−CH2−C−)、3.90−3.98(2H、m、O−CH2
CH−)、4.19−4.26(2H、m、O−CH2−CH−)、6.72−6.76
(2H、m、Ar)、7.00−7.08(4H、m、Ar)
Figure 2018141151
実施例及び比較例で用いた他の試薬は以下のとおりである。
(リカシッドHNA−100)
リカシッドHNA−100は新日本理化社製であり、メチルビシクロ[2,2,1]ヘ
プタン−2,3−ジカルボン酸無水物:式(C)とビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2
,3−ジカルボン酸無水物:式(D)を混合した酸無水物である。
Figure 2018141151
Figure 2018141151
(リカシッドMH−700)
リカシッドMH−700は新日本理化社製であり、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル
酸:式(E)とヘキサヒドロ無水フタル酸:式(F)を7/3の割合で混合した酸無水物
である。
Figure 2018141151
Figure 2018141151
(C11Z−CN)
C11Z−CNは、四国化成社製(化学名:1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダ
ゾール)であり、構造式は以下の式(G)に示されるとおりである。
Figure 2018141151
(PSM−6200)
PSM−6200は群栄化学工業社製のフェノールノボラックである。
(DDM)
DDMは東京化成工業社製(化学名:4,4’−ジアミノジフェニルメタン)であり、
構造式は以下の式(H)に示されるとおりである。
Figure 2018141151
(HL−3100)
HL−3100は龍森社製の真球状シリカフィラーである。
<実施例1>
表1に示す重量比で、多官能エポキシ樹脂A、酸無水物硬化剤HNA−100、硬化促
進剤C11Z−CNを、60℃で均一になるまで混合し、さらに、この液にシリカフィラ
ーHL−3100を加えて60℃で10分間撹拌、混合することにより、実施例1の多官
能エポキシ樹脂組成物(以下、「組成物」と略記する。)を得た。
該組成物を120℃で1時間、150℃で1時間、220℃で2時間加熱して硬化させ
ることにより、厚み約1mmの硬化物を得た。
<実施例2>
表1に記載の重量比で材料を混合したこと以外は、実施例1と同じ条件で製造して、実
施例2の組成物を得た。
該組成物を120℃で1時間、150℃で1時間、220℃で2時間加熱して硬化させ
ることにより、厚み約1mmの硬化物を得た。
<比較例1>
表1に記載の重量比で材料を混合したこと以外は、実施例1と同じ条件で製造して、比
較例1の組成物を得た。
該組成物を120℃で2時間、150℃で4時間加熱して硬化させることにより、厚み
約1mmの硬化物を得た。
<比較例2>
表1に示す重量比で、多官能エポキシ樹脂A、フェノール硬化剤PSM−6200、硬
化促進剤C11Z−CNを60℃で混合することを試みたが、60℃ではフェノール硬化
剤が溶融せず均一な液を得ることができなかった。この液を80℃まで加熱して混合する
ことによりフェノール硬化剤が溶解し、均一な液を得ることができたが、この液にシリカ
フィラーHL−3100を加えて均一に混合した組成物は、粘度が極めて高く、60℃で
はレベリングしなかった。
<比較例3>
表1に示す割合で、多官能エポキシ樹脂A、アミン硬化剤DDMを60℃で混合するこ
とを試みたが、60℃ではアミン硬化剤が溶融せず均一な液を得ることができなかった。
この液を90℃まで加熱して混合することにより、アミン硬化剤が溶解し均一な液を得る
ことができたが、90℃では混合中に粘度が上昇していく挙動が見られ、組成物調製時の
安定性が悪かった。
<比較例4>
表1に記載の重量比で材料を混合したこと以外は、実施例1と同じ条件で製造して、比
較例4の組成物を得た。
該組成物を120℃で2時間、150℃で4時間加熱して硬化させることにより、厚み
約1mmの硬化物を得た。
上記実施例及び比較例の多官能エポキシ樹脂組成物の各成分の混合比、並びに組成物の
物性測定結果を表1に示す。
Figure 2018141151
本発明の多官能エポキシ樹脂組成物は、低粘度で成形や加工がしやすく、また、ポット
ライフ(可使時間)が長く、保存安定性がよいため、その特性をいかして、電気・電子分
野における絶縁材料などの様々な分野の材料として用いることができる。

Claims (4)

  1. 多官能エポキシ樹脂と、酸無水物系硬化剤とを含有する多官能エポキシ樹脂組成物であっ
    て、
    該多官能エポキシ樹脂は、
    下記一般式(1)
    Figure 2018141151
    (一般式(1)において、Aは、単結合、−O−、−S−、または、置換もしくは無置換
    の2価の脂肪族炭化水素基を表し、lは、1または2の整数を表す。RおよびRは、
    それぞれ独立して置換もしくは無置換の炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基、メトキシ基、
    またはハロゲン原子を表し、ここで、RとRは、互いに連結していてもよい。mおよ
    びnは、それぞれ独立して0〜3の整数を表す。)、
    下記一般式(2)
    Figure 2018141151
    (一般式(2)において、RおよびRは、一般式(1)と同義であり、oおよびpは
    、それぞれ独立して0〜2の整数を表す。)、
    または、下記一般式(3)
    Figure 2018141151
    (一般式(3)において、Rは、置換または無置換の脂肪族炭化水素基を表し、qは、
    0〜3の整数を表す。rは、0または1を表し、Lは、rが0の場合は単結合を表し、r
    が1の場合は−O−を表す。)
    で表されるものであり、
    該酸無水物系硬化剤は、下記一般式(4)
    Figure 2018141151
    (R〜Rは、それぞれ独立して水素原子またはメチル基を表し、Rは、炭素数1〜
    3の分岐していてもよい二価の炭化水素基を表す。Xは、単結合または二重結合を表す。

    で表されるものである
    ことを特徴とする、多官能エポキシ樹脂組成物。
  2. さらに無機フィラーを含有し、
    該無機フィラーの含有量が該多官能エポキシ樹脂組成物の全不揮発成分の含有量に対して
    50重量%以上である
    請求項1に記載の多官能エポキシ樹脂組成物。
  3. さらにイミダゾール系硬化促進剤を含有する
    請求項1、または請求項2に記載の多官能エポキシ樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物を硬化してなる
    多官能エポキシ樹脂硬化物。
JP2018032771A 2017-02-28 2018-02-27 多官能エポキシ樹脂組成物、および該多官能エポキシ樹脂組成物を硬化させてなる硬化物 Abandoned JP2018141151A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017037047 2017-02-28
JP2017037047 2017-02-28

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018141151A true JP2018141151A (ja) 2018-09-13

Family

ID=63527697

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018032771A Abandoned JP2018141151A (ja) 2017-02-28 2018-02-27 多官能エポキシ樹脂組成物、および該多官能エポキシ樹脂組成物を硬化させてなる硬化物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2018141151A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020195733A1 (ja) * 2019-03-25 2020-10-01 三菱ケミカル株式会社 エポキシ樹脂及びその製造方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63142019A (ja) * 1986-12-02 1988-06-14 チバーガイギー アクチエンゲゼルシヤフト 多官能価エポキシド樹脂
JP2010090201A (ja) * 2008-10-03 2010-04-22 Three M Innovative Properties Co 光反射性樹脂組成物、発光装置及び光学表示装置
JP2012167278A (ja) * 2010-01-21 2012-09-06 Sekisui Chem Co Ltd 熱硬化性樹脂組成物、フリップチップ実装用接着剤、半導体装置の製造方法、及び、半導体装置
JP2018032770A (ja) * 2016-08-25 2018-03-01 アイシン精機株式会社 基板固定構造
WO2018116757A1 (ja) * 2016-12-20 2018-06-28 Dic株式会社 エポキシ樹脂組成物

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63142019A (ja) * 1986-12-02 1988-06-14 チバーガイギー アクチエンゲゼルシヤフト 多官能価エポキシド樹脂
JP2010090201A (ja) * 2008-10-03 2010-04-22 Three M Innovative Properties Co 光反射性樹脂組成物、発光装置及び光学表示装置
JP2012167278A (ja) * 2010-01-21 2012-09-06 Sekisui Chem Co Ltd 熱硬化性樹脂組成物、フリップチップ実装用接着剤、半導体装置の製造方法、及び、半導体装置
JP2018032770A (ja) * 2016-08-25 2018-03-01 アイシン精機株式会社 基板固定構造
WO2018116757A1 (ja) * 2016-12-20 2018-06-28 Dic株式会社 エポキシ樹脂組成物

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020195733A1 (ja) * 2019-03-25 2020-10-01 三菱ケミカル株式会社 エポキシ樹脂及びその製造方法
CN113710719A (zh) * 2019-03-25 2021-11-26 三菱化学株式会社 环氧树脂及其制造方法
CN113710719B (zh) * 2019-03-25 2024-03-01 三菱化学株式会社 环氧树脂及其制造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6602865B2 (ja) エポキシ樹脂組成物、その製造方法、及び該組成物の用途
JP3874108B2 (ja) エポキシ樹脂組成物
JP5672073B2 (ja) エポキシ樹脂用硬化剤、硬化性樹脂組成物、およびその硬化物
JP2014101491A (ja) 絶縁用樹脂組成物、絶縁フィルム、プリプレグ及び印刷回路基板
JP2015000952A (ja) エポキシ樹脂組成物およびその硬化物
JP4958252B2 (ja) 反応硬化型樹脂およびその組成物
JP5760997B2 (ja) エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及び硬化物
JP2009051937A (ja) エポキシ樹脂組成物、その硬化物、及び新規エポキシ樹脂
JP4655490B2 (ja) エポキシ樹脂組成物及びその硬化体
JP4883842B2 (ja) エポキシ樹脂組成物用添加剤およびそのエポキシ樹脂組成物
JP2018141151A (ja) 多官能エポキシ樹脂組成物、および該多官能エポキシ樹脂組成物を硬化させてなる硬化物
JP2018141150A (ja) 多官能エポキシ樹脂組成物、および該多官能エポキシ樹脂組成物を硬化させてなる硬化物
JP6303627B2 (ja) エポキシ樹脂組成物および硬化物
JP5734603B2 (ja) フェノール性樹脂、エポキシ樹脂、それらの製造方法、エポキシ樹脂組成物及び硬化物
WO2023127800A1 (ja) エポキシ樹脂組成物、硬化物、封止材及び接着剤
JP6561509B2 (ja) 窒素含有エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、硬化物および電気・電子材料
JP2010241870A (ja) 難燃性リン含有エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP2008274167A (ja) フェノールノボラック樹脂及びその製造法、エポキシ樹脂用硬化剤並びに硬化物
JP2015067806A (ja) プリント配線板形成用硬化性組成物およびプリント配線板形成用積層体の製造方法
JP5744010B2 (ja) エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP2013006972A (ja) エポキシ樹脂組成物及び該エポキシ樹脂組成物を硬化させてなる硬化物
JP2013006981A (ja) 三次元積層型半導体装置用の層間充填材組成物及びその塗布液
JP6721999B2 (ja) 硬化性樹脂組成物、及び硬化性成形材料
JP2008239891A (ja) 新規エポキシ樹脂、それを含有するエポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP2010235823A (ja) エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210928

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210930

A762 Written abandonment of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A762

Effective date: 20211126