JP2018140761A - 鞍乗型車両 - Google Patents

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孝之 郷家
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Abstract

【課題】ABSが搭載されるとともに前後方向における車両前部の小型化が可能な鞍乗型車両を提供する。【解決手段】液圧ユニット70は、ヘッドパイプ10の前方でヘッドランプ40よりも下方かつアンダーブラケット22よりも上方に位置する。車両平面視で液圧ユニット70はヘッドランプ40に重なる。マスタシリンダ18と液圧ユニット70とが上部配管FL1を介して接続され、液圧ユニット70とキャリパ1Cとが下部配管FL2を介して接続される。上部配管FL1はゴムホース61を含み、下部配管FL2は、コネクタ95を用いて互いに接続された鋼管80およびゴムホース90を含む。鋼管80の端部は液圧ユニット70に接続され、ゴムホース90の端部はキャリパ1Cに接続される。コネクタ95は、ヘッドランプ40の中心よりも下方に位置し、ゴムホース90は、液圧ユニット70よりも上方の位置でコネクタ95に接続される。【選択図】図7

Description

本発明は、ABSを備える鞍乗型車両に関する。
自動二輪車にABS(Antilock Brake System:アンチロックブレーキシステム)が搭載されることがある。ABSは、主としてマスタシリンダ、キャリパおよび液圧ユニット(ハイドロユニット;Hydraulic Unit)により構成される。
特許文献1に記載された自動二輪車においては、ヘッドパイプの後方にABSユニット(液圧ユニット)が設けられている。具体的には、このABSユニットは、ヘッドパイプ上部から後方に延びる左右一対のアッパーパイプと、ヘッドパイプ下部から後方に延びる左右一対のロアーパイプとの間に配置されている。一対のアッパーパイプおよび一対のロアーパイプは、車体フレームの一部を構成する。ヘッドパイプの前方にはフロントカウルが設けられ、フロントカウルの前端部にヘッドランプが設けられている。ヘッドランプ、ヘッドパイプおよびABSユニットは前後方向に並ぶ。
特開2005−178632号公報
小さな排気量を有する小型の自動二輪車においては、ヘッドパイプに一対のアッパーパイプおよび一対のロアーパイプが接合される代わりに、ヘッドパイプに1本のダウンフレームのみが接合される場合がある。このような構成では、ヘッドパイプの後方に機器を収容可能なスペースが形成されない。そのため、小型の自動二輪車においてヘッドパイプの後方にABSユニットを配置するためには、ダウンフレームの後方にABSユニットのためのスペースを設ける必要がある。それにより、ヘッドランプ、ヘッドパイプおよびABSユニットを含む車両前部が前後方向に大型化する。
そこで、ABSが搭載された鞍乗型車両において、車両前部の前後方向の小型化を実現するために、液圧ユニットをヘッドパイプまたはヘッドランプの左方または右方に配置することが考えられる。
ABSにおいては、マスタシリンダと液圧ユニット液圧ユニットとの間および液圧ユニットとキャリパとの間に、それぞれブレーキ液用配管が設けられる。液圧ユニットがヘッドパイプに固定される場合には、乗員によるハンドルの操作時に、マスタシリンダおよびキャリパが液圧ユニットに対して相対的に回転する。そのため、ブレーキ液用配管にはフレキシブル性を有するゴムホースが用いられる。
液圧ユニットがヘッドパイプまたはヘッドランプの左方または右方に配置されると、乗員によるハンドルの操作時に必要とされる各ブレーキ用ゴムホースのたわみ量が大きくなる。そのため、車両前部に各ブレーキ用ゴムホースのたわみを許容するスペースを大きく確保する必要がある。したがって、液圧ユニットをヘッドパイプまたはヘッドランプの左方または右方に設けても、実際には車両前部の小型化は難しい。
本発明の目的は、ABSが搭載されるとともに前後方向における車両前部の小型化が可能な鞍乗型車両を提供することである。
(1)本発明に係る鞍乗型車両は、ヘッドパイプと、ヘッドパイプに回転可能に設けられるフロントフォークと、フロントフォークとともに回転するハンドルと、ハンドルに取り付けられるマスタシリンダと、フロントフォークに設けられるキャリパと、車両前後方向においてヘッドパイプの前方に配置される前面部を有するフロントカバーと、前面部から露出する光出射面を有しかつ車両側面視でヘッドパイプと前面部との間に配置されるヘッドランプと、車両側面視でヘッドパイプと前面部との間に配置される液圧ユニットとを備え、液圧ユニットは、ヘッドランプよりも下方かつフロントフォークのアンダーブラケットよりも上方に位置し、車両平面視で液圧ユニットの少なくとも一部がヘッドランプに重なり、車両正面視で液圧ユニットの少なくとも一部がヘッドパイプに重なり、マスタシリンダと液圧ユニットとが上部配管を介して接続され、液圧ユニットとキャリパとが下部配管を介して接続され、上部配管は、第1のゴムホースを含み、下部配管は、コネクタを用いて互いに接続された鋼管および第2のゴムホースを含み、下部配管の鋼管の端部は、液圧ユニットに接続され、下部配管の第2のゴムホースの端部は、キャリパに接続され、コネクタの少なくとも一部は、ヘッドランプの車両上下方向における中心よりも下方に位置し、第2のゴムホースは、液圧ユニットよりも上方の位置でコネクタに接続される。
その鞍乗型車両においては、ヘッドランプおよび液圧ユニットが車両側面視でフロントカバーの前面部とヘッドパイプとの間に配置される。また、液圧ユニットがヘッドランプよりも下方に位置する。さらに、車両平面視で液圧ユニットの少なくとも一部がヘッドランプに重なる。それにより、ヘッドランプおよび液圧ユニットの配置スペースを前後方向に小型化することができる。
また、液圧ユニットがヘッドランプの下方に位置するとともに車両正面視で液圧ユニットの少なくとも一部がヘッドパイプに重なるので、液圧ユニットがヘッドパイプまたはヘッドランプの左方または右方に配置される場合に比べて、ハンドルの操作時に必要とされる第1および第2のゴムホースのたわみ量が低減される。したがって、第1および第2のゴムホースのたわみを許容するスペースを大きく確保する必要がない。
さらに、液圧ユニットがヘッドランプよりも下方に位置するので、液圧ユニットがヘッドランプよりも上方に配置される場合に比べて、上部配管を上下方向に延ばすことが可能となる。この場合、ハンドルに設けられるマスタシリンダと液圧ユニットとの間で第1のゴムホースを緩やかに湾曲させることができる。それにより、ハンドル操作時における第1のゴムホースのたわみ量がより低減される。したがって、第1のゴムホースのたわみを許容するスペースを大きく確保する必要がない。
ここで、液圧ユニットがヘッドランプよりも下方に位置すると、液圧ユニットがヘッドランプよりも上方に配置される場合に比べて液圧ユニットとキャリパとの間の距離が短くなる。この場合、仮に液圧ユニットからキャリパへ延びるようにゴムホースを設けると、ゴムホースを緩やかに湾曲させることができず、ハンドル操作時におけるゴムホースのたわみ量が大きくなり、ゴムホースのたわみを許容するために大きなスペースが必要になる可能性がある。
そこで、本発明の下部配管は、コネクタを用いて接続された鋼管および第2のゴムホースを含む。コネクタの少なくとも一部がヘッドランプの車両上下方向における中心よりも下方に位置し、第2のゴムホースは液圧ユニットよりも上方の位置でコネクタに接続される。この場合、液圧ユニットとキャリパとを第2のゴムホースのみで接続する場合に比べて、第2のゴムホースを上下方向に延ばすことができる。そのため、コネクタとキャリパとの間で第2のゴムホースを緩やかに湾曲させることが可能になり、ハンドル操作時における第2のゴムホースのたわみ量が低減される。したがって、第2のゴムホースのたわみを許容するスペースを大きく確保する必要がない。
また、鋼管は、ゴムホースに比べて高い強度を有するため、第1および第2のゴムホースに比べて小径の鋼管を用いることが可能となる。それにより、液圧ユニットから第2のゴムホースに至る下部配管の占有スペースが低減される。さらに、鋼管は高い剛性を有するので、ヘッドランプおよびヘッドパイプ周辺の限られたスペースを通るレイアウトを容易に実現することができる。そのため、鋼管と第2のゴムホースとを接続するコネクタの少なくとも一部をヘッドランプの車両上下方向における中心よりも下方の位置に固定することができる。
第2のゴムホースは、コネクタからキャリパまで延びるので、第2のゴムホースのうちコネクタの近傍部分は、他の部分に比べてハンドル操作時におけるたわみ量が小さい。この場合、ヘッドランプの車両上下方向における中心よりも下方の位置にコネクタの少なくとも一部が固定されることにより、第2のゴムホースのうちたわみ量が小さい部分がコネクタとともにヘッドランプの近傍に配置される。したがって、ヘッドランプとコネクタおよび第2のゴムホースとを互いに近づけることが可能となる。
これらの結果、前後方向においてフロントカバーの前面部をヘッドパイプに近づけることが可能となり、ABSが搭載されるとともに前後方向における車両前部の小型化が可能な鞍乗型車両が実現される。
(2)コネクタは、ヘッドパイプの中心軸に平行に延びるように配置されてもよい。この場合、コネクタおよびその近傍の位置で鋼管と第2のゴムホースとが直線状に並ぶ。第2のゴムホースがコネクタからヘッドパイプの中心軸に平行に延びるので、第2のゴムホースを大きくたわませることなくキャリパの位置へ延ばすことができる。
(3)キャリパは、車両正面視で車両の左右方向における中心を通る鉛直面から外れた位置に配置され、コネクタは、車両正面視で車両の鉛直面に関してキャリパ側に配置されてもよい。
この場合、コネクタからキャリパまでの間の第2のゴムホースの長さが過剰に長くなることが防止される。それにより、第2のゴムホースのたわみを許容するスペースが低減される。
(4)コネクタは、液圧ユニットよりも上方に配置され、液圧ユニットは、車両正面視において液圧ユニットの車両左右方向における中心が鉛直面に関してキャリパとは反対側に位置するように配置されてもよい。
この場合、乗員のハンドル操作により第2のゴムホースがたわむ際に、第2のゴムホースが液圧ユニットに干渉することが抑制される。
(5)鋼管は、車両正面視で液圧ユニットからヘッドランプの車両上下方向における中心よりも上方の位置まで延びる第1の部分と、車両正面視でヘッドランプの車両上下方向における中心よりも上方の位置からヘッドランプの車両上下方向における中心よりも下方の位置まで延びる第2の部分と、ヘッドランプの車両上下方向における中心よりも上方の位置で第1の部分の上端部と第2の部分の上端部とをつなぐ第3の部分とを含み、コネクタは、第2の部分の下端部に接続され、鋼管の第1、第2および第3の部分のうち少なくとも一部は、車両正面視でヘッドランプに重なってもよい。
鋼管は第2のゴムホースよりも小さい半径で曲げることが可能である。したがって、鋼管を加工することにより、限られたスペースに第1、第2および第3の部分を容易に配置することができる。また、第1および第2のゴムホースよりも小径の鋼管を用いることにより、車両正面視において鋼管の一部とヘッドランプとが互いに重なる場合でも、鋼管およびヘッドランプを含む構成を前後方向にコンパクト化することが可能になる。
(6)フロントカバーは、車両前後方向においてヘッドパイプの後方に配置される後面部をさらに有し、車両側面視における前面部の前縁は、ヘッドパイプの前方において車両側面視でヘッドパイプの中心軸に平行な第1の仮想線に沿うように延び、車両側面視における後面部の後縁は、ヘッドパイプの後方において車両側面視でヘッドパイプの中心軸に平行な第2の仮想線に沿うように延びてもよい。
この場合、車両側面視でフロントカバーの前面部および後面部がヘッドパイプの中心軸に略平行でかつ略平坦な外形を有するので、フロントカバーの前後方向におけるサイズをより小さくすることができる。それにより、前後方向にコンパクト化された扁平なフロントカバーが実現される。
本発明によれば、ABSが搭載された鞍乗型車両の前部を前後方向に小型化することが可能になる。
本発明の一実施の形態に係る自動二輪車の側面図である。 図1の自動二輪車が備えるヘッドパイプおよび車体フレームの外観斜視図である。 図1の自動二輪車の正面図である。 フロントカバー内部におけるヘッドランプ、液圧ユニットおよびアンダーブラケットの位置関係を説明するための図である。 フロントカバー内部におけるヘッドランプ、液圧ユニットおよびアンダーブラケットの位置関係を説明するための図である。 前輪用のABSの取付状態を示す左側面図である。 前輪用のABSの取付状態を示す右側面図である。 前輪用のABSの取付状態を示す正面図である。
以下、本発明の一実施の形態に係る鞍乗型車両について図面を参照しつつ説明する。以下の説明においては、鞍乗型車両の一例として自動二輪車を説明する。
[1]自動二輪車の概略構成
図1は本発明の一実施の形態に係る自動二輪車の側面図であり、図2は図1の自動二輪車100が備えるヘッドパイプおよび車体フレームの外観斜視図であり、図3は図1の自動二輪車100の正面図である。
図1および図3では、自動二輪車100が路面に対して垂直に起立した状態が示される。図1以降の図面においては、自動二輪車100の前後方向L、左右方向Hおよび上下方向Vが適宜矢印で示される。以下の説明では、前後方向Lにおいて矢印が向かう方向を前方と呼び、その逆の方向を後方と呼ぶ。また、左右方向Hにおいて矢印が向かう方向を左方と呼び、その逆の方向を右方と呼ぶ。上下方向Vにおいて矢印が向かう方向を上方と呼び、その逆の方向を下方と呼ぶ。
図1に示すように、自動二輪車100は、ヘッドパイプ10および車体フレーム11を備える。図2に示すように、車体フレーム11は、主として1本のダウンフレーム12、左右一対の第1リアフレーム13および左右一対の第2リアフレーム14を含む。ヘッドパイプ10は、自動二輪車100の左右方向Hの中心を通るとともに前後方向Lに延びる鉛直面内で後方から前方に向かって斜め下方へ延びるように設けられる。ヘッドパイプ10の前部には、ヘッドパイプ10の中心軸10aに平行に延びる固定部材STが接合されている。また、固定部材STには、後述するヘッドランプ40(図1)および液圧ユニット70(図1)等をヘッドパイプ10に取り付けるためのブラケットBRが設けられる。ブラケットBRは、例えばボルトを用いて固定部材STに着脱可能に構成されている。図2では、ブラケットBRがヘッドパイプ10から取り外された状態で示される。
ブラケットBRは、支柱BRa、液圧ユニット取付部BRbおよび2つのランプ取付部BRcを含む。支柱BRaは、固定部材STとほぼ同じ外形を有し、ヘッドパイプ10の中心軸10aに平行に延びるように形成されている。液圧ユニット取付部BRbは、支柱BRaの下端部近傍に設けられる。2つのランプ取付部BRcは、支柱BRaの上端部に取り付けられ、支柱BRaよりも上方の位置で左右方向Hに間隔をおいて配置される。
1本のダウンフレーム12は、ヘッドパイプ10の後部から後方に向かって斜め下方へ延びるように設けられる。このように、本実施の形態では、車体フレーム11として1本のダウンフレーム12のみがヘッドパイプ10に接合される。
左右の第1リアフレーム13は、ダウンフレーム12の下端部近傍から左右方向Hに広がりつつ湾曲し、後方に向かって延びる。左右の第1リアフレーム13の後端部下端には、左右方向Hに延びるクロスチューブ13pが設けられている。左右の第2リアフレーム14は、左右の第1リアフレーム13の後端部からそれぞれ後方に向かって斜め上方へ延びる。左右の第2リアフレーム14の中央部および後端部をそれぞれつなぐように、2本の接続片14a,14bが設けられている。
図1に示すように、ヘッドパイプ10には、ヘッドパイプ10の中心軸10aの周りで回転可能にステアリングシャフト15およびフロントフォーク20が支持される。具体的には、ヘッドパイプ10にステアリングシャフト15が挿入されている。ステアリングシャフト15は、ヘッドパイプ10よりも下方の位置からヘッドパイプ10よりも上方の位置までヘッドパイプ10の中心軸10aの方向に延びる。
フロントフォーク20は、主として左右一対のフォークチューブ21a,21b(図3)およびアンダーブラケット22により構成される。アンダーブラケット22は、ヘッドパイプ10の下方の位置でステアリングシャフト15の下端部に接続され、左右のフォークチューブ21a,21bの上端を連結する。一対のフォークチューブ21a,21bの下端には、前輪1およびディスクロータ1Dが回転可能に取り付けられる。さらに、右のフォークチューブ21b(図3)には、ディスクロータ1Dを介して前輪1に制動力を与えるためのキャリパ1Cが取り付けられている。
ステアリングシャフト15の上端部には、ハンドルステム16を介してハンドル17が取り付けられている。ハンドル17は、乗員の操作によりフロントフォーク20とともに回転する。図3に示すように、ハンドル17の右部分には、前輪1用のマスタシリンダ18およびブレーキレバー19が取り付けられている。乗員がブレーキレバー19を操作することにより、マスタシリンダ18内にブレーキレバー19の操作量に応じたブレーキ液圧が発生する。
ヘッドパイプ10には、さらに図2のブラケットBRを介してフロントカバー30が取り付けられる。この場合、フロントカバー30は、ステアリングシャフト15およびフロントフォーク20から独立してヘッドパイプ10に支持される。それにより、フロントフォーク20はフロントカバー30に相対的に回転可能となっている。フロントカバー30は、前面部31、後面部35および左右一対の側面部39a,39b(図3)を有する。
図1に示すように、前面部31は、前後方向Lにおいてヘッドパイプ10の前方に配置されている。車両側面視における前面部31の前縁は、ヘッドパイプ10の前方において車両側面視でヘッドパイプ10の中心軸10aに平行な第1の仮想線VL1に沿うように延びている。ここで、車両側面視における前面部31の前縁は、自動二輪車100の側方の位置から前面部31が視認されたときの前面部31の輪郭の一部を形成する。また、車両側面視における前面部31の前縁が第1の仮想線VL1に沿うとは、車両側面視における前面部31の前縁が車両側面視で第1の仮想線VL1に対して一定距離(例えば10cm)を超えて離間せず、第1の仮想線VL1に平行に延びることまたは第1の仮想線VL1に一定角度(例えば15°)以上傾斜することなく略平行に延びることを意味する。
後面部35は、前後方向Lにおいてヘッドパイプ10の後方に配置されている。車両側面視における後面部35の後縁は、ヘッドパイプ10の後方において車両側面視でヘッドパイプ10の中心軸10aに平行な第2の仮想線VL2に沿うように延びている。ここで、車両側面視における後面部35の後縁は、自動二輪車100の側方の位置から前面部31が視認されたときの後面部35の輪郭の一部を形成する。また、車両側面視における後面部35の後縁が第2の仮想線VL2に沿うとは、車両側面視における後面部35の後縁が車両側面視で第2の仮想線VL2に対して一定距離(例えば10cm)を超えて離間せず、第2の仮想線VL2に平行に延びることまたは第2の仮想線VL2に一定角度(例えば15°)以上傾斜することなく略平行に延びることを意味する。
前面部31および後面部35は、ヘッドパイプ10を挟んで互いに対向する。左の側面部39aは、ヘッドパイプ10の左方に配置され、前面部31の左側縁と後面部35の左側縁とを接続する。右の側面部39b(図3)は、ヘッドパイプ10の右方に配置され、前面部31の右側縁と後面部35の右側縁とを接続する。図3に示すように、左右の側面部39a,39bの各々には、スリット状開口SOが形成されている。スリット状開口SOは、フロントカバー30の前方からフロントカバー30の後方へ前後方向Lに貫通する。また、スリット状開口SOは、車両正面視で上下方向Vに延びる。
ヘッドパイプ10には、さらに図2のブラケットBRの液圧ユニット取付部BRbを介して液圧ユニット(ハイドロユニット;Hydraulic Unit)70が取り付けられる。液圧ユニット70は、フロントカバー30内に収容され、ヘッドパイプ10とフロントカバー30の前面部31との間に配置されている。マスタシリンダ18と液圧ユニット70とがブレーキ液用の上部配管FL1を介して接続される。また、液圧ユニット70とキャリパ1Cとがブレーキ液用の下部配管FL2を介して接続される。
本実施の形態では、キャリパ1C、ディスクロータ1D、マスタシリンダ18、ブレーキレバー19、液圧ユニット70、上部配管FL1および下部配管FL2により、前輪1用のABS(Antilock Brake System:アンチロックブレーキシステム)が構成される。
図3に示すように、フロントカバー30には、ヘッドランプ40、左右一対のポジションランプ50a,50bおよび左右一対のフラッシャランプ60a,60bが設けられている。図1に示すように、ヘッドランプ40は、ヘッドパイプ10とフロントカバー30の前面部31との間に配置される。また、ヘッドランプ40は、フロントカバー30の前面部31に形成された開口から車両前方に露出する光出射面を有する。図3では、ヘッドランプ40の光出射面の形状の理解を容易にするために、ヘッドランプ40の光出射面にハッチングが付される。なお、ヘッドランプ40の一部は、図2のブラケットBRの2つのランプ取付部BRcに取り付けられている。
図1に示すように、フロントカバー30の一定距離後方の位置にシート2が設けられている。シート2は、自動二輪車100の略中央上部から車両後端にかけて前後方向Lに延びる。また、シート2は、図2の左右の第2リアフレーム14により支持される。
シート2および左右の第2リアフレーム14の下方にエンジン3が設けられている。エンジン3は、ユニットスイング式エンジンであり、図示しないピボット軸を介して車体フレーム11に支持される。この状態で、エンジン3は、ピボット軸を中心として上下方向Vに揺動可能となっている。エンジン3の後端部に後輪4が回転可能に取り付けられている。後輪4は、エンジン3により発生される動力により回転する。
[2]フロントカバー内部における各構成要素の配置
図4および図5は、フロントカバー30内部におけるヘッドランプ40、液圧ユニット70およびアンダーブラケット22の位置関係を説明するための図である。図4にフロントカバー30およびその周辺の側面図が示される。図5に自動二輪車100の前部の平面図として、自動二輪車100のうちシート2よりも前方の部分の平面図が示される。図4および図5では、フロントカバー30内のヘッドランプ40の外形が太い点線で示される。また、フロントカバー30内の液圧ユニット70の外形が太い二点鎖線で示される。また、フロントカバー30内のアンダーブラケット22の外形が太い一点鎖線で示される。さらに、図5では、液圧ユニット70の形状の理解を容易にするために、液圧ユニット70にハッチングが付される。
フロントカバー30内部において、液圧ユニット70は、図4に示すように、ヘッドランプ40よりも下方かつアンダーブラケット22よりも上方に位置する。また、液圧ユニット70は、図5に示すように、車両平面視でヘッドランプ40に重なる。さらに、液圧ユニット70の一部は、車両平面視でアンダーブラケット22に重なる。
図6は前輪1用のABSの取付状態を示す左側面図であり、図7は前輪1用のABSの取付状態を示す右側面図であり、図8は前輪1用のABSの取付状態を示す正面図である。図6〜図8においては、前輪1用のABSの複数の構成要素とともに、前輪1、ハンドル17、ヘッドパイプ10、ダウンフレーム12、ステアリングシャフト15、フロントフォーク20、ヘッドランプ40およびブラケットBRの一部が示される。なお、ヘッドランプ40は点線で示される。また、ブラケットBRのうち2つのランプ取付部BRc(図2)の図示は省略する。
液圧ユニット70の右部分は、図8に示すように、車両正面視でヘッドパイプ10に重なる。一方、液圧ユニット70の左部分は、図8に示すように、車両正面視でヘッドパイプ10の左方に位置する。
図8に示すように、マスタシリンダ18と液圧ユニット70とを接続する上部配管FL1は、1本のゴムホース61および2つの金属製のコネクタ62,63により構成される。コネクタ62,63は、ゴムホース61の両端部にそれぞれ設けられる。
ゴムホース61の一端は、コネクタ62を介してマスタシリンダ18に接続されている。ゴムホース61は、マスタシリンダ18からステアリングシャフト15の上端部近傍の位置まで左方に延びるとともに下方へ向かうように緩やかに湾曲する。さらに、ゴムホース61は、図6および図7に示すように、車両側面視でステアリングシャフト15およびヘッドパイプ10とヘッドランプ40との間を通って前方かつ斜め下方に向かって延びる。図7に示すように、ゴムホース61の他端は、コネクタ63を介して液圧ユニット70に接続されている。
ステアリングシャフト15のうちヘッドパイプ10よりも上方に位置する部分には、ガイド部材15gが取り付けられている。ガイド部材15gは、ゴムホース61をステアリングシャフト15の近傍の一定範囲内で遊動可能に支持する。図8に示すように、上部配管FL1の一部は、車両正面視でステアリングシャフト15およびヘッドランプ40に重なる。
液圧ユニット70とキャリパ1Cとを接続する下部配管FL2は、1本の鋼管80、1本のゴムホース90および3つの金属製のコネクタ95,96,97により構成される。鋼管80とゴムホース90とはコネクタ95を用いて互いに接続されている。ゴムホース90に接続されない鋼管80の端部にコネクタ96が設けられ、鋼管80に接続されないゴムホース90の端部にコネクタ97が設けられる。ゴムホース90に接続されない鋼管80の端部は、コネクタ96を介して液圧ユニット70に接続されている。鋼管80に接続されないゴムホース90の端部は、コネクタ97を介してキャリパ1Cに接続されている。
コネクタ95は、固定部材99(図8)によりブラケットBRの支柱BRaに固定されている。この状態で、コネクタ95は、ヘッドランプ40の上下方向Vにおける中心よりも下方に位置する。図6〜図8では、ヘッドランプ40の上下方向Vにおける中心の位置が太い一点鎖線で示される。また、コネクタ95は、液圧ユニット70よりも上方に位置する。
鋼管80は、図8に示すように、第1の部分81、第2の部分82および第3の部分83を含む。第1の部分81は、自動二輪車100の左右方向Hの中心を通るとともに前後方向Lに延びる鉛直面vsの左方に位置する。さらに、第1の部分81は、車両正面視で上部配管FL1のゴムホース61よりも左方に位置する。また、第1の部分81は、図6に示すように、車両側面視で、液圧ユニット70からヘッドランプ40の上下方向Vにおける中心よりも上方の位置までヘッドパイプ10の中心軸10aに平行に延びる。さらに、第1の部分81は、車両側面視で上部配管FL1のゴムホース61よりも前方に位置する。
第2の部分82は、図8に示すように、鉛直面vsの右方に位置する。さらに、第2の部分82は、車両正面視で上部配管FL1のゴムホース61よりも右方に位置する。また、第2の部分82は、図7に示すように、車両側面視で、ヘッドランプ40の上下方向Vにおける中心よりも上方の位置からヘッドランプ40の上下方向における中心よりも下方の位置までヘッドパイプ10の中心軸10aに平行に延びる。さらに、第2の部分82は、車両側面視で上部配管FL1のゴムホース61よりも前方に位置する。第2の部分82の下端部にコネクタ95が接続されている。
第3の部分83は、図8に示すように、ヘッドランプ40の上下方向Vにおける中心よりも上方の位置で第1の部分81の上端部と第2の部分82上端部とをつなぐ。さらに、第3の部分83は、図6〜図8に示すように、上部配管FL1のゴムホース61よりも前方の位置で第1の部分81の上端部と第2の部分82上端部とをつなぐ。
ゴムホース90は、液圧ユニット70よりも上方の位置でコネクタ95に接続されている。図6〜図8に示すように、アンダーブラケット22の右端部には、ガイド部材22gが取り付けられている。ガイド部材22gは、ゴムホース90を右のフォークチューブ21bの上端部近傍の一定範囲内で遊動可能に支持する。
[3]効果
(a)上記のように、自動二輪車100のフロントカバー30内では、液圧ユニット70がヘッドランプ40よりも下方に位置するとともに、車両平面視でヘッドランプ40に重なる。それにより、ヘッドランプ40および液圧ユニット70の配置スペースを前後方向Lに小型化することが可能となっている。
また、液圧ユニット70がヘッドランプ40の下方に位置するとともに車両正面視で液圧ユニット70の一部がヘッドパイプ10に重なるので、液圧ユニット70の全体がヘッドパイプ10またはヘッドランプ40の左方または右方に配置される場合に比べて、ハンドル17の操作時に必要とされる上部配管FL1および下部配管FL2のゴムホース61,90のたわみ量が低減される。したがって、フロントカバー30内にゴムホース61,90のたわみを許容するスペースを大きく確保する必要がない。
さらに、液圧ユニット70がヘッドランプ40よりも下方に位置するので、液圧ユニット70がヘッドランプ40よりも上方に配置される場合に比べて、ゴムホース61を上下方向Vに延ばすことが可能となる。この場合、マスタシリンダ18と液圧ユニット70との間でゴムホース61を緩やかに湾曲させることができる。それにより、ハンドル17の操作時におけるゴムホース61のたわみ量がより低減される。したがって、フロントカバー30内にゴムホース61のたわみを許容するスペースを大きく確保する必要がない。
ここで、液圧ユニット70がヘッドランプ40よりも下方に位置すると、液圧ユニット70がヘッドランプ40よりも上方に配置される場合に比べて液圧ユニット70とキャリパ1Cとの間の距離が短くなる。この場合、仮に液圧ユニット70からキャリパ1Cへ延びるようにゴムホースを設けると、ゴムホースを緩やかに湾曲させることができない。そのため、ハンドル17の操作時におけるゴムホースのたわみ量が大きくなり、ゴムホースのたわみを許容するために大きなスペースが必要になる可能性がある。
そこで、本実施の形態に係る下部配管FL2は、コネクタ95を用いて接続された鋼管80およびゴムホース90を含む。コネクタ95はヘッドランプ40の上下方向Vにおける中心よりも下方に位置し、ゴムホース90は液圧ユニット70よりも上方の位置でコネクタ95に接続される。この場合、液圧ユニット70とキャリパ1Cとをゴムホース90のみで接続する場合に比べて、ゴムホース90を上下方向Vに延ばすことができる。そのため、コネクタ95とキャリパ1Cとの間でゴムホース90を緩やかに湾曲させることが可能になり、ハンドル17の操作時におけるゴムホース90のたわみ量が低減される。したがって、ゴムホース90のたわみを許容するスペースを大きく確保する必要がない。
また、鋼管80は、ゴムホース61,90に比べて高い強度を有するため、ゴムホース61,90に比べて小径の鋼管を用いることが可能となる。それにより、液圧ユニット70からゴムホース90に至る下部配管FL2の占有スペースが低減される。さらに、鋼管80は高い剛性を有するので、ヘッドランプ40およびヘッドパイプ10周辺の限られたスペースを通る下部配管FL2のレイアウトを容易に実現することができる。そのため、コネクタ95をヘッドランプ40の上下方向Vにおける中心よりも下方でかつヘッドランプ40の下端部よりも上方の位置に固定することができる。
ゴムホース90は、コネクタ95からキャリパ1Cまで延びるので、ゴムホース90のうちコネクタ95の近傍部分は、他の部分に比べてハンドル17の操作時におけるたわみ量が小さい。この場合、ヘッドランプ40の上下方向Vにおける中心よりも下方の位置にコネクタ95が固定されることにより、ゴムホース90のうちたわみ量が小さい部分がコネクタ95とともにヘッドランプ40の近傍に配置される。したがって、ヘッドランプ40とコネクタ95およびゴムホース90とを互いに近づけることが可能となる。
これらの結果、前後方向においてフロントカバー30の前面部31をヘッドパイプ10に近づけることが可能となり、ABSが搭載された自動二輪車100の前部を前後方向Lに小型化することが可能になる。
(b)上記のように、ハンドル17から液圧ユニット70にかけてゴムホース61を含む上部配管FL1が設けられる。また、下部配管FL2において、ヘッドランプ40よりも下方かつ液圧ユニット70よりも上方に位置するコネクタ95からキャリパ1Cにかけてゴムホース90が設けられる。この場合、上部配管FL1のゴムホース61の長さと下部配管FL2のゴムホース90の長さとの合計は、ABSが搭載されない自動二輪車100においてマスタシリンダ18とキャリパ1Cとを接続する単一のゴムホースの長さとほぼ等しくなる。
したがって、例えばABSのメンテナンスのために自動二輪車100から一時的にABSを取り外す場合には、自動二輪車100から液圧ユニット70および上部配管FL1および下部配管FL2を取り外した後、代替の単一のゴムホースをマスタシリンダ18とキャリパ1Cとの間に容易に取り付けることができる。それにより、ABSが搭載されない状態でも前輪1の制動力を容易に確保することができるので、自動二輪車100の運転が可能になる。また、この場合、ABSの取り外しの前後でマスタシリンダ18とキャリパ1Cとの間のゴムホースの長さが大きく変化しないので、ブレーキレバー19の操作フィーリングが、ABSを取り外す前の状態とほぼ等しくなるように維持される。
(c)図7および図8に示すように、下部配管FL2のコネクタ95は、ヘッドパイプ10の中心軸10aに平行に延びるように配置されている。この場合、コネクタ95およびその近傍の位置で鋼管80とゴムホース90とが直線状に並ぶ。それにより、ゴムホース90の上端部近傍がコネクタ95からヘッドパイプ10の中心軸10aに平行に延びるので、ゴムホース90を大きくたわませることなくキャリパ1Cへ延ばすことができる。
(d)図8に示すように、キャリパ1Cは、車両正面視で鉛直面vsの右方に配置されている。また、コネクタ95は、キャリパ1Cと同様に、車両正面視で鉛直面vsの右方に配置されている。このように、キャリパ1Cおよびコネクタ95がともに鉛直面vsの右方に位置するので、コネクタ95からキャリパ1Cまでの間のゴムホース90の長さが過剰に長くなることが防止される。それにより、ゴムホース90のたわみを許容するスペースが低減される。
(e)上記のように、下部配管FL2のコネクタ95は、鉛直面vsの右方に位置するとともに、液圧ユニット70よりも上方に位置する。一方、図8に白抜きの矢印で示すように、液圧ユニット70の左右方向Hにおける中心は鉛直面vsの左方に位置する。このように、コネクタ95と左右方向Hにおける液圧ユニット70の中心とが鉛直面vsの左右に位置することにより、下部配管FL2のゴムホース90がたわむ際に、ゴムホース90が液圧ユニット70に干渉することが抑制される。
(f)鋼管はゴムホースよりも小さい半径で曲げることが可能である。したがって、小径の鋼管を加工することにより、第1の部分81、第2の部分82および第3の部分83を含む鋼管80を容易に作製することができる。また、小径の鋼管80を用いることにより、車両正面視で鋼管80の一部とヘッドランプ40とが重なる場合でも、鋼管80およびヘッドランプ40を含むフロントカバー30内の構成を前後方向にコンパクト化することが可能になる。
(g)上記のように、車両側面視における前面部31の前縁は、車両側面視でヘッドパイプ10の中心軸10aに平行な第1の仮想線VL1に沿うように延びている。また、車両側面視における後面部35の後縁は、車両側面視でヘッドパイプ10の中心軸10aに平行な第2の仮想線VL2に沿うように延びている。それにより、前面部31および後面部35は、ヘッドパイプ10の中心軸10aに略平行でかつ略平坦な外形を有する。この場合、フロントカバー30の前後方向Lにおけるサイズをより小さくすることができる。また、前後方向Lにコンパクト化された扁平なフロントカバー30が実現される。
[4]他の実施の形態
(a)上記実施の形態においては、液圧ユニット70の全体が車両平面視でヘッドランプ40に重なるが、本発明はこれに限定されない。本発明においては、液圧ユニット70の少なくとも一部が、車両平面視でヘッドランプ40に重なっていればよい。それにより、車両平面視でヘッドランプ40と液圧ユニット70とが前後方向Lに並ぶ場合に比べて、ヘッドランプ40および液圧ユニット70の配置スペースを前後方向Lに小型化することが可能となる。
(b)上記実施の形態においては、液圧ユニット70の一部が車両正面視でヘッドパイプ10に重なるが、本発明はこれに限定されない。液圧ユニット70の全体が車両正面視でヘッドパイプ10に重なってもよい。
(c)上記実施の形態においては、下部配管FL2のコネクタ95は、ヘッドランプ40の上下方向Vにおける中心よりも下方に位置するが、本発明はこれに限定されない。本発明においては、コネクタ95の少なくとも一部が、ヘッドランプ40の上下方向Vにおける中心よりも下方に位置すればよい。それにより、ゴムホース90を液圧ユニット70よりも上方の位置でコネクタ95に接続することができる。
(d)上記実施の形態においては、車両側面視における前面部31の前縁が車両側面視で第1の仮想線VL1に沿うように延び、車両側面視における後面部35の後縁が車両側面視で第2の仮想線VL2に沿うように延びているが、本発明はこれに限定されない。車両側面視における前面部31の前縁が車両側面視で第1の仮想線VL1に沿わないように形成されてもよい。また、車両側面視における後面部35の後縁が車両側面視で第2の仮想線VL2に沿わないように形成されてもよい。すなわち、車両側面視でフロントカバー30の前面部31および後面部35はそれぞれ略平坦な外形を有さなくてもよい。
(e)上記実施の形態においては、自動二輪車100のヘッドパイプ10には、車体フレーム11として1本のダウンフレーム12のみが接合されるが、本発明はこれに限定されない。例えば、ヘッドパイプ10には、車体フレームとして2本以上のフレーム部材が接合されてもよい。この場合、高い剛性を有する大型の車体フレームを採用することができる。それにより、大型の鞍乗型車両においても本発明を適用することが可能になる。
(f)上記実施の形態においては、フロントカバー30がヘッドパイプ10に支持されるが、フロントカバー30はフロントフォーク20または車体フレーム11に支持されてもよい。
(g)上記実施の形態は、本発明を自動二輪車に適用した例であるが、これに限らず、自動四輪車、自動三輪車もしくはATV(All Terrain Vehicle;不整地走行車両)等の他の車両に本発明を適用してもよい。
[5]請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応関係
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各構成要素との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
上記の実施の形態においては、ヘッドパイプ10がヘッドパイプの例であり、フロントフォーク20がフロントフォークの例であり、ハンドル17がハンドルの例であり、マスタシリンダ18がマスタシリンダの例であり、キャリパ1Cがキャリパの例であり、フロントカバー30がフロントカバーの例であり、前面部31が前面部の例である。
また、ヘッドランプ40がヘッドランプの例であり、液圧ユニット70が液圧ユニットの例であり、アンダーブラケット22がアンダーブラケットの例であり、上部配管FL1が上部配管の例であり、下部配管FL2が下部配管の例であり、ゴムホース61が第1のゴムホースの例であり、コネクタ95がコネクタの例であり、鋼管80が鋼管の例であり、ゴムホース90が第2のゴムホースの例であり、自動二輪車100が鞍乗型車両の例である。
また、鉛直面vsが鉛直面の例であり、鋼管80の第1の部分81が第1の部分の例であり、鋼管80の第2の部分82が第2の部分の例であり、鋼管80の第3の部分83が第3の部分の例であり、後面部35が後面部の例であり、中心軸10aがヘッドパイプの中心軸の例であり、第1の仮想線VL1が第1の仮想線の例であり、第2の仮想線VL2が第2の仮想線の例である。
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の構成要素を用いることもできる。
1…前輪,1C…キャリパ,1D…ディスクロータ,2…シート,3…エンジン,4…後輪,10…ヘッドパイプ,10a…中心軸,11…車体フレーム,12…ダウンフレーム,13…第1リアフレーム,13p…クロスチューブ,14…第2リアフレーム,14a,14b…接続片,15…ステアリングシャフト,15g…ガイド部材,16…ハンドルステム,17…ハンドル,18…マスタシリンダ,19…ブレーキレバー,20…フロントフォーク,21a,21b…フォークチューブ,22…アンダーブラケット,22g…ガイド部材,30…フロントカバー,31…前面部,35…後面部,39a,39b…側面部,40…ヘッドランプ,50a,50b…ポジションランプ,60a,60b…フラッシャランプ,61,90…ゴムホース,62,63,95,96,97…コネクタ,70…液圧ユニット,80…鋼管,81…第1の部分,82…第2の部分,83…第3の部分,99…固定部材,100…自動二輪車,BR…ブラケット,BRa…支柱,BRb…液圧ユニット取付部,BRc…ランプ取付部,FL1…上部配管,FL2…下部配管,SO…スリット状開口,ST…固定部材,VL1…第1の仮想線,VL2…第2の仮想線,vs…鉛直面

Claims (6)

  1. ヘッドパイプと、
    前記ヘッドパイプに回転可能に設けられるフロントフォークと、
    前記フロントフォークとともに回転するハンドルと、
    前記ハンドルに取り付けられるマスタシリンダと、
    前記フロントフォークに設けられるキャリパと、
    車両前後方向において前記ヘッドパイプの前方に配置される前面部を有するフロントカバーと、
    前記前面部から露出する光出射面を有しかつ車両側面視で前記ヘッドパイプと前記前面部との間に配置されるヘッドランプと、
    車両側面視で前記ヘッドパイプと前記前面部との間に配置される液圧ユニットとを備え、
    前記液圧ユニットは、前記ヘッドランプよりも下方かつ前記フロントフォークのアンダーブラケットよりも上方に位置し、
    車両平面視で前記液圧ユニットの少なくとも一部が前記ヘッドランプに重なり、
    車両正面視で前記液圧ユニットの少なくとも一部が前記ヘッドパイプに重なり、
    前記マスタシリンダと前記液圧ユニットとが上部配管を介して接続され、前記液圧ユニットと前記キャリパとが下部配管を介して接続され、
    前記上部配管は、第1のゴムホースを含み、
    前記下部配管は、コネクタを用いて互いに接続された鋼管および第2のゴムホースを含み、
    前記下部配管の鋼管の端部は、前記液圧ユニットに接続され、
    前記下部配管の前記第2のゴムホースの端部は、前記キャリパに接続され、
    前記コネクタの少なくとも一部は、前記ヘッドランプの車両上下方向における中心よりも下方に位置し、
    前記第2のゴムホースは、前記液圧ユニットよりも上方の位置で前記コネクタに接続される、鞍乗型車両。
  2. 前記コネクタは、前記ヘッドパイプの中心軸に平行に延びるように配置された、請求項1記載の鞍乗型車両。
  3. 前記キャリパは、車両正面視で車両の左右方向における中心を通る鉛直面から外れた位置に配置され、
    前記コネクタは、車両正面視で車両の前記鉛直面に関して前記キャリパ側に配置された、請求項1または2記載の鞍乗型車両。
  4. 前記コネクタは、前記液圧ユニットよりも上方に配置され、
    前記液圧ユニットは、車両正面視において前記液圧ユニットの車両左右方向における中心が前記鉛直面に関して前記キャリパとは反対側に位置するように配置された、請求項3記載の鞍乗型車両。
  5. 前記鋼管は、
    車両正面視で前記液圧ユニットから前記ヘッドランプの車両上下方向における中心よりも上方の位置まで延びる第1の部分と、
    車両正面視で前記ヘッドランプの車両上下方向における中心よりも上方の位置から前記ヘッドランプの車両上下方向における中心よりも下方の位置まで延びる第2の部分と、
    前記ヘッドランプの車両上下方向における中心よりも上方の位置で前記第1の部分の上端部と前記第2の部分の上端部とをつなぐ第3の部分とを含み、
    前記コネクタは、前記第2の部分の下端部に接続され、
    前記鋼管の前記第1、第2および第3の部分のうち少なくとも一部は、車両正面視で前記ヘッドランプに重なる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の鞍乗型車両。
  6. 前記フロントカバーは、車両前後方向において前記ヘッドパイプの後方に配置される後面部をさらに有し、
    車両側面視における前記前面部の前縁は、前記ヘッドパイプの前方において車両側面視で前記ヘッドパイプの中心軸に平行な第1の仮想線に沿うように延び、
    車両側面視における前記後面部の後縁は、前記ヘッドパイプの後方において車両側面視で前記ヘッドパイプの中心軸に平行な第2の仮想線に沿うように延びる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の鞍乗型車両。
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